JPH08124496A - 陰極線管の電子銃 - Google Patents

陰極線管の電子銃

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JPH08124496A
JPH08124496A JP26065894A JP26065894A JPH08124496A JP H08124496 A JPH08124496 A JP H08124496A JP 26065894 A JP26065894 A JP 26065894A JP 26065894 A JP26065894 A JP 26065894A JP H08124496 A JPH08124496 A JP H08124496A
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JP
Japan
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electrode
high resistance
ring
electron gun
tube
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JP26065894A
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English (en)
Inventor
Shingo Kimura
慎吾 木村
Shigenori Tagami
滋規 田上
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子レンズを構成する電極と電極との間のギ
ャップをコントロールすることが可能であり、しかも電
極間ギャップでの電位勾配をも制御することができ、電
子レンズの球面収差係数を小さくすることができる陰極
線管の電子銃を提供すること。 【構成】 電子レンズ構成部が、高抵抗管3Aで構成さ
れ、この高抵抗管3Aの内部に、少なくとも、リング状
の高圧電極8と、高圧電極8よりも低電圧が印加される
リング状の中圧電極9とが、軸方向に離間して配置して
あり、これら高圧電極8と中圧電極9との間に、導電リ
ング11Aが配置してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばプロジェクタ
管、カラー受像管、インデックス管等に用いられる陰極
線管の電子銃に係り、さらに詳しくは、球面収差係数を
小さくし、スポット径を縮小すると共に、解像度の向上
を図る陰極線管の電子銃に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、陰極線管の電子銃としては、例え
ば図18に示すようなものが知られている。この電子銃
はユニポテンシャル型のものであり、電子を放出すべき
カソードKに対して、加速および集束電極としての第1
〜第5グリッドが同軸(Z軸)上に配される。そして、
カソードKから放出される電子ビームは、第2および第
3グリッドG2 ,G3 によって形成されるプリフォーカ
スレンズと、第3〜第5グリッドG3 〜G5 により形成
される主レンズとの働きにより蛍光面上に集束される。
これらカソードKおよび第1〜第5グリッドG1 〜G5
は、融着によりビードガラスに固定され、一体的に組み
立てられる。また、第1〜第5グリッドG1 〜G5 は、
例えばステンレス等の金属から構成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
に係る電子銃では、次のような問題が生じていた。すな
わち、上述した構成においては、電極特に第3〜第5グ
リッドG3 〜G5間の同心度にずれが生じやすく、その
ため電子ビームの離軸が起こって、フォーカスぼけが発
生し易い。
【0004】また、電極間の電位差が段階状になるた
め、第3〜第5グリッドG3 〜G5 間において放電が起
こりやすく、また、レンズ径の球面収差が大きくなって
ビームスポット径が大きくなっていた。また、第3グリ
ッドG3 と第4グリッドG4 とのギャップと、第4グリ
ッドG 4 と第5グリッドG5 とのギャップとを、ある間
隔以上に広げると、その隙間から、電子ビームが漏れ、
ネック部やビードガラスなどにチャージアップが発生す
ると言う課題を有している。これらのギャップは、電子
銃の性能(特に球面収差係数)に関係しており、最適な
ギャップとすることが望まれている。
