JPH08140995A - 歯科用材料 - Google Patents
歯科用材料Info
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- JPH08140995A JPH08140995A JP30557994A JP30557994A JPH08140995A JP H08140995 A JPH08140995 A JP H08140995A JP 30557994 A JP30557994 A JP 30557994A JP 30557994 A JP30557994 A JP 30557994A JP H08140995 A JPH08140995 A JP H08140995A
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- JP
- Japan
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- stainless steel
- plating
- dental
- thin film
- steel wire
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- Dental Preparations (AREA)
- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
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- Chemical Vapour Deposition (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来のステンレス鋼や形状記憶合金からなる
歯科用材料が、歯の象牙色に比べ極めて目立つという問
題に鑑み、歯科用材料に表面加工を施すことにより、腐
食や変色が生ぜず、目立たず、破損せず、優れた審美性
を呈する、歯科用材料を得る。 【構成】 ステンレス鋼製の歯科用ブラケツトおよび鋼
線2に、乳白色から淡黄色の審美的な色調を有する金を
含有する拡散合金めっき被膜3を施した後に、透明で耐
摩耗性を有するセラミツクス薄膜4aを施す。
歯科用材料が、歯の象牙色に比べ極めて目立つという問
題に鑑み、歯科用材料に表面加工を施すことにより、腐
食や変色が生ぜず、目立たず、破損せず、優れた審美性
を呈する、歯科用材料を得る。 【構成】 ステンレス鋼製の歯科用ブラケツトおよび鋼
線2に、乳白色から淡黄色の審美的な色調を有する金を
含有する拡散合金めっき被膜3を施した後に、透明で耐
摩耗性を有するセラミツクス薄膜4aを施す。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は歯並びを人工的に矯正す
るなどのために使用するステンレス鋼製の歯科用材料に
関し、特に乳白色から淡黄色の色調を有する耐摩耗性の
セラミツクス薄膜を施すか、または金を含有する合金め
っきを施した後に、透明で耐摩耗性のセラミツクス薄膜
を施すことにより、自然歯と類似の色調を得るととも
に、歯磨きなどよる摩耗変色を防止した歯科用材料に関
するものである。
るなどのために使用するステンレス鋼製の歯科用材料に
関し、特に乳白色から淡黄色の色調を有する耐摩耗性の
セラミツクス薄膜を施すか、または金を含有する合金め
っきを施した後に、透明で耐摩耗性のセラミツクス薄膜
を施すことにより、自然歯と類似の色調を得るととも
に、歯磨きなどよる摩耗変色を防止した歯科用材料に関
するものである。
【0002】ここで、金を含有する合金めっきとは、同
時析出させた合金めっき、および合金構成金属を多層に
めっきした後に拡散焼鈍を行つて合金化したものをい
う。
時析出させた合金めっき、および合金構成金属を多層に
めっきした後に拡散焼鈍を行つて合金化したものをい
う。
【0003】
【従来の技術】従来、歯科用鋼線にはステンレス鋼、形
状記憶合金の一種であるNi−Tiなどの合金が使用さ
れており、審美性を高めるには、上述の合金からなる鋼
線に、4フツ化エチレン樹脂(登録商標テフロン)の焼
付塗装によるコーテイング被膜が施されている。しか
し、上述の歯科用鋼線は、歯の治療のために装着してい
る間、鋼線のコーテイング被膜が歯の色と比較して異様
