JPH08111018A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH08111018A
JPH08111018A JP27280994A JP27280994A JPH08111018A JP H08111018 A JPH08111018 A JP H08111018A JP 27280994 A JP27280994 A JP 27280994A JP 27280994 A JP27280994 A JP 27280994A JP H08111018 A JPH08111018 A JP H08111018A
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JP
Japan
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layer
magnetic
silicon oxide
thin film
recording medium
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JP27280994A
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Hideo Daimon
英夫 大門
Minoru Ichijo
稔 一條
Shigeo Aoyama
青山  茂夫
Tetsuo Mizumura
哲夫 水村
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Maxell Holdings Ltd
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械的耐久性に優れた薄膜型磁気記録媒体を
提供する。 【構成】 基体上に薄膜型の磁性層,シリコン酸化物保
護層を順次成膜し、前記シリコン酸化物保護層上に式
(I)で示されるリン酸エステル又は式(II)で示され
る亜リン酸エステル O=P(OH)3-x{(OC24 ) n ( OR)}x
(I) O=PH(OH)(OR)
(II) (但し、xは1又は2の整数、nは0以上の整数、Rは
炭素数10〜22の飽和または不飽和炭化水素基であ
る。)から選ばれる少なくとも一種類のエステルから成
る潤滑層を設けることにより薄膜型磁気記録媒体の耐久
性を大きく向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体に関する。
更に詳細には、本発明は薄膜型磁気記録媒体の耐久性改
善に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録の分野においては、ガン
マ酸化鉄などの磁性粉を有機バインダ中に分散させたも
のを基体上に塗布して磁気記録媒体を形成していた。し
かし最近では高密度記録への要求が高まると共に真空蒸
着法あるいはスパッタリング法などにより形成した磁性
薄膜を記録層に用いた薄膜型磁気記録媒体の研究開発が
盛んに進められている。
【0003】現在、主に研究開発が進められているのは
材料としては、Co単体,Co−Ni,Co−Ni−C
r,Co−Pt,Co−Cr,Co−Cr−Pt等のC
o主体金属あるいは酸素を膜中に含有させたCo主成分
の磁性薄膜がその代表例として挙げられる。
【0004】これらの薄膜型磁気記録媒体は従来の塗布
型磁気記録媒体に比べ、優れた高密度記録特性を示すこ
とが数多くの研究により実証されている。しかし、この
薄膜型磁気記録媒体は一部実用化されているものの、そ
の普及レベルは未だ低い。この最も大きな原因は信頼
性,特に磁気ヘッドの摺動に対する摩擦摩耗特性が充分
な実用化レベルに至っていないためである。
【0005】この問題に対し、これまでは磁性層表面に
直接脂肪族潤滑膜やフッ素系潤滑膜を設ける試みがなさ
れてきた。しかし、脂肪族潤滑膜やフッ素系潤滑膜は磁
性層との結合力が弱いために磁気ヘッドの走行により剥
離されやすく、これらの方法では従来の塗布型記録媒体
に匹敵する摩擦摩耗特性を得ることはできなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