【0005】また、これらグリッド(電極)を、適切な
間隔に引き離した場合には、その間隔により電位勾配が
決定されてしまい、電極間の電位勾配を制御することは
できなかった。電極間の電位勾配も、電子レンズの球面
収差係数に影響することから、それを制御する手段が求
められていた。
【0006】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、電子レンズを構成する電極と電極との間のギャップ
をコントロールすることが可能であり、しかも電極間ギ
ャップでの電位勾配をも制御することができ、電子レン
ズの球面収差係数を小さくすることができる陰極線管の
電子銃を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る陰極線管の電子銃は、電子レンズ構成
部が、抵抗筒体で構成され、この抵抗筒体の内部に、少
なくとも、リング状の高圧電極と、前記高圧電極よりも
低電圧が印加されるリング状の中圧電極とが、軸方向に
離間して配置してあり、これら高圧電極と中圧電極との
間に、導電リングが配置してある。
【0008】前記抵抗筒体は、セラミックで構成するこ
とができる。前記高圧電極と中圧電極との間に、複数の
導電リングを配置することもできる。導電リングの位置
は、高圧電極に近い側あるいは中圧電極に近い側に配置
される。
【0009】
【作用】電極の外周は、抵抗筒体で覆われているので、
電子ビームが電極の間から漏れてビードガラスなどにチ
ャージアップすることもない。さらに、電子レンズ構成
部を抵抗筒体で形成したことから、電子レンズ系の同心
度のずれがほとんど生じない。
【0010】また、本発明では、抵抗筒体の内周に形成
されるリング状の電極は、これらのギャップを任意に設
定することができる。さらに、リング状の電極間に、導
電リングを配置することで、これら電極間の電位勾配を
任意に変化させることができ、増倍率Mを変化させるこ
となく、球面収差係数Csのみを小さくさせることがで
きる。
【0011】球面収差係数Csは、陰極線管のスポット
径に大きく影響する。スポット径Dは、以下の数式で表
わせる。
【0012】
【数1】D=dc×M+1/2×Cs×M×θ3 ただし、dcは物点径であり、Mは増倍率であり、θは
発散角である。
【0013】上記式より、スポット径Dを小さくするに
は、球面収差係数Csを小さくすれば良いことが分か
る。本発明では、リング状の電極間に、導電リングを配
置することで、これら電極間の電位勾配を任意に変化さ
せ、球面収差係数Csを小さくすることができる。その
結果、スポット径が小さくなり、解像度が向上する。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係る陰極線管の電子銃を、図
面に示す実施例に基づき、詳細に説明する。図1に第1
実施例の全体構成を示す。本実施例の電子銃はユニポテ
ンシャル型のものである。同図に示すように、本実施例
においては、ネック管1のステム2の近傍に電子を放出
するためのカソードKが設けられ、このカソードKに隣
接して第1グリッドG1 、第2グリッドG2 および第3
グリッドG3 を構成するカップ部材G3Aが同軸上に配さ
れる。そして、カップ部材G3Aに隣接した位置に、主レ
ンズを形成するための後述する高抵抗管3Aが設けられ
る。さらに、この高抵抗管3Aの上端部にはHVシール
ド4およびHVスプリング5が固定される。なお、ステ
ム2には複数のステムピン6が埋め込まれている。
【0015】高抵抗管3Aは、例えばアルミナ(Al2
3 )中にTi、W、Cu等の酸化物を混合し焼結させ
て導電性をもたせた物質や導電性をもたせたフェライ
ト、チタニア系セラミックス等からなり、高耐圧性を有
する絶縁物を主成分とする。この高抵抗管3Aは、真円
度の高い(例えば20μm以下)円筒形状に形成され、
その両端部および中央部内面には例えばRuO2 −ガラ
スペーストからなるリング状の電極膜8、9、10が塗
布形成されている。ここで、電極膜8はカップ部材G3A
とともに第3グリッドG3 を構成し、電極膜9、10は
それぞれ第4グリッドG4 および第5グリッドG5 の役
割を果たす。第3グリッドG3 (第1高圧電極)および
第5グリッドG5 (第2高圧電極)には、30K〜32
KV程度の高電圧が印加され、第4グリッドG4 (中圧
電極)には、7K〜10KV程度の中電圧が印加され
る。
【0016】一方、電極膜8、9、10の間には、例え
