JPH08136748A - 波長分散補償器 - Google Patents

波長分散補償器

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Publication number
JPH08136748A
JPH08136748A JP6275088A JP27508894A JPH08136748A JP H08136748 A JPH08136748 A JP H08136748A JP 6275088 A JP6275088 A JP 6275088A JP 27508894 A JP27508894 A JP 27508894A JP H08136748 A JPH08136748 A JP H08136748A
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JP
Japan
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optical
grating
chromatic dispersion
dispersion compensator
light
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Application number
JP6275088A
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English (en)
Inventor
Masaichi Mobara
政一 茂原
Susumu Inoue
享 井上
Masumi Ito
真澄 伊藤
Maki Inai
麻紀 稲井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長尺のグレーティングを有しなくとも、光フ
ァイバの波長分散を十分に補償することができる波長分
散補償器を実現する。 【構成】 本発明の波長分散補償器(100)は、光部
品(20)と、この光部品(20)に接続され、波長が
光軸に沿って単調に変化するグレーティング(31)が
コアに形成された光ファイバ(30)とからなる分散補
償部(101、102…)が直列に多段接続されたもの
である。各分散補償部が有するグレーティング(31)
で分散補償器(100)に入力された信号光の波長分散
が低減され、分散補償部の数だけこの波長分散の低減が
繰り返される結果、十分に波長分散が補償された信号光
が出力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバの波長分散
を補償する波長分散補償器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日の光通信システムでは、光ファイバ
を光線路とし、送信側からこの光ファイバに光信号を入
力して通信を行っている。この光信号は、送信側に設置
された半導体レーザ光源から出力される。出力光は所定
の波長を中心としてある程度の波長幅を有する光なの
で、信号光が伝送用の光ファイバ内を進行するにつれて
波長分散が生じることになる。特に、高ビットレート伝
送や長距離通信においては光ファイバの波長分散による
光信号パルスの歪みが顕著となる。
【0003】光ファイバの波長分散を補償する方法とし
ては、グレーティングがコアに形成された光ファイバを
利用する方法が考案されている。このグレーティング
は、光軸に沿ってコアの屈折率が基本屈折率と最大屈折
率の間で繰り返し変動する領域である。このグレーティ
ングは、光誘起屈折率変化を利用し、コアにゲルマニウ
ムがドープされた光ファイバに波長240〜250μm
の紫外光干渉パターンを照射することによって形成でき
ることが知られている。この方法により形成されたグレ
ーティングは、干渉パターンと同じ周期で屈折率が変動
するものとなる。なお、上記のグレーティング形成方法
は、特許出願公表昭62−500052に記載されてい
る。
【0004】グレーティングの基本屈折率、すなわち屈
折率変化が誘起される前の本来のコアの屈折率をn0
し、グレーティングのある位置における屈折率変動の周
期(グレーティング周期)をΛとすると、このグレーテ
ィングはその位置において次の波長λ0 を中心とした狭
い波長域にわたって光を反射する。 λ0 =2・n0 ・Λ …(1) 反射率はこの反射波長λ0 付近の光に対して最も高く、
それ以外の波長に対しては格段に低くなるので、例えば
単一周期Λのグレーティングは、上記の反射波長λ0
光を反射する光フィルタとして機能する。
【0005】このようなグレーティングのうち反射波長
λ0 が光軸に沿った位置に応じて徐々に変化するものは
所定の反射波長域を有しており、この反射波長域に含ま
れる波長λの光は反射波長λ0 がこの波長λに一致する
位置で反射される。このようなグレーティングを有する
