JPH08134445A - 農業用資材の製造法 - Google Patents
農業用資材の製造法Info
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- JPH08134445A JPH08134445A JP6273478A JP27347894A JPH08134445A JP H08134445 A JPH08134445 A JP H08134445A JP 6273478 A JP6273478 A JP 6273478A JP 27347894 A JP27347894 A JP 27347894A JP H08134445 A JPH08134445 A JP H08134445A
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- JP
- Japan
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- bauxite
- sodalite
- silica
- slurry
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C05—FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
- C05D—INORGANIC FERTILISERS NOT COVERED BY SUBCLASSES C05B, C05C; FERTILISERS PRODUCING CARBON DIOXIDE
- C05D9/00—Other inorganic fertilisers
Abstract
(57)【要約】
【構成】 バイヤー工程より得られるソーダライトに酸
性溶液を添加し、pH3以下で酸処理した後、該酸処理
後のスラリー或いは該酸処理後のスラリーを固液分離し
た後の溶液を加熱及び/又は中和処理し、得られたシリ
カ水和ゲル又はシリカアルミナ水和ゲルを、バイヤー工
程より得られるボーキサイト残渣と混合し、乾燥するこ
とを特徴とする農業用資材の製造法。 【効果】 ボーキサイト残渣を、廉価に、粉化が少な
く、吸水性や透水性に優れた培土、肥料希釈材、土壌改
良材等に適した農業用資材とし得る。
性溶液を添加し、pH3以下で酸処理した後、該酸処理
後のスラリー或いは該酸処理後のスラリーを固液分離し
た後の溶液を加熱及び/又は中和処理し、得られたシリ
カ水和ゲル又はシリカアルミナ水和ゲルを、バイヤー工
程より得られるボーキサイト残渣と混合し、乾燥するこ
とを特徴とする農業用資材の製造法。 【効果】 ボーキサイト残渣を、廉価に、粉化が少な
く、吸水性や透水性に優れた培土、肥料希釈材、土壌改
良材等に適した農業用資材とし得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は培土、肥料希釈剤、土壌
改良剤等に適用し得る農業用資材の製造法に関する。更
に詳細にはバイヤー工程より派生するソーダライトをバ
インダーとして用い、ボーキサイト残渣を塊状化してな
る農業用資材の製造法に関するものである。
改良剤等に適用し得る農業用資材の製造法に関する。更
に詳細にはバイヤー工程より派生するソーダライトをバ
インダーとして用い、ボーキサイト残渣を塊状化してな
る農業用資材の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ボーキサイト残渣の発塵防止、成形体の
強度向上を目的として各種造粒、硬化方法が知られてい
る。例えば、生石灰を添加する方法、水溶性高分子を添
加する方法(特開昭61−15735号公報)、焼却灰
を添加する方法(特開昭60−86021号公報)、古
紙等の植物繊維を添加する方法(特開昭58−1761
21号公報)等がある。しかしながら、造粒時に添加す
るバインダーの価格や輸送コスト等の面から上記方法は
殆ど実施されていない。また、ボーキサイト残渣の農業
用途への適用に関しては、以前より含鉄耕土資材、酸性
土壌の中和剤、植物栽培用人工焼成培土(特開昭62−