ば電極膜8〜10と同じ材料からなるリング状の部分
(以下「導電リング」という。)11Aが形成されてい
る。ここで、電極膜8〜10および導電リング11A
は、ともに高抵抗管3の長手方向即ち管軸(Z軸)方向
と垂直方向に形成されている。
【0017】高抵抗管3Aの抵抗値については、高抵抗
管3Aの直径と電極膜8、9および9、10間の間隔を
それぞれ12mm程度とすると、各電極膜8、9および
9、10間において100MΩ(メガオーム)〜10T
eraΩ(テラオーム)となるように設定することが好
ましく、特に1GΩ程度が好ましい。この値より小さい
と発熱しやすく、また、この値より大きいと帯電しやす
くなる。なお、かかる抵抗値を1GΩに設定した場合、
高抵抗管3Aの体積抵抗率は106 Ω・cmとなる。
【0018】さらに、高抵抗管3Aの一方の外面には、
その長手方向に延びる導電膜17が形成されている。高
抵抗管3Aの両端部には、電極膜8、10を電気的に接
続するための円筒ホルダー12(12a,12b)が固
定されている。この円筒ホルダー12は、例えばステン
レス等の金属からなり、図2(A)〜(D)に示すよう
に、絶縁管3と嵌まり合うリング状のフランジ部13を
有している。そして、このフランジ部13の内周には、
対向する一対の突起14が3箇所に設けられ、これらの
突起14のうち内側のものが絶縁管3の内面に形成した
電極膜10、12と接触するように構成される。また、
円筒ホルダー12aと円筒ホルダー12bとは、絶縁管
3の外面に形成した導電膜17を介して電気的に接続さ
れる。
【0019】図1に示すように、絶縁管3のほぼ中央部
にはG4 ピン15が設けられる。このG4 ピン15は、
絶縁管3の膨張係数とほぼ等しい膨張係数を有するコバ
ルト(Co)鉄またはTi合金で形成することが好まし
い。そして、このG4 ピン15は、絶縁管3に形成した
孔16を介して電極膜9と接触するように取り付けられ
る。また、G4 ピン15には、リード線26が接続され
る。このリード線26は、図示しないがステムピン6に
接続固定される。
【0020】図3に示すように、HVシールド4は、例
えばSUS304等からなる平板状の部材で、その中央
部には電子ビームを透過させるための孔8が設けられ
る。このHVシールド4は、図1に示すように、溶接に
よって円筒ホルダー12aに固定される。
【0021】HVスプリング5は、例えばインコネルか
らなる。図1に示すように、HVスプリング5はHVシ
ールド4の両端部に溶接によって固定され、その先端部
がネック管1の内面を押圧するように構成される。そし
て、このHVスプリング5はカーボン等からなる導電膜
を介して不図示のアノードボタンに電気的に接続され
る。
【0022】本実施例では、図4(A)に示すように、
電極膜8で構成される第3グリッドG3 (第1高圧電
極)と電極膜9で構成される第4グリッドG4 (中圧電
極)との間に、導電リング11Aが配置され、グリッド
間の電位勾配が、同図(B)に示すようになる。電極膜
8と電極膜9との間のギャップXは、本実施例では、1
0〜20mm程度である。なお、図1に示す電極膜9と電
極膜10との間のギャップは、特に限定されないが、前
記ギャップXを1とした場合には、1以上、好ましくは
1〜3、さらに好ましくは1〜2である。このように設
定することで、球面収差係数をさらに小さくできること
が確認されている。
【0023】また、本実施例では、導電リング11A
は、中圧電極を構成する電極膜9側に近く配置され、導
電リング11Aの配置位置関係を示す比a:b:cは、
1〜2:2〜4:8〜10が好ましい。なお、導電リン
グ11Aの配置位置は、図4に示す実施例に限定され
ず、図5(A)に示すように、導電リング11Aを高圧
電極である電極膜8側に近く配置することもでき、図6
(A)に示すように、導電リング11Bを複数にするこ
ともできる。このように導電リング11A,11Bの配
置位置および配置個数を変化させることで、図5(B)
および図6(B)に示すように、電位勾配を任意に変化
させることもできる。
【0024】また、図1に示す実施例では、中圧電極で
ある電極膜9と高圧電極である電極膜10との間にも、
導電リング11Aが配置してあるが、この導電リング1
1Aの配置位置および配置個数も特に限定されない。さ
らに、本発明では、電極膜8と電極膜9との間の導電リ
ング11Aと、電極膜9と電極膜10との間の導電リン
グ11Aとの、いずれか一方の導電リング11Aは、必
