JPH08118042A - 二重管の拡散接合法 - Google Patents

二重管の拡散接合法

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JPH08118042A
JPH08118042A JP28901194A JP28901194A JPH08118042A JP H08118042 A JPH08118042 A JP H08118042A JP 28901194 A JP28901194 A JP 28901194A JP 28901194 A JP28901194 A JP 28901194A JP H08118042 A JPH08118042 A JP H08118042A
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double
pipe
pipes
tube
diffusion bonding
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JP28901194A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Kasagi
靖之 笠木
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L39/00Joints or fittings for double-walled or multi-channel pipes or pipe assemblies

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Quick-Acting Or Multi-Walled Pipe Joints (AREA)
  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内管と内管の周囲に一定距離離間して設けら
れた外管とを備える二重管同士を突き合わせて接合する
際に、内管および外管の固着を防止する。 【構成】 接合を行う前に、拡散接合を行われる二重管
1,2のうちの一方1の接合面を流路9を頂点とする環
状の凸面とするとともにもう一方2の接合面を凸面と嵌
合する凹面としておき、接合を行う際には、二重管1が
下に位置するとともに内管3および4,外管7および8
の間にインサート材15,16を介在させて二重管1,
2を鉛直向きに突き合わせ、この状態で、インサート材
15,16を下部15a,16aから上部15b,16
bに向けて移動しながら加熱して、インサート材15,
16の外周側の流路9,10へのしみ出しを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内管と内管の周囲に一
定距離離間して設けられる外管とを備える二重管の拡散
接合法に関し、このような二重管同士を突き合わせて接
合する際に内管および外管が固着することを防止できる
ようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来より検討されている高速増殖炉(F
BR)を用いる発電所の構成例を図3に簡単に示す。同
図に示すように、発電所31では、原子炉32において
制御された高速中性子による核分裂連鎖反応を発生させ
て中性子エネルギを発生させ、発生した中性子エネルギ
を減衰させずに除熱能力が高いという特性を有する液体
ナトリウムを冷却材として一次冷却系33を構成して熱
交換器34に送り、さらに蒸気発生器故障時にナトリウ
ムが水と活発に反応して原子炉32に悪影響を与えるこ
とを防止するため、液体ナトリウムを用いる二次冷却系
35を構成し、この二次冷却系35を介して蒸気発生器
36に二次冷却水を送り、この蒸気発生器36により発
生させた蒸気をタービン37に送って発電が行われる。
【0003】ところで、蒸気発生器36に多数設置され
る伝熱管の長さは一本当り80m程度と極めて長大とな
り、高速増殖炉を用いる発電所の建設費上昇の一因とな
るため、近年、建設費抑制の観点から上述の二次冷却系
