JPH08108974A - ワイヤロープの寿命判定方法および装置 - Google Patents

ワイヤロープの寿命判定方法および装置

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JPH08108974A
JPH08108974A JP26563594A JP26563594A JPH08108974A JP H08108974 A JPH08108974 A JP H08108974A JP 26563594 A JP26563594 A JP 26563594A JP 26563594 A JP26563594 A JP 26563594A JP H08108974 A JPH08108974 A JP H08108974A
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wire rope
load
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life
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Satoshi Nakajima
智 中嶋
Kenji Maekawa
健二 前川
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 負荷の大きさや発生頻度を測定するための特
別なパラメータあるいは検出器を設けることなく、ワイ
ヤロープの寿命判定を簡便かつ安価に行う方法および装
置を提供する。 【構成】 ワイヤロープ駆動モータの負荷電流を複数の
電流値範囲に分割する形で検出し、負荷電流の検出と同
時にワイヤロープ駆動モータの回転速度を検出して、さ
らに回転速度の時間積分で表されるワイヤロープの移動
距離を算出し、電流値範囲毎の移動距離に関する線形結
合を逐次累積演算し、累積された線形結合結果すなわち
ワイヤロープに加わった累積負荷値が予め設定した基準
値を超えた場合にワイヤロープの寿命と判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワイヤロープに加わる
負荷の大きさおよび負荷毎の発生頻度からワイヤロープ
の寿命を判定する方法および装置に関するものであり、
特に寿命判定のためだけに用いる専用の検出パラメータ
および検出手段を必要としない方法および装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ワイヤロープの寿命は、軸方向の引張荷
重すなわちそのワイヤロープに加わる負荷の大きさおよ
びその負荷が加えられた状態で、滑車(シーブ)やドラ
ムによりワイヤロープが受ける繰り返し曲げ回数すなわ
ち負荷毎の発生頻度により決定される。
【0003】一般的には、荷重の大きさはワイヤロープ
によって移動される荷重の大きさや、ワイヤロープその
ものあるいはフックや架台などワイヤロープの支持機構
に現れる歪の大きさなどを検出することにより知ること
ができる。また、発生頻度については、ワイヤロープの
ある部位が滑車やドラムを通過する回数すなわちワイヤ
ロープの繰り返し曲げ回数により求めることができる。
そして、負荷の大きさおよび負荷毎の発生頻度を測定す
ることができれば、これらのデータに基づいて公知の方
法であるマイナー則(Miner′s law)あるい
は修正マイナー則(modified Miner′s
law)などを利用してワイヤロープの寿命を判定す
ることができる。
【0004】従来から、ワイヤロープに加わる負荷の大
きさおよび発生頻度に基づくワイヤロープの寿命判定は
行なわれており、この方法を利用した動索ワイヤロープ
の寿命管理方法として、例えば特開昭62−17638
号公報に、また、この装置を利用したワイヤロープ診断
装置として、例えば特開昭62−132144号公報に
開示されている。上記これらの方法および装置は、負荷
すなわち荷重の大きさを歪センサあるいはロードセルで
検出し、また発生頻度すなわち繰り返し曲げ回数をパル
ス発生器などにより検出して、これらの積算値などから
ワイヤロープの寿命判定を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし前記従来の方法
および装置においては、ワイヤロープに加わる負荷の大
きさおよび発生頻度を測定するために、本来ならばワイ
ヤロープの駆動には不必要な歪センサやロードセル、パ
ルス発生器などの検出器を取り付ける必要があり、設備
のコストアップ要因となる。また、これらの検出器の出
力値に対する精度管理や検出器のメンテナンスを行う必