ずしも設けなくとも良い。
【0025】本実施例に係る陰極線管の電子銃では、電
極膜8,9,10の外周は、高抵抗管3Aで覆われてい
るので、電子ビームが電極の間から漏れてビードガラス
などにチャージアップすることもない。さらに、電子レ
ンズ構成部を高抵抗管3Aで形成したことから、電子レ
ンズ系の同心度のずれがほとんど生じない。
【0026】また、本発明では、高抵抗管3Aの内周に
形成されるリング状の電極膜8,9,10は、これらの
ギャップを任意に設定することができる。さらに、リン
グ状の電極膜8,9,10間に、導電リング11Aを配
置することで、これら電極間の電位勾配を任意に変化さ
せることができ、増倍率Mを変化させることなく、球面
収差係数Csのみを小さくさせることができる。
【0027】球面収差係数Csは、陰極線管のスポット
径に大きく影響する。したがって、本実施例では、リン
グ状の電極膜8,9,10間に、導電リング11Aを配
置することで、これら電極間の電位勾配を任意に変化さ
せ、球面収差係数Csを小さくすることができる。その
結果、スポット径が小さくなり、解像度が向上する。
【0028】次に、本実施例に係る電子銃の製造方法に
ついて、図7および図8を用いて説明する。まず、高抵
抗管3AにG4 ピン15を取り付けるための孔16を形
成し(図7工程(1)、図8A)、この高抵抗管3Aを
洗浄し乾燥する(図7工程(2))。
【0029】次いで、高抵抗管3Aの内面に、以下の方
法により電極膜8〜10および導電リング11Aを塗布
形成する(図7工程(3)、図8B)。この場合、導電
ペーストとしては、例えばRuO2 −ガラスペースト
(商品名#9516、デュポン社製等)を用い、膜厚が
均一になるように塗布を行う。
【0030】図9は電極膜8〜10および導電リング1
1Aの形成方法の第1の例を示すものである。図9Aは
導電ペーストの塗布方法を示すもので、高抵抗管3Aの
内部に高い抵抗管3Aとほぼ同じ高さを有する回転自在
のゴムローラ68を配し、このゴムローラ68を一対の
ばね69により高抵抗管3Aの内面に押しつけるように
構成する。この場合、図9Bに示すように、ゴムローラ
68の長手方向に一定量の導電ペースト70を載せた後
に図9Aに示すようにセットし、高抵抗管3Aを回転軸
1 を中心として回転させる。これによりゴムローラ6
8も回転軸O2 を中心として回転し、導電ペースト70
が高抵抗管3Aの内面前面に広がって塗布される。その
後、ゴムローラ68を高抵抗管3Aから抜き、高抵抗管
3Aを回転しながら例えば温風で加熱することにより乾
燥させる。これは導電ペースト70がたれることを防ぐ
ためである。
【0031】図9Cは導電ペースト70のトリミング方
法を示すものである。同図に示すように、支持棒71の
先端に超硬合金からなるけがき円板72が偏心するよう
に取り付けられる一方、この支持棒71は、ばね73に
よって長手方向と直交する方向に引っ張られるよう構成
される。そして、トリミング工程においては、高抵抗管
3Aを矢印a方向に回転させ、支持棒71を高抵抗管3
A内に配置する。そして、支持棒71を矢印b又はc方
向へ移動させ導電ペースト70の不要な位置に来たとき
に、ばね73を動作させてけがき円板72を導電ペース
ト70に押し当て、トリミングを行う。一方、導電ペー
スト70が必要な部分については、ばね73を解除する
ことにより、導電ペースト70を残すようにする。な
お、レーザー光を吸収させた熱により導電ペースト70
を蒸発させて除去するようにしてもよい。
【0032】図10は電極膜8〜10および導電リング
11Aの形成方法の第2の例を示すものである。この方
法は、ネガタイプのレジスト材料(例えばPVA−AD
C等)を用いた露光法によるものである。この方法の場
合、まず、図10Aに示すように、高抵抗管3Aを回転
させつつその内面にレジスト材料80を塗布する。次い
で、図10Bに示すように、高抵抗管3A内にマスク8
1を挿入し、位置合わせを行う。このマスク81は、高
抵抗管3Aの内径と等しい外径を有する紫外線透過性ガ
ラス(例えば石英)の外周に電極膜8〜10および導電
リング11Aと同じパターン82を形成したものであ
る。
【0033】そして、図10Cに示すように、マスク8
1の内側に紫外線照射ランプ83を配し、露光を行う。
さらに、高抵抗管3Aからマスク81を外して水を吹き
付けることにより現像を行い、図11Aに示すようにレ
ジスト84の電極パターンを作成する。