35を用いない案が有力視され、鋭意検討されている。
図4には二次冷却系を用いない改良型発電所の構成例を
簡単に示す。
【0004】図4に示す改良型発電所41では、原子炉
42から取り出された中性子エネルギは液体ナトリウム
を冷却材として用いる一次冷却系43により蒸気発生器
44に送られ、蒸気発生器44で発生された蒸気により
タービン45を運転しようというものである。
【0005】したがって、図4に示す構造の改良型発電
所41を成立させるためには、蒸気発生器44の信頼性
を向上して水と液体ナトリウムとの接触を確実に防止す
ることが安全上の観点から極めて重要になり、特に一次
冷却水である高温の液体ナトリウムと蒸気となる水との
熱交換を行う伝熱管である二重管46における液体ナト
リウムと水との接触を確実に防止することが重要であ
る。
【0006】図5に、この二重管の構造を断面で示す。
二重管50は、クロムモリブデン鋼製の筒状の内管51
に囲まれた流路52を中心部に備えるとともに、内管5
1とこの内管51の外側に一定距離(通常の場合0.4
mm程度)離間して設けられるクロムモリブデン鋼製の
筒状の外管53とに囲まれた外周部の間隙に環状のもう
一つの流路54を備える。このような二重管50は、内
管51、外管53およびこれらの間に直径0.5mm程
度のクロムモリブデン鋼製の線材を網状に組んで製造さ
れる組網線を組んで全体に圧力をかけて外管を縮径させ
その後に熱処理を行うことにより製造され、内管51と
外管53との間には組網線が介在しているため、外管の
縮径および熱処理により組網線はつぶれるものの、完全
につぶれて内管51と外管53とが固着することはな
く、通気性を有する0.4mm程度の厚さの流路54が
確保される。
【0007】そして、前述の図4に示す改良型発電所4
1の蒸気発生器の伝熱管としてこの二重管を用いる場合
には、流路52には160kg/cm2 程度の圧力の水が流さ
れ、二重管50の周囲には 5 kg/cm2 程度の圧力の液体
ナトリウムが流され、さらに流路54には水と液体ナト
リウムとの直接的な接触を防止するために20 kg/cm2
度の圧力のHeガスが流されている。すなわち、Heガ
ス中の水の含有量や液体ナトリウム中のHeガスの含有
量を常時測定することで、水と液体ナトリウムとが接触
する前に内管51または外管53からの洩れを検出し、
内管51または外管53からの洩れに起因する水と液体
ナトリウムとの接触を確実に防止しようとしている。
【0008】このような二重管50の長さは蒸気発生器
において熱交換される熱量の計算から、一本の全長が約
80m程度必要となるが、一体的に成形することは極め
て困難であるため、数本の二重管をそれぞれの端面で突
き合わせて接合することにより制作しなければならな
い。
【0009】二重管同士を突き合わせて接合するには、
実用化されていないものの、図6(a)に示すように外
管62,62´の端面である接合面62a,62a´が
軸方向(図面上の左右方向)に対して斜めになるように
開先加工を行っておき、内管61,61´の端面61
a,61a´を突き合わせるとともに外管62,62´
の端面62a,62a´を軸方向に一定距離離間させて
内管61,61´および外管62,62´を水平状態で
突き合わせて個別に溶接して二重管65,65´をTI
G溶接する方法や、図6(b)に示すように内管61,
61´の端面61a,61a´、および外管62,62
´の端面62a,62a´を二重管65,65´の軸方
向に垂直となるように加工しておき、内管61,61´
および外管62,62´を水平状態でかつそれぞれの端
面に、内管61,61´および外管62,62´とは異
種のアモルファスからなる箔状のインサート材を介在さ
せて突き合わせて加熱することにより拡散接合を行う方
法等が考えられる。なお、図6(a)および図6(b)
において符号63,63´は中心側の流路を示し、符号
64,64´は外周側の流路を示す。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図6(a)お
よび図6(b)に示す従来から考えられていた二重管の
