JPH08119943A - 免疫抑制剤 - Google Patents

免疫抑制剤

Info

Publication number
JPH08119943A
JPH08119943A JP26006294A JP26006294A JPH08119943A JP H08119943 A JPH08119943 A JP H08119943A JP 26006294 A JP26006294 A JP 26006294A JP 26006294 A JP26006294 A JP 26006294A JP H08119943 A JPH08119943 A JP H08119943A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
formula
culture
cells
medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP26006294A
Other languages
English (en)
Inventor
Isami Takahashi
勇美 高橋
Tamio Mizukami
民夫 水上
Yasushi Nishiie
靖 西家
Yasushi Oda
康司 小田
Keiko Ochiai
恵子 落合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd filed Critical Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
Priority to JP26006294A priority Critical patent/JPH08119943A/ja
Publication of JPH08119943A publication Critical patent/JPH08119943A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Other In-Based Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた免疫抑制剤を提供する。 【構成】 式(I) (式中、Rは水素またはヒドロキシを表す)で表される
化合物を有効成分として含有する免疫抑制剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な免疫抑制剤に関す
る。本発明の免疫抑制剤は自己免疫疾患、アレルギー性
疾患、臓器移植などの治療に有用である。さらに本発明
は、抗菌、抗腫瘍作用および免疫抑制作用を有し、抗
菌、抗腫瘍および免疫抑制剤として有用である化合物 G
T32-B に関する。
【0002】
【従来の技術】マクロサイクリックラクタム骨格を有す
る生理活性物質として、式
【0003】
【化3】
【0004】で表されるvicenistatinが抗菌活性および
抗癌活性を有することが報告されている[ジャーナル・
オブ・アンチバイオチックス(J.Antibiotics), 46,107
6-1081(1993)]。また、式(Ia)
【0005】
【化4】
【0006】で表される化合物GT32-Aと同一化合物(BE
-14106)が抗真菌作用および抗癌作用を有することが知
られている [ジャーナル・オブ・アンチバイオチックス
(J.Antibiotics), 45,868-874(1992) 、特開平4−1
179号公報] 。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】免疫抑制剤としては、
副腎皮質ホルモン、代謝拮抗剤、アルキル化剤、アルカ
ロイド、抗生物質、抗リンパ球グロブリン、抗CD3モノ
クローナル抗体などが知られており、自己免疫疾患、ア
レルギー性疾患、臓器移植などの治療薬として用いられ
ている。しかしながら、有効性、持続性、副作用などの
点で必ずしも満足されるものではなく、さらに優れた免
疫抑制剤の開発が求められている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明により式(I)
【0009】
【化5】
【0010】(式中、Rは水素またはヒドロキシを表
す)で表される化合物 [以下、化合物(I) という。他の
式番号についても同様である]を有効成分として含有す
る免疫抑制剤が提供される。化合物(I)の具体例とし
ては、式(Ia)
【0011】
【化6】
【0012】で表される化合物 GT32-A 、および式(I
b)
【0013】
【化7】
【0014】で表される化合物 GT32-B があげられる。
GT32-Aは、ストレプトマイセス属である放線菌( Strept
omyces sp. A14106 株) を培地に培養し、培養物中に生
成蓄積させ、該培養物中から単離精製することにより得
られる [ジャーナル・オブ・アンチバイオチックス(J.
Antibiotics),45,868-874(1992)]。
【0015】化合物GT32-Bは、ストレプトマイセス属に
属し、GT32-B生産能を有する微生物を培地に培養し、培
養物中にGT32-Bを生成蓄積させ、該培養物から GT32-B
を採取することにより得られる。GT32-B生産能を有する
微生物としては、ストレプトマイセス属に属し、GT32-B
生産能を有する菌株であればいずれの菌株でも用いるこ
とができる。また、これらの菌株の人工的変異方法、た
とえば紫外線照射、X 線照射、変異誘起剤処理などによ
って変異させた変異株あるいは自然的に変異した変異株
でも GT32-B 生産能を有するものであれば本発明に用い
ることができる。
【0016】具体的に好敵な例としては、ストレプトマ
イセス・スピーシーズ(Streptomyces sp.) GT32 株が
あげられる。ストレプトマイセス・スピーシーズ(Stre
ptomyces sp.)GT32株の菌学的性質について以下に述べ
る。
【0017】なお、該性質の決定は、国際ストレプトマ
イセス(Streptomyces)プロジェクト(ISP)がストレ
プトマイセス種の特性決定のために推奨する方法 [E.B.