【0034】次に、図10Dに示すように、真空ポンプ
85内にこの高抵抗管3Aを配置し、例えばAl,Au
等の金属からなるワイヤー86をヒーター87によって
加熱することにより、高抵抗管3Aの内面に金属膜88
を蒸着させる(図11B)。さらに、H22 による反
転現像およびベーキング(430℃、30分)を行っ
て、図11Cに示すように、電極膜8〜10および導電
リング11Aを形成する。
【0035】図12は電極膜8〜10および導電リング
11Aの形成方法の第3の例(メタルマスク蒸着法)を
示すものである。この方法の場合、高抵抗管3Aの内面
に密着するように金属製のリング状のマスク110を挿
入し、真空ポンプに連結した容器89内にこの高抵抗管
3Aを配置する。そして、容器89内を真空にすると共
にヒーター89aによって上記蒸着用金属90を加熱し
て高抵抗管3Aの内面にこれを蒸着させる。
【0036】図13は電極膜8〜10および導電リング
11Aの形成方法の第4の例を示すものである(熱転写
法)。この方法の場合、まず、ポリエステルからなる熱
転写用のベースフィルム91を円筒状に形成する(図1
3A)。そして、このベースフィルム91上に、剥離層
(図示せず)、導電層92、接着層(図示せず)の各層
を順に塗布形成して熱転写シート93を完成させる(図
13B)。次に、図13Cに示すように、この熱転写シ
ート93を位置出して高抵抗管3A内に挿入する。そし
て、空気圧によって熱転写シート92を高抵抗管3Aの
内面に密着させ、内部にヒーターを内蔵したシリコンロ
ーラ94でさらに加熱および加圧を行う(図13D)。
これにより熱転写シート93上の導電層92が高抵抗管
3Aの内面に転写され、電極層8〜10および導電リン
グ11Aが形成される。その後、図13Eに示すように
ベースフィルム91を剥離除去する。
【0037】さらに、図14A,Bに示すように、予め
高抵抗管3Aの内壁に凹部3a,3bを形成し、上述し
た図9に示すゴムローラ68を用いてベタに導電ペース
ト70を塗布することにより、所定パターンの電極膜8
〜10および導電リング11Aを形成することもでき
る。
【0038】図15は、電極膜8〜10および導電リン
グ11Aの形成方法の第6の例を示すものである。本例
は、タコ印刷を応用したもので、まず、図15Aに示す
ように、所定のパターン101が形成されたベース10
0の端部に導電ペースト102を載せ、ローラ103を
例えばパターン101と直交する方向へ転がすことによ
り、導電ペースト102をパターン101の間の凹部に
充填する。
【0039】そして、図15Bに示すように、第1の例
(図9A参照)で用いたものと同じローラ104を、ロ
ーラ103と直交する方向へ転がすことにより、図15
Cに示すようにローラ104に導電ペースト102を付
着させる。さらに、図9Aに示すように、第1の例と同
様にローラ104を高抵抗管3Aの内面に押し付け、高
抵抗管3Aを回転させる。これにより、高抵抗管3Aの
内面に導電ペースト102が付着し、電極膜8〜10お
よび導電リング11Aが形成される。
【0040】なお、その他にも、スクリーン印刷方式に
よってベース上に所定のパターンを形成し、以下図15
B、Cおよび図9(A)に示す方法と同様にして、高抵
抗管3Aの内面に電極膜8〜10および導電リング11
Aを形成することもできる。また、上述の電極膜8〜1
0および導電リング11Aは、導電ペーストをインクジ
ェット方式によって高抵抗管3A内面に吹きつけること
により形成することもできる。
【0041】さらに、本実施例の電極膜8〜10および
導電リング11Aは、ディスペンサーを用いた方法によ
っても形成できる。上述の方法により電極膜8〜10お
よび導電リング11Aを形成した後、膜厚を均一に保つ
ためにレベリング乾燥を行い(図7工程(4))、その
後、例えば850℃の温度で10分間空気中において焼
成し(図7工程(5))、電極膜8〜10および導電リ
ング11Aをセラミックスからなる高抵抗管3Aの内面
に固着させる。なお、上述の電極膜8〜10および導電
リング11Aの形成方法のうち、第3の方法(メタルマ
スク蒸着法)を用いた場合には、このような焼成が不要
となる。
【0042】その後、図8Cに示すように、第3グリッ
ドG3 としての電極膜8と第5グリッドG5 としての電
極膜10を電気的に接続するため、高抵抗管3AのG4
ピン15が設けられない側の外周の長手方向に上記導電
ペースト70を塗布し、導電膜17を形成する。