285727)が知られている。これら含鉄耕土資材、
酸性土壌の中和剤はボーキサイト残渣の有する物性を利
用したものであるが、そのままでは取扱性や粉塵の発生
等の問題を有し、また特開昭62−285727号公報
によれば機械的強度に優れ、吸水性、透水性に優れた培
土となり得るが、原料としてボーキサイト残渣に製紙ス
ラッジを併用するため輸送コストがかかること、また、
1000℃以上の高温で焼成することを必須とするため
エネルギーコストが高いとの欠点を有する。
強度向上を目的として各種造粒、硬化方法が知られてい
る。例えば、生石灰を添加する方法、水溶性高分子を添
加する方法(特開昭61−15735号公報)、焼却灰
を添加する方法(特開昭60−86021号公報)、古
紙等の植物繊維を添加する方法(特開昭58−1761
21号公報)等がある。しかしながら、造粒時に添加す
るバインダーの価格や輸送コスト等の面から上記方法は
殆ど実施されていない。また、ボーキサイト残渣の農業
用途への適用に関しては、以前より含鉄耕土資材、酸性
土壌の中和剤、植物栽培用人工焼成培土(特開昭62−
285727)が知られている。これら含鉄耕土資材、
酸性土壌の中和剤はボーキサイト残渣の有する物性を利
用したものであるが、そのままでは取扱性や粉塵の発生
等の問題を有し、また特開昭62−285727号公報
によれば機械的強度に優れ、吸水性、透水性に優れた培
土となり得るが、原料としてボーキサイト残渣に製紙ス
ラッジを併用するため輸送コストがかかること、また、
1000℃以上の高温で焼成することを必須とするため
エネルギーコストが高いとの欠点を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる事情下に鑑み、
本発明者等は廉価で、粉塵の発生等がなく、取扱性に優
れ、かつ吸水性、透水性に優れた農業用資材(培土)を
見出すべく鋭意検討した結果、ボーキサイト残渣中に残
存する酸に可溶性のシリカとアルミナに着眼し、これを
特定処理し、ボーキサイト残渣の成形用バインダーとす
ることにより、上記特性を全て具備した農業用資材が得
られることを見出し、本発明法を完成するに至った。
本発明者等は廉価で、粉塵の発生等がなく、取扱性に優
れ、かつ吸水性、透水性に優れた農業用資材(培土)を
見出すべく鋭意検討した結果、ボーキサイト残渣中に残
存する酸に可溶性のシリカとアルミナに着眼し、これを
特定処理し、ボーキサイト残渣の成形用バインダーとす
ることにより、上記特性を全て具備した農業用資材が得
られることを見出し、本発明法を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、バイ
ヤー工程から得られるソーダライトに酸性溶液を添加し
pH3以下で酸処理した後、該酸処理後のスラリー或い
は該酸処理後のスラリーを固液分離した後の溶液を加熱
及び/又は中和処理し、得られたシリカ水和ゲル及び/
又はシリカアルミナ水和ゲルを、バイヤー工程から得ら
れるボーキサイト溶解残渣と混合し乾燥することを特徴
とする農業用資材の製造法を提供するにある。
ヤー工程から得られるソーダライトに酸性溶液を添加し
pH3以下で酸処理した後、該酸処理後のスラリー或い
は該酸処理後のスラリーを固液分離した後の溶液を加熱
及び/又は中和処理し、得られたシリカ水和ゲル及び/
又はシリカアルミナ水和ゲルを、バイヤー工程から得ら
れるボーキサイト溶解残渣と混合し乾燥することを特徴
とする農業用資材の製造法を提供するにある。
【0005】以下、本発明方法を更に詳細に説明する。
本発明に適用するソーダライトはバイヤー工程から発生
するソーダライトであればよく、通常、ボーキサイトと
アルカリ溶液を混合しスラリー状とした後、該ボーキサ
イト中の可溶性硅素を溶液中に抽出し、該抽出処理後の
スラリーを固液分離してボーキサイト溶解残渣と抽出溶
液(アルカリ溶液)を分離し、該抽出溶液よりソーダラ
イトを分離する工程を含む所謂バイヤー工程から得られ
たソーダライトが使用される。 該バイヤー工程として
は、特開昭62−230613号に開示されているよう
