JPH081291B2 - 流動床式焼却炉の空気分散ノズル - Google Patents

流動床式焼却炉の空気分散ノズル

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JPH081291B2
JPH081291B2 JP13930791A JP13930791A JPH081291B2 JP H081291 B2 JPH081291 B2 JP H081291B2 JP 13930791 A JP13930791 A JP 13930791A JP 13930791 A JP13930791 A JP 13930791A JP H081291 B2 JPH081291 B2 JP H081291B2
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JP
Japan
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alloy
air dispersion
nozzle
dispersion nozzle
fluidized bed
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三千寿 井藤
紘一 武田
洋之 小川
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流動床式焼却炉の流動
層部の下方に堆積した流動媒体に空気を吹き込んで、該
流動媒体を流動化するために、炉床面より流動媒体中に
突出するように設置された空気分散ノズルに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、流動床式焼却炉の空気分散ノズル
には、Cr鋳鋼あるいはSUS316等の高Cr合金あ
るいはNi−Cr合金が使用されている。しかしなが
ら、近年産業廃棄物、ゴミ等の燃焼物中にはプラスチッ
ク類、ゴム等が多く含まれるようになり、それらの燃焼
生成物には多量のV、Na、S、Clを含有する場合が
多く、空気分散ノズル表面には、V2 5 、Na2 SO
4 、NaCl等を含有する低融点化合物が形成され、そ
の結果、該ノズル表面に形成されたスケールが溶融して
腐食する、いわゆるホットコロージョンと、流動媒体で
ある、高温の砂によるサンドエロージョンが同時に発生
するサンドエロージョン・コロージョンにより損傷さ
れ、該ノズル交換頻度が増している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記、従来の空気分散
ノズルではV2 5 、Na2 SO4 、NaCl等が存在
する高温の流動燃焼環境においては、サンドエロージョ
ン・コロージョン損傷が避け難く、流動床式焼却炉の安
定な連続的運転に支障がある。本発明の目的は、V2
5 、Na2 SO4 、NaCl等が存在する高温の流動燃
焼環境において、高温での耐サンドエロージョン・コロ
ージョン性に優れた空気分散ノズルを提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】空気分散ノズル表面に形
成された酸化スケール中に、V2 5 、Na2 SO4
NaCl等が混入する環境における耐食性は、一般にO
2 含有量の高い高温酸化環境においては、Cr含有量の
高い合金が耐食性が高い。しかし近年の産業廃棄物、ゴ
ミ等を燃焼する流動床式焼却炉においては、通常、原
油、重油、タール、石炭等を燃料としており、NOx
減対策上、燃焼環境におけるO2 含有量を低減してい
る。このため、当該環境においては高Cr含有量の合金
が必ずしも耐食性を有していないことが知られている。
【0005】V2 5 、Na2 SO4 、NaCl等がス
ケール中に形成される環境においては、合金表面に形成
されるスケール内で低融点化合物(例えば、NaCl・
Na 2 SO4 共晶化合物)を生成する。その結果、合金
表面のスケールが局所的に溶融して保護性スケールが消
失するために、腐食速度が異常に大きくなる。局所的な
スケールの溶融は、最初にスケール内に形成される低融
点化合物の融液の中に合金のスケール(例えば、Fe2
3 )が溶解することにより発生する。
【0006】さらに上述したように、流動媒体である、
高温の砂によるサンドエロージョンが腐食速度を増加さ
せる。このため、上記融液に溶融し難いスケール組成に
することが、当該環境における使用合金の耐食性を高め
るために有効である。換言すれば、そのような組成のス
ケールを形成する合金成分を設定することが必要であ
