JP2004277899A - 抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】抄紙後の紙ウェブの厚さプロファイルが均一となるように制御することができる抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を提供する。
【解決手段】抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法において、少なくとも、紙ウェブの厚さプロファイルを測定する工程Aと、プレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程Bとを含み、該工程Bが、紙ウェブの厚さプロファイルが均一となるようにプレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程であることを特徴とする抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法。
【選択図】 図1
【解決手段】抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法において、少なくとも、紙ウェブの厚さプロファイルを測定する工程Aと、プレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程Bとを含み、該工程Bが、紙ウェブの厚さプロファイルが均一となるようにプレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程であることを特徴とする抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抄紙後の紙ウェブの厚さプロファイルが均一となるように制御する抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紙ウェブは、抄紙機において以下の工程を経て製造される。まず、ヘッドボックスから紙料がワイヤーパートへ供給され、ワイヤーパートで脱水される。次いで、プレスパートにて圧縮によって脱水され、さらにドライヤパートにて乾燥し、最終的にリーラに巻き取られる。より一般的な抄紙機では、前記の工程に加え、リーラの前にカレンダ装置が含まれる。
【0003】
さらに、抄紙機は、紙ウェブの坪量プロファイル調節工程および紙ウェブの水分プロファイル調節工程を有しており、カレンダ装置を含む抄紙機は、紙ウェブの厚さプロファイル調節工程を有している。紙ウェブは、これらの調節工程を用いて幅方向の品質が均一となるように調節して製造される。
【0004】
紙ウェブの厚さプロファイルは、紙ウェブを製造するうえで重要視される品質管理項目のひとつであり、一般には、抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御は、紙ウェブの厚さプロファイル調節手段を備えたカレンダ装置にて行われる。
【0005】
前記の紙ウェブの厚さプロファイル調節手段には、例えば、カレンダ装置のロールクラウンを調節することにより紙ウェブの厚さプロファイルの調節を行う装置や、誘導加熱方式等の温度制御装置を用いてカレンダロールに局所的な凹凸を付すことにより紙ウェブの厚さプロファイルの調節を行う装置がある。
【0006】
紙ウェブの厚さプロファイルの矯正は、前記の紙ウェブの厚さプロファイル調節手段の調節可能範囲がその限界となり、カレンダ装置前の紙ウェブの厚さプロファイルがその限界を越えて大きく乱れている場合には、紙ウェブの厚さプロファイルを完全には矯正することができない。
【0007】
カレンダ装置での紙ウェブの厚さプロファイル制御能力を補うため、あるいはカレンダ装置での紙ウェブの厚さプロファイル制御のかわりに、坪量プロファイルを調節することにより、厚さプロファイルを制御する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
また、カレンダ装置での紙ウェブの厚さプロファイル制御能力を補うため、カレンダ装置での紙ウェブの厚さプロファイル制御能力を越えないように、別途制御している水分プロファイル制御の制御出力を抑制することにより、厚さプロファイルを制御する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
前記の提案されている厚さプロファイルを制御する方法はいずれも、別の調節装置を用いて、紙ウェブの厚さプロファイル調節手段の能力を補い、カレンダ装置後の厚さプロファイルの矯正する方法であって、カレンダ装置前の紙ウェブの厚さプロファイルは均一にしようとするものではなく、カレンダ装置のロール幅方向の押し圧については考慮されていない。
【0010】
カレンダ装置前の紙ウェブの厚さプロファイルは均一であることが望ましく、厚さプロファイルが乱れた紙ウェブをカレンダ装置で処理すると、以下に説明するような問題が発生する。
【0011】
厚さプロファイルが乱れた紙ウェブを、カレンダ装置に備えられた紙ウェブの厚さプロファイル調節手段を用いて厚さプロファイルを均一に調節しようとすると、厚い部分の押し圧を大きくする必要があり、ロール幅方向の押し圧が不均一となる。
【0012】
その結果として、押し圧を大きくした部分で局所的にロール表面の摩耗が大きくなり、押し圧をさらに大きくしなければならなくなり、この循環によって厚さプロファイルの制御が難しいものとなり、さらにはロールの寿命を短くしてしまう。
【0013】
また、ロール幅方向の押し圧が不均一であれば、リーラーで紙ウェブを巻き取る際に張力が幅方向で不均一となるため、紙ウェブの巻き取りに一般にヨレと呼ばれる欠陥を引き起こす。
【0014】
また、ロール幅方向の押し圧が不均一であれば、紙表面の平滑や光沢といった厚さ以外の品質にも悪影響を及ぼす。
【0015】
【特許文献1】
特開平8−13376号公報
【特許文献2】
特開平5−195480号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これらの欠点を考慮し、抄紙後の紙ウェブの厚さプロファイルが均一となるように制御することができる抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記に鑑み鋭意検討した結果、本発明の紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を発明するに至った。
すなわち、第1の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法は、少なくとも、紙ウェブの厚さプロファイルを測定する工程Aと、プレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程Bとを含み、該工程Bが、紙ウェブの厚さプロファイルが均一となるようにプレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程であることを特徴とするものである。
【0018】
また、第2の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法は、少なくとも、紙ウェブの厚さプロファイルを測定する工程Aと、紙ウェブの水分プロファイルを調節する工程Cとを含み、該工程Cが、紙ウェブの厚さプロファイルが均一となるように紙ウェブの水分プロファイルを調節する工程であることを特徴とするものである。
【0019】
さらに、第3の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法は、少なくとも、紙ウェブの厚さプロファイルを測定する工程Aと、紙ウェブの水分プロファイルを測定する工程Dと、プレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程Bと、紙ウェブの水分プロファイルを調節する工程Cとを含み、該工程Bが、測定された厚さプロファイルから測定された水分プロファイルに比例係数を乗じたものを減じて得られるプロファイルが均一となるようにプレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程であり、該工程Cが、紙ウェブの水分プロファイルが均一となるように紙ウェブの水分プロファイルを調節する工程であることを特徴とするものである。
【0020】
上記第3の発明において、比例係数として、紙ウェブの水分変化量に対する紙ウェブの厚さ変化量を演算して得られる値を用いることを特徴とする。
【0021】
上記発明において、カレンダ装置を含み、前記紙ウェブの厚さプロファイルを測定する工程Aが、プレスパートよりも後段であり、かつカレンダ装置よりも前段で行われることを特徴とする。
【0022】
また、上記発明において、紙ウェブの絶乾坪量プロファイルを測定する工程Eと、紙ウェブの絶乾坪量プロファイルを調節する工程Fとを含み、該工程Fが、紙ウェブの絶乾坪量プロファイルが均一となるように調節する工程であることを特徴とする。
