JPH0810910A - 急冷金属薄帯の製造方法 - Google Patents
急冷金属薄帯の製造方法Info
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- JPH0810910A JPH0810910A JP14962394A JP14962394A JPH0810910A JP H0810910 A JPH0810910 A JP H0810910A JP 14962394 A JP14962394 A JP 14962394A JP 14962394 A JP14962394 A JP 14962394A JP H0810910 A JPH0810910 A JP H0810910A
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- Japan
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- roll
- molten metal
- paddle
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Abstract
(57)【要約】
【目的】射出された溶融金属の溜り部近傍を所定組成の
ガス雰囲気に保持することにより、表面性状の優れた急
冷凝固合金薄帯を製造する。 【構成】溶湯ノズル1から溶融金属が噴射され、冷却ロ
ール2との間に溶融パドル3を形成し、冷却ロール2か
らの抜熱により急冷凝固して薄帯4となる。この際、噴
射ノズル5によりパドル3に二酸化炭素を吹付けると共
に、噴射ノズル6により窒素を冷却ロール2の回転の上
流表面に吹付け、パドル3近傍を所定の酸素および二酸
化炭素ガス濃度雰囲気に保持する。なお、噴射ノズル6
の噴射角度は、0〜50°が望ましい。
ガス雰囲気に保持することにより、表面性状の優れた急
冷凝固合金薄帯を製造する。 【構成】溶湯ノズル1から溶融金属が噴射され、冷却ロ
ール2との間に溶融パドル3を形成し、冷却ロール2か
らの抜熱により急冷凝固して薄帯4となる。この際、噴
射ノズル5によりパドル3に二酸化炭素を吹付けると共
に、噴射ノズル6により窒素を冷却ロール2の回転の上
流表面に吹付け、パドル3近傍を所定の酸素および二酸
化炭素ガス濃度雰囲気に保持する。なお、噴射ノズル6
の噴射角度は、0〜50°が望ましい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は単ロール法によって製造
される急冷金属薄帯の製造方法に関し、特にその薄帯の
表面粗さを低減するための方法に関するものである。
される急冷金属薄帯の製造方法に関し、特にその薄帯の
表面粗さを低減するための方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、非晶質合金、結晶合金などの急冷
金属薄帯(以下薄帯という)を単ロール法によって製造
する技術が実用化されている。このような薄帯の製造技
術において、重要な要素技術の一つに表面粗さの低減が
ある。薄帯の表面粗さを大きくする原因の一つとして、
回転する冷却ロール(以下ロールという)上に射出され
た溶融金属の溜り部(以下パドルという)とロール表面
の間に、ロール表面に乗った空気が入り込んで溶融金属
表面に気泡欠陥を形成することが挙げられる。
金属薄帯(以下薄帯という)を単ロール法によって製造
する技術が実用化されている。このような薄帯の製造技
術において、重要な要素技術の一つに表面粗さの低減が
ある。薄帯の表面粗さを大きくする原因の一つとして、
回転する冷却ロール(以下ロールという)上に射出され
た溶融金属の溜り部(以下パドルという)とロール表面
の間に、ロール表面に乗った空気が入り込んで溶融金属
表面に気泡欠陥を形成することが挙げられる。
【0003】従来、この気泡欠陥を無くす方法として、
二酸化炭素を含有する雰囲気で鋳造する方法が報告され
ている。例えば、Materials Science
and Engineering誌 A133(19
91)の第657頁には、パドルの前後から二酸化炭素
