JPH08113543A - モノクロロベンゼンの製造方法並びにそれを利用したパラ及びオルソジクロロベンゼンの製造方法 - Google Patents

モノクロロベンゼンの製造方法並びにそれを利用したパラ及びオルソジクロロベンゼンの製造方法

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JPH08113543A
JPH08113543A JP27846294A JP27846294A JPH08113543A JP H08113543 A JPH08113543 A JP H08113543A JP 27846294 A JP27846294 A JP 27846294A JP 27846294 A JP27846294 A JP 27846294A JP H08113543 A JPH08113543 A JP H08113543A
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JP
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monochlorobenzene
dichlorobenzene
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weight
reaction
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Tetsuya Suzuta
哲也 鈴田
Tatsuo Yokoi
辰雄 横井
Naokazu Ito
直和 伊藤
Teruo Yoshida
照雄 吉田
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Toagosei Co Ltd
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    • C07C25/02Monocyclic aromatic halogenated hydrocarbons
    • C07C25/08Dichloro-benzenes
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C17/00Preparation of halogenated hydrocarbons
    • C07C17/093Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens
    • C07C17/10Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens of hydrogen atoms
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C07C25/00Compounds containing at least one halogen atom bound to a six-membered aromatic ring
    • C07C25/02Monocyclic aromatic halogenated hydrocarbons
    • C07C25/06Monochloro-benzene

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ジクロロベンゼンから選択的にモノクロロベ
ンゼンを製造する方法、並びにその方法を工程中に適用
することにより、高塩素消費効率で、パラ及びオルソジ
クロロベンゼンを製造する方法を提供する。 【構成】 反応管中に、5重量%のCuと0.125重
量%のPtを担持した活性炭を、還元触媒として充填
し、反応温度300℃において、モル比で約2:5:3
のメタジクロロベンゼン、パラジクロロベンゼン及びオ
ルソジクロロベンゼンの異性体混合物に、水素を加えた
混合ガスを連続的に供給し、6時間反応させ、モノクロ
ロベンゼン及びベンゼンへの転化率が、それぞれ66.
及び10.3モル%、残余が未反応物である還元反応
生成物を得た。還元反応生成物中のモノクロロベンゼン
の選択率は86.6%である。この生成物は高塩素消費