【0023】
さらに、上記発明において、紙ウェブの厚さプロファイルを調節する工程Gを備えたカレンダ装置と、該工程Gより後段で、紙ウェブの厚さプロファイルを測定する工程Aとを含み、該工程Gが、該工程Gより後段で測定した紙ウェブの厚さプロファイルが均一となるように調節を行うことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法について、詳細に説明する。
【0025】
本発明による紙ウェブの厚さプロファイル制御方法において、抄紙機における厚さプロファイルは、主として水分プロファイルとロールニップによる紙の圧縮状態とに影響を受けているという概念に基づいている。抄紙機における厚さプロファイルは、絶乾坪量プロファイルにも影響を受けるが、その影響度合いは大きくなく、また絶乾坪量プロファイルの調節によって厚さプロファイルの調節を行うには、絶乾坪量を大きく変化させる必要があり、品質上の問題となる。
【0026】
図1は、第1の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法の一実施形態を示す概念図である。
【0027】
図示しないヘッドボックスから供給された紙料は、図示しないワイヤパートで脱水されて紙ウェブ1を形成し、さらにプレスパート2で圧縮脱水され、さらにドライヤパート3で乾燥された後、最終的に図示しないリーラで巻き取られる。
【0028】
本発明では、少なくとも、厚さプロファイルを測定する工程A5およびプレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程B6を設ける。厚さプロファイルを測定する工程A5はプレスパート2よりも後段に設ける。
【0029】
本発明の紙ウェブの厚さプロファイル制御方法では、以下に説明する方法で紙ウェブの厚さプロファイルの制御を行う。
【0030】
まず、厚さプロファイルを測定する工程A5にて厚さプロファイルを取得する。次に、プレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程B6にて、前記厚さプロファイルが均一となるよう調節を行う。
【0031】
以上の制御方法を用いることにより、紙ウェブの厚さプロファイルを均一にすることが可能である。
【0032】
図2は、第2の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法の一実施形態を示す概念図である。
【0033】
前記の第1の発明と同様に、図示しないヘッドボックスから供給された紙料は、図示しないワイヤパートで脱水されて紙ウェブ1を形成し、さらにプレスパート2で圧縮脱水され、さらにドライヤパート3で乾燥された後、最終的に図示しないリーラで巻き取られる。
【0034】
本発明では、少なくとも、厚さプロファイルを測定する工程A5および水分プロファイルを調節する工程C7を設ける。厚さプロファイルを測定する工程A5はプレスパート2よりも後段に設ける。
【0035】
本発明の紙ウェブの厚さプロファイル制御方法では、以下に説明する方法で紙ウェブの厚さプロファイルの制御を行う。
【0036】
まず、厚さプロファイルを測定する工程A5にて厚さプロファイルを取得する。次に、水分プロファイルを調節する工程C6にて、前記厚さプロファイルが均一となるよう調節を行う。
【0037】
以上の制御方法を用いることにより、紙ウェブの厚さプロファイルを均一にすることが可能である。前述の第1の発明は、プレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節するすることにより、厚さプロファイルを制御する方法であるが、抄紙機によっては、幅方向のプレスロール線圧の調節工程が無い、あるいは、プレスロール線圧の調節工程があっても、ロールのクラウン調節とロール荷重の左右バランスしか持たない場合があり、第2の発明はこれに対処したものである。
【0038】
図3は、第3の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法の一実施形態を示す概念図である。
【0039】
前記の第1の発明および第2の発明と同様に、図示しないヘッドボックスから供給された紙料は、図示しないワイヤパートで脱水されて紙ウェブ1を形成し、さらにプレスパート2で圧縮脱水され、さらにドライヤパート3で乾燥された後、最終的に図示しないリーラで巻き取られる。
【0040】
本発明では、少なくとも、水分プロファイルを測定する工程D4および厚さプロファイルを測定する工程A5および水分プロファイルを調節する工程C6およびプレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程B7を設ける。水分プロファイルを測定する工程D4および厚さプロファイルを測定する工程A5はプレスパート2よりも後段に設ける。
【0041】
本発明の紙ウェブの厚さプロファイル制御方法では、以下に説明する方法で紙ウェブの厚さプロファイルの制御を行う。
【0042】
まず、厚さプロファイルを測定する工程A5で測定し得られた厚さプロファイルから、水分プロファイルを測定する工程D4で測定し得られた水分プロファイルに比例係数を乗じたものを減じて、幅方向でプレスロール線圧を調節するために用いるプロファイルを演算する。
【0043】
本発明によれば、前記比例係数には、厚さプロファイルを測定する工程A5で測定し、得られた厚さプロファイルと、水分プロファイルを測定する工程D4で測定し、得られた水分プロファイルとを用いて得られる水分変化量に対する厚さ変化量の値を用いることが望ましい。
【0044】
さらに、水分変化量に対する厚さ変化量の値は、製造する紙ウェブの紙質や坪量等で異なるので、製造する紙ウェブの種類ごとに前記比例係数を予め求めておくことが望ましい。
【0045】
次に、プレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程B7にて、前記求めた幅方向でプレスロール線圧を調節するために用いるプロファイルが均一となるよう調節を行い、さらに、水分プロファイルを調節する工程C6にて、水分プロファイルを測定する工程D4で測定し得られた水分プロファイルが均一となるように調節を行う。
【0046】
以上の制御方法を用いることにより、プレスパートにおける紙ウェブの幅方向の圧縮状態を制御しながら紙ウェブの厚さプロファイルを均一にすることが可能であり、例えば、紙ウェブの剛直度等の品質も向上させることができる。
【0047】
本発明によれば、前述のすべての発明において、さらに絶乾坪量プロファイルを測定する工程Eと絶乾坪量プロファイルを調節する工程Fを設け、絶乾坪量プロファイルが均一になるように制御することにより、坪量プロファイルが厚さプロファイルに及ぼす影響を打ち消すことができ、より精度良く厚さプロファイルを制御することが可能である。
【0048】
本発明によれば、前述のすべての発明において、さらに厚さプロファイルを調節する工程Gを備えたカレンダ装置とカレンダ装置の後段で厚さプロファイルを測定する工程Aを設け、カレンダ装置の後段での厚さプロファイルが均一になるように制御することにより、より精度良く厚さプロファイルを制御することが可能である。
【0049】
水分プロファイルを測定する工程Dおよび厚さプロファイルを測定する工程Aおよび絶乾坪量プロファイルを測定する工程Eでは、水分プロファイルおよび厚さプロファイルおよび絶乾坪量プロファイルを取得できればよく、いかなる装置を用いても良い。例えば、水分および厚さおよび坪量を測定するためのセンサーをスキャン装置を用いて紙幅方向に移動させ、水分プロファイルおよび厚さプロファイルおよび坪量プロファイルを取得し、絶乾坪量プロファイルは取得した水分プロファイルと坪量プロファイルから演算して取得する装置を用いることができる。
【0050】
水分プロファイルを調節する工程Cでは、水分プロファイルを調節できればよく、いかなる装置を用いても良い。例えば、蒸気を湿紙状態の紙ウェブに吹き付け、局所的に乾燥を促進させることで水分プロファイルを調節する装置を用いることができる。
【0051】
プレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程Bでは、プレスロール線圧を調節できればよく、いかなる装置を用いても良い。例えば、ロール内に幅方向の複数のゾーン毎に油圧装置を設けてロールの表面凹凸を変化させてプレスロール線圧を調節する装置を用いることができる。
【0052】
絶乾坪量プロファイルを調節する工程Fは、絶乾坪量プロファイルを調節できればよく、いかなる装置を用いても良い。例えば、ヘッドボックスのスライスリップの開度を幅方向で調節することで絶乾坪量プロファイルを調節する装置を用いることができる。
【0053】
カレンダ装置に備えられた厚さプロファイルを調節する工程Aでは、厚さプロファイルを調節できればよく、いかなる装置を用いても良い。例えば、誘導加熱方式等でロールの幅方向の温度を制御し、ロールに局所的な凹凸を付して厚さプロファイルを調節する装置を用いることができる。