を吹き付ける方法が示されている。また特開平4−35
6336号公報ではパドルを覆うチャンバー内に二酸化
炭素を主成分とするガスを吹き付ける方法が示されてい
る。
二酸化炭素を含有する雰囲気で鋳造する方法が報告され
ている。例えば、Materials Science
and Engineering誌 A133(19
91)の第657頁には、パドルの前後から二酸化炭素
を吹き付ける方法が示されている。また特開平4−35
6336号公報ではパドルを覆うチャンバー内に二酸化
炭素を主成分とするガスを吹き付ける方法が示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、パドルの前後
から二酸化炭素を吹き付ける方法を幅100mm以上の
薄帯を製造するための大型製造装置に採用した場合、パ
ドル部分を完全に二酸化炭素に置換するためには、極め
て大量の二酸化炭素が必要になる。この場合、二酸化炭
素の比重は大気よりも大きいため製造装置周辺の低所に
二酸化炭素が滞留して酸欠事故を引き起こすなどの危険
がある。また、二酸化炭素をボンベから供給する場合
は、液化している二酸化炭素を気化させるため、加温設
備が必要となり、コストがかかる。一方、パドルを覆う
チャンバーを用いることは、溶融金属を射出するノズル
とロールの間隙の計測が困難になり、また溶融金属を射
出するノズルに亀裂が生じる等のトラブルの発見が遅
れ、溶融金属の大量漏洩の危険がある等、製造装置の制
御・操業上望ましくない。
から二酸化炭素を吹き付ける方法を幅100mm以上の
薄帯を製造するための大型製造装置に採用した場合、パ
ドル部分を完全に二酸化炭素に置換するためには、極め
て大量の二酸化炭素が必要になる。この場合、二酸化炭
素の比重は大気よりも大きいため製造装置周辺の低所に
二酸化炭素が滞留して酸欠事故を引き起こすなどの危険
がある。また、二酸化炭素をボンベから供給する場合
は、液化している二酸化炭素を気化させるため、加温設
備が必要となり、コストがかかる。一方、パドルを覆う
チャンバーを用いることは、溶融金属を射出するノズル
とロールの間隙の計測が困難になり、また溶融金属を射
出するノズルに亀裂が生じる等のトラブルの発見が遅
れ、溶融金属の大量漏洩の危険がある等、製造装置の制
御・操業上望ましくない。
【0005】本発明は前記問題点を解決した、パドル部
分を覆うことなく、少量の二酸化炭素を効率よくパドル
部分に供給し、単ロール法により製造された急冷金属薄
帯の表面粗さを低減する技術を提供することを目的とす
る。
分を覆うことなく、少量の二酸化炭素を効率よくパドル
部分に供給し、単ロール法により製造された急冷金属薄
帯の表面粗さを低減する技術を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記問題点を解
決するために、パドル部分の雰囲気の二酸化炭素、酸
素、窒素濃度が急冷金属薄帯の表面粗さにいかに影響を
及ぼすかを実験・調査した知見に基づいてなされたもの
である。すなわち、本発明は、単ロール法により急冷金
属薄帯を製造するにあたり、冷却ロール上の溶融金属の
溜り部に該ロ−ル回転の上流側から二酸化炭素ガスを吹
付けると共に該上流側の該ロール表面に窒素ガスを吹付
け、該溶融金属の溜り部近傍を所定の酸素および二酸化
炭素ガス濃度雰囲気に維持することを特徴とする急冷金
属薄帯の製造方法である。
決するために、パドル部分の雰囲気の二酸化炭素、酸
素、窒素濃度が急冷金属薄帯の表面粗さにいかに影響を
及ぼすかを実験・調査した知見に基づいてなされたもの
である。すなわち、本発明は、単ロール法により急冷金
属薄帯を製造するにあたり、冷却ロール上の溶融金属の
溜り部に該ロ−ル回転の上流側から二酸化炭素ガスを吹
付けると共に該上流側の該ロール表面に窒素ガスを吹付
け、該溶融金属の溜り部近傍を所定の酸素および二酸化
炭素ガス濃度雰囲気に維持することを特徴とする急冷金
属薄帯の製造方法である。
【0007】該所定の酸素および二酸化炭素ガス濃度
が、酸素ガス濃度をy体積%、二酸化炭素ガスをx体積
