JPH08138200A - 潜水船等を用いた水中探査装置及び潜水船等の水中航法 - Google Patents

潜水船等を用いた水中探査装置及び潜水船等の水中航法

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JPH08138200A
JPH08138200A JP6278029A JP27802994A JPH08138200A JP H08138200 A JPH08138200 A JP H08138200A JP 6278029 A JP6278029 A JP 6278029A JP 27802994 A JP27802994 A JP 27802994A JP H08138200 A JPH08138200 A JP H08138200A
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submersible
point
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navigation
points
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JP6278029A
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English (en)
Inventor
Fumiaki Matsumoto
文彬 松本
Kazuo Watanabe
和夫 渡辺
Toshiaki Tagawa
俊明 田川
Takeo Iimori
壮男 飯森
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A90/00Technologies having an indirect contribution to adaptation to climate change
    • Y02A90/30Assessment of water resources

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  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 潜水船等が途中で浮上することなく長距離の
潜航を行う場合にも、元のポイントに戻ることができる
水中探査装置及び潜水船等の水中航法を提供する。 【構成】 トランスポンダTA ,TB ,TC を投下し、
キャリブレーションを行い、浮上した状態の潜水船の正
確な位置情報を計測し記録する。次に、この位置をポイ
ントP0 とし、慣性航法によって潜航及び航走を開始す
る。約100km航走毎のポイントP1 …P9 にトラン
スポンダT1 …T9 を潜水船1から投下する。最終到達
ポイントP10に到達した潜水船は180゜の方向転換を
行い、この方向を維持しながら慣性航法により航走を行
う。所定時間の航走により、潜水船1がポイントP9
敷設したトランスポンダT9 の音波を捉えることができ
る範囲に到達した時点で音響航法による航走に切り替え
る。このように慣性航法と音響航法とを繰り返すことに
より、潜水船1は出発ポイントP0 まで帰還する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、北極海等に於いて、途
中で浮上することなく、最終到達ポイントまで航走して
水中探査を行った後、元のポイントまで帰還する水中探
査装置及び水中航法に関する。
【0002】
【従来の技術】北極海は資源開発等の観点からすれば人
類の手が及んでいない地域であり、その調査の必要性が
叫ばれている。しかしながら、北極海はその殆どの部分
が氷で覆われており、夏場で最小となった場合に於いて
も約2,000km×約3,000kmの略矩形の氷原
が存在している。この氷海下の全域を調査するために
は、潜水船を用いることが有用である。
【0003】このような海域に於いて資源調査等の探査
を行うために、従来より公知の母船搭載型潜水船(海底
滞在約3時間)を使用することが考えられる。通常、母
船から着水後の母船搭載型潜水船の水中に於ける位置
は、音響通信を用いたSSBL(Super Short Base Lin
e )方式又はLBL(Long Base Line)方式で母船によ
り把握されている。そして、この潜水船の揚収は、潜水
船のほぼ真上に母船を待機させ、潜水船を浮上させるこ
とにより容易に行うことができる。
【0004】しかしながら、北極海には氷原が存在して
いるために母船が入ることができず、潜水船の真上でこ
れを回収することができない。また、砕氷船を母船とし
て使用することも考えられるが、速力6kts(11.
