JPH0813408A - アスファルト舗装道路の補強用埋設シート状物 - Google Patents

アスファルト舗装道路の補強用埋設シート状物

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JPH0813408A
JPH0813408A JP16883994A JP16883994A JPH0813408A JP H0813408 A JPH0813408 A JP H0813408A JP 16883994 A JP16883994 A JP 16883994A JP 16883994 A JP16883994 A JP 16883994A JP H0813408 A JPH0813408 A JP H0813408A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワダチ掘れやクラック、ポットホールなど路
面の破損を抑制でき、舗装面の平坦性を長期に亘って維
持できると共に、カーブしている道路での使用にも適
し、路盤の耐久力、支持力を増強させることのできるア
スファルト舗装道路の補強用埋設シート状物を提供する
こと。 【構成】 本発明に係るアスファルト舗装道路の補強用
埋設シート状物は、数コース毎に片隣りの経編糸間ある
いは数本の経編糸間にわたる振り幅で編成した経編地
で、該経編地の少なくとも1本の地編糸2に経方向にガ
ラス長繊維太糸が編込まれる経糸群3と、該経糸群3に
対して、数コース毎に緯方向に編込挿入されるガラス長
繊維太糸とからなる緯糸または緯糸群4で格子状基布1
を構成し、該格子状基布1を瀝青質、合成樹脂などで被
覆して構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アスファルト舗装道路
の補強用として埋設するシート状物、さらに詳しくは、
一般道路、国道、高速道路など特に交通量の多い道路や
飛行場の滑走路など、その使用特性上破損の生じやすい
アスファルト舗装された道路に埋設する補強用埋設シー
ト状物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近時、道路事情が良くなったことと、高
速道路網の発達により、一般の輸送手段として大型トラ
ックで運送されることが多くなり、幹線道路や高速道路
では一日中大型トラックが絶えることなく通行してい
る。そのため、道路上面には非常に大きな輪荷重がかゝ
り、比較的短期間のうちにアスファルトが流動をおこ
し、ワダチ掘れが生じたり、或は路盤が軟弱であった
り、アスファルト層が強度不足だったりするとクラック
などの破損が生じ、道路管理者を困らせている。
【0003】また、その他にも冬期の寒冷期や夏期の高
温期におけるアスファルトの脆化や膨張収縮などに起因
する亀裂が発生すると、短期間のうちにその亀裂が大き
くなり、ポットホール(凹み)へと進み、舗装がはぎ取
られてついには破損が生じることになる。
【0004】これらの破損が生じると、車輌の安全走行
ができず、事故の原因となるばかりでなく、騒音の発生
にもなり、周辺住民に多大な迷惑をかけることになる。
そして、その補修に多大な経費と時間を費やすことにな
る。そのため、最近はこのような道路の破損を防ぐ目的
で、合成繊維で編成され、かつ、その外面を合成樹脂で
被覆された格子状のシートをアスファルト層内に埋設さ
せて補強をすることが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この格
子状シートは、強度的に弱く、かつ引張強度も強くなく
伸びが大きいため、輪荷重に対する抵抗力が小さく、大
きな荷重や負担のかかる所には使用できないばかりか、
特にカーブしている道路では斜め方向に多大な外力がか
かるので、そのような場所には使えなかった。またアス
ファルトとの接着性も悪いので道路中に埋設しても良好
な補強効果が得られなかった。
【0006】本発明は上記の問題を解決することを課題
として研究開発されたもので、ワダチ掘れやクラック、
ポットホールなどの路面の破損を抑制でき、舗装面の平
坦性を長期に亘って維持できると共に、カーブしている
道路での使用にも適し、路盤の耐久力、支持力を増強さ
せることのできるアスファルト舗装された道路に埋設す
