JPH08134962A - 管網制御支援装置 - Google Patents

管網制御支援装置

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JPH08134962A
JPH08134962A JP26966994A JP26966994A JPH08134962A JP H08134962 A JPH08134962 A JP H08134962A JP 26966994 A JP26966994 A JP 26966994A JP 26966994 A JP26966994 A JP 26966994A JP H08134962 A JPH08134962 A JP H08134962A
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JP
Japan
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control
pipe network
setting unit
solution
target
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Application number
JP26966994A
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English (en)
Inventor
Seiichi Shindo
静一 進藤
Makoto Tsukiyama
誠 築山
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水理的に保証された管網制約を満たしつつ制
御目標を達成する管網の制御方法を求めることができる
管網制御支援装置を得る。 【構成】 水圧や流量の値を制御目標として、管網の水
圧や流量の許容範囲を管網制約として、バルブの開度な
どを制御変数としてそれぞれ設定し、これらの管網制
約、制御目標、制御変数に関して管網制約を満たしつつ
制御目標を達成するような制御方法を探索するもので、
その制御方法の探索は、探索中の制御方法がどの程度管
網制約を満たし、かつ制御目標を達成しているかを評価
することで行ない、制御方法の評価は、制御方法が表す
制御が実行された場合の管網状態を管網の水理に基づい
たシミュレートにて行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、上水道設備の送水系
統網や配水管網などの管網を安全に効率良く運用制御す
ることを支援する管網制御支援装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】上水道設備の運用は、浄水場や外部から
の買水によって送られてくる水道水を需要家に安定して
安全に供給することを目的とする。その運用に当たって
は、送水系統網や配水管網などの管網内の水圧や流量を
適正値に保つようにバルブやポンプなどを制御する必要
がある。このような管網の制御を支援する装置として、
従来より、操作員の操作経験を用いた知識工学に基づく
ものと、数理計画法に基づくものがあった。
【0003】まず、知識工学に基づいた管網制御支援装
置について以下に説明する。図13は、例えば「配水管
理支援エキスパートシステム」(第38回水道研究発表
会、第352〜354頁、1987年)に示された、従
来の知識工学に基づく管網制御支援装置の構成を示すブ
ロック図である。図において、1は管網の構造や管網へ
の流入量や管網からの流出量など、管網状態のうちの既
知のものが設定される管網データ部である。2は管網の
各点での水圧や流量など、管網状態のうちの未知のもの
を求める管網状態評価部である。3は操作員の操作経験
をルールの形で格納した知識ベース部である。なお、こ
のルールは if 条件部 then 操作部 の形で表現され、その条件部には水圧値や流量などの管
網の状態や時刻など、制御を行なう際の前提条件が記述
される。また、その操作部にはバルブの開度をどのよう
に変更するかなど、条件部の前提条件が満たされた時に
とるべき操作が記述される。
【0004】4は管網状態にマッチするルールを選択す
ることによって管網の制御方法を求める推論エンジン部
である。5は推論エンジン部4で得られた制御方法を実
行した結果の管網状態をユーザーに表示する表示部であ
る。
【0005】次に動作について説明する。ここで、図1
4は図13に示された管網制御支援装置における処理の
流れを表すフローチャートである。この図14におい
て、まずユーザーによって操作対象の管網の状態が管網
データ部1に設定される(ステップST1)。次にこの
ステップST1による設定での管網の各点での水圧や流
量などを、管網状態評価部2での管網シミュレーション
によって求める(ステップST2)。なお、この管網シ
ミュレーションの手法には混合解析手法や補木流量解析
法などの従来より知られている手法が用いられる。
【0006】次いで推論エンジン部4において、知識ベ
ース部3に格納されているルールの中から、ステップS
T2で求められた管網状態により条件部が満たされるル
ールを選択する(ステップST3)。次にこのステップ
ST3で選択されたルールの操作部を実行した場合の管
網の状態を、管網状態評価部2におけるシミュレーショ
ンによって求め、その結果を表示部5でユーザーに表示
する(ステップST4)。
【0007】次に数理計画法に基づいた管網制御支援装
置について以下に説明する。図15は、例えば「上水道
配水制御技法 NEFLAN−Cの開発」(日立評論、
第l64巻、第2号、第51〜56頁、1982年)に
示された、従来の数理計画法に基づく管網制御支援装置
の構成を示すブロック図である。図において、11は管
網構造や管網への流入量や管網から流出量など、管網状
態のうちの既知のものを格納する管網データ部である。