が有する摩擦摩耗特性に関する信頼性の不足という問題
を解決し、以て機械的耐久性に優れた薄膜型磁気記録媒
体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明では、非磁性基体上に薄膜型磁性層,シリコン
酸化物保護層を順次成膜し、前記シリコン酸化物保護層
上に、下記の式(I)で示されるリン酸エステル及び下
記の式(II)で示される亜リン酸エステルからなる群
から選択される少なくとも一種類のエステルから成る潤
滑層を設けた薄膜型磁気記録媒体を提供する。 O=P(OH)3-x{(OC24 ) n ( OR)}x (I) O=PH(OH)(OR) (II) (但し、xは1又は2の整数、nは0以上の整数、Rは
炭素数10〜22の飽和または不飽和炭化水素基であ
る。)
【0008】
【作用】現在、主に研究開発が進められているCo主体
金属、あるいは酸素を膜中に含有させたCo主成分の磁
性薄膜表面にはCoの酸化物層が存在している。この酸
化物層は常温で水を化学吸着して表面に水酸基を生成す
る。この水の化学吸着(水酸基の生成)はCo酸化物表
面の第1層で停止するものではなく、酸化物の内部にま
で進行する。その結果、薄膜媒体表層はCoの水酸化物
で覆われる。Coの水酸化物Co(OH)2 はCdI2
型の結晶構造を有し、OH- / Co2+/ OH- / OH-
/ Co2+/ OH- ・ ・・の層状構造を有している。この
層状構造はOH−層間の水素結合によって保たれている
が、この水素結合は弱く、Co(OH)2 はそのOH-
層間でたやすく壁開する。従って、Co水酸化物が表層
に存在する薄膜媒体上に直接潤滑層を設ける従来の方法
では、下層のCo(OH)2がたやすくOH- 層間で壁
開するために、薄膜型媒体の耐久性を飛躍的に高めるこ
とは困難である。
【0009】従って、本発明では表面の水酸基化(水の
化学吸着)が表面第一層で停止する性質を持った保護層
を薄膜型磁性層上に設ける。この性質を有する材料はシ
リコン酸化物SiOx である。シリコン酸化物SiOx
はアモルファスで緻密な膜を形成する。更にシリコン酸
化物はバルク中の結合エネルギが大きく(共有結合とイ
オン結合により結合している)、バルク中で容易に壁開
することはなく、薄膜表面の機械的強度を高めることが
できる。しかし、シリコン酸化物保護膜自体は自己潤滑
作用に乏しいため、シリコン酸化物保護膜表面に特異的
に吸着し、摩擦摩耗特性を高める潤滑剤が必要である。
【0010】本発明者らはシリコン酸化物保護膜表面に
特異的に吸着する潤滑剤を鋭意検討した結果、下記の式
(I)で示されるリン酸エステル又は下記の式(II)
で示される亜リン酸エステルが特異的にシリコン酸化物
保護膜表面に吸着し、薄膜型磁気記録媒体の耐久性を高
めることを見いだした。 O=P(OH)3-x{(OC24 ) n ( OR)}x (I) O=PH(OH)(OR) (II) (但し、xは1又は2の整数、nは0以上の整数、Rは
炭素数10〜22の飽和または不飽和炭化水素基であ
る。)
【0011】この原因は未だ明確ではないが、これらの
リン酸エステルあるいは亜リン酸エステルのOH基は強
酸性であり、一方、シリコン酸化物保護膜表面に存在す
るシラノール基(Si−OH)のOH基は弱アルカリ性
であるため、これらのOH基間で強い相互作用が生じ
る。その結果、エステルはシリコン酸化物保護層上に強
固に吸着するため、磁気ヘッドによる摺動に対して、シ
リコン酸化物保護層との直接接触を防止するものと考え
られる。
【0012】本発明によるリン酸エステルは式(I)に
於いて、x=1のリン酸モノエステル又はx=2のリン
酸ジエステルであり、また亜リン酸エステルは式(I
I)の亜リン酸モノエステルである。
【0013】これらのリン酸エステル,亜リン酸エステ
ルは単独で使用しても良いし、また混合して使用しても
良い。式(I)におけるnは0以上の整数が好ましい。
nが0の場合、リン酸エステルは非極性溶媒(例えば、
ヘキサン,ヘプタン,ベンゼンなど)に溶けやすく、n
が1以上になると、リン酸エステルは極性溶媒(例え
ば、アルコール,エーテル,ケトンなど)に溶けやすく
なる。従って、リン酸エステルを溶媒に溶解させ、シリ
コン酸化物保護層上に塗布する場合、nを変化させるこ