要性も生じてくる。
【0006】そこで、本発明の目的は、負荷の大きさや
発生頻度を測定するための特別なパラメータあるいは検
出器を設けることなく、ワイヤロープの寿命判定を簡便
かつ安価に行う方法および装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ワイヤロープ
駆動モータの負荷電流を複数の電流値範囲に分割する形
で検出し、負荷電流の検出と同時に前記ワイヤロープ駆
動モータの回転速度を検出して、さらに回転速度の時間
積分で表されるワイヤロープの移動距離を算出し、前記
電流値範囲毎の前記移動距離に関する線形結合を逐次累
積演算し、累積された線形結合結果すなわちワイヤロー
プに加わった累積負荷値が予め設定した基準値を超えた
場合にワイヤロープの寿命と判定することを特徴とす
る。
【0008】また、本発明は、ワイヤロープ駆動モータ
の負荷電流を入力する手段と、前記ワイヤロープ駆動モ
ータの回転速度を入力する手段と、前記回転速度の時間
積分により求められるワイヤロープの移動距離を算出す
る手段と、前記2つの入力手段における信号の入力条
件、前記算出手段における移動距離の算出条件ならびに
前記負荷電流および前記移動距離を記憶させるために満
足すべき条件を記憶する測定条件記憶部と、前記負荷電
流および/または前記移動距離が前記測定条件記憶部に
予め記憶された条件を満足するかどうかを判定する手段
と、前記負荷電流および/または前記移動距離が予め記
憶された条件を満足する場合に前記負荷電流の値を負荷
値として記憶するとともに前記移動距離の値を前記負荷
値に対応する頻度値として記憶する手段と、記憶した前
記負荷値のデータおよび前記頻度値のデータを他装置へ
送信するとともに前記測定条件記憶部に記憶する条件を
他装置から受信する手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明においては、ワイヤロープに加わる負荷
の大きさを表すパラメータとして、ワイヤロープの巻上
げあるいは巻下げを行うためのワイヤロープ駆動モータ
の負荷電流を採用する。
【0010】図2にワイヤロープに加わる負荷とワイヤ
ロープ駆動モータの負荷電流とがどの様な関係があるか
を調べた結果を示す。図2はホイストクレーン(定格荷
重:5トン)の吊り荷重と一定速度で巻上げ中のワイヤ
ロープ駆動モータの定常負荷電流の関係を示している
が、この図からワイヤロープ駆動モータの負荷電流によ
ってワイヤロープに加わる荷重すなわち負荷の大きさを
推定できることが分かる。
【0011】また、繰り返し曲げ回数すなわち負荷毎の
発生頻度に相当するパラメータとして、ワイヤロープ駆
動モータの回転速度を検出し、ワイヤロープのある部位
が滑車やドラムを通過する回数に比例する、回転速度の
時間積分により求められるワイヤロープの移動距離(ク
レーンなどの荷役機械やエレベータなどでは巻上げや巻
下げの高さを意味する)を採用する。モータの負荷電流
および回転速度は、ワイヤロープを駆動する装置におい
ては通常特別な検出手段を設けなくても検出可能であ
る。
【0012】さて、本発明においては、ワイヤロープ駆
動モータの負荷電流を複数の電流値範囲に分割する形で
検出する。また、負荷電流の検出と同時にワイヤロープ
駆動モータの回転速度を検出し、この回転速度の時間積
分で表されるワイヤロープの移動距離を算出して、この
移動距離の電流値範囲毎の分布すなわち負荷頻度分布を
作成する。次にこの負荷頻度分布に基づき、ワイヤロー
プの巻上げや巻下げなどの動作時における電流値範囲毎
の移動距離に関する線形結合を逐次累積演算する。1回
の動作における線形結合結果はその動作によりワイヤロ
ープに加わった負荷に相当し、その累積結果は使用期間
にわたってワイヤロープに加わった累積負荷に相当す
る。そしてこの累積線形結合結果すなわちワイヤロープ
に加わった累積負荷値が予め設定した基準値を超えた場
合にワイヤロープが寿命に達したと判定する。
【0013】また、本発明の装置においては、電流信号
入力部および速度信号入力として、その出力信号がアナ
ログであるアナログ信号入力機構および出力信号がデジ
タルであるデジタル信号入力機構が用いられるが、後処
理の容易さからデジタル信号入力機構を用いることが望
ましい。デジタル信号入力機構としてはA/D(アナロ
グ−デジタル)変換器が一般に用いられる。移動距離算
出部および条件判定部としては通常はIC,LSIなど
を集積したMPU(micro processing unit )が用いら
れる。測定条件記憶部および負荷頻度分布記憶部として
はRAM(random access memory)、フロッピーディス
