JPH0812629A - 光学活性ジヒドロキシアミン誘導体の製造法及びその中間体 - Google Patents

光学活性ジヒドロキシアミン誘導体の製造法及びその中間体

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JPH0812629A
JPH0812629A JP6168856A JP16885694A JPH0812629A JP H0812629 A JPH0812629 A JP H0812629A JP 6168856 A JP6168856 A JP 6168856A JP 16885694 A JP16885694 A JP 16885694A JP H0812629 A JPH0812629 A JP H0812629A
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JP6168856A
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Masaru Mitsuda
勝 満田
Tatsuya Honda
達也 本田
Junzo Hasegawa
淳三 長谷川
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 3位に置換基を有する光学活性な、3─アミ
ノ−2−ヒドロキシ−1─プロパノール誘導体を、簡便
に、立体選択的に、かつ高い収率のもとに製造する方法
を提供する。 【構成】 アミノアルデヒド誘導体に、ジハロメタンと
亜鉛末とルイス酸を作用させ、アリルアミン誘導体を得
て、さらにこれをオスミウム(VIII)触媒酸化する
ことによる次の一般式(3)で表されるエリスロ型ジヒ
ドロキシアミン誘導体の立体選択的製造法。 【化1】 式中、R1 、R2 は、独立して、水素又はアミノ基保護
基を表す。R3 は、アルキル基、アラルキル基又はアリ
ール基を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下記の一般式(3)で
表される3位に置換基を有する光学活性な、3−アミノ
−2−ヒドロキシ−1−プロパノール誘導体の立体選択
的製造法に関する。特にR3 がベンジル基である光学活
性な3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル−1−
ブタノール誘導体(8)からは、HIVプロテアーゼ阻
害剤のRo31−8959が合成される(欧州特許第4
32694号明細書)。従って、本発明に係る化合物
は、医薬品の中間体として有用である。
【0002】
【化9】
【0003】式中、R1 、R2 は、独立して、水素又は
アミノ基保護基を表す。R3 は、アルキル基、アラルキ
ル基又はアリール基を表す。
【0004】
【従来の技術】一般式(3)で表される3位に置換基を
有する光学活性な、3−アミノ−2−ヒドロキシ−1−
プロパノール誘導体は、従来から、例えば、HIVプロ
テアーゼ阻害剤のRo31−8959の製造中間体等と
して知られていた(欧州特許第432694号明細
書)。上記製造中間体としては光学異性体を分離したも
のが好ましく、効率的に光学活性体を製造する方法が望
まれていた。
【0005】3位に置換基を有する光学活性な、3−ア
ミノ−2−ヒドロキシ−1−プロパノール誘導体の製造
法として、塩化バナジウムと亜鉛末を用い、パラホルム
アルデヒドとN−トシルバリナールをカップリングさせ
る方法(テトラヘドロン(Tetrahedron),
48巻,2069頁(1992))が知られている。し
かし、この方法は、カップリングによる立体選択性がま
ったく認められず、生成物はジアステレオマーの1:1
の混合物であるため、望ましい立体配置を有する化合物
を得るためにはこれらを分割する必要があり、非効率的
である。
【0006】また他の方法として、光学活性なエポキシ
アルコールのオキシラン環部分を立体及び位置選択的に
窒素求核剤で開環し、3位に置換基を有する3−アミノ
−2−ヒドロキシ−1−プロパノール誘導体に導く方法
(ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエテ
ィー(J.Am.Chem.Soc.),113巻,5
117頁(1991);ジャーナル・オブ・オーガニッ
ク・ケミストリー(J.Org.Chem.),56
巻,2614頁(1991);テトラヘドロン・レター
ズ(Tetrahedron Lett.),30巻,
1517頁(1989);テトラヘドロン・レターズ
(Tetrahedron Lett.),32巻,6
931頁(1991);ジャーナル・オブ・ケミカル・
ソサエティ・ケミカル・コミュニケーション(J.Ch
em.Soc.Chem.Commun.),737頁
(1993))が知られているが、オキシラン環開環の