る。
【0007】また、本発明の空気分散ノズルは高温の燃
焼環境において流動砂によるサンドエロージョン損傷を
受けるため、マトリックスの強化と共に巨大析出物の形
成を抑制する必要がある。炭化物、窒化物、金属間化合
物の微細な析出は、マトリックスを強化し、耐エロージ
ョン性を高めるが、粒界、粒内を問わず、これら析出物
が成長すると、むしろ耐エロージョン性を劣化せしめ
る。従ってこれらの析出物の成長を抑制する合金組成を
選ぶ必要がある。
【0008】Cr炭化物のみを析出する合金では、炭化
物の粗大化を生じ、耐エロージョン性が劣化すると共
に、Cr欠乏域の発達も助長されて、粒界侵食の原因と
もなる。一般にCo基合金はNi基合金に比べ高温腐食
性に優れると共に、高温における硬度、強度に優れるこ
とは良く知られている。
【0009】以上の知見に基づいて、種々の合金組成を
検討した結果得られた本発明の要旨は以下の通りであ
る。 (1) 流動床式焼却炉の炉表面より流動媒体中に突出
するように設置されて使用される空気分散ノズルにおい
て、該ノズル成分が重量%で、C:0.1〜1.5%、
Cr:15〜35%、Ni:0.1〜3.5%、W:3
〜6%、Fe:1〜3%、残部がCoおよび不可避不純
物からなる合金であることを特徴とする流動床式焼却炉
の空気分散ノズル。
【0010】(2) Cr合金あるいはNi−Cr合金
製の空気分散ノズル表面に、前項1記載の合金被覆層を
形成したことを特徴とする流動床式焼却炉の空気分散ノ
ズル。 本発明の空気分散ノズルは、上記組成の合金で製造され
る。さらには、従来使用されているCr合金あるいはN
i−Cr合金製の空気分散ノズル表面に、上記の合金被
覆層を形成することによっても達成できる。特に炭化
物、窒化物、金属間化合物が微細に分散析出した該合金
被覆層の形成は、上記組成の鋳造合金以上の耐エロージ
ョン・コロージョン特性を示すことが明らかとなった。
【0011】該合金被覆層は、該ノズル全表面に被覆す
ることが好ましいが、最も激しくエロージョン・コロー
ジョン損傷を受ける、該ノズル上面にのみ被覆してもそ
の効果は大きい。該合金被覆層の形成方法は、溶射法、
プラズマ粉体肉盛り法、PVD、CVD等の表面被覆法
が利用できるが、本発明の実施には比較的短時間に厚膜
の被覆層が形成可能で、溶射中の皮膜酸化を生ぜず、微
細で緻密な結晶粒が得られる減圧プラズマ溶射法が好適
である。
【0012】以下に本発明の空気分散ノズルを構成する
合金の成分限定理由を述べる。Cは炭化物を形成し、こ
れら炭化物が微細分散析出することによってマトリック
スを強化し、耐エロージョン性を高める効果があり、
0.1%以上を添加することによってその効果が奏され
る。しかしC含有量が1.5%を超えると巨大炭化物が
析出し、むしろ耐エロージョン性を劣化させる。
【0013】Crは低融点スケール形成による異常腐食
を抑制する耐食酸化膜を形成する主要元素であり、かつ
強力な炭化物形成元素である。このためのCr含有量は
15〜35%が最適範囲である。35%を超えるCrの
含有は、巨大炭化物を析出し、耐食性、耐エロージョン
性ともに劣化させる。Wも強力な炭化物形成元素であ
り、微細析出したW炭化物はマトリックスを強化し、耐
エロージョン性を高める効果があり、3%以上でその効
果が奏される。しかし6%を超えるWの含有は巨大炭化
物や金属間化合物を析出し、低融点スケールによる異常
腐食を助長する。
【0014】NiはCo、Crとともに耐食酸化膜を形
成する主要元素であり、0.1%以上の添加でその効果
は奏されるが、Coベースの本合金では、3.5%を超
えて含有しても耐食性改善効果は小さく、むしろ耐エロ
ージョン性を劣化させる。Feを添加することにより、
スピネル型の安定な耐食酸化膜が形成される。過剰な添
加は耐食性、耐エロージョン性ともに劣化させるので1
〜3%に限定される。
【0015】以下、実施例により本発明を更に詳細に説
明する。
【0016】
【実施例】実施例1 本発明に基づく鋳造合金Aおよび市販SUS316板材
表面上に減圧プラズマ溶射した本発明に基づく溶射被覆
層B、C、Dならびに比較材として同一条件で溶射被覆
した合金E、Fおよび鋳造合金Gについてブラストエロ
ージョン試験法によりサンドエロージョン特性を比較し
た。尚、比較材の鋳造合金Gは、従来散気ノズルに使用
されている高クロム耐熱鋳鋼であり、溶射被覆層B〜F
の溶射皮膜厚みは各々、約1mmとした。
【0017】試験片形状はいずれも60mm×50mm
×5mmで、ブラストエロージョン試験は吸引回収式ブ
ラスト装置を使用し、JIS H8664に準じた。ブ