【0054】
【実施例】
以下、図面に基づき本発明の実施例を説明する。
【0055】
実施例1
図4は、第1の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を適用した一実施例を示す概略図である。
【0056】
本実施例では、紙ウェブ11は、以下に説明する構成の抄紙機で製造される。
【0057】
本実施例の抄紙機は、ヘッドボックス12、ワイヤーパート13、プレスパート14、ドライヤパート15、カレンダ装置16、リーラ17を有する。
【0058】
さらに、本実施例の抄紙機は、ドライヤパート15とカレンダ装置16の間にプロファイル測定装置22を有し、カレンダ装置16とリーラ17の間にはプロファイル測定装置23を有する。プロファイル測定装置22は、坪量センサー、水分センサー、厚さセンサーを紙ウェブの幅方向に移動させて坪量プロファイル、水分プロファイル、厚さプロファイルを測定する。プロファイル測定装置23は厚さセンサーを紙ウェブの幅方向に移動させて厚さプロファイルを測定する。
【0059】
さらに、本実施例の抄紙機は、プレスパート14に備えられたプレスロール線圧調節装置18を有する。プレスロール線圧調節装置18は、プレスロールの内部の幅方向に複数配された油圧装置にてプレスロールの表面凹凸を調節することにより、プレスロール線圧の調節を行う。
【0060】
さらに、本実施例の抄紙機は、ヘッドボックス12に備えられた絶乾坪量プロファイル調節装置20を有する。絶乾坪量プロファイル調節装置20は、スライスリップの開度を幅方向で調節する装置を調節することにより、絶乾坪量プロファイルの調節を行う。
【0061】
さらに、本実施例の抄紙機は、カレンダ装置16に備えられた厚さプロファイル調節装置21を有する。厚さプロファイル調節装置21は、カレンダロールの幅方向に複数配された誘導加熱装置にてカレンダロールの表面凹凸を調節することにより、厚さプロファイルの調節を行う。
【0062】
さらに、本実施例の抄紙機は、コンピュータを2台有する。1台のコンピュータ24は、プロファイル測定装置23が測定した厚さプロファイルをコンピュータ内部に保持することができ、さらに厚さプロファイル調節装置21に対して操作量の指示を出すことができる。もう1台のコンピュータ25は、プロファイル測定装置22が測定した坪量プロファイル、水分プロファイル、厚さプロファイルをコンピュータ内部に保持することができ、さらにプレスロール線圧調節装置18および絶乾坪量プロファイル調節装置20に対して操作量の指示を出すことができる。
【0063】
以上、説明した構成の抄紙機において、以下に説明する方法で第1の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を実施した。
【0064】
コンピュータ25は、プロファイル測定装置22が測定した厚さプロファイルが均一となるようにプレスロール線圧調節装置18の操作量を求め、プレスロール線圧調節装置18を調節した。この工程をプロファイル測定装置22が厚さプロファイルを測定する毎に繰り返した。
【0065】
さらに、コンピュータ25は、プロファイル測定装置22が測定した坪量プロファイルおよび水分プロファイルから絶乾坪量プロファイルを求め、該求めた絶乾坪量プロファイルが均一となるように絶乾坪量プロファイル調節装置20の操作量を求め、絶乾坪量プロファイル調節装置20を調節した。この工程をプロファイル測定装置22が坪量プロファイルおよび水分プロファイルを測定する毎に繰り返した。
【0066】
さらに、コンピュータ24は、プロファイル測定装置23が測定した厚さプロファイルが均一となるように厚さプロファイル調節装置21の操作量を求め、厚さプロファイル調節装置21を調節した。この工程をプロファイル測定装置23が厚さプロファイルを測定する毎に繰り返した。
【0067】
以上説明した方法を用い、第1の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を実施した結果、ロール線圧調節装置18を調節しない場合と比べ、プロファイル測定装置22が測定した厚さプロファイルおよびプロファイル測定装置23が測定した厚さプロファイルを均一とすることができた。
【0068】
実施例2
図5は、第2の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を適用した一実施例を示す概略図である。
【0069】
本実施例では、紙ウェブ31は、以下に説明する構成の抄紙機で製造される。
【0070】
本実施例の抄紙機は、ヘッドボックス32、ワイヤーパート33、プレスパート34、ドライヤパート35、カレンダ装置36、リーラ37を有する。
【0071】
さらに、本実施例の抄紙機は、ドライヤパート35とカレンダ装置36の間にプロファイル測定装置42を有し、カレンダ装置36とリーラ37の間にはプロファイル測定装置43を有する。プロファイル測定装置42は、坪量センサー、水分センサー、厚さセンサーを紙ウェブの幅方向に移動させて坪量プロファイル、水分プロファイル、厚さプロファイルを測定する。プロファイル測定装置43は厚さセンサーを紙ウェブの幅方向に移動させて厚さプロファイルを測定する。
【0072】
さらに、本実施例の抄紙機は、プレスパート34に備えられた水分プロファイル調節装置39を有する。水分プロファイル調節装置39は幅方向に複数配された蒸気噴きつけ装置にて水分プロファイルの調節を行う。
【0073】
さらに、本実施例の抄紙機は、ヘッドボックス32に備えられた絶乾坪量プロファイル調節装置40を有する。絶乾坪量プロファイル調節装置40は、スライスリップの開度を幅方向で調節する装置を調節することにより、絶乾坪量プロファイルの調節を行う。
【0074】
さらに、本実施例の抄紙機は、カレンダ装置36に備えられた厚さプロファイル調節装置41を有する。厚さプロファイル調節装置41は、カレンダロールの幅方向に複数配された誘導加熱装置にてカレンダロールの表面凹凸を調節することにより、厚さプロファイルの調節を行う。
【0075】
さらに、本実施例の抄紙機は、コンピュータを2台有する。1台のコンピュータ44は、プロファイル測定装置43が測定した厚さプロファイルをコンピュータ内部に保持することができ、さらに厚さプロファイル調節装置41に対して操作量の指示を出すことができる。もう1台のコンピュータ45は、プロファイル測定装置42が測定した坪量プロファイル、水分プロファイル、厚さプロファイルをコンピュータ内部に保持することができ、さらに水分プロファイル調節装置39および絶乾坪量プロファイル調節装置40に対して操作量の指示を出すことができる。
【0076】
本実施例の抄紙機は、プレスロール線圧調節のためにロールクラウンを調節する装置を備えているが、該装置は幅方向複数の位置でのロール線圧の調節はできない。
【0077】
以上、説明した構成の抄紙機において、以下に説明する方法で第2の発明の紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を実施した。
【0078】
予め、プロファイル測定装置42が測定した厚さプロファイルと水分プロファイルから、水分変化量に対する厚さ変化量の値を演算し、該求められた値を係数としてコンピュータ65に設定した。
【0079】
コンピュータ45は、プロファイル測定装置42が測定した厚さプロファイルからプロファイル測定装置42が測定した水分プロファイルに前記設定した係数を乗じたものを減ずることによりプレスロールの線圧を調節するためのプロファイルを求め、該求めたプロファイルが均一となるようにプレスロール線圧調節装置38の操作量を求め、プレスロール線圧調節装置38を調節した。この工程をプロファイル測定装置42が厚さプロファイルおよび水分プロファイルを測定する毎に繰り返した。
【0080】
さらに、コンピュータ45は、プロファイル測定装置42が測定した水分プロファイルが均一となるように水分プロファイル調節装置39の操作量を求め、水分プロファイル調節装置39を調節した。この工程をプロファイル測定装置42が水分プロファイルを測定する毎に繰り返した。
【0081】
さらに、コンピュータ45は、プロファイル測定装置42が測定した坪量プロファイルおよび水分プロファイルから絶乾坪量プロファイルを求め、該求めた絶乾坪量プロファイルが均一となるように絶乾坪量プロファイル調節装置40の操作量を求め、絶乾坪量プロファイル調節装置40を調節した。この工程をプロファイル測定装置42が坪量プロファイルおよび水分プロファイルを測定する毎に繰り返した。
【0082】
さらに、コンピュータ44は、プロファイル測定装置43が測定した厚さプロファイルが均一となるように厚さプロファイル調節装置41の操作量を求め、厚さプロファイル調節装置41を調節した。この工程をプロファイル測定装置43が厚さプロファイルを測定する毎に繰り返した。