1km/h)で航走する潜水船を砕氷しながら追跡する
ことは不可能であり、しかも砕氷音により潜水船との音
響通信ができなくなるという不都合が生じる。
【0005】上述の不都合を解消するために、以下のよ
うな方法も考えられる。即ち、氷のない海域で母船から
潜水船を着水させ、氷海下をジャイロを組み込んだ慣性
航法装置を使用した慣性航法によって潜航させ、探査を
終えた後に母船の近傍まで潜水船を帰還させ、音響通信
により潜水船を誘導し回収する方法である。
【0006】しかしながら、この方法では、潜水船の約
2,000kmにも及ぶ航走距離に比較して慣性航法の
精度が低く、また、音響通信による通信可能な距離が約
10kmと短いため、帰還した潜水船を母船が音響で探
知できず、母船に回収できない場合が生じる。即ち、例
えば潜水船の1回の探査に於ける往復の航走距離を2,
000kmとし、その速力を6kts(11.1km/
h)とした場合、1回の探査に要する時間は約180時
間(7.5日)である。また、慣性航法装置の単位時間
当たりの誤差を0.05゜/hとすると、1回の探査で
生じる誤差の総量は0.05×180=9゜となる。従
って、図5に示すように、1回の探査で生じるドリフト
量は、
【0007】
【数3】
【0008】となる。この距離は音響通信可能な最長距
離r≒10kmより大きいため、母船は潜水船を音響で
探知できず、見失うことになる。
【0009】一方、大型の潜水艦船では、海面に浮上し
てGPS(Global Positioning System )により正確な
位置を計測し、その後潜航して慣性航法装置を用いた慣
性航法による航走が行われている。或いは、慣性航法装
置に精度を高めるための対地又は対水速度を計測するド
ップラーソナーを加えた装置により、潜航後の航走が行
われている。そして、慣性航法では上述のように誤差が
生じるため、誤差の積算によるドリフトが許容範囲を超
える前(例えば数時間後)に浮上し、再びGPSによる
正確な位置の計測を行っている。このように浮上と潜航
とを繰り返すことにより、潜水艦船は正確に位置出しを
した潜航をすることができる。
【0010】しかしながら、上述の探査は巨大な氷原下
で行われるために浮上することができず、GPSによる
正確な位置計測を行うことができない。従って、従来の
GPSと慣性航法との組合せによる航法によっても、北
極海の氷原下の探査を行うことができない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来技術の問題点を解決するものであり、本発明の目的
は、潜水船が途中で浮上することなく長距離の潜航を行
う場合にも、元のポイントに戻ることができる水中探査
装置を提供することである。また、本発明の他の目的
は、途中で浮上することなく長距離の潜航を行った場合
にも、母船に帰還することができる潜水船の水中航法を
提供することである。
【0012】なお、本明細書に於いては、「潜水船」と
は、有人で航行を行う潜水船及び無人で航行を行う無人
機の何れをも含む概念をいい、「潜水船等」という場合
もある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の潜水船を用いた
水中探査装置は、(A)出発ポイントP0 から最終到達
ポイントPn までの間を途中で浮上することなく往復し
て水中探査を行う潜水船と、(B)前記出発ポイントP
0 に於ける前記潜水船の位置を計測記録する位置計測手
段と、(C)前記潜水船が慣性航法による航走を行うた
めの慣性航法装置と、(D)前記潜水船の往路に於ける
中間ポイントP1 ,P2 …Pi …Pn-2,Pn-1 に前記
潜水船からトランスポンダT1 ,T2 …Ti …Tn-2
n-1 を順次投下するトランスポンダ敷設手段と、
(E)前記トランスポンダT1 …Tn- 1 の方向を検知
し、前記潜水船が音響航法による航走を行うための音響
航法手段とを備え、前記潜水船の復路に於ける前記ポイ
ントPi からPi-1 (i=1〜n)に向かう各区間に於
いて、前記音響航法手段が前記ポイントPi-1 に敷設し
た前記トランスポンダTi-1 の音波を検知するまでの間
は、前記慣性航法装置を用いた慣性航法によって航走
し、前記音響航法手段が前記トランスポンダTi-1 の音
波を検知した後は、前記音響航法手段による音響航法に
よって前記ポイントPi-1 まで航走することにより、前
記出発ポイントP0 まで帰還することを特徴とする。
