JPH08139031A - 光励起気相成長装置 - Google Patents
光励起気相成長装置Info
- Publication number
- JPH08139031A JPH08139031A JP27742394A JP27742394A JPH08139031A JP H08139031 A JPH08139031 A JP H08139031A JP 27742394 A JP27742394 A JP 27742394A JP 27742394 A JP27742394 A JP 27742394A JP H08139031 A JPH08139031 A JP H08139031A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- susceptor
- excitation light
- growth chamber
- substrates
- vapor phase
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 励起光の照射を伴った一回の成膜で処理でき
る基板枚数が多く、スループットの高い光励起気相成長
装置を得る。 【構成】 サセプタ4を減圧可能な成長室3内に備え、
サセプタ4の近傍空間に原料ガスを励起するための励起
光8を照射可能な光源9と、成長室3内に原料ガスを供
給する原料ガス供給機構70とを備えた光励起気相成長
装置に、成長室3内に於ける原料ガスの主な移動方向を
ほぼ鉛直上下方向に設定する原料ガス導入・導出機構
と、成長室3内に於ける励起光の光路を、ほぼ水平な光
路とする励起光導入機構80を備え、サセプタ4によ
り、一対の基板5を、水平方向で励起光8を対称に挟ん
でほぼ鉛直方向に支持可能に構成する。
る基板枚数が多く、スループットの高い光励起気相成長
装置を得る。 【構成】 サセプタ4を減圧可能な成長室3内に備え、
サセプタ4の近傍空間に原料ガスを励起するための励起
光8を照射可能な光源9と、成長室3内に原料ガスを供
給する原料ガス供給機構70とを備えた光励起気相成長
装置に、成長室3内に於ける原料ガスの主な移動方向を
ほぼ鉛直上下方向に設定する原料ガス導入・導出機構
と、成長室3内に於ける励起光の光路を、ほぼ水平な光
路とする励起光導入機構80を備え、サセプタ4によ
り、一対の基板5を、水平方向で励起光8を対称に挟ん
でほぼ鉛直方向に支持可能に構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板を保持するための
加熱機構を備えたサセプタを、減圧可能な成長室内に備
え、サセプタの近傍空間に原料ガスを励起するための励
起光を照射可能な光源と、成長室内に原料ガスを供給す
る原料ガス供給機構とを備えた光励起気相成長装置に関
する。
加熱機構を備えたサセプタを、減圧可能な成長室内に備
え、サセプタの近傍空間に原料ガスを励起するための励
起光を照射可能な光源と、成長室内に原料ガスを供給す
る原料ガス供給機構とを備えた光励起気相成長装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】本願の発明者らは、高性能液晶パネルを
実現するために、薄膜トランジスタの要部を構成する多
結晶シリコン膜層やゲート絶縁膜層を、光励起気相成長
法で製造することを提案している。ここで、基板上に多
結晶シリコンを得る場合は、原料ガスとしてジシランと
ジクロルシラン等のハロゲン化シランと水素を組み合わ
せて、これらの原料ガスを基板上に導いて、所定の膜層
を得る。さらに、ゲート絶縁膜層を構成する場合は、シ
リコン源となるシラン、酸素源となる一酸化二窒素等を
原料ガスとして絶縁体層としての酸化シリコン膜層を得
たり、シリコン源となるガスとアンモニア等の窒素源ガ
スとを組み合わせて、絶縁体層としての窒化シリコン層
を形成することができる。このような方法をとると、従
来手法である熱CVD等を使用する場合と比較して、低
温での膜層形成ができ、さらに、例えば単一の成長室内
で、連続成膜ができるため、非常に高品質の薄膜トラン
ジスタの要部を構成することができる。さて、従来の光
励起気相成長装置においては、基板を水平に支持する構
成のサセプタが一般的であり、励起光は基板表面上方
に、これとほぼ平行(事実上ほぼ水平となる)に照射さ
れて、成膜(所定の層の形成)が行われていた。
実現するために、薄膜トランジスタの要部を構成する多