%とした場合、y≦0.125x−1.25、かつ、1
0<x≦50を満たす濃度であれば好適である。また、
該窒素ガスの該ロール表面への吹付角度は、該ロール表
面への法線を基準とし該法線と該ロ−ル回転の上流側に
対するほぼ鉛直線とのなす角度内に設定し、該角度は0
〜50°とするとよい。
が、酸素ガス濃度をy体積%、二酸化炭素ガスをx体積
%とした場合、y≦0.125x−1.25、かつ、1
0<x≦50を満たす濃度であれば好適である。また、
該窒素ガスの該ロール表面への吹付角度は、該ロール表
面への法線を基準とし該法線と該ロ−ル回転の上流側に
対するほぼ鉛直線とのなす角度内に設定し、該角度は0
〜50°とするとよい。
【0008】
【作用】本発明者らは、窒素・酸素・二酸化炭素等の混
合ガス中における単ロール法の実験を行ない、二酸化炭
素による薄帯の表面性状改善の効果を詳細に調査した結
果、雰囲気中の二酸化炭素に含まれる酸素濃度により薄
帯の表面性状改善の効果が異なることを発見した。この
知見によると、薄帯の気泡欠陥を抑制するためには、酸
素濃度が高いほど高濃度の二酸化炭素が要求される。例
えば、酸素濃度が2%の時は、二酸化炭素濃度25%で
気泡欠陥抑制効果が得られるが、酸素濃度が5%の時
は、二酸化炭素濃度50%以上でないと効果が得られな
い。
合ガス中における単ロール法の実験を行ない、二酸化炭
素による薄帯の表面性状改善の効果を詳細に調査した結
果、雰囲気中の二酸化炭素に含まれる酸素濃度により薄
帯の表面性状改善の効果が異なることを発見した。この
知見によると、薄帯の気泡欠陥を抑制するためには、酸
素濃度が高いほど高濃度の二酸化炭素が要求される。例
えば、酸素濃度が2%の時は、二酸化炭素濃度25%で
気泡欠陥抑制効果が得られるが、酸素濃度が5%の時
は、二酸化炭素濃度50%以上でないと効果が得られな
い。
【0009】したがって、単ロール法において二酸化炭
素の使用量を減少させるためには酸素濃度を減少させれ
ばよい。大気下において酸素濃度を下げる方法として
は、窒素によって置換することが有効であり、製鉄プロ
セスにおいては酸素を製造する副産物として安価な窒素
が得られ、製鉄所内には窒素配管が既設のため、設備面
又はコスト面でも有利である。
素の使用量を減少させるためには酸素濃度を減少させれ
ばよい。大気下において酸素濃度を下げる方法として
は、窒素によって置換することが有効であり、製鉄プロ
セスにおいては酸素を製造する副産物として安価な窒素
が得られ、製鉄所内には窒素配管が既設のため、設備面
又はコスト面でも有利である。
【0010】本発明者らが得た薄帯の表面性状改善に好
適な雰囲気は、酸素濃度をy体積%、二酸化炭素濃度を
x体積%とした場合に、y≦0.125x−1.25か
つ、10<x≦50を満足する酸素、二酸化炭素を含
み、残部が窒素等である雰囲気である。この関係式は、
図2に示す実験結果の実線部分(表面粗さ大と表面粗さ
小の境界線)から容易に求めることができる。
適な雰囲気は、酸素濃度をy体積%、二酸化炭素濃度を
x体積%とした場合に、y≦0.125x−1.25か
つ、10<x≦50を満足する酸素、二酸化炭素を含
み、残部が窒素等である雰囲気である。この関係式は、
図2に示す実験結果の実線部分(表面粗さ大と表面粗さ
小の境界線)から容易に求めることができる。
【0011】図2に示すように、二酸化炭素の改善効果
は50体積%を超えると飽和する。また二酸化炭素の濃
度を必要以上に高めると、二酸化炭素の使用量が増加す
るため、二酸化炭素の滞留による酸欠の危険やコスト増
加、また、二酸化炭素は熱吸収性が高いため、ノズル温
度が低下して、凝固によるノズルつまりの恐れがある等
の不都合が生じるので、二酸化炭素の使用量を抑制する
ために、二酸化炭素濃度は50体積%を上限とすればよ
い。
は50体積%を超えると飽和する。また二酸化炭素の濃
度を必要以上に高めると、二酸化炭素の使用量が増加す
るため、二酸化炭素の滞留による酸欠の危険やコスト増
加、また、二酸化炭素は熱吸収性が高いため、ノズル温
度が低下して、凝固によるノズルつまりの恐れがある等
の不都合が生じるので、二酸化炭素の使用量を抑制する