12は管網の各点での水圧や流量など、管網状態のうち
の未知のものを求める管網状態評価部である。13は管
網内のいくつかの点の水圧や流量の目標値を設定する目
標設定部である。14は管網状態が目標からどの程度隔
たっているかを反映した目標関数の値を最小にするよう
な、バルブ開度などの制御変数の値を求める最適化部で
ある。15は前記目標関数を最小にする制御変数の値に
よる管網の状態を表示する表示部である。
【0008】次に動作について説明する。ここで、図1
6は図15に示された管網制御支援装置における処理の
流れを表すフローチャートである。この図16におい
て、まずユーザーによって管網の状態が管網データ部1
1に設定される(ステップST11)。次にこのステッ
プST11による設定での管網の各点での水圧や流量な
どを、管網状態評価部12での管網シミュレーションに
より求める(ステップST12)。なお、この管網シミ
ュレーションには従来より知られているプライマル・デ
ュアル(Primal−Dual)法が用いられる。
【0009】次いで最適化部14において、目標関数の
値が減少するように各制御変数の値を変更する(ステッ
プST13)。この修正の方法としては、従来より知ら
れているシンプレックス(Simplex )法が用いられる。
次にこのステップST13で得られた制御変数値の設定
での管網の各点における水圧や流量を管網状態評価部1
2で求め(ステップST14)、その値に基づいて、最
適化部14で目標関数の値を求める(ステップST1
5)。ここで、この目標関数としては、次に示す式が用
いられる。
【0010】Σi u_i*(h_i−hg_i)2 +Σj v_j
*(q_j−qg_j)
【0011】なお、この目標関数中において、hg_i
は節点iでの水圧の目標値、h_iは節点iでの水圧、q
g_jは管路jでの流量の目標値、q_jは管路jでの流
量、u_iとv_jは重み係数をそれぞれ示している。
【0012】次にこのステップST15で求めた目標関
数の値が、誤差として設定された値よりも大きければス
テップST13に戻る(ステップST16)。一方、目
標関数の値が誤差よりも小さければ、管網状態評価部1
2で実行するシミュレーションにより、その時の制御変
数の値をもとにした管網の状態を求め、その結果を表示
部15でユーザーに表示する(ステップST17)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の知識工学に基づ
く管網制御支援装置は以上のように構成されているの
で、知識ベース部3が中心的役割を果たすこととなる
が、この知識ベース部3に格納されたルールは管網の熟
練操作員の操作経験に基づいたものであり、水理的に保
証されたものではないので推論結果が信頼性に欠けると
いう問題点があった。また、知識ベース部3を構築する
ためには熟練操作員からインタビューにより制御知識を
獲得する必要があるが、この知識獲得は熟練操作員自身
が自分の制御知識を整理できていない場合には困難であ
り、さらに、管網が運用され始めたところで操作員にも
制御知識がないような場合には知識ベース部3を構築す
ることができないなどという問題点もあった。
【0014】また、従来の数理計画法に基づく管網制御
支援装置は上で説明したように、制御目標からの隔たり
を反映した目標関数を設定し、この関数の値を最小にす
る制御変数の値を求めることによって制御目標を達成す
るような制御方法を求めるものである。しかし、その処
理は一つの解のみを扱い、処理の流れが制御変数の値を
初期設定から目標関数値が小さくなるように修正し続け
るというものであるので、初期設定の仕方によっては得
られる結果が疑似最適解、すなわち極小値であって、最
適解、すなわち最小値が得られないことがあり、得られ
る解の精度が低いという問題点があった。
【0015】さらに、通常の管網の運用では、管網を現
在のある状態から他の状態に移したい場合に、バルブ開
度を現在の値から大幅に変化させると管網内で逆流や急
流が起こり水の濁りが発生したり圧力異常を起こすこと
があるので、関係するバルブの開度を少しずつ変化させ
ながら管網を制御する。従って、どの順番でどのバルブ
を制御すればよいかという時系列制御問題の解決は管網
運用にとって重要である。ところが、従来の数理計画法
に基づく管網制御支援装置は、管網制約を満たしつつ制
御目標を達成するような全ての制御変数の値を求める静
的制御問題を解決するのみであり、制御変数の値の初期
設定に従った管網状態から管網制約を満たしつつ制御目
標が達成された管網状態に移行するためには、どの制御
変数の値をどの順番でどのように変更すればよいかを求
める時系列制御問題に対する解を与えることができない
などの問題点もあった。
【0016】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、第1の目的は、水理的に保証さ
れた管網制約を満たしつつ制御目標を達成する管網の制
御方法を求めることができる管網制御支援装置を得るこ
とにある。
【0017】また、第2の目的は、得られた制御方法が
知識工学に基づく運用支援を行なう場合の知識獲得過程
を支援することができる管網制御支援装置を得ることに
ある。
【0018】また、第3の目的は、制御方法の求解過程
が疑似最適解に陥ることなく最適解を見つけることがで
き、結果として得られる制御方法の精度が高い管網制御
支援装置を得ることにある。
【0019】また、第4の目的は、時系列制御問題を扱
うことができる管網制御支援装置を得ることにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る管
網制御支援装置は、制御目標設定部で水圧や流量の値を
制御目標として設定し、管網制約設定部で管網の水圧や
流量の許容範囲を管網制約として設定し、制御変数設定