接合法では、接合に伴って内管61および外管62、内
管61´および外管62´が部分的に固着してしまうお
それがあることがわかった。
【0011】すなわち、図6(a)に示す方法では、外
管62,62´の端面62a,62a´のTIG溶接の
際に余盛りを解消することができず、余った溶接材料は
内管61,61´まで達してしまい、内管61および外
管62、内管61´および外管62´が固着してしま
う。
【0012】また、図6(b)に示す方法では、A部で
は外管62,62´の端面62a,62a´から内管6
1,61´に向けて、一方B部では内管61,61´の
端面61a,61a´から外管62,62´に向けてそ
れぞれ溶融したインサート材がしみ出てしまい、内管6
1および外管62、内管61´および外管62´が固着
してしまう。
【0013】二重管の内管と外管とが固着すると、この
固着部を貫通するクラックが生じた場合に、水と液体ナ
トリウムとが前述のHeガスを介さず何の前兆もなく突
然に接触するおそれがあり、前述の改良型発電所の安全
性維持の観点から大きな問題である。
【0014】本発明は、このような従来の技術が有する
問題に鑑みてなされたものであり、内管と内管の周囲に
一定距離離間して設けられる外管とを備える二重管同士
を突き合わせて接合する際に、内管および外管が固着す
ることを防止できる接合法を提供しようとするものであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる二重管の
拡散接合法は、筒状の内管に囲まれた流路を中心部に備
えるとともに、内管とこの内管の外周側に一定距離離間
して同心状に設けられる筒状の外管とに囲まれたもう一
つの流路を外周部に備える二重管同士を突き合わせて拡
散接合を行う方法であって、拡散接合を行う前に、拡散
接合を行う二つの二重管のうちの一方の二重管の環状の
接合面の全周を二重管軸方向を含む垂直断面において外
周側の流路を頂点とする凸面とするとともにもう一方の
二重管の環状の接合面の全周を二重管軸方向を含む垂直
断面において前記の凸面と嵌合する凹面としておき、拡
散接合を行う際には、凸面を有する二重管を下方に位置
させるとともに内管同士の間と外管同士の間とにそれぞ
れインサート材を介在させて、二つの二重管を鉛直向き
または略鉛直向きの状態で突き合わせ、突き合わせ部を
下部から上部に向けて移動しながら加熱するようにして
拡散接合を行うことを特徴とするものである。
【0016】
【作用】本発明にかかる二重管の拡散接合法では、接合
される二つの二重管それぞれの接合面が内管および外管
の間に形成される流路を頂点とする環状の凸面およびこ
れと嵌合する凹面とされ、かつ接合される二つの二重管
は凸面を有する二重管が下方に位置するようにしてイン
サート材を介して鉛直向きまたは略鉛直向きの状態で突
き合わされ、拡散接合の際における加熱も突き合わせ部
の下部から上部に向けて行われるため、拡散接合の加熱
の際に溶融してしみ出すインサート材は、重力の作用に
より、内管および外管の間に形成される流路を頂点とし
て水平面に対して下方向きに傾斜して形成される接合面
にそってしみ出す。
【0017】そのため、溶融したインサート材は、外管
同士の接合面の外周側、および内管同士の接合面の内周
側に向けてしみ出し、内管および外管の間に形成される
流路側へはしみ出さない。そのため、二重管の拡散接合
において、内管および外管の間に形成される流路へのイ
ンサート材のしみ出しが完全に解消され、内管と外管と
の固着が解消されるようになる。
【0018】
【実施例】以下に、本発明にかかる二重管の拡散接合法
を前述した図4に示す改良型発電所41の蒸気発生器4
4において用いる伝熱管である二重管46の突き合わせ
接合に適用した一実施例を、添付図面を参照しながら詳
細に説明する。
【0019】図1(a)は本発明にかかる二重管の拡散
接合法を適用されて拡散接合される二つの二重管の突き
合わせ前の状況を示す斜視図であり、図1(b)は図1
(a)におけるA−A断面図である。
【0020】クロムモリブデン鋼製のこれらの二重管
1,2は、それぞれ筒状の内管3,4に囲まれた水の流