る補強用埋設シート状物を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決し、そ
の目的を達成する手段として、本発明では、数コース毎
に片隣りの経編糸間あるいは数本の経編糸間にわたる振
り幅で編成した経編地で、該経編地の少なくとも1本の
地編糸に経方向にガラス長繊維太糸が編込まれる経糸群
と、該経糸群に対して、数コース毎に緯方向に編込挿入
される長繊維ガラス太糸とからなる緯糸または緯糸群で
格子状基布を構成し、該格子状基布を瀝青質、合成樹脂
などで被覆したことを特徴とするアスファルト舗装道路
の補強用埋設シート状物を開発し、採用した。
【0008】また、本発明は数コース毎に片隣りの経編
糸間あるいは数本の経編糸間にわたる振り幅で編成した
経編地で、該経編地の少なくとも1本の地編糸に経方向
にガラス長繊維太糸が編込まれる経糸群と、該経糸群に
対して、数コース毎に緯方向に編込挿入されるガラス長
繊維太糸とからなる緯糸または緯糸群と、その経糸群と
緯糸群との間に形成される数コース毎の格子目に斜目十
字挿入ガラス長繊維太糸が編込まれて斜目十字格子状基
布を構成し、該斜目十字格子状基布を瀝青質、合成樹脂
などで被覆したことを特徴とするアスファルト舗装道路
の補強用埋設シート状物を開発し、採用した。
【0009】本発明に用いられる格子状基布は、ガラス
繊維,天然繊維,合成繊維,例えば、ポリエステル,ポ
リアミド,ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリビニル
アルコール,ポリアリレート,アクリル,アラミドなど
から選ばれる少なくとも1種からなるものである。基布
中の繊維は長繊維糸条,スプリットヤーン,テープヤー
ンなどいずれの形状のものであってもよい。一般には、
基布に用いられる繊維はガラス長繊維であるのが好まし
く、かつラッセル編みで編成されたものが好ましく、そ
れを基礎として、直線状に経方向に走る太糸の経糸群
と、数コース毎に直線状に緯方向に挿入される太い緯糸
または緯糸群とで格子状を形成している。
【0010】経糸群は、1本または複数本の地編糸の各
鎖編目に対して、ガラス長繊維太糸が直線状に編み込ま
れたものでもよいし、数十本の地編糸とガラス長繊維太
糸からなっていてもよく、地編糸は数コース毎に片隣り
あるいは数本の経編糸間にわたる振り幅で編成してあ
る。また、緯糸あるいは緯糸群は数コース毎に1本又は
複数本が連続挿入される。
【0011】このような格子状基布においては、経糸群
中および緯糸群中のガラス長繊維太糸が主としてテンシ
ョンメンバーとして働くもので、これらは直線状に配列
されて強力利用率を高めるようにする必要があり、その
ためには、地編糸に対して編込まれる経糸および緯糸を
極端に太くする必要がある。
【0012】地編糸の太さとしては、編成の容易さから
55Tex以下が好ましく、より好ましくは30Tex以下
である。経糸、緯糸のガラス長繊維太糸としては、直線
状を保持することから、100Tex〜650Texの範囲
のものを複数本で用いるのが好ましく、各経糸群および
緯糸群の総Texは各々30000Tex以下が好ましい。
【0013】格子状基布を被覆する被覆層としては、ア
スファルトや合成樹脂等が用いられ、合成樹脂として
は、ユリア,エポキシ,ウレタン,ポリエステル等の熱
硬化性樹脂およびアクリル樹脂等のビニール系樹脂を用
いることができ、その中でも着色性が良好であり(トン
ネルに入る前の道路を着色することがある。)、低価格
のためユリア樹脂を用いるのが望ましい。また、その層
着の方法は、含浸法,コーティング法,トッピング法,
スプレー法などの方法で行うことができる。アスファル
トおよび合成樹脂等の付着量は基布に対して10〜30
0wt%の範囲が適している。この被覆層を被覆するこ
とにより交点強度が強くなる。
【0014】経糸群と緯糸群の間に形成される格子の目
合いの大きさは、図2,4のd,d´で測定され、通常
5〜120mmの範囲のものを用いて格子の空間に骨材を
入り込ませ、剪断抵抗が大きく流動性を押え安定させる
ものである。その大きさは目的に応じて決定する。
【0015】
【作用】上記の構成において、本発明の格子状基布を図
5に示すように、アスファルト層の表層Aと基層Bの
