JPH08110654A - トナー用有色粒子及びその製造方法 - Google Patents

トナー用有色粒子及びその製造方法

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JPH08110654A
JPH08110654A JP6246390A JP24639094A JPH08110654A JP H08110654 A JPH08110654 A JP H08110654A JP 6246390 A JP6246390 A JP 6246390A JP 24639094 A JP24639094 A JP 24639094A JP H08110654 A JPH08110654 A JP H08110654A
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resin
colored
particles
coloring
toner
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JP6246390A
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Yasuhiro Hattori
康弘 服部
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Brother Industries Ltd
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小粒径で粒度分布が狭く、かつ十分な量の着
色剤が含有され、その結果、高精細で濃度も充分高い画
像を形成することが可能なトナー用有色粒子及びその製
造方法を提供すること。 【構成】 トナー用有色粒子1は、樹脂核3の周囲に樹
脂層5を形成した微小な樹脂の粒子であり、樹脂核3お
よび樹脂層5の表面3a,5aが、それぞれ黒色の染料
及び顔料により着色されて、二重の着色層7が形成され
た構造になっている。この有色粒子1は、溶液重合法に
よって樹脂核3を得て、樹脂核3の表面3aを染料又は
顔料によって着色し、着色された樹脂核3の周囲に溶液
重合法によって樹脂層5を形成し、樹脂層5の表面を染
料又は顔料によって着色するという工程によって製造で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】電子写真方式、静電記録方式、ト
ナー直接記録方式などの方式を用いた画像形成装置にお
いてトナーとして用いられる有色粒子とその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、乾式トナーを用いる画像形成方法
として、カールソンプロセスとして知られ感光体上の静
電潜像をトナーで現像する電子写真方式、電界によって
トナーを直接紙に飛翔させる直接記録方式などがあり、
これらは特に高速記録が可能で、かつ普通紙に記録でき
るのでプリンター、ファクシミリ、複写機などに広く応
用されている。これらの方式で用いられる乾式トナー
は、原料樹脂と顔料などの着色剤とを溶融混練させた
後、着色剤が分散された樹脂を微粉砕し、さらに分級工
程を経て目的とする粒径のトナーを得るという、いわゆ
る粉砕方式で製造されていた。
【0003】しかし、近年、画像記録がより高精細に向
かい、トナーに対して、粒径が小さく、かつ粒径分布が
狭いことが特に要求されるようになっている。この要求
に答えるためには、粉砕方式では粉砕と分級とを繰り返
して行う必要があるため高コストになっていた。
【0004】そこで、粉砕方式に代わって、重合粒子に
よるトナーが検討されている。重合粒子の製造方法とし
ては、特公昭47−51830号、特公昭51−148
95号などに開示されている懸濁重合法がある。これ
は、重合性のモノマーと重合開始剤と着色剤である顔料
を成分とする重合性組成物を、水性分散剤が含まれる水
中に懸濁させ、水温を上げて水中で重合性組成物を重合
させて粒子を製造し、その後乾燥させてトナーを得るの
である。この製造方法は比較的簡単に、着色剤を含有す
る重合粒子が得られるという利点はあるが、重合性組成
物に含まれる着色剤が重合反応を阻害し易いために粒径
の均一化が難しく、やはり、小粒径で粒径分布の狭い重
合粒子は得られなかった。
【0005】これに対し、溶液重合法あるいは溶液分散
法とよばれる重合粒子の製造方法も知られている。これ
は重合性のモノマーを溶解して、かつ前記モノマーの重
合物は溶解しないような有機溶媒を選択し、この有機溶
媒に前記重合性のモノマーと重合開始剤を溶解させ、溶
媒中の重合反応によって重合粒子を析出させるのであ
る。この方法によれば、懸濁重合法よりも小粒径でかつ
粒径分布が狭い重合粒子が得られるという利点があっ
