JPH08129018A - 非接触モ−ド原子間力顕微鏡/静電容量顕微鏡複合装置 - Google Patents

非接触モ−ド原子間力顕微鏡/静電容量顕微鏡複合装置

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JPH08129018A
JPH08129018A JP6292283A JP29228394A JPH08129018A JP H08129018 A JPH08129018 A JP H08129018A JP 6292283 A JP6292283 A JP 6292283A JP 29228394 A JP29228394 A JP 29228394A JP H08129018 A JPH08129018 A JP H08129018A
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Application number
JP6292283A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kawami
浩 川見
Tsukasa Hayashi
司 林
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nissin Electric Co Ltd filed Critical Nissin Electric Co Ltd
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01QSCANNING-PROBE TECHNIQUES OR APPARATUS; APPLICATIONS OF SCANNING-PROBE TECHNIQUES, e.g. SCANNING PROBE MICROSCOPY [SPM]
    • G01Q60/00Particular types of SPM [Scanning Probe Microscopy] or microscopes; Essential components thereof
    • G01Q60/24AFM [Atomic Force Microscopy] or apparatus therefor, e.g. AFM probes
    • G01Q60/32AC mode

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 原子間力顕微鏡と静電容量顕微鏡を合体した
顕微鏡を作ろうとすると、センサ部分に導電性のカンチ
レバ−を必要とする。カンチレバ−の先端下部に探針を
設け、探針と試料との間の静電容量を検出する。カンチ
レバ−と探針の一部に金属を被覆して導電性を与えてい
る。原子間力顕微鏡として利用する時、探針は試料の面
に接触しながら走査する。接触により探針の金属被覆が
摩耗したり、剥離したりする。すると静電容量を測定で
きなくなる。非接触であって原子間力顕微鏡として機能
し得る複合顕微鏡を提案することが目的である。 【構成】 探針を試料に接触させず、試料の近傍でカン
チレバ−を微小振動させる。探針と試料表面の距離Dに
より振動の共振周波数が変化する。共振周波数の変化を
カンチレバ−の振幅の変化によって知り、試料と探針の
距離Dを求める。距離Dを一定にするように、カンチレ
バ−の振動駆動電圧を調整したり、カンチレバ−と試料
を上下方向に相対移動させたりする。いずれにしても探
針と試料を接触させることなく、原子間力の変化を求め
ることができるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原子間力顕微鏡(AF
M)と走査形静電容量顕微鏡(SCaM)を結合した顕
微鏡に関する。原子間力顕微鏡は試料表面の凹凸を原子
単位で観察できる顕微鏡である。静電容量顕微鏡は探針
と試料表面の静電容量の微細な変化を測定するための顕
微鏡である。これらは目的や原理が異なる顕微鏡であ
る。しかしいずれも半導体の表面などの微細な構造、組
成などを観察するための手段として極めて有力である。
そこで本発明者は両方の顕微鏡の機能を結合して複合的
な装置を開発している。ここでは非接触モ−ドの複合顕
微鏡を提案しようとする。
【0002】
【従来の技術】走査型静電容量顕微鏡(SCaM)は、
