JPH08113820A - 易フィブリル化ポリノジック繊維及びその製造方法 - Google Patents
易フィブリル化ポリノジック繊維及びその製造方法Info
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- JPH08113820A JPH08113820A JP25049794A JP25049794A JPH08113820A JP H08113820 A JPH08113820 A JP H08113820A JP 25049794 A JP25049794 A JP 25049794A JP 25049794 A JP25049794 A JP 25049794A JP H08113820 A JPH08113820 A JP H08113820A
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Abstract
ック繊維とその製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 高重合度ビスコースの低酸低温紡糸法による
ポリノジック繊維の製造工程において、再生未完結であ
って残存γ価1〜20の糸条を得て、直ちに硫酸濃度3
0〜300g/リットル、温度70℃以上の酸浴を通し
て再生を完結させることを特徴とするポリノジック繊維
の製造方法。
Description
リノジック繊維及びその製造方法を提供するものであ
る。
フィブリル、さらにミクロフィブリルが集合してフィブ
リルを形成している。
な水素結合が多数存在するため、フィブリルを更に小さ
い単位にすることは通常の方法では困難であるとされて
いた。セルロース繊維を微細化あるいはフィブリル化す
る方法は従来から リファイナー、ボールミル等の機械
的な処理 爆砕等の物理的な処理 微結晶化処理等
の化学的な処理が行われている。又、特にビスコース繊
維を限定した場合は特開平6−128874号公報の場
合は平均重合度が600以上の高重合度のポリノジック
繊維で構成された織編物を常圧ワッシャー、連続リラッ
クス機、液流染色機、ウィンス染色機中で湿潤状態にお
いて揉布処理したり、ストーンウオッシュ法により摩擦
する方法でフィブリル化させる製造方法がある。又、特
開平6−108306号公報の場合は標準状態で引張強
度が4〜6g/d引張伸度が8%以下である高強力、低
伸度ポリノジック繊維を湿潤状態において外力によりフ
ィブリル化させる製造方法がある。
公報に記載されている方法は、平均重合度が600以上
という高重合度のポリノジック繊維で構成されている。
又、特開平6−108306号公報の場合は標準状態で
引張強度が4〜6g/d引張伸度が8%以下である高強
力、低伸度ポリノジック繊維で構成されている。これら
の高重合度、高強力(必然的に低伸度となる)ポリノジ
ック繊維によって得られる繊維のフィブリル化潜在能力
は低く、その後の湿潤状態での揉布処理、摩擦処理、あ
るいは叩解処理等で所定の状態まで叩解させるには、例
えば処理時間を大幅に長くする等の過程が必要である。
湿潤状態での長時間処理は得られる製品の品位を著しく
損なう等の欠点となる。
問題を解決すべく行われたものである。即ち、フィブリ
ル化潜在能力が著しく高いポリノジック繊維及びその製
造方法を提供するものである。
手段、即ち本発明は、高重合度ビスコースの低酸低温紡
糸法によるポリノジック繊維の製造工程において、再生
未完結であって残存γ価1〜20の糸条を得て、直ちに
硫酸濃度30〜300g/リットル、温度70℃以上の
酸浴を通して再生を完結させることを特徴とするポリノ
ジック繊維の製造方法及びカナディアン標準形で測定し
た叩解時間30分の濾水度が600cc以下である請求
項1に記載の方法で得られるポリノジック繊維である。
スコースの凝固工程であるが一般に行われている低酸濃
度、低温浴で良い。第1浴の最適条件はビスコース条件
および紡糸速度、浴温度、浴長等の紡糸条件と関連する
ので、これのみを単独に規制することはできないが、一
般的な範囲として硫酸濃度15〜30g/リットル硫酸
亜鉛濃度0.1〜3g/リットル硫酸ソーダー濃度10
0g/リットル以下温度28℃以下である。第2工程を
一般に行われている第2浴での糸条の再生工程であるが
一般に行われている低酸濃度、低温浴で良い。第2浴の
最適条件は前述の第1浴と同様に紡糸条件と関連するの
で、これのみを単独に規制することはできないが硫酸濃
度5〜15g/リットル硫酸亜鉛濃度3g/リットル以
下硫酸ソーダー濃度50g/リットル以下温度28℃以
下である。第3工程は糸条の延伸工程であるが、所望の
糸物性が得られる延伸倍率まで延伸する。第4工程は第
3工程で固定された糸条を分解再生する工程であるが一
般に行われている高温、低酸濃度で良い。第3浴の最適
条件は前述の第1浴と同様に紡糸条件と関連するので、
これのみを単独に規制することはできないが硫酸濃度5
g/リットル以下、温度95℃以上である。第4工程を
通過した糸条の残存γ価は通常1〜20の間に入る。第
5工程は本発明において特に重要であり、本発明で特定
する条件を満足する場合にはじめて本発明の所期となる
効果が得られる。
存γ価が1〜20の糸条を硫酸濃度30〜300g/リ
ットル温度70℃以上、浴滞留時間1〜300秒で処理
する工程である。より好ましい硫酸濃度は範囲は50〜
250g/リットルである。ここで、硫酸濃度30g/
リットル以下では所望のフィブリル化しやすいポリノジ
ック繊維は得られない。逆に硫酸濃度300g/リット
ル以上では繊維の強伸度か低下して実用的でない。浴温
度については70℃以上が好ましい。70℃以下では糸
条に含まれる二硫化炭素が揮発しがたく繊維の強伸度が
低下して実用的でない。浴滞留時間については、硫酸濃
度条件と関連するので、これのみを単独に規制すること
はできないが、一般的な範囲として1〜300秒が最適
範囲である。第5工程を通過した糸条の残存γ価は0〜
1となる。その後、必要に応じて最終の熱浴中に導入し
て完全に分解再生させてもよい。
でかつ膨潤状態の糸条を、高酸濃度及び高温で処理する
ことによって達成される。これは、本発明の範囲でセル
ロース分子の水素結合が一部切断して、フィブリル、あ
るいはミクロフィブリルの繊維軸に対する直角方向の結
合力が弱まるためと考えられる。この結果フィブリル化