た。但し、溶液重合法によって製造された重合粒子は着
色剤を含有していないため、樹脂粒子を着色する必要が
あり、特開昭61−228458号公報、特開平4−2
43267号公報、特開平4−308858号公報など
に開示されているような方法によって、重合粒子を染料
によって染着していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記溶
液重合法によって得られた粒子に、前記着色処理を施し
ても、着色剤が粒子の表面にしか存在せず、単位粒子当
りの着色剤の含有量が少ないために、この重合粒子をト
ナーとして用いて画像形成を行った場合、従来の粉砕ト
ナーに比較して画像濃度が低いという問題が生じてい
た。
【0007】つまり、従来技術では、粉砕トナーよりも
はるかに粒径が均一で、しかも十分に濃度の高い画像を
形成できる重合トナーは、未だ得られていなかった。本
発明は、上述した問題点を解決するためになされたもの
であり、小粒径で粒度分布が狭く、かつ十分な量の着色
剤が含有され、その結果、高精細で濃度も十分に高い画
像を形成することが可能なトナー用有色粒子と、その製
造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めになされた本発明のトナー用有色粒子は、請求項1記
載の通り、樹脂核の周囲に樹脂層を1層以上形成した微
小な樹脂粒子からなり、前記樹脂核および前記1層以上
ある各樹脂層の表面が、それぞれ染料又は顔料により着
色されて、多重の着色層が形成されていることを特徴と
する。
【0009】また、本発明のトナー用有色粒子の製造方
法は、請求項2記載の通り、溶液重合法によって前記樹
脂核を得る一次重合工程と、該一次重合工程にて得られ
た前記樹脂核の表面を、染料又は顔料によって着色する
一次着色工程と、該一次着色工程にて着色された前記樹
脂核の周囲に、溶液重合法によって前記樹脂層を形成す
る二次重合工程と、該二次重合工程にて形成された前記
樹脂層の表面を、染料又は顔料によって着色する二次着
色工程とからなり、前記二次重合工程および前記二次着
色工程を該順序で1度以上実施して、前記多重の着色層
を形成することを特徴とする。
【0010】ここで、溶液重合法とは、前述の通り、重
合性のモノマーを溶解して、かつ前記モノマーの重合物
は溶解しないような有機溶媒を選択し、この有機溶媒に
前記重合性のモノマーと重合開始剤を溶解させ、溶媒中
の重合反応によって重合粒子を析出させる方法である。
【0011】
【作用】上記構成を有する本発明のトナー用有色粒子に
よれば、樹脂核及び樹脂層の各表面を着色した構造とし
てあるので、樹脂核あるいは樹脂層を形成してからその
表面を着色するという工程を繰り返すことによって製造
できる。したがって、樹脂核や樹脂層を形成する際に、
着色剤としての顔料や染料を同時に混入しておく必要が
なく、樹脂核や樹脂層を形成する工程において、着色剤
が樹脂の重合を阻害することがなく、粒径の均一化を図
りやすい。また、多重の着色層を有するので、着色剤が
十分に含有されており、トナーとして用いた際には、十
分に濃度の高い画像が形成される。
【0012】また、本発明のトナー用有色粒子の製造方
法によれば、一次重合工程において溶液重合法により樹
脂核を作製するので、他の重合方法によって作製される
粒子よりも、小粒径でかつ粒径分布が狭い、つまり粒径
が揃った樹脂核を簡単に得られる。そして、一次着色工
程において樹脂核の表面が染料又は顔料によって着色さ
れ、二次重合工程においては樹脂核の表面に新たに樹脂
層が析出する。したがって、樹脂粒子の内部にも染料又
は顔料が取り込まれる。更に、二次着色工程において前
記樹脂粒子の表面も染料又は顔料で着色され、二次重合
工程および二次着色工程を1度以上実施して多重の着色
層が形成される。この結果、表面のみならず内部も着色
された有色粒子が得られる。
【0013】なお、この様にして得られた有色粒子は、
乾燥され、必要に応じて、荷電制御剤の添加により帯電
性が付与され、また、アルミナ,シリカ等が加えられて
流動性が付与されて、トナーとして利用可能になる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。実
施例としてのトナー用有色粒子1は、図1に示す通り、
樹脂核3の周囲に樹脂層5を形成した微小な樹脂の粒子
であり、樹脂核3および樹脂層5の表面3a,5aが、
それぞれ黒色の染料及び顔料により着色されて、二重の
着色層7が形成された構造になっている。
【0015】この様な有色粒子1は、溶液重合法によっ
て樹脂核3を得て(一次重合工程)、樹脂核3の表面3
aを染料又は顔料によって着色し(一次着色工程)、着
色された樹脂核3の周囲に溶液重合法によって樹脂層5
を形成し(二次重合工程)、樹脂層5の表面を染料又は