結晶シリコン膜層やゲート絶縁膜層を、光励起気相成長
法で製造することを提案している。ここで、基板上に多
結晶シリコンを得る場合は、原料ガスとしてジシランと
ジクロルシラン等のハロゲン化シランと水素を組み合わ
せて、これらの原料ガスを基板上に導いて、所定の膜層
を得る。さらに、ゲート絶縁膜層を構成する場合は、シ
リコン源となるシラン、酸素源となる一酸化二窒素等を
原料ガスとして絶縁体層としての酸化シリコン膜層を得
たり、シリコン源となるガスとアンモニア等の窒素源ガ
スとを組み合わせて、絶縁体層としての窒化シリコン層
を形成することができる。このような方法をとると、従
来手法である熱CVD等を使用する場合と比較して、低
温での膜層形成ができ、さらに、例えば単一の成長室内
で、連続成膜ができるため、非常に高品質の薄膜トラン
ジスタの要部を構成することができる。さて、従来の光
励起気相成長装置においては、基板を水平に支持する構
成のサセプタが一般的であり、励起光は基板表面上方
に、これとほぼ平行(事実上ほぼ水平となる)に照射さ
れて、成膜(所定の層の形成)が行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記技
術を、液晶パネルに用いるには、装置の性能として、良
質の膜層が形成できることはもとより、高い成膜速度、
高いスループットが要求される。特に、1回の成膜で、
チャンバー内にどれだけの基板を投入できるかが問題と
なる。ここで、上記した基板をほぼ水平に支持する構成
では、一回に成膜できる基板枚数が限られており、スル
ープットに問題がある。さらに、励起光に対して、事実
上、その下部域に配設される基板上で成膜が進行するこ
ととなるため、励起光の利用効率が低いという問題があ
る。従って、本発明の目的は、励起光の照射を伴った一
回の成膜で処理できる基板枚数が多く、スループットの
高い光励起気相成長装置を得ることにある。
術を、液晶パネルに用いるには、装置の性能として、良
質の膜層が形成できることはもとより、高い成膜速度、
高いスループットが要求される。特に、1回の成膜で、
チャンバー内にどれだけの基板を投入できるかが問題と
なる。ここで、上記した基板をほぼ水平に支持する構成
では、一回に成膜できる基板枚数が限られており、スル
ープットに問題がある。さらに、励起光に対して、事実
上、その下部域に配設される基板上で成膜が進行するこ
ととなるため、励起光の利用効率が低いという問題があ
る。従って、本発明の目的は、励起光の照射を伴った一
回の成膜で処理できる基板枚数が多く、スループットの
高い光励起気相成長装置を得ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する請
求項1に係わる本願第1の発明の第1の特徴構成は、成
長室内に於ける原料ガスの主な移動方向をほぼ鉛直上下
方向に設定する原料ガス導入・導出機構と、成長室内に
於ける励起光の光路を、ほぼ水平な光路とする励起光導
入機構を備え、さらに、サセプタが、一対の基板を、励
起光を水平方向で挟んでほぼ鉛直方向に支持可能に構成
されていることにある。さらに、上記第1の特徴構成に
おいて、サセプタにより、ほぼ鉛直方向に支持される一
対の基板間において、両者の水平方向に於ける相対離間
距離が、原料ガスの流路下手側程、狭く設定されている
ことが好ましい。これが、請求項2に係わる本願第2の
特徴構成である。さらに、上記第1の特徴構成におい
て、サセプタにより、ほぼ鉛直方向に支持される一対の
基板間において、両者の水平方向に於ける相対離間距離
が、励起光光路下手側程、狭く設定されていることが好
ましい。これが、請求項3に係わる本願第3の特徴構成
である。そして、これらの作用・効果は以下のとおりで
ある。
求項1に係わる本願第1の発明の第1の特徴構成は、成
長室内に於ける原料ガスの主な移動方向をほぼ鉛直上下
方向に設定する原料ガス導入・導出機構と、成長室内に
於ける励起光の光路を、ほぼ水平な光路とする励起光導
入機構を備え、さらに、サセプタが、一対の基板を、励
起光を水平方向で挟んでほぼ鉛直方向に支持可能に構成
されていることにある。さらに、上記第1の特徴構成に
おいて、サセプタにより、ほぼ鉛直方向に支持される一
対の基板間において、両者の水平方向に於ける相対離間
距離が、原料ガスの流路下手側程、狭く設定されている
ことが好ましい。これが、請求項2に係わる本願第2の