とにより使用可能な溶媒の種類を増やせる利点がある。
nの上限値は特に限定されないが、一般的に、6以下で
あることが好ましい。極性溶媒及び非極性溶媒自体は当
業者に周知である。
【0014】Rの飽和または不飽和炭化水素基の炭素数
は10〜22であることが好ましい。炭素数が10未満
の場合、潤滑剤として十分に作用せず、22を越えると
潤滑作用が飽和し、不経済である。本発明で使用できる
炭素数10〜22の飽和又は不飽和炭化水素基は例え
ば、ステアリル基,オレイル基,ヘキサデシル基,テト
ラデシル基,ドデシル基などである。
【0015】またRの炭化水素鎖の水素を全て、あるい
は部分的にフッ素で置換することもできる。フッ素化さ
れた炭化水素鎖は表面エネルギを下げ、耐久性,耐食性
を更に向上させることができる。このようなフッ素置換
炭化水素基は例えば、C81724 −,C1021
24 −,C122524 −,C142924 −,
163324 −,C1021CH2 −,C1837−な
どである。
【0016】上記のリン酸エステルあるいは亜リン酸エ
ステルはそのエステル価度異なっているがエステル価度
が低い程、すなわちジエステル,モノエステルの順でよ
り耐久性が向上する傾向を示す。これはエステル価度が
低下するに従い、分子占有面積が小さくなり、より密に
シリコン酸化物保護膜表面を覆うことが可能になるこ
と、またエステル価度の低下に従い、P原子に結合した
OH基数が増大するためにシリコン酸化物保護層表面に
存在するシラノール基のOH基との相互作用が増大し、
より強固に吸着することが可能になるためと考えられ
る。
【0017】本発明におけるリン酸エステルあるいは亜
リン酸エステル潤滑層の厚さは特に限定されないが単分
子膜以上であれば十分な耐久性を示す。
【0018】本発明におけるリン酸エステルあるいは亜
リン酸エステルをシリコン酸化物保護層上に設ける方法
は特に限定されず、浸漬法,ロールコート法,スプレー
コート法,物理蒸着法,その他公知のいずれの塗布方法
を用いても良い。必ずしも必須要件ではないが、60〜
100℃の加熱雰囲気中でリン酸エステルあるいは亜リ
ン酸エステル潤滑剤を塗布することが好ましい。シリコ
ン酸化物保護層表面に存在するシラノール基のOH基上
に吸着した物理吸着水をこの加熱により除去し、シラノ
ール基のOH基をフリーの状態にしてから、エステルの
OH基と反応させると一層強固な結合が得られる。
【0019】本発明におけるシリコン酸化物保護膜層の
厚さは50〜300Åの間が好ましい。50Å未満では
下層の薄膜型磁性層を完全に覆うことができす、300
Åを越えるとヘッドとのスペーシングが大きくなり充分
な記録再生が行えない。またシリコン酸化物の成膜方法
は、真空蒸着法,イオンプレーテイング法,スパッタ
法,プラズマCVD法等の気相法、あるいはゾルゲル法
等の湿式法いずれの方法を用いても良い。
【0020】本発明の磁気記録媒体における薄膜磁性層
を構成する強磁性金属は特に限定されない。一般的に、
Coを50at%よりも多く含むCo系磁性体であるこ
とが好ましい。このようなCo系磁性体は当業者に周知
であり、これ以上説明する必要はないであろう。また、
磁性層の蒸着方法も特に限定されない。真空蒸着、スパ
ッタリングなど常用のベーパデポジション法ならば原則
的に全て使用することができる。
【0021】本発明の磁気記録媒体としては、ポリエチ
レンテレフタレートフィルム、ポリエステルフィルム、
ポリイミドフィルム、アラミド、PENなどの合成樹脂
フィルムを非磁性基体とする磁気テープあるいはガラス
板、アルミ板、合成樹脂板などを非磁性基体とする磁気
ディスクや磁気ドラムなどの、磁気ヘッドと摺接する構
造の種々の形態を包含する。合成樹脂フィルムを非磁性
基体とする磁気テープが特に好ましい。
【0022】本発明の磁気記録媒体の概念的な構造を図
1に示す。図中、符号1は非磁性基体、符号2は薄膜磁
性層、符号3はシリコン酸化物保護層、符号4はエステ
ル潤滑層をそれぞれ示す。
【0023】また本発明で示される潤滑層上に公知の脂
肪族系,フッ素系の潤滑剤を設けることもできる。本発
明を磁気テープとして利用する場合には基体上に薄膜磁
性層が設けられた反対の面にバックコート層を設け走行
性を改善することができる。バックコート層内に本発明