顔料によって着色する(二次着色工程)という4つの工
程によって製造できる。
【0016】以下、各工程について詳細に説明する。ま
ず、一次重合工程について説明する。一次重合工程は、
前述のように溶液重合法によって行われる。すなわち、
重合性モノマーは溶解するが、そのモノマーが重合して
得られた樹脂は溶解しないような重合溶液を選択し、そ
の溶液中に前記モノマーと重合開始剤と分散安定剤を混
合し、加熱することにより重合反応を生じさせ、重合体
である樹脂を析出させる。さらに最終的に得られるトナ
ーの熱特性、具体的にはガラス転移温度、あるいは軟化
温度を調整するために、必要に応じて架橋剤が用いられ
る。
【0017】ここで、重合性モノマーとしては、アクリ
ロニトリル、メタクリルニトリル、アクリルアミドなど
のアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体、メチルアク
リレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、iso−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシル
アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒ
ドロフルリルアクリレートなどのアクリル酸エステル
類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n
−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメ
タクリレート、ラウリルメタクリレートなどのメタクリ
ル酸エステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニル
エーテル、n−プロピルビニルエーテル、iso−ブチ
ルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテルなどのビ
ニルエーテル類、スチレン、α−メチルスチレン、3,
4−ジクロルスチレンなどのスチレン類、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、臭化ビニル、弗化ビニルなどのハロゲ
ン化ビニル類などの単独または相互の混合物からなる。
【0018】前記重合溶液は上記モノマーは溶解する
が、モノマーが重合した重合体は溶解しないものであ
り、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−
ブタノールなどの低級アルコール、あるいはこれら低級
アルコールと水との混合溶剤、あるいはn−ヘキサン、
n−ヘプタンなどの無極性溶剤などの中から、析出させ
るべき粒子の粒径によって前記各種溶剤を混合して調整
される。
【0019】前記重合性モノマーは、前記溶剤に対して
重量比で10〜60%が必要である。重合性モノマーの
重量比が10%より小さくなると、重合速度が遅くなる
だけで特に利点が無い。また、重合性モノマーの重量比
が60%より大きくなると、得られる重合粒子の粒径の
ばらつきが大きくなる傾向がある。
【0020】分散安定剤は、前記溶剤から重合反応によ
って析出した樹脂の粒子の粒子間の凝集を防止するため
に用いられるもので、上記溶剤に溶解する重合体、例え
ばポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリ
ルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルキル
エーテル等が用いられる。
【0021】重合開始剤としては、2,2’−アゾビス
イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジ
メチルバレロニトリル)などのアゾ化合物、ラウリルパ
ーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどの過酸化
物がある。この開始剤は、前記重合性モノマーに対し
て、重量比で1〜10%含まれる。
【0022】前記架橋剤としては、ジビニルベンゼン、
ジビニルナフタレンなどの芳香族ジビニル化合物、エチ
レングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコー
ルメタクリレート、トリエチレングリコールメタクリレ
ート、テトラエチレングリコールジメタクリレートなど
のジエチレン性カルボン酸エステル、N,N−ジビニル
アニリン、ジビニルエーテルなどのジビニル化合物が用
いられる。
【0023】重合反応は前記溶剤中に重合性モノマー、
重合開始剤、分散剤を溶解混合して、窒素、アルゴンな
どの不活性ガス雰囲気のもとで、攪拌しつつ40〜80
