JPH0813376A - 抄紙機の紙厚制御装置 - Google Patents

抄紙機の紙厚制御装置

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JPH0813376A
JPH0813376A JP14907794A JP14907794A JPH0813376A JP H0813376 A JPH0813376 A JP H0813376A JP 14907794 A JP14907794 A JP 14907794A JP 14907794 A JP14907794 A JP 14907794A JP H0813376 A JPH0813376 A JP H0813376A
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清幸 宮下
Sadayoshi Tanabe
定芳 田辺
Osamu Nonaka
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カレンダを用いた紙厚制御が不可能な簡易計
装型の抄紙機に対しても紙厚制御が出来、板紙の製造に
適した抄紙機の紙厚制御装置を提供すること。 【構成】 白水の吐き出されるウェットパート1と、こ
のウェットパートで固液分離された原紙を圧搾するプレ
スパート2と、このプレスパートを通過した原紙を乾燥
するメインドライヤパート3と、この乾燥された原紙を
巻き取るリールパート8と、このウェットパートに供給
するパルプの総量を調整する種口弁9を有する抄紙プロ
セスに対して、リールパートの前に設けられたリール前
坪量計・水分計・厚み計7と、このリール前坪量計・水
分計の測定値からリール前の絶乾坪量BD2を演算し、
設定された絶乾坪量BD0とを比較して、両者の偏差が
小さくなるように種口弁の開度を制御する坪量制御部1
4と、リール前坪量計・水分計・厚み計の紙厚測定値C
LP1と、設定された紙厚CLP0とを比較して偏差が小
さくなるように坪量制御部に対して補正信号を送る紙厚
補正部16を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗工機で抄かれる紙の厚
さを制御する紙厚制御装置に係り、特に紙厚を調整する
カレンダを制御ループから除外している簡易計装型抄紙
機にもちいて好適な改良に関する。
【0002】
【従来の技術】抄紙機の紙厚制御装置は、例えば本出願
人の提案にかかる特開昭59−228096号公報(エ
アーノズルよりエアーを吹きつけて紙厚プロフィールを
制御するもの)、特開昭63−120191号公報(分
配係数を自動的に決定できる厚さのプロフィール制御装
置)、特開平3−8885号公報(ファジールールを用
いてスライスリップの開度制御を行って、プロフィル制
御をするもの)、特開平5−195480号公報(水分
率プロセスと紙厚制御プロセスとを非干渉化して紙厚プ
ロフィールを制御するもの)等が知られている。
【0003】図4は抄紙機と塗工機がオンラインで結合
された抄紙プロセスに対する測定制御システムの構成ブ
ロック図である。図において、ウェットパート1は、パ
ルプ成分を含む白水が吐き出される領域で、合わせて重
力を用いた固液分離により大部分の水分が原紙より除去
される。プレスパート2は、ウェットパート1を通過し
た原紙を圧搾するローラが設けられたもので、メインド
ライヤパート3ではスチーム等により原紙を高温にして
残余の水分を取り除く。コータパート4は、いわゆる塗
工機であって、原紙の片面若しくは両面に塗工し、アフ
タドライヤパート6により、再びスチーム等による水分
の除去が行われる。カレンダ10は、二つのローラの間
を紙を通すことで紙厚を調整するもので、二つのローラ
の間隔はローラ自体を加熱・冷却して調整する。リール
パート8は、塗工終了後の原紙を巻き取る。種口弁9は
ウェットパート1に供給するパルプ成分の総量を調整す
る。スライスボルト(図示せず)は、ウェットパート1
の紙幅方向に設置されるもので、均一な坪量分布となる
ようにプロフィル制御をするのに用いる操作端である。
【0004】コータ前坪量計・水分計4は、抄紙機にお
ける抄紙の状態を検出する。コータ前絶乾坪量演算部1
1は、コータ前坪量計・水分計4の測定値からメインド
ライヤパート3を出た状態での絶乾坪量BD1を演算す
る。これにより抄紙プロセスで均一な坪量と水分率を有
する原紙が製造される。リール前坪量計・水分計・厚さ
計7は、リールパート8に巻き取る前の完成品に近い領
域での坪量や水分率並びに紙厚の紙幅方向の平均値が測
定される。リール前絶乾坪量演算部12は、リール前坪
量計・水分計・厚さ計7の水分率と坪量の測定値から塗
工後の絶乾坪量BD2を演算している。
【0005】坪量制御部14は、絶乾坪量BDと設定値
BD0とを比較して、均一な坪量となるような、種口弁
9やスライスボルト(図示せず)の操作量を演算して、
制御出力を行う。坪量制御部14では、通常の坪量制御
では種口弁に近いコータ前絶乾坪量演算部11を用いて
制御を行い、コータ前絶乾坪量演算部11から演算値B
1が得られないような時バックアップ用にリール前絶
乾坪量演算部12の演算値BD2を用いて制御する。坪
量制御部14の制御モードとしては、坪量測定値が目標
値にほぼ収束した定常状態に用いられる定常制御と、坪
量測定値が目標値に収束する前の過渡的状態に用いられ