ために、二酸化炭素濃度は50体積%を上限とすればよ
い。
【0012】次に、本発明者らは、大型の単ロール機に
おいて、上述の雰囲気をパドルを覆うことなく、また少
量の二酸化炭素使用量で実現する方法を研究した。その
結果、二酸化炭素はパドルの上流側の側近からパドルに
向かって吹付け、さらに二酸化炭素吹付位置の上流側か
ら窒素をロール表面に向かって吹付けることが有効であ
ることを見出した。これは、ロール表面にはロール表面
の移動に伴って空気の境界層形成されていることを利用
したもので、まずロール表面の大気組成の境界層を、ロ
ール表面への窒素吹き付けによって剥離し、窒素に富み
酸素濃度の小さな新たなガス境界層を形成するためであ
る。好ましくは窒素をロール表面移動速度より速い風速
で、ロール表面に吹き付け、しかもロール法線に対して
0°〜50°の角度(好ましくは10°〜30°)でロ
ール回転方向に対向する方向に吹き付けることが有効で
ある。この角度は、ロール表面のガス境界層に衝突させ
るように窒素を吹き付けてガス境界層を剥離する効果を
高めるために必要である。ただし、50°より大きいと
窒素がロール回転の上流側に逃げてしまうので50°を
上限とする。
おいて、上述の雰囲気をパドルを覆うことなく、また少
量の二酸化炭素使用量で実現する方法を研究した。その
結果、二酸化炭素はパドルの上流側の側近からパドルに
向かって吹付け、さらに二酸化炭素吹付位置の上流側か
ら窒素をロール表面に向かって吹付けることが有効であ
ることを見出した。これは、ロール表面にはロール表面
の移動に伴って空気の境界層形成されていることを利用
したもので、まずロール表面の大気組成の境界層を、ロ
ール表面への窒素吹き付けによって剥離し、窒素に富み
酸素濃度の小さな新たなガス境界層を形成するためであ
る。好ましくは窒素をロール表面移動速度より速い風速
で、ロール表面に吹き付け、しかもロール法線に対して
0°〜50°の角度(好ましくは10°〜30°)でロ
ール回転方向に対向する方向に吹き付けることが有効で
ある。この角度は、ロール表面のガス境界層に衝突させ
るように窒素を吹き付けてガス境界層を剥離する効果を
高めるために必要である。ただし、50°より大きいと
窒素がロール回転の上流側に逃げてしまうので50°を
上限とする。
【0013】ガス境界層を剥離するためには軟らかく、
潤滑に富む材質のブレードやロールを押しつける方法も
あるが、本発明方法の方がロールに接触する固体がない
ため、ロール表面を傷つける恐れが全くない点において
勝っている。また、ロール表面に付着した埃等を除去す
る副次的な効果もある。この窒素吹付によりパドル側近
まで酸素濃度の低い窒素雰囲気に到達するが、そこに少
量の二酸化炭素をパドルに向かって吹き付ける。これに
より、上述した低酸素濃度と効果的な二酸化炭素濃度が
実現され、薄帯の表面性状が改善される。
潤滑に富む材質のブレードやロールを押しつける方法も
あるが、本発明方法の方がロールに接触する固体がない
ため、ロール表面を傷つける恐れが全くない点において
勝っている。また、ロール表面に付着した埃等を除去す
る副次的な効果もある。この窒素吹付によりパドル側近
まで酸素濃度の低い窒素雰囲気に到達するが、そこに少
量の二酸化炭素をパドルに向かって吹き付ける。これに
より、上述した低酸素濃度と効果的な二酸化炭素濃度が
実現され、薄帯の表面性状が改善される。
【0014】
【実施例】図1は、本発明における表面性状の良好な薄
帯の得られる酸素濃度と二酸化炭素濃度の関係領域を示
す説明図である。本図はガスシールボックス内に設置さ
れた単ロール装置により、下記の条件で薄帯を作製し得
られた薄帯の表面粗さを測定した結果をまとめたもので
ある。
帯の得られる酸素濃度と二酸化炭素濃度の関係領域を示
す説明図である。本図はガスシールボックス内に設置さ
れた単ロール装置により、下記の条件で薄帯を作製し得
られた薄帯の表面粗さを測定した結果をまとめたもので
ある。
【0015】(条件1) 溶融金属:Fe(76−82)・B(10−15)・S
