JPH08105950A - 磁気センサ装置 - Google Patents

磁気センサ装置

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JPH08105950A
JPH08105950A JP6264613A JP26461394A JPH08105950A JP H08105950 A JPH08105950 A JP H08105950A JP 6264613 A JP6264613 A JP 6264613A JP 26461394 A JP26461394 A JP 26461394A JP H08105950 A JPH08105950 A JP H08105950A
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yoke
sensor device
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Noboru Masuda
昇 増田
Tetsuo Osawa
哲夫 大澤
Kenji Tomaki
健治 戸蒔
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型で高分解の磁気センサ装置を提供する。 【構成】 ケース7の走査通路5の一方側に永久磁石1
を配置し、この永久磁石1の下面側にL形形状のヨーク
10を固定し、ヨーク10のL形先端を上側壁面7aの挿通
溝穴11に挿入して走査通路5に臨ませる。走査通路5の
下側壁面7bの下面側には分圧回路を形成する磁気抵抗
素子2a,2bを配設する。ヨーク10のL形先端面は磁
気抵抗素子2 a,2b間の中央部に対向配置する。走査
通路5に磁性材料で情報ビット13を形成した磁気カード
8を走査し、情報ビット13が磁気抵抗素子2aと2bと
その中間位置をそれぞれ通過するときの磁気変化を磁気
抵抗素子2a,2bの差動出力によって検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙幣上に設置された紙
幣識別用の微小磁性体や、IDカード等の紙葉状媒体に
設置された磁気コード等の磁気情報を検出する高分解能
型の磁気センサ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紙幣や磁気カード等に磁性体によって設
置されている情報を検出する磁気センサ装置が情報処理
装置の分野やその類似分野に広く用いられている。この
種の磁気センサ装置は、図11の(a)に示すように、永
久磁石(磁気バイアスマグネット)1の上面に1対の半
導体磁気抵抗素子2a,2bを装着したもので、この磁
気抵抗素子2a,2bは図12に示すように直列に接続さ
れ、この直列回路の一方側を電源ラインに接続し、他端
側をグランドラインに接続して、分圧回路とし、磁気抵
抗素子2a,2bの直列接続部から信号取り出し部を引
き出したものである。
【0003】この磁気センサ装置は被検出体3の走査通
路(走行通路)上に設置され、磁性体が設置されている
被検出体3が磁気抵抗素子2aの上側を対向して通過す
るときに、永久磁石1のバイアス磁界が磁気抵抗素子2
aを集中して通過する結果、磁気抵抗素子2aの磁気抵
抗が大きく変化し、磁気センサ装置から図11の(b)に
示すように上側に凸となる出力波形の信号が得られ、次
に、被検出体3が磁気抵抗素子2bに対向する位置にき
たときに、今度は、永久磁石1のバイアス磁界が磁気抵
抗素子2b側を集中して通過する結果、磁気抵抗素子2
bの磁気抵抗が大きく変化し、これにより、磁気センサ
装置から下に凸となる出力波形の時系列信号が得られ
る。この磁気センサ装置の出力信号を解析することによ
り、紙幣や磁気カード等の紙葉状媒体に設置されている
磁性体の情報が読み取られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の磁気センサ装置の如く、被検出体3を走査通路に沿っ
て搬送する方式のものは、被検出体3と磁気抵抗素子2