な、ボーキサイトからアルミン酸ソーダ溶液でアルミナ
分を管状反応器によって抽出し、抽出後直ちに抽出液、
溶解残渣の混合液をフラッシュして急冷し、溶解残渣を
分離除去し、次いで抽出液を脱硅処理した後、水酸化ア
ルミニウムを析出させる工程、特開平5−170434
号に開示されているような、ボーキサイトをバイヤー工
程の場合よりアルカリ濃度が高いアルミン酸アルカリ溶
液で処理して可溶性シリカ分をできる限り抽出し、抽出
液と不溶解残渣とに固液分離し、該抽出液に種子を添加
してソーダライトとして晶析分離する脱硅工程を循環す
る前段処理工程と該不溶解残渣をボーキサイトと全く同
様にバイヤー工程で処理する工程、特開平5−1939
31号に開示されているような、少量のアルカリ溶液を
用いてスラリー化した高濃度アルミナ含有鉱石(例えば
ボーキサイト)スラリーと該スラリーと混合後のスラリ
ー温度がアルミナの抽出温度以上になる如く予熱したア
ルカリ水溶液を同時に、或いは混合後、管状反応器より
なる抽出装置内に仕込み、温度120℃〜160℃、1
0分以内の抽出条件でアルミナ含有鉱石からアルミナを
抽出後、直ちに抽出液より溶解残渣を分離除去し、次い
で該抽出液に種子としてのソーダライトを添加して溶液
中のシリカ分を脱硅生成物として晶析分離した後、更に
脱硅処理後の抽出液に種子水酸化アルミニウムを添加し
水酸化アルミニウムを析出させる工程よりなる、溶解残
渣分離工程(所謂、赤泥分離工程)とは別に脱硅工程を
有し、脱硅生成物(ソーダライト)を赤泥とは分離して
取り出せる工程を有するバイヤー法が挙げられる。この
他のバイヤー工程より得られるソーダライトとしては、
アルミナ抽出工程に適用される反応装置内壁に付着する
スケール等が挙げられるが、これらも本発明法の原料と
してのソーダライトとして適用可能である。バイヤー工
程で得られるソーダライトの組成は使用するボーキサイ
ト種、反応条件により一義的ではないが、通常、灼熱減
量(LOI)10〜35重量%、Al2 O3 28〜36
重量%、SiO2 17〜34重量%、Na2 O13〜2
9重量%程度の組成を有する。
本発明に適用するソーダライトはバイヤー工程から発生
するソーダライトであればよく、通常、ボーキサイトと
アルカリ溶液を混合しスラリー状とした後、該ボーキサ
イト中の可溶性硅素を溶液中に抽出し、該抽出処理後の
スラリーを固液分離してボーキサイト溶解残渣と抽出溶
液(アルカリ溶液)を分離し、該抽出溶液よりソーダラ
イトを分離する工程を含む所謂バイヤー工程から得られ
たソーダライトが使用される。 該バイヤー工程として
は、特開昭62−230613号に開示されているよう
な、ボーキサイトからアルミン酸ソーダ溶液でアルミナ
分を管状反応器によって抽出し、抽出後直ちに抽出液、
溶解残渣の混合液をフラッシュして急冷し、溶解残渣を
分離除去し、次いで抽出液を脱硅処理した後、水酸化ア
ルミニウムを析出させる工程、特開平5−170434
号に開示されているような、ボーキサイトをバイヤー工
程の場合よりアルカリ濃度が高いアルミン酸アルカリ溶
液で処理して可溶性シリカ分をできる限り抽出し、抽出
液と不溶解残渣とに固液分離し、該抽出液に種子を添加
してソーダライトとして晶析分離する脱硅工程を循環す
る前段処理工程と該不溶解残渣をボーキサイトと全く同
様にバイヤー工程で処理する工程、特開平5−1939
31号に開示されているような、少量のアルカリ溶液を
用いてスラリー化した高濃度アルミナ含有鉱石(例えば
ボーキサイト)スラリーと該スラリーと混合後のスラリ
ー温度がアルミナの抽出温度以上になる如く予熱したア
ルカリ水溶液を同時に、或いは混合後、管状反応器より
なる抽出装置内に仕込み、温度120℃〜160℃、1
0分以内の抽出条件でアルミナ含有鉱石からアルミナを
抽出後、直ちに抽出液より溶解残渣を分離除去し、次い
で該抽出液に種子としてのソーダライトを添加して溶液
中のシリカ分を脱硅生成物として晶析分離した後、更に
脱硅処理後の抽出液に種子水酸化アルミニウムを添加し
水酸化アルミニウムを析出させる工程よりなる、溶解残
渣分離工程(所謂、赤泥分離工程)とは別に脱硅工程を