効率のジクロロベンゼン生成原料として再利用すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に、メタジクロロベ
ンゼン(以下、MDCBという。)を比較的高い割合で
含むジクロロベンゼンを還元し、選択的にモノクロロベ
ンゼンを製造する方法、並びにその製造方法を工程中に
取り入れたパラジクロロベンゼン(以下、PDCBとい
う。)及びオルソジクロロベンゼン(以下、ODCBと
いう。)を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】PDCBは防虫剤、或いは高性能エンジ
ニアリングプラスチックであるポリフェニレンスルフィ
ド樹脂の原料などとして利用価値が高く、また、ODC
Bは医薬、農薬の中間体として、或いは溶剤として有用
である。PDCB及びODCBを製造するための、ベン
ゼン或いはモノクロロベンゼンの塩素化反応は、パラ、
オルソ配向性であり、主たる生成物はPDCB及びOD
CBであるが、少量のMDCBが副生するのは避けられ
ない。しかし、この少量生成するMDCBの物理化学的
性質は、その異性体、特にODCBの性質に近似してお
り、そのため、MDCBを異性体、特にODCBから高
純度に分離することは困難である。
【0003】例えば、ジクロロベンゼン異性体混合物
(以下、単に異性体混合物ということもある。)から、
少量成分のMDCBを分離する方法としては、MDCB
をゼオライトに吸着して分離する方法が知られている
(特開平2−49740号公報)。しかし、この方法で
は微量の水分の存在によるゼオライトの劣化が激しく、
脱水して水分を10ppm以下にする必要があり、脱水
に費用がかかること及び吸着したMDCBの脱着或いは
吸着剤の再生にエネルギーを要する等経済的な問題があ
る。
【0004】更に、異性体混合物中のMDCBの濃度は
通常相当に低く、少量のMDCBを分離するために、多
量の異性体混合物を処理しなくてはならず、上記方法は
本質的に効果が高いとは言えない。このように異性体混
合物からMDCBを効率よく分離するのは容易ではな
く、従って、PDCB及びODCBの製造工程におい
て、反応系内にMDCBを蓄積させないためには、MD
CBを含む異性体混合物を系外に抜き出し廃棄処理する
必要があり、その分だけ原料としてリサイクルされる異
性体混合物がロスとなるばかりでなく、廃棄処理にも費
用を要し、不経済でもある。
【0005】一方、近年、高性能エンジニアプラスチッ
クであるポリフェニレンスルフィド樹脂の原料として、
PDCBの利用価値が大きくなり、PDCBの生成割合
の大きいジクロロベンゼンの製造法が注目されている。
例えば、PDCB/ODCB生成比を大きくするため、
ゼオライト触媒を用いる塩素化方法(特開昭59−16
3329号公報)、或いはゼオライト触媒と溶媒を併用
する塩素化方法(特開平4−253929号公報)等が
提案されている。しかし、これらの方法では、PDCB
/ODCB比は大きくなるが、同時にMDCBの副生割
合も大きくなるという欠点がある。
【0006】尚、ジクロロベンゼン異性体混合物を還元
して、高い割合でベンゼンにまで戻す方法としては、メ
タジクロロベンゼンの還元方法並びにそれを利用したパ
ラ及びオルソジクロロベンゼンの製造方法(特開平6−
107574号公報)等があるが、その方法によれば、
ジクロロベンゼンの2個の塩素が還元されて、一旦ベン
ゼンにまで還元反応が進行し、次いで、再び塩素化され
てジクロロベンゼンが生成するものであり、塩素の利用
面で経済的ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のような現状か
ら、例えばPDCBやODCBを製造する際、副生す
る、分離困難なMDCBを含有する異性体混合物を廃棄
することなく、再度塩素消費量の少ないPDCB及びO
DCBの製造原料として、或いはその他の反応原料とし
て有用なモノクロロベンゼンに置換し得る方法が要望さ
れている。本発明は、従来、廃棄処理されていた異性体
混合物等を還元し、選択的にモノクロロベンゼンを製造
する方法、並びに該製造方法により得られたモノクロロ
ベンゼンを循環原料とすることにより、少ない塩素消費
量で効率的にPDCB及びODCBを製造する方法を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等の研究によれ