導電性の探針を試料に接近させ、探針と試料表面の電荷
との間で形成される静電容量を測定し、試料表面の静電
容量分布を検出するものである。センサ部は、金属の短
い探針である。撓む必要はない。試料面に垂直に電流を
流す事ができるから、探針の他の部分と、試料の間に生
ずる静電容量は小さくする事ができる。原理図を図2に
示す。探針3が試料4に対向している。バイアス電源8
により試料4にバイアス電圧が印加される。探針につな
がれた容量センサ7が探針3と試料4の間の静電容量を
測定している。探針は当然導電性のものである。
【0003】原子間力顕微鏡(AFM)は近接した原子
の間に働く原子間力を検出することにより試料表面の凹
凸の情報を得る顕微鏡である。具体的には、絶縁性の撓
み易い部材を試料に接近させ、この部材原子と試料原子
の間に働く原子間力による部材の撓みを光学的或いは静
電的に検出する。撓みの量が原子間力に比例する。原子
間力は短距離力であるから、原子間力より試料の微細な
凹凸を知ることができる。
【0004】原子間力を検出するための部材は板ばねと
いうこともある。かたもちばりであり、よく撓むので、
この部材をカンチレバーと呼ぶこともある。カンチレバ
ーは絶縁性で撓み易いのが条件である。Si34 、S
iO2 、Si等のヤング率の低い材料の薄膜を用いる。
カンチレバーは、板バネとも、バネともいう人がいる。
探針を試料表面に接近させると、試料原子とカンチレバ
ーの先に力が生じるのでこの力を測定する。電気的な機
構を用いないので、カンチレバーは絶縁性で良いのであ
る。カンチレバーの撓みは、レ−ザ光を当てて反射する
光の変位を受光素子によって検出して求める。原理図を
図1に示す。
【0005】ホルダ−1の先に撓みやすいカンチレバ−
2を取り付けてある。カンチレバ−の先には先鋭な探針
3が固着されている。試料4の表面を探針3によってな
ぞってゆく。試料の凹凸に従ってカンチレバ−が上下に
撓む。レ−ザ5から光をカンチレバ−2の背面に当て
る。反射光が斜め上方に設けられた検出器6に入る。こ
れは複数箇所に分割された検出部を持ち、カンチレバ−
の撓み量に応じて、各部の入力量の比が変化するので、
カンチレバ−の撓みが分かる。
【0006】本発明者は、原子間力顕微鏡(AFM)と
静電容量顕微鏡(SCaM)のふたつを結合した顕微鏡
を提案する。この場合、SCaMの探針と、AFMのカ
ンチレバ−をひとつに纏めたセンサとしなければならな
い。このため静電容量を測定できるためにカンチレバ−
に導電性を賦与する必要がある。これは金属の薄膜をカ
ンチレバ−の一部にコ−テイングすることによって可能
になる。反対にSCaMの場合は単なる探針でよいもの
が、AFMとしても作用しなければならないからカンチ
レバ−を採用しなければならない。カンチレバ−は試料
に平行にして用いるからカンチレバ−と試料間の容量
が、探針と試料間の容量に対してノイズになる。このノ
イズを最小にする工夫が必要である。このようにふたつ
の顕微鏡を統合しようとするとセンサ部に工夫をしなけ
ればならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】原子間力顕微鏡は試料
原子と探針原子の間に働く原子間力を、カンチレバ−の
撓みによって検知するから、探針の先端は試料に接触し
ている。探針と試料が接触した状態で原子間力の変動を
調べるようになっている。これはこれで差し支えない。
探針の先が摩滅しても、原子間力の作用に変化はないか
らである。ところが、AFMとSCaMを同一の顕微鏡
に設置しようとすると問題が発生する。AFMは探針を
接触させるが、尖った探針であるから先が摩滅する。先
が摩滅すると、接触面積が変化するので静電容量がこれ
によって変化してしまう。同じ条件下で探針と試料表面
の静電容量を求めることができない。
【0008】さらにSCaMとするには、カンチレバ−
を導電性にしなければならない。全体を金属にすると剛
性が大きくなりすぎる。複合顕微鏡においてもカンチレ
バ−は従来のように、SiO2 、Si34 、Siなど
を使いたい。するとこれらの材料の上に金属薄膜をコ−
テイングするという方法により導電性を与えることにな
る。もしもカンチレバ−の探針が試料に常時接触してい
るとすると、金属薄膜が剥がれるか薄膜が摩滅してなく