有し、脱硅生成物(ソーダライト)を赤泥とは分離して
取り出せる工程を有するバイヤー法が挙げられる。この
他のバイヤー工程より得られるソーダライトとしては、
アルミナ抽出工程に適用される反応装置内壁に付着する
スケール等が挙げられるが、これらも本発明法の原料と
してのソーダライトとして適用可能である。バイヤー工
程で得られるソーダライトの組成は使用するボーキサイ
ト種、反応条件により一義的ではないが、通常、灼熱減
量(LOI)10〜35重量%、Al2 O3 28〜36
重量%、SiO2 17〜34重量%、Na2 O13〜2
9重量%程度の組成を有する。
【0006】ソーダライトはバイヤー工程から排出され
たスラリー状態のものであってもよいし、これを乾燥し
たものであってもよく、これに酸性溶液をpHが3以
下、好ましくはpH2〜3となるように添加、混合す
る。ソーダライトへの酸性溶液の添加は常温〜約80℃
の温度範囲で実施される。酸性溶液としては塩酸、硫
酸、硝酸等の鉱酸が使用される。これらは単独でも或い
は混酸であってもよく、他の物質の混ざった廃酸であっ
てもよい。これら酸性溶液はソーダライト中のシリカ分
やアルミナ分と反応し酸性溶液中にシリカ分やアルミナ
分を溶出せしめる。酸性溶液とソーダライトの接触時間
は、ソーダライト量の50重量%以上、好ましくは80
重量%以上が溶出する時間接触せしめればよく、その接
触時間は溶解せしめるソーダライトと酸性溶液の量、p
H等により一義的ではないが通常、常温で約5分以上、
普通には10分〜30分で好適には攪拌下に接触せしめ
ればよい。
たスラリー状態のものであってもよいし、これを乾燥し
たものであってもよく、これに酸性溶液をpHが3以
下、好ましくはpH2〜3となるように添加、混合す
る。ソーダライトへの酸性溶液の添加は常温〜約80℃
の温度範囲で実施される。酸性溶液としては塩酸、硫
酸、硝酸等の鉱酸が使用される。これらは単独でも或い
は混酸であってもよく、他の物質の混ざった廃酸であっ
てもよい。これら酸性溶液はソーダライト中のシリカ分
やアルミナ分と反応し酸性溶液中にシリカ分やアルミナ
分を溶出せしめる。酸性溶液とソーダライトの接触時間
は、ソーダライト量の50重量%以上、好ましくは80
重量%以上が溶出する時間接触せしめればよく、その接
触時間は溶解せしめるソーダライトと酸性溶液の量、p
H等により一義的ではないが通常、常温で約5分以上、
普通には10分〜30分で好適には攪拌下に接触せしめ
ればよい。
【0007】酸性溶液と接触処理後のソーダライトは、
次いで加熱及び/又は中和処理し、シリカ水和ゲル又は
シリカアルミナ水和ゲルを得る。加熱は常圧下、約80
℃〜沸点の範囲で実施すればよい。また中和処理は水酸
化ナトリウム、炭酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム
等のアルカリ水溶液が使用される。加熱処理により得ら
れるのはシリカ水和ゲルである。他方中和処理により得
られるのはシリカアルミナ水和ゲルである。
次いで加熱及び/又は中和処理し、シリカ水和ゲル又は
シリカアルミナ水和ゲルを得る。加熱は常圧下、約80
℃〜沸点の範囲で実施すればよい。また中和処理は水酸
化ナトリウム、炭酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム
等のアルカリ水溶液が使用される。加熱処理により得ら
れるのはシリカ水和ゲルである。他方中和処理により得
られるのはシリカアルミナ水和ゲルである。
【0008】本発明に於いては得られたシリカ水和ゲル
またはシリカアルミナ水和ゲルは、ボーキサイト残渣に
添加、混合し、そのまま乾燥するとか、成形後、乾燥す
ることにより、粉化の少ない取扱性に優れた塊状の農業
用資材を得ることができる。成形体の形状に制限のない
場合にはスラッジドライヤー等の乾燥と成形が同時にで
きる装置を用いることが経済的である。また特定の形状
に成形する場合は公知の方法、例えば押出成形、皿型造
粒等の公知の成形法や造粒方法により成形し、乾燥、必
要に応じて焼成すればよい。水和ゲルがシリカアルミナ
