JPH08136887A

JPH08136887A - 液晶表示装置

Info

Publication number: JPH08136887A
Application number: JP30551393A
Authority: JP
Inventors: Masao Chiba; 千葉正生
Original assignee: Kansei Corp
Current assignee: Marelli Corp
Priority date: 1993-12-06
Filing date: 1993-12-06
Publication date: 1996-05-31

Abstract

(57)【要約】【目的】表示コントラストを向上させる液晶表示装置
の開発。【構成】透過光式液晶表示素子の前面に、光学的位相
値を調整することができる補償液晶素子を設けた。【効果】常に最良のコントラストで液晶表示ができる
と共に、液晶表示素子及び補償液晶素子の製造時に発生
する液晶層の厚みの許容差が拡大でき、これによって製
造歩留りが向上し、経済性が高められる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、特にドットマトリック
ス型液晶表示素子の表示コントラストを高めて、表示品
質を改善することができる液晶表示装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】例えば自動車両ヘッドアップディスプレ
イ装置に使用されている従来の表示器は、高輝度の表示
光を必要とするために、蛍光表示管を使用する７セグメ
ント構成となし、各セグメントである蛍光表示管を選択
的に発光表示せしめることにより、特に車速とか回転数
とかの数値を表示せしめているものである。

【０００３】このように蛍光表示管を７セグメントとし
て使用している表示器にあっては、その蛍光表示管自体
の発光輝度が高いために、例えばコンバイナーに反射さ
せて表示させる自動車用ヘッドアップディスプレイ装置
の表示器としては有利であるが、その表示器の構成が７
セグメント構成であるために、表示の形態に限りがあ
り、主として数値表示しかできず、例えば文字、図形等
を含めた多種多様の情報表示を行なうことが不可能であ
って、表示情報種の不足を感じるものであった。

【０００４】そこで上記ヘッドアップディスプレイ装置
に使用する表示器として、ドットマトリックス型の透過
式液晶表示素子を用いて、表示情報の多様化を可能なら
しめるものであるが、このようなヘッドアップディスプ
レイ装置として用いられるドットマトリックス型の液晶
表示素子を用いる表示器にあっては、表示像の鮮明化を
目的とするためコントラストの高い（良い）液晶表示素
子が要求されるものである。

【０００５】周知の液晶表示素子には、各種のものがあ
り、例えばツイストネマティック型、強誘電性液晶型、
相転移型、等があり、その中で例えばスーパーツイスト
ネマティック型液晶素子は、コントラストが比較的良い
ものであると認識されているが、このようなスーパーツ
イストネマティック型液晶素子の表示コントラストを最
大にするためには種々なる問題点があった。

【０００６】つまり図１は従来の液晶表示装置を示すも
のであって、１はドットマトリックスタイプであるスー
パーツイストネマティック型液晶表示素子、２は上記ス
ーパーツイストネマティック型液晶表示素子（以下これ
を単に液晶表示素子と称す）１における光の逆行方向の
位相差により生じる色付き現象を光学的に除去して白黒
化し、これにより表示コントラストを高めるための補償
液晶素子であって、この補償液晶素子２は、前記液晶表
示素子１のねじれ角とは逆方向のねじれ角を有する液晶
素子である。３は液晶表示素子１の駆動電圧を調整する
ための駆動電圧制御回路、４は液晶表示素子１の周囲気
温を検知する温度センサ、５は前記の液晶表示素子１に
文字、図形等による表示を行なわせるための表示制御回
路、６は液晶表示素子１を透過照明せしめるための光源
である。