【0083】
以上、説明した方法を用い、第2の発明の紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を実施した結果、本実施例のようにプレスパートで幅方向でプレスロールの線圧を調節できる手段がなくても、プロファイル測定装置42が測定した厚さプロファイルおよびプロファイル測定装置43が測定した厚さプロファイルを均一とすることができた。
【0084】
実施例3
図6は、第3の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を適用した一実施例を示す概略図である。
【0085】
本実施例では、紙ウェブ51は、以下に説明する構成の抄紙機で製造される。
【0086】
本実施例の抄紙機は、ヘッドボックス52、ワイヤーパート53、プレスパート54、ドライヤパート55、カレンダ装置56、リーラ57を有する。
【0087】
さらに、本実施例の抄紙機は、ドライヤパート55とカレンダ装置56の間にプロファイル測定装置62を有し、カレンダ装置56とリーラ57の間にはプロファイル測定装置63を有する。プロファイル測定装置62は、坪量センサー、水分センサー、厚さセンサーを紙ウェブの幅方向に移動させて坪量プロファイル、水分プロファイル、厚さプロファイルを測定する。プロファイル測定装置63は厚さセンサーを紙ウェブの幅方向に移動させて厚さプロファイルを測定する。
【0088】
さらに、本実施例の抄紙機は、プレスパート54に備えられたプレスロール線圧調節装置58を有する。プレスロール線圧調節装置58は、プレスロールの内部の幅方向に複数配された油圧装置にてプレスロールの表面凹凸を調節することにより、プレスロール線圧の調節を行う。
【0089】
さらに、本実施例の抄紙機は、プレスパート54に備えられた水分プロファイル調節装置59を有する。水分プロファイル調節装置59は幅方向に複数配された蒸気噴きつけ装置にて水分プロファイルの調節を行う。
【0090】
さらに、本実施例の抄紙機は、ヘッドボックス52に備えられた絶乾坪量プロファイル調節装置60を有する。絶乾坪量プロファイル調節装置60は、スライスリップの開度を幅方向で調節する装置を調節することにより、絶乾坪量プロファイルの調節を行う。
【0091】
さらに、本実施例の抄紙機は、カレンダ装置56に備えられた厚さプロファイル調節装置61を有する。厚さプロファイル調節装置61は、カレンダロールの幅方向に複数配された誘導加熱装置にてカレンダロールの表面凹凸を調節することにより、厚さプロファイルの調節を行う。
【0092】
さらに、本実施例の抄紙機は、コンピュータを2台有する。1台のコンピュータ64は、プロファイル測定装置63が測定した厚さプロファイルをコンピュータ内部に保持することができ、さらに厚さプロファイル調節装置61に対して操作量の指示を出すことができる。もう1台のコンピュータ65は、プロファイル測定装置62が測定した坪量プロファイル、水分プロファイル、厚さプロファイルをコンピュータ内部に保持することができ、さらにプレスロール線圧調節装置58および水分プロファイル調節装置59および絶乾坪量プロファイル調節装置60に対して操作量の指示を出すことができる。
【0093】
以上、説明した構成の抄紙機において、以下に説明する方法で本発明のうちの第3の発明の紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を実施した。
【0094】
予め、プロファイル測定装置62が測定した厚さプロファイルと水分プロファイルから、水分変化量に対する厚さ変化量の値を演算し、該求められた値を係数としてコンピュータ65に設定した。
【0095】
コンピュータ65は、プロファイル測定装置62が測定した厚さプロファイルからプロファイル測定装置62が測定した水分プロファイルに前記設定した係数を乗じたものを減ずることによりプレスロールの線圧を調節するためのプロファイルを求め、該求めたプロファイルが均一となるようにプレスロール線圧調節装置58の操作量を求め、プレスロール線圧調節装置58を調節した。この工程をプロファイル測定装置62が厚さプロファイルおよび水分プロファイルを測定する毎に繰り返した。
【0096】
さらに、コンピュータ65は、プロファイル測定装置62が測定した水分プロファイルが均一となるように水分プロファイル調節装置59の操作量を求め、水分プロファイル調節装置59を調節した。この工程をプロファイル測定装置62が水分プロファイルを測定する毎に繰り返した。
【0097】
さらに、コンピュータ65は、プロファイル測定装置62が測定した坪量プロファイルおよび水分プロファイルから絶乾坪量プロファイルを求め、該求めた絶乾坪量プロファイルが均一となるように絶乾坪量プロファイル調節装置60の操作量を求め、絶乾坪量プロファイル調節装置60を調節した。この工程をプロファイル測定装置62が坪量プロファイルおよび水分プロファイルを測定する毎に繰り返した。
【0098】
さらに、コンピュータ64は、プロファイル測定装置63が測定した厚さプロファイルが均一となるように厚さプロファイル調節装置61の操作量を求め、厚さプロファイル調節装置61を調節した。この工程をプロファイル測定装置63が厚さプロファイルを測定する毎に繰り返した。
【0099】
以上、説明した方法を用い、第3の発明の紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を実施した結果、水分プロファイル調節装置59およびロール線圧調節装置58を調節しない場合と比べ、プロファイル測定装置62が測定した厚さプロファイルおよびプロファイル測定装置63が測定した厚さプロファイルを均一とすることができ、さらに紙ウェブの幅方向の剛直度分布も良化した。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法によれば、抄紙後の紙ウェブの厚さプロファイルが均一となるように制御することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法の一実施形態を示す概念図である。
【図2】第2の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法の一実施形態を示す概念図である。
【図3】第3の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法の一実施形態を示す概念図である。
【図4】第1の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を適用した一実施例を示す概略図である。
【図5】第2の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を適用した一実施例を示す概略図である。
【図6】第3の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を適用した一実施例を示す概略図である。
【符号の説明】
1、11、31、51 紙ウェブ
12、32、52 ヘッドボックス
13、33、53 ワイヤーパート
2、14、34、54 プレスパート
3、15、35、55 ドライヤパート
16、36、56 カレンダ装置
17、37、57 リーラ
18、38、58 プレスロール線圧調節装置
19、39、59 水分プロファイル調節装置
20、40、60 絶乾坪量プロファイル調節装置
21、41、61 厚さプロファイル調節装置
22、23、42、43、62、63 プロファイル測定装置
24、25、44、45、64、65 コンピュータ
4 紙ウェブの水分プロファイルを測定する工程D
5 紙ウェブの厚さプロファイルを測定する工程A
6 紙ウェブの水分プロファイルを調節する工程C
7 プレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程B
【発明の属する技術分野】
本発明は、抄紙後の紙ウェブの厚さプロファイルが均一となるように制御する抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紙ウェブは、抄紙機において以下の工程を経て製造される。まず、ヘッドボックスから紙料がワイヤーパートへ供給され、ワイヤーパートで脱水される。次いで、プレスパートにて圧縮によって脱水され、さらにドライヤパートにて乾燥し、最終的にリーラに巻き取られる。より一般的な抄紙機では、前記の工程に加え、リーラの前にカレンダ装置が含まれる。
【0003】
さらに、抄紙機は、紙ウェブの坪量プロファイル調節工程および紙ウェブの水分プロファイル調節工程を有しており、カレンダ装置を含む抄紙機は、紙ウェブの厚さプロファイル調節工程を有している。紙ウェブは、これらの調節工程を用いて幅方向の品質が均一となるように調節して製造される。
【0004】