なってしまう。すると導電性を喪失し静電容量顕微鏡と
して使うことができなくなる。AFMとしてだけなら
ば、探針と試料が接触するのは差し支えない。しかしS
CaMとしても利用したい場合は探針が試料に接触しな
い方が良い。
【0009】
【課題を解決するための手段】金属薄膜をコ−テイング
し導電性を持つカンチレバ−をピエゾ振動子(圧電素
子)によって、試料から離れたところで振動させてお
き、探針と試料表面の距離Dの関数として共振周波数F
r が変わることを利用して距離Dを求める。これにはい
くつかの方法がある。距離Dを一定に保つようにピエゾ
振動子の電圧振幅を変動させるようにする場合は、探針
と試料の間隔Dが同一であるから、表面の凹凸の影響を
受けることなく静電容量を測定できる。カンチレバ−を
振動させて、距離Dにより共振周波数Fr が変化する理
由は後に説明する。距離Dの求め方には次のようなモ−
ドがあり得る。
【0010】圧電素子により共振周波数でカンチレバ
−を振動させておく。圧電素子の電圧振幅Vを一定にす
る。距離Dが異なると共振周波数がずれるから、カンチ
レバ−の振幅Aが減少する。カンチレバ−の振動の振幅
Aは検出器によって光学的に求められる。これによって
共振周波数のずれが分かり、距離Dが求められる。
【0011】圧電素子により共振周波数からずれた周
波数Fにおいて、カンチレバ−を振動させる。電圧振幅
Vは一定とする。距離Dにより共振周波数Fr が異なる
ので、同じ周波数F、同じ電圧振幅Vであってもカンチ
レバ−の振幅Aが変化する。カンチレバ−の振幅は検出
器によって求められるから、振幅Aの変化により、共振
周波数のずれが分かり、距離Dが分かる。
【0012】圧電素子により共振周波数からずれたあ
る一定周波数Fにおいてカンチレバ−を振動させる。距
離Dにより共振周波数が変わる。するとカンチレバ−の
振幅Aが変わる。振動の振幅Aは検出器によって分か
る。振幅Aを一定に保つように、圧電素子に加える電圧
振幅Vをフィ−ドバック制御する。電圧Vにより距離D
が分かる。
【0013】圧電素子により共振周波数からずれた周
波数域(F1〜F2)のある周波数Fによってカンチレ
バ−を振動させる。電圧振幅Vは一定とする。距離Dに
よって共振周波数が変化する。するとカンチレバ−の振
動の振幅Aも変化する。振幅Aを一定値に保つように、
圧電素子の周波数Fをフィ−ドバック制御する。
【0014】圧電素子により共振周波数Fr でカンチ
レバ−を振動させる。距離Dの変動により共振周波数F
r が変化する。電圧振幅Vを一定にして圧電素子の周波
数を変えて、振幅Aを最大にする新たな共振周波数を求
める。つまり常に共振周波数によって圧電素子を振動さ
せる。Fr を正確に求めながら距離Dを求めることがで
きる。
【0015】パラメ−タを整理して直観的に分かりやす
く説明する。圧電素子の周波数をF、カンチレバ−の共
振周波数をFr 、距離をD、圧電素子の電圧振幅をV、
カンチレバ−の振幅をAとする。Aは、F、Fr 、Vの
関数であり、Fr はDの関数であるから、
【0016】 A=f(F,Fr (D),V,) (1)
【0017】と書くことができる。はF=Fr とし
て、Vを一定にし、AからDを求める。はF≠Fr
して、Vを一定にし、AからDを求める。はF≠F
r 、Aを一定にして、VからDを求める。はV、Aを
一定にし、Fを変えて、FからDを求める。はFr
らDを求める。
【0018】以上の5つの方法は距離Dが変数であって
これを求めるものである。つまりカンチレバ−の運動は
上下方向には単純な単振動z=Asinωt+Z0 によ
って表すことができる。Z0 は試料表面近くに定義した
三次元座標のXY面からのカンチレバ−の探針の高さで
ある。直流電圧Uを圧電素子に印加することによりZ0
を変更することができる。上の5つの方法はいずれも圧
電素子の平均の高さZ0 は一定にして、試料表面からの
距離Dを求めるものであった。
【0019】反対に距離Dを一定に保持することにより
表面の凹凸を知るということも勿論可能である。圧電素
子は微小振動を与えるだけでなく、任意の直流的な上下
方向変位Zを与えることができるものとする。この場
合、圧電素子に印加する電圧は、Vsinωt+Uとな
る。カンチレバ−の圧電素子が直流的な変位を与えるこ
とができない場合もある。しかしそれは差し支えないこ