a,2bとの隙間間隔を一定に保持するのが非常に困難
である。周知のように、永久磁石1から発せられるバイ
アス磁界は分散形となるため、前記隙間間隔が変動する
と、被検出体3を横切るバイアス磁界の幅が変動する結
果、被検出体が連続して走査(走行)すると、磁気セン
サ装置の出力波形が乱れ、分解能が低下し、検出の信頼
性が損なわれるという問題が生じる。
【0005】最近では、磁気カードの磁気情報の読み取
りがこの種の磁気センサ装置を用いて行われているが、
磁気情報は通常、ビット情報として与えられており、設
置情報を多くすると、必然的に、ビット情報の磁性体の
間隔を狭く配置する結果となる。ビット情報の磁性体間
隔が狭くなると、永久磁石1から出るバイアス磁界が隣
接する磁性体の影響を互いに受け易くなり、この磁気干
渉によって、十分な分解能が得られず、情報読み取りの
エラーが発生するという問題が生じる。
【0006】本出願人は、分解能の低下を防止するもの
として、図13に示すような磁気センサ装置を提案してい
る。この提案装置は、筐体4の上下中間部に被検出体3
の走査通路5を設け、この走査通路の下側の筐体4内に
は、永久磁石1を配設し、この永久磁石1の上面には必
要に応じサブストレート(図示せず)を介して分圧回路
を形成している半導体の磁気抵抗素子2a,2bを配置
し、磁気抵抗素子2a,2bの上面を走査通路5に臨ま
せている。この半導体磁気抵抗素子2a,2bは、電子
の移動度(モビリティ)の大きなInSb,InAs,
GaAs等の半導体によって構成されている。
【0007】走査通路5の上側の筐体4内には、形状磁
気異方性板のヨーク6を配置し、ヨーク6の底面を1対
の磁気抵抗素子2a,2bの中間点(中性点ともいう)
の位置に対向させて垂直に配置されている。
【0008】このように、ヨーク6を配置することによ
り、永久磁石1から出るバイアス磁界はヨーク6に集中
し、永久磁石1からヨーク6に向かう磁界によって磁気
抵抗素子2a,2b間に、磁気障壁を作り出し、走行空
間5を通る被検出体3と磁気抵抗素子2a,2bとの隙
間間隔の変動が生じても、被検出体3を横切る磁界の幅
が変動しないようにして分解能の低下を防止するように
している。
【0009】しかしながら、前記のように、ヨーク6を
用いて分解能の向上を図ろうとした場合においても、磁
気抵抗素子2a,2bとヨーク6との間隔が大きくなる
と、磁気カード等にビット情報の磁性体を狭い間隔で配
置すると、バイアス磁界がビット情報の隣接する磁性体
の影響を互いに受け易くなり、分解能の低下の問題が生
じる。また、分解能を高める手法として、永久磁石1を
馬蹄形マグネットやそれに類似の形態で構成して、磁界
の分散を防止する閉磁気回路を作り、分解能を高めるこ
とも考えられるが、そうすると、磁気センサ装置が大型
化し、磁気カードの読み取り装置や、紙幣識別装置等の
機器に組み込むことが困難となり、価格も高価となるの
で、現実的には実現不可能となる。
【0010】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的は、分解能の改善と装置の小型
化を共に達成することができる磁気センサ装置を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、次のように構成されている。すなわち、本
発明は、磁気情報が設置された被検出体の走査通路を挟
んでその一方側には1個以上の磁気抵抗素子が、他方側
にはヨークが配置され、ヨークの裏面側には磁気バイア
スマグネットが固定配設され、ヨークの表面側からは前
記走査通路の反対側の磁気抵抗素子側に向けて磁場集束
端が突設されていることを特徴として構成されている。
【0012】また、前記磁気抵抗素子は2個を1組とし
た分圧回路を形成し、ヨークはL形形状と成し、ヨーク
のL形先端を磁場集束端として分圧回路を形成する磁気
抵抗素子間の中央部に対向させたこと、前記磁気バイア
スマグネットはその一端側を磁気抵抗素子間の中央部に
ほぼ一致させて配置したこと、さらに前記各構成の下