る過渡状態制御とが併存している。
【0006】塗工量演算部15は、コータ前絶乾坪量演
算部11とリール前絶乾坪量演算部12の演算値の偏差
ΔBD(=BD2−BD1)により、原紙に対する塗工量
を求めている。そして、手動制御の場合には、オペーレ
ータが設定値と塗工量とが一致するようにコーターパー
ト5のバルブを開閉している。厚さ制御部16は、リー
ル前坪量計・水分計・厚さ計7の紙厚測定値CLP1
設定値CLP0と一致するように制御するもので、例え
ばカレンダ10の温度を上昇/下降させてローラの間隔
を調整している。
【発明が解決しようとする課題】しかし、抄紙プロセス
においてはカレンダ10を設置していない場合もあり、
或いはカレンダ10が存在していてもバルブの制御は手
動のみしかなく、上述した制御ループによる紙厚制御が
不可能な簡易計装型の抄紙機も存在している。このよう
な抄紙機であっても、紙厚が紙の品質指標として重要な
意味を持つ板紙を製造している場合には、紙厚制御を実
現したいという課題があった。本発明は上述の課題を解
決したもので、カレンダを用いた紙厚制御が不可能な簡
易計装型の抄紙機に対しても紙厚制御が出来、板紙の製
造に適した抄紙機の紙厚制御装置を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成する本
発明は、白水の吐き出されるウェットパート1と、この
ウェットパートで固液分離された原紙を圧搾するプレス
パート2と、このプレスパートを通過した原紙を乾燥す
るメインドライヤパート3と、この乾燥された原紙を巻
き取るリールパート8と、このウェットパートに供給す
るパルプの総量を調整する種口弁9を有する抄紙プロセ
スに対して、リールパートの前に設けられたリール前坪
量計・水分計・厚み計7と、このリール前坪量計・水分
計の測定値からリール前の絶乾坪量BD2を演算する手
段12と、この演算された絶乾坪量と設定された絶乾坪
量BD0とを比較して、両者の偏差が小さくなるように
前記種口弁の開度を制御する坪量制御部14と、前記リ
ール前坪量計・水分計・厚み計の紙厚測定値CLP
1と、設定された紙厚CLP0とを比較して偏差が小さく
なるように前記坪量制御部に対して補正信号を送る紙厚
補正部16を有することを特徴としている。
【0008】
【作用】リール前坪量計・水分計・厚み計とリール前絶
乾坪量演算手段は、抄紙プロセスで製造される紙の絶乾
坪量を求めている。坪量制御部は、設定坪量と製造され
る紙の絶乾坪量との偏差を用いて、抄紙プロセスのフィ
ードバック制御を行う。リール前坪量計・水分計・厚み
計では、抄紙プロセスで製造される紙の紙厚を測定して
いるが、制御対象の抄紙プロセスには直接紙厚制御が可
能な操作端がない。そこで、坪量制御部に補正信号送る
紙厚補正部を設けて、間接的に紙厚制御を行っている。
【0009】
【実施例】以下図面を用いて、本発明を説明する。図1
は本発明の一実施例を示す構成ブロック図で、塗工プロ
セスを有しない場合を示してある。なお、図1において
前記図4と同一作用をするものには同一符号を付して説
明を省略する。図において、カレンダ10はメインドラ
イヤパート3とリール前坪量計・水分計・厚み計7の間
に設けられたもので、手動での調整は可能であるが、弁
開度を調整する機械の装着されていないので、制御装置
により紙厚を直接制御することはできない。紙厚補正部
17は、リール前坪量計・水分計・厚み計7の紙厚測定
値CLP1と、設定された紙厚CLP0とを比較して偏差
が小さくなるように坪量制御部14に対して補正信号を
送る。
【0010】図2は絶乾坪量BDと紙厚CLPとの関係
図である。絶乾坪量BDと紙厚CLPとの間には次式の
ような比例関係があり、比例定数kは紙の種類毎にほぼ
一定値になっている。 ΔBD/BD=k・(ΔCLP/CLP) (1)
【0011】そこで、坪量制御部14は受け取った補正
信号に応じて種口弁9に対する操作量MVを補正する。
この補正演算としては、坪量設定値BD0を増減した
り、或いはリール前絶乾坪量演算部12の演算した絶乾
坪量BD2を増減することが考えられる。すなわち、板
紙の場合は坪量よりも紙厚の方が品質指標として大切な
ので、紙厚を坪量に優先して設定値となるように制御し
ている。
【0012】図3は本発明の第2の実施例を示す構成ブ
ロック図で、抄紙プロセスと塗工プロセスが連続して設
けられているものを示している。なお、図3において前
記図4と同一作用をするものには同一符号を付して説明
を省略する。図において、図4に存在したカレンダ10
が設けられていない。紙厚補正部17は、リール前坪量
計・水分計・厚み計7の紙厚測定値CLP1と、設定さ
れた紙厚CLP0とを比較して偏差が小さくなるように
坪量制御部14に対して補正信号を送る。坪量制御部1
4は受け取った補正信号に応じて種口弁9に対する操作
量MVを補正する。この補正演算としては、坪量設定値
BD0を増減したり、或いはコータ前絶乾坪量演算部1
1の演算した絶乾坪量BD1を増減することが考えられ
る。例えば設定紙厚CLP0が100μmで、紙厚測定
値CLP1が95μmの時は、紙厚を5%増大させる必
要がある。そこで、坪量設定値BD0を5%増大させる
か、或いは演算した絶乾坪量BD1を5%少なくするこ
とで、坪量制御を用いて紙厚制御が行える。
【0013】このように構成された装置の運転状態を説