シェリング(E.B. Shirling)および D.ゴットリーブ
(D.Gottlieb)、インターナショナル・ジャーナル・シ
ステマティック・バクテリオロジー(Int. J. Syst. Ba
cteriol.),16, 313-340(1966)] に従った。全細胞
の加水分解物中のジアミノピメリン酸の異性体はビー・
ベッカー(B.Becker)らの方式 [アプライド・ミクロバ
イオロジー(Appl. Microbiol.),12,421-423(1964)]
によって確認した。形態学的検討は、光学顕微鏡を用
いて行い、とくに胞子表面の形態については走査型電子
顕微鏡を用いて行った。色の名称の割当てには、カラー
・ハーモニー・マニュアル(Color Harmony Manual)
[コンティナー・コーポレーション・オブ・アメリカ(C
ontainer Corporation of America)、第4版(1985)]
を使用した。
【0018】GT32株の菌学的性質は次のとおりである。 1.形態的性質 1)菌糸: 気菌糸形成;有 気菌糸の分断および運動性;無 基生菌糸の分断および運動性;無
【0019】2)胞子: 胞子の形成の有無および着生位置;気菌糸に形成 胞子嚢の形成の有無および着生位置;無 胞子柄上で連鎖する胞子の数;10個以上 多数の胞子が連鎖する場合の形状;曲状または螺旋状胞子の特徴 表面構造;平滑 形状および大きさ;桿形、約0.4〜0.6 μm × 0.8 〜1.
2 μm 運動性および鞭毛の存在;無
【0020】3)その他: 厚膜胞子;無 集束菌糸;無 疑似胞子嚢;無 菌糸の分裂様式;単純分枝
【0021】2.培養的性質 GT32株は、一般に使用されている合成および天然培地で
普通もしくは旺盛な成育を示し、基生菌糸は黄色から茶
色系を示す。培地により茶色系統の可溶性色素が産生さ
れることもある。各種培地上で28℃、14日間培養したと
きの生育および色の特徴を以下に示す。
【0022】1)シュクロース・硝酸塩寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;オートミール(2ec)〜バンブー(2gc) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、ホワイト(a) 可溶性色素;無
【0023】2)グルコース・アスパラギン寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;ライトシトロングレー(1ec)〜ペール
レモンイエロー(1ea) 気菌糸の着生状態とその色調;普通、ホワイト(a) 可溶性色素;無
【0024】3)グリセリン・アスパラギン寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;クリーム(1 1/2ca)〜ライトメイズ(2e
a) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、ホワイト(a) 可溶性色素;無
【0025】4)スターチ・無機塩寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;バンブー(2gc) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、ホワイト(a) 可溶性色素;産生(茶色)
【0026】5)チロシン寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;バンブー(2gc)〜ライトゴールド(2ic) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、ホワイト(a) 可溶性色素;無
【0027】6)栄養寒天培地 生育状態;貧弱 基生菌糸の色調;ライトメイズ(2ea) 気菌糸の着生状態とその色調;貧弱、ホワイト(a) 可溶性色素;無
【0028】7)イースト・麦芽寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;ライトマスタードタン(2ie)〜バター
スコッチ(3ne) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、ホワイト(a) 可溶性色素;産生(黄土色)
【0029】8)オートミール寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;クリーム(1 1/2ca) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、ホワイト(a) 可溶性色素;無
【0030】3.生理学的性質 生育温度範囲は10日後の、その他の事項については28