立体選択性は高いとしても、前駆体である光学活性エポ
キシアルコールの製造にも不斉合成を用いなければなら
ず、このときの不斉収率は必ずしも高くない。また、原
料合成の工程数が多く煩雑でもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、これ
らの現状に鑑み、上記3位に置換基を有する光学活性
な、3─アミノ−2−ヒドロキシ−1─プロパノール誘
導体を、簡便に、立体選択的に、かつ高い収率のもとに
製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この課題
を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、つぎの(フロー
I)で示される工程により、高純度の光学活性体が工業
的に大量入手可能であるアミノ酸から容易に誘導される
キラルなアミノアルデヒド誘導体(1)を出発原料と
し、短段階、高収率かつ立体選択的に、3位に置換基を
有する光学活性な、3─アミノ−2−ヒドロキシ−1─
プロパノール誘導体(3)を製造できることを見出し、
本発明を完成した。
【0009】
【化10】
【0010】式中、R1 、R2 は、独立して、水素又は
アミノ基保護基を表す。R3 は、アルキル基、アラルキ
ル基又はアリール基を表す。立体配置は相対的立体配置
を表す。
【0011】上記(フローI)で表される製造法は、キ
ラルなアミノアルデヒド誘導体(1)に、ジハロメタ
ン、亜鉛末及びルイス酸を作用させ、キラルなアリルア
ミン誘導体(2)とし、さらにこれをオスミウム(VI
II)触媒酸化することにより、立体選択的にエリスロ
型ジヒドロキシアミン誘導体(3)を得る手法である。
なお、本明細書において「キラルな」とは、構造上光学
的対掌体を有する化合物をさし、具体的には(S)−
体、(R)−体、又はラセミ体である場合がある。
【0012】本発明で用いられるアミノ基保護基として
は、(フローI)の反応条件で影響されないものなら特
に限定されず、例えば、ホルミル基、アセチル基、トリ
フルオロアセチル基、ベンゾイル基、ピバロイル基、フ
タロイル基等のアシル型保護基;ベンジロキシカルボニ
ル基、t−ブトキシカルボニル基、イソプロポキシカル
ボニル基、エトキシカルボニル基、メトキシカルボニル
基等のウレタン型(カルバメート型)保護基;ベンジル
基、p−メトキシベンジル基、トリフェニルメチル基等
の置換アルキル基等、さらには、p−トルエンスルホニ
ル基、ベンゼンスルホニル基、トリフルオロメタンスル
ホニル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジ
フェニルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げるこ
とができる。
【0013】本発明においては、出発原料のキラルなア
ミノアルデヒド誘導体(1)は、(R)−体、(S)−
体いずれであってもよく、いずれも、入手が容易な光学
活性α−アミノ酸から公知の反応3〜4段階を経て簡単
に合成できる(フローII)。
【0014】
【化11】
【0015】式中、R1 、R2 は、独立して、水素又は
アミノ基保護基を表す。R3 は、アルキル基、アラルキ
ル基又はアリール基を表す。
【0016】各種アミノ基保護基によるアミノ基の保護
は、成書(ティー・ダブリュー・グリーン、ピー・ジー
・エム・ウッツ(T.W.Greene,P.G.M.
Wuts)著:プロテクティブ・グループス・イン・オ
ーガニック・シンセシス、第2版(PROTECTIV
E GROUPS IN ORGANIC SYNTH
ESIS,2nd Ed.),ジョン・ウィレイ・アン
ド・サンズ・インク(John Wiley & So
ns,Inc.),(1991)等)に記載されている
方法により簡単に行うことができる。
【0017】上記(フローII)において、例えば、ア
ミノ基保護基R1 、R2 がフタロイル基であり、R3
ベンジル基である場合は、(フローII)のAに示すよ
うに、フタロイルフェニルアラニンを塩化チオニルで対
応する酸クロリドとし、トリ−t−ブトキシアルミニウ
ムヒドリドの還元反応によって対応するアミノアルデヒ
ド誘導体(1)を得ることができる(テトラヘドロン
(Tetrahedron),30巻,4233頁(1
974))。
【0018】また、(フローII)中のR1 が水素原子
で、R2 がアミノ基保護基として一般によく用いられる
ウレタン型又はカルバメート型保護基(R2 =COO
R;Rは、ベンジル、t−ブチル、イソプロピル等のア
ルキル基)である場合は、(フローII)のBに示すよ
うに、メチルエステルとした後に水素化ジイソブチルア
ルミニウム等で還元するとアミノアルデヒド誘導体
(1)が得られる(例えば、ジャーナル・オブ・アメリ
カン・ケミカル・ソサエティー(J.Am.Chem.
