JPH0811260A - 不燃性木質積層材の製造方法 - Google Patents

不燃性木質積層材の製造方法

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JPH0811260A
JPH0811260A JP16881894A JP16881894A JPH0811260A JP H0811260 A JPH0811260 A JP H0811260A JP 16881894 A JP16881894 A JP 16881894A JP 16881894 A JP16881894 A JP 16881894A JP H0811260 A JPH0811260 A JP H0811260A
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glass fiber
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JP16881894A
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Shinzaburo Yoshida
吉田新三郎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然木材と同様の質感、比重及び加工性を有
する不燃性木質積層材を製造するための方法を提供す
る。 【構成】 水分散性ポリエステルウレタン樹脂溶液に、
シリカ粉末等の特定の充填材、ガラスヤーンチョップス
トランド、増粘剤、シランカップリング剤及び色素を分
散させた分散液を成形型に加圧注入し、得られた成形体
を加熱加圧成形して含水率が調整された木質成形体A3
を製造し(工程A)、一方、工程Aの分散液と同様の組
成の分散液をガラスファイバーマットの表面に塗布して
得たガラス繊維質ペーパーA4 の表面に表面着色層aを
形成させ(工程B)、更に、同様の分散液を用いて、木
質成形体とガラス繊維質ペーパーとを熱圧着により貼り
合わせる(工程C)。着色層の表面にはフッ素系樹脂層
を設けることが好ましい。 【効果】 優れた不燃性を有し、内装材として適してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発火することのない内
装空間を得るのに使用でき、建築用内装材として適して
いる不燃性木質積層材を製造するための方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】これまで、内装板材としてはケイカル板
や石膏板等が用いられてきているが、これらは自己結合
性を有する素材であるために、硬度が高く、外部からの
衝撃に対しては靭性が弱く、破壊脆性を有している。一
方、天然の木質板は、視覚的にも触感的にも優れたもの
であるので従来より多く使用されてきているが、不燃性
を有しておらず、表面塗装が施されたものにあっては表
面発火の危険性が高く、人身災害の原因となることがあ
った。このため、最近では、建築用内装材について、外
観(視覚性)や質感の他に、防災性が重要視されてきて
おり、これまでに優れた不燃性を有する新たな材料の開
発や、一般的な内装材に不燃性を付与させる加工方法の
開発が行われてきている。本発明者は、特開平5−17
1596号において、水分散性ポリエステルウレタン樹
脂溶液に、珪酸カルシウム、ガラスファイバー、酸化チ
タン、増粘剤及びシランカップリング剤を添加して得た
溶液を抄紙して、ガラス繊維質ペーパーを製造し、この
ペーパーを、平織のガラス繊維布の両面に積層して、加
圧、熱処理することで不燃性に優れた内装材が製造でき
ることを開示した。
【0003】ところが、この製造方法においては、樹脂
中に分散される充填物がいずれも比較的大きな比重(嵩
比重)を有するものであるために、製造された内装材の
比重が、天然の木材の比重に比べてかなり大きなものと
なり、天然木材と同等の製品を得ることができないとい
う問題点がある。又、この製造方法により得られる内装
材は不燃性の点では優れているが、工作性(加工性)の
点で天然木材とは異なる堅さを有しており、天然木材と
同様に加工できないという欠点や、更には、靭性(粘り
強さ)の点で充分でないという欠点もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来におけ
るガラス繊維を含む、これまでの不燃性内装材の比重を
小さくすることができ、天然木材と同様の質感及び視覚
性(表面意匠性)を有し、しかも、天然木材と同様の工
作性を示す上、優れた靭性をも有した不燃性木質積層材
を製造するための方法を提供することを課題とする。本
発明者は、嵩比重の小さなシリカ粉末(ホワイトカーボ
ン、嵩比重:約0.2)を用いることにより、天然木材
と同様の質感、比重及び加工性を有する不燃性木質積層