℃、2〜3週間後の結果を示す。 1)生育温度範囲;6.0〜 34.0℃ 2)ゼラチンの液化;有 3)スターチの加水分解;有 4)脱脂粉乳の凝固およびペプトン化;ペプトン化する
【0031】5)メラニン様色素の生成 (i) ペプトン・イースト・鉄寒天培地;無 (ii)チロシン寒天培地;無
【0032】6)炭素源の利用性(基礎培地:プリードハ
ム・ゴトリーブ寒天培地) 以下、+は利用することを、−は利用しないことを示
す。 L-アラビノース ;+ D-キシロース ;+ D-グルコース ;+ シュクロース ;+ ラフィノース ;− D-フルクトース ;+ L-ラムノース ;+ イノシトール ;− D-マンニトール ;+
【0033】4.化学分類的性質 菌体中のジアミノピメリン酸の光学異性体;LL型 以上、形態的には気中菌糸に胞子鎖が形成されること、
化学分類的には細胞壁が I型(LL−ジアミノピメリン
酸、グリシン)であることから、本菌株は放線菌の中で
ストレプトマイセス属に分類される。
【0034】本菌株は、ストレプトマイセス・スピーシ
ーズ( Streptomyces sp.)GT32と命名され、ブダペスト
条約に基づいて、平成6年9月29日付けで工業技術院
生命工学工業技術研究所にFERM BP−4808と
して寄託してある。本発明の GT32-B 生産菌の培養に際
しては、放線菌の培養に用いられる通常の培養方法が適
用される。用いられる培地は、微生物の資化し得る炭素
源、窒素源、無機物などを程よく含有する培地であれば
合成培地、天然培地いずれでも用いることができる。
【0035】炭素源としては、グルコース、マンノー
ス、フラクトース、シュクロース、ラクトース、キシロ
ース、アラビノース、マンニトール、澱粉、デキストリ
ン、糖蜜などの炭水化物、クエン酸、リンゴ酸、酢酸、
フマール酸などの有機酸、メタノール、エタノールなど
のアルコール、メタン、エタン、プロパン、n−パラフ
ィンなどの炭化水素などが単独または組合せて用いられ
る。
【0036】窒素源としては、塩化アンモニウム、硝酸
アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム
などのアンモニウム塩、アスパラギン酸、グルタミン、
シスチン、アラニンなどのアミノ酸、尿素、ペプトン、
肉エキス、酵母エキス、乾燥酵母、コーン・スチープ・
リカー、大豆粉、カザミノ酸などが単独または組合せて
用いられる。
【0037】無機物としては、リン酸一水素カリウム、
リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン
酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄、硫酸
マンガン、硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、硫酸銅、塩化ナト
リウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化コバル
ト、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどが用いられる。
その他必要に応じて培地にビタミン、たとえばサイアミ
ンなどの菌体の増殖あるいは GT32-B の生産を促進する
物質を加える。また用いる微生物が特定の物質を要求す
る場合は、該物質を加える。
【0038】培養は、液体培養法、特に深部攪拌培養法
などにより、16〜37℃の温度、好ましくは25〜32℃の温
度で、pH 4〜10、好ましくはpH 6〜8 で行われる。通常
1〜7日の培養によって、目的化合物 GT32-B が培養物
中および菌体中に生成蓄積される。なお、培地の pH 調
整には、アンモニア水や炭酸アンモニウム溶液などが用
いられる。培養物中の GT32-B 生成量が最大に達したと
きに培養を停止する。
【0039】培養物中に蓄積した GT32-B を培養物から
単離採取するに際しては、通常の生理活性物質を培養物
から採取する通常の方法が適用される。たとえば、培養
物を濾過により培養濾液と菌体とに分け、菌体をクロロ
ホルム、アセトンなどで抽出する。ついで、抽出液と培
養濾液とを併せて、ポリスチレン系吸着剤、例えばダイ
ヤイオン HP20(三菱化成社製)などに通塔して活性成
分を吸着させ、ついで酢酸エチル、アセトン、メタノー
ルなどで溶出する。溶出液を濃縮し、シリカゲルによる
カラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィ
ーなどにより、目的化合物GT32-Bを得る。なお、培養、