部でバルブの開度などを制御変数として設定し、これら
の管網制約と制御目標と制御変数に関して管網制約を満
たしつつ制御目標を達成するような制御方法を、制御解
探索部で探索するものであり、その制御方法の探索は、
管網状態評価部で探索中の制御方法がどの程度管網制約
を満たし、かつ制御目標を達成しているかを評価するこ
とによって行ない、その制御方法の評価は、管網状態評
価部で制御方法の表す制御が実行された場合の管網状態
を管網の水理に基づいてシミュレートすることによって
行なうものである。
【0021】請求項2の発明に係る管網制御支援装置
は、制御解保存部で制御問題の解の集合を保存し、制御
問題設定部で静的制御問題を反映した制御問題の解の評
価基準を設定し、制御解評価部で制御解保存部に保存さ
れた個々の制御解を制御問題設定部で設定された評価基
準に従って評価し、制御解修正部で制御解評価部から得
られる制御解の評価値をもとに、制御解保存部に保存さ
れた制御解の集合を修正するものである。
【0022】請求項3の発明に係る管網制御支援装置
は、管網制御支援装置における制御問題設定部および制
御解評価部として、時系列制御問題設定部および時系列
制御解評価部を用い、その時系列制御問題設定部で時系
列制御問題を反映した制御問題の解の評価基準を設定
し、時系列制御解評価部で制御解保存部に保存される個
々の制御解を時系列制御問題設定部で設定された制御解
の評価基準に従って評価するものである。
【0023】
【作用】請求項1の発明における管網制御支援装置は、
制御方法の探索において、その制御方法に従って管網を
制御した場合の管網状態を水理に基づいたシミュレーシ
ョンで評価し、制御方法の効果を確認しながら探索する
ことにより、水理的に保証された制御方法を求めること
を可能とし、さらに、得られる制御方法を知識獲得のた
めのインタビューで熟練操作員に提示することにより、
熟練操作員が自分の知識を思い出したり整理したりする
ことを助けて知識獲得を支援し、また新しい管網を制御
対象とする場合などで操作員に制御知識がない場合など
には、得られる制御方法を操作知識の代用として使用す
ることを可能とする。
【0024】請求項2の発明における管網制御支援装置
は、制御解保存部で制御解の集合を保持してその各々を
探索の対象として扱い、さらに、制御解修正部が生物の
進化過程を模擬して最適解を探索することにより、探索
過程が疑似最適解に陥ることを防止し、最適解を求める
ことを可能にする。
【0025】請求項3の発明における管網制御支援装置
は、管網制御支援装置の制御問題設定部に時系列制御問
題設定部を用いて、時系列制御問題を反映した制御問題
の解の評価基準を設定し、また、制御解評価部に時系列
制御解評価部を用いて、制御解保存部に保存される個々
の制御解を時系列制御問題設定部で設定された制御解の
評価基準に従って評価することにより、時系列制御問題
の取り扱いを可能とする。
【0026】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの発明の実施例1による管網制御支援装
置の構成を示すブロック図である。図において、21は
管網の構成要素である節点や管路やバルブなどの属性、
管網の構造、および節点での水の流出量または流入量や
水圧のうちの既知のものを設定する管網状態設定部であ
る。22は管網状態設定部21で設定される節点や管路
のうちの、水圧をある目標の値に設定したい節点の節点
名とその目標値、および流量をある目標の値に設定した
い管路の管路名とその目標値を制御目標として設定する
制御目標設定部である。23は管網状態設定部21で設
定される節点や管路のうちの、節点名とその節点での水
圧の許容範囲、および管路名とその管路での流量の許容
範囲を管網制約として設定する管網制約設定部である。
【0027】24は管網状態設定部21で設定される各
種バルブのうち、制御目標設定部22で設定された制御
目標を達成するために開度を制御するバルブのバルブ名
と制御の際の制約を設定する制御変数設定部である。2
5は制御目標設定部22、管網制約設定部23、および
制御変数設定部24でそれぞれ設定された制御目標、管
網制約、および制御変数に関して、管網制約を満たしつ
つ制御目標を達成するような制御方法を求める制御解探
索部である。26は制御解探索部25から入力される各
制御変数の値、および管網状態設定部21で設定された
管網状態をもとに、水理に基づくシミュレーションで管
網の節点の水圧と管路の流量を求める管網状態評価部で
ある。
【0028】次に動作について説明する。ここで、図2
はこのように構成された管網制御支援装置における処理
の流れを表すフローチャートである。この図2におい
て、まずユーザーが管網状態設定部21によって、管網
の構成要素である節点や管路やバルブなどの属性、管網
の構造、および節点での水の流出量または流入量および
水圧のうちの既知のものを管網状態として設定する(ス
テップST21)。次に示す表1〜表3はこのようにし
て設定された管網状態のデータの一例を表したものであ
る。これらの表の例に記載した管網の構成要素は、節
点、管路、およびリニアバルブであり、表1は節点、表
2は管路、表3はリニアバルブについてのものである。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】この表1の節点に関しては左から順に、節
点の名前、その節点での外からの流量、およびその節点
での水圧が記述されている。なお、流量、水圧の記述は
2字組である。その1字目は“K”または“U”であ
り、“K”は値が既知であることを、“U”は値が未知
であることをそれぞれ表している。また2字目は、1字
目が“K”の場合には既知である流量または水圧を表す
数値であり、“U”の場合には“−”である。また流量
に関して、2字目が負の値の場合はその節点に外から水
が流入することを、正の値の場合はその節点から外に水