【０００７】そして、上記構造の液晶表示装置にあって
は、表示制御回路から信号で液晶表示素子１による文
字、図形等の表示がなされ、この表示は光源６による光
で透過照明される。この液晶表示素子１により透過光表
示される表示は補償液晶素子２を透過されることで、液
晶表示素子１によりねじれた光が逆方向に戻され、これ
により位相差に起因する楕円偏光と、その偏光方向が光
の波長によって異なる点が解消され、表示の白黒化、す
なわち色付現象を解消して表示コントラストの向上を期
待しているものである。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の液晶表示装置にあっては、補償液晶素子２に
は、液晶分子を駆動せしめるための電極がないために、
表示コントラストを最大（最良）にするためには、液晶
表示素子１及び補償液晶素子２内部に設けられている液
晶層を、±０．０１〜０．０２μｍという極く精密な誤
差範囲で製造しなければならず、それら精密素子の製造
が極めて困難である。また液晶表示素子１と補償液晶素
子２との間で温度差が生じると、補償条件が崩れて、表
示コントラストが低下するという問題点があった。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の問題点に着目してなされたもので、液晶表示素子と
重ね合せて使用する補償液晶素子に、その内部の液晶分
子を動作せしめて、光学的位相（△ｎ・ｄ）値を調整す
るための透明電極を設けて、それら素子による表示コン
トラストを常に測定しながら、上記表示コントラストが
最良となるように補償液晶素子の光学的位相を制御する
ことができる液晶表示装置を提供することにある。

【００１０】

【実施例】以下に本発明を図面に示す実施例に基いて詳
細に説明する。

【００１１】実施例１図２において、１１はドットマトリックスタイプに形成
したスーパーツイストネマティック型の液晶表示素子で
あり、１２はこの液晶表示素子１１の表示面側に重ね合
せられる補償液晶素子であってこの補償液晶素子１２
は、その全面にわたって透明電極１３を有し、さらに前
記液晶表示素子１１のねじれ角とは逆方向のねじれ角を
有する。１４は液晶表示素子１１の駆動電圧を調整する
ための駆動電圧制御回路、１５は補償液晶素子１２の駆
動電圧を調整するための駆動電圧制御回路、１６は液晶
表示素子１１の周囲気温を検知して、液晶駆動電圧を、
その温度での最適な駆動電圧の近くに設定するための温
度センサ、１７は、前記の液晶表示素子１１に、文字、
図形等による表示を行なわせるための表示制御回路、１
８は液晶表示素子１１を透過照明せしめるための光源、
１９は前記補償液晶素子１２を透して見る液晶表示素子
１１のコントラストを検知する受光センサである。

【００１２】また前記の液晶表示素子１１には、図３に
示すように、文字、図形等により情報を表示する情報表
示領域１１Ａと、電極を有しておらず、液晶分子が常時
オフ状態を保持するオフ状態表示領域１１Ｂの夫々を有
している。

【００１３】以上が本実施例の構成であるが、次にその
作用について述べると、上記構成の液晶表示装置にあっ
ては、表示制御回路１７からの信号で液晶表示素子１１
による文字、図形等の表示がなされ、この表示は光源１
８による光で透過照明される。この液晶表示素子１１に
より透過光表示される表示は補償液晶素子１２を透過さ
れることで、液晶表示素子１１によりねじれた光が逆方
向に戻され、これにより光の波長により、位相差が異な
る点を補償し、表示の白黒化すなわち色付現象を解消し
て表示コントラストを高めている。

【００１４】この表示コントラストは、ネガモード表示
の場合は電源オン状態（明状態）と電源オフ状態（暗状
態）との輝度比で現わされることから、上記液晶表示素
子１１における最大コントラストは、電源オフ状態の輝
度を極小にすることで得られる。

【００１５】そこで本実施例では、先ず温度センサ１６
による液晶表示素子１１周囲温度の検出値を基にして、
液晶表示素子１を迅速に動作せしめるための最適駆動電
圧を、駆動電圧制御回路１４により設定し、その設定電
圧で液晶表示素子１１を迅速に駆動する。次にその液晶
表示素子１１の駆動時におけるオフ状態表示領域１１Ｂ
の輝度を補償液晶素子１２を透して受光センサ１９によ
り検出し、この受光センサ１９による出力が最小値とな
るように、すなわち、オフ状態表示領域１１Ｂの透過率
が最小となるように補償液晶素子の駆動電圧を駆動電圧
制御回路１５により調整する。