路5,6を中心部に備える。また、内管3,4の外周側
に約0.4mm離間して同心状に筒状の外管7,8がそれ
ぞれ設けられており、内管3,4と外管7,8との間に
はHeガスの流路9,10がそれぞれ形成されている。
【0021】二重管1,2は、内管3,4の外周部にク
ロムモリブデン鋼製の線材を網状に組んだ組網線を巻付
けてから外管7,8の内部に挿入した後、全体を加圧し
て外径を目標値に縮径し、さらに適当な条件で熱処理を
行うことにより製造され、同心状に二つの流路5,6お
よび9,10が形成される。
【0022】後述するように、本発明にかかる二重管の
拡散接合法では接合される二重管をほぼ垂直に配置して
接合する。そこで、図1(a)および図1(b)に示す
ように、下側に配置される二重管1の内管3の上部には
内管3の上端外周側から内周側に向けて内側に傾斜する
傾斜面3aが環状に形成されるとともに外管7の上部に
は外管7の上端内周側から外周側に向けて外側に傾斜す
る傾斜面7aが環状に形成されている。このようにし
て、二重管1の環状の接合面11は二重管1の軸方向
(図1(b)上の上下方向)を含む垂直断面、すなわち
図1(b)に示す断面において流路9を頂点とする凸面
として成形される。内管3の上部に傾斜面3aを設ける
こと、および外管7の上部に傾斜面7aを設けること
は、ともにこれら上部を切削加工することにより行う。
【0023】一方、二重管2の下部の接合面12には、
二重管1の接合面11に設けられた上述の凸面に嵌合す
る凹面が形成される。すなわち、図1(a)および図1
(b)に示すように、内管4の下部には内管4の下端内
周側から外周側に向けて傾斜面3aと嵌合する角度で外
側に傾斜する傾斜面4aが環状に形成されるとともに、
外管8の下部には外管8の下端外周側から内周側に向け
て傾斜面7aと嵌合する角度で内側に傾斜する傾斜面8
aが環状に形成されて、環状の接合面12は二重管2の
軸方向(図1(b)上の上下方向)を含む垂直断面、す
なわち図1(b)に示す断面において流路10を頂点と
する凹面として形成される。内管4の下部に傾斜面4a
を設けること、および外管8の下部に傾斜面8aを設け
ることは、前述の傾斜面3a、7aを設けることと同様
に、ともにこれら下部を切削加工することにより行う。
【0024】このようにして、本発明にかかる二重管の
拡散接合法で接合される二つの二重管1,2のうちの一
方の二重管1の環状の接合面11の全周を二重管軸方向
を含む垂直断面において外周側の流路11を頂点とする
凸面とするとともに、もう一方の二重管2の環状の接合
面12の全周が垂直断面において流路10を頂点とし前
述の凸面と嵌合する凹面とされる。
【0025】そして、接合を行う際には、凸面に形成さ
れた接合面11を有する二重管1を二重管2に対して下
方に位置させるとともに、内管3と内管4との間および
外管7と外管8との間にそれぞれ、内管3,4および外
管7,8の素材とは異種であるNi基アモルファス箔か
らなる環状のインサート材15,16を介在させて、二
つの二重管1,2を鉛直向きまたは略鉛直向きの状態で
突き合わす。
【0026】図2にはこのようにして突き合わされた二
つの二重管1,2の嵌合状況を管軸方向を含む垂直断面
で示すが、二つの二重管1,2が鉛直向きに配置される
と、傾斜面3aと傾斜面4aとの嵌合時の嵌合面13、
および傾斜面7aと傾斜面8aとの嵌合時の嵌合面14
は、ともに、下方に向けた環状の傾斜面となる。本発明
にかかる二重管の拡散接合法において重要な点の一つ
は、これらの嵌合面13および14の全ての部分が下方
に向けた傾斜面となるようにして拡散接合を行うことで
ある。したがって、凸面に形成された接合面11を有す
る二重管1を二重管2に対して下方に位置させる必要が
ある。
【0027】しかし、必ずしも、本実施例で示すように
二つの二重管1,2を鉛直向きに配置する必要があるわ
けではなく、嵌合面13および14の全ての部分が下方
に向けた傾斜面となる範囲で二重管1,2を鉛直向きか
ら傾斜させて略鉛直向きとして配置してもよい。
【0028】嵌合面13および14に介在させるインサ