Soc.),105巻,5510頁(1983))。
【0019】本発明の第1工程では、このようにして調
製されるキラルなアミノアルデヒド誘導体(1)のホル
ミル基をメチレン化し、キラルなアリルアミン誘導体
(2)を合成する。本反応のメチレン化には、メチレン
化法として有名なウィッティヒ(Wittig)反応
は、強い塩基性反応条件であり生成物のラセミ化をきた
すため適していない。しかし、ジハロメタン、亜鉛末及
びルイス酸の反応系によるメチレン化反応(ブレティン
・オブ・ザ・ケミカル・ソサエティー・オブ・ジャパン
(Bull.Chem.Soc.Japan),53
巻,1698頁(1980);ケミストリー・レターズ
(Chem.Lett.),2085頁(1987))
は、ウィッティヒ(Wittig)反応と異なり、生成
物のラセミ化を起こさないので本発明の第1工程に適し
ている。
【0020】この第1工程においてジハロメタンとして
は、例えば、ジヨードメタン、ジブロモメタン等を用い
ることができる。また、その使用量は、アミノアルデヒ
ド誘導体(1)に対し1〜8モル当量が好ましく、3〜
5モル当量がさらに好ましい。
【0021】亜鉛末としては、市販されている亜鉛末を
活性化することなく用いることができる。また、その使
用量は、アミノアルデヒド誘導体(1)に対し5〜10
モル当量が好ましい。
【0022】ルイス酸としては、例えば、四塩化チタ
ン、チタンテトライソプロポキシド、トリメチルアルミ
ニウム、三臭化ホウ素等を用いることができる。また、
その使用量は、アミノアルデヒド誘導体(1)に対し
0.5〜2モル当量が好ましい。
【0023】上記第1工程における反応溶媒としは、非
プロトン性で不活性な溶媒であれば特に限定されず、例
えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(以下
「THF」ともいう)、1,4−ジオキサン、グライ
ム、ジグライム等のエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエ
ン、n−ヘキサン、n−ペンタン等の炭化水素系溶媒等
を挙げることができる。これらは2種以上が併用されて
もよい。上記第1工程における反応温度は、0〜50℃
である。好ましくは20〜30℃である。
【0024】上記第1工程で合成されるアリルアミン誘
導体(2)のうち、特に下記一般式(4)で表されるキ
ラルなアリルアミン誘導体は、文献未記載の新規化合物
であり、本発明者らにより初めて見いだされた物質であ
る。また、(S)−α−アミノ酸を出発原料とすれば上
記第1工程により、下記一般式(5)で表される(S)
−体のアリルアミン誘導体を合成することができる。上
記光学活性なアリルアミン誘導体(5)も文献未記載の
新規化合物であり、本発明者らにより初めて見いだされ
た物質である。
【0025】
【化12】
【0026】式中、R1 、R2 は、独立して、水素又は
アミノ基保護基を表す。
【0027】
【化13】
【0028】式中、R1 及びR2 は、フタロイル基を表
すか、又は、R1 は、水素を表し、R2 は、ベンジロキ
シカルボニル基を表す。
【0029】本発明の第2工程では、第1工程で得られ
たアリルアミン誘導体(2)をオスミウム(VIII)
触媒下、ジヒドロキシ化し、立体選択的にジヒドロキシ
アミン誘導体(3)を合成する。上記反応においては、
新しくできた2位の不斉炭素の立体配置が3位に対して
エリスロ配置をとる生成物を優先して与える。従って、
上記反応よれば、(S)配置のアミノアルデヒド誘導体
(1)から得られる(S)配置のアリルアミン誘導体
(2)を反応させると、(2S,3S)配置のエリスロ
型ジヒドロキシアミン誘導体(3)を優先して得ること
ができ、(R)配置のアミノアルデヒド誘導体(1)か
ら得られる(R)配置のアリルアミン誘導体(2)を反
応させると、(2R,3R)配置のエリスロ型ジヒドロ
キシアミン誘導体(3)を優先して得ることができる。
【0030】この第2工程に用いるオスミウム(VII
I)触媒としては、例えば、四酸化オスミウム、オスミ
ン酸、オスミン酸のアルカリ金属塩等を挙げることがで
きる。上記触媒はアリルアミン誘導体(2)に対し0.