特徴構成である。さらに、上記第1の特徴構成におい
て、サセプタにより、ほぼ鉛直方向に支持される一対の
基板間において、両者の水平方向に於ける相対離間距離
が、励起光光路下手側程、狭く設定されていることが好
ましい。これが、請求項3に係わる本願第3の特徴構成
である。そして、これらの作用・効果は以下のとおりで
ある。
【0005】
【作用】本願の第1の特徴構成を備えた光励起気相成長
装置においては、原料ガス導入・導出機構を備えること
により、原料ガスは主に、鉛直上下方向の移動をおこな
う。そして、この原料ガスの流れに沿って基板は、サセ
プタによりほぼ鉛直方向に支持される。さらに、励起光
は励起光導入機構により、サセプタに支持された少なく
とも一対の基板間で、これに沿って水平導入される。従
って、励起光の照射により、これを挟んでサセプタに支
持された少なくとも一対の基板での膜層形成が可能とな
り、結果的にスループットを向上することができる。さ
らに、基板の配置構成を実質上縦型とすることで、励起
光に対して、これを挟んで配設される基板間で、重力的
にほぼ均等な状態で、膜層形成をおこなうこととなるた
め、例えば、励起光線束に対して、その上下方向に一対
備える場合等と比較して、膜層形成の制御が容易とな
り、実用性に富んだ光励起気相成長装置を得ることがで
きた。さらに、本願第2の特徴構成を備えると、原料ガ
スはその移流に伴って、膜層形成によって原料ガス濃度
の低下を起こすが、移流流路の狭隘化することにより、
これが補われ、原料ガスの移流方向で膜層厚の均一なも
のを得ることができる。さらに、本願第3の特徴構成を
備えると、励起光は、原料ガスの励起に伴って、そのエ
ネルギーの低下を起こすが、相対向する基板間の相対離
間距離Aを詰めることにより、励起されたシリコンの膜
面への取り込みの確率が増加し、励起光光線束の照射方
向で膜層厚の均一なものを得ることができる。
装置においては、原料ガス導入・導出機構を備えること
により、原料ガスは主に、鉛直上下方向の移動をおこな
う。そして、この原料ガスの流れに沿って基板は、サセ
プタによりほぼ鉛直方向に支持される。さらに、励起光
は励起光導入機構により、サセプタに支持された少なく
とも一対の基板間で、これに沿って水平導入される。従
って、励起光の照射により、これを挟んでサセプタに支
持された少なくとも一対の基板での膜層形成が可能とな
り、結果的にスループットを向上することができる。さ
らに、基板の配置構成を実質上縦型とすることで、励起
光に対して、これを挟んで配設される基板間で、重力的
にほぼ均等な状態で、膜層形成をおこなうこととなるた
め、例えば、励起光線束に対して、その上下方向に一対
備える場合等と比較して、膜層形成の制御が容易とな
り、実用性に富んだ光励起気相成長装置を得ることがで
きた。さらに、本願第2の特徴構成を備えると、原料ガ
スはその移流に伴って、膜層形成によって原料ガス濃度
の低下を起こすが、移流流路の狭隘化することにより、
これが補われ、原料ガスの移流方向で膜層厚の均一なも
のを得ることができる。さらに、本願第3の特徴構成を
備えると、励起光は、原料ガスの励起に伴って、そのエ
ネルギーの低下を起こすが、相対向する基板間の相対離
間距離Aを詰めることにより、励起されたシリコンの膜
面への取り込みの確率が増加し、励起光光線束の照射方
向で膜層厚の均一なものを得ることができる。
【0006】
【発明の効果】従って、本願の光励起気相成長装置を得
ることにより、励起光の照射を伴った一回の成膜で、処
理できる基板枚数が多く、スループットの高いものを得
ることができるとともに、膜厚の均一な良質の膜を得る
ことが、比較的簡便な条件設定でできるようになった。
ることにより、励起光の照射を伴った一回の成膜で、処
理できる基板枚数が多く、スループットの高いものを得
ることができるとともに、膜厚の均一な良質の膜を得る
ことが、比較的簡便な条件設定でできるようになった。
【0007】
【実施例】以下本願の光励起気相成長装置1の構成を、
図1、図2、図3に基づいて説明する。図1には、装置
の主要部を構成する成長室3の内部斜視図が示されてい
る。図2には成長室の平面視図が、図3には励起光の照
射方向の正面視図が示されている。装置1は、真空ポン
プ2によって所定の真空度に排気される成長室3内に、
サセプタ4に支持された基板(例えばガラス基板;Co
rning7059)5を収納可能に構成されており、
加熱機構としてのヒータ6によって所定の温度に加熱さ