材が製造できることを見い出し、本発明を完成させた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の不燃性木質積層
材の製造方法は、 工程A:有機溶剤及び乳化剤を含まない、水分散性ポリ
エステルウレタン樹脂溶液に、シリカ粉末、珪酸カルシ
ウム粉末、カオリン粉末、マイカ粉末、珪砂、及び酸化
チタン粉末からなる群より選ばれた少なくとも2種の充
填材、ガラスヤーンチョップストランド、増粘剤、シラ
ンカップリング剤、及び色素を添加して均一に混合する
ことにより分散液(I) を調製し、前記分散液(I) を成形
型の内部に加圧注入して粗成形体A1 を成形した後、前
記粗成形体A1 を加熱加圧成形して圧縮成形体A2
し、前記圧縮成形体A2 の含水率を5〜20%に調整す
ることにより木質成形体A3 を製造する工程、 工程B:前記水分散性ポリエステルウレタン樹脂溶液
に、前記の少なくとも1種の充填材、増粘剤、シランカ
ップリング剤、及び色素を添加して均一に混合すること
により調製した分散液(II)を、ガラスファイバーマット
の表面に塗布してガラス繊維質ペーパーA4 を製造し、
その後、前記水分散性ポリエステルウレタン樹脂溶液
に、前記の少なくとも1種の充填材、増粘剤、シランカ
ップリング剤、及び色素を添加して均一に混合すること
により分散液(III) を調製し、前記分散液(III) を前記
ガラス繊維質ペーパーA4 の表面に塗布して表面着色層
を形成させることにより、着色ガラス繊維質ペーパーA
5 を製造する工程、及び 工程C:前記水分散性ポリエステルウレタン樹脂溶液
に、前記の少なくとも2種の充填材、増粘剤、シランカ
ップリング剤、及び色素を添加して均一に混合すること
により分散液(IV)を調製し、前記分散液(IV)を介して、
前記工程Aで得られた木質成形体A3 の表面に、前記工
程Bで得られた着色ガラス繊維質ペーパーA5 を熱圧着
により貼り合わせる工程 を含むことを特徴とする。
【0006】まず、本発明における工程A〜Cについて
順に説明する。本発明における工程Aは、不燃性木質積
層材の基材となる成形体(木質成形体)を製造する工程
であり、この工程において使用される分散液(I) は、水
分散性ポリエステルウレタン樹脂溶液に、シリカ粉末、
珪酸カルシウム粉末、カオリン粉末、マイカ粉末、珪
砂、及び酸化チタン粉末からなる群より選ばれた少なく
とも2種の充填材、ガラスヤーンチョップストランド、
増粘剤、シランカップリング剤、及び色素を添加して均
一に混合することにより調製されたものである。
【0007】この水分散性ポリエステルウレタン樹脂溶
液中に含まれる樹脂分は、結合材として機能するもので
あって、有機溶剤や乳化剤を含まず、例えば、アニオン
性脂肪族ポリエステルポリウレタン水分散液が好まし
い。このような樹脂溶液は、これを用いて加工した製品
が着火性を示さないので、不燃性を有する製品を得るの
に好都合であり、特に好ましい市販品としては、例えば
IMPRANIL. DLH. DISP(バイエル社製)や IMPRANIL. D
LN. DISP(バイエル社製)が挙げられる。これらの市販
品は、樹脂固形分が40%の溶液であって、分散されて
いる粒子の粒径が0.1〜0.4μで、比重1.1、p
H5〜8である。これらの樹脂をそのまま添加物なしに
コーティングして得られる被膜は、柔軟性に優れ、約1
00%の引張り復元率を示す。本発明における分散液
(I) の樹脂固形分濃度は、目的とする製品に応じて適宜
選択できるが、20%程度が好ましい。
【0008】又、本発明における前記分散液(I) 中の充
填材は、シリカ粉末、珪酸カルシウム粉末、カオリン粉
末、マイカ粉末、珪砂、及び酸化チタン粉末からなる群
より選ばれた少なくとも2種であって、3種以上が適宜
選択されて含まれても良く、各無機粉末の比重は、珪酸
カルシウム、カオリン、マイカ、珪砂がいずれも2.4
で、酸化チタン4.2である。特に、カオリン粉末は、
製造される木質成形体の硬度を高め、天然木材と同様の
質感とするのに適しており、マイカ粉末は質感を向上さ
せ、珪砂は硬度を高めるのに適している。一方、酸化チ
タン粉末を添加することにより、木質成形体の切断面を
白色とすることができる。これに対して、前記分散液
(I) に添加されるシリカ粉末(ホワイトカーボン)は、
粒径が約0.1〜0.4μ程度であって、前記の充填材
に比べて比重が小さく(嵩比重:0.2)、本発明で
は、このようなシリカ粉末の添加により不燃性木質積層
材の軽量化を図ることができ、所望の天然木材と同様の
比重を有する製品を製造することが可能となった。本発
明では、このようなシリカ粉末として市販品が広く使用
できるので便利である。
【0009】更に、この分散液(I) は、ガラスヤーンチ
ョップストランド、増粘剤、シランカップリング剤、及
び色素を含み、ガラスヤーンチョップストランドは、木
質成形体の不燃性に付与させ、成形された製品における
結合強度を向上させるためのものであり(比重2.