光ファイバの一端からグレーティングの反射波長域に含
まれる波長幅を有する信号光が入力された場合、信号光
は波長ごとに異なる位置で反射されるので、波長ごとに
導波距離が異なることになる。このため、グレーティン
グで反射された信号光は波長ごとに異なった時刻に光フ
ァイバから出力される。すなわち、このグレーティング
は、光ファイバ自体の波長分散とは別の波長分散を生じ
させる。したがって、伝送用ファイバと逆の極性(正又
は負)を有し、分散の大きさが等しいグレーティングを
伝送用ファイバ中に形成すると、伝送用ファイバの波長
分散を補償することができる。
【0006】このようなグレーティングを用いた従来の
波長分散補償器としては、図1や図2に示すようなもの
が考案されている。
【0007】図1の波長分散補償器は、屈折率変動の周
期が伝送方向に沿って単調に減少するグレーティング3
1が形成された光ファイバ30である。このグレーティ
ング31は、例えば、二つの紫外域レーザ光束を干渉さ
せて等間隔干渉パターンを有する干渉ビームを形成した
後、このビームをレンズを介して収束あるいは拡散させ
ながら、コアにゲルマニウムがドープされた光ファイバ
に対して斜めに照射することにより形成することができ
る。
【0008】上記(1)式に示されるように、屈折率変
動の周期Λが伝送方向に沿って単調に減少すると反射波
長λ0 も伝送方向に沿って減少する。したがって、図1
のグレーティング31では、その反射波長域のうち長波
長の光ほど、光ファイバ30の入力端に近い位置で反射
され、逆に短波長の光ほどグレーティングを先まで進行
して入力端から遠い位置で反射される。これによって生
じる波長分散が、伝送用ファイバの波長分散と極性(正
または負)が逆で、大きさが等しいものであれば、伝送
用ファイバで生じる波長分散をキャンセルすることがで
きる。
【0009】また、図2の波長分散補償器は、光ファイ
バの一部を延伸した後、その延伸領域に単一周期のグレ
ーティング31を形成したものである。グレーティング
31では、延伸によりコアの屈折率が光軸に沿って変化
している。このコアの屈折率は、伝送方向に沿って延伸
度が大きくなるにともない単調に減少している。
【0010】上記(1)式に示されるように、コアの基
本屈折率n0 が伝送方向に沿って単調に減少すると反射
波長λ0 も伝送方向に沿って減少する。したがって、図
2の光ファイバも、図1の波長分散補償器と同様に、伝
送用ファイバで生じる波長分散をキャンセルすることが
できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記の波長分散補償器
では、グレーティングの長さに比例して分散補償量が大
きくなるから、伝送用ファイバで生じた波長分散が大き
いほど、長尺のグレーティングを有する波長分散補償器
が必要となる。実際、上記の波長分散補償器は、極めて
長尺のグレーティングを有するものでないと、現実の光
通信システムに適用しても十分な分散補償を行うことが
できないことが分かっている。
【0012】例えば、F.Ouelleteによる論文"All-Fiber
filter for efficient dispersioncompensation"(OPT
ICS LETTERS,Vol.16,No.5,March 1,1991)では、1.5
5μmの光を伝搬させた場合、250ps程度の波長分
散を補償するのに約1m長のグレーティング領域が必要
であると試算されている。ちなみに、典型的な伝送用フ
ァイバの波長分散は、1km当たり約20ps/nmで
ある。
【0013】ところが、このような長尺のグレーティン
グであって、なおかつ十分な反射率を有するものを形成
することは、現在のところ困難である。すなわち、グレ
ーティングは、干渉パターンを有する紫外光ビームを光
ファイバに照射することにより形成されるのであるが、
このとき、コアにおける長い領域にわたってグレーティ
ングを形成しようとすれば、ビーム径を大きくして照射
する必要がある。しかし、レンズなどを使ってビームを
拡散させれば、それだけ干渉パターンの光強度は低下す
ることになり、現在用いられている紫外光ビーム光源の
出力強度では、十分な光誘起屈折率変化を生じさせるこ
とができない。
【0014】屈折率変化量(基本屈折率と最大屈折率と
の差)が十分でないと、十分な反射率のグレーティング
を形成することはできない。したがって、現在のとこ
ろ、メートルオーダー長のグレーティングであって、十
分な反射率を有するものを形成することは非常に困難で
ある。実際のところ、現在形成されているグレーティン
グの長さは、紫外光光源としてアルゴンレーザ光源を用
いた場合で数mm程度、エキシマレーザ光源を用いた場
合で数cm程度である。
【0015】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、長尺のグレーティングを有しなくと