明する。従来オペーレータが手動で制御していた状態で
は、紙厚のバラツキは5μmで、絶乾坪量のバラツキは
10g/m2であった。これに対して、紙厚制御を坪量
制御ループを用いて行う本発明を同一抄紙・塗工プロセ
スで実施したところ、紙厚のバラツキは2μmで、絶乾
坪量のバラツキは0.2 g/m2と格段に減少している。
尚、ここでバラツキとは測定値の標準偏差2σ値を言
う。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば抄
紙プロセスで紙厚制御を行う場合に、直接紙厚を制御す
ることが構造的に困難な場合であっても、坪量制御に対
する補正指令を行って間接的に紙厚制御ができるので、
製造される紙の品質が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成ブロック図であ
る。
【図2】絶乾坪量BDと紙厚CLPとの関係図である。
【図3】本発明の第2の実施例を示す構成ブロック図で
ある。
【図4】従来の測定制御システムの構成ブロック図であ
る。
【符号の説明】
4 コータ前坪量計・水分計 7 リール前坪量計・水分計 10 カレンダ 11 コータ前絶乾坪量演算手段 12 リール前絶乾坪量演算手段 14 坪量制御部 15 塗工量演算部 17 紙厚補正部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】白水の吐き出されるウェットパート(1)
    と、このウェットパートで固液分離された原紙を圧搾す
    るプレスパート(2)と、このプレスパートを通過した
    原紙を乾燥するメインドライヤパート(3)と、この乾
    燥された原紙を巻き取るリールパート(8)と、このウ
    ェットパートに供給するパルプの総量を調整する種口弁
    (9)を有する抄紙プロセスに対して、 リールパートの前に設けられたリール前坪量計・水分計
    ・厚み計(7)と、このリール前坪量計・水分計の測定
    値からリール前の絶乾坪量(BD2)を演算する手段
    (12)と、これらの演算された絶乾坪量と設定された
    絶乾坪量(BD0)とを比較して、両者の偏差が小さく
    なるように前記種口弁の開度を制御する坪量制御部(1
    4)と、 前記リール前坪量計・水分計・厚み計の紙厚測定値(C
    LP1)と、設定された紙厚(CLP0)とを比較して偏
    差が小さくなるように前記坪量制御部に対して補正信号
    を送る紙厚補正部(17)を有することを特徴とする抄
    紙機の紙厚制御装置。
  2. 【請求項2】白水の吐き出されるウェットパート(1)
    と、このウェットパートで固液分離された原紙を圧搾す
    るプレスパート(2)と、このプレスパートを通過した
    原紙を乾燥するメインドライヤパート(3)と、この乾
    燥された原紙に塗工を施すコータパート(5)と、この
    塗工された原紙を乾燥するアフタドライヤパート(6)
    と、この乾燥された塗工済原紙を巻き取るリールパート
    (8)と、このウェットパートに供給するパルプの総量
    を調整する種口弁(9)を有する抄紙・塗工プロセスに
    対して、 このコータパートの前に設けられたコータ前坪量計・水
    分計(4)と、このコータ前坪量計・水分計の測定値か
    らコータ前の絶乾坪量(BD1)を演算する手段(1
    1)と、リールパートの前に設けられたリール前坪量計
    ・水分計・厚み計(7)と、このリール前坪量計・水分
    計の測定値からリール前の絶乾坪量(BD 2)を演算す
    る手段(12)と、これらの演算された絶乾坪量と設定
    された絶乾坪量(BD0)とを比較して、両者の偏差が
    小さくなるように種口弁の開度を制御する坪量制御部
    (14)と、 前記リール前坪量計・水分計・厚み計の紙厚測定値(C
    LP1)と、設定された紙厚(CLP0)とを比較して偏
    差が小さくなるように前記坪量制御部に対して補正信号
    を送る紙厚補正部(16)を有することを特徴とする抄
    紙機の紙厚制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014518962A (ja) * 2011-06-08 2014-08-07 アクゾ ノーベル ケミカルズ インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ 紙および板紙の製造方法
JP2017014668A (ja) * 2015-07-02 2017-01-19 デュプロ精工株式会社 抄紙装置
WO2018173849A1 (ja) 2017-03-22 2018-09-27 セイコーエプソン株式会社 シート製造装置、シート、及び、シート製造方法
US10914034B2 (en) 2017-09-28 2021-02-09 Seiko Epson Corporation Sheet manufacturing apparatus
US11788230B2 (en) 2020-09-29 2023-10-17 Seiko Epson Corporation Paper producing apparatus

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