4)、異なる繊維長の市販品を複数種混合したものを用
いても良い。分散液(I) 中のガラスヤーンチョップスト
ランドの含有割合は5〜15%(重量比)であることが
好ましく、10%程度が特に好ましい。又、増粘剤は、
分散液を所要の粘度に調節するためのものであり、アニ
オン系アクリル樹脂が好ましく、又、この増粘剤は、製
品の靭性を高めるのに役立ち、粗成形体A1 を圧縮する
際の水の滲み出しを防ぐ作用もある。更に、シランカッ
プリング剤は、有機物である前記樹脂と、無機物である
ガラスヤーンチョップストランドとの接着力を高めて一
体化させる(シランカップリング効果)ために使用さ
れ、分散液(I) 中のシランカップリング剤の添加量は、
樹脂固形分に対して1〜2%程度である。尚、色素は、
木質成形体を所望の色に着色し、天然木材の質感を付与
するためのものであり、優れた耐光強度を有するインダ
ンスレン系色素等が好ましい。
【0010】本発明の工程Aでは、上記の成分を含む分
散液(I) を調製した後、この分散液(I) を成形型の内部
に加圧注入して粗成形体A1 を成形するが、粗成形体A
1 は板状に成形されたものであっても立体形状に成形さ
れたものであっても良い。本発明では、その後、この粗
成形体A1 を、その両面加熱、加圧成形して圧縮成形体
2 とするが、この際の加熱温度としては150〜20
0℃が一般的であり、圧力及び加圧時間としては、粗成
形体A1 の厚みを100とした時に、圧縮成形体A2
厚みが30〜80程度となるような条件が適宜選択さ
れ、50%程度の圧縮比率が特に好ましい。一般に、積
層材を壁面用とする場合には圧縮成形体A2 の厚みは5
mm程度が適しており、フローリング用とする場合には
10mm程度の厚みが適している。更に圧縮成形体A2
の厚みを大きくすることにより、扉材用に使用すること
もできる。尚、粗成形体A1 を圧縮した際には水の一部
が取り除かれ、この時の圧縮割合(圧縮比)によって木
質成形体A3 の比重が決定される。
【0011】そして、本発明では、その後、このように
して圧縮成形された圧縮成形体A2の含水率を一定の範
囲に調整することにより木質成形体A3 を製造するが、
この際、約60〜90℃の養生室内で除湿するのが一般
的であり、含水率は5〜20%、特に10〜15%の範
囲とすることが好ましい。このような含水率の範囲に限
定される理由は、木質成形体A3 を、天然木材に近い安
定した品質、硬度及び、優れた靭性を有するものとする
ためである。本発明では、木質成形体A3 の比重は適宜
選択することができるが、一般的には0.6〜1.3程
度である。
【0012】次に、工程Bにおいては、まず、前述の水
分散性ポリエステルウレタン樹脂溶液に、前記の少なく
とも1種の充填材、増粘剤、シランカップリング剤、及
び色素を添加して均一に混合することにより分散液(II)
を調製し、この分散液(II)を、市販のガラスファイバー
マットの表面に塗布して、ガラス繊維質ペーパーA4
製造する。この分散液(II)中の樹脂固形分濃度は10〜
15%程度が好ましく、特に13%程度が好ましい。こ
の際、添加される材料は、いずれも工程Aで使用したも
のと同じものが使用でき、木質成形体A3 と同様の色に
着色されるようにして色素が添加される。尚、ガラスフ
ァイバーマットの表面に分散液(II)を塗布する際には、
ロールコートまたはドクターコートが適している。本発
明において、分散液(II)を塗布するのは、印刷適性を有
さないガラスファイバーマットに印刷適性を付与するた
めである。このようにして製造されたガラス繊維質ペー
パーA4 は、非常に平滑な表面を有しているので印刷適
性が優れ、その表面に鮮明な意匠を施こすことができ
る。
【0013】その後、この工程Bでは、前述の水分散性
ポリエステルウレタン樹脂溶液に、前記の少なくとも1
種の充填材、増粘剤、シランカップリング剤、及び色素
を添加して均一に混合することにより調製した分散液(I
II) を、前記のガラス繊維質ペーパーA4 の表面に塗布
して表面着色層を形成させ、これによって、着色ガラス
繊維質ペーパーA5 を製造する。この表面着色層は、最