で示される潤滑剤あるいは公知の脂肪族系,フッ素系潤
滑剤を含ませることもできる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明の磁気記録媒体に
ついて更に詳細に説明する。
【0025】実施例1 厚さ8μmのPETフイルム上に斜め蒸着法によりCo
−CoO磁性薄膜を0.15μm成膜し、引き続き同一
真空槽内でCo−CoO磁性薄膜上にシリコン酸化物保
護層を真空蒸着法により垂直入射で200Å成膜した。
この試料を下記の表1に示すリン酸エステルおよび亜リ
ン酸エステルの0.2wt%ヘキサン溶液に浸漬して潤
滑層を設けた。
【0026】比較例1 実施例1に於いて、シリコン酸化物保護層を設けなかっ
たこと以外は実施例1と同様に試料を作製した。
【0027】比較例2 実施例1に於いて、潤滑層が脂肪族潤滑であるステアリ
ン酸であること以外は実施例1と同様に試料を作製し
た。
【0028】比較例3 実施例1に於いて、潤滑層が脂肪族潤滑剤であるステア
リルアルコールであること以外は実施例1と同様に試料
を作製した。
【0029】比較例4 実施例1に於いて、潤滑層がフッ素系潤滑剤であるFomb
lin-Z-03(溶媒にはFC77を使用)であること以外は実施
例1と同様に試料を作製した。
【0030】比較例5 実施例1に於いて、潤滑層がO=P(OC613)3, P
(OC613)3及びO=P{(OC24 )2( OC6
13) }3 であること以外は実施例1と同様に試料を作製
した。
【0031】上記の各試料を8mmデッキを用い、スチ
ルモードにて画像が消失するまでの時間(スチル寿命)
を測定した。結果をまとめて下記の表1に示す。
【0032】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── スチル 試 料 潤 滑 層 形 成 材 料 寿命( 分) ──────────────────────────────────── 実施例1 O=P(OH)(OC1837)2 400 O=P(OH)2 ( OC1837) 510 O=P(OH)(OC24 )2( OC1837) }2 400 O=P(OH)2{(OC24 )2( OC1837) } 500 O=PH(OH)(OC1837) 550 比較例1 O=P(OH)(OC1837)2 20 O=P(OH)2 (OC1837) 40 O=P(OH){(OC24 )2( OC1837) }2 22 O=P(OH)2 { (OC24 )2( OC1837) } 40 O=PH(OH)(OC1837) 45 比較例2 C1735COOH 2 比較例3 C1837OH 1 比較例4 Fomblin-Z-03 3 比較例5 O=P(OC613)3 4 P(OC613) 3 3 O=P{(OC24 ) 2 ( OC613) }3
【0033】表1に示された結果から明らかな様に、C
o系薄膜磁性層上にシリコン酸化物保護層を成膜し、さ
らに本発明のリン酸エステルあるいは亜リン酸エステル
を潤滑層として設けた場合、これまでの脂肪族系潤滑剤
であるステアリン酸やステアリルアルコールあるいはフ
ッ素系潤滑剤であるFomblin-Z-03を潤滑層に設けた場合
に比べ、スチル寿命を大幅に高めることができる。Co
系薄膜磁性層上に直接本発明のリン酸エステルあるいは
亜リン酸エステルから成る潤滑層を設けるとスチル寿命
は向上するものの、シリコン酸化物保護層を設けた場合
に比べるとスチル寿命は短い。また、リン酸エステル、
亜リン酸エステル共にエステル価度が低い程、すなわち
トリエステル,ジエステル,モノエステルの順でスチル
寿命がより向上する傾向を示すことが理解できる。
【0034】実施例2 実施例1に於いて、シリコン酸化物保護層を真空蒸着法
により200Å成膜するまでは実施例1と同様に試料を
作製した。次に亜リン酸モノエステルであるO=PH
(OH)(OC1837) と、亜リン酸ジエステルである
O=PH(OC1837)2および亜リン酸トリエステルで
あるP(OC1837)3を混合してヘキサンに溶解し、こ
の溶液中に試料を浸漬して潤滑層を設けた。この際、亜
リン酸モノエステルと亜リン酸ジエステルおよび亜リン
酸トリエステルの混合比を変化させ、合計の濃度は0.