ート材15,16は、Ni基アモルファス箔を環状に成
形したものである。このNi基アモルファス箔は、F
e,Si、Si,B,P,Cr,MoさらにはW等を適
宜添加したNi基合金を溶解炉で溶製し、溶融状態にあ
るこのNi基合金を急冷用の回転ホイールに薄い噴射流
として噴射してから100万℃/秒の冷却速度で超急冷
する,いわゆる急冷凝固法により製造され、本実施例で
用いるためにこのNi基アモルファス箔は、流路9およ
び10を上方から覆わずに嵌合面13,14に介在させ
るため、傾斜面3a,4a、傾斜面7a,8aそれぞれ
の幅に適合させた幅の環状の箔体に加工される。Ni基
アモルファス箔からなるインサート材15,16が流路
9および10を上方から覆う位置に配置されていると、
加熱されて溶融したインサート材15,16が流路9お
よび10内にしみ出し、内管3および外管7の固着を生
じてしまうからである。
【0029】このインサート材15,16は本実施例の
ように同種材料を拡散接合する際に接合面に液相を形成
して拡散接合を行うために用いられ、本実施例で特にア
モルファス箔を用いたのはアモルファス箔は酸化物等の
介在物を含んでいないために表面活性性、流動性さらに
は間隙浸透性等が優れ、本実施例のようなクロムモリブ
デン鋼からなる母材同士の拡散接合に適するからであ
る。
【0030】なお、インサート材15,16の材質は接
合する二重管1,2の材質に応じて適宜決定される。
【0031】図2に示す状態で、二重管1,2の嵌合面
13および14を、インサート材15,16の融点以上
二重管1,2の融点以下の温度域に加熱することにより
拡散接合を行うが、インサート材15,16が流路9お
よび10内へしみ出すことを完全に防止するため、本発
明にかかる二重管の拡散接合法では、嵌合面13および
14の全体を同時にまとめて加熱するのではなく、嵌合
面13および14の下部から上部に向けて移動しながら
加熱を行う。
【0032】このように、嵌合面13および14の下部
から上部に向けて移動しながら加熱を行うことにより、
インサート材15,16の下部に位置する部分15a,
16aから溶融が開始され、順次溶融開始部分が上方に
移動していき、最後に上部に位置する部分15b、16
bの溶融が行われる。そのため、溶融してしみ出すイン
サート材15,16の全てが、傾斜面3a,7aと傾斜
面4a,8aとを沿うようにして斜め下方向きに流れ、
流路9および10側には全く流れない。もし、嵌合面1
3および14の下部から上部に向けて移動しながら加熱
するのではなく、全体を均一に、ないしは上部から下部
に向けて移動しながら加熱すると、上部に位置する部分
15b,16bは既に溶融しているにもかかわらず下部
に位置する部分15a,16aが溶融していないため、
上部で溶融したインサート材15,16が上部側である
流路9および10側に溢れ出し、内管3および外管7,
内管4および外管8を固着させるおそれがあるからであ
る。
【0033】嵌合面13および14の下部から上部に向
けて移動しながら加熱する装置は特定のものに限定する
必要はない。本実施例では、部分的な加熱を行えるこ
と,加熱時間が短く接合する二重管に熱歪みを与えるお
それが少ないこと,加熱作業が容易で熟練作業者を必要
としないこと,二重管の強度低下を引き起こすおそれが
ないこと,二重管に生じる酸化スケールが少なくインサ
ート材のはみ出し量が少ないこと,さらには加熱雰囲気
の選択の自由度が大きいこと等から、二重管1,2の周
囲からおよそ5mm程度離間して環状に配置される高周
波コイルを備える高周波誘導加熱装置を用い、この高周
波コイルの内部を、図2に示す状態で突き合わされた二
重管1および2を上方から下方に向けて移動させること
により、突き合わせ部を下部から上部に向けて誘導加熱
した。
【0034】なお、二重管1および2を誘導加熱するた
めには高周波電源および高周波変流器等も必要である
が、これらは前述の高周波誘導加熱装置とともにいずれ
も公知のものであるため、図2への記載およびこれ以上
の説明は省略する。また、二重管1および2を往復移動
させる機構も二重管1および2を保持する治具に公知の