【００１６】従ってこの実施例によれば、液晶表示素子
１１に設けたオフ状態表示領域１１Ｂが、補償液晶素子
１２を透して、補償液晶素子１２の透過率を検出し、そ
の透過率が最小となるように補償液晶素子１２の透過率
を調整するものであるから、その補償液晶素子１２を透
して見る情報表示領域のコントラストが最良となるよう
に調整されるものである。

【００１７】実施例２図４において本実施例は、液晶表示素子１１に、前記実
施例のオフ状態表示領域１１Ｂにかえ、オン・オフが交
互に行なえる輝度測定領域１１Ｃを設けたものである。

【００１８】そして上記液晶表示素子１１の駆動時に輝
度測定領域１１Ｃを適当な周期で交互にオン・オフさ
せ、そのオフ状態時の透過率が最小となるように補償液
晶素子１２の透過率を調整すれば、前記実施例と同様に
最良のコントラストを得ることができる。この実施例で
輝度測定領域１１Ｃを一定の周期でオン・オフさせるよ
うにした理由は、特にスーパーツイストネマティック型
液晶では、常に同じ表示を長時間続けた場合、他の領域
と表示特性が異なってしまう所謂焼付き現象が発生しや
すいので、これを防止するために輝度測定領域１１Ｃを
一定の周期でオン・オフさせるようにしたものである。

【００１９】実施例３本実施例は、図５に図示する構成である。

【００２０】すなわち、本実施例は、図２に示す前記実
施例２の構成に加え液晶表示素子１１に設けた輝度測定
領域１１Ｃのみを透過照明するための照明手段２０を設
けると共に、液晶表示装置の正面から、前記輝度測定領
域１１Ｃ及び受光センサ１９が見えないようにするマス
ク手段２１を設けている。さらに表示コントラストを最
大に保たせる液晶表示素子１１と補償液晶素子１２の駆
動電圧を調整しているとき点灯表示するＬＥＤ又は電気
看板式のインジケータ２２を備えているものである。

【００２１】次にその作用について述べると、液晶表示
素子１１の駆動時にその輝度測定領域１１Ｃを適当な周
期で交互にオン・オフさせ、そのオン状態、オフ状態の
ときの夫々の輝度を受光センサ１９により計測し、これ
ら双方の輝度比を基にしてコントラスト比が最大となる
ように液晶表示素子１１及び補償液晶素子１２の駆動電
圧を調整することにより最適なコントラスト状態を得る
ことができる。

【００２２】このとき、液晶表示素子１１の輝度測定領
域１１Ｃを、図７に示すように左右２つの領域１１Ｄ，
１１Ｅに分割し、左右のオン・オフを同時に切り替え表
示せしめるようにすればコントラスト比を瞬時に演算せ
しめることができるが、この場合は、左右のオン・オフ
領域１１Ｄ，１１Ｅに対応して夫々の受光センサを設備
する必要がある。なお上記各素子１１，１２の駆動電圧
を制御してコントラストの調整を行なうとき、最初に電
源を投入してから最適な状態にするまでには若干の時間
を要する。特に氷点下の温度では液晶の応答時間が極め
て遅くなるため最適状態に到るまでは分単位の時間を要
する。この間観察者には不十分な画質の表示を見せる事
になるという不具合が生じる。これを防ぐため駆動電圧
を調整する間、点灯スイッチ２３を開路して表示用照明
１８を消灯し、かつインジケータ手段２２を点灯する事
によりこの不具合が解消される。