2wt%になる様に調整した。これらの試料についてス
チル寿命を測定した結果を表2に示す。
【0035】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── モノエステル : ジエステル : トリエステル スチル寿命(分) ──────────────────────────────────── 80 20 −− 520 20 80 −− 450 80 −− 20 510 20 −− 80 370 −− 80 20 410 20 80 340
【0036】表2に示された結果から明らかな様に、本
発明による亜リン酸エステルを混合して使用しても従来
の潤滑剤(比較例2〜4)に比べスチル寿命を大幅に高
めることが可能である。また混合して用いる際、エステ
ル価度の低い成分が多い程スチル寿命がより向上する傾
向があることが分かる。上記作用は本発明による他のリ
ン酸エステルあるいは亜リン酸エステルの混合系につい
ても同様である。
【0037】実施例3 厚さ4μmのPENフィルム上に斜め蒸着法によりCo
−CoO磁性薄膜を0.15μm成膜し、引き続きプラ
ズマCVD法によりCo−CoO磁性薄膜上にシリコン
酸化物保護層200Å成膜した。次に、実施例2の表2
で示される亜燐酸エステルを試料表面に浸漬塗布した。
これらの試料についてスチル寿命を測定した結果、実施
例2と同様の結果を得た。
【0038】実施例4 直径5.25インチのAl盤上に15μmのNi−Pメ
ッキ層を形成し、更にNi−P面を鏡面研磨したものを
基体し、この基体上にスパッタ法で0.3μmのCr下
地層、0.05μmのCo82Cr14Pt4 薄膜磁性層及
び0.02μmのシリコン酸化物保護膜層を順次成膜し
た。この試料を下記の表3に示すリン酸エステルおよび
亜リン酸エステルの0.2wt%ヘキサン溶液に浸漬し
て潤滑層を設けた。
【0039】比較例6 実施例4に於いて、潤滑層が脂肪族潤滑剤であるステア
リン酸であること以外は実施例4と同様に試料を作製し
た。
【0040】比較例7 実施例4に於いて、潤滑層が脂肪族潤滑剤であるステア
リルアルコールであること以外は実施例4と同様に試料
を作製した。
【0041】比較例8 実施例4に於いて、潤滑層がフッ素系潤滑剤であるFomb
lin-Z-03(溶媒にはFC77を使用)であること以外は実施
例4と同様に試料を作製した。
【0042】以上の5.25インチ面内記録用CoCr
Pt磁気ディスクの耐久性をCSS(Contact-Start-St
op )試験により評価し、その結果を下記の表3にまと
めて示す。
【0043】
【表3】 表3 ──────────────────────────────────── CSS強度 試 料 潤 滑 層 形 成 材 料 (kパス) ──────────────────────────────────── 実施例4 O=P(OH)2 ( OC1633) >50 O=P(OH)2 {(OC24 ) (OC1633) } >50 O=PH(OH)(OC1633) >50 O=PH(OH)(OC2245) >50 比較例6 C1735COOH 0.4 比較例7 C1837OH 0.3 比較例8 Fomblin-z-03 0.6
【0044】表3に示された結果から明らかな様に、C
o系磁性薄膜上にシリコン酸化物保護膜を成膜し、さら
に本発明で示されるリン酸エステルあるいは亜リン酸エ
ステルを潤滑層として設けた場合、これまでの脂肪族潤
滑剤であるステアリン酸やステアリルアルコールあるい
はフッ素系潤滑剤であるFomblin-Z-03を潤滑層に設けた
場合に比べて優れた耐久性を有するCo系薄膜磁気ディ
スクが得られる。
【0045】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、基
体上に薄膜型の磁性層,シリコン酸化物保護層を順次成
膜し、前記シリコン酸化物保護層上に式(I)で示され
るリン酸エステル又は式(II)で示される亜リン酸エス
テル O=P(OH)3-x{(OC24 ) n ( OR)}x (I) O=PH(OH)(OR) (II) (但し、xは1又は2の整数、nは0以上の整数、Rは
炭素数10〜22の飽和または不飽和炭化水素基であ
る。)から選ばれる少なくとも一種類のエステルから成
る潤滑層を設けることにより薄膜型磁気記録媒体の耐久
性を大きく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明による磁気記録媒体の一例の断面
図である。
【符号の説明】
1 基体、 2 薄膜磁性層、 3 シリコン酸化物保護層、 4 潤滑層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水村 哲夫 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基体上に直接あるいは下地層を介
    して薄膜型の磁性層,シリコン酸化物保護層を順次設け
    た磁気記録媒体において、 前記シリコン酸化物保護層上に、下記の式(I)で示さ
    れるリン酸エステル及び式(II)で示される亜リン酸
    エステルからなる群から選ばれる少なくとも一種類のエ
    ステルから成る潤滑層を設けたことを特徴とする磁気記
    録媒体。 O=P(OH)3-x{(OC24 ) n ( OR)}x (I) O=PH(OH)(OR) (II) (但し、xは1又は2の整数、nは0以上の整数、Rは
    炭素数10〜22の飽和または不飽和炭化水素基であ
    る。)
  2. 【請求項2】 磁性層はCo単体又はCoを50%より
    も多く含有する合金類若しくはCo酸化物含有Coから
    選択される材料により形成されている請求項1の磁気記
    録媒体。
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