に目立ち、またコーテイング被膜が剥がれやすいなどの
欠陥がある。
状記憶合金の一種であるNi−Tiなどの合金が使用さ
れており、審美性を高めるには、上述の合金からなる鋼
線に、4フツ化エチレン樹脂(登録商標テフロン)の焼
付塗装によるコーテイング被膜が施されている。しか
し、上述の歯科用鋼線は、歯の治療のために装着してい
る間、鋼線のコーテイング被膜が歯の色と比較して異様
に目立ち、またコーテイング被膜が剥がれやすいなどの
欠陥がある。
【0004】また、歯科用ブラケツトにも主にステンレ
ス鋼製のものが使用されており、強度的には優れている
が、歯科用鋼線の場合と同様に目立ちすぎ、かつ審美性
に劣る。
ス鋼製のものが使用されており、強度的には優れている
が、歯科用鋼線の場合と同様に目立ちすぎ、かつ審美性
に劣る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】審美性のよい材料に
は、プラスチツクやセラミツクスがあるが、これらの材
料は強度的に弱く、治療中に破損し、脱落する恐れがあ
るなどの欠陥がある。
は、プラスチツクやセラミツクスがあるが、これらの材
料は強度的に弱く、治療中に破損し、脱落する恐れがあ
るなどの欠陥がある。
【0006】本発明の目的は、ステンレス鋼や形状記憶
合金が歯の象牙色に比べ極めて目立つという問題に鑑
み、従来の金属製歯科用材料に表面加工を施すことによ
り、腐食や変色が生ぜず、目立たず、破損せず、優れた
審美性を呈する、ブラケツト、鋼線などの歯科用材料を
提供することにある。
合金が歯の象牙色に比べ極めて目立つという問題に鑑
み、従来の金属製歯科用材料に表面加工を施すことによ
り、腐食や変色が生ぜず、目立たず、破損せず、優れた
審美性を呈する、ブラケツト、鋼線などの歯科用材料を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の構成はステンレス鋼製の歯科用ブラケツト
および鋼線に、乳白色から淡黄色の審美的な色調を有す
る耐摩耗性のセラミツクス薄膜を施すか、ステンレス鋼
製の歯科用ブラケツトおよび鋼線に、乳白色から淡黄色
の審美的な色調を有する金を含有する合金めっきを施し
た後に、透明で耐摩耗性を有するセラミツクス薄膜を施
したものである。
に、本発明の構成はステンレス鋼製の歯科用ブラケツト
および鋼線に、乳白色から淡黄色の審美的な色調を有す
る耐摩耗性のセラミツクス薄膜を施すか、ステンレス鋼
製の歯科用ブラケツトおよび鋼線に、乳白色から淡黄色
の審美的な色調を有する金を含有する合金めっきを施し
た後に、透明で耐摩耗性を有するセラミツクス薄膜を施
したものである。
【0008】
【作用】本発明によれば、歯科用ブラケツト、歯科用鋼
線などの歯科用材料に、高強度で延性と耐食性に優れた
ステンレス鋼(好ましくは、オーステナイト系ステンレ
ス鋼)を用い、ステンレス鋼の表面に真空蒸着法、スパ
ツタリング法、精密溶射法などの方法により、乳白色か
ら淡黄色の色調を有する耐摩耗性のセラミツクス薄膜を
施すか、または電気めっき、真空蒸着法、スパツタリン
グ法などの方法により金を含有する多層めっきを施し、
無酸化雰囲気で加熱することにより、各めっき層の金属
を熱拡散して合金化して、乳白色から淡黄色の色調を形
成し、次いで真空蒸着法、スパツタリング法、精密溶射
法などにより透明で耐摩耗性のセラミツクス薄膜を施す
ことにより、目立たず、破損せず、摩耗変色しにくく、
審美性に優れたものが得られる。
線などの歯科用材料に、高強度で延性と耐食性に優れた
ステンレス鋼(好ましくは、オーステナイト系ステンレ
ス鋼)を用い、ステンレス鋼の表面に真空蒸着法、スパ
ツタリング法、精密溶射法などの方法により、乳白色か
ら淡黄色の色調を有する耐摩耗性のセラミツクス薄膜を
施すか、または電気めっき、真空蒸着法、スパツタリン
グ法などの方法により金を含有する多層めっきを施し、
無酸化雰囲気で加熱することにより、各めっき層の金属
を熱拡散して合金化して、乳白色から淡黄色の色調を形
成し、次いで真空蒸着法、スパツタリング法、精密溶射
法などにより透明で耐摩耗性のセラミツクス薄膜を施す
ことにより、目立たず、破損せず、摩耗変色しにくく、
審美性に優れたものが得られる。
【0009】
【実施例】歯科用ブラケツト、歯科用鋼線などの歯科用