が流出することをそれぞれ示している。例えば、節点
“00”は、1.69566m3 /sの量の水の流入が
あり、水圧は30mである。
【0033】また、表2の管路に関しては左から順に、
管路の名前、その管路の始点である節点名、その管路の
終点である節点名、抵抗係数、長さ、口径、その管路を
流れる水の流量、およびその管路の両端での水圧差が記
述されている。この場合、流量と水圧の記述形式は表1
の節点の場合と同一である。さらに、表3のリニアバル
ブに関しては左から順に、リニアバルブの名前、そのリ
ニアバルブの始点である節点名、そのリニアバルブの終
点である節点名、口径、そのリニアバルブを流れる水の
流量、そのリニアバルブの両端での水圧差、およびその
リニアバルブの特性が記述されている。この場合も、流
量と水圧の記述形式は表1の節点の場合と同一であり、
特性は2個以上の2字組からなる。各2字組はバルブの
開度とその開度をとった時のバルブの抵抗係数を表すも
のである。
【0034】次にユーザーが制御目標設定部22より、
制御目標を1個以上設定する(ステップST22)。目
標設定の一例として2字組で指定し、節点名とその節点
での水圧の目標値、または管路名とその管路での流量の
目標値で指定する。例えば、目標設定 {pf,25.0} は、節点“pf”での水圧の目標値が25.0mである
ことを表す。
【0035】次にユーザーが管網制約設定部23より、
管網制約を1個以上設定する(ステップST23)。制
約設定の一例として3字組で指定し、節点名とその節点
での水圧の値の許容範囲の下限値と上限値、または管路
名とその管路での流量の値の許容範囲の下限値と上限値
で指定する。例えば、制約設定 {a0,20.5,22.5} は、節点“a0”での水圧の許容範囲が20.5m以
上、かつ22.5m以下であることを表す。
【0036】次にユーザーが制御変数設定部24より、
制御変数と制御変数の値に関する制約を1個以上設定す
る(ステップST24)。制御変数の設定方法の一例と
して、リニアバルブの場合には、バルブ開度が下限値か
ら上限値までの間をある刻み幅による離散的な値をとる
タイプであれば、バルブ名、タイプ名、下限値、上限
値、および刻み幅の5字組で設定する。例えば、変数設
定 {12,discrete_delta,5,80,5} は、制御変数がバルブ“12”の開度であり、5度から
80度まで5度刻みの離散値のみをとることを表す。ま
た、バルブ開度が離散的な値のみをとりその値が列挙で
きるタイプであれば、バルブ名、タイプ名、およびその
具体的な値で設定する。例えば、変数設定 {g7,discrete_enumerate,{5,30,55,8
0}} は、制御変数がリニアバルブ“g7”の開度であり、5
度、30度、55度、または80度のいずれかの値のみ
をとることを表す。
【0037】次に制御解探索部25にて、制御目標設定
部22、管網制約設定部23、および制御変数設定部2
4でそれぞれ設定された制御目標、管網制約、および制
御変数に関して、管網制約を満たしつつ制御目標を達成
するような制御方法を求める(ステップST25)。こ
の制御方法の探索の過程においては、その制御を実行し
た場合の管網の状態における制御目標からの隔たりと、
管網制約の違反度を反映した制御方法の評価基準を設定
し、初期設定された制御方法の評価と修正を繰り返すこ
とによって制御方法の探索を行う。また、制御方法の評
価は、管網状態評価部26において、その制御を実行し
た場合の管網の状態における節点の水圧と管路の流量を
シミュレーションにより求める。このシミュレーション
は、管網状態設定部21で設定された管網の構成要素の
属性と構造と流量や水圧の設定値をもとに、管網の水理
を反映した混合解析手法や補木流量解析法などの従来よ
り知られている手法を用いて実行する。
【0038】このように、実施例1によれば、管網の水
理を表現するのに必要な管網の構成要素の属性や管網の
構造を設定し、制御方法の目標達成度と制約達成度をシ
ミュレーションにより水理的に確認しながら制御方法を
探索するので、水理的に保証された制御方法を求めるこ
とが可能である。
【0039】また、実施例1で得られる制御方法を知識
獲得のためのインタビューで、熟練操作員に提示するこ
とにより、熟練操作員が自分の知識を思い出したり整理
したりすることを補助でき、知識獲得の支援が可能とな
る。さらに、新しい管網を制御対象とする場合などで操
作員に制御知識がない場合には、実施例1で得られる制
御方法を操作知識の代用として使用することが可能であ
る。
【0040】実施例2.以下、この発明の実施例2を図
に基づいて説明する。図3はこの発明の他の実施例によ
る管網制御支援装置の構成を示すブロック図である。図
において、21〜24および26は図1に同一符号を付
した部分と同様の構成であるので、その説明は省略す
る。
【0041】31は制御問題の解の集合を保存する制御
解保存部である。32は制御目標設定部22、管網制約
設定部23、および制御変数設定部24で各々設定され
た制御目標、管網制約、および制御変数に関して、静的
制御問題を反映した、制御解保存部31に保存されてい
る制御解の評価基準を設定し、制御解と制御変数の対応
を規定する対応データを設定する制御問題設定部であ
る。33は制御解保存部31に保存された個々の制御解
を制御問題設定部32で設定された評価基準に従って評
価する制御解評価部である。34は制御解評価部33で
得られた制御解の評価値をもとに、制御解保存部31に
保存されている制御解の集合を修正する制御解修正部で
ある。なお、制御解探索部25はこれら制御解保存部3
1、制御問題設定部32、制御解評価部33、および制
御解修正部34によって形成されている。
【0042】次に動作について説明する。ここで、図4
はこのように構成された管網制御支援装置における処理
の流れの要部を表すフローチャートである。なお、この