間、または基層Bと上層路盤Cとの間に介在すれば、ア
スファルト被覆層あるいは合成樹脂層が舗装用アスファ
ルトと親和性が良く一体となる。また、大きな目あいの
空間にアスファルトと骨材が入り込むと同時に表層Aと
基層Bとのアスファルト上下が密着し、剪断抵抗および
引張り強度が大きくなり、道路上面に輪加重が加わった
としても、充分吸収緩和でき、アスファルトの流動を防
げ、ワダチ掘れやクラックの発生を抑止できる。
【0016】また、経、緯糸のガラス長繊維太糸の使用
により、その特性である衝撃、屈曲強力の低さで補修時
の掘削が従来通り容易にでき、さらに再生利用時の粉砕
もしやすく、加熱処理時の発煙、有害ガスの発生や燃え
がらがなく、残ったガラス繊維はアスファルトの中に混
在し強化材としてよりよい再生品となり、リサイクルに
最適であり環境に悪影響を与えない。
【0017】
【実施例】
(実施例1)以下に本発明の具体的実施例を示す。25
0d(28Tex)のポリエステルフィラメント糸でラッセ
ル編みした基布1の地編糸2の11本の地編糸2a、2
b、2c、………2kの各鎖編目に、ガラス繊維ECG
37 1/0−1Z(JISR3413)を4本合撚(S撚
0.8/25mm,540Tex相当)して作った経糸3a、
3b、3c、………3kを直線状に編込むと共に、4コ
ース毎に片隣りの地編糸2aにわたる振り幅で編成し
た。
【0018】この経糸群3に対してガラス糸ECG 3
7 1/0−1Zを5本合撚(S撚0.8/25mm,67
0Tex相当)した緯糸4本束を9コース毎に連続2本挿
入して緯糸群4とし、目合い(センター間ピッチ)25
mm×25mmの格子目5を形成した。
【0019】この格子状基布1を160℃に加熱したス
トレートアスファルト液に浸漬して、充分含浸させたの
ち、ローラにて押圧し、余分なアスファルトを除き、常
温で冷却硬化させ、基布に対し296.0wt%のアス
ファルトが付着したシート状物を得た。得られた格子状
シート状物は、重量が2169g/m2で経糸方向18.
4t/m,切断伸度13.2%,緯糸方向15.4t/
m,切断伸度5.6%の引張り強度を得た。このシート
状物をロール状に巻回する時には、石灰,硝石灰等の微
粉末を表面に散布することにより、夏期の高温時におい
てもアスファルト同志の接着がなく極めて簡単に解反で
きるものである。
【0020】(実施例2)前記実施例1と同一の格子状
基布1を用い、ユリヤ樹脂液(下記配合比)に浸漬し、
充分に含浸させたのち、ローラーで押圧し余分なユリヤ
樹脂を取り除き、熱風120℃で乾燥させ、基布1に対
し13.6wt%の樹脂が付着したシート状物を得た。
得られた格子状シート状物は、重量が621.4g/m
2で経糸方向14.7t/m,切断伸度4.6%,緯糸方
向13.7t/m,切断伸度3.9%の引張り強度であっ
た。
【0021】 「ユリヤ 樹脂液配合」(重量比) ユリヤ樹脂 68.0% カーボン 1.0% アンモニア 0.5% 水 30.5%
【0022】(実施例3)250d(28Tex)のポリエ
ステルフィラメント糸でラッセル編みした基布11の地
編糸12の11本の地編糸12a、12b、12c、…
……12kの各鎖編目にガラス繊維ECG37 1/0
−1Z(JISR3413)を4本合撚(S撚0.8/25m
m,540Tex相当)して作った経糸13a、13b、
13c、………13kを直線状に編込むと共に、4コー
ス毎に片隣りの地編糸12aにわたる振り幅で編成し
た。
【0023】この経糸群13に対してガラス糸ECG
37 1/0−1Zを5本合撚(S撚0.8/25mm,6
70Tex相当)した緯糸4本束を9コース毎に連続2本
挿入して緯糸群14を編成した。この経・緯の2軸に対
し、斜目3軸,4軸の方向に左右よりガラス糸ECG3
7 1/0 −1Zを4本合撚(S撚0.8/25mm,54
0Tex相当)して作った斜目十字挿入ガラス長繊維太糸
16を経糸群13と緯糸群14との間に形成される格子
目15の中に編込み形成させた。
【0024】この斜目十字格子状基布11に実施例1と
同様に160℃に加熱したストレートアスファルト液に
浸漬して、充分アスファルトを含浸させたのち、ローラ
ーで押圧し、余分のアスファルトを除き、常温で冷却硬
化させて、基布に対して298.2wt%のアスファル
トの付着したシート状物を得た。得られた格子状シート