材料に、耐食性に優れた象牙色の審美的な色調を与える
ために、図1に示すように、本発明では歯科用材料とし
ての歯科用鋼線1の場合には、ステンレス鋼線2の表面
に真空蒸着法、スパツタリング法、精密溶射法などによ
り、乳白色から淡黄色の色調を有する耐摩耗性のセラミ
ツクス薄膜4を施す。
材料に、耐食性に優れた象牙色の審美的な色調を与える
ために、図1に示すように、本発明では歯科用材料とし
ての歯科用鋼線1の場合には、ステンレス鋼線2の表面
に真空蒸着法、スパツタリング法、精密溶射法などによ
り、乳白色から淡黄色の色調を有する耐摩耗性のセラミ
ツクス薄膜4を施す。
【0010】また、図2に示すように、歯科用鋼線1a
として、ステンレス鋼線2の表面に電気めっき、真空蒸
着法、スパツタリング法などにより金属めっき被膜3を
施した後に、透明なセラミツクス薄膜4aを施す。しか
し、単一の金属めっきでは、適切な色調を得るのは困難
であり、合金めっきを施すことにより得られる。耐食性
に優れかつ人体に悪影響を及ぼさない合金めっきの成分
元素には、貴金属に属する金、白金、銀、パラジウム、
ロジウムなどを選択することが必要である。金は黄金色
の色調を呈し、白金、銀、パラジウム、ロジウムなどは
白色系の色調を呈する。したがつて、象牙色の審美的色
調を有する合金めっきを行うためには、金と白金、銀、
パラジウムなどとの二元以上の合金めっきを行い、かつ
合金めっき中の金の含有比率を低くすることにより、黄
金色を薄め、象牙色の色調を有する合金めっき被膜3が
得られる。乳白色から淡黄色の色調を保つために、合金
めっき被膜3の表面に真空蒸着法、スパツタリング法、
精密溶射法などにより透明で耐摩耗性を有するセラミツ
クス薄膜4aを施す。
として、ステンレス鋼線2の表面に電気めっき、真空蒸
着法、スパツタリング法などにより金属めっき被膜3を
施した後に、透明なセラミツクス薄膜4aを施す。しか
し、単一の金属めっきでは、適切な色調を得るのは困難
であり、合金めっきを施すことにより得られる。耐食性
に優れかつ人体に悪影響を及ぼさない合金めっきの成分
元素には、貴金属に属する金、白金、銀、パラジウム、
ロジウムなどを選択することが必要である。金は黄金色
の色調を呈し、白金、銀、パラジウム、ロジウムなどは
白色系の色調を呈する。したがつて、象牙色の審美的色
調を有する合金めっきを行うためには、金と白金、銀、
パラジウムなどとの二元以上の合金めっきを行い、かつ
合金めっき中の金の含有比率を低くすることにより、黄
金色を薄め、象牙色の色調を有する合金めっき被膜3が
得られる。乳白色から淡黄色の色調を保つために、合金
めっき被膜3の表面に真空蒸着法、スパツタリング法、
精密溶射法などにより透明で耐摩耗性を有するセラミツ
クス薄膜4aを施す。
【0011】具体的実施例1 ステンレス鋼(好ましくは、オーステナイト系ステンレ
ス鋼)製の歯科用材料を洗浄し、表面に付着する油脂、
ダストなどを除去する。次いで、真空槽の内部に歯科用
材料をセツトし、排気して真空にする。十分に排気した
後に加熱して蒸発源よりセラミツクスを蒸発させ、反応
性ガスのプラズマを利用して蒸発物をガスと反応させ、
TiN,Al2O3,SiC,TiC,TiCNなどの窒
化物、酸化物、炭化物からなる耐摩耗性を有するセラミ
ツクスの薄膜を歯科用材料の表面に形成する。
ス鋼)製の歯科用材料を洗浄し、表面に付着する油脂、
ダストなどを除去する。次いで、真空槽の内部に歯科用
材料をセツトし、排気して真空にする。十分に排気した
後に加熱して蒸発源よりセラミツクスを蒸発させ、反応
性ガスのプラズマを利用して蒸発物をガスと反応させ、
TiN,Al2O3,SiC,TiC,TiCNなどの窒
化物、酸化物、炭化物からなる耐摩耗性を有するセラミ
ツクスの薄膜を歯科用材料の表面に形成する。
【0012】具体的実施例2 まず、ステンレス鋼(好ましくは、オーステナイト系ス
テンレス鋼)製の歯科用材料の表面に銀めっき、白金め
っき、金めっきの3層めっきを行うに当り、ステンレス
鋼表面に付着する油脂、酸化クロム、酸化ニツケルなど
の不動態被膜を除去するための前処理をする。つまり、
アルカリ電解脱脂を行い、水洗し、中和した後に、塩酸
100g/ltおよび塩化ニツケル100g/ltの水溶液
中で陰極電解を行い、水洗し、ステンレス鋼の表面の不
動態被膜を除去する(ltはリツトルを表すことにす