実施例2は図2のステップST25における処理の具体
的な実現例であるので、ここでは図2のステップST2
5以外についての説明は省略し、図2のステップST2
5に対応する動作のみを図4に従って説明する。
【0043】図4において、まず、静的制御問題を反映
した制御解の評価尺度を制御問題設定部32にて設定す
る(ステップST31)。この評価尺度の一例として、
以下に示す評価関数がある。
【0044】F=Σi wg_i*P_i+Σj wc_j*Q_j
【0045】評価関数Fの第1項が制御解が表す制御の
結果得られる管網状態における制御目標との隔たりを表
す式であり、第2項が制御解が表す制御の結果得られる
管網状態における管網制約の違反の程度を表す式であ
る。この評価関数Fの値が小さい制御解ほど、より最適
な制御解である。ここで、上記式中の_iは各々の制御目
標を識別する添字、_jは各々の管網制約を識別する添字
であり、wg_iは制御目標iの重み、wc_jは管網制約
jの重みをそれぞれ表し、P_iおよびQ_jは以下のよう
に定義される。
【0046】 P_i=(g_i−gg_i)2 Q_j=(c_j−cl_j)2 (c_j<cl_jの場合) =0 (cl_j≦c_j≦ch_jの場合) =(c_j−ch_j)2 (c_j>ch_jの場合)
【0047】ここで、上記式中のg_iは制御目標iが設
定されている節点の水圧または管路の流量の制御解が表
す制御変数の値の設定のもとでの管網状態での値を表
し、gg_iは制御目標iに対応する節点の水圧または管
路の流量の目標値を表している。また、c_jは管網制約
jに対応する節点の水圧または管路の流量の制御解が表
す制御変数の値の設定のもとでの管網状態での値を表
し、cl_jは管網制約jでの許容範囲の下限値を、ch
_jは管網制約jでの許容範囲の上限値をそれぞれ表して
いる。
【0048】次に制御問題設定部32において、制御変
数設定部24で設定された制御変数と制御変数の値に関
する制約を反映して、制御解保存部31に保存された各
制御解の表現と制御変数の値との対応を規定する対応デ
ータを設定する(ステップST32)。この対応データ
による変換表の一例を次の表4に示す。なお、説明の便
宜上、この表4の各行の左端に行番号を括弧付の数字で
付記する。
【0049】
【表4】
【0050】この変換表では、制御変数が3個あること
を表しており(1行目)、制御解で用いられる変数(以
下、内部変数と記す)は制御変数と1対1で対応してい
る。内部変数1は(2行目)、バルブlv_1に対応し
(3行目)、このバルブの開度がある値の刻み幅で変化
するタイプであり(4行目)、内部変数1の値の最小値
が0(5行目)、最大値が15(6行目)であることを
それぞれ表している。なお、前記バルブの開度は次式で
求めることができ、この式中のoffsetには8行目の値5
を、delta には7行目の値5をそれぞれ代入する。
【0051】開度= offset + delta*(内部変数1の
値)
【0052】また、内部変数2は(9行目)、バルブl
v_2に対応し(10行目)、このバルブの開度が離散値
をとるタイプであり(11行目)、内部変数2の値の最
小値が0(12行目)、最大値が3(13行目)をと
り、内部変数2の値0がバルブの開度5度に、値1が開
度15度に、値2が開度40度に、値3が開度70度に
それぞれ対応すること(14行目)を表している。
【0053】さらに、内部変数3は(15行目)、バル
ブlv_3に対応し(16行目)、前記内部変数1の場合
と同様に、このバルブの開度がある値の刻み幅で変化す
るタイプであり(17行目)、内部変数3の値の最小値
が0(18行目)、最大値が7(19行目)であること
をそれぞれ表している。なお、前記バルブの開度は次式
で求めることができ、この式中のoffsetには21行目の
値10を、delta には20行目の値10をそれぞれ代入
する。
【0054】開度= offset + delta*(内部変数3の
値)
【0055】次にステップST32で設定された対応デ
ータをもとに複数個の制御解をランダムに生成し、それ
を制御解保存部31に格納する(ステップST33)。
制御解保存部31に格納された制御解の一例を図5を用
いて説明する。図5は表4に記載した対応データに基づ
く制御解の一例を示す説明図である。図5に示された制
御解は表4の対応データで表される全ての内部変数の値
を保持する。左から第i番目の数字であるX_iが内部変
数iの値を表す(1≦i≦3)。この制御解は、表4の
対応データに従って解釈され、バルブlv_1の開度を3
0度、バルブlv_2の開度を40度、バルブlv_3の開
度を40度に各々設定する制御方法を示している。
【0056】次に制御解評価部33によって、前記ステ
ップST31で設定された評価尺度を用いて制御解保存
部31に格納されている各制御解の評価値を計算する
(ステップST34)。この評価は具体的には、ステッ
プST32で設定された対応データに基づいて制御解が
表す制御変数の値を求め、その値をもとに管網状態をシ
ミュレートして、ステップST31で説明した評価関数
Fの値を計算することで行う。また、この管網状態のシ
ミュレーションは管網状態評価部26を呼び出すことに
よって行う。
【0057】次に制御解修正部34で各制御解に対し
て、ステップST34で得られた評価値をもとに集団で
の相対評価値をその制御解の適応度として求める(ステ
ップST35)。この相対評価では、より最適である制
御解、すなわち評価値がより小さい制御解ほど適応度と
して大きな値が割当てられる。
【0058】次にこのステップST35で得られた適応
度をもとに、制御解修正部34で生物の進化過程を模擬
した方法で制御解の集団を修正し、制御解保存部31に
格納されている集団をこの修正後の集団で置き換え(ス
テップST36)、しかる後にステップST34に戻
る。このステップST34〜ST36の繰り返しは、終
