JPH08114562A - 液体試料保持装置および液体試料分析装置 - Google Patents

液体試料保持装置および液体試料分析装置

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JPH08114562A
JPH08114562A JP6250455A JP25045594A JPH08114562A JP H08114562 A JPH08114562 A JP H08114562A JP 6250455 A JP6250455 A JP 6250455A JP 25045594 A JP25045594 A JP 25045594A JP H08114562 A JPH08114562 A JP H08114562A
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liquid sample
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 容器の影響による測定誤差を解消でき、しか
もランニング費用を低減化できる液体試料保持装置およ
び液体試料分析装置を提供する。 【構成】 試料保持部は、液体試料を保持する試料袋1
0と、試料袋10を支持する支持筒11と、試料袋10
を支持筒11に固定する押えリング12と、試料袋10
を下から押し上げて、液体試料SPの液面を変位させる
ためのピストン13と、ピストン13を駆動するピスト
ン駆動部14などで構成される。液面計測部は、液体試
料SPに向けて光ビームを照射する光源20と、液体試
料SPによって遮断され得る光ビームを受光する受光素
子21と、光源20および受光素子21を制御し、受光
素子21からの信号に基づいてピストン駆動部14を制
御する制御回路22などで構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体試料の成分を定性
分析または定量分析する際に使用される液体試料保持装
置に関し、さらにこれを組み込んだ液体試料分析装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】図8は、従来の液体試料ホルダの一例を
示す構成図である。液体試料ホルダ4は、中空円筒状の
容器5の底に高分子材料から成るフィルム6が張着さ
れ、内部の液体試料SPが漏れないように保たれる。液
体試料ホルダ4は、回転テーブルなどの搬送装置に多数
載置されて連続的に搬送され、所定の測定箇所に搬送さ
れた液体試料ホルダ4ごとに測定が行われる。
【0003】図8では、測定の一例として蛍光X線分析
を示しており、X線発生器1がX線を発生して、液体試
料ホルダ4の底に張られたフィルム6を介して液体試料
SPに照射している。液体試料SPにイオウなどの不純
物が含まれると、不純物に応じた蛍光X線が発生し、フ
ィルム6を介して検出器2に到達する。検出器2は蛍光
X線のエネルギーに対応した電気信号に変換し、信号処
理部3はエネルギー分散法などを用いて蛍光X線スペク
トルを作成し、不純物の定性分析や定量分析に利用され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
液体試料ホルダ4は、容器5の底に張られたフィルム6
を介して分析情報を得ているため、液体試料SPから発
生する蛍光X線が、フィルム6による散乱や吸収の影響
を受けて、検出器2に到達するX線強度が弱くなり、そ
れだけ測定時間が長くなる。たとえば、X線透過率の比
較的高いポリプロピレンから成る厚さ6.7μmのフィ
ルムを用いても、Na−Kα線(1.041keV)に
おけるX線透過率は約35%に低下してしまう。
【0005】また、試料に対して低い入射角度で照射し
た場合、フィルムで入射X線の吸収が発生してしまい、
たとえば全反射測定が不可能になる。さらに、液体試料
ホルダ4の姿勢が変化したり、フィルム6に皺が存在す
ると、試料に対するX線の入射角度も変化するため、蛍
光X線の強度に影響を与える。そのため、フィルムの張
着作業に熟練を要し、ランニング費用の増加をもたら
す。
【0006】さらに、フィルム6を介して検出している
ため、検出信号の中にフィルム6に含まれる不純物成分
の情報が混入することになる。特に、フィルム6の不純
物による蛍光X線スペクトルと分析対象元素の蛍光X線
スペクトルとが重複すると、当該元素の微量検出が不可
能になる。また、分析対象がNaやMgなどの低原子番
号の元素である場合、低エネルギーX線が高分子材料か
ら成るフィルム6で吸収されてしまい、低原子番号の元
素の検出が困難になる。
【0007】また、液体試料SPで汚染された液体試料
ホルダ4は、再使用されることなく廃棄されるため、容