る)。
テンレス鋼)製の歯科用材料の表面に銀めっき、白金め
っき、金めっきの3層めっきを行うに当り、ステンレス
鋼表面に付着する油脂、酸化クロム、酸化ニツケルなど
の不動態被膜を除去するための前処理をする。つまり、
アルカリ電解脱脂を行い、水洗し、中和した後に、塩酸
100g/ltおよび塩化ニツケル100g/ltの水溶液
中で陰極電解を行い、水洗し、ステンレス鋼の表面の不
動態被膜を除去する(ltはリツトルを表すことにす
る)。
【0013】次に、銀めっき工程に移り、銀めっき浴組
成はシアン化銀45g/lt、遊離シアン化カリウム10
0g/lt、炭酸カリウム15g/ltに調整し、めっき浴
温度25℃、電流密度0.5A/dm2 の条件で2分間
めっきした結果、ステンレス鋼の表面に銀めっき被膜厚
さ0.60μmが析出した。
成はシアン化銀45g/lt、遊離シアン化カリウム10
0g/lt、炭酸カリウム15g/ltに調整し、めっき浴
温度25℃、電流密度0.5A/dm2 の条件で2分間
めっきした結果、ステンレス鋼の表面に銀めっき被膜厚
さ0.60μmが析出した。
【0014】次いで、白金めっき工程に移り、白金めっ
き浴組成は硝酸アンモニウム100g/lt、硝酸ナトリ
ウム10g/lt、アンモニアに溶解されたアミノ亜硝酸
白金3g/lt、水酸化アンモニウム55g/ltに調整
し、めっき浴温度97〜100℃、電流密度2.5A/
dm2 の条件で32分間めっきした結果、銀めっき被膜
の表面に、白金めっき被膜厚さ1.60μmが析出し
た。
き浴組成は硝酸アンモニウム100g/lt、硝酸ナトリ
ウム10g/lt、アンモニアに溶解されたアミノ亜硝酸
白金3g/lt、水酸化アンモニウム55g/ltに調整
し、めっき浴温度97〜100℃、電流密度2.5A/
dm2 の条件で32分間めっきした結果、銀めっき被膜
の表面に、白金めっき被膜厚さ1.60μmが析出し
た。
【0015】次いで、金めっき工程に移り、金めっき浴
組成はシアン化金カリウム15g/lt、クエン酸アンモ
ニウム60g/lt、硫酸アンモニウム60g/ltに調整
し、めっき浴温度60℃、電流密度0.5A/dm2 の
条件で4分間めっきした結果、白金めっき被膜の表面
に、金めっき被膜厚さ1.00μmが析出した。
組成はシアン化金カリウム15g/lt、クエン酸アンモ
ニウム60g/lt、硫酸アンモニウム60g/ltに調整
し、めっき浴温度60℃、電流密度0.5A/dm2 の
条件で4分間めっきした結果、白金めっき被膜の表面
に、金めっき被膜厚さ1.00μmが析出した。
【0016】以上により銀めっき被膜厚さ0.60μ
m、白金めっき被膜厚さ1.60μm、金めっき被膜厚
さ1.00μmの3層めっき被膜を形成した歯科用材料
を、無酸化雰囲気で加熱温度500℃で10分間加熱し
た結果、銀、白金、金の各めっき層が相互に熱拡散し、
銀−白金−金の三元合金めっきになつた。
m、白金めっき被膜厚さ1.60μm、金めっき被膜厚
さ1.00μmの3層めっき被膜を形成した歯科用材料
を、無酸化雰囲気で加熱温度500℃で10分間加熱し
た結果、銀、白金、金の各めっき層が相互に熱拡散し、
銀−白金−金の三元合金めっきになつた。
【0017】合金めっきを施した歯科用材料の表面に付
着する油脂、ダストなどを除去するために洗浄を行う。
次いで、真空槽の内部に歯科用材料をセツトし、排気し
て真空にする。十分に排気した後に加熱し、電子ビーム
によりセラミツクス材料であるアルミナ粒を溶解して、
透明なアルミナ薄膜を歯科用材料の合金めっき被膜の表
面に形成する。
着する油脂、ダストなどを除去するために洗浄を行う。
次いで、真空槽の内部に歯科用材料をセツトし、排気し
て真空にする。十分に排気した後に加熱し、電子ビーム
によりセラミツクス材料であるアルミナ粒を溶解して、
透明なアルミナ薄膜を歯科用材料の合金めっき被膜の表
面に形成する。
【0018】上述の歯科用材料を歯列矯正患者に使用し
た結果、ステンレス鋼線に乳白色から淡黄色の審美的な
色調を有する耐摩耗性のセラミツクス薄膜を施した歯科
用材料も、ステンレス鋼線に合金めっきを施した後に、
透明で耐摩耗性のセラミツクス薄膜を施した歯科用材料
も、色調が人の歯に類似しているため、歯列矯正中であ
ることが判りにくいほどである。
た結果、ステンレス鋼線に乳白色から淡黄色の審美的な
