JPH0813222A - カツラベースとしての人工皮膚又はネット - Google Patents

カツラベースとしての人工皮膚又はネット

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JPH0813222A
JPH0813222A JP17163194A JP17163194A JPH0813222A JP H0813222 A JPH0813222 A JP H0813222A JP 17163194 A JP17163194 A JP 17163194A JP 17163194 A JP17163194 A JP 17163194A JP H0813222 A JPH0813222 A JP H0813222A
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wig base
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Tetsuo Inoue
哲夫 井上
Yoshiji Marutani
芳司 丸谷
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 人毛及び/又は人工毛を取り付けるベースに
金属酸化物(含有繊維)を少なくとも一部保有せしめて
なるカツラベース。 【効果】 本カツラベースは、放熱効果が高く、蒸れ現
象がなく、涼感があり、頭皮に対してカブレ、カユミ、
炎症等のトラブルをひき起すことがないので、不快感な
く長時間装着することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカツラベースの人工皮膚
又はネットに関する。さらに詳しくは、本発明はカツラ
を頭部に装着した時に発生する蒸れ現象の解消及び頭皮
を清潔にし、頭皮を正常に保つためのカツラベースの人
工皮膚又はネットに関する。
【0002】
【従来の技術】カツラを製造するにあたり、人毛又は人
工毛を取り付けるベースとしての人工皮膚又はネットは
必要不可欠のものである。特に人工皮膚については透湿
性、通気性の性能を高める頭皮に負担をかけないための
試みが行なわれているが、実際の使用者からは、熱がこ
もる、蒸れ現象の問題がいまだ解消されておらず、その
結果、雑菌、常在菌増殖によるカブレ、炎症等が発生し
やすい環境となり、頭皮に対する負担から、時には、カ
ツラを装着する事により、脱毛が進行する事も有りう
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のカツラベースの
素材のみの使用では、頭皮に熱がこもる、蒸れ現象を避
けることができないという問題点がある。
【0004】そこで本発明の目的は、従来技術の問題点
を解決し、頭皮に対し放熱効果にすぐれ、蒸れ現象をな
くし、使用者の不快感を解消し、さらに殺菌効果によ
り、カブレ、炎症等を防ぐカツラベースの人工皮膚又は
ネットを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであって、各方面から研究し
た結果、従来の素材からなるカツラのベースに金属酸化
物及び/又は金属酸化物含有繊維を保有せしめることに
より、上記目的の達成に成功したものである。以下、本
発明を詳述する。
【0006】本発明を実施するには、人毛及び/又は人
工毛を取り付けるベースに、金属酸化物(含有繊維)を
少なくとも一部保有せしめるのであるが、ベースとして
は、軟質ポリ塩化ビニル、ウレタン、ナイロン、シリコ
ンゴム、キトサン又はその誘導体、キチン又はその誘導
体、不織布、不織紙その他従来の素材からなるカツラ用
のベースがすべて使用できる。
【0007】そしてそのベースの形状としては、シート
状の人工皮膚タイプのもの、繊維状のネットタイプのも
の、及びこれらをミックスしたタイプのものが適宜使用
可能である。なお、本発明において、繊維には、通常の
繊維のほか、繊維を編成ないし集束してなる細糸ないし
繊維束も包含するものである。
【0008】本発明においては、このベースに金属酸化
物(含有繊維)を少なくとも一部保有せしめるのである
が、その態様としては、例えばシート状ベースの場合、
金属酸化物(粉末)をシートの内部全体又は一部に混入
せしめたり、シート表面及び/又は裏面の全体又は一部
に適用すればよい。適用方法としては、熱、接着剤、溶
剤による密着、ロールコーティング法、メッキ、含浸
法、スプレー法、その他常用される方法が適宜利用可能
であって、シート表面及び/又は裏面の全体又は一部を
コーティングすればよい。
【0009】また更に、金属酸化物(粉末)に加えて、
金属酸化物含有繊維を、上記のように、シート表面及び
/又は裏面の全体又は一部に適用することができ、特に
シート裏面(下面ないし下部:頭皮と接触する面)に適
用した場合、衛生面及び装着感の面からも特にすぐれた
効果が奏される。
【0010】また、ベースがネットタイプの場合、金属
酸化物含有繊維については、そのまま、使用することが
できるが、通常の繊維と集束したりあるいは編成したり
することも可能であり、更にこの上から金属酸化物でコ
ーティングすることも可能である。本発明において、金
属酸化物含有繊維は、上記したシート状ベースの場合と
同様にして作成すればよい。なお、本発明においては、
上記の態様のみに限定されることなく、金属酸化物(含
有繊維)をベースの少なくとも一部に保有せしめる態様
がすべて包含される。
【0011】本発明においては、金属酸化物を使用する
点がひとつの重要な特徴であり、例えば、銅、亜鉛、チ
タン、白金、銀の各種酸化物が単用ないし2種以上併用
できるが、熱の放射性にすぐれ及び/又は殺菌性にすぐ
れている金属酸化物であれば、上記に限定されることな
く広範に且つ必要量使用することが可能である。金属酸