終製品の意匠性を高めるためのものであり、一般的に
は、天然木材や従来のベニヤ板と同様の質感(木目や板
目)、色相や表面意匠を有するが、これに限定されるも
のではない。この分散液(III) 中の樹脂固形分濃度は2
0〜40%程度が一般的である。この分散液(III) に添
加する色素としてはインダンスレン系ピグメントカラー
が好ましく、黒色とする場合には、カーボンブラックを
使用することが好ましい。この場合において、粘度を調
整する目的で増粘剤が添加され、一般には、グラビア印
刷に適したものになるようにする。尚、本発明では、こ
の際、着色ガラス繊維質ペーパーA5 の表面にエンボス
加工を施こしても良く、この場合には、天然木材と同様
の質感を有する製品を得ることができる。
【0014】最終工程である工程Cにおいては、前述の
水分散性ポリエステルウレタン樹脂溶液に、前記の少な
くとも2種の充填材、増粘剤、シランカップリング剤、
及び色素を添加して均一に混合することにより分散液(I
V)を調製し、この分散液(IV)を介して、前記工程Aで得
られた木質成形体A3 の表面に、前記工程Bで得られた
着色ガラス繊維質ペーパーA5 を熱圧着により貼り合わ
せて一体化させ、不燃性木質積層材を製造する。この分
散液(IV)中の樹脂固形分濃度としては30〜40%が適
しており、充填剤としては、粒径が揃っていて一定であ
る点でカオリンを使用するのが好ましい。又、木質成形
体A3 の表面に着色ガラス繊維質ペーパーA5 を熱圧着
させる際には、一般的にはフェルトロールにてコーティ
ングが行われ、熱圧着の温度としては150〜160℃
程度が一般的である。本発明では、木質成形体A3 、着
色ガラス繊維質ペーパーA5 及び分散液(IV)が、非常に
良く似た組成からなるものであるので、各層間の接着強
度が大きく、積層材を加工した際にも層間剥離が生じる
ことはない。本発明では、木質成形体A3 の両面に着色
ガラス繊維質ペーパーA5 を貼り合わせても良く、この
ようにして製造される不燃性木質積層材は、扉などの用
途に適したものである。
【0015】上述の工程A〜Cを含む本発明の製造方法
を用いることにより、所望の天然木材と同様の、密度
(比重)、硬度を有し、優れた靭性をも有した不燃性木
質積層材を製造することができ、このような積層材は、
種々の内装材の用途において使用できるものである。
又、このような積層材は、特に工作性の点で優れたもの
であり、天然木材と同様に加工するを行うことができる
ものである。更に、このような積層材を、天然木材の代
わりに使用することにより、森林保全を図ることもでき
るので、本発明の製造方法は非常に有用である。
【0016】尚、本発明では、前述の工程Bにおいて表
面着色層を形成させた後、更に、前記表面着色層の表面
に、フッ素系樹脂を塗布してフッ素系樹脂層を形成させ
ても良く、このようにして得られる不燃性木質積層材
は、表面強度(耐性)、特に摩擦強度が優れたものとな
り、光沢も付与される。又、無垢の木肌を得るために
は、フッ素系樹脂中にシリカを混入すれば良い。フッ素
系樹脂を低温焼付けコートする際には、表面着色層の上
にコーティングを行った後、140〜150℃の温度に
て15〜30分間程度焼き付けを行うのが一般的であ
る。更に、本発明では、木質成形体A3 の表面に直接、
表面着色層を設けたり、その表面にフッ素樹脂層を設け
ても良い。
【0017】図1には、本発明により製造される不燃性
木質積層材の断面構造が示されており、この積層材は、
ガラスファイバーマットの表面に分散液(II)が塗布され
てなるガラス繊維質ペーパーA4 の片側表面に表面着色
層a及びフッ素樹脂層bが形成された着色ガラス繊維質
ペーパーA5 と、比重調整された木質成形体A3 とが、
分散液(IV)が硬化して形成された接着層cにより一体化
したものである。以下に本発明の実施例を示すが、本発
明はこれに限定されるものではない。
【0018】
【実施例】
実施例1(比重が0.74である木質成形体A3 を基材
とする不燃性木質積層材の製造方法) 下記の組成からなる分散液(I) を調製した。尚、シリカ
粉末には、徳山曹達社製のトクシールU(商品名)を使