色調を有する耐摩耗性のセラミツクス薄膜を施した歯科
用材料も、ステンレス鋼線に合金めっきを施した後に、
透明で耐摩耗性のセラミツクス薄膜を施した歯科用材料
も、色調が人の歯に類似しているため、歯列矯正中であ
ることが判りにくいほどである。
【0019】ところで、上述の合金めっきを施した後に
透明で耐摩耗性のセラミツクス薄膜を施した歯科用材料
を、歯列矯正患者に使用した場合の耐食性と耐摩耗性
は、歯科用材料として重要なことである。人の口中には
食べかすなどが残存する外に唾液が弱酸性であることか
ら、食べかすや唾液により歯科用材料が黒く変色した
り、歯磨きなどによりセラミツクス薄膜やめっき被膜が
磨滅すると素材のステンレス鋼が露出することがある。
透明で耐摩耗性のセラミツクス薄膜を施した歯科用材料
を、歯列矯正患者に使用した場合の耐食性と耐摩耗性
は、歯科用材料として重要なことである。人の口中には
食べかすなどが残存する外に唾液が弱酸性であることか
ら、食べかすや唾液により歯科用材料が黒く変色した
り、歯磨きなどによりセラミツクス薄膜やめっき被膜が
磨滅すると素材のステンレス鋼が露出することがある。
【0020】上述の鑑点から、本発明に係る歯科用材料
の耐食性と耐摩耗性を調査するために、歯科用材料を歯
列矯正患者に試用した結果、装用開始後6ケ月を経過し
ても、歯科用材料が黒く変色することも、歯磨きなどに
より歯科用材料のセラミツクス薄膜やめっき被膜が磨滅
または剥離し、ステンレス鋼の素地が露出することも認
められなかつた。
の耐食性と耐摩耗性を調査するために、歯科用材料を歯
列矯正患者に試用した結果、装用開始後6ケ月を経過し
ても、歯科用材料が黒く変色することも、歯磨きなどに
より歯科用材料のセラミツクス薄膜やめっき被膜が磨滅
または剥離し、ステンレス鋼の素地が露出することも認
められなかつた。
【0021】歯科医師によると、歯科用材料は約3ケ月
の装用で変色や摩耗がなければ、実用に供し得るとされ
ているので、本発明による歯科用材料は十分に安定した
品質を維持するものであることが証明された。
の装用で変色や摩耗がなければ、実用に供し得るとされ
ているので、本発明による歯科用材料は十分に安定した
品質を維持するものであることが証明された。
【0022】
【発明の効果】本発明は上述のように、歯科用材料とし
て、耐食性に優れたステンレス鋼を素材とし、ステンレ
ス鋼の表面に、乳白色から淡黄色の色調を有する耐摩耗
性のセラミツクス薄膜を施すか、金を含有する合金めっ
きを施した後に透明で耐摩耗性のセラミツクス薄膜を施
すことにより、耐食性と耐摩耗性が改善され、自然歯に
よく似た乳白色から淡黄色の色調を有する審美的な歯科
用材料が得られ、その実用的価値が極めて高い。
て、耐食性に優れたステンレス鋼を素材とし、ステンレ
ス鋼の表面に、乳白色から淡黄色の色調を有する耐摩耗
性のセラミツクス薄膜を施すか、金を含有する合金めっ
きを施した後に透明で耐摩耗性のセラミツクス薄膜を施
すことにより、耐食性と耐摩耗性が改善され、自然歯に
よく似た乳白色から淡黄色の色調を有する審美的な歯科
用材料が得られ、その実用的価値が極めて高い。
【0023】また、本発明による歯科用材料は、ステン
レス鋼の表面が乳白色から淡黄色の色調を有する耐摩耗
性のセラミツクス薄膜で覆われるか、または金を含有す
る多層の合金めっき被膜が透明で耐摩耗性のセラミツク
ス薄膜で覆われているので、ステンレス鋼中のNiが遮
断され、Niアレルギーの体質の人に使用しても全く支
障がない。
レス鋼の表面が乳白色から淡黄色の色調を有する耐摩耗
性のセラミツクス薄膜で覆われるか、または金を含有す
る多層の合金めっき被膜が透明で耐摩耗性のセラミツク
ス薄膜で覆われているので、ステンレス鋼中のNiが遮
断され、Niアレルギーの体質の人に使用しても全く支
障がない。
【図1】本発明の第1実施例に係る歯科用鋼線の端部を
破断して示す断面図である。
破断して示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る歯科用鋼線の端部を
破断して示す断面図である。
破断して示す断面図である。
1:歯科用鋼線 1a:拡散合金めっき被膜を備えた歯
科用鋼線 2:ステンレス鋼線 3:拡散合金めっき被
膜 4:セラミツクス薄膜 4a:透明なセラミツクス
薄膜