【0014】また、本発明の潜水船の水中航法は、出発
ポイントP0 から最終到達ポイントPn までの間を途中
で浮上することなく往復して水中探査を行う潜水船の水
中航法であって、(A)前記出発ポイントP0 に於ける
前記潜水船の位置を計測記録し、(B)少なくとも前記
潜水船の航走方向を計測記録しながら慣性航法によって
航走するとともに、前記潜水船の往路に於ける中間ポイ
ントP1 ,P2 …Pi…Pn-2 ,Pn-1 に前記潜水船か
らトランスポンダT1 ,T2 …Ti …Tn-2 ,Tn-1
順次投下し、(C)前記潜水船の復路に於ける前記ポイ
ントPi からPi-1 (i=1〜n)に向かう各区間に於
いて、前記ポイントPi-1 に敷設した前記トランスポン
ダTi-1 の音波を検知するまでの間は慣性航法によって
航走し、(E)前記トランスポンダT1 …Tn-1 の音波
を検知した後は音響航法によって前記ポイントPi-1
で航走することにより、前記出発ポイントP0 まで帰還
することを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明は、往路に於いて潜水船からトランスポ
ンダを順次投下しながら航走し、復路に於いて慣性航法
と音響航法とにより敷設したトランスポンダを辿って出
発ポイントまで戻り得ることに着目して為されたもので
ある。
【0016】即ち、本発明では、まず、出発ポイントP
0 に於ける潜水船の位置が位置計測手段によって計測記
録される。次に、潜水船は慣性航法装置を用いた慣性航
法により所定方向への航走を開始する。この往路に於い
ては、潜水船は中間ポイントP1 ,P2 …Pi
n-2 ,Pn-1 にトランスポンダT1 ,T2 …Tn-2
n- 1 を順次投下する。潜水船は復路のポイントPi
らPi-1 (i=1〜n)に向かう各区間に於いて、ポイ
ントPi-1 に敷設した前記トランスポンダTi-1 の音波
を検知するまでの間、慣性航法によって航走する。この
慣性航法による航走の間、その誤差により潜水船は次第
に往路からドリフトする。しかし、そのドリフト量が音
響航法手段のトランスポンダTi-1 を検知し得る最長距
離rより小さければ、所定時間の航走によりトランスポ
ンダTi-1 の音波を検知し得る範囲まで潜水船は到達す
ることができる。そして、トランスポンダTi-1 の音波
を検知した後は、音響航法によりポイントPi-1 に辿り
着くことができる。このように慣性航法と音響航法とを
繰り返すことにより、潜水船は出発ポイントP0 まで帰
還することができる。
【0017】トランスポンダT1 ,T2 …Tn-2 ,T
n-1 を投下する間隔、即ちポイントPi からPi-1 (i
=1〜n)までの各距離Rは、慣性航法によってドリフ
トが生じても、音響航法手段がトランスポンダTi-1
検知し得る最長距離rを半径とする範囲に潜水船が到達
し得るように定められる。即ち、ポイントPi からPi-
1 (i=1〜n)の区間の航走時間t(h)、前記慣性
航法装置の単位時間当たりの誤差ε(rad/h)、前
記潜水船の速度v(km/h)、前記音響航法手段の前
記各トランスポンダT1 …Tn-1 を検知し得る最長距離
rとした場合に、
【0018】
【数4】
【0019】を満たす時間tを求め、この時間tと、
【0020】
【数5】
【0021】の関係を満たすように距離Rが決定され
る。
【0022】本発明の水中探査装置の一態様では、潜水
船は出発ポイントP0 から最終到達ポイントPn までの
間を、慣性航法によって直進することにより往復する。
この場合には、潜水船は、往路に於けるポイントPi
らPi-1 までの間の各区間を慣性航法装置を用いた慣性
航法によって一定方向に直進航走し、復路の各区間に於
いては上記と同様に慣性航法と音響航法とを繰り返して
出発ポイントP0 まで帰還する。この場合、復路の各区
間に於ける慣性航法による航走中は、前記往路の一定方
向から180゜を差し引いた逆方向に向けて直進する。
【0023】また、本発明の水中探査装置の他の態様で
は、潜水船は、往路に於ける少なくとも一のポイントP
k (k=1〜n−1)で所定角度だけ方向転換を行う。
慣性航法装置はこの方向転換角度θを記録する。潜水船
は最終到達ポイントPn に到達すると、往路に於けるポ
イントPi からPi+1 (i=k〜n−1)までの各区間
に於ける航走方向から180゜を差し引いた折り返し方
向に方向転換する。復路に於いては、潜水船は上記と同