了条件が満足されるまで行なわれる(ステップST3
7)。この終了条件の一例としては、規定の繰り返し回
数を行なったか否か、または評価関数Fの値が規定の閾
値未満の制御解が見つかったか否かなどがある。
【0059】ここで、ステップST36の処理の詳細を
図6を用いて説明する。図6において、ステップST3
5で得られた適応度を反映した確率で、制御解保存部3
1に保存された制御解の集団から2個の制御解を選択す
る(ステップST41)。なお、これらの制御解を親の
解と呼ぶ。
【0060】次に適当に交叉点を選んで、その点で2つ
の親の解の内容を交叉する(ステップST42)。この
交叉によってできる制御解を子の解と呼ぶ。図7はステ
ップST42で行なわれる交叉の一例を示す説明図であ
り、交叉点が内部変数1の値と内部変数2の値の間に設
定され、その交叉点より後の内部変数の値が親の解1と
親の解2の間で交換されて、子の解1と子の解2が生成
されることを示している。
【0061】次に子の解の持つ数値の一部をある微小な
確率でランダムに変更することにより、子の解に突然変
異を施す(ステップST43)。図8はステップST4
3で行なわれる突然変異の一例を示す説明図であり、子
の解の内部変数3の値がランダムに変更されることを示
している。ステップST41からステップST43まで
の処理を、子の解の数が元の集団の制御解の個数と一致
するまで繰り返す。その後、制御解保存部31に保存さ
れた制御解の集団をこれらの子の解の集団で置き換え
る。
【0062】ステップST36では以上のように、ステ
ップST41で適応度に応じた確率で親の解を選択する
ことにより、適応度の低い制御解、すなわち評価関数F
の値が大きい制御解は淘汰されて探索対象から除外され
ていく。ステップST42で親の解同士で制御解を部分
的に交換して子の解を生成することにより、親の解の中
で性質の良い部分が子の解に遺伝する、すなわち、制御
解の中で評価関数Fの値を小さくする部分が探索対象と
して保持されていく。そして、ステップST43で子の
解の一部をランダムに変更することにより、探索過程で
局所解に陥ってもそこから脱出する可能性が生じ、最適
解に到達することができる。
【0063】このようにステップST34〜ST36の
繰り返しを重ねるにつれて、生物の進化過程を模擬した
最適化作用が働き、より最適な制御解、すなわち評価関
数Fの値が小さい制御解が探索される。
【0064】以上のように、実施例2によれば、複数個
の制御解を探索対象として扱い、これらの制御解を生物
の進化を模擬した方式で修正することによって最適解を
探索するので、局所解に陥ることがなく最適解を求める
ことができて、結果として得られる制御方法の精度が高
い管網制御支援装置を得ることができる。
【0065】実施例3.以下、この発明の実施例3を図
に基づいて説明する。図9はこの発明のさらに他の実施
例による管網制御支援装置の構成を示すブロック図であ
る。図において、21〜24、26、31および34は
図3に同一符号を付した部分と同様の構成であるのでそ
の説明は省略する。
【0066】41は制御目標設定部22、管網制約設定
部23、および制御変数設定部24で各々設定された制
御目標、管網制約、および制御変数に関して、時系列制
御問題を反映した、制御解保存部31に保存された制御
解の評価基準を設定し、制御解と制御変数の対応を規定
する対応データを設定する時系列制御問題設定部であ
る。42は制御解保存部31に保存された個々の制御解
を時系列制御問題設定部41によって設定された制御解
の評価基準に従って評価する時系列制御解評価部であ
る。
【0067】このように、この実施例3では時系列制御
問題が扱えるように、実施例2における制御問題設定部
32として上記時系列制御問題設定部41を用い、制御
解評価部33として上記時系列制御解評価部42を用い
たものである。
【0068】次に動作について説明する。ここで、図1
0はこのように構成された管網制御支援装置における処
理の流れの要部を表すフローチャートである。なお、こ
の実施例3も図2のステップST25における処理の具
体的な実現例であるので、ここでは図2のステップST
25以外の説明は省略し、図2のステップST25に対
応する動作のみを図10に従って説明する。
【0069】図10において、まず、時系列制御問題を
反映した制御解の評価尺度を時系列制御問題設定部41
で設定する(ステップST51)。この評価尺度の一例
として、以下に示す2つの評価関数がある。
【0070】G=Σi wg_i*P_i H=Σj wc_j*Q_j
【0071】上記2つの評価関数のうち、Gは制御変数
のある値の設定による管網状態における制御目標との隔
たりを表す評価関数であり、Hは制御変数のある値の設
定による管網状態における管網制約の違反の程度を表す
評価関数である。ここで、i、j 、wg_i、wc_j、P_i
およびQ_jは、ステップST31で説明したそれらと各
々同様の定義であるので説明は省略する。
【0072】次に時系列制御問題設定部41において、
制御変数設定部24で設定された制御変数と制御変数の
値に関する制約を反映して、制御解の表現と制御変数の
値との対応を規定する対応データを設定する(ステップ
ST52)。この対応データによる変換表の一例を次の
表5に示す。なお、この場合も説明の便宜上、表5の各
行の左端に行番号を括弧付の数字で付記する。
【0073】
【表5】
【0074】ここで、この表5の1行目〜21行目は、
各制御変数に関する変換規則を記述しており、表4の1
行目〜21行目と同様であるのでその説明は省略する。
表5の22行目および23行目が時系列制御問題に固有
の記述である。22行目は、各内部変数の値の初期設定
を指定する。内部変数1の値が7、内部変数2の値が
1、および内部変数3の値が2であること、すなわち、
バルブlv_1の開度を40度、バルブlv_2の開度を1