紙ウェブの厚さプロファイルは、紙ウェブを製造するうえで重要視される品質管理項目のひとつであり、一般には、抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御は、紙ウェブの厚さプロファイル調節手段を備えたカレンダ装置にて行われる。
【0005】
前記の紙ウェブの厚さプロファイル調節手段には、例えば、カレンダ装置のロールクラウンを調節することにより紙ウェブの厚さプロファイルの調節を行う装置や、誘導加熱方式等の温度制御装置を用いてカレンダロールに局所的な凹凸を付すことにより紙ウェブの厚さプロファイルの調節を行う装置がある。
【0006】
紙ウェブの厚さプロファイルの矯正は、前記の紙ウェブの厚さプロファイル調節手段の調節可能範囲がその限界となり、カレンダ装置前の紙ウェブの厚さプロファイルがその限界を越えて大きく乱れている場合には、紙ウェブの厚さプロファイルを完全には矯正することができない。
【0007】
カレンダ装置での紙ウェブの厚さプロファイル制御能力を補うため、あるいはカレンダ装置での紙ウェブの厚さプロファイル制御のかわりに、坪量プロファイルを調節することにより、厚さプロファイルを制御する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
また、カレンダ装置での紙ウェブの厚さプロファイル制御能力を補うため、カレンダ装置での紙ウェブの厚さプロファイル制御能力を越えないように、別途制御している水分プロファイル制御の制御出力を抑制することにより、厚さプロファイルを制御する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
前記の提案されている厚さプロファイルを制御する方法はいずれも、別の調節装置を用いて、紙ウェブの厚さプロファイル調節手段の能力を補い、カレンダ装置後の厚さプロファイルの矯正する方法であって、カレンダ装置前の紙ウェブの厚さプロファイルは均一にしようとするものではなく、カレンダ装置のロール幅方向の押し圧については考慮されていない。
【0010】
カレンダ装置前の紙ウェブの厚さプロファイルは均一であることが望ましく、厚さプロファイルが乱れた紙ウェブをカレンダ装置で処理すると、以下に説明するような問題が発生する。
【0011】
厚さプロファイルが乱れた紙ウェブを、カレンダ装置に備えられた紙ウェブの厚さプロファイル調節手段を用いて厚さプロファイルを均一に調節しようとすると、厚い部分の押し圧を大きくする必要があり、ロール幅方向の押し圧が不均一となる。
【0012】
その結果として、押し圧を大きくした部分で局所的にロール表面の摩耗が大きくなり、押し圧をさらに大きくしなければならなくなり、この循環によって厚さプロファイルの制御が難しいものとなり、さらにはロールの寿命を短くしてしまう。
【0013】
また、ロール幅方向の押し圧が不均一であれば、リーラーで紙ウェブを巻き取る際に張力が幅方向で不均一となるため、紙ウェブの巻き取りに一般にヨレと呼ばれる欠陥を引き起こす。
【0014】
また、ロール幅方向の押し圧が不均一であれば、紙表面の平滑や光沢といった厚さ以外の品質にも悪影響を及ぼす。
【0015】
【特許文献1】
特開平8−13376号公報
【特許文献2】
特開平5−195480号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これらの欠点を考慮し、抄紙後の紙ウェブの厚さプロファイルが均一となるように制御することができる抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記に鑑み鋭意検討した結果、本発明の紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を発明するに至った。
すなわち、第1の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法は、少なくとも、紙ウェブの厚さプロファイルを測定する工程Aと、プレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程Bとを含み、該工程Bが、紙ウェブの厚さプロファイルが均一となるようにプレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程であることを特徴とするものである。
【0018】
また、第2の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法は、少なくとも、紙ウェブの厚さプロファイルを測定する工程Aと、紙ウェブの水分プロファイルを調節する工程Cとを含み、該工程Cが、紙ウェブの厚さプロファイルが均一となるように紙ウェブの水分プロファイルを調節する工程であることを特徴とするものである。
【0019】
さらに、第3の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法は、少なくとも、紙ウェブの厚さプロファイルを測定する工程Aと、紙ウェブの水分プロファイルを測定する工程Dと、プレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程Bと、紙ウェブの水分プロファイルを調節する工程Cとを含み、該工程Bが、測定された厚さプロファイルから測定された水分プロファイルに比例係数を乗じたものを減じて得られるプロファイルが均一となるようにプレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程であり、該工程Cが、紙ウェブの水分プロファイルが均一となるように紙ウェブの水分プロファイルを調節する工程であることを特徴とするものである。
【0020】
上記第3の発明において、比例係数として、紙ウェブの水分変化量に対する紙ウェブの厚さ変化量を演算して得られる値を用いることを特徴とする。
【0021】
上記発明において、カレンダ装置を含み、前記紙ウェブの厚さプロファイルを測定する工程Aが、プレスパートよりも後段であり、かつカレンダ装置よりも前段で行われることを特徴とする。
【0022】
また、上記発明において、紙ウェブの絶乾坪量プロファイルを測定する工程Eと、紙ウェブの絶乾坪量プロファイルを調節する工程Fとを含み、該工程Fが、紙ウェブの絶乾坪量プロファイルが均一となるように調節する工程であることを特徴とする。
【0023】
さらに、上記発明において、紙ウェブの厚さプロファイルを調節する工程Gを備えたカレンダ装置と、該工程Gより後段で、紙ウェブの厚さプロファイルを測定する工程Aとを含み、該工程Gが、該工程Gより後段で測定した紙ウェブの厚さプロファイルが均一となるように調節を行うことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法について、詳細に説明する。
【0025】
本発明による紙ウェブの厚さプロファイル制御方法において、抄紙機における厚さプロファイルは、主として水分プロファイルとロールニップによる紙の圧縮状態とに影響を受けているという概念に基づいている。抄紙機における厚さプロファイルは、絶乾坪量プロファイルにも影響を受けるが、その影響度合いは大きくなく、また絶乾坪量プロファイルの調節によって厚さプロファイルの調節を行うには、絶乾坪量を大きく変化させる必要があり、品質上の問題となる。
【0026】
図1は、第1の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法の一実施形態を示す概念図である。
【0027】
図示しないヘッドボックスから供給された紙料は、図示しないワイヤパートで脱水されて紙ウェブ1を形成し、さらにプレスパート2で圧縮脱水され、さらにドライヤパート3で乾燥された後、最終的に図示しないリーラで巻き取られる。
【0028】
本発明では、少なくとも、厚さプロファイルを測定する工程A5およびプレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程B6を設ける。厚さプロファイルを測定する工程A5はプレスパート2よりも後段に設ける。
【0029】
本発明の紙ウェブの厚さプロファイル制御方法では、以下に説明する方法で紙ウェブの厚さプロファイルの制御を行う。
【0030】
まず、厚さプロファイルを測定する工程A5にて厚さプロファイルを取得する。次に、プレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程B6にて、前記厚さプロファイルが均一となるよう調節を行う。
【0031】
以上の制御方法を用いることにより、紙ウェブの厚さプロファイルを均一にすることが可能である。
【0032】
図2は、第2の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法の一実施形態を示す概念図である。
【0033】
前記の第1の発明と同様に、図示しないヘッドボックスから供給された紙料は、図示しないワイヤパートで脱水されて紙ウェブ1を形成し、さらにプレスパート2で圧縮脱水され、さらにドライヤパート3で乾燥された後、最終的に図示しないリーラで巻き取られる。