ば、例えばベンゼン等を塩素化してPDCB及びODC
Bを製造するに際し、反応生成物であるジクロロベンゼ
ン異性体混合物から、PDCB及びODCBをそれぞれ
高純度に分離した後の、MDCBを比較的高い割合で含
む異性体混合物など、ジクロロベンゼン異性体のうちの
少なくとも1種を、特定の金属触媒によって還元するこ
とにより、高い選択率(還元後の混合物中、ベンゼンと
モノクロロベンゼンの合計量におけるモノクロロベンゼ
ンの割合が65mol%以上、特に70mol%以上)
でモノクロロベンゼンを製造し得ることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0009】第1発明のモノクロロベンゼンの製造方法
は、ジクロロベンゼン異性体のうちの少なくとも1種を
接触還元することにより、選択的にモノクロロベンゼン
を製造する方法であって、還元触媒として、元素周期律
表の第4周期金属から選ばれた少なくとも1種と白金族
金属から選ばれた少なくとも1種とを多孔質体に担持し
た触媒を用い、該触媒を100重量%とした場合に、上
記第4周期金属は0.1〜50重量%であり、上記白金
族金属は0.01〜10重量%であることを特徴とす
る。
【0010】第2発明のパラ及びオルソジクロロベンゼ
ンの製造方法は、(a)ベンゼン及び/又はモノクロロ
ベンゼンを塩素化してジクロロベンゼン異性体混合物を
得る塩素化工程、(b)該異性体混合物よりパラジクロ
ロベンゼンを晶析分離する工程、(c)パラジクロロベ
ンゼン分離液よりオルソジクロロベンゼンを蒸留分離す
る工程、(d)触媒の全量を100重量%とした場合
に、元素周期律表の第4周期金属から選ばれた少なくと
も1種0.1〜50重量%と、白金族金属から選ばれた
少なくとも1種0.01〜10重量%とを、多孔質体に
担持した触媒を用いて、残余のジクロロベンゼンを水素
により接触還元し、選択的にモノクロロベンゼンとする
還元工程、及び(e)該モノクロロゼンゼンを(a)工
程に戻す循環工程よりなることを特徴とする。
【0011】上記(a)工程におけるベンゼン及び/又
はモノクロロベンゼンの塩素化は、触媒として塩化第2
鉄、塩化アルミニウム等を使用し、これらに助触媒とし
て硫黄或いはセレンを併用して行うことができる。ま
た、アルミナ、ゼオライト等、多くの酸触媒を使用し
て、公知の塩素化触媒の存在下に行い得る。また、反応
は液相、気相のいずれでも実施し得る。
【0012】上記の方法によって、ベンゼン等を塩素化
した場合、反応条件によって多少の差はあるものの、M
DCBを0.1〜1mol%程度含む異性体混合物が得
られ、少量のMDCBの生成は避けることができない。
そしてこの異性体混合物からPDCBは晶析により、O
DCBは蒸留によりそれぞれ高純度に分離し得るが、M
DCBはPDCB及びODCBを分離した後の混合物中
に高い濃度で残存することになる。
【0013】第1発明の還元反応に供する「ジクロロベ
ンゼン異性体のうちの少なくとも1種」は、特に限定さ
れるものではないが、通常、上記のPDCB及びODC
Bを分離した後のMDCBの濃度の高い異性体混合物で
あり、MDCBを5〜40mol%程度、ODCBを2
0〜60mol%程度及びPDCBを含有するか又は含
有しないものであり、例えば実質的にMDCB或いはO
DCBのみからなるものであってもよい。また、この還
元反応に供される混合物等は、上記成分の他に、少量の
モノクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等を含んでい
るものであっても差し支えない。
【0014】上記元素周期律表の「第4周期金属」とし
ては、Cu、Zn、Cr、Mn、Fe、Co及びNi等
が挙げられ、これらは1種でも又2種以上でもよい。
「白金族金属」としては、Pt、Pd、Rh、Ir、R
u及びOsが挙げられ、これらは1種でも又2種でもよ
い。これらの中では、第4周期金属としてCu又はN
i、特に好適にはCu、白金族金属としてPt又はP
d、の組み合わせが反応速度が速く、モノクロロベンゼ
ンの選択率も高く、更に好ましい。尚、PtとPdを併
用することもできる。また、担体として用いられる多孔
質体としては、活性炭、シリカ、アルミナ等を使用で
き、これらの中では、還元反応の速度が速く、モノクロ
ロベンゼンの選択率の高い活性炭が特に好ましい。