とである。試料を支持する圧電素子のZ方向電極に直流
電圧を加えることにより、カンチレバ−の相対的な高さ
Dを調整できるからである。カンチレバ−の圧電素子、
試料の圧電素子のZ成分のいずれを直流的に制御しても
良い。都合の良い方を選べば良い。
【0020】ここではカンチレバ−の圧電素子のZ方向
の直流成分というふうに説明する。圧電素子の駆動電圧
の内、直流電圧UがZ0 を決め、交流振幅Vが振幅Aを
決めるのである。このようにするとカンチレバ−の運動
は振動と変位を組み合わせたものになる。自由度が先程
の場合よりも増える。〜の他にもいくつかの検出モ
−ドが可能である。距離Dを一定に保持するということ
であれば、変数の変化をフィ−ドバック制御することに
なる。この場合は(1)の他に次の二つの式(2)、
(3)が成り立つ。
【0021】 A=f(F,Fr (D),V,) (1) Z=Z0 +g(U) (2) Z=D+S (3)
【0022】Sは試料表面の高さである。これに距離D
を加えたものが探針の下端の高さZである。 圧電素子の振動電圧Vは一定とし、共振周波数Fr
によって駆動し、カンチレバ−の振動振幅Aが一定にな
るように、直流電圧Uを調整する。これによりカンチレ
バ−の先端が昇降する。(1)式からA、F、Vが一定
であれば距離Dが一定であることが分かる。このように
直流電圧Uを調整すると、このとき探針と試料の距離は
Dであるはずである。このときの探針の高さZは、撓み
に表れるので検出器の直流分から分かる。また圧電素子
に加えている直流電圧Uからも分かる。
【0023】 圧電素子の振動電圧Vは一定にする。
周波数は共振周波数以外の一定周波数Fとする。カンチ
レバ−の振幅Aを検出器で観測し、これが一定になるよ
うに圧電素子の直流電圧Uを調整する。A、F、Vが一
定であると距離Dが一定であるから、試料表面の高さS
が分かる。探針の高さZは、検出器の直流分あるいは、
圧電素子の直流電圧Uから分かる。
【0024】距離Dを一定にする測定モ−ド、は、
これを静電容量顕微鏡として利用する時には有用であ
る。距離Dを一定に保持しつつ、試料と探針間の静電容
量を測定すると、試料の電荷密度が直接に分かるからで
ある。以上に述べたのは試料のある箇所での凹凸、電荷
状態の測定である。実際には試料を平面方向(XY方
向)に走査するから、試料表面全体に渡る凹凸、電荷状
態を求めることができる。
【0025】
【作用】本発明が利用しようとするのは、探針と試料間
の距離Dによって、カンチレバ−の共振周波数が変化す
るという性質である。長距離力、例えばク−ロン力など
の場合は、ふたつの物体が接近しても、離隔しても殆ど
力は変わらない。ために力の方向に振動する振動子があ
っても共振周波数に変化がない。振動の中心点が力に応
じて少し変化するだけである。一次元振動子によってこ
れを始めに説明する。振動子の座標をzで表現する。振
動子のバネ定数をKとする。振動子の質量をm(これは
慣性モメント−の場合もある)とすると、
【0026】 md2 z/dt2 +K(z−z0 )=0 (4) という運動方程式が成り立つ。点z0 は平衡点である。
共振周波数は
【0027】 Fr =(K/m)1/2 /2π (5) である。これが例えば重力のように一定の力の場に置か
れると、 md2 z/dt2 +K(z−z0 )=−mg (6)
【0028】となるが、これは平衡点(振動の中心)が
0 −mg/Kに変わるだけである。共振周波数に変化
はない。同様にク−ロン力のように長距離力の場合は、
振動子の動く範囲で一定である。この場合も平衡の位置
が少しずれるだけである。共振周波数は不変である。
【0029】ところがファンデルワ−ルス力のように極
めて短距離しか働かない力の場合は、事情が少し変わっ
てくる。ファンデルワ−ルス力は距離の6乗に反比例す
る引力であると言われる。ファンデルワ−ルス力はイオ
ン間のク−ロン力ではなく、不対電子を持たない原子同
士の力である。引力だけでは平衡しないから時に距離の
12乗に反比例する斥力を加えることもある。Z=Sの
点に原子があると、これによるファンデルワ−ルス力V
F(z)は
【0030】 VF(z)=−Q(z−S)-6+R(z−S)-12 (7)
【0031】となる。第1項が引力(Qは正)を第2項