【0034】
本発明では、少なくとも、厚さプロファイルを測定する工程A5および水分プロファイルを調節する工程C7を設ける。厚さプロファイルを測定する工程A5はプレスパート2よりも後段に設ける。
【0035】
本発明の紙ウェブの厚さプロファイル制御方法では、以下に説明する方法で紙ウェブの厚さプロファイルの制御を行う。
【0036】
まず、厚さプロファイルを測定する工程A5にて厚さプロファイルを取得する。次に、水分プロファイルを調節する工程C6にて、前記厚さプロファイルが均一となるよう調節を行う。
【0037】
以上の制御方法を用いることにより、紙ウェブの厚さプロファイルを均一にすることが可能である。前述の第1の発明は、プレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節するすることにより、厚さプロファイルを制御する方法であるが、抄紙機によっては、幅方向のプレスロール線圧の調節工程が無い、あるいは、プレスロール線圧の調節工程があっても、ロールのクラウン調節とロール荷重の左右バランスしか持たない場合があり、第2の発明はこれに対処したものである。
【0038】
図3は、第3の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法の一実施形態を示す概念図である。
【0039】
前記の第1の発明および第2の発明と同様に、図示しないヘッドボックスから供給された紙料は、図示しないワイヤパートで脱水されて紙ウェブ1を形成し、さらにプレスパート2で圧縮脱水され、さらにドライヤパート3で乾燥された後、最終的に図示しないリーラで巻き取られる。
【0040】
本発明では、少なくとも、水分プロファイルを測定する工程D4および厚さプロファイルを測定する工程A5および水分プロファイルを調節する工程C6およびプレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程B7を設ける。水分プロファイルを測定する工程D4および厚さプロファイルを測定する工程A5はプレスパート2よりも後段に設ける。
【0041】
本発明の紙ウェブの厚さプロファイル制御方法では、以下に説明する方法で紙ウェブの厚さプロファイルの制御を行う。
【0042】
まず、厚さプロファイルを測定する工程A5で測定し得られた厚さプロファイルから、水分プロファイルを測定する工程D4で測定し得られた水分プロファイルに比例係数を乗じたものを減じて、幅方向でプレスロール線圧を調節するために用いるプロファイルを演算する。
【0043】
本発明によれば、前記比例係数には、厚さプロファイルを測定する工程A5で測定し、得られた厚さプロファイルと、水分プロファイルを測定する工程D4で測定し、得られた水分プロファイルとを用いて得られる水分変化量に対する厚さ変化量の値を用いることが望ましい。
【0044】
さらに、水分変化量に対する厚さ変化量の値は、製造する紙ウェブの紙質や坪量等で異なるので、製造する紙ウェブの種類ごとに前記比例係数を予め求めておくことが望ましい。
【0045】
次に、プレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程B7にて、前記求めた幅方向でプレスロール線圧を調節するために用いるプロファイルが均一となるよう調節を行い、さらに、水分プロファイルを調節する工程C6にて、水分プロファイルを測定する工程D4で測定し得られた水分プロファイルが均一となるように調節を行う。
【0046】
以上の制御方法を用いることにより、プレスパートにおける紙ウェブの幅方向の圧縮状態を制御しながら紙ウェブの厚さプロファイルを均一にすることが可能であり、例えば、紙ウェブの剛直度等の品質も向上させることができる。
【0047】
本発明によれば、前述のすべての発明において、さらに絶乾坪量プロファイルを測定する工程Eと絶乾坪量プロファイルを調節する工程Fを設け、絶乾坪量プロファイルが均一になるように制御することにより、坪量プロファイルが厚さプロファイルに及ぼす影響を打ち消すことができ、より精度良く厚さプロファイルを制御することが可能である。
【0048】
本発明によれば、前述のすべての発明において、さらに厚さプロファイルを調節する工程Gを備えたカレンダ装置とカレンダ装置の後段で厚さプロファイルを測定する工程Aを設け、カレンダ装置の後段での厚さプロファイルが均一になるように制御することにより、より精度良く厚さプロファイルを制御することが可能である。
【0049】
水分プロファイルを測定する工程Dおよび厚さプロファイルを測定する工程Aおよび絶乾坪量プロファイルを測定する工程Eでは、水分プロファイルおよび厚さプロファイルおよび絶乾坪量プロファイルを取得できればよく、いかなる装置を用いても良い。例えば、水分および厚さおよび坪量を測定するためのセンサーをスキャン装置を用いて紙幅方向に移動させ、水分プロファイルおよび厚さプロファイルおよび坪量プロファイルを取得し、絶乾坪量プロファイルは取得した水分プロファイルと坪量プロファイルから演算して取得する装置を用いることができる。
【0050】
水分プロファイルを調節する工程Cでは、水分プロファイルを調節できればよく、いかなる装置を用いても良い。例えば、蒸気を湿紙状態の紙ウェブに吹き付け、局所的に乾燥を促進させることで水分プロファイルを調節する装置を用いることができる。
【0051】
プレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程Bでは、プレスロール線圧を調節できればよく、いかなる装置を用いても良い。例えば、ロール内に幅方向の複数のゾーン毎に油圧装置を設けてロールの表面凹凸を変化させてプレスロール線圧を調節する装置を用いることができる。
【0052】
絶乾坪量プロファイルを調節する工程Fは、絶乾坪量プロファイルを調節できればよく、いかなる装置を用いても良い。例えば、ヘッドボックスのスライスリップの開度を幅方向で調節することで絶乾坪量プロファイルを調節する装置を用いることができる。
【0053】
カレンダ装置に備えられた厚さプロファイルを調節する工程Aでは、厚さプロファイルを調節できればよく、いかなる装置を用いても良い。例えば、誘導加熱方式等でロールの幅方向の温度を制御し、ロールに局所的な凹凸を付して厚さプロファイルを調節する装置を用いることができる。
【0054】
【実施例】
以下、図面に基づき本発明の実施例を説明する。
【0055】
実施例1
図4は、第1の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を適用した一実施例を示す概略図である。
【0056】
本実施例では、紙ウェブ11は、以下に説明する構成の抄紙機で製造される。
【0057】
本実施例の抄紙機は、ヘッドボックス12、ワイヤーパート13、プレスパート14、ドライヤパート15、カレンダ装置16、リーラ17を有する。
【0058】
さらに、本実施例の抄紙機は、ドライヤパート15とカレンダ装置16の間にプロファイル測定装置22を有し、カレンダ装置16とリーラ17の間にはプロファイル測定装置23を有する。プロファイル測定装置22は、坪量センサー、水分センサー、厚さセンサーを紙ウェブの幅方向に移動させて坪量プロファイル、水分プロファイル、厚さプロファイルを測定する。プロファイル測定装置23は厚さセンサーを紙ウェブの幅方向に移動させて厚さプロファイルを測定する。
【0059】
さらに、本実施例の抄紙機は、プレスパート14に備えられたプレスロール線圧調節装置18を有する。プレスロール線圧調節装置18は、プレスロールの内部の幅方向に複数配された油圧装置にてプレスロールの表面凹凸を調節することにより、プレスロール線圧の調節を行う。
【0060】
さらに、本実施例の抄紙機は、ヘッドボックス12に備えられた絶乾坪量プロファイル調節装置20を有する。絶乾坪量プロファイル調節装置20は、スライスリップの開度を幅方向で調節する装置を調節することにより、絶乾坪量プロファイルの調節を行う。
【0061】
さらに、本実施例の抄紙機は、カレンダ装置16に備えられた厚さプロファイル調節装置21を有する。厚さプロファイル調節装置21は、カレンダロールの幅方向に複数配された誘導加熱装置にてカレンダロールの表面凹凸を調節することにより、厚さプロファイルの調節を行う。
【0062】
さらに、本実施例の抄紙機は、コンピュータを2台有する。1台のコンピュータ24は、プロファイル測定装置23が測定した厚さプロファイルをコンピュータ内部に保持することができ、さらに厚さプロファイル調節装置21に対して操作量の指示を出すことができる。もう1台のコンピュータ25は、プロファイル測定装置22が測定した坪量プロファイル、水分プロファイル、厚さプロファイルをコンピュータ内部に保持することができ、さらにプレスロール線圧調節装置18および絶乾坪量プロファイル調節装置20に対して操作量の指示を出すことができる。
【0063】
以上、説明した構成の抄紙機において、以下に説明する方法で第1の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を実施した。