水和ゲルの場合、約200℃以上、好ましくは約250
℃〜約500℃の範囲で乾燥することによりアルミナ分
を不溶化することができる効果を有する。またシリカア
ルミナ水和ゲルは中和処理後使用されるが、使用に際
し、よく水洗しこれらゲル中に存在するNaClを除去
しておくことが、植物の発芽を阻害しない点より推奨さ
れる。
またはシリカアルミナ水和ゲルは、ボーキサイト残渣に
添加、混合し、そのまま乾燥するとか、成形後、乾燥す
ることにより、粉化の少ない取扱性に優れた塊状の農業
用資材を得ることができる。成形体の形状に制限のない
場合にはスラッジドライヤー等の乾燥と成形が同時にで
きる装置を用いることが経済的である。また特定の形状
に成形する場合は公知の方法、例えば押出成形、皿型造
粒等の公知の成形法や造粒方法により成形し、乾燥、必
要に応じて焼成すればよい。水和ゲルがシリカアルミナ
水和ゲルの場合、約200℃以上、好ましくは約250
℃〜約500℃の範囲で乾燥することによりアルミナ分
を不溶化することができる効果を有する。またシリカア
ルミナ水和ゲルは中和処理後使用されるが、使用に際
し、よく水洗しこれらゲル中に存在するNaClを除去
しておくことが、植物の発芽を阻害しない点より推奨さ
れる。
【0009】ボーキサイト残渣に混合するシリカ水和ゲ
ル又は/及びシリカアルミナ水和ゲルの量は乾燥後のボ
ーキサイト残渣に運搬等の取扱いに耐える強度、普通に
は単位圧壊強度が1.0kgf/cm2 以上の強度を付
与すればよく特に制限されるものではないが、通常ボー
キサイト残渣100重量部当たり10〜50重量部(S
iO2 又はSiO2 +Al2 O3 換算)の範囲で実施さ
れる。勿論、シリカ水和ゲル、シリカアルミナ水和ゲル
に公知のバインダー、例えば有機高分子系バインダー、
水ガラス、シリカゾルを併用することも可能であり、こ
の場合には上記混合量以下であってもよい。
ル又は/及びシリカアルミナ水和ゲルの量は乾燥後のボ
ーキサイト残渣に運搬等の取扱いに耐える強度、普通に
は単位圧壊強度が1.0kgf/cm2 以上の強度を付
与すればよく特に制限されるものではないが、通常ボー
キサイト残渣100重量部当たり10〜50重量部(S
iO2 又はSiO2 +Al2 O3 換算)の範囲で実施さ
れる。勿論、シリカ水和ゲル、シリカアルミナ水和ゲル
に公知のバインダー、例えば有機高分子系バインダー、
水ガラス、シリカゾルを併用することも可能であり、こ
の場合には上記混合量以下であってもよい。
【0010】乾燥はバインダーであるシリカ水和ゲルや
シリカアルミナ水和ゲルが再水和しなくなればよく、通
常約110℃〜約500℃の温度で処理すればよい。乾
燥時間は乾燥に供する成形体の形状、乾燥機器の種類に
もよるが、通常10分〜5時間の範囲で実施され、同一
乾燥品、乾燥機器の場合には低温ほど処理時間が長くな
る。
シリカアルミナ水和ゲルが再水和しなくなればよく、通
常約110℃〜約500℃の温度で処理すればよい。乾
燥時間は乾燥に供する成形体の形状、乾燥機器の種類に
もよるが、通常10分〜5時間の範囲で実施され、同一
乾燥品、乾燥機器の場合には低温ほど処理時間が長くな
る。
【0011】
【発明の効果】以上、詳述した本発明法によれば、バイ
ヤー工程より排出されるソーダライト中に含有されるシ
リカ、アルミナ成分を巧みに利用し、ボーキサイト溶解
残渣のバインダーとして適用することにより、別途高価
な有機高分子系バインダーや水ガラス、シリカゾル等を
添加することなく、粉化の少ない取扱性に優れた塊状物
或いは成形体となし得るもので、加えて乾燥後の塊状物
或いは成形体は1000℃以上の高温で焼成しなくとも
農業用資材として適した吸水性や透水性を付与せしめ得
るもので、ソーダライトの有効利用に加え、主たる用途
がなく産業廃棄物として扱われつつあったボーキサイト
残渣の有効利用という点とも相まって、その産業的価値
は頗る大なるものである。
ヤー工程より排出されるソーダライト中に含有されるシ
リカ、アルミナ成分を巧みに利用し、ボーキサイト溶解
残渣のバインダーとして適用することにより、別途高価
な有機高分子系バインダーや水ガラス、シリカゾル等を