精製操作中のGT32-Bの検出は、シリカゲル薄層クロマト
グラフィー、または、高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)による GT32-B の紫外部吸収を目安として追跡するこ
とができる。
【0040】次に化合物(I)の生物活性について試験
例で説明する。 試験例1.マウスリンパ球混合反応におけるT細胞増殖
抑制試験 無菌的にAKRマウス [日本エス・エル・シー(株)]より
脾臓を摘出し、単細胞浮遊液とした。この浮遊液にマイ
トマイシンC (MMC)[協和発酵工業 (株)]を添加し(終濃
度50μg/ml)、37℃で30分間培養した。培養後、ハンク
スの平衡塩溶液(HBSS 、ギブコ社) 中に2.5%の牛胎児血
清(FCS、ギブコ社) を加えた溶液で3回洗浄を行ない、
1 x 107cells/mlに調製した。
【0041】96穴マイクロタイタープレートの各ウエル
にB10.BRマウス[日本エス・エル・シー(株)]のリンパ
節細胞浮遊液 50μl(1.5 x 105cells 含有)、AKRマウ
スの脾臓細胞浮遊液 50μl(5 x 105cells 含有)および
各試験濃度の化合物(I)を含む培養液 100μlを添加
し、37℃のCO2インキュベーター内で72時間培養した。
尚、培養終了18時間前に[3H]-チミジン1.0μCiを添加し
た。培養終了後、セルハーベスターで濾紙上に細胞を補
集し、乾燥後トルエン系シンチレーターを加え、液体シ
ンチレーションカウンターで細胞に取り込まれた[3H]-
チミジンの放射能量を測定した(試験群)。
【0042】対照群として、化合物(I)を含まない培
養液を添加し、以下上記と同様に培養を行ない、細胞に
取り込まれた[3H]-チミジンの放射能量を測定した。T
細胞増殖抑制率は、次式に従って算出した。
【0043】
【数1】
【0044】(式中、 MMC処理 AKRマウス放射能量は、
MMC処理した AKRマウスの脾臓細胞に取り込まれた[3H]
-チミジンの放射能量を、またB10.BRマウス放射能量
は、B10.BRマウスのリンパ節細胞に取り込まれた[3H]-
チミジンの放射能量を表す) 試験結果を第1表に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】第1表によれば、化合物(I)はマウスリ
ンパ球混合反応におけるT細胞増殖を抑制し、明らかな
免疫抑制作用を示した。以上の試験結果より、化合物
(I)は、優れた免疫抑制作用を有し、自己免疫疾患、
アレルギー性疾患、臓器移植などの治療剤として有用で
あることが確認された。
【0048】試験例2. 各種細菌に対する抗菌作用 抗菌活性は、バクトトリプトン(Difco 社製)3g/l、肉
エキス 3g/l 、酵母エキス 1g/l 、グルコース 1g/l 、
寒天 16g/lの組成からなる培地(pH 7.0)を用いて寒天
希釈法により測定した。
【0049】各種細菌に対する最小生育阻止濃度(MIC)
を第2表に示す。
【0050】
【表3】
【0051】試験例3. BALB3T3/H-ras 細胞に対する
生育阻害 96穴マイクロタイタープレートに 10 %牛胎児血清およ
び 2 mM グルタミンを含む MEM培地(日本製薬社製;以
下、培地Aと称す)で 1.5 X 104個 /mlに調製した HeL
aS3 細胞(ATCC HTB22)を0.1 mlずつ該プレートの各穴
に分注した。該プレートを炭酸ガスインキュベータ内で
37 ℃、20時間培養後、これに培地Aにより適宜希釈し
た試験化合物 0.1 ml ずつを加え、炭酸ガスインキュベ
ーター内で 37 ℃、1 時間培養した。培養上清を除去
後、残渣に培地Aおよび 0.02 %ニュートラルレッドか
らなる培地を 0.1 ml ずつ加え、37℃で 1時間炭酸ガス
インキュベータ内で培養し、細胞を染色した。培養上清
を除去後、残渣を生理食塩水で 1回洗浄した。ついで
0.001N塩酸 / 30 %エタノールで色素を抽出後、マイ
クロプレートリーダーにより 550 nm の吸光度を測定し
た。無処理細胞と既知濃度の試験化合物で処理した細胞
の吸光度を比較することにより細胞の増殖を 50%阻害
する試験化合物濃度(IC50)を算出した。
【0052】その結果、GT32-BのIC50は、0.8 μM であ
った。化合物(I)は、そのままあるいは各種の医薬組
成物として経口的または非経口的に投与することができ
る。このような医薬組成物の剤形としては、たとえば錠
剤、丸薬、散剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤、
点滴剤などがあげられる。
【0053】上記剤形の製剤化には、通常知られている