で、少なくとも磁気抵抗素子の裏面側には磁気シールド
板が配置されていることもそれぞれ本発明の特徴とする
ところである。
【0013】
【作用】上記構成の本発明において、走査通路の、例え
ば、一方側からバイアスマグネットの磁界がヨークに集
束されて走査通路の反対側に配置されている磁気抵抗素
子側に分散放射される。
【0014】走査通路に沿って被検出体を走査(走行)
し、被検出体の磁気情報が磁気抵抗素子に対向する位置
に達すると、ヨークから分散放射されて磁気情報側に向
う磁界は磁気情報に集束する結果、磁気情報の有無によ
って磁気抵抗素子で検出される磁界が変化し、この磁界
強度の変化検出により、被検出体の磁気情報が正確に読
み取られる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1には本発明に係る磁気センサ装置の一実施例
の断面構成が示され、図2には磁気検出部分の要部構成
が示されている。本実施例が従来例と異なる特徴的なこ
とは、従来例では磁気抵抗素子2a,2bが永久磁石1
側に配置されていたが、本実施例では、その発想を根本
的に転換し、永久磁石をヨーク側に設け、永久磁石の磁
界をヨークを通して走査通路の一方側から分散放射し、
この分散磁界の変化を走査通路の反対側の磁気抵抗素子
で検出する構成としたことである。
【0016】図1において、磁気センサ装置のケース7
に走査通路5が設けられ、この走査通路5に沿って被検
出体としての磁気カード8が走査(走行)する構成とな
っている。走査通路5の上下一方側の壁面、この実施例
では上側壁面7a側には磁気バイアスマグネットとして
機能する永久磁石1が配置されており、この永久磁石1
の下端側磁極面(図ではS極面)にはL形に形成したヨ
ーク10の底面側が接着剤等を用いて固定されている。そ
して、ヨーク10のL形先端10aは、上側壁面7aに形成
した挿通溝穴11に挿入されて走査通路5に臨んでいる。
【0017】本実施例では、ヨーク10は透磁率が高く、
かつ、保磁力が小さく磁化されにくい磁性材料、例え
ば、純鉄、ステンレス、けい素鋼板、パーマロイ等によ
って構成されており、その板厚は0.4 mmであり、L形曲
がり部の高さは1mmに形成されている。永久磁石1は希
土類マグネット、ネオジ鉄、フェライト等の材料により
構成され、下端面がS極に、上端面がN極に着磁されて
いる。
【0018】前記ヨーク10のL字形の折曲部は永久磁石
1のほぼ端部の位置に一致させてあり、本実施例ではこ
のL形先端10aが磁場集束端として機能し、その磁場集
束端の表面磁束密度は3KGとなっている。
【0019】走査通路5の下側壁面7bの裏面側には磁
気抵抗素子2a,2bが配設されている。この磁気抵抗
素子2a,2bは外径が1.5 mm×3.1 mmのエレメント基
板12の表面に幅150 μm、長さ1.3 mmのInSbパター
ンをピッチ0.7 mmで配列配置することにより形成され、
この磁気抵抗素子2a,2bは従来例と同様に直列に接
続されて図12に示すような分圧回路を形成している。
【0020】本実施例では1対の磁気抵抗素子2a,2
bの中間中央部が走査通路5を挟んでヨーク10のL形先
端面に対向配置されており、この状態で、永久磁石1の
一端側、つまり、図1で左端側が磁気抵抗素子2a,2
bの中間中央部にほぼ一致させた配置構成となってい
る。
【0021】被検出体としての磁気カード8は、JIS
規格に準拠した長さが85mm、横幅が54mm、厚さが0.76mm
の形状を呈し、そのカードの中間層に磁性インキによっ
て情報ビット13が印刷形成されている。本実施例ではこ
の情報ビットは、長さ5mm、幅0.4 mm、厚さ50μmであ
り、この各情報ビットは0.8 mmピッチでコード配列によ
って配置されている。なお、前記走査通路5の上下間隔
は、磁気カード8が円滑に走査できるように、1mmに設
定されている。
【0022】本実施例は上記のように構成されており、
次にその作用を説明する。走査通路5に磁気カード8が
走査されていない状態では、永久磁石1から発せられる