5度、およびバルブlv_3の開度を30度に初期設定す
ることを表している。また、23行目は、この22行目
で設定された初期設定から何回の制御を行なうことによ
り制御目標を達成するか、その回数を指定する。この例
では4回のバルブ操作を行なうことを表している。
【0075】次にステップST52で設定された対応デ
ータをもとに複数個の制御解をランダムに生成し、それ
を制御解保存部31に格納する(ステップST53)。
図11はこの制御解保存部31に格納される制御解の一
例を示す説明図である。この制御解は2字組が4個なら
んでおり、左からX番目の2字組が、第X番目の制御を
表している。各2字組の1字目は内部変数の番号を表す
整数であり、2字目は制御を表す0または1の整数であ
る。なお、この2字目の整数0は内部変数の値を1減ら
すことを、1は内部変数の値を1増やすことをそれぞれ
表している。図11に示した制御解は、まず内部変数1
の値を1減らし、その後内部変数2の値を1増やし、そ
の後内部変数1の値を1減らし、その後内部変数3の値
を1減らすことを表す。すなわち、バルブlv_1、バル
ブlv_2、およびバルブlv_3の開度が各々、40度、
15度、30度の初期設定から、まずバルブlv_1の開
度を35度に、次いでバルブlv_2の開度を40度に、
次いでバルブlv_1の開度を30度に変え、最後にバル
ブlv_3の開度を20度に変える時系列の制御方法を表
している。
【0076】次に時系列制御解評価部42によって、ス
テップST51で設定された評価尺度を用いて制御解保
存部31に格納されている各制御解の評価値を計算する
(ステップST54)。このステップST54の詳細動
作を図12を用いて以下に説明する。この図において、
V(t)はt回目の制御が行なわれた直後の各内部変数
の値を表すベクトルであり、H(t)は内部変数の値を
V(t)に設定した場合の管網状態における評価関数H
の値である。また、tmax は制御解が表す制御の回数を
示すものである。以下、図12に従ってその手順を説明
する。
【0077】まず、tの値を1に設定し(ステップST
61)、引き続いてV(t)の計算を行う(ステップS
T62)。次にV(t)で表される内部変数の値を、ス
テップST52で設定された対応データを用いて制御変
数の値に変換し、その設定による管網状態をシミュレー
トすることによって評価関数Hの値を計算し、その計算
結果をH(t)の値とする(ステップST63)。この
管網状態のシミュレーションは管網状態評価部26を呼
び出すことにより行う。以下、ステップST62とステ
ップST63の処理を制御解が表す制御の回数分繰り返
す(ステップST64、ST65)。これによってV
(tmax )とH(1)〜H(tmax )とが算出される。
【0078】その後、次式の値を計算して、それを制御
解の評価値とする(ステップST66)。
【0079】Glast+Hmax
【0080】ここで、上記Glastは制御解の最終状態、
すなわち、内部変数の値をV(tma x )に設定した場合
の管網の状態における評価関数Gの値を表し、Hmax
H(1)〜H(tmax )の最大値を表す。制御解の評価
値をこのように求めることにより、制御解の評価値は、
時系列制御による最終状態がどの程度制御目標から隔た
っているかと、時系列制御の途中で管網制約の違反が最
大どの程度であるかを表すことになり、評価値の小さい
制御解ほどより最適な制御方法を表すことになる。
【0081】次に制御解修正部34で各制御解に対し
て、ステップST54で得られた評価値をもとに集団で
の相対評価値をその制御解の適応度として求める(ステ
ップST55)。この相対評価では、より最適である制
御解、すなわち評価値がより小さい制御解ほど適応度と
して大きな値が割当てられる。
【0082】次にこのステップST55で得られた適応
度をもとに、制御解修正部34で生物の進化過程を模擬
した方法で制御解の集団を修正し、制御解保存部31に
格納されている集団をこの修正後の集団で置き換え(ス
テップST56)、しかる後にステップST54に戻
る。このステップST54〜ST56の繰り返しは、終
了条件が満足されるまで行なわれる(ステップST5
7)。この終了条件の一例としては、規定の繰り返し回
数を行なったか否か、または評価値が規定の閾値未満の
制御解が見つかったか否かなどがある。なお、ステップ
ST56の処理の詳細は図4におけるステップST36
と同様であるのでその説明は省略する。
【0083】このようにステップST54〜ST56の
処理を繰り返して重ねるにつれ、実施例2におけるステ
ップST34〜ST36の繰り返しの場合と同様に、生
物の進化過程を模擬した最適化作用が働き、局所解に陥
ることなく、制御解の評価値が最小である最適な解が探
索される。
【0084】以上のように、実施例3によれば、制御解
が時系列制御問題の解を表現し、制御解を時系列制御問
題に適合するように評価して最適解を探索するので、時
系列制御問題を解くことが可能となる。
【0085】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、制御方法の探索において、その制御方法に従って管
網を制御した場合の管網状態を水理に基づいたシミュレ
ーションで評価し、制御方法の効果を確認することによ
り探索を行なうように構成したので、水理的に保証され
た制御方法を得ることができるという効果がある。ま
た、得られた制御方法を知識獲得のためのインタビュー
で熟練操作員に提示すれば、熟練操作員が自分の知識を
思い出したり整理したりすることを補助することができ
て、知識獲得の支援が可能となり、さらに新しい管網を
制御対象とする場合などで操作員に制御知識がない場合
などには、得られた制御方法を操作知識の代用として使
用することができる効果がある。
【0086】請求項2の発明によれば、複数個の制御問