用し、水分散性ポリエステルウレタン樹脂溶液には、有
機溶剤や乳化剤を含まないバイエル社製の IMPRANIL. D
LN. DISP(商品名)を使用し、シランカップリング剤に
は、日本ユニカー社製のユニーA187(商品名)を使
用した。 組 成 重 量 嵩 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− シリカ粉末 400g 2000cc カオリン 200g 83cc ガラスヤーン(繊維長13mm) 100g 41.6cc 水分散性ポリエステル ウレタン樹脂溶液(固形分40%) 65g 65cc シランカップリング剤 1g 1cc 色素 0.01g 増粘剤(アニオン系アクリル樹脂) 2g 4cc 水 435g 435cc
【0019】このようにして調製した分散液(I) 700
gを成形型の内部に加圧注入して粗成形体A1 を成形し
(嵩2064cc)、この粗成形体A1 を170℃で、
3トン/m2 で8分間、加熱加圧成形して圧縮成形体A
2 とし(嵩1000cc)、更に、この圧縮成形体A2
を80℃の養生室内で除湿して、含水率15%に調整す
ることにより木質成形体A3 を製造した。このようにし
て得られた木質成形体A3 の厚さは約5mmで、その比
重は桐と同様の、0.74であった。
【0020】一方、分散液(II)としては、前記の水分散
性ポリエステルウレタン樹脂溶液中の固形分が13%
で、カオリンが20%、シランカップリング剤が1%、
増粘剤(アニオン系アクリル樹脂)が0.1%、スレン
系ピグメントカラーが0.01%からなり、これらの成
分が水中に均一に混合されたものを調製した。そして、
この分散液(II)を、市販のガラスファイバーマット(3
2g/m2 )の表面に、マシン捺染機にて1mmの厚さ
の層になるようにしてドクターコートし、150℃の表
面温度を有する乾燥ドラムにて乾燥させ、印刷用紙とな
るガラス繊維質ペーパーA4 を製造した。
【0021】又、分散液(III) としては、前記水分散性
ポリエステルウレタン樹脂溶液中の固形分が13%で、
カオリンが20%、酸化チタンが5%、シランカップリ
ング剤が1%、増粘剤(アニオン系アクリル樹脂)が
0.1%、スレン系ピグメントカラーが0.01%で、
これらの成分が水中に均一に混合されたものを用い、こ
の分散液(III) を前記ガラス繊維質ペーパーA4 の表面
に塗布することにより、木質の着色ガラス繊維質ペーパ
ーA5 を製造した。
【0022】そして、分散液(IV)としては、前記水分散
性ポリエステルウレタン樹脂溶液中の固形分が30%
で、カオリンが40%、シランカップリング剤が1%、
増粘剤(アニオン系アクリル樹脂)が0.1%、カーボ
ンブラックが0.01%で、これらの成分が水中に均一
に分散されたものを用い、この分散液(IV)をフェルトロ
ールにて前記木質成形体A3 の表面にコートした後、前
記の着色ガラス繊維質ペーパーA5 と150℃にて熱圧
着により貼り合わせ、木質の積層材を得た。このように
して製造された木質積層材は、不燃性が優れたものであ
るだけでなく、軽量性に富み、工作性が良く、壁面材に
非常に適したものであった。
【0023】実施例2(比重が1.00である木質成形
体A3 を基材とする不燃性木質積層材の製造方法) 下記の組成からなる分散液(I) を調製して、木質成形体
3 を製造する以外は実施例1と同様にして、不燃性木
質積層材を製造した。 分散液(I) の組成 重 量 嵩 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− シリカ粉末 400g 2000cc カオリン 400g 160cc ガラスヤーン(繊維長13mm) 100g 41cc 水分散性ポリエステル ウレタン樹脂溶液(固形分40%) 100g 100cc シランカップリング剤 2g 2cc 色素 0.01g 増粘剤(アニオン系アクリル樹脂) 2g 4cc 水 500g 500cc
【0024】このようにして調製した分散液(I) 110
0gを成形型の内部に加圧注入して粗成形体A1 を成形
し(嵩2810cc)、この粗成形体A1 を170℃