も、光ファイバの波長分散を十分に補償することができ
る波長分散補償器を実現することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明の波長分散補償器は、光軸に沿った位置
に応じて反射波長が単調に変化するグレーティングがコ
アに形成された光ファイバと、入力端子に入力された光
をこの光ファイバに入力するとともにグレーティングで
反射された光を出力端子から出力する光部品とを有する
分散補償部を複数備えており、この複数の分散補償部が
直列に多段接続されていることを特徴としている。
【0017】上記のグレーティングは、光軸に沿って屈
折率が基本屈折率と最大屈折率の間で繰り返し変動する
ものであって、この屈折率変動の周期が光軸に沿って単
調に変化するものであっても良い。
【0018】また、上記のグレーティングは、光軸に沿
って屈折率が基本屈折率と最大屈折率の間で繰り返し変
動するものであって、この基本屈折率が光軸に沿って単
調に変化するものであっても良い。
【0019】複数の分散補償部の各々が有する上記のよ
うなグレーティングは、全て略同一のものであっても良
い。
【0020】上記の光部品は光方向性結合器であっても
良い。この場合、本発明の波長分散補償器は、光部品の
入力端子に接続され、この端子に光が入力される方向を
順方向とするアイソレータを少なくとも一つ備えている
と良い。また、上記の光部品はサーキュレータであって
も良い。
【0021】また、本発明の波長分散補償器は、光部品
の入力端子又は出力端子に接続された光増幅器を少なく
とも一つ備えていても良い。
【0022】
【作用】本発明の波長分散補償器において、初段の分散
補償部が有する光部品の入力端子に入力された光は、グ
レーティングを有する光ファイバに入力される。このグ
レーティングは、光軸に沿った位置に応じて反射波長が
単調に変化しているので、波長幅をもった光が入力され
た場合、この光は波長ごとに異なる位置で反射される。
この結果、波長ごとに導波距離が異なるので、この光フ
ァイバに入力されてからグレーティングで反射されて光
ファイバから出力されるまでの時間が波長ごとで異な
る。すなわち、このグレーティングによる反射光は、入
力光に対して波長分散が生じた光となる。これにより、
グレーティングの波長分散と逆の極性(正または負)を
有する伝送用ファイバの波長分散が低減されることにな
る。
【0023】グレーティングにより反射された光は光部
品の出力端子から出力される。この出力光は、次段の分
散補償部が有する光部品の入力端子に入力された後、こ
の分散補償部が有するグレーティングに入力される。こ
のグレーティングにより、上記と同様にして入力光の波
長分散が低減される。このようにして、分散補償部の数
だけ波長分散の低減が繰り返される結果、最終段の分散
補償部が有する光部品の出力端子から十分に波長分散が
補償された光が出力される。したがって、本発明の波長
分散補償器によれば、長尺のグレーティングを有しなく
とも、短尺のグレーティングを複数有することにより、
光ファイバの波長分散が十分に補償される。
【0024】上記の光部品が光方向性結合器であると、
この光方向性結合器の入力端子に入力された光は光ファ
イバに入力された後、グレーティングにより反射され
る。グレーティングによる反射光は光方向性結合器で分
岐されて出力端子から出力されるので、分散補償が十分
好適に行われる。特に、光ファイバ型や薄膜導波路型の
光方向性結合器であると挿入損失が低くなる。
【0025】グレーティングによる反射光が光方向性結
合器で分岐されて入力端子からも出力される場合や、光
の一部が各端子で反射される場合等には、分散補償され
る光と逆方向に進行する光が発生する。この逆行光は、
ノイズ発生等の弊害を生じさせることがある。本発明の
波長分散補償器のうちアイソレータを備えるものによれ
ば、この逆行光がアイソレータにより除去されるので、
逆行光によるノイズ発生等の弊害が防止される。
【0026】また、上記の光部品がサーキュレータであ
ると、このサーキュレータの入力端子に入力された光は
光ファイバに入力された後、グレーティングにより反射
されて再びサーキュレータに入力される。グレーティン
グによる反射光は、分岐されずにそのまま出力端子に出
力され、入力端子には出力されない。これにより、入力
光に逆行する光の発生が防がれるとともに、出力光の強
度の低減も抑えられる。
【0027】本発明の波長分散補償器のうち光部品の入
力端子又は出力端子に接続された光増幅器を備えるもの
によれば、光部品の挿入損失や光ファイバの接続損失、
光部品により分岐が行われる場合の分岐損、グレーティ
ングの反射漏れ等による被分散補償光の減衰度に応じ
て、分散補償部への入力光または分散補償部からの出力
光が増幅される。これにより、この波長分散補償器によ
り波長分散が補償された光は十分な強度を持って出力さ
れる。