器5が高価になるとランニング費用も高くなる。
【0008】本発明の目的は、容器の影響による測定誤
差を解消でき、しかもランニング費用を低減化できる液
体試料保持装置および液体試料分析装置を提供すること
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、液体試料を保
持するための試料袋と、試料袋を支持する支持部材と、
試料袋を変形させて、液体試料の液面を鉛直方向に変位
させるための液面変位手段と、液体試料の液面高さを計
測するための液面計測手段と、液面計測手段からの信号
に基づいて、液面変位手段を制御するための制御手段と
を備えることを特徴とする液体試料保持装置である。ま
た本発明は、液体試料を保持するための試料袋と、試料
袋を支持する支持部材と、試料袋を変形させて、液体試
料の液面を鉛直方向に変位させるための液面変位手段
と、液体試料の液面高さを計測するための液面計測手段
と、液面計測手段からの信号に基づいて、液面変位手段
を制御するための制御手段と、液体試料の液面に向けて
電磁波または粒子線を照射するための照射手段と、液体
試料から発生する電磁波または粒子線を検出するための
検出手段とを備えることを特徴とする液体試料分析装置
である。また本発明は、前記照射手段は液体試料に対し
てX線を照射し、前記検出手段は液体試料から発生する
蛍光X線を検出することを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明に従えば、液体試料は変形可能な試料袋
に保持され、ピストンなどの液面変位手段が試料袋を変
形させると、液面が鉛直方向に変位する。このとき液面
高さを計測しながら液面変位手段を制御することによっ
て、液面を任意の高さに設定できる。たとえば、試料袋
から液体試料がこぼれる寸前に液面高さを設定すること
によって、測定系から試料液体への接近が容易になる。
また、試料液面を露出した状態で直接測定することが可
能になり、他の誤差要因を排除することができる。ま
た、試料液面は重力によって常に水平状態となるため、
たとえばX線等の入射角度を一定に保つことができる。
また、試料で汚染される部分の交換は試料袋だけで済む
ため、ランニング費用を低減化できる。さらに、試料袋
の存在は測定系に影響を与えないため、厚くて丈夫しか
も安価な材料から成る試料袋を使用することができる。
【0011】また本発明の分析装置に従えば、上述の作
用に加えて、測定用の電磁波または粒子線を試料液面に
対して直接照射することが可能になり、さらに液体試料
での反射、散乱、回折、蛍光などの物理現象に基づいて
発生する電磁波または粒子線を直接検出することが可能
になる。したがって、容器などに起因する誤差要因を排
除することができ、短時間で高精度の分析が可能にな
る。特に、高分子膜などから成るフィルムの影響が解消
され、軽元素の分析が実現する。
【0012】さらに、液体試料に対してX線を照射して
液体試料から発生する蛍光X線を検出することによっ
て、水、油、有機溶剤などの液体試料中に含まれる微量
元素を短時間で精度良く分析することができる。
【0013】
【実施例】図1は本発明の第1実施例を示す正面図であ
る。液体試料保持装置は、試料保持部と液面計測部とで
構成される。
【0014】試料保持部は、液体試料を保持するための
試料袋10と、試料袋10を支持するための支持筒11
と、試料袋10を支持筒11に固定するための押えリン
グ12と、試料袋10を下から押し上げるように変形さ
せて、液体試料SPの液面を鉛直方向に変位させるため
のピストン13と、ピストン13を駆動するためのピス
トン駆動部14などで構成される。
【0015】液面計測部は、液体試料SPに向けて水平
方向に光ビームを照射する光源20と、液体試料SPに
よって遮断され得る光ビームを受光する受光素子21
と、光源20および受光素子21を制御し、受光素子2
1からの信号に基づいてピストン駆動部14を制御する
ための制御回路22などで構成される。
【0016】図2は、図1の試料支持部の部分断面図で
ある。試料袋10は、ポリエチレンやポリプロピレン等
で例示される高分子材料などの可撓性材料で形成され、
液体試料SPに耐性があって、ランニング費用の低減の
ために安価なものが好ましい。また、X線に対する透過
性は高くても低くても構わない。
【0017】支持筒11および押えリング12はフッ素
樹脂等の高分子材料で形成され、支持筒11の上端面に
形成された段差部と押えリング12の内面とは互いに着
脱自在に嵌合する。試料袋10を支持筒11に挿入した
後、押えリング12が試料袋10の上部を挟むように装
着されると、試料袋10が固定される。試料袋10を交
換するときは、押えリング12を取り外して、別の試料
袋10を装着してから、同様な作業を行う。