れるようになっている。成長室3内には、ガス導入管7
を経由して原料ガスが供給される。即ち、原料ガスを貯
蔵するタンク71、このタンク71に備えられる開閉弁
72、さらに開閉弁72からの原料ガスが流れる前記ガ
ス導入管7により原料ガス供給機構70が構成されてい
る。一方、成長室3に対して、基板表面5a付近のガス
雰囲気を励起可能な励起光8を照射可能な光源9が備え
られている。この実施例においては、結晶性シリコンの
形成にあたって、光源9からの励起光8を入射窓10を
通して、基板表面5aに対してこれとほぼ平行に、照射
する。光源9は、具体的には、発振波長が193nmで
あるArFエキシマレーザーである。この波長の励起光
8は、後に説明する原料ガスを構成するジシラン(Si
2H6)を直接励起可能である。即ち、ジシラン(Si2
H6)は約220nm付近に電子状態励起に伴う光吸収
の吸収端を持っているため、結晶性シリコンの形成にあ
たっては、ArFエキシマレーザーにより、直接これが
励起されて、分子結合の解離を起こす。
図1、図2、図3に基づいて説明する。図1には、装置
の主要部を構成する成長室3の内部斜視図が示されてい
る。図2には成長室の平面視図が、図3には励起光の照
射方向の正面視図が示されている。装置1は、真空ポン
プ2によって所定の真空度に排気される成長室3内に、
サセプタ4に支持された基板(例えばガラス基板;Co
rning7059)5を収納可能に構成されており、
加熱機構としてのヒータ6によって所定の温度に加熱さ
れるようになっている。成長室3内には、ガス導入管7
を経由して原料ガスが供給される。即ち、原料ガスを貯
蔵するタンク71、このタンク71に備えられる開閉弁
72、さらに開閉弁72からの原料ガスが流れる前記ガ
ス導入管7により原料ガス供給機構70が構成されてい
る。一方、成長室3に対して、基板表面5a付近のガス
雰囲気を励起可能な励起光8を照射可能な光源9が備え
られている。この実施例においては、結晶性シリコンの
形成にあたって、光源9からの励起光8を入射窓10を
通して、基板表面5aに対してこれとほぼ平行に、照射
する。光源9は、具体的には、発振波長が193nmで
あるArFエキシマレーザーである。この波長の励起光
8は、後に説明する原料ガスを構成するジシラン(Si
2H6)を直接励起可能である。即ち、ジシラン(Si2
H6)は約220nm付近に電子状態励起に伴う光吸収
の吸収端を持っているため、結晶性シリコンの形成にあ
たっては、ArFエキシマレーザーにより、直接これが
励起されて、分子結合の解離を起こす。
【0008】さて、図1、図2、図3に示すように、本
願の装置1は、励起光の照射方向及び基板5の配置姿勢
において独特の構成が採用されている。先ず、原料ガス
の移流方向に関して説明すると、前述のガス導入管7及
び真空ポンプ2に接続されるガス導出管11は、成長室
3の鉛直上部側壁面12の概中央位置及び鉛直下部側壁
面13の概中央位置にそれぞれ接続開口されている。成
長室3内に配設される複数の基板5は、成長室3の中央
縦断面Sに対して左右対象に配設されており、上記の接
続開口は、この中央縦断面S部位に開口している。従っ
て、サセプタ4に支持された状態にある中央配置の一対
の基板5に対して、それらの垂直二等分線上に接続開口
14が配設される。この流路構成より、原料ガスは、成
長室3内に於いて鉛直上下方向を主な移流方向とされ
る。ここで、このように、成長室3内に於ける原料ガス
の移流方向を決定付ける構成及び機構を原料ガス導入・
導出機構と呼ぶ。次に、励起光8の照射について説明す
る。図1、図2、図3に示す様に、成長室3内に於ける
励起光8の光路は、ほぼ水平な光路として設定されてい
る。この光路の決定は、適切な光学機器を備えた励起光
導入機構80によって行われる。さて、この励起光導入
機構80は、励起光8であるレーザー光を、ほぼ鉛直方
向に幅を有するシート状の励起光光線束に成形する第1
成形光学系81が備えられるとともに、ハーフミラー8
2及びミラー83より構成され、且つ第1成形光学系8
1を経た励起光光線束を、平面視、図2に示すように平
行な3本の励起光光線束群とする第2成形光学系84を
備えている。従って、図1、図2に示すように、レーザ
ー光は、成形室3内で3本の鉛直上下方向に幅を有する
励起光光線束群となる。励起光8をシート状の励起光光
線束として、基板表面5aとほぼ平行に照射する本願の