ク、ハードディスクなどが用いられるとともに、記憶処
理のためにMPUが用いられる。通信部としてはセント
ロニクスインターフェイス、RS−232Cインターフ
ェイス、GP−IBインターフェイスなどに準拠した機
構が用いられる。
【0014】電源部における電源としては電池、商用電
源その他の電源が利用できる。箱状体の材質としては金
属、プラスチックなどが利用可能である。
【0015】本発明の装置においては、検出した負荷電
流およびまたは算出した移動距離が測定条件記憶部に予
め記憶された条件を満足した場合に、負荷電流の値を負
荷値として記憶するとともに、負荷値に対応する移動距
離の値を頻度値として記憶する。さらに、記憶した負荷
値および負荷値に対応する頻度値を負荷頻度分布データ
として他装置へ転送する。
【0016】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明す
る。 (実施例1)図1は本発明の一実施例の概略を示すブロ
ック図である。図1において、1はA/D(アナログ−
ディジタル)変換器や信号増幅器などから構成される電
流信号入力部、2は同じくA/D変換器や信号増幅器な
どから構成される速度信号入力部、3は移動距離算出
部、4は負荷頻度分布作成部、5は累積負荷演算部、6
は寿命判定部、7は判定結果表示部である。
【0017】本実施例では、図示しないワイヤロープ駆
動モータから検出される負荷電流信号をA/D変換器な
どにより複数の電流値範囲に分割する形で電流信号入力
部1に入力する。分割数をいくつにするかについては特
に規定しないが、あまり分割数を多くするとデータ入力
処理の時間が長くなり、またA/D変換に伴う量子化誤
差も増大するので好ましくない。
【0018】また、ワイヤロープ駆動モータの負荷電流
の検出と同時に、同じく図示しないワイヤロープ駆動モ
ータから検出される回転速度信号を速度信号入力部2に
入力する。移動距離算出部3では、速度信号入力部2に
入力されたワイヤロープ巻上げ・巻下げモータの回転速
度信号に関して、速度の次元を持つこのパラメータを長
さの次元を持つパラメータに変換する目的で、時間積分
を行うことによりワイヤロープの移動距離を算出する。
【0019】負荷頻度分布作成部4では、均等に分割さ
れた複数の電流値範囲毎の移動距離分布すなわち負荷頻
度分布を作成する。電流は電流値のままでも、予め求め
た関係式に基づいてワイヤロープに加わる荷重値に変換
してもよく、移動距離も滑車やドラムの径とこれらの間
の距離との関係からワイヤロープに加わる繰り返し曲げ
回数に変換してもよい。また、分布を作成する元になる
電流および速度データとしては一定周期でサンプリング
した生データを採用してもよく、いくつかの生データの
間引きを行った後のデータを採用してもよい。さらに電
流データについては、いくつかの生データ中の最大値な
どを用いてもよい。
【0020】図3に負荷頻度分布の例を示す。図3
(ア)では横軸に負荷すなわち荷重に相当するワイヤロ
ープ駆動モータの負荷電流を、縦軸に繰り返し曲げ回数
に相当する移動距離をとっている。また図3(イ)で
は、移動距離に関して+と−の符号でワイヤロープの巻
上げと巻下げを区別して表現しているが、これは巻上げ
と巻下げでモータの負荷電流特性が異なる場合などに利
用することができる。
【0021】負荷頻度分布に含まれる電流値および移動
距離のデータを用いて、累積負荷演算部5でワイヤロー
プの巻上げあるいは巻下げなどの動作時においてワイヤ
ロープに加わる累積負荷を求める。すなわち、各電流値
範囲毎の移動距離の線形結合結果の累積演算を行う。演
算式を式(1)に示す。
【数1】
【0022】式(1)において、Iは負荷電流値の均等
分割数、iは分割された個々の電流値範囲の位置を示す
番号変数、di は負荷電流が電流値範囲iに存在してい
る状態で動作したワイヤロープの移動距離、ci は電流
値範囲i毎の係数、nは線形結合の累積回数を表す変
数、Ln は負荷に関するn回の累積線形結合結果すなわ
ちワイヤロープに加わった累積負荷値である。累積演算
処理は各動作毎に行ってもよく、1回の動作の中で複数
回行ってもよいが、少なくとも累積負荷値の大きな変化
を見逃さないタイミングでは演算を行う必要がある。
【0023】寿命判定部6では、累積負荷演算部5で求
めた累積負荷値と、予め設定した基準値とを比較するこ
とによりワイヤロープの寿命を判定する。すなわち累積
負荷値が基準値に達するかこれを上回った時点をもっ
て、対象となるワイヤロープは寿命に至ったと判定す
る。ワイヤロープは種別や径により寿命が異なるだけで