【0018】図1に戻って、ピストン13が支持筒11
の下方から内部に向かって移動して、試料袋10を下か
ら押し上げるように変形させると、液体試料SPの液面
が上昇する。分析実行時の液面は可及的に上方に位置す
ることが好ましく、たとえば、試料袋10から液体試料
SPがこぼれる寸前に設定することによって、試料液体
SPへの接近が容易になる。なお、支持筒11が回転テ
ーブル等に複数載置されて搬送される場合には、支持筒
11の移動を妨げないようにピストン13は下方に退避
可能に構成される。
【0019】支持筒11の側方にはレーザや発光ダイオ
ードなどの光源20が設置され、液体試料SPに向けて
光ビームを照射する。ピストン13の位置制御によっ
て、液体試料SPの液面を支持筒11の上端面から表面
張力によって凸面状に盛り上がった状態に設定すると、
光源20からの光ビームは液体試料SPによって遮断さ
れるようになり、この状態で受光素子21で受光される
光量が減少する。
【0020】受光素子21は、フォトダイオードなどで
構成され、液体試料SPを通過した光ビームの光量変化
を検知する。受光素子21からの信号は制御回路22に
入力され、受光量が所定レベルより低下したことを検出
することによって、液面高さを計測する。制御回路22
は、受光素子21によって検出されたエッジが所定位置
になるように、ピストン駆動部14を制御する。こうし
て分析実行時の液面を可及的に上方に設定することがで
きる。
【0021】図1に示す液体試料分析装置は、エネルギ
ー分散型X線分析を行うものであり、上述のような液体
試料保持装置と、液体試料SPの液面に向けてX線ビー
ムXBを照射するためのX線発生器30と、液体試料S
Pに含まれる微量元素から発生する蛍光X線XCを検出
するためのリチウムドリフト型Si検出器等のX線検出
器40と、X線検出器40から出力される電荷パルスの
時間積分値を波高に持つ階段状の電圧パルスに変換する
前置増幅器41と、前置増幅器41から出力される電圧
パルスの立上がり幅に比例した波高を有するパルスに波
形整形する比例増幅器42と、比例増幅器42から出力
される各波高値の計数率を測定する波高分析器43と、
波高分析器43で測定されたデータを処理して磁気ディ
スクに格納したり、画面表示や印刷を行うためのデータ
処理部44などで構成される。
【0022】X線発生器31と液体試料SPの間には、
X線ビームXBを整形するためのスリット31が設けら
れる。X線発生器40および前置増幅器41は、暗電流
や熱雑音の影響を回避するため、液体窒素などの冷却手
段によって室温より極めて低い温度に保たれている。デ
ータ処理部44と前述の制御回路22とは互いに連係し
ており、分析開始前または分析終了後におけるピストン
13の制御タイミングを調整している。
【0023】次に動作を説明する。試料袋10が装着さ
れた支持筒11は、液体試料SPを保持した状態で、回
転テーブル等の搬送装置によって図1のような測定箇所
まで搬送されて停止する。次に、制御回路22は光源2
0および受光素子21を動作させるとともに、ピストン
13を上昇させる。ピストン13の先端が試料袋10を
押し上げると、液面が支持筒11の上端面近くまで上昇
し、受光素子21からの信号を監視しながら液面を所定
高さに設定する。
【0024】次に、X線発生器30からX線ビームXB
を発生して、液体試料SPに向けて斜めに照射すると、
試料成分に起因する蛍光X線XCが放射状に発生する。
液体試料SPの上方に発生した蛍光X線XCがX線検出
器40に入射すると、X線光子のエネルギーに応じた電
子・正孔対に変換され、その出力信号の強さは検出した
X線光子のエネルギーに比例する。そこで、X線検出器
40の出力信号の強さを測定することによって、蛍光X
線XCのエネルギースペクトルを得ることができる。こ
のようにX線ビームXBが液体試料SPに直接入射し、
さらに蛍光X線XCを液体試料SPから直接検出してい
るため、液体試料SPからの情報を純粋な形でそのまま
分析することができる。
【0025】測定が終了すると、ピストン13が下降し
て液面を下げ、支持筒11から抜け出た後、搬送装置に
よって別の試料を保持した支持筒が新たに導入され、前
述と同様に、液面操作と分析が実行される。
【0026】図3は、本発明の第2実施例を示す構成図
である。液体試料保持装置は、試料保持部と液面計測部
とで構成され、図3の試料保持部は図1のものと同様で
あるため重複説明を省略する。また、図1の液面計測部
は透過型の光学系であるが、本実施例の液面計測部は反
射型の光学系を採用している。
【0027】液面計測部は、液体試料SPに向けて斜め
に光ビームを照射する光源20と、液体試料SPの液面
によって反射した光ビームを受光する受光素子21と、
光源20および受光素子21を制御し、受光素子21か