潜在能力の高い繊維となり、その後の湿潤状態における
機械的、物理的外力により容易にミクロフィブリル化す
るものと思われる。
デアン標準形の濾水度の測定方法について以下に記述す
る。
の切断糸条を0〜4℃に冷却したアンモニア、アルカリ
性アンモニウム塩飽和溶液中に採取し、分解を停止せし
めると共に5分間放置し、すべての残存ザンテート基を
アンモニウムカチオンで置換する。次いで0〜4℃に冷
却した水、アルコール4:6混液により数回にわたり液
を交換しつつ充分洗浄し、遊離のアンモニウムイオンを
除去する。精製終了後予め50℃に加温した0.5%塩
酸により分解しNH4 Cを生成せしめこの分解液を濾別
洗浄し、糸条は乾燥し繊維素量(Sg)とする。濾液は
フラスコ中に入れ20%NaOHでアルカリ性となしコ
ンデンサーを連結して蒸留して溜出するアンモニアを
0.1N H2 SO4 (Acc)中に導き、完全にアン
モニアが溜出したことを確認した後、NaOHで逆滴定
する。(Bcc)前記測定より糸条中に残存するザンテ
ート基量は次の通り示される。 残存γ価(%)=(A−B)/S×1.62
(絶乾量換算)を10リットルの水に離解し、王研式ビ
ーターで30分叩解した。叩解された繊維を目標秤量8
0g/cm2 でタッピー抄紙し、脱水後湿紙を120℃
で乾燥し測定した。濾水度の値は小さいほど、フィブリ
ル化して繊維の絡みが大きくなっていることを示す。
2.5%、γ価75、落玉粘度230秒、平均重合度5
50のビスコースを調整した。これを孔径0.06m
m、孔数27000のノズルより硫酸18.0g/リッ
トル硫酸亜鉛0.5g/リットル及び硫酸ソーダ20g
/リットルを含有し温度28℃の1浴中に紡糸しビスコ
ースを凝固させた。次に硫酸7.0g/リットル硫酸ソ
ーダ23g/リットルを含有し温度27℃の2浴中にて
糸条を再生せしめて後、糸条を55%延伸した。次に浴
温97℃、硫酸1.0g/リットルの3浴にて再生分解
させた。得られた糸条の残存γ価は10であった。次に
硫酸250g/リットル(実施例1)及び50g/リッ
トル(実施例2)温度90℃、浴長2m(浴滞留時間5
秒)の第4浴にて糸条を処理した。得られた糸条の残存
γ価は1であった。かかる糸条を空気中に取り出した
後、最終工程の熱浴にて完全に分解した。次に常法によ
り精練処理、乾燥処理を行った。比較例として第4浴の
硫酸濃度のみ変更した場合を記載する。得られた糸の特
性を表1に示す。又、実施例1で得られた繊維の走査型
電子顕微鏡写真(500倍)から写し取った図を図1、
上記実施例1で得られた繊維を王研式ビーターで30分
間叩解した後の繊維の走査型電子顕微鏡写真(500
倍)から写し取った図を図2に示す。
の第4浴の硫酸濃度を250g/リットルに保持して浴
温度を変更した。得られた糸の特性を表2に示す。
ル化潜在能力の高い特性を備えている。本発明によって
得られたポリノジック繊維を用いると合理化された手段
でもって抄紙分野、衣料分野等に適合する。
倍)から写し取った図である。
た後の繊維の走査型電子顕微鏡写真(500倍)から写
し取った図である。
フィブリル
Claims (2)
- 【請求項1】 高重合度ビスコースの低酸低温紡糸法に
よるポリノジック繊維の製造工程において、再生未完結
であって残存γ価1〜20の糸条を得て、直ちに硫酸濃
度30〜300g/リットル、温度70℃以上の酸浴を
通して再生を完結させることを特徴とするポリノジック
繊維の製造方法。 - 【請求項2】 カナディアン標準形で測定した叩解時間
30分の濾水度が600cc以下である請求項1に記載
の方法で得られるポリノジック繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25049794A JP3578227B2 (ja) | 1994-10-17 | 1994-10-17 | 易フィブリル化ポリノジック繊維及びその製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25049794A JP3578227B2 (ja) | 1994-10-17 | 1994-10-17 | 易フィブリル化ポリノジック繊維及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08113820A true JPH08113820A (ja) | 1996-05-07 |
JP3578227B2 JP3578227B2 (ja) | 2004-10-20 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25049794A Expired - Fee Related JP3578227B2 (ja) | 1994-10-17 | 1994-10-17 | 易フィブリル化ポリノジック繊維及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3578227B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021144854A1 (ja) * | 2020-01-14 | 2021-07-22 | 旭化成株式会社 | フィブリル化している再生セルロース繊維及びそれを用いた布帛 |
-
1994
- 1994-10-17 JP JP25049794A patent/JP3578227B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2021144854A1 (ja) * | 2020-01-14 | 2021-07-22 | 旭化成株式会社 | フィブリル化している再生セルロース繊維及びそれを用いた布帛 |
JPWO2021144854A1 (ja) * | 2020-01-14 | 2021-07-22 | ||
CN114929962A (zh) * | 2020-01-14 | 2022-08-19 | 旭化成株式会社 | 原纤维化的再生纤维素纤维及使用其而成的布帛 |
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---|---|
JP3578227B2 (ja) | 2004-10-20 |
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