移動機構を適宜適用すればよく、これ以上の説明は省略
する。
【0035】また、二重管1および2を下方へ移動させ
る速度は、嵌合面13,14に介在させたインサート材
15,16の溶融状況に応じて適宜決定する。
【0036】本実施例では、このようにして、内管3,
4と内管3,4の周囲に一定距離離間して設けられた外
管7,8とを備える二重管1,2同士を突き合わせて拡
散接合を行う際に、内管3および外管7,内管4および
外管8がそれぞれ固着することが防止される。
【0037】したがって、図4に示す改良型発電所41
において、蒸気発生器44に設けられた二重管46の内
管と外管とが固着してこの固着部にクラックが生じた場
合に水と液体ナトリウムとがHeガスを介さずに何の前
兆もなく突然に接触することがなくなり、改良型発電所
の安全性が大幅に改善される。
【0038】
【発明の効果】本発明にかかる二重管の拡散接合法で
は、接合を行う前に、拡散接合を行われる二つの二重管
のうちの一方の接合面を外周側の流路を頂点とする環状
の凸面とするとともにもう一方の接合面をこの凸面と嵌
合する凹面としておき、接合を行う際には、凸面を有す
る二重管が下方に位置するともに凸面および凹面の間に
インサート材を介在させて、これら二つの二重管が鉛直
向きまたは略鉛直向きに配置されるようにして突き合わ
せ、この状態で、突き合わせ部を下部から上部に向けて
加熱するように構成するため、加熱により溶融するイン
サート材は、外管同士の接合面の外周側、および内管同
士の接合面の内周側に向けてしみ出し、内管および外管
の間に形成される流路側へはしみ出さなくなる。
【0039】そのため、二重管の拡散接合において、内
管および外管の間に形成される流路へのインサート材の
しみ出しが完全に解消され、内管と外管との固着が解消
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明にかかる二重管の拡散接合
法を適用されて拡散接合される二つの二重管の突き合わ
せ前の状況を示す斜視図であり、図1(b)は図1
(a)におけるA−A断面図である。
【図2】本発明にかかる二重管の拡散接合法において、
突き合わされた二つの二重管の嵌合状況を示す管軸方向
を含む断面図である。
【図3】高速増殖炉を用いる発電所の構成例を示す説明
図である。
【図4】高速増殖炉を用いる改良型発電所の構成例を示
す説明図である。
【図5】二重管の軸方向を含む段面図である。
【図6】図6(a)および図6(b)はいずれも従来の
二重管の接合法を示す説明図である。
【符号の説明】
1,2 二重管 3,4 内管 3a,4a 傾斜面 5,6 流路 7,8 外管 7a,8a 傾斜面 9,10 流路 11,12 接合面 13,14 嵌合面 15,16 インサート材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の内管に囲まれた流路を中心部に備
    えるとともに、前記内管と当該内管の外周側に一定距離
    離間して同心状に設けられる筒状の外管とに囲まれたも
    う一つの流路を外周部に備える二重管同士を突き合わせ
    て拡散接合を行う方法であって、拡散接合を行う前に、
    拡散接合を行う二つの二重管のうちの一方の二重管の環
    状の接合面の全周を二重管軸方向を含む垂直断面におい
    て外周側の前記流路を頂点とする凸面とするとともにも
    う一方の二重管の環状の接合面の全周を二重管軸方向を
    含む垂直断面において前記凸面と嵌合する凹面としてお
    き、拡散接合を行う際には、前記凸面を有する二重管を
    下方に位置させるとともに前記内管同士の間と前記外管
    同士の間とにそれぞれインサート材を介在させて、二つ
    の前記二重管を鉛直向きまたは略鉛直向きの状態で突き
    合わせ、突き合わせ部を下部から上部に向けて移動しな
    がら加熱するようにして拡散接合を行うことを特徴とす
    る二重管の拡散接合法。
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