科用鋼線 2:ステンレス鋼線 3:拡散合金めっき被
膜 4:セラミツクス薄膜 4a:透明なセラミツクス
薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 28/00 B C25D 7/00 Z // C23C 14/06 A 8939−4K B 8939−4K H 8939−4K 14/08 A 8939−4K (72)発明者 伊藤 正爾 千葉県習志野市東習志野7−5−1 鈴木 金属工業株式会社内 (72)発明者 小川 清史 埼玉県桶川市南2−5−6
Claims (2)
- 【請求項1】ステンレス鋼製の歯科用ブラケツトおよび
鋼線に、乳白色から淡黄色の審美的な色調を有する耐摩
耗性のセラミツクス薄膜を施したことを特徴とする歯科
用材料。 - 【請求項2】ステンレス鋼製の歯科用ブラケツトおよび
鋼線に、乳白色から淡黄色の審美的な色調を有する金を
含有する合金めっき被膜を施した後に、透明で耐摩耗性
を有するセラミツクス薄膜を施したことを特徴とする歯
科用材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30557994A JP2844317B2 (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | 歯科用材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30557994A JP2844317B2 (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | 歯科用材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08140995A true JPH08140995A (ja) | 1996-06-04 |
JP2844317B2 JP2844317B2 (ja) | 1999-01-06 |
Family
ID=17946849
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30557994A Expired - Fee Related JP2844317B2 (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | 歯科用材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2844317B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100738912B1 (ko) * | 2005-12-19 | 2007-07-12 | 프리켓 주식회사 | 치열 교정기 및 이의 표면처리 방법 |
US10543061B2 (en) | 2014-10-03 | 2020-01-28 | 3M Innovative Properties Company | Methods for managing the scattering of incident light and articles created therefrom |
-
1994
- 1994-11-15 JP JP30557994A patent/JP2844317B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100738912B1 (ko) * | 2005-12-19 | 2007-07-12 | 프리켓 주식회사 | 치열 교정기 및 이의 표면처리 방법 |
US10543061B2 (en) | 2014-10-03 | 2020-01-28 | 3M Innovative Properties Company | Methods for managing the scattering of incident light and articles created therefrom |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2844317B2 (ja) | 1999-01-06 |
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