様に慣性航法と音響航法とを繰り返して航走する。そし
て、復路のポイントPi+1 からPi (i=k〜n−1)
までの各区間に於ける慣性航法による航走中は前記折り
返し方向に航走し、復路のポイントPiからPi-1 (i
=k〜1)の区間に於ける慣性航法による航走中は、折
り返し方向から方向転換角度θを差し引いた方向に航走
する。このような航走により、潜水船は出発ポイントP
0 まで帰還することができる。
【0024】
【実施例】本発明の実施例について、図面を参照しなが
ら説明する。図3は本発明の一実施例に係る潜水船を用
いた水中探査装置に於ける位置計測手段、慣性航法装置
及び音響航法システムを示すブロック図である。同図に
示す慣性航法装置10は、加速度計12とリングレーザ
ジャイロ13とコンピュータ14とを有する純慣性航法
装置11を備え、更に、純慣性航法装置11の精度を上
げるための対水速度を測定する電磁ログ15と、対地速
度又は対氷速度を測定するためのドップラログ16とを
備えている。リングレーザジャイロ13と電磁ログ15
とドップラログ16からの出力はカルマンフィルタ17
に入力されている。また、本実施例の水中探査装置は、
位置計測手段としてのGPS18と、音響航法を行うた
めの音響航法システム19とを備えている。更に、本実
施例の水中探査装置は、図3の構成に加えて水中探査を
行う潜水船1と、潜水船1から投下されるトランスポン
ダT1 …T10を備えている。音響航法システム19は、
潜水船1から海底に投下されるトランスポンダに対して
呼び掛けを行い、その応答による音波を検知することに
より、トランスポンダの存在する方向を知ることができ
る。音響航法システム19のトランスポンダを検知し得
る最長距離r=10kmである。
【0025】本実施例の水中探査装置による潜水船1の
水中航法について説明する。本実施例では氷海下約1,
000kmを直進で往復する場合について説明する。ま
ず、潜水船1を氷海下潜航させる前に、潜水船1の位置
及び潜航する方位を特定するため、支援船(母船)はト
ランスポンダTA ,TB ,TC を投下し、キャリブレー
ションを行い、浮上した状態の潜水船の正確な位置情報
(緯度及び経度)を計測し記録する(図1)。本実施例
ではこれらの3つのトランスポンダTA ,TB,TC
よって位置計測手段が構成されている。次に、この潜水
船1の位置情報をポイントP0 として潜水船1に入力
し、潜水船1を無人運転として、慣性航法装置10を用
いた慣性航法による潜航及び航走を開始させる。潜水船
1の速力v=6kts(11.1km/h)、慣性航法
装置10に於ける慣性航法の単位時間当たりの誤差は
0.05゜/hである。なお、本実施例では3つのトラ
ンスポンダTA ,TB ,TC により潜水船の初期の位置
情報を得たが、GPSによってもこれを得ることがで
き、更に、精度は落ちるものの、単独のトランスポンダ
A により得ることもできる。
【0026】次に、約100km航走後、図1に示すよ
うに、潜水船1はポイントP1 にトランスポンダT1
投下し、このトランスポンダT1 との送受信によりその
位置情報を記憶する。その後、再び潜水船1は慣性航法
装置10により航走を始め、約100km走行した次の
ポイントP2 にトランスポンダT2 を投下する。このよ
うにして約100kmごとのポイントP1 ,P2 …P9
に次々とトランスポンダT1 ,T2 …T9 を投下しなが
ら最終到達ポイントP10まで到達する。なお、往路に於
ける各ポイントP1 ,P2 …P9 ,P10間の航走方向
は、ポイントP0に於ける初期の航走方向と同じに設定
されている。
【0027】本実施例では、トランスポンダを投下する
間隔、即ちポイントPi からPi-1(i=1〜n)まで
の各距離Rは、以下のようにして求められる距離より小
さく設定されている。上述のように音響航法システム1
9のトランスポンダを検知し得る最長距離r≒10k
m、慣性航法装置10の単位時間当たりの誤差は0.0
5゜/h、潜水船1の速力v=11.1km/hなの
で、慣性航法装置10の誤差による位置情報のずれ(距
離)が、音響航法システム19のトランスポンダを検知
し得る最長距離r≒10kmと等しくなる時間tは、以
下の式によって求められる。
【0028】
【数6】
【0029】この式から求めたt=32.1時間の間に
潜水船1が航走する距離は、
【0030】
【数7】
【0031】である。従って、潜水船1が356.3k
mを航走した時点で、慣性航法装置10の誤差による位