らの信号に基づいてピストン駆動部14を制御するため
の制御回路22などで構成される。
【0028】光源20はレーザや発光ダイオードなどで
構成され、指向性の良い光ビームを発生する。液体試料
SPの表面では入射した光ビームの一部が反射し、受光
素子21に入射する。受光素子21は、フォトダイオー
ドなどで構成され、受光素子21からの信号は制御回路
22に入力されて、光ビームの光量変化が検出される。
【0029】受光素子21における光ビームの光量は、
液体試料SPの液面高さに応じて変化するため、反射角
および液面と受光素子21との距離などを用いて液面高
さを算出することができる。制御回路22は、受光素子
21によって検出された光ビームの光量が所定レベル、
たとえば最大値になるように、ピストン駆動部14を制
御する。こうして分析実行時の液面を可及的に上方に設
定することができる。
【0030】図4は、本発明の第3実施例を示す構成図
である。液体試料保持装置は、試料保持部と液面計測部
とで構成され、図3のものと同様であるため重複説明を
省略する。なお、本実施例は、励起用X線ビームを試料
表面に対して全反射するように入射する全反射型蛍光X
線分析装置を示している。
【0031】この液体試料分析装置は、図3に示す液体
試料保持装置と、回転対陰極33および電子線を発生す
るヒータ32等から成るX線発生器30と、X線発生器
34から発生するX線の中から単色の特性X線を分離す
るための分光結晶34と、分光結晶34によって分離さ
れたX線ビームXBが液体試料SPに入射して、その液
面で全反射したX線強度を計測するためのX線カウンタ
45と、図1で説明したようなX線検出器40、前置増
幅器41、比例増幅器42、波高分析器43およびデー
タ処理部44などで構成される。
【0032】X線発生器31と液体試料SPとの間や液
体試料SPとX線カウンタ45との間には、X線ビーム
XBを整形するためのスリット31が設けられる。分光
結晶34は、LiF、黄玉石、Si、NaCl、方解
石、Ge、α−石英、黒鉛、InSb、ペンタエリトー
ル、SiW人工累積膜などが用いられ、X線の入射方向
と特定の結晶面配向を選択することによって、特定の波
長を持つX線だけを一定方向に回折または反射させる機
能を有する。データ処理部44と前述の制御回路22と
は互いに連係しており、分析開始前または分析終了後に
おけるピストン13の制御タイミングを調整している。
【0033】次に動作を説明する。試料袋10が装着さ
れた支持筒11は、液体試料SPを保持した状態で、所
定の測定箇所まで搬送されて停止する。次に、制御回路
22は光源20および受光素子21を動作させるととも
に、ピストン13を上昇させる。ピストン13の先端が
試料袋10を押し上げると、液面が支持筒11の上端面
近くまで上昇し、受光素子21からの信号を監視しなが
ら液面を所定高さに設定する。
【0034】次に、X線発生器30からX線ビームXB
を発生して、液体試料SPに向けて極めて低い角度で照
射すると、X線は液面近傍にだけ進入して内部深くまで
到達せずに全反射する。液面で反射したX線はX線カウ
ンタ45に入射して強度測定が行われ、X線カウンタ4
5と接続された制御回路22は、X線強度が最大になる
ようにピストン13によって液面高さを微調整する。こ
うしてX線ビームXBの入射角度が正確に全反射角にな
るように設定できる。なお、試料が液体であると試料表
面の角度は常に水平に維持されるため、角度調整機構を
省略できる。
【0035】一方、試料表面近傍からは、試料成分に起
因する蛍光X線XCが放射状に発生する。蛍光X線XC
がX線検出器40に入射すると、X線光子のエネルギー
に比例した信号が得られ、X線検出器40の出力信号の
強さを測定することによって、蛍光X線XCのエネルギ
ースペクトルを得ることができる。このようにX線ビー
ムXBおよび蛍光X線XCが直に液体試料SPと相互作
用するため、液体試料SPからの情報を純粋な形でその
まま分析することができる。
【0036】測定が終了すると、ピストン13が下降し
た後、新たな支持筒が導入されると、液面操作と分析が
繰返し実行される。
【0037】図5は、本発明の第4実施例を示す構成図
である。液体試料保持装置は、試料保持部と液面計測部
とで構成され、図1のものと同様であるため重複説明を
省略する。なお本実施例は、液体試料SPから発生する
蛍光X線XCを波長分散型でX線スペクトル分析を行う
例を示している。
【0038】この液体試料分析装置は、図1に示す液体
試料保持装置と、液体試料SPの液面に向けてX線ビー
ムXBを照射するためのX線発生器30と、液体試料S
Pにから発生する蛍光X線XCのうち平行ビームを取り
出すためのソーラースリット46と、コリメートされた