ような構成を取る場合は、各基板5に形成される膜層1
5を、その幅方向で一気に形成することができ、能率が
よい。さらに、励起光光線束群を形成・使用すること
で、これらの励起光光線束各々に対して、基板5を適切
に配置して成膜(層形成)すると、一度に多数枚の基板
5を処理できる。図2、図3に示すように前記3本の励
起光光線束に対して、この励起光光線束を、その左右方
向から挟む形で複数の基板5を支持するように、サセプ
タ4が構成されている。即ち、サセプタ4は、少なくと
も一対の基板5を、励起光8である励起光光線束を対称
に水平方向に挟んで、これをほぼ鉛直方向に支持する構
成が採用されている。従って、励起光8の一回の照射に
より、この励起光8を挟んで配置される少なくとも対と
なる基板5を、共に、処理する(成膜を進める)ことが
できる。この様に、基板5の配置構成を縦型とすること
で、励起光光線束に対して左右に配設される基板5間
で、重力的に対象な状態が実現し、例えば、励起光光線
束に対して、その上下方向に一対備える場合等と比較し
て、膜層形成の制御が簡便となる。
願の装置1は、励起光の照射方向及び基板5の配置姿勢
において独特の構成が採用されている。先ず、原料ガス
の移流方向に関して説明すると、前述のガス導入管7及
び真空ポンプ2に接続されるガス導出管11は、成長室
3の鉛直上部側壁面12の概中央位置及び鉛直下部側壁
面13の概中央位置にそれぞれ接続開口されている。成
長室3内に配設される複数の基板5は、成長室3の中央
縦断面Sに対して左右対象に配設されており、上記の接
続開口は、この中央縦断面S部位に開口している。従っ
て、サセプタ4に支持された状態にある中央配置の一対
の基板5に対して、それらの垂直二等分線上に接続開口
14が配設される。この流路構成より、原料ガスは、成
長室3内に於いて鉛直上下方向を主な移流方向とされ
る。ここで、このように、成長室3内に於ける原料ガス
の移流方向を決定付ける構成及び機構を原料ガス導入・
導出機構と呼ぶ。次に、励起光8の照射について説明す
る。図1、図2、図3に示す様に、成長室3内に於ける
励起光8の光路は、ほぼ水平な光路として設定されてい
る。この光路の決定は、適切な光学機器を備えた励起光
導入機構80によって行われる。さて、この励起光導入
機構80は、励起光8であるレーザー光を、ほぼ鉛直方
向に幅を有するシート状の励起光光線束に成形する第1
成形光学系81が備えられるとともに、ハーフミラー8
2及びミラー83より構成され、且つ第1成形光学系8
1を経た励起光光線束を、平面視、図2に示すように平
行な3本の励起光光線束群とする第2成形光学系84を
備えている。従って、図1、図2に示すように、レーザ
ー光は、成形室3内で3本の鉛直上下方向に幅を有する
励起光光線束群となる。励起光8をシート状の励起光光
線束として、基板表面5aとほぼ平行に照射する本願の
ような構成を取る場合は、各基板5に形成される膜層1
5を、その幅方向で一気に形成することができ、能率が
よい。さらに、励起光光線束群を形成・使用すること
で、これらの励起光光線束各々に対して、基板5を適切
に配置して成膜(層形成)すると、一度に多数枚の基板
5を処理できる。図2、図3に示すように前記3本の励
起光光線束に対して、この励起光光線束を、その左右方
向から挟む形で複数の基板5を支持するように、サセプ
タ4が構成されている。即ち、サセプタ4は、少なくと
も一対の基板5を、励起光8である励起光光線束を対称
に水平方向に挟んで、これをほぼ鉛直方向に支持する構
成が採用されている。従って、励起光8の一回の照射に
より、この励起光8を挟んで配置される少なくとも対と
なる基板5を、共に、処理する(成膜を進める)ことが
できる。この様に、基板5の配置構成を縦型とすること
で、励起光光線束に対して左右に配設される基板5間
で、重力的に対象な状態が実現し、例えば、励起光光線
束に対して、その上下方向に一対備える場合等と比較し
て、膜層形成の制御が簡便となる。
【0009】さらに、前記サセプタ4による基板5の支
持構成について説明すると、このサセプタ4によって、
ほぼ鉛直方向に支持される相対向する一対の基板5間に
おいて、両者の水平方向に於ける相対離間距離Aが、原
料ガスの流路下手側(図3に示す例においては鉛直下方
側)程、狭く設定されている。この構成により、原料ガ
スの移流に伴って、膜層形成に伴う原料ガス濃度の低下
を、移流流路の狭隘化によって補って、原料ガスの移流