置情報のずれ(距離)が、音響航法システム19によっ
てトランスポンダを検知し得る最長距離r≒10kmと
等しくなる。この数値356.3kmに比較し、本実施
例のトランスポンダを投下する間隔約100kmは十分
に小さいので、後述する復路に於いて潜水船1が慣性航
法によって航走しても、音響航法システム19のトラン
スポンダの音波を捉えることができる範囲から外れるこ
とはない。
【0032】次に、復路に於ける潜水船1の航走につい
て説明する。最終到達ポイントP10に到達した潜水船1
は、ここで180゜の方向転換を行う。即ち、潜水船1
は往路に於ける航走方向から180゜を差し引いた方向
に向けられる。そして、図2に示すように、潜水船1は
この方向を維持しながら慣性航法装置10を用いた慣性
航法により航走を行う。その後、所定時間の航走により
潜水船1は点Qに到達し、この点QでポイントP9 に敷
設したトランスポンダT9 の音波を音響航法システム1
9により捉えることができるようになる。トランスポン
ダT9 の音波を捉えた後は、潜水船1は音響航法システ
ム19を用いた音響航法により航走を行い、トランスポ
ンダT9 を敷設したポイントP9 上まで到達する。
【0033】次に、潜水船は再びポイントP9 からポイ
ントP8 に向かって、慣性航法装置10を用いた慣性航
法によって航走を開始する。その際の航走方向は、ポイ
ントP10からポイントP9 に向かう際の慣性航法による
航走方向と同じ、即ち、往路の航走方向から180゜を
差し引いた方向である。そして、上記と同様に音響航法
システム19によりポイントP8 に敷設したトランスポ
ンダT8 の音波を捉えるまで航走し、その後は、音響航
法システム19を用いた音響航法により航走を行い、ト
ランスポンダT8 を敷設したポイントP8 上まで到達す
る。このように慣性航法と音響航法とを繰り返すことに
より、潜水船1は出発ポイントP0 まで帰還することが
できる。
【0034】本発明の水中探査装置及び水中航法は、図
4に示すように、任意のポイントPk で航走方向を変更
する場合にも適用することができる。この場合には、往
路に於いて上述の図1の実施例と同様にトランスポンダ
1 …Tk を投下しながらポイントPk まで航走し、こ
のポイントPk で方向転換するとともに、その方向転換
の角度θを記録しておく。そして、方向転換後の角度を
維持し、トランスポンダTk+1 …T9 を投下しながら慣
性航法による航走を行い、最終到達ポイントP10まで到
達する。
【0035】復路に於いては、まず、最終到達ポイント
10で180゜の方向転換を行う。
【0036】即ち、潜水船1は往路に於けるポイントP
i からP10までの慣性航法による航走方向から180゜
を差し引いた方向(折り返し方向)に向けられる。そし
て、潜水船1はこの方向を慣性航法に於ける航走方向と
し、上述と同様に慣性航法と音響航法とによる航走を行
って、往路で方向転換を行ったポイントPk まで到達す
る。このポイントPk では前述の折り返し方向から方向
転換角度θを差し引いた方向に潜水船1の方向が定めら
れる。そして、潜水船1はこの方向をポイントPk から
0 までの各区間で慣性航法により航走する際の航走方
向とし、図2と同様に慣性航法と音響航法による航走を
行うことにより、出発ポイントP0 まで帰還する。
【0037】なお、上記実施例では1つのポイントPi
で航走方向を変更する場合について説明したが、本発明
は複数のポイントで航走方向を変更する場合についても
適用することができる。
【0038】また、再度同じ場所を調査するために、ポ
イントP10にトランスポンダT10を投下する構成として
もよい。更に、ポイントP10で潜水船1を回頭又はUタ
ーンさせるに際し、潮流或いは潜水船1の機能上の理由
等で180゜の回転精度が十分でない場合には、ポイン
トP10にトランスポンダT10を設置し、更に直進して音
響探知可能な約10km以内のポイントP11にトランス
ポンダT11を投下した後、潜水船1を180゜回頭又は
Uターンさせて、トランスポンダT11及びT10の方向に
方位を修正して、180゜の回転精度を得る構成とする
こともできる。
【0039】
【発明の効果】本発明の潜水船等を用いた水中探査装置
及び潜水船等の水中航法によれば、潜水船等は途中で浮
上することなく、長距離の潜航を行った場合にも元のポ
イントに戻ることができる。従って、本発明の潜水船を
用いた水中探査装置及び潜水船の水中航法を使用するこ