【0043】そして、位置決め治具で高抵抗管3Aを芯
出し、垂直出して円筒ホルダー12を高抵抗管3Aにセ
ットすると共に、孔16にG4 ピン15を取り付けて治
具によって固定し、それぞれ図8Dに示すように、フリ
ットガラスgを配して例えば850℃の温度で10分間
焼成を行う(図7工程(6)(7))。
【0044】なお、電極膜8〜10および導電リング1
1Aを形成した後、レベリング乾燥(工程(4))およ
び焼成(工程(5))を行わず、円筒ホルダー12とG
4 ピン15をセットしてフリットガラスgを塗布し、一
度に焼成(工程(7))を行うこともできる。
【0045】その後、図1に示すように、一方の円筒ホ
ルダー12aに対し位置出し治具を用いてHVシールド
10およびHVスプリング5を組立、溶接する。また、
他方の円筒ホルダー12bに対し、公知のビーディング
法により予め組み立てたトライオード(カソードK、第
1グリッドG1 、第2グリッドG2 、カップ部材G3A)
を、位置出し治具を用いて組み立て、溶接する(図7工
程(8))。
【0046】さらに、第1および第2グリッドG1 ,G2
のリード線24、25およびG4ピン15のリード線1
6を、ステム2に埋め込まれたステムピン6に接続する
ことにより、図1に示すような電子銃が完成する。(図
7工程(9))。本実施例のように、電極膜8〜10間
に導電リング11Aを設けた場合、電極間の電位の微調
整を行うことができ、電極膜8〜10によって形成され
る電子レンズ系の球面収差を小さくすることができる。
そして、この導電リング11Aを精度良く多く設ければ
設けるほど、従来の装置において電子銃を構成する部材
の真円度が小さくなった場合と同様の効果がある。
【0047】かかる構成を有する本実施例においては、
主レンズを形成するための第3〜5グリッドG3 〜G5
に相当する電極膜8〜10が、精度良く一体形成された
高抵抗管3Aに形成されていることから、これらの電極
8〜10間のZ軸に対する軸ずれが小さくなる。従っ
て、本実施例によれば、電子ビームの離軸を小さく抑え
ることができる。
【0048】また、本実施例においては、電極膜8〜1
0の間に複数の導電リング11Aが形成されていること
から、球面収差が小さくなり、ビームスポット径を小さ
くすることができ、解像度を向上させることが可能にな
る。また、本実施例における導電リング11AはZ軸と
垂直方向に形成されているため、電極膜8〜10間にお
ける電位を安定させることができる。そして、本実施例
の構成によれば、高抵抗管3A内において電流がZ軸に
平行に流れるので、管内における磁界発生がなく、電子
ビームの偏心を防止することができる。
【0049】なお、上述の実施例においては、例えば図
8Dに示すようにフリットガラスgを用いて円筒ホルダ
ー12a、12bを高抵抗管3Aに固定するようにした
が、本発明はこれに限られるものではなく、例えば図1
6に示すように高抵抗管3Aの外面に凹部3cを形成
し、この凹部3cと円筒ホルダ12の突起14とをはめ
合わせるように構成することもできる。この場合、HV
シールド4と円筒ホルダー12とは予め溶接しておくと
よい。また、HVシールド4とHVスプリング5につい
ても、溶接によらずはめ込んで固定することもできる。
【0050】なお、ビードガラス7をHVシールド4ま
で延長しなくとも、図17に示すように、一対の帯状の
バンドBで高抵抗管3Aを挟むとともに高抵抗管3Aの
途中までビードガラス7を延長し、このビードガラス7
に対してバンドBを融着することにより高抵抗管3Aと
トライオードとを固定するようにしてもよい。
【0051】また、本発明は上述したユニポテンシャル
型の電子銃のみならずバイポテンシャル型の電子銃にも
適用することができるものである。なお、本発明は、上
述した実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲
内で種々に改変することができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、リング状の電極間に、導電リングを配置すること
で、これら電極間の電位勾配を任意に変化させ、球面収
差係数Csを小さくすることができる。その結果、スポ
ット径が小さくなり、解像度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る陰極線管の電子銃の全体
構成を示す断面図である。
【図2】(A)は同実施例の円筒ホルダーの正面図であ