題の解を探索対象として扱い、これらの解を生物の進化
を模擬した方式で修正して最適解を探索するように構成
したので、局所解に陥ることなく最適解を求めることが
可能となり、精度の高い制御方法を得ることができる効
果がある。
【0087】請求項3の発明によれば、制御解が時系列
制御問題の解を表現し、制御解を時系列制御問題に適合
するように評価して最適解を探索するように構成したの
で、時系列制御問題の制御方法を得ることができる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1による管網制御支援装置
の構成を示すブロック図である。
【図2】 上記実施例の動作を示すフローチャートであ
る。
【図3】 この発明の実施例2による管網制御支援装置
の構成を示すブロック図である。
【図4】 上記実施例の動作を示すフローチャートであ
る。
【図5】 上記実施例の制御解の一例を示す説明図であ
る。
【図6】 上記実施例の制御解の集団の修正の詳細動作
を示すフローチャートである。
【図7】 上記実施例の制御解の交叉を示す説明図であ
る。
【図8】 上記実施例の制御解の突然変異を示す説明図
である。
【図9】 この発明の実施例3による管網制御支援装置
の構成を示すブロック図である。
【図10】 上記実施例の動作を示すフローチャートで
ある。
【図11】 上記実施例の制御解の一例を示す説明図で
ある。
【図12】 上記実施例の制御解の評価の詳細手順を示
すフローチャートである。
【図13】 知識工学の手法に基づく従来の管網制御支
援装置の構成を示すブロック図である。
【図14】 上記管網制御支援装置の動作を示すフロー
チャートである。
【図15】 数理計画法に基づく従来の管網制御支援装
置の構成を示すブロック図である。
【図16】 上記管網制御支援装置の動作を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
21 管網状態設定部、22 制御目標設定部、23
管網制約設定部、24制御変数設定部、25 制御解探
索部、26 管網状態評価部、31 制御解保存部、3
2 制御問題設定部、33 制御解評価部、34 制御
解修正部、41 時系列制御問題設定部、42 時系列
制御解評価部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上水道設備の送水系統網や配水管網など
    の管網の節点や管路やバルブなどの構成要素の属性、管
    網の構造、および節点での水の流出量または流入量およ
    び水圧のうちの既知のものを設定する管網状態設定部
    と、前記管網状態設定部で設定される節点や管路のう
    ち、水圧をある目標の値に設定したい節点の節点名とそ
    の目標値、および流量をある目標の値に設定したい管路
    の管路名とその目標値を制御目標として設定する制御目
    標設定部と、前記管網状態設定部で設定される節点や管
    路のうち、節点名とその節点での水圧の許容範囲、およ
    び管路名とその管路での流量の許容範囲を管網制約とし
    て設定する管網制約設定部と、前記管網状態設定部で設
    定されるバルブのうち、前記制御目標設定部で設定され
    た制御目標を達成するために開度を制御するバルブのバ
    ルブ名と制御の際の制約を制御変数として設定する制御
    変数設定部と、前記制御目標設定部、管網制約設定部、
    および制御変数設定部で各々設定された制御目標、管網
    制約、および制御変数に関して、管網制約を満たしつつ
    制御目標を達成するような制御方法を求める制御解探索
    部と、前記制御解探索部から入力される各制御変数の
    値、および前記管網状態設定部で設定された管網状態を
    もとに、管網の節点の水圧と管路の流量を求める管網状
    態評価部とを備えた管網制御支援装置。
  2. 【請求項2】 前記制御解探索部が、制御問題の解の集
    合を保存する制御解保存部と、前記制御目標設定部、管
    網制約設定部、および制御変数設定部で各々設定された
    制御目標、管網制約、および制御変数に関して、管網制
    約を満たしつつ制御目標を達成するような、全ての制御
    変数の値を求める問題を反映した、前記制御解保存部に
    保存された制御解の評価基準を設定し、制御解と制御変
    数の対応を規定する対応データを設定する制御問題設定
    部と、前記制御解保存部に保存された個々の制御解を前
    記制御問題設定部で設定された評価基準に従って評価す
    る制御解評価部と、前記制御解評価部で得られた制御解
    の評価値をもとに、前記制御解保存部に保存された制御
    解の集合を修正する制御解修正部を有することを特徴と
    する請求項1に記載の管網制御支援装置。
  3. 【請求項3】 前記制御問題設定部として、前記制御目
    標設定部、管網制約設定部、および制御変数設定部で各
    々設定された制御目標、管網制約、および制御変数に関
    して、制御変数の値の初期設定に従った管網状態から管
    網制約を満たしつつ制御目標が達成された管網状態に移
    行するためには、どの制御変数の値をどの順番でどのよ
    うに変更すればよいかを求める問題を反映した、前記制
    御解保存部に保存された制御解の評価基準を設定し、制
    御解と制御変数の対応を規定する対応データを設定する
    時系列制御問題設定部を用い、前記制御解評価部とし
    て、前記制御解保存部に保存された個々の制御解を、前
    記時系列制御問題設定部で設定された制御解の評価基準
    に従って評価する時系列制御解評価部を用いたことを特
    徴とする請求項2に記載の管網制御支援装置。
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