とにより、従来では不可能であった北極海等の海域での
長時間の探査や、氷海下に設置された水中構造物の欠陥
個所の発見に役立てることができる。更には、潜水船等
に遠隔操作が可能な作業用アーム等を取り付けることに
より、モニターを見ながらのサンプル採取や水中構造物
の保守点検等を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る水中探査装置による潜
水船の水中航法の説明図である。
【図2】本発明の一実施例に於ける慣性航法と音響航法
の説明図である
【図3】本発明の一実施例に係る潜水船を用いた水中探
査装置に於ける位置計測手段、慣性航法装置及び音響航
法システムを示すブロック図である。
【図4】本発明の水中探査装置による潜水船の水中航法
の他の実施例の説明図である。
【図5】長時間の潜航により生じるドリフト量を示すた
めの説明図である。
【符号の説明】
1…潜水船 10…慣性航法装置 11…純慣性航法装置 12…加速度計 13…リングレーザジャイロ 14…コンピュータ 15…電磁ログ 16…ドップラログ 17…カルマンフィルタ 18…GPS 19…音響航法システム TA 〜TC …トランスポンダ T1 〜T9 …トランスポンダ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01S 15/74 8907−2F (72)発明者 田川 俊明 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 飯森 壮男 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)出発ポイントP0 から最終到達ポ
    イントPn までの間を途中で浮上することなく往復して
    水中探査を行う潜水船と、(B)前記出発ポイントP0
    に於ける前記潜水船の位置を計測記録する位置計測手段
    と、(C)前記潜水船が慣性航法による航走を行うため
    の慣性航法装置と、(D)前記潜水船の往路に於ける中
    間ポイントP1 ,P2 …Pi …Pn-2 ,Pn-1 に前記潜
    水船からトランスポンダT1 ,T2 …Ti …Tn-2 ,T
    n-1 を順次投下するトランスポンダ敷設手段と、(E)
    前記トランスポンダT1 …Tn-1 の方向を検知し、前記
    潜水船が音響航法による航走を行うための音響航法手段
    とを備え、 前記潜水船の復路に於ける前記ポイントPi からPi-1
    (i=1〜n)に向かう各区間に於いて、前記音響航法
    手段が前記ポイントPi-1 に敷設した前記トランスポン
    ダTi-1 の音波を検知するまでの間は、前記慣性航法装
    置を用いた慣性航法によって航走し、前記音響航法手段
    が前記トランスポンダTi-1 の音波を検知した後は、前
    記音響航法手段による音響航法によって前記ポイントP
    i-1 まで航走することにより、前記出発ポイントP0
    で帰還することを特徴とする水中探査装置。
  2. 【請求項2】 前記ポイントPi からPi-1 (i=1〜
    n)までの各距離Rは、前記ポイントPi からP
    i-1 (i=1〜n)の区間の航走時間t(h)、前記慣
    性航法装置の単位時間当たりの誤差ε(rad/h)、
    前記潜水船の速度v(km/h)、前記音響航法手段の
    前記各トランスポンダT1 …Tn-1 を検知し得る最長距
    離r(km)とした場合に、以下の関係式 【数1】 を満たすことを特徴とする請求項1記載の水中探査装
    置。
  3. 【請求項3】 前記潜水船は、前記往路に於ける前記ポ
    イントPi-1 からPi (i=1〜n)の間の各区間を前
    記慣性航法装置を用いた慣性航法によって一定方向に直
    進航走し、前記復路に於ける前記ポイントPi からP
    i-1 までの前記各区間に於ける慣性航法による航走中
    は、前記一定方向から180゜を差し引いた逆方向に向
    けて直進航走することにより、前記出発ポイントP0
    で帰還することを特徴とする請求項1又は2記載の水中
    探査装置。
  4. 【請求項4】 前記潜水船は、前記往路に於ける前記各
    ポイントPi-1 からPi (i=1〜n)の間の各区間を
    前記慣性航法装置を用いた慣性航法によって直進航走す