添加することなく、粉化の少ない取扱性に優れた塊状物
或いは成形体となし得るもので、加えて乾燥後の塊状物
或いは成形体は1000℃以上の高温で焼成しなくとも
農業用資材として適した吸水性や透水性を付与せしめ得
るもので、ソーダライトの有効利用に加え、主たる用途
がなく産業廃棄物として扱われつつあったボーキサイト
残渣の有効利用という点とも相まって、その産業的価値
は頗る大なるものである。
【0012】
【実施例】以下、本発明法を実施例により更に詳細に説
明する。尚、実施例及び比較例では、表1に示す組成を
有するバイヤー工程より発生したボーキサイト溶解残渣
〔試料1(固形分濃度30重量%)〕とソーダライト
〔試料2(固形分濃度30重量%)〕を用いた。また圧
壊強度、pHと電気伝導度の測定は以下の方法により行
った。 圧壊強度;小型荷重試験器モデル1307、デジタルプ
ッシュゲージ モデル9505(アイコーエンジニアリ
ング株式会社製)により荷重印加速度10mm/分で測
定した。圧壊強度Fは次式で計算する。 F=2×P÷(π×D×L) 〔kgf/cm2 〕 Pは破壊荷重〔kg〕、Dは試料の直径〔cm〕、Lは
試料の長さ〔cm〕である。 pH;イオン交換水100mlに乾燥した試料5gを入
れ良く混合した後、pHメーターHM−60S(東亜電
波工業株式会社製)により測定した。 電気伝導度;イオン交換水100mlに乾燥した試料5
gを入れ良く混合した後、電気伝導度計CM−60S
(東亜電波工業株式会社製)により測定した。
明する。尚、実施例及び比較例では、表1に示す組成を
有するバイヤー工程より発生したボーキサイト溶解残渣
〔試料1(固形分濃度30重量%)〕とソーダライト
〔試料2(固形分濃度30重量%)〕を用いた。また圧
壊強度、pHと電気伝導度の測定は以下の方法により行
った。 圧壊強度;小型荷重試験器モデル1307、デジタルプ
ッシュゲージ モデル9505(アイコーエンジニアリ
ング株式会社製)により荷重印加速度10mm/分で測
定した。圧壊強度Fは次式で計算する。 F=2×P÷(π×D×L) 〔kgf/cm2 〕 Pは破壊荷重〔kg〕、Dは試料の直径〔cm〕、Lは
試料の長さ〔cm〕である。 pH;イオン交換水100mlに乾燥した試料5gを入
れ良く混合した後、pHメーターHM−60S(東亜電
波工業株式会社製)により測定した。 電気伝導度;イオン交換水100mlに乾燥した試料5
gを入れ良く混合した後、電気伝導度計CM−60S
(東亜電波工業株式会社製)により測定した。
【0013】
【表1】
【0014】実施例1 ソーダライト(試料2)400mlを室温で撹拌しなが
らスラリーのpHが2になるまで20%塩酸を滴下し、
10分間攪拌した後、No.5C濾紙を用いて減圧濾過
し溶液と残渣を分離した。次いで濾過溶液を90℃、3
0分加熱処理した後、濾過、洗浄しシリカ水和ゲルを得
た。このシリカ水和ゲル360g(SiO2 10%、L
OI 90%)を温水洗浄したボーキサイト溶解残渣
(試料1)1リットルと濾過残渣4g(上記ソーダライ
トの酸の溶解残渣)に混合した。混合スラリーをNo.
5C濾紙を用いて濾過脱水し、含水率30%に調整した
後、ダイス径5mmφの小型押出機(押出圧5kg/c
m2 )によりペレット状に成形した。成形したペレット
をエアバスにより110℃、5時間静置乾燥した。得ら
れたボーキサイト残渣は直径約5mm、長さ5〜10m
mの塊状であり、圧壊強度は3kgf/cm2 以上、p
Hは7、電気伝導度は1mS/cm以下で、また塊状物
の下端面を水面に接して保持したとき、水が粒子全体に
わたって上昇し優れた透水性、吸水性を有していた。
らスラリーのpHが2になるまで20%塩酸を滴下し、
10分間攪拌した後、No.5C濾紙を用いて減圧濾過
し溶液と残渣を分離した。次いで濾過溶液を90℃、3
0分加熱処理した後、濾過、洗浄しシリカ水和ゲルを得
た。このシリカ水和ゲル360g(SiO2 10%、L
OI 90%)を温水洗浄したボーキサイト溶解残渣
(試料1)1リットルと濾過残渣4g(上記ソーダライ
トの酸の溶解残渣)に混合した。混合スラリーをNo.