01〜10モル%の触媒量で充分反応を完結させること
ができるが、オスミウム(VIII)触媒は高価なの
で、1モル%以下の低触媒量で反応を行うのが好まし
い。
【0031】本発明の第2工程では、オスミウム(VI
II)化合物を触媒回転させるために共酸化剤を共存さ
せてもよい。上記共酸化剤としては、例えば、N−メチ
ルモルホリンオキシド、フェリシアンカリウム、過酸化
水素等を挙げることができ、これらは、アリルアミン誘
導体(2)に対し2〜3倍モル使用するのが好ましい。
【0032】上記第2工程における反応溶媒は、オスミ
ウム(VIII)触媒よって酸化を受けにくいものであ
れば特に限定されず、例えば、水;メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、t−ブタノール、エチレング
リコール等のアルコール系溶媒;ジエチルエーテル、T
HF、1,4−ジオキサン、グライム、ジグライム等の
エーテル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、1,
1,1−トリクロロエタン、モノクロロベンゼン等のハ
ロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、n−ヘキサン、n
−ペンタン等の炭化水素系溶媒;ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒;酢酸エチル、
酢酸メチル、アセトン、ジイソプロピルケトン等のカル
ボニル化合物類等を挙げることができる。これらは2種
以上が併用されてもよい。上記第2工程における反応温
度は、−30〜80℃である。好ましくは−10〜25
℃である。
【0033】上記第2工程における反応において不斉配
位子として光学活性なアミンを共存させると、立体選択
性が向上する。上記光学活性なアミンとしては、不斉ジ
ヒドロキシ化反応の不斉配位子として既知である化合
物、例えば、シンコナアルカロイド誘導体、具体的に
は、p−クロロ安息香酸ジヒドロキニン(下記式
(6))、p−クロロ安息香酸ジヒドロキニジン(下記
式(7))(ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミス
トリー(J.Org.Chem.),56巻,4585
頁(1991))等を挙げることができる。
【0034】
【化14】
【0035】上記不斉配位子は、オスミウム(VII
I)触媒に対して5〜15倍モル加えるのが好ましい。
また、このとき、炭酸カリウムをアリルアミンに対して
1〜3モル当量併用すると反応が促進される(ジャーナ
ル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.
Chem.),57巻,2768頁(1992))。
【0036】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0037】実施例中の各種分析には、次の分析機器を
使用した。 核磁気共鳴スペクトル(NMR) ;日本電子社製EX−400 赤外分光光度計(IR) ;島津製作所社製FTIR−8100M 高速液体クロマトグラム(HPLC);島津製作所社製LC−9A UV検出器 ;島津製作所社製SPD−6A データ処理装置 ;島津製作所社製C−R6A
【0038】実施例1(S)−4−フェニル−3−フタロイルアミノ−1−ブ
テンの合成 アルゴン雰囲気下、0.60g(9.0mmol)の亜
鉛末を10mlのTHF(関東化学社製)に加え、室温
で懸濁攪拌し、その中にジヨードメタン0.4ml
(5.0mmol)を滴下した。そのまま室温で30分
間攪拌後、チタンテトライソプロポキシドTHF1.0
M溶液1.0ml(1.0mmol)を滴下し、さらに
30分間混合物を攪拌した。その後さらに(S)−3−
フェニル−2−フタロイルアミノプロパナール(テトラ
ヘドロン(Tetrahedron),30巻,423
3頁(1974)記載の方法にて合成)279mg
(1.0mmol)を8mlのTHFに溶解させたもの
を、混合物中に滴下した。この混合物を室温にて14時