はなく、同一の種別や径であっても加わる荷重や塗油な
どの使用条件が異なれば寿命も異なる。寿命判定部6に
おける判定は基準値を適宜変更することにより種別、
径、荷重、使用条件などの異なるワイヤロープにも適用
できる。基準値については、ワイヤロープに電流分割数
と同数の異なる荷重を加えてそれぞれの荷重状態で曲げ
疲労試験を行い、各荷重毎のワイヤロープ駆動モータの
負荷電流およびワイヤロープが破断あるいはそれと同等
の状態になるまでの発生頻度を調べることにより事前に
求める。また、寿命に達しない時期において、統計的処
理による寿命予測を行うこともできる。
【0024】判定結果表示部7では、寿命判定部6で求
めたワイヤロープの寿命判定結果を表示する。寿命に達
した場合にはアラーム等により寿命に達したことを知ら
せることもできるし、寿命に達する前の段階では寿命予
想結果を表示することもできる。
【0025】負荷頻度分布の横軸負荷値の分割数は、あ
まり多くてもワイヤロープの寿命判定の精度にはそれほ
ど影響がなく、かえって基準値作成の労力が増大するの
で、対象となるワイヤロープに加わる負荷のパターン数
に応じて、負荷電流信号の入力段階あるいは入力後の負
荷頻度分布作成段階までに、数分割から十数分割程度に
なるようデータの結合を行うことが望ましい。
【0026】(実施例2)図4は本発明の他の実施例の
概略を示すブッロク図である。図4において、11は電
流信号入力端子、12は速度信号入力端子、13は電流
信号入力部、14は速度信号入力部、15は移動距離算
出部、16は測定条件記憶部、17は条件判定部、18
は負荷頻度分布記憶部、19は通信部、20は送信端
子、21は受信端子、31は電源部、32は箱状体であ
る。
【0027】本実施例では、図示しないワイヤロープ駆
動モータから検出した負荷電流を電流信号入力端子11
を経由して例えばA/D変換器などにより複数の電流値
範囲に分割する形で電流信号入力部13に入力する。分
割数をいくつにするかについては特に規定しないが、あ
まり分割数を多くするとデータ入力処理の時間が長くな
り、またA/D変換に伴う量子化誤差も増大するので好
ましくない。
【0028】またワイヤロープ駆動モータの負荷電流の
測定と同時に、同じく図示しないワイヤロープ駆動モー
タから検出した回転速度を速度信号入力端子12を経由
して速度信号入力部14に入力する。移動距離算出部1
5では、速度信号入力部14に入力されたワイヤロープ
駆動モータの回転速度に関して、速度の次元を長さの次
元に変換する目的で、時間積分を行うことによりワイヤ
ロープの移動距離を算出する。
【0029】測定条件記憶部16には、負荷電流および
回転速度をどれだけの周期毎に入力(サンプリング)す
るかというサンプリング周期、一般的は電圧信号として
入力されるこれらの信号と負荷電流や回転速度という実
際の物理単位との間の換算係数、負荷電流においてサー
ジ電流を無視して安定電流だけを抽出するフィルタ処理
のためのアルゴリズムやそのアルゴリズムの中で用いる
定数、モータの回転速度をワイヤロープの移動距離に変
換するための変換式や変換係数などが記憶されている。
また、同じく測定条件記憶部16には、例えば無負荷の
ときの負荷電流や移動距離のデータを記憶させない目的
で設定する、負荷電流および移動距離の下限値なども記
憶されている。測定条件記憶部16には予め固定値を設
定値として記憶させることもできるし、設定値を受信端
子21を経由して通信部19に入力されたコンピュータ
などの他装置から転送された値に随時変更することもで
きる。
【0030】条件判定部17では、入力された負荷電流
およびまたは移動距離と、例えば無負荷のときの負荷電
流や移動距離のデータは記憶させない目的で測定条件記
憶部16に記憶されている負荷電流およびまたは移動距
離の下限値を比較して、入力された負荷電流およびまた
は移動距離の値の方が小さい場合には、これらのデータ
は記憶しない。
【0031】入力された負荷電流およびまたは移動距離
の値が測定条件記憶部16に記憶されている負荷電流お
よびまたは移動距離の下限値より大きいか等しい場合に
は、負荷頻度分布記憶部18において、その時の負荷電
流の値を負荷値として、移動距離の値をその時の負荷値
に対応する頻度値として記憶する。負荷電流の値は電流
値のままでも、予め求めた関係式に基づいてワイヤロー
プに加わる荷重値などに変換してもよい。移動距離も滑
車やドラムの径とこれらの間の距離との関係からワイヤ
ロープが受ける繰り返し曲げ回数に変換してもよい。ま
た、記憶されるデータの元になる負荷電流の値および移
動距離の値としては一定周期でサンプリングした生デー