【0015】多孔質体も含めた上記触媒の全量を100
重量%とした場合に、上記「第4周期金属の含有量は
0.1〜50重量%」、特に好ましくは0.5〜10重
量%である。この含有量が0.1重量%未満では、良好
な触媒作用が発揮されず、50重量%を超える多量の担
持量としてもそれ以上の効果は得られない。また、上記
「白金族金属の含有量は0.01〜10重量%」、特に
好ましくは0.03〜3重量%である。この含有量が
0.01重量%未満では、良好な触媒作用が発揮され
ず、10重量%を超える多量の担持量としてもそれ以上
の効果は得られない。
【0016】上記2種類の触媒の形状については特に制
限はなく、液相反応、気相反応或いは反応槽の構造等に
よって任意に選択することができ、粉末状、又は顆粒
状、球状、筒状、管状等の成型体などが挙げられる。ま
た、ガラスビーズのような不活性な充填材と混合して用
いることもできる。更に、多孔質体への金属の担持方法
としては、公知の方法が何等制限なく採用できるが、通
常は含浸法、共沈法等によって担持させる。
【0017】第1発明における還元反応は加熱によって
進行する。反応温度は、150〜500℃、特に200
〜400℃の範囲が好ましい。反応温度が150℃未満
では、ジクロロベンゼンはモノクロロベンゼン等へ十分
に転化されず、500℃を超えると触媒劣化が著しい。
反応圧力は、安全性の面から0.1〜30kg/cm2
(絶対圧)が好ましく、更に経済性の面からより好まし
くは1〜10kg/cm2 (絶対圧)の範囲である。ま
た、上記反応は、必要に応じて、窒素等の不活性ガスの
他、二酸化炭素、塩化水素等を希釈ガスとし、その存在
下に行ってもよい。これら希釈ガスの使用量はジクロロ
ベンゼンに対して、最大20倍mol程度までが好まし
く、これ以上多量の希釈ガスを使用すると、反応後の冷
却凝縮効率が低下し、経済的とは言えない。
【0018】還元反応に供されるジクロロベンゼンと触
媒との接触時間「W/F(sec)」は、0.1〜10
00secの範囲が好ましく、更に好ましくは0.5〜
500secである。接触時間が0.1sec未満で
は、異性体化合物を十分転化させることができず、10
00secを超えても触媒量の増加に見合う効果は期待
できない場合がある。但し、W(cc):触媒層の体
積、F(cc/sec):ジクロロベンゼン及び希釈ガ
スを用いる時はこれを含めた合計原料等供給量。
【0019】この還元反応は、連続法、バッチ法等のい
ずれの反応形式で行うこともでき、また、通常は気相反
応で行うが、液相反応、若しくは気相と液相とが共存し
た状態で行ってもよい。また、固定床、流動床、移動床
等のいずれの形式を用いてもよい。
【0020】次に、上記のモノクロロベンゼンの製造方
法を取り入れた、第2発明のPDCB及びODCBの製
造方法を説明する。先ず、「ベンゼン及び/又はモノク
ロロベンゼン」を前述したような条件で「塩素化」し
て、「ジクロロベンゼン異性体混合物」を得る。この塩
素化反応は、塩素化度(ベンゼン環に結合した塩素の平
均数)が1.5〜1.9になった時点で終了し、未反応
のベンゼン及びモノクロロベンゼンは蒸留により回収し
て塩素化工程に戻す。反応に溶剤を使用した場合は、こ
の溶剤も蒸留により回収し再利用する。その後、上記塩
素化工程で得られた異性体混合物を冷却し、「PDCB
を晶析分離」する。晶析分離したPDCBは再結晶によ
って精製し得るが、工業的には例えば特公昭47−40
621号公報に記載される連続晶析装置によれば純度9
9.9%以上のPDCBを得ることができる。
【0021】異性体混合物から大部分のPDCBを分離
した後の残液は、通常、ODCB、MDCB、晶析分離
されなかったPDCB、及び僅かな量のトリクロロベン
ゼン等の多塩素化ベンゼンを含んでいるが、沸点差を利
用して蒸留することにより残存するPDCB及びMDC
Bを留出させることができる。この留出液を再度晶析工
程に戻してPDCBの収率を上げることも可能である。
一方、MDCB、ODCB或いは多塩素化ベンゼンを含
む上記蒸留残液を、更に蒸留することによってより高純
度のODCBを得ることができる。
【0022】このようにして、晶析工程及び蒸留工程を
経るに従いMDCBが濃縮され、最終的に、例えばMD
CBを5〜40mol%、ODCBを20〜60mol
%、その他少量の多塩素化ベンゼン等を含むジクロロベ