方法が適用され、たとえば各種の賦形剤、潤滑剤、結合
剤、崩壊剤、懸濁化剤、等張化剤、乳化剤、吸収促進剤
などを含有していてもよい。医薬組成物に使用される担
体としては、たとえば水、注射用蒸留水、生理食塩水、
グルコース、フラクトース、白糖、マンニット、ラクト
ース、澱粉、コーン・スターチ、ポテト・スターチ、セ
ルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、アル
ギン酸、タルク、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウ
ム、リン酸水素カルシウム、ステアリン酸マグネシウ
ム、尿素、シリコーン樹脂、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステルなどがあげられ、これら
は製剤の種類に応じて適宜選択される。
【0054】化合物(I)の投与量は、目的とする治療
効果、投与方法、治療期間、患者の年齢、体重などによ
り決められるが、経口もしくは非経口(たとえば、注
射、点滴、座剤による直腸投与あるいは皮膚貼付など)
的投与方法により、通常成人1日当り0.01〜2 mg/kgで
ある。以下に実施例をあげて本発明の態様を説明する。
【0055】
【実施例】
実施例1. 化合物 GT32-B の製造法 種菌として、ストレプトマイセス・スピーシーズ GT32
株(FERM BP-4808)を用いた。該菌株を 2 L容量の三角
フラスコ中のバクトトリプトン(Difco 社製)5g/L、酵
母エキス 5g/L 、肉エキス 3g/L 、可溶性澱粉 10g/L、
グルコース 10g/L、炭酸カルシウム 5g/L の組成からな
る種培地(殺菌前 pH 7.2)300ml に植菌し、30℃で 72
時間振盪(200 rpm)培養した。得られた種培養液を 3
0L容量のジャーファーメンター中の下記組成の発酵培地
15Lに 3%(容量)の割合で移し、28℃で通気攪拌(回
転数 300 rpm, 通気量 15 L/分)方式により培養を行っ
た。
【0056】発酵培地組成:可溶性澱粉 40g/L、大豆粉
10g/L、乾燥酵母 50g/L、 コーン・スチープ・リカー 5
g/L 、リン酸二水素カリウム 0.5g/L 、硫酸亜鉛 10mg/
L、塩化コバルト 10mg/L 、硫酸ニッケル 10mg/L 、リ
ン酸マグネシウム 0.5g/L(殺菌前 pH7.0、NaOHで調整)
【0057】培養中、培地の pH は特に制御しないで、
106 時間培養した。培養液から菌体を分離し、菌体にイ
ソプロパノール 10Lを添加して攪拌した後、濾液 15Lを
得た。濾液を濃縮後、水で希釈し、ポリスチレン系吸着
ダイヤイオンHP20(三菱化成社製)カラム 2L に通塔し
て活性物質を吸着させた。脱イオン水および60%メタノ
ールで不純物を溶出し、メタノールで活性物質を溶出し
た。活性画分を濃縮し、シリカゲルカラム(Wakogel C-
200,和光純薬社製)を用い、クロロホルム:酢酸エチ
ル:メタノール(60:10:5 v/v)で展開した。溶出され
た活性画分を濃縮し、 下記の高速液体クロマトグラフィ
ー(HPLC)分取条件により単離精製を行なって、白色粉末
の GT32-B を 10 mg得た。
【0058】HPLC分取条件 カラム:YMC-Pack SH363 (YMC社製) 溶出液:80% メタノール 流速:10 ml/min 検出:254 nmまたは 293 nm の紫外吸収
【0059】GT32-Bの理化学的性質は以下に示すとおり
である。 (1)性状:白色粉末 (2)分子量:407 (3)分子式:C27H37NO2
【0060】(4)質量分析 FABMSスペクトル:m/z amu positive mode (matrix :
NBA) 408(M+H)+ 高分解能FABMSスペクトル:m/z amu positive mode
(matrix : NBA) 測定値 408.2878 (M+H)+ 計算値 408.2902 [C27H38NO2として]
【0061】(5)紫外部吸収スペクトル(メタノール溶
液):λmax nm (ε) 280 (74,000), 289 (92,000), 310 sh (20,000), 325 s
h (15,000) (6)赤外吸収スペクトル(KBr 錠剤):νmax cm-1 3365, 3273, 2954, 2924, 1647, 1608, 1539, 1011, 99
1, 966
【0062】(7)1H-NMRスペクトル(400 MHz, DMSO-
d6):δppm 7.23(1H), 6.63(1H), 6.19(1H), 6.13(1H), 6.12(1H),