タを採用してもよく、いくつかの生データの間引きを行
った後のデータを採用してもよい。さらに負荷電流につ
いては、いくつかの生データ中の最大値などを用いても
よい。
【0032】通信部19においては、負荷頻度分布記憶
部18に記憶された負荷値および負荷値に対応する頻度
値を、送信端子20を経由して適宜コンピュータなどの
詳細データ処理装置に送信する。また通信部19では、
前記した各種測定条件として測定条件記憶部16に記憶
するデータをコンピュータなどの設定装置から受信端子
21を経由して受信する。送信端子20と受信端子21
は共用できる一つの端子を用いても構わない。
【0033】電池または商用電源で駆動可能な電源部3
1を含めて、全ての構成要素は箱状体32の中に納める
ことができる。箱状体32を含んだ装置全体として、片
手で持ち運びできる寸法および重量とすることが可能で
ある。装置の全ての構成要素を一つの箱状体の中に納め
ることにより、装置の取り扱いも容易となり、近年の電
子部品の低価格化に伴い、汎用の電子部品を利用するこ
とにより装置を安価に製造することも可能である。
【0034】図5(ア)に電流信号入力端子11に入力
されるワイヤロープ駆動モータの負荷電流の時系列信号
の例を示す。この図において、信号波形は電流の実効値
波形を表している。また、図5(イ)に速度信号入力端
子12に入力されるワイヤロープ駆動モータの回転速度
の時系列信号の例を示す。この図において、回転速度の
+はワイヤロープの巻上げを意味し、−は巻下げを意味
している。
【0035】図6には負荷頻度分布記憶部18に記憶さ
れたワイヤロープ駆動モータの負荷電流の値すなわち負
荷値、および負荷値毎のワイヤロープの移動距離すなわ
ち頻度値よりなる負荷頻度分布の例を示す。
【0036】図5(ア)、(イ)は製鉄所内のレードル
クレーン(定格荷重:400トン)を対象とした測定デ
ータであり、図5(ア)に見られるようなワイヤロープ
駆動モータの起動時および速度変更時に発生するサージ
電流部をフィルタ処理にて除去した後に、図中の破線で
示した閾値(測定条件記憶部16に記憶されている負荷
電流の下限値に相当)以上の負荷電流(図中の○印で示
した安定電流)について図6のような負荷頻度分布を作
成した。フィルタの方法としては、波形の高周波成分を
除去する方法およびまたは負荷電流が閾値を上回った直
後や大きな変動が生じた時にはその直前のデータを保持
する方法などがある。図6では頻度値に当るワイヤロー
プの移動距離に関して、図5(イ)と同様に+と−でそ
れぞれ巻上げと巻下げを区別して表現しているが、これ
は巻上げと巻下げでモータの負荷電流特性が異なる場合
などに利用することができる。
【0037】負荷値としては、前記したように例えば負
荷電流が閾値を上回って次に下回るまでの間にサンプリ
ングした複数のデータを利用してもよいし、これら複数
のデータの中の最大値のみを利用してもよい。頻度値に
ついては、複数のサンプリングデータを用いて移動距離
を算出する。
【0038】負荷頻度分布の横軸(負荷値)の分割数
は、実施例1と同様、あまり多くてもワイヤロープの寿
命判定の精度にはそれほど影響がなく、かえって基準値
作成の労力が増大するので、対象となるワイヤロープに
加わる負荷のパターン数に応じて、負荷電流信号の入力
段階あるいは入力後の負荷頻度分布作成段階までに、数
分割から十数分割程度になるようデータの結合を行うこ
とが望ましい。
【0039】なお、本発明の方法および装置はワイヤロ
ープだけでなく、繰り返し荷重を受ける機械、電気およ
びその他の機器の寿命判定にも適用可能である。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の方法および装置を用いれば、ワイヤロープの寿命判定
を行うための専用の検出パラメータおよび検出手段を必
要とせず、ワイヤロープ駆動モータの負荷電流および回
転信号という、元々ワイヤロープを駆動する装置本体か
ら検出可能な信号だけを用いてワイヤロープの寿命判定
が簡便に行える。また、本発明の装置は、全ての構成要
素を一つの箱状体に納めることができるので、取り扱い
が容易であり、汎用の電子部品を利用すれば安価に製造
できる。さらに、適切な寿命判定を行うことにより、ク
レーン等の荷役機械用、エレベータ用などのワイヤロー
プの破断事故を未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の概要を示すブロック図であ
る。
【図2】ワイヤロープに加わる荷重とワイヤロープ駆動
モータの負荷電流との関係を示す図である。
【図3】本発明のうち負荷頻度分布の様子を示す図であ