X線ビームを所定結晶面で回折させるための分光結晶4
7と、分光結晶47で回折したX線のうち所定方向だけ
を取り出すためのソーラースリット48と、ソーラース
リット48を通過したX線の強度を検出するシンチレー
ションカウンタ等のX線検出器49と、X線検出器49
からの信号を処理するための信号処理部50などで構成
される。
【0039】分光結晶46は、図4の分光結晶34と同
様なものであり、X線の入射方向と特定の結晶面配向を
選択することによって、特定の波長を持つX線だけを一
定方向に回折または反射させる機能を有する。したがっ
て、分光結晶46をゴニオメータ等の回転走査装置に搭
載して、分光結晶46を回転走査することによって、ブ
ラッグ条件を満たすX線波長を走査することができる。
分光結晶46の回転角は電気信号として信号処理部50
に入力され、X線検出器49からの信号変化との対応付
けによって、蛍光X線のスペクトルを得ることができ
る。ソーラースリット46、48は、X線遮蔽性の薄い
金属板を所定ピッチで複数平行に配置したものであり、
金属板と平行に進行するX線だけを通過させる。
【0040】次に動作を説明する。液体試料SPを保持
した支持筒11が位置決めされると、制御回路22は光
源20および受光素子21を動作させ、ピストン13を
上昇させる。ピストン13は試料袋10を押し上げ、液
面を所定高さに設定する。
【0041】次に、X線発生器30からX線ビームXB
を液体試料SPに向けて照射すると、試料成分に起因す
る蛍光X線XCが放射状に発生する。蛍光X線XCはソ
ーラースリット46でコリメートされ、分光結晶47に
よって分光され、さらにソーラースリット48でコリメ
ートされ、X線検出器49に入射する。分光結晶47を
回転走査しながら検出信号の強度変化を検出することに
よって、蛍光X線スペクトルが得られる。このようにX
線ビームXBおよび蛍光X線XCが直に液体試料SPと
相互作用するため、液体試料SPからの情報を純粋な形
で取り出せる。図6は、本発明の第5実施例を示す構成
図である。液体試料保持装置は、試料保持部と液面計測
部とで構成され、図1のものと同様であるため重複説明
を省略する。なお本実施例は、液体試料SPに単色のレ
ーザ光を照射して、ラマン散乱によって発生する波長シ
フトを分光器を用いてスペクトル分析する例を示してい
る。
【0042】この液体試料分析装置は、図1に示す液体
試料保持装置と、液体試料SPの液面に向けて単色の光
ビームLBを照射するためのレーザ35と、液体試料S
Pにから発生するラマン光を分光するための分光器51
と、分光器51を制御し、検出信号を処理するための信
号処理部50などで構成される。
【0043】次に動作を説明する。液体試料SPを保持
した支持筒11が位置決めされると、制御回路22は光
源20および受光素子21を動作させ、ピストン13を
上昇させ、液面を所定高さに設定する。
【0044】次に、レーザ35から光ビームLBを液体
試料SPに向けて照射すると、試料成分に起因して波長
シフトしたラマン光が発生する。ラマン光は分光器51
によって分光され、分光波長を走査しながら検出信号の
強度変化を検出することによって、ラマンスペクトルが
得られる。このように光ビームLBおよびラマン光が直
に液体試料SPと相互作用するため、液体試料SPから
の情報を純粋な形で取り出せる。
【0045】図7は、本発明の第6実施例を示す構成図
である。液体試料保持装置は、試料保持部と液面計測部
とで構成され、図1のものと同様であるため重複説明を
省略する。なお本実施例は、液体試料SPに放射線を照
射して励起し、発生する蛍光X線をスペクトル分析する
例を示している。
【0046】この液体試料分析装置は、図1に示す液体
試料保持装置と、液体試料SPの液面に向けて放射線を
照射するための放射線源36と、液体試料SPで発生す
る蛍光X線を検出するためのX線検出器40と、図1に
示すような前置増幅器、波高分析器、データ処理部等か
ら成る信号処理回路52などで構成される。
【0047】放射線源36は、放射線遮蔽性の金属シー
ルドに放射性元素が収納され、下方に向いた開口部から
α線、β線、γ線等の放射線を発生する。なお、放射線
の照射効率を上げるため、放射線源36はX線検出器4
0の検出面の回りに一体的に配置される。
【0048】次に動作を説明する。液体試料SPを保持
した支持筒11が位置決めされると、制御回路22は光
源20および受光素子21を動作させ、ピストン13を
上昇させ、液面を所定高さに設定する。
【0049】次に、放射線源36から放射線を液体試料
SPに向けて照射すると、試料成分に起因する蛍光X線
が放射状に発生する。液体試料SPの上方に発生した蛍
光X線はX線検出器40で検出され、エネルギー分散型
X線分析を用いて蛍光X線のエネルギースペクトルが得