【0028】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら本発明の実施
例を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の
要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0029】実施例1 図3は、本実施例に係る波長分散補償器100の構成図
である。この波長分散補償器100は、光カプラ20
と、これに接続された光ファイバ30とからなる複数の
分散補償部(101、102…)が直列に多段接続され
たものである。各分散補償部は、同一の構成を有してい
る。
【0030】光カプラ20は、4端子の光方向性結合器
の一種であり、入力端子40、光ファイバ30が接続さ
れている接続端子41、無反射終端45、及び出力端子
42を有している。初段の分散補償部101において、
光カプラ20の入力端子40には伝送用ファイバ10が
接続されている。
【0031】光ファイバ30は、コアの一部にグレーテ
ィング31が形成されたもので、その一端は光カプラ2
0の接続端子に接続されており、他端は無反射コートさ
れた無反射終端45となっている。
【0032】グレーティング31は、光軸に沿った位置
に応じて反射波長が単調に変化するものであり、光通信
で用いる半導体レーザ光源の出力波長幅を含む反射波長
域を有している。このようなグレーティングとしては、
例えば、前述したような図1や図2に示すものがある。
これらのグレーティング31は、光軸に沿ってコアの屈
折率が基本屈折率と最大屈折率の間で繰り返し変動して
いる領域である。
【0033】図1のグレーティング31は、前述したよ
うにコアの屈折率変動の周期が光軸に沿って単調に変化
しているものである。ブラッグの回折条件に基づく次の
式 λ0 =2・n0 ・Λ …(1) (λ0 は反射波長、n0 は基本屈折率、Λは屈折率変動
の周期)から明らかなように、屈折率変動の周期Λの変
化に伴って反射波長λ0 が光軸に沿った位置に応じて単
調に変化している。
【0034】また、図2のグレーティング31は、前述
したように、コアの基本屈折率n0が光軸に沿って単調
に変化するものである。上記(1)式から明らかなよう
に、基本屈折率n0 の変化に伴って反射波長λ0 が光軸
に沿った位置に応じて単調に変化している。
【0035】光カプラ20の出力端子42は、光部品接
続用の光ファイバ15を介して、次段の分散補償部10
2が有する光カプラ20の入力端子40に接続されてお
り、これによって二つの分散補償部101と102とが
直列に接続されている。同様にして複数の分散補償部が
順次に多段接続されることにより、本実施例の波長分散
補償器100が構成されている。最終段の分散補償部の
出力端子42には伝送用ファイバ11が接続されてお
り、波長分散補償器100により分散補償された信号光
がこの出力端子42から出力されて光通信に用いられる
ことになる。
【0036】グレーティング31の長さは、現在作製す
ることのできる範囲内(数nm〜数mm)で設定され
る。以下、このような短尺のグレーティングを用いて分
散補償を行う場合に、従来のような長尺のグレーティン
グとどのような構成上の差異が生じるかについて説明す
る。
【0037】図1のタイプのグレーティングでは、その
両端における屈折率変動の周期によって反射波長域の最
大値および最小値が定まる。反射波長域は半導体レーザ
光源に応じて設定されるものであるから、同じ光源を用
いる限り、グレーティングが長尺であろうと短尺であろ
うと違いはない。従って、波長分散の補償に用いるグレ
ーティングの長さを短くしようとすれば、グレーティン
グの両端における屈折率変動の周期は長尺のものと変え
ずに、光軸に沿った屈折率変動周期の変化率を大きくし
て屈折率変動の回数を少なくすることになる。
【0038】また、図2のタイプのグレーティングで
は、その両端における基本屈折率の大きさによって反射
波長域の最大値および最小値が定まる。従って、波長分
散の補償に用いるグレーティングの長さを短くしようと
すれば、グレーティングの両端における基本屈折率の大
きさは長尺のものと変えずに、光軸に沿った基本屈折率
の変化率を大きくすることになる。
【0039】次に、半導体レーザ光源から波長幅を有す
る信号光を伝送用ファイバ10に入力したときの、波長
分散補償器100の作用を説明する。この信号光は入力
端子40に入力されると、光カプラ20により所定の分
岐比で分岐されて、接続端子41及び無反射終端45に
出力される。接続端子41に出力された信号光は、光フ
ァイバ30に入力され、コアに設けられたグレーティン
グ31に到達する。
【0040】信号光はグレーティング31によって所定
の反射率で反射されるが、グレーティング31は光軸に
沿った位置に応じて反射波長が単調に変化するものなの