【0064】
コンピュータ25は、プロファイル測定装置22が測定した厚さプロファイルが均一となるようにプレスロール線圧調節装置18の操作量を求め、プレスロール線圧調節装置18を調節した。この工程をプロファイル測定装置22が厚さプロファイルを測定する毎に繰り返した。
【0065】
さらに、コンピュータ25は、プロファイル測定装置22が測定した坪量プロファイルおよび水分プロファイルから絶乾坪量プロファイルを求め、該求めた絶乾坪量プロファイルが均一となるように絶乾坪量プロファイル調節装置20の操作量を求め、絶乾坪量プロファイル調節装置20を調節した。この工程をプロファイル測定装置22が坪量プロファイルおよび水分プロファイルを測定する毎に繰り返した。
【0066】
さらに、コンピュータ24は、プロファイル測定装置23が測定した厚さプロファイルが均一となるように厚さプロファイル調節装置21の操作量を求め、厚さプロファイル調節装置21を調節した。この工程をプロファイル測定装置23が厚さプロファイルを測定する毎に繰り返した。
【0067】
以上説明した方法を用い、第1の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を実施した結果、ロール線圧調節装置18を調節しない場合と比べ、プロファイル測定装置22が測定した厚さプロファイルおよびプロファイル測定装置23が測定した厚さプロファイルを均一とすることができた。
【0068】
実施例2
図5は、第2の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を適用した一実施例を示す概略図である。
【0069】
本実施例では、紙ウェブ31は、以下に説明する構成の抄紙機で製造される。
【0070】
本実施例の抄紙機は、ヘッドボックス32、ワイヤーパート33、プレスパート34、ドライヤパート35、カレンダ装置36、リーラ37を有する。
【0071】
さらに、本実施例の抄紙機は、ドライヤパート35とカレンダ装置36の間にプロファイル測定装置42を有し、カレンダ装置36とリーラ37の間にはプロファイル測定装置43を有する。プロファイル測定装置42は、坪量センサー、水分センサー、厚さセンサーを紙ウェブの幅方向に移動させて坪量プロファイル、水分プロファイル、厚さプロファイルを測定する。プロファイル測定装置43は厚さセンサーを紙ウェブの幅方向に移動させて厚さプロファイルを測定する。
【0072】
さらに、本実施例の抄紙機は、プレスパート34に備えられた水分プロファイル調節装置39を有する。水分プロファイル調節装置39は幅方向に複数配された蒸気噴きつけ装置にて水分プロファイルの調節を行う。
【0073】
さらに、本実施例の抄紙機は、ヘッドボックス32に備えられた絶乾坪量プロファイル調節装置40を有する。絶乾坪量プロファイル調節装置40は、スライスリップの開度を幅方向で調節する装置を調節することにより、絶乾坪量プロファイルの調節を行う。
【0074】
さらに、本実施例の抄紙機は、カレンダ装置36に備えられた厚さプロファイル調節装置41を有する。厚さプロファイル調節装置41は、カレンダロールの幅方向に複数配された誘導加熱装置にてカレンダロールの表面凹凸を調節することにより、厚さプロファイルの調節を行う。
【0075】
さらに、本実施例の抄紙機は、コンピュータを2台有する。1台のコンピュータ44は、プロファイル測定装置43が測定した厚さプロファイルをコンピュータ内部に保持することができ、さらに厚さプロファイル調節装置41に対して操作量の指示を出すことができる。もう1台のコンピュータ45は、プロファイル測定装置42が測定した坪量プロファイル、水分プロファイル、厚さプロファイルをコンピュータ内部に保持することができ、さらに水分プロファイル調節装置39および絶乾坪量プロファイル調節装置40に対して操作量の指示を出すことができる。
【0076】
本実施例の抄紙機は、プレスロール線圧調節のためにロールクラウンを調節する装置を備えているが、該装置は幅方向複数の位置でのロール線圧の調節はできない。
【0077】
以上、説明した構成の抄紙機において、以下に説明する方法で第2の発明の紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を実施した。
【0078】
予め、プロファイル測定装置42が測定した厚さプロファイルと水分プロファイルから、水分変化量に対する厚さ変化量の値を演算し、該求められた値を係数としてコンピュータ65に設定した。
【0079】
コンピュータ45は、プロファイル測定装置42が測定した厚さプロファイルからプロファイル測定装置42が測定した水分プロファイルに前記設定した係数を乗じたものを減ずることによりプレスロールの線圧を調節するためのプロファイルを求め、該求めたプロファイルが均一となるようにプレスロール線圧調節装置38の操作量を求め、プレスロール線圧調節装置38を調節した。この工程をプロファイル測定装置42が厚さプロファイルおよび水分プロファイルを測定する毎に繰り返した。
【0080】
さらに、コンピュータ45は、プロファイル測定装置42が測定した水分プロファイルが均一となるように水分プロファイル調節装置39の操作量を求め、水分プロファイル調節装置39を調節した。この工程をプロファイル測定装置42が水分プロファイルを測定する毎に繰り返した。
【0081】
さらに、コンピュータ45は、プロファイル測定装置42が測定した坪量プロファイルおよび水分プロファイルから絶乾坪量プロファイルを求め、該求めた絶乾坪量プロファイルが均一となるように絶乾坪量プロファイル調節装置40の操作量を求め、絶乾坪量プロファイル調節装置40を調節した。この工程をプロファイル測定装置42が坪量プロファイルおよび水分プロファイルを測定する毎に繰り返した。
【0082】
さらに、コンピュータ44は、プロファイル測定装置43が測定した厚さプロファイルが均一となるように厚さプロファイル調節装置41の操作量を求め、厚さプロファイル調節装置41を調節した。この工程をプロファイル測定装置43が厚さプロファイルを測定する毎に繰り返した。
【0083】
以上、説明した方法を用い、第2の発明の紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を実施した結果、本実施例のようにプレスパートで幅方向でプレスロールの線圧を調節できる手段がなくても、プロファイル測定装置42が測定した厚さプロファイルおよびプロファイル測定装置43が測定した厚さプロファイルを均一とすることができた。
【0084】
実施例3
図6は、第3の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を適用した一実施例を示す概略図である。
【0085】
本実施例では、紙ウェブ51は、以下に説明する構成の抄紙機で製造される。
【0086】
本実施例の抄紙機は、ヘッドボックス52、ワイヤーパート53、プレスパート54、ドライヤパート55、カレンダ装置56、リーラ57を有する。
【0087】
さらに、本実施例の抄紙機は、ドライヤパート55とカレンダ装置56の間にプロファイル測定装置62を有し、カレンダ装置56とリーラ57の間にはプロファイル測定装置63を有する。プロファイル測定装置62は、坪量センサー、水分センサー、厚さセンサーを紙ウェブの幅方向に移動させて坪量プロファイル、水分プロファイル、厚さプロファイルを測定する。プロファイル測定装置63は厚さセンサーを紙ウェブの幅方向に移動させて厚さプロファイルを測定する。
【0088】
さらに、本実施例の抄紙機は、プレスパート54に備えられたプレスロール線圧調節装置58を有する。プレスロール線圧調節装置58は、プレスロールの内部の幅方向に複数配された油圧装置にてプレスロールの表面凹凸を調節することにより、プレスロール線圧の調節を行う。
【0089】
さらに、本実施例の抄紙機は、プレスパート54に備えられた水分プロファイル調節装置59を有する。水分プロファイル調節装置59は幅方向に複数配された蒸気噴きつけ装置にて水分プロファイルの調節を行う。
【0090】
さらに、本実施例の抄紙機は、ヘッドボックス52に備えられた絶乾坪量プロファイル調節装置60を有する。絶乾坪量プロファイル調節装置60は、スライスリップの開度を幅方向で調節する装置を調節することにより、絶乾坪量プロファイルの調節を行う。
【0091】
さらに、本実施例の抄紙機は、カレンダ装置56に備えられた厚さプロファイル調節装置61を有する。厚さプロファイル調節装置61は、カレンダロールの幅方向に複数配された誘導加熱装置にてカレンダロールの表面凹凸を調節することにより、厚さプロファイルの調節を行う。
【0092】