られる。このように放射線および蛍光X線が直に液体試
料SPと相互作用するため、液体試料SPからの情報を
純粋な形で取り出せる。
【0050】以上の各実施例において、液体試料と相互
作用するエネルギー線がX線、レーザ光、放射線である
例を示したが、可視光、赤外光、マイクロ波、荷電粒子
線、電子線等であっても構わない。
【0051】また、試料の分析内容として、蛍光X線分
析やラマン散乱だけでなく、X線回折、EXAFS、X
線以外の蛍光分析、赤外吸収分析などでも本発明は適用
可能である。
【0052】また、X線検出器として、半導体検出器、
プロポーショナルカウンタ、シンチレーションカウンタ
等が使用可能である。
【0053】さらに、測定雰囲気として、大気中でもよ
く、軽元素分析のためにヘリウムガス雰囲気であっても
構わない。
【0054】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、液
面高さを任意に設定でき、しかも試料液面を露出した状
態で直接測定が可能になり、他の誤差要因を排除でき
る。また、測定環境や測定条件を一定に保つことができ
るため、測定精度が向上する。さらに、試料袋の交換だ
けで済むため、ランニング費用を削減できる。
【0055】また、液体試料と電磁波または粒子線との
相互作用が直接行われるため、容器などに起因する影響
を回避でき、短時間で高精度の測定が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す正面図である。
【図2】図1の試料支持部の部分断面図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す構成図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す構成図である。
【図5】本発明の第4実施例を示す構成図である。
【図6】本発明の第5実施例を示す構成図である。
【図7】本発明の第6実施例を示す構成図である。
【図8】従来の液体試料ホルダの一例を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
10 試料袋 11 支持筒 12 押えリング 13 ピストン 14 ピストン駆動部 20 光源 21 受光素子 22 制御回路 30 X線発生器 31 スリット 34、47 分光結晶 36 放射線源 40 X線検出器 41 前置増幅器 46、48 ソーラースリット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体試料を保持するための試料袋と、 試料袋を支持する支持部材と、 試料袋を変形させて、液体試料の液面を鉛直方向に変位
    させるための液面変位手段と、 液体試料の液面高さを計測するための液面計測手段と、 液面計測手段からの信号に基づいて、液面変位手段を制
    御するための制御手段とを備えることを特徴とする液体
    試料保持装置。
  2. 【請求項2】 液体試料を保持するための試料袋と、 試料袋を支持する支持部材と、 試料袋を変形させて、液体試料の液面を鉛直方向に変位
    させるための液面変位手段と、 液体試料の液面高さを計測するための液面計測手段と、 液面計測手段からの信号に基づいて、液面変位手段を制
    御するための制御手段と、 液体試料の液面に向けて電磁波または粒子線を照射する
    ための照射手段と、 液体試料から発生する電磁波または粒子線を検出するた
    めの検出手段とを備えることを特徴とする液体試料分析
    装置。
  3. 【請求項3】 前記照射手段は液体試料に対してX線を
    照射し、前記検出手段は液体試料から発生する蛍光X線
    を検出することを特徴とする請求項2記載の液体試料分
    析装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11132970A (ja) * 1997-11-01 1999-05-21 Horiba Ltd 螢光x線分析装置
JP2001255289A (ja) * 2000-03-08 2001-09-21 Horiba Ltd 液体試料セルおよびこれを用いた上面照射型x線分析方法および装置
JP2018119888A (ja) * 2017-01-26 2018-08-02 ミツミ電機株式会社 採取測定用容器、及び、それを用いた測定システム
US11549896B2 (en) 2019-07-18 2023-01-10 Jeol Ltd. X-ray fluorescence measurement apparatus

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