で、信号光は波長ごとに異なる位置で反射される。この
結果、波長ごとに導波距離が異なるので、信号光が接続
端子41から出力されてからグレーティング31で反射
されて接続端子41に入力されるまでの時間も波長ごと
に異なる。これにより、グレーティング31により反射
された信号光は、光ファイバ30に入力された時の信号
光に対して波長分散が生じた光となる。このため、グレ
ーティング31を、伝送用ファイバ10と逆の極性(正
または負)の波長分散を生じさせるものとすれば、伝送
用ファイバ10で生じた信号光の波長分散が低減される
ことになる。このとき、波長分散の低減度は、グレーテ
ィング31の長さに応じて定まる。
【0041】この後、グレーティング31により反射さ
れた信号光は再び光カプラ20により分岐されて出力端
子42、さらには入力端子40にも出力される。出力端
子42に出力された信号光は光ファイバ15により伝送
され、次の波長分散部102が有する光カプラ20の入
力端子40に入力される。この後、上記と同様にして、
信号光の波長分散が波長分散部102において低減され
る。
【0042】このような波長分散の低減が波長分散部の
数だけ繰り返された後、信号光は最終段の波長分散部が
有する光カプラ20の出力端子42から出力され、伝送
用ファイバ11によって伝送される。
【0043】十分な数の波長分散部を接続して波長分散
補償器を構成することにより、一つ一つのグレーティン
グ長が短くとも、それぞれの分散補償作用が累積されて
大きな分散補償能力を示すようになる。したがって、本
実施例の波長分散補償器によれば、長尺のグレーティン
グを有しなくとも、光ファイバの波長分散を十分に補償
することができる。
【0044】なお、本実施例では光部品である光方向性
結合器として光カプラ20のような4端子型の光方向性
結合器を用いたが、3端子型の光方向性結合器も用いる
こともできる。
【0045】実施例2 図4は、本実施例に係る波長分散補償器110の構成図
である。この波長分散補償器110は、各分散補償部
(111、112…)が有する光カプラ20が接続端子
41を二つ有している点が実施例1と異なっている。こ
れらの接続端子41には、グレーティング31がコアに
形成された光ファイバ30がそれぞれ接続されている。
【0046】この波長分散補償器110によれば、入力
端子40に入力され光カプラ20によって分岐された信
号光は二つの接続端子からそれぞれ出力され、光ファイ
バ30のグレーティング31により双方とも波長分散が
補償される。実施例1で無反射終端に出力されていた信
号光も、本実施例ではグレーティング31によって反射
されるので、本実施例によれば実施例1よりも信号光強
度の低減を少なくすることができ、光通信を一層好適に
行うことができる。
【0047】実施例3 図5は、本実施例に係る波長分散補償器120の構成図
である。この波長分散補償器120は、各分散補償部
(121、122…)が有する光カプラ20の入力端子
40にアイソレータ50が接続されている点が実施例2
と異なっている。
【0048】各分散補償部のグレーティング31により
反射された信号光は接続端子41から光カプラ20に入
力され、ここで分岐されて入力端子40および出力端子
42から出力される。入力端子40から出力された光は
送信側へ向かって逆行するが、この光はアイソレータ5
0に入力されると、そこで除去される。これによって、
前段の分散補償部が有する光カプラ20や送信側に設置
された半導体レーザ光源への逆行光の入力が防止され、
ノイズ発生等の弊害が防止される。これにより、一層好
適な光通信が可能となる。
【0049】なお、アイソレータ50は必ずしも全ての
光カプラ20に接続する必要はなく、逆行光の影響度を
考慮して必要に応じて接続すれば良い。
【0050】実施例4 図6は、本実施例に係る波長分散補償器130の構成図
である。この波長分散補償器130は、波長分散補償器
100(図3)の光カプラ20の代わりに3端子型のサ
ーキュレータ60を備えるものである。信号光は、入力
端子40からサーキュレータ60に入力されると、その
まま接続端子41から出力され、光ファイバ30のグレ
ーティング31によりその波長分散が補償される。この
後、グレーティング31により反射された信号光は接続
端子41から再びサーキュレータ60に入力される。こ
のとき、信号光は、入力端子40には出力されずに出力
端子42に出力され、光ファイバ15を介して次の分散
補償部132が有するサーキュレータ60の入力端子4
0に入力される。
【0051】このように、本実施例の波長分散補償器1
30によれば、グレーティングによる反射光が入力端子
40に出力されることがないので、信号光に逆行する光
の発生が防止され、信号光強度の低減も抑えられる。こ
れによって、非常に好適な光通信を行うことが可能であ
る。
【0052】実施例5 図7は、本実施例に係る波長分散補償器140の構成図