5C濾紙を用いて濾過脱水し、含水率30%に調整した
後、ダイス径5mmφの小型押出機(押出圧5kg/c
m2 )によりペレット状に成形した。成形したペレット
をエアバスにより110℃、5時間静置乾燥した。得ら
れたボーキサイト残渣は直径約5mm、長さ5〜10m
mの塊状であり、圧壊強度は3kgf/cm2 以上、p
Hは7、電気伝導度は1mS/cm以下で、また塊状物
の下端面を水面に接して保持したとき、水が粒子全体に
わたって上昇し優れた透水性、吸水性を有していた。
【0015】実施例2 ソーダライト(試料2)400mlをNo.5C濾紙を
用いて濾過し、固形分濃度82重量%の濾過残渣を得
た。このようにして得た濾過残渣を水360mlに分散
させ、室温で撹拌しながらpH3になるまで塩酸を滴下
した後、10分間、攪拌混合した。次いで該混合スラリ
ーを攪拌しながらpHが7になるまでアルミン酸ナトリ
ウム溶液を滴下した。中和した該スラリーをNo.5C
濾紙を用いて濾過脱水し、含水率30%に調整した後、
ダイス径5mmφの小型押出機(押出圧5kg/c
m2 )によりペレット状に成形した。成形したペレット
をエアバスにより110℃、5時間乾燥した。得られた
ボーキサイト残渣は直径約5mm、長さ5〜10mmの
塊状を有しており、圧壊強度は3kgf/cm2 、pH
は7、電気伝導度は1mS/cmで、また塊状物の下端
面を水面に接して保持したとき、水が粒子全体にわたっ
て上昇し、優れた透水性、吸水性を有していた。
用いて濾過し、固形分濃度82重量%の濾過残渣を得
た。このようにして得た濾過残渣を水360mlに分散
させ、室温で撹拌しながらpH3になるまで塩酸を滴下
した後、10分間、攪拌混合した。次いで該混合スラリ
ーを攪拌しながらpHが7になるまでアルミン酸ナトリ
ウム溶液を滴下した。中和した該スラリーをNo.5C
濾紙を用いて濾過脱水し、含水率30%に調整した後、
ダイス径5mmφの小型押出機(押出圧5kg/c
m2 )によりペレット状に成形した。成形したペレット
をエアバスにより110℃、5時間乾燥した。得られた
ボーキサイト残渣は直径約5mm、長さ5〜10mmの
塊状を有しており、圧壊強度は3kgf/cm2 、pH
は7、電気伝導度は1mS/cmで、また塊状物の下端
面を水面に接して保持したとき、水が粒子全体にわたっ
て上昇し、優れた透水性、吸水性を有していた。
【0016】実施例3 実施例2において乾燥を200℃、5時間に変更した以
外は実施例2と同様に行った。その結果、得られたボー
キサイト残渣は直径約5mm、長さ5〜10mmの塊状
を有しており、圧壊強度は4kgf/cm2 以上、pH
は7、電気伝導度は1mS/cm以下で、また塊状物の
下端面を水面に接して保持したとき、水が粒子全体にわ
たって上昇し、優れた透水性、吸水性を有していた。
外は実施例2と同様に行った。その結果、得られたボー
キサイト残渣は直径約5mm、長さ5〜10mmの塊状
を有しており、圧壊強度は4kgf/cm2 以上、pH
は7、電気伝導度は1mS/cm以下で、また塊状物の
下端面を水面に接して保持したとき、水が粒子全体にわ
たって上昇し、優れた透水性、吸水性を有していた。
【0017】比較例1 酸抽出pHを4にした以外は実施例1と同様に行った
が、90℃、30分加熱処理した後もシリカ水和ゲルが
得られず、最終的に得られるボーキサイト残渣は1mm
以下の微粉状でバインダー効果は見られなかった。ま
た、上記に規定した方法で測定したpHは7、電気伝導
度は3mS/cmであった。また圧壊強度、透水性、吸
水性については測定に必要な大きさの塊状物が得られず
測定できなかった。
が、90℃、30分加熱処理した後もシリカ水和ゲルが
得られず、最終的に得られるボーキサイト残渣は1mm
以下の微粉状でバインダー効果は見られなかった。ま
た、上記に規定した方法で測定したpHは7、電気伝導
度は3mS/cmであった。また圧壊強度、透水性、吸
水性については測定に必要な大きさの塊状物が得られず
測定できなかった。
【0018】比較例2 ボーキサイト溶解残渣(試料1)1リットルを濾過し温
水洗浄した。次いでこの残渣を含水率を30%に調整し
た後、ダイス径5mmφの小型押出機(押出圧5kg/
cm2 )によりペレット状に成形した。成形したペレッ
トをエアバスにより110℃、5時間静置乾燥したとこ
ろ、バインダー効果がなく、ペレットは微粉状に崩壊し
ていた。このもののpHは10、電気伝導度は5mS/
cmであった。また圧壊強度、透水性、吸水性について
は測定に必要な大きさの塊状物が得られず測定できなか
った。
水洗浄した。次いでこの残渣を含水率を30%に調整し
た後、ダイス径5mmφの小型押出機(押出圧5kg/
cm2 )によりペレット状に成形した。成形したペレッ
トをエアバスにより110℃、5時間静置乾燥したとこ
ろ、バインダー効果がなく、ペレットは微粉状に崩壊し
ていた。このもののpHは10、電気伝導度は5mS/