磁界(磁束)はヨーク10のL形先端面10aで磁場集束
し、図6の実線で示すように、L形先端面から走査通路
5に向けて磁界を分散放射し、磁気抵抗素子2a,2b
はヨーク10の先端側から放出される分散磁界を検出す
る。このとき、磁気抵抗素子2a,2bはほぼ同じ強さ
の磁界を検出する結果、その磁気抵抗素子2a,2bの
差動出力はほぼ零となり、磁気センサ装置からは磁気検
出の信号は出力されない。
【0023】走査通路5に磁気カード8が挿入されて走
査通路5に沿って走査され、磁気カード8の情報ビット
13がヨーク10のL形先端に近づくと、このL形先端から
放射されていた分散形の磁界は破線で示すように情報ビ
ット13に集束し、この情報ビット13から分散形に放射さ
れる。
【0024】このように、ヨーク10のL形先端から放出
された分散形の磁界が情報ビット13の存在により再び集
束し、さらに集束した磁界が情報ビット13から磁気抵抗
素子2a,2b側に分散放射される結果、情報ビット13
が磁気抵抗素子2aに対向した位置になると、磁気抵抗
素子2aで検出される磁気変化が大きくなり、情報ビッ
ト13がヨーク10のL形先端に対向した位置になると、磁
気抵抗素子2a,2bの検出出力がほぼ同じになり、情
報ビット13が磁気抵抗素子2bに対向する位置になる
と、磁気抵抗素子2bで検出される磁気変化が大きくな
る結果、情報ビット13が走査通路5に沿って走査する際
に、情報ビット13が磁気抵抗素子2aに対向する位置か
ら磁気抵抗素子2bに対向する位置へ移動することによ
り、磁気センサ装置の出力が変化して図10の(b)に示
すような波形で情報ビット13の検出が行われる。
【0025】本実施例では、ヨーク10のL形先端面10a
を磁気抵抗素子2a,2b間の中央部に対向配置してい
るので、情報ビット13が磁気抵抗素子2aに対向したと
きと、磁気抵抗素子2a,2bの中間位置、つまり、ヨ
ーク10のL形先端面に対向したときと、磁気抵抗素子2
bに対向したときとで、その各位置での情報ビット13の
分離検出が明確となる。
【0026】さらに加えて、本実施例は、ヨーク10のL
形突出部は、永久磁石1の一端面に一致させているの
で、ヨーク10のL形先端面端部から出る磁界(磁力線)
の倒れ込みの角度θ(図6)は永久磁石1の端部から放
出される磁力線の倒れ込み角度に等しくなる。永久磁石
1の端部から出る磁力線の倒れ込み角度θは永久磁石1
の中心領域から出る磁力線の倒れ込み角度よりも遥かに
大きくなり、ヨーク10のL形先端を永久磁石1の端部に
一致させたことで、L形先端の両端から出る磁力線の倒
れ込み角度θは非常に大きな角度となる。
【0027】このように、磁力線の倒れ込み角度を大き
くできることで、情報ビット13がL形先端面に近づくに
従って、倒れ込んでいた磁力線が情報ビット側に起き上
がる角度変化が大きくなり、必然的に、倒れ込み状態か
ら起き上がり状態への磁力線変化を検出する磁気抵抗素
子2a,2bの磁気変化の検出出力が大きくなるため、
情報ビット13の検出分解能を大幅に高めることが可能と
なる。
【0028】図4は本実施例の磁気センサ装置を用いて
磁気カードの情報ビットを検出したときの検出出力波形
を示したものである。本実施例の装置の検出性能の評価
判断の比較例として、図9に前記図13に示した磁気セン
サ装置を用いて同じ磁気カードのビット情報の検出を行
った結果を示してある。この情報ビットの検出性能実験
では、図10の(a)に示すような磁気カードを用いてい
る。通常の磁気カードでは情報ビット13はカードの中間
層に配置されるが、この実験では、磁気カードを4層構
造とし、1層目と2層目の間に2個の情報ビット13aを
配置し、第3層目と第4層目の間に2個の情報ビット13
bを配置している。
【0029】図13の磁気センサ装置では、図9に示すよ
うに、各情報ビット13a,13bの分離検出が明確に行わ
れず、いわゆるクロストークが発生して情報ビット13
a,13bの波形分解が不可能の状態となっているが、本
実施例の装置では、図4に示すように、いずれの情報ビ