℃に加熱し、10〜20時間保持される。その後、溶液
を常温まで冷却すると反応が停止される。次に、重合粒
子を含む溶液を、濾過し、さらに重合反応で用いたもの
と同様の溶剤による洗浄と濾過を数回繰り返して、未反
応のモノマーを除去する。以上の結果、粒径が小さく粒
径分布の狭い樹脂核を得ることができる。
【0024】次に、一次着色工程について説明する。一
次着色工程においては、先ず着色液を作製する。着色液
は溶剤に染料又は顔料が溶解あるいは分散された液であ
る。ここで用いられる溶剤は、重合粒子の作製に用いる
溶剤とおなじく、メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、n−ブタノールなどの低級アルコール、あるい
はこれら低級アルコールと水との混合溶剤、あるいはn
−ヘキサン、n−ヘプタンなどの無極性溶剤などが使用
できる。ただし前記重合粒子を溶解しないもの、あるい
は若干膨潤させるものが望ましく、具体的には溶解性パ
ラメータ(SP値)が樹脂粒子のSP値と2.0以上異
なるように、上記の各種溶剤を混合調整する。このよう
にして調整された溶剤に、染料又は顔料を溶解あるいは
分散させる。溶剤に対する染料又は顔料の量は、必要と
する着色度、および染料又は顔料の溶剤に対する溶解度
(分散度)によって異なるが、通常は重合粒子に対して
重量比で2〜10%である。なお、染料又は顔料の種類
については特に制限はないが、後述する二次重合工程に
おいて樹脂層の全方向への均等な析出を阻害しないため
には、微細な分子構造であるほどよく、その点において
通常は顔料よりも染料が望ましい。
【0025】着色液を作製したら、一次重合工程にて得
られた樹脂核を加え、液温を樹脂核のガラス転移温度よ
りも5〜20℃低い温度に保ち、1〜2時間程度加熱し
つつ攪拌する。この時、液温がガラス転移点よりも高い
場合には、樹脂核が軟化して互いに融着し凝集体となる
恐れがある。また、液温が低すぎる場合には樹脂核が十
分に着色されない場合がある。また、着色液に超音波発
振機などによって微小振動を加えると着色の効率が向上
する。しかし、振動によって着色液の温度あるいは樹脂
核の表面温度が上昇して樹脂核同士が融着する恐れがあ
るので注意を要する。以上のようにして、着色された樹
脂核が得られる。
【0026】次に、二次重合工程について説明する。二
次重合工程では、重合性モノマーは溶解するが、上記樹
脂核は溶解しないような重合溶液を選択し、上記樹脂核
を混合すると共に、一次重合工程と同様に、重合開始
剤,分散安定剤,架橋剤等を混合し、溶液を攪拌しつつ
加温して2〜10時間重合させ、樹脂層を樹脂核の表面
に析出させる。そして、前記一次重合工程と同様に、濾
過と洗浄が数回繰り返され、残留しているモノマーが除
去される。
【0027】ここで、重合性モノマー,重合開始剤,分
散安定剤,架橋剤等は、前記一次重合工程において挙げ
られているものの中から選択される。これら重合性モノ
マー等は、一次重合工程と全く同一のものである必要は
ないが、同一にしておけば最も簡便である。一方、重合
性モノマーの種類や架橋剤の割合等をあえて変えること
により、樹脂核と樹脂層に異なる物性を与えることもで
きる。具体的な例としては、一次重合工程と二次重合工
程とで架橋剤の量を調整して、機械的及び熱的強度の低
い柔らかい樹脂核と、機械的及び熱的強度の高い硬い樹
脂層とを形成した場合、常時は、外側の樹脂層が樹脂核
の強度不足を補って樹脂粒子の形状が安定に保たれ、ト
ナーを熱定着させる際には、外側の樹脂層が崩れる程度
の熱エネルギーで、樹脂粒子全体を用紙に融着させるこ
とができるので、トナーの定着にかかる熱エネルギーを
従来よりも抑制できるという利点がある。
【0028】次に、二次着色工程について説明する。こ
の工程では、一次着色工程と同様に着色液を作製し、二
次重合工程にて得られた樹脂粒子を加え、一次着色工程
と同様にして樹脂層の表面が着色される。この工程によ
って、樹脂核と樹脂層のそれぞれの表面が着色され、二
重の着色層と有する樹脂粒子が形成される。
【0029】なお、以降は、二次重合工程と二次着色工
程を所望の回数繰り返すことによって、多重の着色層を
形成することができる。本有色粒子をトナーとして使用
する際には、最終的には、通常、粒径が3μ〜20μ程
度となるように調製される。1度以上繰り返される二次
着色工程の内、最終の二次着色工程以外は、一次着色工
程同様、着色剤に樹脂層の形成を阻害させないため、着
色剤が微細な分子構造であるほどよく、通常は顔料より
も染料が望ましい。一方、最終の二次着色工程では、そ
れ以上樹脂層を形成しないので、どの様な着色剤でも良
く、特に、別の方法によって着色を行ってもよい。別の
方法としては、例えば、二次重合工程を経た樹脂粒子の
表面に顔料を付着させ、機械的、あるいは熱的エネルギ