方向で膜層厚の均一なものを得ることができる。一方、
励起光8の光路方向についても同様な構成が取られてい
る。即ち、励起光8の光路でその下手側(図2に示すも
のにおいては、図面右側)程、狭く設定されている。こ
の構成により、原料ガスの励起に伴って、励起光光線束
はエネルギーの低下を起こすが、相対向する基板間の相
対離間距離Aを詰めて、活性化された膜層形成材料の基
板への到達機会を高めることにより、励起光の照射方向
で膜層厚の均一なものを得ることができる。ここで、夫
々に方向に於ける狭隘化の度合いは、サセプタ姿勢変更
機構40により調節自在とされている。
持構成について説明すると、このサセプタ4によって、
ほぼ鉛直方向に支持される相対向する一対の基板5間に
おいて、両者の水平方向に於ける相対離間距離Aが、原
料ガスの流路下手側(図3に示す例においては鉛直下方
側)程、狭く設定されている。この構成により、原料ガ
スの移流に伴って、膜層形成に伴う原料ガス濃度の低下
を、移流流路の狭隘化によって補って、原料ガスの移流
方向で膜層厚の均一なものを得ることができる。一方、
励起光8の光路方向についても同様な構成が取られてい
る。即ち、励起光8の光路でその下手側(図2に示すも
のにおいては、図面右側)程、狭く設定されている。こ
の構成により、原料ガスの励起に伴って、励起光光線束
はエネルギーの低下を起こすが、相対向する基板間の相
対離間距離Aを詰めて、活性化された膜層形成材料の基
板への到達機会を高めることにより、励起光の照射方向
で膜層厚の均一なものを得ることができる。ここで、夫
々に方向に於ける狭隘化の度合いは、サセプタ姿勢変更
機構40により調節自在とされている。
【0010】以下本願の光励起気相成長装置1を使用し
て、ガラス基板上に多結晶シリコンを形成する実施例に
ついて説明する。ここで、原料ガスとしてジシラン(S
i2H6)、ジクロルシラン(SiH2Cl2)、水素(H
2)が使用されて、上記の成長室3内に供給される。さ
らに、その他の成膜条件を以下のようにして膜層形成を
おこなった。 成膜温度 350℃ ガス流量 ジシラン 2cc/min ジクロルシラン 30cc/min 水素 200cc/min 成膜操作圧力 3Torr レーザー ArF(193nm)30mJ×100Hz 結果、TFTに於けるチャネル部として使用できる良好
な多結晶シリコン膜層を得ることができた。ここで、一
回の操作で、処理可能な基板5は、成長室3に備えられ
るサセプタ4夫々の片面に対して、4枚で、計24枚の
処理が可能であった。これを基板を水平に支持するとと
もに、励起光を水平に照射する構成のものと比較する
と、基板処理枚数は、6倍とできた。
て、ガラス基板上に多結晶シリコンを形成する実施例に
ついて説明する。ここで、原料ガスとしてジシラン(S
i2H6)、ジクロルシラン(SiH2Cl2)、水素(H
2)が使用されて、上記の成長室3内に供給される。さ
らに、その他の成膜条件を以下のようにして膜層形成を
おこなった。 成膜温度 350℃ ガス流量 ジシラン 2cc/min ジクロルシラン 30cc/min 水素 200cc/min 成膜操作圧力 3Torr レーザー ArF(193nm)30mJ×100Hz 結果、TFTに於けるチャネル部として使用できる良好
な多結晶シリコン膜層を得ることができた。ここで、一
回の操作で、処理可能な基板5は、成長室3に備えられ
るサセプタ4夫々の片面に対して、4枚で、計24枚の
処理が可能であった。これを基板を水平に支持するとと
もに、励起光を水平に照射する構成のものと比較する
と、基板処理枚数は、6倍とできた。
【0011】〔別実施例〕上記の実施例において、励起
光の光源として、発振波長193nmのArFエキシマ
レーザーを用いた例について説明したが、原料ガスを励
起できる波長を有するものであれば、他のエキシマレー
ザー(例えばF2レーザー、ArClレーザー等)を使
用することも可能である。さらに、本発明による効果を
得るためには、特にレーザーを用いる必要はなく、発光
中心172nmのエキシマランプ等を使用することも可
能である。さらに、上記の実施例においては、膜層形成
の対象として、多結晶シリコンを成膜する例を示した
が、本願の装置においては、その励起光の光路、原料ガ
スの移流構成、基板の載置姿勢に特徴を有するものであ
るため、成膜対象となる膜種としては、特に多結晶シリ
コンに限られず、光励起気相成長法を適応できるもので