である。この波長分散補償器140は、波長分散補償器
130(図6)の3端子型サーキュレータ60の代わり
に、4端子型のサーキュレータ61を備えるものであ
る。
【0053】入力端子40からサーキュレータ61に入
力された信号光は、接続端子41から出力され光ファイ
バ30のグレーティング31によってその波長分散が補
償される。グレーティング31により反射された信号光
は、接続端子41から再びサーキュレータ61に入力さ
れ、今度は接続端子44から出力される。この信号光
は、接続端子44に接続された光ファイバ30のグレー
ティング31によって反射されるとともに、その波長分
散が補償される。この後、信号光は接続端子44から再
びサーキュレータ61に入力された後、出力端子42か
ら出力されて、次の分散補償部が有するサーキュレータ
61の入力端子に入力される。
【0054】本実施例の波長分散補償器140でも、グ
レーティングによる反射光が入力端子40に出力される
ことがないので、信号光に逆行する光の発生が防止さ
れ、信号光強度の低減も抑えられる。したがって、実施
例5と同様、非常に好適な光通信を行うことが可能であ
る。
【0055】実施例6 図8は、本実施例に係る波長分散補償器150の構成図
である。この波長分散補償器150は、実施例1の波長
分散補償器100(図3)と同様の構成を有する多段構
成の分散補償部200の入力側に複数の光増幅器70が
直列接続されたものである。具体的には、初段の分散補
償部101が有する光カプラ20の入力端子40にこれ
らの光増幅器70が接続された構成となっている。この
光増幅器70としては、例えば、光ファイバ増幅器を用
いることができる。
【0056】分散補償器150に入力された信号光は、
光増幅器70によってその光強度を増幅されてから、分
散補償部200に入力される。したがって、この波長分
散補償器150では、光カプラ20の挿入損失や光ファ
イバ30の接続損失、光カプラ20の分岐損、グレーテ
ィング31の反射漏れ等により信号光強度が低減されて
も、波長分散が補償された信号光は十分な強度を維持す
る。このため、本実施例の波長分散補償器150により
波長分散が補償された信号光を用いて、光通信を好適に
行うことができる。
【0057】なお、多段構成の分散補償部200は、実
施例1の波長分散補償器の代わりに、他の実施例の波長
分散補償器と同じ構成にしても良い。
【0058】実施例7 図9は、本実施例に係る波長分散補償器160の構成図
である。この波長分散補償器160は、実施例1の波長
分散補償器100(図3)と同様の構成を有する多段構
成の分散補償部200の出力側に複数の光増幅器70が
直列接続されたものである。具体的には、最終段の分散
補償部が有する光カプラ20の出力端子42に光増幅器
70が接続された構成となっている。光増幅器70とし
て、光ファイバ増幅器を用いることができることは、実
施例6と同様である。
【0059】この分散補償器160に入力された信号光
は、分散補償部200によりその波長分散が補償された
後、光増幅器70によってその光強度が増幅される。し
たがって、この波長分散補償器160では、光カプラ2
0の挿入損失や光ファイバ30の接続損失、光カプラ2
0の分岐損、グレーティングの反射漏れ等により信号光
強度が低減されても、伝送用ファイバ11へ出力される
信号光は十分な強度を有している。このため、本実施例
の波長分散補償器160により波長分散が補償された信
号光を用いて、光通信を好適に行うことができる。
【0060】なお、多段構成の分散補償部200は、実
施例1の波長分散補償器の代わりに、他の実施例の波長
分散補償器と同じ構成にして良いことは、実施例6と同
様である。また、本実施例の波長分散補償器160の入
力側に実施例6と同様に光増幅器70を接続して一つの
波長分散補償器を構成しても良い。この波長分散補償器
を用いれば、実施例6と実施例7の効果が相舞って、極
めて好適な光通信を行うことができる。
【0061】また、実施例6や実施例7では、光増幅器
70が分散補償部200の外部に配置されているが、分
散補償部200の内部に光増幅器70を有する波長分散
補償器としても良い。例えば、光ファイバ15を介して
接続されている光部品の間に被分散補償光の減衰度に応
じて光増幅器70を配置した波長分散補償器としても良
いし、これに加えて実施例6や7のように光増幅器70
を配置した波長分散補償器としても良い。
【0062】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明の波
長分散補償器では、各分散補償部が有するグレーティン
グで波長分散が低減され、分散補償部の数だけ波長分散
の低減が繰り返される結果、十分に波長分散が補償され
た光が出力される。すなわち、本発明の波長分散補償器
によれば、長尺のグレーティングを有しなくとも、短尺
のグレーティングを複数有することにより、光ファイバ