間攪拌した後、反応液にエーテル60mlを加え、この
混合物を50mlの1N塩酸中に注ぎ10分間攪拌し
た。この混合物を分液漏斗に移し、有機層と水層を分離
して水層をエーテルで3回抽出し、抽出液と上記有機層
を合わせたものを10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽
和食塩水で順次洗浄し、さらに無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。溶媒を減圧下に留去して得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(和光純薬社製ワコーゲ
ルC−200、溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=8
/2)で精製し、(S)−4−フェニル−3−フタロイ
ルアミノ−1−ブテンの白色結晶を129mg得た。収
率47%であった。
【0039】1H−NMR(CDCl3 )δ/ppm:
3.21(dd,1H,J=13.7,9.7Hz),
3.43(dd,1H ,J=13.7,7.9H
z),5.02−5.08(m,1H),5.19
(d,1H,J=10.7Hz),5.24(d,1
H,J=17.1Hz),6.23−6.32(m,1
H),7.10−7.17(m,5H),7.65−
7.68(m,2H),7.73−7.78(m,2
H) IR(nujol)cm-1:1765,1720,14
65,1455,1380,1355
【0040】実施例2(S)−3−ベンジロキシカルボニルアミノ−4−フェ
ニル−1−ブテンの合成 アルゴン雰囲気下、0.60g(9.0mmol)の亜
鉛末を10mlのTHF(関東化学社製)に加え、室温
で懸濁攪拌し、その中にジヨードメタン0.4ml
(5.0mmol)を滴下した。そのまま室温で30分
間攪拌後、チタンテトライソプロポキシドTHF1.0
M溶液1.0ml(1.0mmol)を滴下し、さらに
30分間混合物を攪拌した。その後さらに(S)−2−
ベンジロキシカルボニルアミノ−3−フェニルプロパナ
ール(ジャーナ・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエ
ティー(J.Am.Chem.Soc.),1105
巻,5510頁(1983)記載の方法にて合成)28
3mg(1.0mmol)を8mlのTHFに溶解させ
たものを、混合物中に滴下した。この混合物を室温にて
14時間攪拌した後、反応液にエーテル60mlを加
え、この混合物を50mlの1N塩酸中に注ぎ10分間
攪拌した。この混合物を分液漏斗に移し、有機層と水層
を分離して水層をエーテルで3回抽出し、抽出液と上記
有機層を合わせたものを10%チオ硫酸ナトリウム水溶
液、飽和食塩水で順次洗浄し、さらに無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。溶媒を減圧下に留去して得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(和光純薬社製ワ
コーゲルC−200、溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチ
ル=8/2)で精製し、(S)−3−ベンジロキシカル
ボニルアミノ−4−フェニル−1−ブテンの白色結晶を
221mg得た。収率79%であった。
【0041】1H−NMR(CDCl3 )δ/ppm:
2.86(bs,1H),2.87(bs,1H),
4.50(bs,1H),4.69(bs,1H),
5.07−5.14(m,4H),5.77−5.85
(m,1H),7.15−7.38(m,10H) IR(nujol)cm-1:3340,1686,15
40,1510,1455,1255,1030
【0042】実施例3(2S,3S)−2−ヒドロキシ−4−フェニル−3−
フタロイルアミノ−1−ブタノールの合成 実施例1で合成した(S)−4−フェニル−3−フタロ
イルアミノ−1−ブテン55mg(0.2mmol)、
N−メチルモルホリンオキシド1水和物54mg(0.