は任意のものが膜層形成の対象とできる。さらに、上記
の実施例においては、鉛直上下方向で幅を有する励起光
光線束を使用したが、これは、励起光を鉛直上下方向に
移動自在に構成して、励起光の上下方向移動により、膜
層形成をおこなっても良い。
光の光源として、発振波長193nmのArFエキシマ
レーザーを用いた例について説明したが、原料ガスを励
起できる波長を有するものであれば、他のエキシマレー
ザー(例えばF2レーザー、ArClレーザー等)を使
用することも可能である。さらに、本発明による効果を
得るためには、特にレーザーを用いる必要はなく、発光
中心172nmのエキシマランプ等を使用することも可
能である。さらに、上記の実施例においては、膜層形成
の対象として、多結晶シリコンを成膜する例を示した
が、本願の装置においては、その励起光の光路、原料ガ
スの移流構成、基板の載置姿勢に特徴を有するものであ
るため、成膜対象となる膜種としては、特に多結晶シリ
コンに限られず、光励起気相成長法を適応できるもので
は任意のものが膜層形成の対象とできる。さらに、上記
の実施例においては、鉛直上下方向で幅を有する励起光
光線束を使用したが、これは、励起光を鉛直上下方向に
移動自在に構成して、励起光の上下方向移動により、膜
層形成をおこなっても良い。
【図1】光励起気相成長装置の構成を示す斜視説明図
【図2】光励起気相成長装置に備えられる成長室の平面
図
図
【図3】光励起気相成長装置に備えられる成長室の励起
光照射方向に於ける正面図
光照射方向に於ける正面図
1 光励起気相成長装置 3 成長室 4 サセプタ 5 基板 6 加熱機構 8 励起光 80 励起光導入機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳澤 徹 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 森川 茂 京都府京都市下京区中堂寺南町17 株式会 社関西新技術研究所内 (72)発明者 高木 剛 京都府京都市下京区中堂寺南町17 株式会 社関西新技術研究所内 (72)発明者 小林 孝 京都府京都市下京区中堂寺南町17 株式会 社関西新技術研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 基板(5)を保持するための加熱機構
(6)を備えたサセプタ(4)を、減圧可能な成長室
(3)内に備え、前記サセプタ(4)の近傍空間に原料
ガスを励起するための励起光(8)を照射可能な光源
(9)と、前記成長室(3)内に原料ガスを供給する原
料ガス供給機構(70)とを備えた光励起気相成長装置
であって、 前記成長室(3)内に於ける前記原料ガスの主な移動方
向をほぼ鉛直上下方向に設定する原料ガス導入・導出機
構と、前記成長室(3)内に於ける前記励起光の光路
を、ほぼ水平な光路とする励起光導入機構(80)を備
え、 前記サセプタ(4)が、一対の前記基板(5)を、前記
励起光(8)を水平方向で挟んでほぼ鉛直方向に支持可
能に構成されている光励起気相成長装置。 - 【請求項2】 前記サセプタ(4)により、ほぼ鉛直方
向に支持される前記一対の基板(5)間において、両者
の水平方向に於ける相対離間距離Aが、前記原料ガスの
流路下手側程、狭く設定されている請求項1記載の光励
起気相成長装置。 - 【請求項3】 前記サセプタ(4)により、ほぼ鉛直方
向に支持される前記一対の基板(5)間において、両者
の水平方向に於ける相対離間距離Aが、励起光光路下手
側程、狭く設定されている請求項1記載の光励起気相成
長装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27742394A JPH08139031A (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | 光励起気相成長装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27742394A JPH08139031A (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | 光励起気相成長装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08139031A true JPH08139031A (ja) | 1996-05-31 |