ット13a,13bの検出波形も明確に現れ、各情報ビット
13a,13bの波形分解が確実に行われることが実証され
ている。なお、この図4の波形で、磁気抵抗素子2a,
2bに近い側の情報ビット13aの検出波形が磁気抵抗素
子2a,2bよりも遠い側の情報ビット13bの検出波形
よりも波高値が大きくなっている。この図4の検出実験
結果からも明らかな如く、本実施例の装置では、磁気抵
抗素子2a,2b側から遠い情報ビット13bであって
も、高分解能の下で検出できることが分かる。
【0030】図5は本実施例の装置を用いたさらに他の
情報ビットの検出実験結果を示したものである。この実
験では、図10の(b)に示すように、4層構造の磁気カ
ードの中間厚み位置に合計14個の情報ビット13を配列し
たものを用いている。図5の検出波形から明らかな如
く、本実施例の装置を使用することにより14個の情報ビ
ットの検出波形が明確に現れており、高分解能のもとで
情報ビット13の検出を確実に行い得ることを実証でき
た。
【0031】本実施例では、ヨーク10をL形形状に形成
しており、このようなL形形状はプレス加工等により極
めて容易に加工することができ、その加工製造が容易で
あると共に、その加工コストも極めて安価となり、本実
施例の優れた性能を有する磁気センサ装置を安価に提供
することが可能となる。
【0032】また、前記図13に示すような磁気センサ装
置では、永久磁石1の磁極面に磁気抵抗素子2a,2b
を配置する構成であるため、永久磁石1の磁極面から出
る磁界の強さを一様にするため、永久磁石1の磁極面に
ばらつきなく着磁する必要があるため、その着磁面を高
精度に平坦加工しなければならないので加工コストが極
めて高くついたが、本実施例では、前記の如く、L形形
状のヨーク10を使用してL形先端面で磁場集束するた
め、永久磁石1の着磁面加工精度は通常の加工精度でよ
く、高精度に加工する必要がないため、マグネットコス
トを大幅に低減することが可能となり、全体としての装
置コストを安価にすることができる。
【0033】このように、永久磁石1の加工精度が容易
になり、L形形状のヨーク10の加工も極めて容易であ
り、前記の如く安価な高性能の磁気センサ装置の提供が
可能となり、その普及度が上がり、産業分野における利
用の貢献度は頗る大となる。
【0034】なお、本発明は上記実施例に限定されるこ
とはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記
実施例では、ヨーク10をL形形状に形成したが、例え
ば、図3の(a)に示すように、三角形状の先端面を平
坦にして磁場集束端とした略円錐形のヨークとしてもよ
く、あるいは、同図の(b)に示すように、断面T字形
状のヨーク10としてもよい。このT字形状のヨーク10の
場合には、その中心部の突出先端面が磁場集束端として
機能することとなる。
【0035】一般に、永久磁石1の磁極面上の磁束密度
の分布は、図7の(a)に示す如く、磁極面の両端側で
磁束密度が大きくなる。前記本実施例のように、0.4 mm
という薄板のL形形状のヨーク10を永久磁石1の磁極面
に固定配設した構成では、L形折曲部が永久磁石1の端
部に位置しているため、L形先端の磁束密度が永久磁石
1の端面部の磁束密度に対応し、L形折曲部を永久磁石
1の中央部に位置させるよりも端部に位置させた方がL
形先端の磁束密度を大きくすることができる。
【0036】図7の(b)に示すように、永久磁石1の
磁極面に多少厚目の板を載せると、その板面から発する
磁界の磁束密度はその中央部が高くなる。図3の(b)
に示すように、T字形状のヨーク10を用いる場合には、
ヨーク10の底面側の板厚を多少厚くすることにより、そ
の磁束密度は中心部が大きい分布形態となり、このよう
な分布形態となるようにT字形状のヨーク10の底辺の板
厚を設定することにより、中心部の突出先端面から出る
磁界の大きさを大きくすることができる。
【0037】ただ、図3に示すようなヨーク10の形態に
する場合には、切削加工を必要とし、上記実施例のよう