4mmol)、アセトニトリル2ml、水1mlの混合
溶液を室温で攪拌し、これに4%四酸化オスミウム水溶
液120μl(0.02mmol)を加え続けて室温攪
拌した。2.5時間後、この反応溶液に飽和亜硫酸ナト
リウム水溶液5mlを加え、30分間攪拌した後、混合
物を酢酸エチルで3回抽出し、さらに1N塩酸と飽和食
塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶
媒を減圧下で濃縮しさらに真空乾燥すると、2−ヒドロ
キシ−4−フェニル−3−フタロイルアミノ−1−ブタ
ノールの白色固体を60mg得た。収率96%であっ
た。この白色固体は 1H−NMRによる分析の結果、ジ
アステレオマー比(2S,3S):(2R,3S)=7
0:30の混合物であることがわかった。さらに、この
白色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(和光
純薬社製ワコーゲルC−200、溶離液:n−ヘキサン
/酢酸エチル=1/1)で精製し、純粋な(2S,3
S)−2−ヒドロキシ−4−フェニル−3−フタロイル
アミノ−1−ブタノールの白色結晶を35mg得た。
【0043】1H−NMR(CDCl3 )δ/ppm:
2.26(bs,1H),3.12−3.25(m,2
H),3.52−3.63(m,2H),4.01−
4.08(m,1H),4.61−4.70(m,1
H),7.02−7.17(m,5H),7.57−
7.75(m,4H)
【0044】実施例4(2S,3S)−3−ベンジロキシカルボニルアミノ−
2−ヒドロキシ−4−フェニル−1−ブタノールの合成 実施例2で合成した(S)−3−ベンジロキシカルボニ
ルアミノ−4−フェニル−1−ブテン56mg(0.2
mmol)、N−メチルモルホリンオキシド1水和物5
4mg(0.4mmol)、アセトニトリル2ml、水
1mlの混合溶液を室温で攪拌し、これに4%四酸化オ
スミウム水溶液120μl(0.02mmol)を加え
続けて室温攪拌した。3時間後、この反応溶液に飽和亜
硫酸ナトリウム水溶液5mlを加え、30分間攪拌した
後、混合物を酢酸エチルで3回抽出し、さらに1N塩酸
と飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。溶媒を減圧下で濃縮しさらに真空乾燥すると、3
−ベンジロキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−4
−フェニル−1−ブタノールの白色固体を60mg得
た。収率95%であった。この白色固体は、HPLCに
よる分析(カラム:YMC社製J’sphereODS
−H80、溶離液:メタノール/水=1/1、カラム温
度40℃、検出波長210nm)の結果、ジアステレオ
マー比(2S,3S):(2R,3S)=64:36の
混合物であることがわかった。さらに、この白色固体を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(和光純薬社製ワ
コーゲルC−200、溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチ
ル=1/1)で精製し、純粋な(2S,3S)−3−ベ
ンジロキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−4−フ
ェニル−1−ブタノールの白色結晶を31mg得た。
【0045】1H−NMR(CDCl3 )δ/ppm:
2.80−2.92(m,2H),3.05−3.20
(m,2H),3.35−3.48(m,1H),3.
55−3.72(m,2H),3.85−3.92
(m,1H),4.82(bd,1H,J=7.8H
z),4.98−5.10(m,2H),7.15−
7.38(m,10H) IR(KBr)cm-1:3321,1688,154
5,1267,1061,1026
【0046】実施例5〜9 アセトニトリルの代わりに反応溶媒をそれぞれアセト
ン、THF、t−ブタノール、酢酸エチル、塩化メチレ
ンとして、実施例4と同様に操作して(2S,3S)−
3−ベンジロキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−
4−フェニル−1−ブタノールを合成した。(2S,3
S)体と(2R,3S)体のジアステレオマー比及び収
率を表1に示した。
【0047】
【表1】
【0048】実施例10 実施例2で合成した(S)−3−ベンジロキシカルボニ
ルアミノ−4−フェニル−1−ブテン56mg(0.2
mmol)、フェリシアン化カリウム198mg(0.