i(3−10)(at%) 溶融温度:1250〜1350℃ 注湯ノズル:20mm幅スリット 冷却ロール:銅合金製 薄帯厚さ:16〜36μm また、表面粗さは触針式の粗さ計で薄帯のロールと接触
する面の幅方向の中央付近を、触針子を幅方向に走査し
て測定した。測定は20点について行ない、平均値を求
めた。
i(3−10)(at%) 溶融温度:1250〜1350℃ 注湯ノズル:20mm幅スリット 冷却ロール:銅合金製 薄帯厚さ:16〜36μm また、表面粗さは触針式の粗さ計で薄帯のロールと接触
する面の幅方向の中央付近を、触針子を幅方向に走査し
て測定した。測定は20点について行ない、平均値を求
めた。
【0016】この実験の結果から表面粗さの小さい薄帯
の得られる領域は、酸素濃度をY体積%、二酸化炭素濃
度をx体積%とした場合に、y≦0.125x−1.2
5、かつ、10<x≦50を満足する式で表わされる。
またx>50では改善効果は飽和する。二酸化炭素濃度
増加の効果は50%が上限であった。図2は本発明を好
適に実施する製造装置の説明図である。注湯ノズル1か
ら溶融金属が射出され、冷却ロール2との間でパドル3
を形成し、冷却されて薄帯4となる。パドル3に向かっ
てはスリット状の二酸化炭素噴射ノズル5から二酸化炭
素が吹きつけられ、さらにロール回転上流側からスリッ
ト状の窒素噴射ノズル(によりロール表面に向かって窒
素が噴射される。図2に示した装置により、下記条件で
薄帯の製造を行なった。 (条件2) 溶融金属:Fe79・B13・Si8(at%) 溶融温度:1300℃ 注湯ノズル:150mm幅スリット 冷却ロール:銅合金製・内部水冷式 薄帯厚さ:22〜31μm 図3は、条件2で得られたものであり、窒素流量をパラ
メータとした、薄帯の表面粗さと二酸化炭素流量(m3
/h)の流量との関係グラフである。なお図4は図3の
二酸化炭素流量を体積%で表わしたものである。窒素を
噴出しない場合は、50m3 /hの二酸化炭素量が必要
なのに対して、窒素噴射により10m3/hの二酸化炭
素量でも薄帯の表面粗さは1μmより小さくなり、良好
な表面性状を示した。この実験中、パドル近傍の酸素濃
度、二酸化炭素濃度を測定したところ、図4に示すよう
に、表面粗さが1μmよりも小さくなった場合にはいず
れも図1に示すように表面粗さが小さくなった酸素、二
酸化炭素濃度の関係領域内にあった。
の得られる領域は、酸素濃度をY体積%、二酸化炭素濃
度をx体積%とした場合に、y≦0.125x−1.2
5、かつ、10<x≦50を満足する式で表わされる。
またx>50では改善効果は飽和する。二酸化炭素濃度
増加の効果は50%が上限であった。図2は本発明を好
適に実施する製造装置の説明図である。注湯ノズル1か
ら溶融金属が射出され、冷却ロール2との間でパドル3
を形成し、冷却されて薄帯4となる。パドル3に向かっ
てはスリット状の二酸化炭素噴射ノズル5から二酸化炭
素が吹きつけられ、さらにロール回転上流側からスリッ
ト状の窒素噴射ノズル(によりロール表面に向かって窒
素が噴射される。図2に示した装置により、下記条件で
薄帯の製造を行なった。 (条件2) 溶融金属:Fe79・B13・Si8(at%) 溶融温度:1300℃ 注湯ノズル:150mm幅スリット 冷却ロール:銅合金製・内部水冷式 薄帯厚さ:22〜31μm 図3は、条件2で得られたものであり、窒素流量をパラ
メータとした、薄帯の表面粗さと二酸化炭素流量(m3
/h)の流量との関係グラフである。なお図4は図3の
二酸化炭素流量を体積%で表わしたものである。窒素を
噴出しない場合は、50m3 /hの二酸化炭素量が必要
なのに対して、窒素噴射により10m3/hの二酸化炭
素量でも薄帯の表面粗さは1μmより小さくなり、良好
な表面性状を示した。この実験中、パドル近傍の酸素濃
度、二酸化炭素濃度を測定したところ、図4に示すよう
に、表面粗さが1μmよりも小さくなった場合にはいず
れも図1に示すように表面粗さが小さくなった酸素、二
酸化炭素濃度の関係領域内にあった。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、表面性状の良好な急冷
金属薄帯の製造が、少量の二酸化炭素の使用で行なえる