ラスト材として炭化ケイ素(SiC#24)を使用し
た。試験条件はノズル径10mmφ、ノズル−試験片間
距離100mm、ブラスト圧力4.5Kg/cm2 、ブ
ラスト角度30度とし、ブラスト時間と各試験片の摩耗
量の関係を求めた。
【0018】各合金の組成(重量%)を表1に、LPP
S溶射条件を表2に、ブラストエロージョン試験結果を
図1にそれぞれ示す。図1の結果から、本発明に基づく
合金Aおよび本発明に基づく溶射被覆層B、C、Dはい
ずれも比較材E、F、Gに比して優れたサンドエロージ
ョン特性を示している。又鋳造合金Aと溶射被覆層B、
C、Dの比較では、溶射被覆層がよりサンドエロージョ
ン特性に優れていることがわかる。
【0019】実施例2 動床式焼却炉の空気分散ノズルには従来高クロム耐熱鋳
鋼(表1中の比較材G)が使用されている。従来使用さ
れている鋳造ノズルと同一形状の、表1に示す組成の本
発明に基づく合金Aを鋳造して空気分散ノズルを作製し
た。更に従来使用されている高クロム耐熱鋳鋼鋳造ノズ
ル表面に、表1に示す組成の本発明に基づく溶射被覆層
B、Cおよび比較材Eを、それぞれ実施例1と同様の条
件で減圧プラズマ溶射法により溶射した。溶射被覆層の
厚みは各々、約1mmとした。
【0020】これら5種類の空気分散ノズルを、実稼働
中の流動床式焼却炉の炉床面に設置し、6ケ月間の連続
運転後の各ノズルの重量減少量を測定した。測定した重
量減少量から以下の式により重量減少率を求めた。 重量減少率=[(各合金の使用前重量)−(各合金の使
用後重量)]/[(従来使用ノズルの使用前重量)−
(使用後重量)] 結果を表3に示した。表3の結果から本発明のノズルの
重量減少率は、従来の鋳造ノズルに比較して小さく、耐
エロージョン・コロージョン特性に優れていることがわ
かる。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【発明の効果】以上説明したごとく本発明によれば、V
2 5 、Na2 SO4 、NaCl等が存在する高温の流
動燃焼環境において、高温での耐サンドエロージョン・
コロージョン性に優れた空気分散ノズルを提供すること
が可能で、流動床式焼却炉の安定な連続的運転が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブラスト時間と摩耗量の関係を示すグラフであ
る。
【図2】表面に合金被覆層を形成した本発明の空気分散
ノズルの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 空気分散ノズル 2 合金被覆層 3 空気通路 4 空気噴出口 5 雄ネジ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動床式焼却炉の炉床面より流動媒体中
    に突出するように設置されて使用される空気分散ノズル
    において、該ノズル成分が重量%で、C:0.1〜1.
    5%、Cr:15〜35%、Ni:0.1〜3.5%、
    W:3〜6%、Fe:1〜3%、残部がCoおよび不可
    避不純物からなる合金であることを特徴とする流動床式
    焼却炉の空気分散ノズル。
  2. 【請求項2】 Cr合金、あるいはNi−Cr合金製の
    空気分散ノズル表面に、請求項1記載の合金被覆層を形
    成したことを特徴とする流動床式焼却炉の空気分散ノズ
    ル。
JP13930791A 1991-06-11 1991-06-11 流動床式焼却炉の空気分散ノズル Expired - Lifetime JPH081291B2 (ja)

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JPH04366308A JPH04366308A (ja) 1992-12-18
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101488705B1 (ko) * 2014-06-23 2015-02-04 이보엠텍 주식회사 유동층 연소로용 공기 분사노즐

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101488705B1 (ko) * 2014-06-23 2015-02-04 이보엠텍 주식회사 유동층 연소로용 공기 분사노즐

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Effective date: 19960709