る。(B)は図2Aのa−O−a’線断面図である。
(C)は図2Aのb−b’線断面図である。(D)は図
2Cのc−c’線断面図である。
【図3】同実施例のHVシールドの平面図である。
【図4】(A)は本発明の一実施例に係る電子銃の要部
を示す断面図である。(B)は電位勾配を示すグラフで
ある。
【図5】(A)は本発明の他の実施例に係る電子銃の要
部を示す断面図である。(B)は電位勾配を示すグラフ
である。
【図6】(A)は本発明の他の実施例に係る電子銃の要
部を示す断面図である。(B)は電位勾配を示すグラフ
である。
【図7】本発明の一実施例に係る電子銃の製造工程を示
すフローチャートである。
【図8】(A)〜(D)は同実施例の製造工程を示す説
明図である。
【図9】(A)〜(C)は電極膜および導電リングの形
成方法の第1の例を示す説明図である。
【図10】(A)〜(D)は電極膜および導電リングの
形成方法の第2の例を示す説明図である。
【図11】(A)〜(C)は同例に従って形成される電
極膜および導電リングの説明図である。
【図12】電極膜および導電リングの形成方法の第3の
例を示す説明図である。
【図13】(A)〜(E)は電極膜および導電リングの
形成方法の第4の例を示す説明図である。
【図14】(A),(B)は電極膜および導電リングの
形成方法の第5の例を示す説明図である。
【図15】(A)〜(C)は電極膜および導電リングの
形成方法の第6の例を示す断面図である。
【図16】円筒ホルダーの取付方法の他の例を示す断面
図である。
【図17】(A),(B)は高抵抗管の固定方法の他の
例を示す説明図である。
【図18】従来例の概略構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1… ネック管 3A… 高抵抗管(抵抗筒体) 8,9,10… 電極膜 G1 〜G5 … 第1〜第5グリッド 11A… 導電リング

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子レンズ構成部が、抵抗筒体で構成さ
    れ、この抵抗筒体の内部に、少なくとも、リング状の高
    圧電極と、前記高圧電極よりも低電圧が印加されるリン
    グ状の中圧電極とが、軸方向に離間して配置してあり、 これら高圧電極と中圧電極との間に、導電リングが配置
    してある陰極線管の電子銃。
  2. 【請求項2】 前記抵抗筒体が、セラミックで構成され
    る請求項1に記載の陰極線管の電子銃。
  3. 【請求項3】 前記高圧電極と中圧電極との間に、複数
    の導電リングが配置してある請求項1または2に記載の
    陰極線管の電子銃。
  4. 【請求項4】 前記導電リングが、前記中圧電極よりも
    高圧電極側に近く配置してある請求項1〜3のいずれか
    に記載の陰極線管の電子銃。
  5. 【請求項5】 前記導電リングが、前記高圧電極よりも
    中圧電極側に近く配置してある請求項1〜3のいずれか
    に記載の陰極線管の電子銃。
JP26065894A 1994-10-24 1994-10-25 陰極線管の電子銃 Pending JPH08124496A (ja)

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JP26065894A JPH08124496A (ja) 1994-10-25 1994-10-25 陰極線管の電子銃
US08/546,944 US5773925A (en) 1994-10-24 1995-10-23 Electron gun for a cathode ray tube
KR1019950036562A KR100386182B1 (ko) 1994-10-24 1995-10-23 음극선관의전자총및음극선관의제조방법
GB9521751A GB2294581B (en) 1994-10-24 1995-10-24 Cathode ray tube and electron gun for a cathode ray tube
US08/838,195 US5895303A (en) 1994-10-24 1997-04-16 Method of manufacturing an electron gun for a cathode ray tube

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