ようになり、コスト・安全性・制御の容易性の改善に優
れた効果を発揮する。
金属薄帯の製造が、少量の二酸化炭素の使用で行なえる
ようになり、コスト・安全性・制御の容易性の改善に優
れた効果を発揮する。
【図1】本発明を好適に実施する製造装置の説明図であ
る。
る。
【図2】本発明における表面性状の良好な薄帯の得られ
る酸素濃度と二酸化炭素濃度の関係領域を示す説明図で
ある。
る酸素濃度と二酸化炭素濃度の関係領域を示す説明図で
ある。
【図3】窒素流量をパラメータとした、薄帯の表面粗さ
と二酸化炭素流量(m3 /h)の流量との関係グラフで
ある。
と二酸化炭素流量(m3 /h)の流量との関係グラフで
ある。
【図4】図3の二酸化炭素流量の単位を(m3 /h)か
ら(体積%)へ変更したときの関係グラフである。
ら(体積%)へ変更したときの関係グラフである。
1 注湯ノズル 2 冷却ロール 3 パドル 4 薄帯 5 二酸化炭素噴射ノズル 6 窒素噴射ノズル
Claims (3)
- 【請求項1】 単ロール法により急冷金属薄帯を製造す
るにあたり、冷却ロール上の溶融金属の溜り部に該ロ−
ル回転の上流側から二酸化炭素ガスを吹付けると共に該
上流側の該ロール表面に窒素ガスを吹付け、該溶融金属
の溜り部近傍を所定の酸素および二酸化炭素ガス濃度雰
囲気に維持することを特徴とする急冷金属薄帯の製造方
法。 - 【請求項2】 該所定の酸素および二酸化炭素ガス濃度
が、酸素ガス濃度をy体積%、二酸化炭素ガスをx体積
%とした場合、 y≦0.125x−1.25、かつ、10<x≦50を
満たす濃度である請求項1記載の急冷金属薄帯の製造方
法。 - 【請求項3】 該窒素ガスの該ロール表面への吹付角度
は、該ロール表面への法線を基準とし該法線と該ロ−ル
回転の上流側に対するほぼ鉛直線とのなす角度内に設定
し、該角度は0〜50°とする請求項1または2記載の
急冷金属薄帯の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14962394A JPH0810910A (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | 急冷金属薄帯の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14962394A JPH0810910A (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | 急冷金属薄帯の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0810910A true JPH0810910A (ja) | 1996-01-16 |
Family
ID=15479271
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14962394A Withdrawn JPH0810910A (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | 急冷金属薄帯の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0810910A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101440603B1 (ko) * | 2012-08-06 | 2014-11-04 | 주식회사 포스코 | 비정질 리본 주조 분위기 형성 장치 |
-
1994
- 1994-06-30 JP JP14962394A patent/JPH0810910A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101440603B1 (ko) * | 2012-08-06 | 2014-11-04 | 주식회사 포스코 | 비정질 리본 주조 분위기 형성 장치 |
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