ーによって、前記顔料を付着させる方法等をとることが
できる。
【0030】次に、上記有色粒子の製造方法について、
より具体的な例を示しながら説明する。 [具体例] 1.一次重合工程 攪拌翼の軸とガス導入管を取り付けた容量1リットルの
フラスコに、試薬1級メタノール500gを入れ、ポリ
ビニルピロリドン15gを攪拌しながら加え、メタノー
ルに完全に溶解させた。次に、スチレン150gとn−
ブチルアクリレート20gと2−2’−アゾビスイソブ
チロニトリル(AIBN)3gを添加して、攪拌したと
ころ完全に溶解して透明な溶液となった。
【0031】次に、フラスコ内を流量が毎分20mlの
Arガスによってパージし1時間放置した。その後、恒
温水槽中にフラスコを沈積し、フラスコ内の液温が60
℃になるようにして、80rpmで攪拌しながら重合を
開始した。重合開始後、2時間後にはフラスコ内が白濁
し始めた。フラスコ内の液体を約2ccサンプリングし
て、粒度分布測定機(コールター社製、製品名:コール
ターカウンタ)によって測定したところ、反応開始後1
0時間において樹脂粒子が5.8μmまで成長したが、
それ以降は成長の飽和現象が認められた。そこでさらに
1時間後に、反応を停止させるために恒温水槽に氷を加
えて、フラスコ内の液温が28℃になるまで放置した。
【0032】フラスコ内の樹脂粒子分散液を、1μmの
フイルターを用いて濾過し、さらに約300gのメタノ
ールを加えて攪拌し、再び濾過してスラリー状の樹脂粒
子を得た。このスラリー状の樹脂粒子を、濾紙に流し込
み常温で1日放置して、スチレン・ブチルアクリレート
共重合体の樹脂粒子を得た。乾燥後の重量を測定したと
ころ125gであった。 2.一次着色工程 容量1リットルのビーカに、メタノール500gと染料
であるオイルブラック803(オリエント化学製)を5
g加えて、50℃に加熱して染料を溶解させ、1μmの
フィルターで未溶解の染料を除去して、染着液を作製し
た。
【0033】先に作製した樹脂粒子の一部である50g
を加えて、40℃で攪拌して、2時間保持した。その
後、室温まで冷却し、濾過した後、50℃で1日乾燥さ
せてから、回転刃方式のミキサーによって凝集体を解砕
したところ、着色された樹脂粒子が得られた。 3.二次重合工程 再び、水浴内に容量1リットルのフラスコに、メタノー
ル500gとポリビニルピロリドン30gと、さらにス
チレン100gとn−ブチルアクリレート100gと2
−2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)5g
を添加して、攪拌したところ完全に溶解して透明な溶液
となった。
【0034】前記着色された樹脂粒子100gを加え、
攪拌しつつ水浴の温度を上昇させ60±1℃に制御し
た。このときフラスコ内は黒色に着色されている樹脂粒
子のために薄い黒色であったが、反応開始3時間後頃か
ら徐々に灰色に変化した。反応開始6時間後にフラスコ
内の樹脂粒子をサンプリングして前記粒度分布測定機で
粒度分布を測定したところ、約1.8μmと7.2μm
のふたつのピークが現われた。前者は溶液から新たに析
出した樹脂粒子と考えられるが、後者は着色されている
樹脂粒子が成長した物と思われる。ここで、水浴の加温
を停止し常温まで冷却した。その後、フラスコ内の分散
液を、メタノールによって洗浄して残留しているモノマ
ー、開始剤などを除去した。さらに遠心分離器にかけた
ところ灰色に着色されている部分と白濁した液体部分に
分離した。この白濁した液体部分を除去して、新たに蒸
留水で希釈したメタノールを加えて前記粒度分布測定機
で粒度分布を測定したところ7.8μmを頂点とする1
本のピークが得られた。この分散液を1μmのフイルタ
ーによって濾過して、2日間自然乾燥させて約240g
の樹脂粒子を得た。 4.二次着色工程 このように乾燥された樹脂粒子を50gとダイピロキサ
イドカーボンブラック#9550(大日精化工業製)3
gをハイブリダイザー(奈良機械製作所製)にて、回転
数7000rpmで5分間処理したところ、樹脂粒子の
表面にカーボンブラックが付着し、樹脂粒子の黒色度が
高くなっていることが確かめられた。 5.比較用有色粒子の作製 次に、比較例としての有色粒子を作製した。
【0035】すなわち、前記一次重合工程において、ポ
リビニルピロリドンを10gに減量して、スチレンを2
00g、n−ブチルアクリレートを40g2−2’−ア
ゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を6gにそれぞ
れ増量した以外は、具体例と同様に重合反応を行い、反
応開始15時間後には平均粒子径7.2μmの樹脂粒子
を得た。そして、この樹脂粒子を上記具体例の一次着色
工程と同一の方法によって染着した後、乾燥、粉砕して
比較用有色粒子とした。