さらに、本実施例の抄紙機は、コンピュータを2台有する。1台のコンピュータ64は、プロファイル測定装置63が測定した厚さプロファイルをコンピュータ内部に保持することができ、さらに厚さプロファイル調節装置61に対して操作量の指示を出すことができる。もう1台のコンピュータ65は、プロファイル測定装置62が測定した坪量プロファイル、水分プロファイル、厚さプロファイルをコンピュータ内部に保持することができ、さらにプレスロール線圧調節装置58および水分プロファイル調節装置59および絶乾坪量プロファイル調節装置60に対して操作量の指示を出すことができる。
【0093】
以上、説明した構成の抄紙機において、以下に説明する方法で本発明のうちの第3の発明の紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を実施した。
【0094】
予め、プロファイル測定装置62が測定した厚さプロファイルと水分プロファイルから、水分変化量に対する厚さ変化量の値を演算し、該求められた値を係数としてコンピュータ65に設定した。
【0095】
コンピュータ65は、プロファイル測定装置62が測定した厚さプロファイルからプロファイル測定装置62が測定した水分プロファイルに前記設定した係数を乗じたものを減ずることによりプレスロールの線圧を調節するためのプロファイルを求め、該求めたプロファイルが均一となるようにプレスロール線圧調節装置58の操作量を求め、プレスロール線圧調節装置58を調節した。この工程をプロファイル測定装置62が厚さプロファイルおよび水分プロファイルを測定する毎に繰り返した。
【0096】
さらに、コンピュータ65は、プロファイル測定装置62が測定した水分プロファイルが均一となるように水分プロファイル調節装置59の操作量を求め、水分プロファイル調節装置59を調節した。この工程をプロファイル測定装置62が水分プロファイルを測定する毎に繰り返した。
【0097】
さらに、コンピュータ65は、プロファイル測定装置62が測定した坪量プロファイルおよび水分プロファイルから絶乾坪量プロファイルを求め、該求めた絶乾坪量プロファイルが均一となるように絶乾坪量プロファイル調節装置60の操作量を求め、絶乾坪量プロファイル調節装置60を調節した。この工程をプロファイル測定装置62が坪量プロファイルおよび水分プロファイルを測定する毎に繰り返した。
【0098】
さらに、コンピュータ64は、プロファイル測定装置63が測定した厚さプロファイルが均一となるように厚さプロファイル調節装置61の操作量を求め、厚さプロファイル調節装置61を調節した。この工程をプロファイル測定装置63が厚さプロファイルを測定する毎に繰り返した。
【0099】
以上、説明した方法を用い、第3の発明の紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を実施した結果、水分プロファイル調節装置59およびロール線圧調節装置58を調節しない場合と比べ、プロファイル測定装置62が測定した厚さプロファイルおよびプロファイル測定装置63が測定した厚さプロファイルを均一とすることができ、さらに紙ウェブの幅方向の剛直度分布も良化した。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法によれば、抄紙後の紙ウェブの厚さプロファイルが均一となるように制御することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法の一実施形態を示す概念図である。
【図2】第2の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法の一実施形態を示す概念図である。
【図3】第3の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法の一実施形態を示す概念図である。
【図4】第1の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を適用した一実施例を示す概略図である。
【図5】第2の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を適用した一実施例を示す概略図である。
【図6】第3の発明の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法を適用した一実施例を示す概略図である。
【符号の説明】
1、11、31、51 紙ウェブ
12、32、52 ヘッドボックス
13、33、53 ワイヤーパート
2、14、34、54 プレスパート
3、15、35、55 ドライヤパート
16、36、56 カレンダ装置
17、37、57 リーラ
18、38、58 プレスロール線圧調節装置
19、39、59 水分プロファイル調節装置
20、40、60 絶乾坪量プロファイル調節装置
21、41、61 厚さプロファイル調節装置
22、23、42、43、62、63 プロファイル測定装置
24、25、44、45、64、65 コンピュータ
4 紙ウェブの水分プロファイルを測定する工程D
5 紙ウェブの厚さプロファイルを測定する工程A
6 紙ウェブの水分プロファイルを調節する工程C
7 プレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程B
Claims (7)
- 抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法において、少なくとも、紙ウェブの厚さプロファイルを測定する工程Aと、プレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程Bとを含み、該工程Bが、紙ウェブの厚さプロファイルが均一となるようにプレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程であることを特徴とする抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法。
- 抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法において、少なくとも、紙ウェブの厚さプロファイルを測定する工程Aと、紙ウェブの水分プロファイルを調節する工程Cとを含み、該工程Cが、紙ウェブの厚さプロファイルが均一となるように紙ウェブの水分プロファイルを調節する工程であることを特徴とする抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法。
- 抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法において、少なくとも、紙ウェブの厚さプロファイルを測定する工程Aと、紙ウェブの水分プロファイルを測定する工程Dと、プレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程Bと、紙ウェブの水分プロファイルを調節する工程Cとを含み、該工程Bが、測定された厚さプロファイルから測定された水分プロファイルに比例係数を乗じたものを減じて得られるプロファイルが均一となるようにプレスパートにて幅方向でプレスロール線圧を調節する工程であり、該工程Cが、
紙ウェブの水分プロファイルが均一となるように紙ウェブの水分プロファイルを調節する工程であることを特徴とする抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法。 - 比例係数として、紙ウェブの水分変化量に対する紙ウェブの厚さ変化量を演算して得られる値を用いることを特徴とする請求項3記載の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法。
- カレンダ装置を含み、前記紙ウェブの厚さプロファイルを測定する工程Aが、プレスパートよりも後段であり、かつカレンダ装置よりも前段で行われること、を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法。
- 紙ウェブの絶乾坪量プロファイルを測定する工程Eと、紙ウェブの絶乾坪量プロファイルを調節する工程Fとを含み、該工程Fが、紙ウェブの絶乾坪量プロファイルが均一となるように調節する工程であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法。
- 紙ウェブの厚さプロファイルを調節する工程Gを備えたカレンダ装置と、該工程Gより後段で、紙ウェブの厚さプロファイルを測定する工程Aとを含み、該工程Gが、該工程Gより後段で測定した紙ウェブの厚さプロファイルが均一となるように調節を行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の抄紙機における紙ウェブの厚さプロファイル制御方法。
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2003
- 2003-03-13 JP JP2003068679A patent/JP2004277899A/ja active Pending
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