6.06(1H), 5.97(1H),5.96(1H), 5.87(1H), 5.83(1H),
5.43(1H), 5.41(1H), 5.39(1H), 5.31(1H), 5.27(1H),
4.43(1H), 3.82(1H), 3.30(1H), 2.69(1H), 2.32(1H),
2.14(2H), 1.98(1H), 1.94(2H), 1.82(3H), 1.80(1H),
1.60(3H), 1.33(2H), 0.85(3H)
【0063】(8)13C-NMRスペクトル(100 MHz, DMSO-
d6):δppm 166.6(s), 143.1(d), 139.7(d), 136.0(d), 134.8(s),
134.1(d), 132.9(s),132.3(d), 131.7(d), 130.6(d), 1
30.3(d), 130.0(d), 128.0(d), 127.1(d), 124.0(d), 1
23.9(d), 123.6(d), 66.7(d), 49.3(d), 39.6(t), 38.0
(t), 35.9(t),34.0(t), 22.0(t), 13.3(q), 11.9(q), 1
1.5(q)
【0064】(9)溶解性:ジメチルスルホキシド(DMSO),
メタノールに可溶。ヘキサン、クロロホルムに不溶。 (10)呈色反応:ヨード試薬に陽性。
【0065】実施例2.錠剤 GT32-A 100g 、ラクトース 40g、コーンスターチ 18gお
よびカルボキシメチルセルロースカルシウム 10gを混合
し、10% ヒドロキシプロピルセルロース溶液を加えて練
合する。この練合液を1.0 mmのバスケットを取り付けた
押しだし造粒機で造粒し、ステアリン酸マグネシウムを
加えて整粒して打錠用顆粒とし、常法により打錠を行っ
て、1製剤(170 mg) 中にGT32-Aを100 mg含む8 mm径の
錠剤を得る。
【0066】実施例3.カプセル剤 GT32-A 50g、ラクトース 80gおよびポテトスターチ 38g
からなる混合物に、10%ヒドロキシプロピルセルロース
溶液を加えて練合し、以下実施例1と同様に造粒し、ス
テアリン酸マグネシウムを加えてカプセル充填機により
ハードカプセルに充填し、常法により1カプセル(170
mg) 中GT32-Aを 50mg 含むカプセル剤を得る。
【0067】実施例4.ソフトカプセル剤 10g のGT32-Aを100gの大豆油に溶かし、得られる溶液を
常法によりカプセルに注入することにより、1カプセル
当り10mgのGT32-Aを含むソフトカプセル剤を得る。
【0068】実施例5.錠剤 GT32-B 100g 、ラクトース 40g、コーンスターチ 18gお
よびカルボキシメチルセルロースカルシウム 10gを混合
し、10% ヒドロキシプロピルセルロース溶液を加えて練
合する。この練合液を1.0 mmのバスケットを取り付けた
押しだし造粒機で造粒し、ステアリン酸マグネシウムを
加えて整粒して打錠用顆粒とし、常法により打錠を行っ
て、1製剤(170 mg) 中にGT32-Bを100 mg含む8 mm径の
錠剤を得る。
【0069】実施例6.カプセル剤 GT32-B 50g、ラクトース 80gおよびポテトスターチ 38g
からなる混合物に、10%ヒドロキシプロピルセルロース
溶液を加えて練合し、以下実施例1と同様に造粒し、ス
テアリン酸マグネシウムを加えてカプセル充填機により
ハードカプセルに充填し、常法により1カプセル(170
mg) 中GT32-Bを 50mg 含むカプセル剤を得る。
【0070】実施例7.ソフトカプセル剤 10g のGT32-Bを100gの大豆油に溶かし、得られる溶液を
常法によりカプセルに注入することにより、1カプセル
当り10mgのGT32-Bを含むソフトカプセル剤を得る。
【0071】
【発明の効果】本発明により優れた免疫抑制剤が提供さ
れる。さらに本発明により抗菌、抗腫瘍作用および免疫
抑制作用を有する化合物 GT32-B が提供される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 (式中、Rは水素またはヒドロキシを表す)で表される
    化合物を有効成分として含有する免疫抑制剤。
  2. 【請求項2】 式(Ib) 【化2】 で表される化合物 GT32-B。