が斥力(Rは正)を表す。振動子の平衡点の近くでこれ
を展開する。但し、探針と試料原子の距離がかなりある
から斥力の項は殆ど無視できる。
【0032】 VF(z)=−Q(z0 −S)-6−6(z−z0 )Q(z0 −S)-7+‥‥ (8)
【0033】となる。振動子の振動の中心がzf =z0
−Q(z0 −S)-6/Kにずれる。これはどうでも良い
ことである。注意すべきことは共振周波数が変化すると
いうことである。
【0034】 Fr =[{K+6Q(z0 −S)-7}/m]1/2 /2π (9)
【0035】この式はファンデルワ−ルス力を発生する
試料原子の座標Sを含んでいる。Sが増えると、つまり
試料が探針に近付くと共振周波数が増加する。反対に試
料が探針から遠ざかると共振周波数が減少する。探針の
座標がz0 であり試料表面の原子座標がSであるから、
0 −S=D(距離)である。
【0036】 Fr =[{K+6QD-7}/m]1/2 /2π (10) これが式(1)に表れるFr (D)の具体的な表現であ
る。距離Dの変化による共振周波数の変化は、
【0037】 dFr /dD=−21QD-8[{K+6QD-7}m]-1/2/2π (11) によって与えられる。実際には振動用圧電素子にはsi
nωtの強制振動を加えるのであるから、次のような運
動方程式によって表現される。
【0038】 md2 z/dt2 +K(z−z0 )=VF(z)+qVsinωt (12) qは比例定数である。これの解は、
【0039】 z−zf =qV[m(−ω2 +ωr 2)]-1sinωt (13)
【0040】但しωr =2πFr =[{K+6QD-7
/m]1/2 である。これらの式から、試料の原子が動く
ことにより距離Dが増減し、これに伴って共振周波数が
変動するということが分かる。またカンチレバ−の振動
の振幅Aは、
【0041】 A=qV[m(−ω2 +ωr 2)]-1 (14)
【0042】であるから、振幅Aも距離Dによって変動
することが分かる。振幅Aは周波数ωによっても変化す
る。もちろん駆動電圧Vによっても変わる。従って、
ω、Vを一定にして、探針の位置z0 も一定にして距離
Dを知ることができる。これから試料表面の高さS(S
=z0 −D)を求めることができる。あるいは、試料の
圧電素子を制御して試料を上昇下降させ、Dとz0 を常
に一定にし(z0 =D+S)試料の上昇下降の量から、
試料表面の高さSを求めることもできる。このように本
発明は原子間力の大きい力の勾配による共振周波数の変
化を利用して試料表面の高さを求めている。
【0043】
【実施例】図3によって本発明の実施例を説明する。カ
ンチレバ−2は撓みやすい絶縁体(SiO2 、Si3
4 、Si)から成り導電性を与えるために金属被膜を一
部に被覆したものである。カンチレバ−2の先端に先鋭
な探針3が設けられる。試料4は半導体、誘電体、金属
など任意の材料である。これを圧電素子(ピエゾ)9の
上に固着する。ピエゾ素子9は円筒形であり、表面に幾
つかの対の電極が形成してある。電極に電圧を印加し、
素子を撓ませることにより、平面方向(X、Y)方向に
変位できるようになっている。また上下方向(Z方向)
にも変位できるようになっている。Z方向変位によって
試料の高さを変えて、試料と探針の距離Dを任意に調整
することができる。これによって試料は3方向に独立変
位することができ、変位量も圧電素子の3方向の駆動電
圧Vx、Vy、Vzによって知ることができる。
【0044】レ−ザ5が広がりの小さい光を発生する。
これがカンチレバ−2の背面に当たり、反射される。反
射光が検出器6に入る。検出器6は分割されたセンサを
持つので、分割部での光の入射量を比較すると、反射光
の方向が分かる。つまりカンチレバ−の撓みが求められ
る。試料4にはバイアス電源8によりバイアス電圧が印
加される。容量センサ7により探針と試料表面間の静電
容量が測定される。これは静電容量顕微鏡としての機能
を果たすものである。試料と探針の距離Dを一定に保ち
つつ静電容量を測ると、表面の電荷の分布が分かる。
【0045】試料4をXY方向に走査するのは走査用の
ピエゾ(圧電素子)9であるが、先程の検出の出力を、
サ−ボ回路12に入れて、試料と探針の距離を一定に保
つようにピエゾをZ方向にも変位させることができる。
サ−ボ回路12はカンチレバ−の撓みが一定になるよう