化物をベース内に含有せしめる場合、含有量としては、
0.1〜30%、好ましくは5〜10%程度であるが、
必要に応じて増減することが可能である。なお、金属酸
化物の非限定的具体例は次のとおりである。
【0012】酸化銅(酸化第一銅、酸化第二銅、三二酸
化銅その他);酸化亜鉛(亜酸化亜鉛、酸化亜鉛その
他);酸化チタン(一酸化チタン、三二酸化チタン、二
酸化チタン、過酸化チタンその他);酸化白金(酸化第
一白金、三二酸化白金、四三酸化白金、酸化第二白金、
三酸化白金、四酸化白金その他);酸化銀(酸化銀
(I)、酸化銀(II)、Ag23その他)。
【0013】金属酸化物は、精製品が使用されるほか、
粗製品であっても、皮膚に悪影響を及ぼさない限り、自
由に使用することができる。また、これらを混用するこ
ともできる。
【0014】
【実施例】以下、本発明について更に具体的に説明す
る。
【0015】
【実施例1】常法にしたがって軟質ポリ塩化ビニルによ
るカツラベースを製造する際、酸化銅(銅酸化物の混合
物)を0.1〜30%、好ましくは5〜10%添加し
て、酸化亜鉛を内部に均一に含有せしめたカツラベース
を製造した。
【0016】
【実施例2】ナイロン繊維に酸化亜鉛で厚さ0.1〜
0.2μm程度メッキして金属酸化物含有繊維を製造し
た。この繊維を編成して細糸状(10メッシュ)とな
し、これを用いてネット状のカツラベースを製造した。
【0017】
【実施例3】酸化第一銅を10%含有したナイロン繊維
を編成して細糸(10メッシュ)を製造した。得られた
細糸を、ナイロン繊維にポリウレタンをコーティングし
てなるナイロンとポリウレタンの強化複合材の裏面に、
2mmの間隔で縦方向及び横方向に熱加工により密着せ
しめた。
【0018】得られたカツラベースを、成人50名(男
性40名、女性10名)に着用し、涼感等の官能テスト
を行った。対象成人は、10代〜50代の成人であっ
て、頭髪が非常に少ないグループ(I)と頭髪が少ない
グループ(II)に分けて行い、ナイロンとポリウレタン
の強化複合材のみからなる従来素材のカツラベースとの
比較を、下記の基準にしたがって評価した。
【0019】評価基準 A:涼感がある B:差異なし C:蒸れを感じる D:不快感 得られた結果を下記表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】上記結果から明らかなように、本実施例に
係るカツラベースは、汗や水蒸気を外部に発散させるた
めの微細孔を形成しなかったにもかかわらず、ほとんど
すべての人が涼感を得ており、従来のカツラベースのよ
うな蒸れを感じ、不快感を得た人は皆無であった。
【0022】なお、このカツラベースを背中の毛を剃り
取ったラット(5頭)上に装着した。2週間経過後も、
皮膚には炎症その他のトラブルは認められなかった。こ
れに対して、ナイロンとポリウレタンの強化複合材のみ
のカツラベース(コントロール)を装着したラット(5
頭)は、程度に差はあるものの、いずれも、皮膚に炎症
が生じるのが認められた。この結果から、本発明に係る
カツラベースには、涼感の付与のほか、殺菌、カユミや
発赤の防止ないし抗炎症作用もあることが確認された。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、金属酸化物(含有繊
維)をカツラベースに使用するという新規な構成を採用
したことにより、放熱効果により、熱さ、蒸れ現象を解
消し、殺菌効果による頭皮のカブレ、炎症等のトラブル
を解消し、頭皮に対して、違和感なく、頭皮を正常に保
つ事ができ、カツラ使用者に不快感なく、長時間装着す
る事ができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人毛及び/又は人工毛を取り付けるベー
    スに金属酸化物及び/又は金属酸化物含有繊維を少なく
    とも一部保有せしめてなることを特徴とするカツラベー
    ス。
  2. 【請求項2】 ベースがシート状の人工皮膚及び/又は
    繊維からなるネットであることを特徴とする請求項1に
    記載のカツラベース。
  3. 【請求項3】 金属酸化物及び/又は金属酸化物含有繊
    維をベース表面の一部又は全部に有することを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載のカツラベース。
  4. 【請求項4】 ベースが金属酸化物をその内部に含有し
    てなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか
    1項に記載のカツラベース。
  5. 【請求項5】 更に、ベースが繊維からなるネットであ
    る場合、繊維として金属酸化物含有繊維を用いてなるこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記
    載のカツラベース。
  6. 【請求項6】 人毛及び/又は人工毛を取り付けるベー
    スの下面の少なくとも一部に金属酸化物及び/又は金属
    酸化物含有繊維を熱加工等により密着せしめてなること
    を特徴とするカツラベース。
  7. 【請求項7】 金属酸化物が、銅、亜鉛、チタン、白
    金、銀からなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属
    の酸化物であることを特徴とする請求項1〜請求項6の
    いずれか1項に記載のカツラベース。
  8. 【請求項8】 繊維として、更に、繊維を編成してなる
    細糸を包含することを特徴とする請求項1〜請求項7の
    いずれか1項に記載のカツラベース。
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