ンゼン異性体の混合物が得られる。この混合物を還元工
程に送り、前記のモノクロロベンゼンの製造方法により
選択的にモノクロロベンゼンに還元した後、該反応液を
塩素化工程に原料として供給する。これにより、主にM
DCB及びODCBを多量に含む異性体混合物等を廃棄
処分することなく有効に再利用することができ、且つ、
再利用されるモノクロロベンゼンを含む反応液は、モノ
クロロベンゼンの含有量が非常に高く、塩素の有効利用
という効果も奏せられる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により更に
具体的に説明する。 実施例1 モノクロロベンゼンを原料に用いて、常法に従い、塩素
化工程にて塩素化を行い、晶析工程にてその溶液からP
DCBを取り除き、精留工程にて残りの溶液からODC
Bを取り除いた。この残液を新たに塩素化工程に戻し、
再度、晶析工程、精留工程と繰り返すことにより、MD
CB濃度が約20mol%となったところで反応液を抜
き出した。この時の液の組成は、MDCB:ODCB:
PDCB=20.3:29.6:50.1(モル比)で
あった。この溶液を以下の実験に用いた。
【0024】反応管(パイレックスガラス「ダウコーニ
ング社の登録商標」製;30mmφ×500mmL)
に、5重量%のCu、0.125重量%のPtを担持さ
せた活性炭(円柱形状;3mmφ×5mmL)25cc
を充填し、反応温度300℃において、上記溶液と水素
とを〔MDCB+PDCB+ODCB〕:H2 =1:3
(モル比)、且つW/F(接触時間)23secで連続
的に供給し、6時間反応を行った。
【0025】反応終了後、反応管から流出した反応生成
物と未反応ガスとの混合物を、ガスクロマトグラフィ等
により分析した結果、ジクロロベンゼンの、モノクロロ
ベンゼン及びベンゼンへの転化率は、それぞれ66.5
mol%と10.3mol%であり、23.2mol%
はジクロロベンゼンが未反応のまま残っていた。また、
上記モノクロロベンゼンとベンゼンとの量比は86.
6:13.4であり、モノクロロベンゼンの選択率は8
6.6%であった。尚、ガス混合物中には、上記各成分
の他、副生物として少量の塩化水素が確認された。
【0026】ジクロロベンゼンの転化率及びモノクロロ
ベンゼンの選択率は以下の式に基づき算出した(量の単
位はモルとする。)。 転化率(%)=100−(未反応のジクロロベンゼン量
/モノクロロベンゼン、ベンゼン及び未反応のジクロロ
ベンゼンの合計量)×100 モノクロロベンゼンの選択率(%)=(反応後混合物中
のモノクロロベンゼンの量/反応後混合物中のモノクロ
ロベンゼン及びベンゼンの合計量)×100
【0027】実施例2 触媒を5重量%のCuと、0.05重量%のPdを担持
させた活性炭とし、異性体混合物に代えてODCB、1
00%のジクロロベンゼンを使用し、水素との供給量比
を、ODCB:H2 =1:2(モル比)として、W/F
(接触時間)15secで供給し以外は、実施例1と同
様な反応装置、反応条件で還元反応を行った。
【0028】実施例3 触媒を5重量%のNiと、0.05重量%のPtを担持
させた活性炭とした以外は、実施例4と同様な反応装
置、反応条件で還元反応を行った。 実施例4 触媒を5重量%のFeと、0.05重量%のPdを担持
させた活性炭とした以外は、実施例4と同様な反応装
置、反応条件で還元反応を行った。
【0029】比較例1 触媒を0.05重量%のPdを担持させた活性炭とした
以外は、実施例4と同様な反応装置、反応条件で還元反
応を行った。 比較例2 触媒を0.05重量%のPtを担持させた活性炭とした
以外は、実施例4と同様な反応装置、反応条件で還元反
応を行った。 以上、実施例1〜4及び比較例1〜2の還元反応におけ
る、原料ジクロロベンゼンの組成(mol%)、反応後
の組成(mol%)、転化率及びモノクロロベンゼンの
選択率を表1に示す。尚、表1のモノクロロベンゼンの
欄の括弧内の数値が選択率である。
【0030】
【表1】
【0031】表1の結果によれば、各実施例では、ジク
ロロベンゼンの転化率は、少なくとも70%を越えてお
り、特に触媒金属としてNiとPtとを組み合わせた実
施例3では、転化率は99.6%と極めて高いことが分
かる。また、モノクロロベンゼンの選択率は、最も低い
実施例4でも68.2%の高率であり、本発明の特定の