【0036】この比較用有色粒子と本発明の具体例とし
ての有色粒子とを、それぞれ、ふるいによってコピー用
紙の上に1平方センチメートル当たり2mgの割合で散
布し、雰囲気温度150℃に保持された乾燥炉の中に2
分間放置して、コピー用紙に熱定着させた。その後、マ
クベス反射濃度計によって、両者の黒部分の光学濃度
(OD)を測定したところ、比較用有色粒子ではOD=
0.6であったが、本発明の具体例としての有色粒子で
はOD=1.2を示した。
【0037】以上、具体例を交えながら説明した通り、
本実施例のトナー用有色粒子によれば、多重の着色層に
顔料あるいは染料を十分に含有してるので、高濃度の画
像を形成可能なトナーが得られる。しかも、樹脂核や樹
脂層を形成する際、着色用の顔料や染料を同時に混入し
なくてもよいので、小さくて均一な粒径の有色粒子にで
き、その結果、高精細な画像を形成可能なトナーが得ら
れる。
【0038】また、本実施例のトナー用有色粒子の製造
方法によれば、上記の如き小粒径で粒径が均一な有色粒
子を、簡単に製造することができる。以上本発明の実施
例を説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の
要旨を逸脱しない範囲内の種々なる態様を採用すること
ができる。
【0039】例えば、具体例としては二重の着色層を有
する有色粒子を作製したが、二次重合工程と二次着色工
程との繰り返しによって、更に多重の着色層にもでき
る。着色層を増やすほど着色剤の含有量も増大し、画像
形成時には高濃度になると期待できるが、その分、製造
にかかる手間も増大するので、どの程度着色層を形成す
るかについては、利用目的とコストとの兼ね合い等に応
じて適宜定めればよい。
【0040】また、具体例としては、一次着色工程と二
次着色工程とで着色方法を変えた例を示したが、両工程
で同じ着色方法を用いてもよい。但し、顔料を付着させ
る場合、顔料の粒径や付着量によっては樹脂層を均一に
形成しにくくなる恐れがあるので、少なくとも樹脂粒子
内部の着色層については、一次着色工程に示した着色方
法で形成する方がより望ましい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明のトナー用有色粒子によれば、小粒径で粒度分布を
狭くでき、しかも十分な量の着色剤を含有させることが
できるので、トナーとして用いた場合には、高精細で濃
度も十分に高い画像を形成することが可能である。
【0042】また、本発明のトナー用有色粒子の製造方
法によれば、粒子径が均一で着色剤を十分に含有する有
色粒子を、きわめて容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のトナー用有色粒子の断面を示す模式
図である。
【符号の説明】
1・・・トナー用有色粒子、3・・・樹脂核、5・・・
樹脂層。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂核の周囲に樹脂層を1層以上形成し
    た微小な樹脂粒子からなり、 前記樹脂核および前記1層以上ある各樹脂層の表面が、
    それぞれ染料又は顔料により着色されて、多重の着色層
    が形成されていることを特徴とするトナー用有色粒子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のトナー用有色粒子の製造
    方法であって、 溶液重合法によって前記樹脂核を得る一次重合工程と、 該一次重合工程にて得られた前記樹脂核の表面を、染料
    又は顔料によって着色する一次着色工程と、 該一次着色工程にて着色された前記樹脂核の周囲に、溶
    液重合法によって前記樹脂層を形成する二次重合工程
    と、 該二次重合工程にて形成された前記樹脂層の表面を、染
    料又は顔料によって着色する二次着色工程とからなり、 前記二次重合工程および前記二次着色工程を該順序で1
    度以上実施して、前記多重の着色層を形成することを特
    徴とするトナー用有色粒子の製造方法。
JP6246390A 1994-10-12 1994-10-12 トナー用有色粒子及びその製造方法 Pending JPH08110654A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7030176B2 (en) * 2000-10-02 2006-04-18 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Recording medium with nanoparticles and methods of making the same

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