Family
ID=17583357
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27742394A Pending JPH08139031A (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | 光励起気相成長装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08139031A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023153369A1 (ja) * | 2022-02-10 | 2023-08-17 | 株式会社シー・ヴィ・リサーチ | 成膜装置及び成膜方法 |
-
1994
- 1994-11-11 JP JP27742394A patent/JPH08139031A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023153369A1 (ja) * | 2022-02-10 | 2023-08-17 | 株式会社シー・ヴィ・リサーチ | 成膜装置及び成膜方法 |
JP2023117347A (ja) * | 2022-02-10 | 2023-08-23 | 株式会社シー・ヴィ・リサーチ | 成膜装置、成膜方法及びガスノズル |
JP2023117377A (ja) * | 2022-02-10 | 2023-08-23 | 株式会社シー・ヴィ・リサーチ | 成膜装置、成膜方法及びガスノズル |
JP2023117360A (ja) * | 2022-02-10 | 2023-08-23 | 株式会社シー・ヴィ・リサーチ | 成膜装置、成膜方法及びガスノズル |
KR20230157469A (ko) | 2022-02-10 | 2023-11-16 | 씨브이 리사치 가부시키가이샤 | 성막 장치 및 성막 방법 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH049369B2 (ja) | ||
US20060207505A1 (en) | Method and apparatus for forming multi-layered thin film by using photolysis chemical vapor deposition | |
US4694777A (en) | Apparatus for, and methods of, depositing a substance on a substrate | |
JPS6140035B2 (ja) | ||
US4877650A (en) | Method for forming deposited film | |
US4651673A (en) | CVD apparatus | |
JPH08139031A (ja) | 光励起気相成長装置 | |
JPH0149004B2 (ja) | ||
US4518455A (en) | CVD Process | |
JP2004162133A (ja) | 超撥水膜の製造方法 | |
JP3224238B2 (ja) | 薄膜形成装置 | |
JPH02208925A (ja) | 半導体膜の形成方法 | |
JP3644864B2 (ja) | 成膜装置 | |
JP2723053B2 (ja) | 薄膜の形成方法およびその装置 | |
KR101146547B1 (ko) | 석영 박막 제조 장치 | |
KR900001237B1 (ko) | 반도체장치의 제조방법 | |
JPS61183921A (ja) | レ−ザまたは光による半導体、金属の加工装置 | |
JPH04173976A (ja) | 薄膜形成装置 | |
JP3093005B2 (ja) | 光cvd装置 | |
JPH08504539A (ja) | 半導体層及び絶縁層製造法 | |
JPH03268320A (ja) | 光cvd装置 | |
JPS6362330A (ja) | 化合物半導体結晶上の絶縁膜の形成方法及び形成装置 | |
JPH0888182A (ja) | 光励起気相成長装置 | |
JPS62229828A (ja) | 非晶質半導体薄膜の製造方法 | |
JPS62240766A (ja) | 堆積膜形成法 |