触媒を使用した還元反応により、原料ジクロロベンゼン
が、MDCB、PDCB及びODCBの混合物、或いは
実質的にODCBのみの場合等、いずれであっても同様
に、ベンゼンに対して非常に高い選択率でモノクロロベ
ンゼンが生成することが分かる。
【0032】これに対し白金族金属のみを触媒として使
用した各比較例では、ジクロロベンゼンの転化率こそ、
各実施例と同等或いはそれ以上であるが、モノクロロベ
ンゼンの選択率は低く、特にPdのみを使用した比較例
1では、90%以上がベンゼンにまで還元されてしまっ
ており、塩素消費効率の低さが推察される。
【0033】
【発明の効果】第1発明のモノクロロベンゼンの製造方
法によれば、ジクロロベンゼン異性体のうちの少なくと
も1種を、高い選択率でモノクロロベンゼンに還元する
ことができ、従来の高い割合でベンゼンにまで還元して
いた方法に比べ、高塩素消費効率で、この還元生成物を
ジクロロベンゼン生成の原料として再利用することがで
きる。また、第2発明のパラ及びオルソジクロロベンゼ
ンの製造方法によれば、塩素化反応後の、主に、MDC
Bを高い割合で含むジクロロベンゼン異性体の混合物等
を、第1発明のモノクロロベンゼンの製造方法によって
再生し、製造原料として有効に利用することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 (72)発明者 吉田 照雄 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジクロロベンゼン異性体のうちの少なく
    とも1種を接触還元することにより、選択的にモノクロ
    ロベンゼンを製造する方法であって、 還元触媒として、元素周期律表の第4周期金属から選ば
    れた少なくとも1種と白金族金属から選ばれた少なくと
    も1種とを多孔質体に担持した触媒を用い、該触媒を1
    00重量%とした場合に、上記第4周期金属は0.1〜
    50重量%であり、上記白金族金属は0.01〜10重
    量%であることを特徴とするモノクロロベンゼンの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 (a)ベンゼン及び/又はモノクロロベ
    ンゼンを塩素化してジクロロベンゼン異性体混合物を得
    る塩素化工程、(b)該異性体混合物よりパラジクロロ
    ベンゼンを晶析分離する工程、(c)パラジクロロベン
    ゼン分離液よりオルソジクロロベンゼンを蒸留分離する
    工程、(d)触媒の全量を100重量%とした場合に、
    元素周期律表の第4周期金属から選ばれた少なくとも1
    種0.1〜50重量%と、白金族金属から選ばれた少な
    くとも1種0.01〜10重量%とを、多孔質体に担持
    した触媒を用いて、残余のジクロロベンゼンを水素によ
    り接触還元し、選択的にモノクロロベンゼンとする還元
    工程、及び(e)該モノクロロベンゼンを(a)工程に
    戻す循環工程よりなることを特徴とするパラ及びオルソ
    ジクロロベンゼンの製造方法。
JP27846294A 1994-10-17 1994-10-17 モノクロロベンゼンの製造方法並びにそれを利用したパラ及びオルソジクロロベンゼンの製造方法 Pending JPH08113543A (ja)

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JP27846294A Pending JPH08113543A (ja) 1994-10-17 1994-10-17 モノクロロベンゼンの製造方法並びにそれを利用したパラ及びオルソジクロロベンゼンの製造方法

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JP (1) JPH08113543A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104492454A (zh) * 2014-12-18 2015-04-08 上海纳米技术及应用国家工程研究中心有限公司 二氯苯完全催化氧化消除催化剂及其制备方法

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