に圧電素子のZ方向電圧を制御する。カンチレバ−2
は、振動用のピエゾ素子(圧電素子)13に取り付けら
れている。このピエゾ素子13はカンチレバ−を微小振
動させるためのものである。Z方向に微小振動させて、
距離による共振周波数の変化を検知できるようにする。
Z方向の直流変位をも、このピエゾ素子によって行なわ
せることができるようにしても良い。このピエゾがZ方
向の直流変位ができないとしても、走査用ピエゾがZ方
向の微小変位をするので差し支えない。
【0046】Z方向の変位によって試料と探針の距離D
を一定に保つ。これはカンチレバ−の振動電圧の振幅
V、カンチレバ−の実際の振幅Aを一定値に保持するよ
うに、試料の高さをサ−ボ回路12、ピエゾ9によって
調整することによってなされる。振幅Aは検出器6によ
って測定できる。探針は試料に接触しない。探針と試料
の距離Dによってカンチレバ−の振動の共振周波数が変
化することによって探針と試料の距離Dが分かる。距離
Dを一定値に保持することができるので、探針が試料表
面をなぞっているのと同じ測定をすることができる。つ
まり非接触の原子間力顕微鏡になるし、静電容量顕微鏡
にもなる。試料表面の状態はデイスプレイ11に表示さ
れる。
【0047】
【発明の効果】原子間力顕微鏡(AFM)と静電容量顕
微鏡(SCaM)とを組み合わせた複合顕微鏡におい
て、カンチレバ−は導電性を持つものでなければならな
い。カンチレバ−の全体を金属にすると剛性が大きくな
り撓みが小さくなる。柔軟性を損なわないために絶縁体
のカンチレバ−に金属の薄膜を部分的に被覆する。とこ
ろがカンチレバ−の探針を試料に接触させると、測定を
重ねる内に金属被覆が摩滅してしまう。本発明は、探針
と試料が非接触になっている。探針に被覆した金属薄膜
が剥離したり、摩滅したりしない。結果として探針、カ
ンチレバ−の寿命が長くなる。カンチレバ−をたびたび
取り替える必要がない。カンチレバ−の節約になるだけ
でなく、条件が安定するので、永年に渡って安定した測
定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】原子間力顕微鏡の測定原理図。
【図2】静電容量顕微鏡の測定原理図。
【図3】本発明の複合顕微鏡の概略構成図。
【符号の説明】
1 ホルダ− 2 カンチレバ− 3 探針 4 試料 5 レ−ザ 6 検出器 7 容量センサ 8 バイアス電源 9 走査用圧電素子(走査用ピエゾ) 10 走査回路 11 デイスプレイ 12 サ−ボ回路 13 振動用圧電素子(振動用ピエゾ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 37/28 Z

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その上に試料を固定し平面内でのX、Y
    2方向への走査とZ方向の変位を行う走査用圧電素子
    と、撓みやすい材料でできており一部に金属被膜を形成
    して導電性としたカンチレバ−と、カンチレバ−の先端
    に設けられた探針と、カンチレバ−の基部が固定されカ
    ンチレバ−を上下方向に微小振幅で振動させる振動用圧
    電素子と振動用圧電素子を振動させるための電源と、試
    料にバイアス電圧を印加するバイアス電源と、カンチレ
    バ−の探針と試料間の静電容量を測定する容量センサ
    と、カンチレバ−の背面に光を当てるレ−ザと、カンチ
    レバ−からの反射光の方向を検出する検出器と、検出の
    出力からカンチレバ−の撓みを知り試料と探針の距離を
    調整するサ−ボ回路と、試料を平面方向のX、Y方向に
    走査する走査回路とを含み、カンチレバ−の探針を試料
    に接触させることなく、試料の近傍でZ方向に微小振動
    させ、探針と試料との距離Dによってカンチレバ−の共
    振周波数が異なることを利用し、共振周波数の変化から
    距離Dを求め、探針と試料の間の静電容量と、探針と試
    料の距離Dをともに測定できるようにしたことを特徴と
    する非接触モ−ド原子間力顕微鏡/静電容量顕微鏡複合
    装置。
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