JP26006294A 1994-10-25 1994-10-25 免疫抑制剤 Withdrawn JPH08119943A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26006294A JPH08119943A (ja) 1994-10-25 1994-10-25 免疫抑制剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26006294A JPH08119943A (ja) 1994-10-25 1994-10-25 免疫抑制剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08119943A true JPH08119943A (ja) 1996-05-14

Family

ID=17342784

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26006294A Withdrawn JPH08119943A (ja) 1994-10-25 1994-10-25 免疫抑制剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08119943A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1993016189A1 (en) Novel macrocyclic lactones and a productive strain thereof
AU602327B2 (en) Novel glycopeptide antibiotics
US6780616B1 (en) Antibiotic caprazamycins and process for producing the same
US4992425A (en) Antibiotics BU-3608D and BU-3608E
JP5283927B2 (ja) 新規化合物アミコラマイシン、その製造方法及びその用途
WO2010122669A1 (ja) 新規化合物アミコラマイシン、その製造方法及びその用途
JPH08119943A (ja) 免疫抑制剤
SK287310B6 (sk) Memnopeptidy, spôsob ich prípravy, kompozície, ktoré ich obsahujú a ich použitie ako liečiva
EP0372986B1 (en) Compound ks-505 and a process for producing the same
HU202284B (en) Process for producing new azoxy derivatives and pharmaceutical compositions comprising same as active ingredient
AU655853B2 (en) Antibacterial substance BE-24566B
JP2006528664A (ja) ポリエンポリケチド、その調製方法及び医薬品としてのその使用
US5096817A (en) Process for producing antibiotics BU-3608 D and BU-3608 E
US4833079A (en) Process for producing 3,7-dihydroxytropolone and antitumor use thereof
AU618790B2 (en) Bu-3862t antitumor antibiotic
EP0818539A1 (en) Methylsulfomycin I, a process for its production and its use
CA1263621A (en) Fr-900848 substance and preparation thereof
KR930005868B1 (ko) 항종양 항생제 bu-3285t
US4956374A (en) Polysubstituted thiazolylpyridine carboxyamide antifungal antibiotic
JP4759756B2 (ja) 抗生物質カプラザマイシンd、g、d1、g1とその製造法
US5332574A (en) Compounds produced by a strain of Streptomyces exfoliatus
EP0432697A2 (en) BU-4146T antibiotic
WO2006073151A1 (ja) 新規発酵生産物
MXPA02002223A (es) Compuesto novedoso f-15078.
US20020065316A1 (en) Citrullimycines, a process for their production and their use as pharmaceuticals

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020115