    るとともに、少なくとも一のポイントPk (k=1〜n
    −1)で所定角度だけ方向転換して該方向転換角度θを
    記録し、前記最終到達ポイントPn に於いて前記往路に
    於ける前記ポイントPi からPi+1 (i=k〜n−1)
    までの各区間に於ける航走方向から180゜を差し引い
    た折り返し方向に方向転換し、前記復路の前記ポイント
    i+1 からPi (i=k〜n−1)までの各区間に於け
    る慣性航法による航走中は前記折り返し方向に航走し、
    前記復路の前記ポイントPi からPi-1 (i=k〜1)
    の区間に於ける慣性航法による航走中は、前記折り返し
    方向から前記方向転換角度θを差し引いた方向に航走す
    ることにより、前記出発ポイントP0 まで帰還すること
    を特徴とする請求項1又は2記載の水中探査装置。
  5. 【請求項5】 出発ポイントP0 から最終到達ポイント
    n までの間を途中で浮上することなく往復して水中探
    査を行う潜水船の水中航法であって、(A)前記出発ポ
    イントP0 に於ける前記潜水船の位置を計測記録し、
    (B)少なくとも前記潜水船の航走方向を計測記録しな
    がら慣性航法によって航走するとともに、前記潜水船の
    往路に於ける中間ポイントP1 ,P2 …Pi …Pn-2
    n-1 に前記潜水船からトランスポンダT1 ,T2 …T
    i …Tn-2 ,Tn-1 を順次投下し、(C)前記潜水船の
    復路に於ける前記ポイントPi からPi-1 (i=1〜
    n)に向かう各区間に於いて、前記ポイントPi-1 に敷
    設した前記トランスポンダTi-1 の音波を検知するまで
    の間は慣性航法によって航走し、(E)前記トランスポ
    ンダT1 …Tn-1 の音波を検知した後は音響航法によっ
    て前記ポイントPi-1まで航走することにより、前記出
    発ポイントP0 まで帰還することを特徴とする潜水船の
    水中航法。
  6. 【請求項6】 前記ポイントPi からPi-1 (i=1〜
    n)までの各距離Rは、前記ポイントPi からP
    i-1 (i=1〜n)の区間の航走時間t(h)、前記慣
    性航法装置の単位時間当たりの誤差ε(rad/h)、
    前記潜水船の速度v(km/h)、前記音響航法手段の
    前記各トランスポンダT1 …Tn-1 を検知し得る最長距
    離r(km)とした場合に、以下の関係式 【数2】 を満たすことを特徴とする請求項5記載の潜水船の水中
    航法。
  7. 【請求項7】 前記潜水船は、前記往路に於ける前記ポ
    イントPi-1 からPi (i=1〜n)の間の各区間を前
    記慣性航法装置を用いた慣性航法によって一定方向に直
    進航走し、前記復路に於ける前記ポイントPi からP
    i-1 までの前記各区間に於ける慣性航法による航走中
    は、前記一定方向から180゜を差し引いた逆方向に向
    けて直進航走することにより、前記出発ポイントP0
    で帰還することを特徴とする請求項5又は6記載の潜水
    船の水中航法。
  8. 【請求項8】 前記潜水船は、前記往路に於ける前記各
    ポイントPi-1 からPi (i=1〜n)の間の各区間を
    前記慣性航法装置を用いた慣性航法によって直進航走す
    るとともに、少なくとも一のポイントPk (k=1〜n
    −1)で所定角度だけ方向転換して該方向転換角度θを
    記録し、前記最終到達ポイントPn に於いて前記往路に
    於ける前記ポイントPi からPi+1 (i=k〜n−1)
    までの各区間に於ける航走方向から180゜を差し引い
    た折り返し方向に方向転換し、前記復路の前記ポイント
    i+1 からPi (i=k〜n−1)までの各区間に於け
    る慣性航法による航走中は前記折り返し方向に航走し、
    前記復路の前記ポイントPi からPi-1 (i=k〜1)
    の区間に於ける慣性航法による航走中は、前記折り返し
    方向から前記方向転換角度θを差し引いた方向に航走す
    ることにより、前記出発ポイントP0 まで帰還すること
    を特徴とする請求項5又は6記載の潜水船の水中航法。
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