り、(ア)は巻上げと巻下げを区別しない場合、(イ)
は巻上げと巻下げを区別した場合の図である。
【図4】本発明の別の実施例の概要を示すブロック図で
ある。
【図5】本発明の装置に入力される信号の様子を示す図
であり、(ア)はワイヤロープ駆動モータの負荷電流の
時系列信号、(イ)はワイヤロープ駆動モータの回転速
度の時系列信号である。
【図6】本発明のうち負荷頻度分布の様子を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 電流信号入力部 2 速度信号入力部 3 移動距離算出部 4 負荷頻度分布作成部 5 累積負荷演算部 6 寿命判定部 7 判定結果表示部 11 電流信号入力端子 12 速度信号入力端子 13 電流信号入力部 14 速度信号入力部 15 移動距離算出部 16 測定条件記憶部 17 条件判定部 18 負荷頻度分布記憶部 19 通信部 20 送信端子 21 受信端子 31 電源部 32 箱状体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤロープに加わる負荷の大きさおよ
    び負荷毎の発生頻度に基づいてワイヤロープの寿命判定
    を行う方法において、ワイヤロープ駆動モータの負荷電
    流を複数の電流値範囲に分割する形で検出し、負荷電流
    の検出と同時に前記ワイヤロープ駆動モータの回転速度
    を検出して、さらに回転速度の時間積分で表されるワイ
    ヤロープの移動距離を算出し、前記電流値範囲毎の前記
    移動距離に関する線形結合を逐次累積演算し、累積され
    た線形結合結果の値が予め設定した基準値を超えた場合
    にワイヤロープの寿命と判定することを特徴とするワイ
    ヤロープの寿命判定方法。
  2. 【請求項2】 ワイヤロープに加わる負荷の大きさおよ
    び負荷毎の発生頻度に基づいてワイヤロープの寿命判定
    を行う装置において、ワイヤロープ駆動モータの負荷電
    流を複数の電流値範囲に分割する形で検出する手段と、
    負荷電流の検出と同時に前記ワイヤロープ駆動モータの
    回転速度を検出する手段と、前記回転速度の時間積分で
    表されるワイヤロープの移動距離を算出する手段と、前
    記電流値範囲毎の前記移動距離に関する線形結合を逐次
    累積演算する手段と、累積された線形結合結果の値が予
    め設定した基準値を超えた場合にワイヤロープの寿命と
    判定する手段とを備えたことを特徴とするワイヤロープ
    の寿命判定装置。
  3. 【請求項3】 ワイヤロープに加わる負荷の大きさおよ
    び負荷毎の発生頻度に基づいてワイヤロープの寿命判定
    を行う装置において、ワイヤロープ駆動モータの負荷電
    流を入力する手段と、前記ワイヤロープ駆動モータの回
    転速度を入力する手段と、前記回転速度の時間積分によ
    り求められるワイヤロープの移動距離を算出する手段
    と、前記2つの入力手段における信号の入力条件、前記
    算出手段における移動距離の算出条件ならびに前記負荷
    電流および前記移動距離を記憶させるために満足すべき
    条件と記憶する測定条件記憶部と、前記負荷電流および
    /または前記移動距離が前記測定条件記憶部に予め記憶
    された条件を満足するかどうかを判定する手段と、前記
    負荷電流および/または前記移動距離が予め記憶された
    条件を満足する場合に前記負荷電流の値を負荷値として
    記憶するとともに前記移動距離の値を前記負荷値に対応
    する頻度値として記憶する手段と、記憶した前記負荷値
    のデータおよび前記頻度値のデータを他装置へ送信する
    とともに前記測定条件記憶部に記憶する条件を他装置か
    ら受信する手段とを備えたことを特徴とするワイヤロー
    プの寿命判定装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102445396A (zh) * 2011-09-28 2012-05-09 中钢集团武汉安全环保研究院有限公司 一种基于起重机钢丝绳载荷测量的在线检测使用强度和疲劳预报的装置及方法
JP2015039675A (ja) * 2013-08-22 2015-03-02 株式会社岡村製作所 排気装置
CN107188064A (zh) * 2017-06-06 2017-09-22 哈尔滨理工大学 一种基于plc的变频器绞车系统及其控制方法

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