で、3トン/m2 で8分間、加熱加圧成形して圧縮成形
体A2 とし(嵩1100cc)、更に、この圧縮成形体
2 を80℃の養生室内で除湿して、含水率15%に調
整することにより木質成形体A3 を製造した。このよう
にして得られた木質成形体A3 の厚さは約5mmで、そ
の比重は、「けやき」やチーク材と同様の、1.00で
あった。この木質成形体A3 の表面に、実施例1記載の
分散液(IV)をコートした後、着色ガラス繊維質ペーパー
5 と150℃にて熱圧着により貼り合わせて、壁面材
用の不燃性木質積層材を得た。
【0025】実施例3(比重が1.10である木質成形
体A3 を基材とする不燃性木質積層材の製造方法) 下記の組成からなる分散液(I) を調製して、木質成形体
3 を製造する以外は実施例1と同様にして、不燃性木
質積層材を製造した。 分散液(I) の組成 重 量 嵩 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− シリカ粉末 600g 3000cc カオリン 300g 120cc 珪砂 300g 120cc 酸化チタン 20g 5cc ガラスヤーン(繊維長13mm) 200g 80cc 水分散性ポリエステル ウレタン樹脂溶液(固形分40%) 500g 500cc シランカップリング剤 10g 10cc 色素 0.01g 増粘剤(アニオン系アクリル樹脂) 10g 20cc 水 500g 500cc
【0026】このようにして調製した分散液(I) 240
0gを成形型の内部に加圧注入して粗成形体A1 を成形
し(嵩4335cc)、この粗成形体A1 を170℃
で、3トン/m2 で8分間、加熱加圧成形して圧縮成形
体A2 とし(嵩2170cc)、更に、この圧縮成形体
2 を80℃の養生室内で除湿して、含水率15%に調
整することにより木質成形体A3 を製造した。このよう
にして得られた木質成形体A3 の厚さは約5mmで、そ
の比重は1.10であった。この木質成形体A3 の表面
に、実施例1記載の分散液(IV)をコートした後、着色ガ
ラス繊維質ペーパーA5 と150℃にて熱圧着により貼
り合わせて、壁面材用の不燃性木質積層材を得た。
【0027】実施例4(比重が0.80である木質成形
体A3 を基材とする不燃性木質積層材の製造方法) 下記の組成からなる分散液(I) を調製して、木質成形体
3 を製造する以外は実施例1と同様にして、不燃性木
質積層材を製造した。 分散液(I) の組成 重 量 嵩 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− シリカ粉末 600g 3000cc カオリン 100g 40cc 珪砂 100g 40cc 酸化チタン 20g 5cc ガラスヤーン(繊維長13mm) 200g 80cc 水分散性ポリエステル ウレタン樹脂溶液(固形分40%) 500g 500cc シランカップリング剤 10g 10cc 色素 0.01g 増粘剤(アニオン系アクリル樹脂) 20g 40cc 水 500g 500cc
【0028】このようにして調製した分散液(I) 203
0gを成形型の内部に加圧注入して粗成形体A1 を成形
し(嵩4170cc)、この粗成形体A1 を170℃
で、3トン/m2 で8分間、加熱加圧成形して圧縮成形
体A2 とし(嵩2500cc)、更に、この圧縮成形体
2 を80℃の養生室内で除湿して、含水率15%に調
整することにより木質成形体A3 を製造した。このよう
にして得られた木質成形体A3 の厚さは約5mmで、そ
の比重は0.80であった。この木質成形体A3 の表面
に、実施例1記載の分散液(IV)をコートした後、着色ガ
ラス繊維質ペーパーA5 と150℃にて熱圧着により貼
り合わせて、壁面材用の不燃性木質積層材を得た。
【0029】実施例5(フッ素系樹脂層が形成された不
燃性木質積層材の製造方法) 前記実施例1における着色ガラス繊維質ペーパーA5
表面に、更に、表面コート材としてフッ素系樹脂(商品
名:ニューガーメット2300)を塗布し、140℃で
20分間低温焼き付けを行い、フッ素系樹脂層を形成さ
せた後、ペーパーを、実施例1〜4記載の木質成形体と