6mmol)、ヒドロキニンクロロベンゾエート(アル
ドリッチ社製)18.6mg(0.04mmol)、t
−ブタノール1ml、0.6M炭酸カリウム水溶液1m
l(0.6mmol)の混合溶液を0℃で攪拌し、これ
に4%四酸化オスミウム水溶液28μl(0.004m
mol)を加え続けて0℃で攪拌した。20時間後、こ
の反応液に亜硫酸ナトリウム粉末100mgを加え0℃
で30分攪拌した後、室温まで放置し、混合物を酢酸エ
チルで3回抽出し、さらに飽和食塩水で洗浄後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で濃縮して得た
残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(和光純
薬社製ワコーゲルC−200、溶離液:n−ヘキサン/
酢酸エチル=1/1)で精製し、3−ベンジロキシカル
ボニルアミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル−1−ブ
タノールの白色固体を62mg得た。収率98%であっ
た。
【0049】得られた白色固体について、実施例4と同
様に操作してHPLCにより分析した結果、ジアステレ
オマー比は(2S,3S):(2R,3S)=77:2
3であった。
【0050】
【発明の効果】本発明により、医薬品中間体として有用
な3位に置換基を有する光学活性な、3─アミノ−2−
ヒドロキシ−1─プロパノール誘導体を、簡便に、立体
選択的に、かつ高い収率のもとに製造する方法を提供す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 213/00 269/06 271/16 9451−4H // C07B 53/00 B 7419−4H

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1); 【化1】 (式中、R1 、R2 は、独立して、水素又はアミノ基保
    護基を表す。R3 は、アルキル基、アラルキル基又はア
    リール基を表す。)で表されるキラルなアミノアルデヒ
    ド誘導体に、ジハロメタン、亜鉛末及びルイス酸を作用
    させて、一般式(2); 【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 は前記と同じ。)で表される
    キラルなアリルアミン誘導体を得て、さらにこれをオス
    ミウム(VIII)触媒酸化することを特徴とする、一
    般式(3); 【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 は前記と同じ。立体配置は相
    対的立体配置を表す。)で表されるエリスロ型ジヒドロ
    キシアミン誘導体の立体選択的製造法。
  2. 【請求項2】 一般式(2); 【化4】 (式中、R1 、R2 は、独立して、水素又はアミノ基保
    護基を表す。R3 は、アルキル基、アラルキル基又はア
    リール基を表す。)で表されるキラルなアリルアミン誘
    導体を、オスミウム(VIII)触媒酸化することを特
    徴とする、一般式(3); 【化5】 (式中、R1 、R2 、R3 は前記と同じ。立体配置は相
    対的立体配置を表す。)で表されるエリスロ型ジヒドロ
    キシアミン誘導体の立体選択的製造法。
  3. 【請求項3】 R1 及びR2 は、フタロイル基であり、
    3 は、ベンジル基である請求項1又は2記載の製造
    法。
  4. 【請求項4】 R1 は、水素であり、R2 は、ベンジロ
    キシカルボニル基であり、R3 は、ベンジル基である請
    求項1又は2記載の製造法。
  5. 【請求項5】 オスミウム(VIII)触媒酸化の不斉
    配位子として光学活性なアミンを共存させることを特徴
    とする請求項1、2、3又は4記載の製造法。
  6. 【請求項6】 オスミウム(VIII)触媒酸化の不斉
    配位子が、式(6); 【化6】 で表される光学活性なアミンである請求項5記載の製造
    法。
  7. 【請求項7】 一般式(4); 【化7】 (式中、R1 、R2 は、独立して、水素又はアミノ基保
    護基を表す。)で表されるキラルなアリルアミン誘導
    体。
  8. 【請求項8】 一般式(5); 【化8】 (式中、R1 及びR2 は、フタロイル基を表すか、又
    は、R1 は、水素を表し、R2 は、ベンジロキシカルボ
    ニル基を表す。)で表される光学活性アリルアミン誘導
    体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998055452A1 (en) * 1997-06-03 1998-12-10 Kaneka Corporation PROCESS FOR REDUCING $G(a)-AMINO KETONES
WO2005063682A1 (de) * 2003-12-19 2005-07-14 Dsm Fine Chemicals Austria Nfg Gmbh & Co Kg Verbessertes verfahren zur herstellung von chiralen oder enantiomerenangereicherten beta-aminosäuren -aldehyden, - ketonen und gamma-aminoalkoholen

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WO1998055452A1 (en) * 1997-06-03 1998-12-10 Kaneka Corporation PROCESS FOR REDUCING $G(a)-AMINO KETONES
WO2005063682A1 (de) * 2003-12-19 2005-07-14 Dsm Fine Chemicals Austria Nfg Gmbh & Co Kg Verbessertes verfahren zur herstellung von chiralen oder enantiomerenangereicherten beta-aminosäuren -aldehyden, - ketonen und gamma-aminoalkoholen

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