状物は、重量が2415g/m2で経糸方向18.8t/
m,切断伸度13.4%,緯糸方向15.9t/m,切断
伸度5.9%の引張り強度を有し、斜目方向の3.4軸の
引張強度3.2t/mを得た。
【0025】(実施例4)前記実施例3と同一の斜目十
字格子状基布11を用い、実施例2と同様のユリヤ樹脂
液に浸漬し、充分含浸させたのち、ローラにて押圧し、
余分なユリヤ樹脂を取り除き、熱風120℃で乾燥さ
せ、基布11に対し13.8wt%の樹脂が付着したシ
ート状物を得た。得られた斜目十字格子状シート状物
は、重量が690.3g/m2で経糸方向15.3t/
m,切断伸度5.5%,緯糸方向14.0t/m,切断伸
度4.5%の引張り強度を有し、斜目方向の3.4軸方向
の引張り強度2.9t/mを得た。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る請求項1に
記載のアスファルト舗装道路の補強用埋設シート状物に
よれば、充分な強度性を有し、伸度も低くアスファルト
層中に埋設すればアスファルト層と一体化するので、輪
荷重が加わったとしても、アスファルトの流動を防ぎ、
ワダチ掘れやクラックを効果的に抑止でき、舗装面の平
坦性を長期に亘って維持できる。また、一般道路、幹線
道路、高速道路や空港滑走路等のアスファルト舗装の新
設あるいは補修時の補強資材として有効に利用できる。
【0027】また、請求項2に記載のアスファルト舗装
道路の補強用埋設シート状物によれば、格子目の斜め方
向にもガラス長繊維太糸が十字状に挿入されてあるか
ら、引張強度がより一層強くなり、特に斜め方向の引張
り強度が必要とされるカーブしている道路など湾曲方向
への力が加わる所への使用対応ができると共に、一層ア
スファルト層と強固に密着してアスファルトの流動を抑
える効果が一段と増し、ワダチ掘れやクラックを防止で
き、路盤の耐久力、支持力が増し道路の耐用年数を大幅
に延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート状物の一部切欠平面図である。
【図2】本発明のシート状物の組織例を示す説明図であ
る。
【図3】本発明の他の実施例を示すシート状物の一部切
欠平面図である。
【図4】本発明の他の実施例を示すシート状物の組織例
を示す説明図である。
【図5】本発明の使用例を示す一部斜視図である。
【符号の説明】
1 格子状基布 2 地編糸 3 経糸群 4 緯糸群 5 格子目 11 斜目十字格子状基布 12 地編糸 13 経糸 14 緯糸群 15 格子目 16 斜目十字挿入ガラス長繊維太糸
フロントページの続き (72)発明者 鹿城 鎭夫 滋賀県伊香郡高月町大字落川194番地の1 カシロ産業株式会社内 (72)発明者 橋本 茂 滋賀県伊香郡高月町大字落川194番地の1 カシロ産業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数コース毎に片隣りの経編糸間あるいは
    数本の経編糸間にわたる振り幅で編成した経編地で、該
    経編地の少なくとも1本の地編糸に経方向にガラス長繊
    維太糸が編込まれる経糸群と、該経糸群に対して、数コ
    ース毎に緯方向に編込挿入されるガラス長繊維太糸とか
    らなる緯糸または緯糸群で格子状基布を構成し、該格子
    状基布を瀝青質、合成樹脂などで被覆したことを特徴と
    するアスファルト舗装道路の補強用埋設シート状物。
  2. 【請求項2】 数コース毎に片隣りの経編糸間あるいは
    数本の経編糸間にわたる振り幅で編成した経編地で、該
    経編地の少なくとも1本の地編糸に経方向にガラス長繊
    維太糸が編込まれる経糸群と、該経糸群に対して、数コ
    ース毎に緯方向に編込挿入されるガラス長繊維太糸とか
    らなる緯糸または緯糸群と、その経糸群と緯糸群との間
    に形成される数コース毎の格子目に斜目十字挿入ガラス
    長繊維太糸が編込まれて斜目十字格子状基布を構成し、
    該斜目十字格子状基布を瀝青質、合成樹脂などで被覆し
    たことを特徴とするアスファルト舗装道路の補強用埋設
    シート状物。
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