それぞれ熱圧着により貼り合わせて不燃性木質積層材を
得た。このようにして製造された積層材は、いずれも天
然木材と同様の比重を有するものであって不燃性を有し
ており、工作性が良く、天井材、壁面材や床材として非
常に適したものであった。
【0030】
【発明の効果】本発明の製造方法を用いて得られる不燃
性木質積層材は優れた不燃性及び耐火性を示し、この積
層材を内装材として使用することにより、内装空間を不
燃性のものとすることができ、内装面が発火しない安全
な環境を創造することが可能となる。この場合におい
て、積層材中の樹脂固形分重量比率は5〜8%程度であ
るので、不燃物性認定試験(昭和45年建設省告示第1828
号)にも適合するものである。本発明により得られる不
燃性内装材は、不燃性の他に、断熱性、経時安定性、耐
水性、耐腐食性、防虫性、工作性、耐光性、衛生性の点
で非常に優れており、天然木材の持つ欠点の全てが解決
でき、特に分散液(I) の組成を適宜選択し、かつ圧縮比
率を調節することにより、強度、硬度、密度、靭性、色
相等の物性について、目標とする木材の物性と等しくな
るようにすることができ、内装材に求められる各種の耐
性の全てを有する材質にすることができる。更に、表面
に設けられる表面着色層を天然木材と同様の色相とする
ことで、優れた意匠性と質感を有する積層材が製造でき
る。尚、この不燃性内装材は、廃棄時において加熱粉砕
することで、これを原料としてリサイクルすることも可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られる不燃性木質積層材の断面
拡大図である。
【符号の説明】
3 木質成形体 A4 ガラス繊維質ペーパー A5 着色ガラス繊維質ペーパー a 表面着色層 b フッ素樹脂層 c 接着層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工程A:有機溶剤及び乳化剤を含まな
    い、水分散性ポリエステルウレタン樹脂溶液に、シリカ
    粉末、珪酸カルシウム粉末、カオリン粉末、マイカ粉
    末、珪砂、及び酸化チタン粉末からなる群より選ばれた
    少なくとも2種の充填材、ガラスヤーンチョップストラ
    ンド、増粘剤、シランカップリング剤、及び色素を添加
    して均一に混合することにより分散液(I) を調製し、前
    記分散液(I)を成形型の内部に加圧注入して粗成形体A
    1 を成形した後、前記粗成形体A1 を加熱加圧成形して
    圧縮成形体A2 とし、前記圧縮成形体A2 の含水率を5
    〜20%に調整することにより木質成形体A3 を製造す
    る工程、 工程B:前記水分散性ポリエステルウレタン樹脂溶液
    に、前記の少なくとも1種の充填材、増粘剤、シランカ
    ップリング剤、及び色素を添加して均一に混合すること
    により調製した分散液(II)を、ガラスファイバーマット
    の表面に塗布してガラス繊維質ペーパーA4 を製造し、
    その後、前記水分散性ポリエステルウレタン樹脂溶液
    に、前記の少なくとも1種の充填材、増粘剤、シランカ
    ップリング剤、及び色素を添加して均一に混合すること
    により分散液(III) を調製し、前記分散液(III) を前記
    ガラス繊維質ペーパーA4 の表面に塗布して表面着色層
    を形成させることにより、着色ガラス繊維質ペーパーA
    5 を製造する工程、及び 工程C:前記水分散性ポリエステルウレタン樹脂溶液
    に、前記の少なくとも2種の充填材、増粘剤、シランカ
    ップリング剤、及び色素を添加して均一に混合すること
    により分散液(IV)を調製し、前記分散液(IV)を介して、
    前記工程Aで得られた木質成形体A3 の表面に、前記工
    程Bで得られた着色ガラス繊維質ペーパーA5 を熱圧着
    により貼り合わせる工程 を含むことを特徴とする、不燃性木質積層材の製造方
    法。
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