cmであった。また圧壊強度、透水性、吸水性について
は測定に必要な大きさの塊状物が得られず測定できなか
った。
Claims (5)
- 【請求項1】 バイヤー工程より得られるソーダライト
に酸性溶液を添加しpH3以下で酸処理した後、該酸処
理後のスラリー或いは該酸処理後のスラリーを固液分離
した後の溶液を加熱及び/又は中和処理し、得られたシ
リカ水和ゲル及び/又はシリカアルミナ水和ゲルを、バ
イヤー工程より得られるボーキサイト溶解残渣と混合
し、乾燥することを特徴とする農業用資材の製造法。 - 【請求項2】 ソーダライトが、ボーキサイトとアルカ
リ溶液を混合しスラリー状とした後、該ボーキサイト中
の可溶性硅素を溶液中に抽出し、該抽出処理後のスラリ
ーを固液分離してボーキサイト溶解残渣と抽出溶液(ア
ルカリ溶液)を分離し、該抽出溶液よりソーダライトを
分離する工程を含むバイヤー工程から得られたソーダラ
イトであることを特徴とする請求項1記載の農業用資材
の製造法。 - 【請求項3】 酸性溶液が塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸
であることを特徴とする請求項1記載の農業用資材の製
造法。 - 【請求項4】 中和処理がアルミン酸ナトリウム溶液の
添加であることを特徴とする請求項1記載の農業用資材
の製造法。 - 【請求項5】 ボーキサイト残渣に対するシリカ水和ゲ
ル又はシリカアルミナ水和ゲルの添加量が10重量%〜
50重量%(SiO2 又はSiO2 +Al2O3 換算)
であることを特徴とする請求項1記載の農業用資材の製
造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6273478A JPH08134445A (ja) | 1994-11-08 | 1994-11-08 | 農業用資材の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6273478A JPH08134445A (ja) | 1994-11-08 | 1994-11-08 | 農業用資材の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08134445A true JPH08134445A (ja) | 1996-05-28 |
Family
ID=17528475
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6273478A Pending JPH08134445A (ja) | 1994-11-08 | 1994-11-08 | 農業用資材の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08134445A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007306844A (ja) * | 2006-05-18 | 2007-11-29 | Kawasaki Plant Systems Ltd | 廃棄物を用いた緑化資材の製造方法及び緑化資材 |
CN107162029A (zh) * | 2017-04-06 | 2017-09-15 | 山东科技大学 | 赤泥综合利用新方法 |
WO2023199215A1 (en) * | 2022-04-12 | 2023-10-19 | Dubai Aluminium Pjsc | Method for processing bauxite residues from the bayer process, and mineral product obtained by said method |
-
1994
- 1994-11-08 JP JP6273478A patent/JPH08134445A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007306844A (ja) * | 2006-05-18 | 2007-11-29 | Kawasaki Plant Systems Ltd | 廃棄物を用いた緑化資材の製造方法及び緑化資材 |
CN107162029A (zh) * | 2017-04-06 | 2017-09-15 | 山东科技大学 | 赤泥综合利用新方法 |
WO2023199215A1 (en) * | 2022-04-12 | 2023-10-19 | Dubai Aluminium Pjsc | Method for processing bauxite residues from the bayer process, and mineral product obtained by said method |
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