【００２３】

【発明の効果】以上のように本発明は、文字、図形を表
示するためのドットマトリックス型液晶表示素子１１
と、この液晶表示素子１１の光学的位相を補償するため
の補償液晶素子１２とから成る二層型スーパーツイスト
ネマティック液晶表示装置において、上記補償液晶素子
１２に、光学的位相値を調整するための透明電極１３を
設け、さらに表示状態の輝度を測定するための光源１
８，２０と受光検知手段１９と、表示コントラストを最
大に保つ液晶表示素子１１の駆動電圧と補償液晶素子１
２の駆動電圧とを制御する駆動電圧制御回路１５とを設
け、該駆動電圧制御回路１５は表示オフ状態の輝度を極
小に保つ様に液晶表示素子の駆動電圧と補償液晶素子の
駆動電圧を制御する液晶表示装置であるから、これによ
れば、常に最良のコントラストで液晶表示ができると共
に、電気的に光学的位相（△ｎ・ｄ）値を変え得るた
め、液晶表示装置の製造時に発生する液晶表示素子及び
補償液晶素子における液晶層厚みの許容差を拡大するこ
とができ、これにより製造歩留りが大幅に向上し、ひい
ては安いコストで製造できるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の液晶表示装置を示した構造説明図。

【図２】本発明実施例の液晶表示装置を示した構造説明
図。

【図３】本発明実施例の液晶表示素子の表面説明図。

【図４】本発明実施例の表示態様説明図。

【図５】本発明他の実施例の液晶表示装置を示した構造
説明図。

【図６】図５に示す液晶表示装置による表示態様説明
図。

【図７】他の実施例の表示態様を示す説明図。

【符号の説明】

１１…液晶表示素子１１Ａ…情報表示領
域１１Ｂ…オフ状態表示領域１１Ｃ…輝度測定領
域１２…補償液晶素子１３…透明電極１４…駆動電圧制御回路１５…駆動電圧制御
回路１６…温度センサ１７…表示制御回路１８…光源１９…受光センサ２０…照明手段２１…マスク手段２２…インジケータ２３…点灯スイッチ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】文字、図形を表示するためのドットマト
リックス型液晶表示素子（１１）と、この液晶表示素子
（１１）の光学的位相を補償するための補償液晶素子
（１２）とから成る二層型スーパーツイストネマティッ
ク液晶表示装置において、上記補償液晶素子（１２）
に、光学的位相値を調整するための透明電極（１３）を
設け、さらに表示状態の輝度を測定するための光源（１
８）と受光検知手段（１９）と、表示コントラストを最
大に保つ液晶表示素子（１１）の駆動電圧と補償液晶素
子（１２）の駆動電圧とを制御する駆動電圧制御回路
（１５）とを設け、該駆動電圧制御回路（１５）は表示
オフ状態の輝度を極小に保つ様に液晶表示素子の駆動電
圧と補償液晶素子の駆動電圧を制御するものである事を
特徴とする液晶表示装置。
【請求項２】文字、図形を表示するためのドットマト
リックス型液晶表示素子（１１）と、この液晶表示素子
（１１）の光学的位相を補償するための補償液晶素子
（１２）とから成る二層型スーパーツイストネマティッ
ク液晶表示装置において、上記補償液晶素子（１２）
に、光学的位相値を調整するための透明電極（１３）を
設け、さらに液晶表示素子（１１）の表示用照明光源
（１８）と表示状態の輝度を測定するための光源（２
０）と、該光源に対設される受光検知手段（１９）と、
表示コントラストを最大に保つ液晶表示素子（１１）の
駆動電圧と補償液晶素子（１２）の駆動電圧とを制御す
る駆動電圧制御回路（１５）とを設け、この駆動電圧制
御回路（１５）により表示電圧を最適値に制御する期
間、表示用照明光源（１８）を消灯すると共に電圧調整
中である事を示すインジケータ手段（２２）を設けた事
を特徴とする液晶表示装置。
【請求項３】請求項１及び２記載の補償液晶素子にお
いて、情報表示領域（１１Ａ）と別に、オフ状態表示領
域（１１Ｂ）又は輝度測定領域（１１Ｃ）を設けたこと
を特徴とする液晶表示装置。