の波長分散を十分に補償することができる。したがっ
て、本発明の波長分散補償器を用いれば、好適に光通信
を行うことが可能である。
【0063】光部品が光方向性結合器であると、この光
方向性結合器の入力端子に入力された光はグレーティン
グにより反射され、この反射光は光方向性結合器で分岐
されて出力端子から出力されるので、分散補償が十分好
適に行われる。特に、光ファイバ型や薄膜導波路型の光
方向性結合器であると挿入損失が低くなるので、光通信
を行うにあたって好適である。
【0064】本発明のうち波長分散補償器のうちアイソ
レータを備えるものによれば、入力光と逆方向に進行す
る光が発生してもこの光はアイソレータによって除去さ
れる。したがって、逆行光によるノイズ発生等の弊害を
防止することができ、一層好適な光通信を行うことが可
能である。
【0065】また、上記の光部品がサーキュレータであ
ると、グレーティングによる反射光が入力端子から出力
されることがないので、入力光に逆行する光の発生が防
がれるとともに、光強度の低減も抑えられる。したがっ
て、一層好適な光通信を行うことができる。
【0066】本発明の波長分散補償器のうち光部品の入
力端子又は出力端子に接続された光増幅器を備えるもの
によれば、波長分散補償器内での被分散補償光の減衰度
に応じて、分散補償部への入力光または分散補償部から
の出力光が増幅される。これにより、この波長分散補償
器により波長分散が補償された光は十分な強度を持って
出力されるので、非常に好適な光通信を行うことが可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバに形成されたグレーティングの一例
を示す模式図である。
【図2】光ファイバに形成されたグレーティングの他の
例を示す模式図である。
【図3】実施例1の波長分散補償器の構成図である。
【図4】実施例2の波長分散補償器の構成図である。
【図5】実施例3の波長分散補償器の構成図である。
【図6】実施例4の波長分散補償器の構成図である。
【図7】実施例5の波長分散補償器の構成図である。
【図8】実施例6の波長分散補償器の構成図である。
【図9】実施例7の波長分散補償器の構成図である。
【符号の説明】
10及び11…伝送用ファイバ、20…光カプラ、30
…光ファイバ、31…グレーティング、40…入力端
子、41…接続端子、42…出力端子、44…接続端
子、50…アイソレータ、60…3端子型のサーキュレ
ータ、61…4端子型のサーキュレータ、70…光増幅
器。
フロントページの続き (72)発明者 稲井 麻紀 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光軸に沿った位置に応じて反射波長が単
    調に変化するグレーティングがコアに形成された光ファ
    イバと、入力端子に入力された光を前記光ファイバに入
    力するとともに前記グレーティングで反射された光を出
    力端子から出力する光部品とを有する分散補償部を複数
    備え、 前記複数の分散補償部が直列に多段接続されていること
    を特徴とする波長分散補償器。
  2. 【請求項2】 前記複数の分散補償部の各々が有する前
    記グレーティングは、全て略同一のものであることを特
    徴とする請求項1記載の波長分散補償器。
  3. 【請求項3】 前記光部品は光方向性結合器であること
    を特徴とする請求項1又は2記載の波長分散補償器。
  4. 【請求項4】 前記光部品の入力端子に接続され、この
    端子に光が入力される方向を順方向とするアイソレータ
    を少なくとも一つ備えることを特徴とする請求項3記載
    の波長分散補償器。
  5. 【請求項5】 前記光部品はサーキュレータであること
    を特徴とする請求項1又は2記載の波長分散補償器。
  6. 【請求項6】 前記光部品の入力端子又は出力端子に接
    続された光増幅器を少なくとも一つ備えることを特徴と
    する請求項1〜5のいずれか記載の波長分散補償器。
JP6275088A 1994-11-09 1994-11-09 波長分散補償器 Pending JPH08136748A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000028841A (ja) * 1998-07-07 2000-01-28 Furukawa Electric Co Ltd:The 光ファイバ型光部品

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000028841A (ja) * 1998-07-07 2000-01-28 Furukawa Electric Co Ltd:The 光ファイバ型光部品

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