にヨーク10をL形形状に形成する場合に比べ、加工コス
トが高くなる。このため、好ましくは、本実施例のよう
に、ヨーク10をL形形状にすることが望ましい。
【0038】本実施例の磁気センサ装置を、例えば、周
囲に洗濯機や自動販売機のモータ等の外部磁界の影響を
受け易い場所で使用するような場合には、例えば、図1
の破線で示すように、少なくとも、磁気抵抗素子2a,
2bの裏面側に外部磁界を遮断する磁気シールド板14を
設けるようにすることが望ましい。
【0039】また、上記実施例では、1組の磁気抵抗素
子2a,2bを用いた、いわゆる1チャンネルの磁気セ
ンサ装置を例にして説明したが、2個の磁気抵抗素子を
1組として複数組の磁気抵抗素子を配列配置し、各組の
磁気抵抗素子ごとに分圧回路を構成した複数チャンネル
の磁気センサ装置としてもよい。この場合には、例え
ば、図1において、磁気抵抗素子2aと2bを組とする
複数組の磁気抵抗素子を紙面に直交する方向に複数配列
し、これに合わせて、ヨーク10の紙面に直交する方向の
長さも長くし、ヨーク10のL形先端を各組の磁気抵抗素
子2a,2b間の中央部に対向するように構成すること
となる。
【0040】さらに、本発明の磁気センサ装置は、必ず
しも磁気抵抗素子2a,2bでもって分圧回路を形成す
るように構成するとは限らず、例えば、図8に示すよう
に、磁気抵抗素子1個で1チャンネルの回路とし、1個
以上の磁気抵抗素子2を紙面に直交する方向に配列配置
し、各磁気抵抗素子2の中央部に対向させてヨーク10の
磁場集束端10aを配置するようにしてもよい。
【0041】さらに、この実施例では、ヨーク10のL形
の突出長を1mmとしたが、必ずしもこの寸法に限定され
るものではない。一般に、突出長を長くすると永久磁石
1の磁極面から出る磁界と明確に区別して磁場集束端か
ら磁性情報の検出に有効な磁界を放出することができる
が、あまりL形の高さを高くすると、磁場集束端から出
る磁界の強さが低下するので、L形屈曲部の高さがあま
り高すぎても好ましくなく、磁場集束効果とその出力レ
ベルの低下が許される範囲でL形の突出長を設定するこ
とになる。
【0042】
【発明の効果】本発明は、被検出体の走査通路を挟ん
で、その一方側には磁気抵抗素子を、他方側にはバイア
スマグネットの磁界を集束して分散放射するヨークを配
置する構成としたものであるから、被検出体の磁性情報
が磁気抵抗素子側に近づくことにより、ヨークから発せ
られる分散磁界は磁性情報に集束する結果、磁性情報の
有無によって磁界変化が明確に現れ、この磁界変化が磁
気抵抗素子によって検出されることで、被検出体の磁性
情報を高分解能の下で読み取り検出することが可能とな
る。
【0043】また、2個の磁気抵抗素子を1組として分
圧回路を形成し、ヨークはL形に形成してヨークのL形
先端を磁場集束端として磁気抵抗素子間の中央部に対向
させた構成のものにあっては、被検出体の磁性情報が一
方側の磁気抵抗素子を通過するときと、磁気抵抗素子間
の中央部を通過するときと、他方の磁気抵抗素子を通過
するときとで、各場合の磁気変化が明確に磁気抵抗素子
によって検出される結果、磁性情報のビットが狭い間隔
で配置されたとしても、各ビット情報を明確に分離して
検出することが可能となり、互いに隣接する磁性ビット
の影響を受けることなくビット情報を的確に検出するこ
とが可能となる。
【0044】さらに、磁気バイアスマグネットの面にヨ
ークを固定し、そのヨークの磁場集束端から分散磁界を
放出するように構成したことで、磁気バイアスマグネッ
トの磁極面の加工は従来例のように高精度に加工する必
要はなく、通常の加工精度でよいので、マグネット磁極
面の加工が非常に容易となり、その分、加工コストを低
減することが可能である。
【0045】さらに、前記ヨークをL形形状にすること
により、そのL形の加工が極めて容易となり、生産の効
率化を図り、大幅なコスト低減が可能となる。
【0046】さらに、磁気バイアスマグネットの一端側
を磁気抵抗素子間の中央部にほぼ一致させて配置した構
成のものにあっては、前記L形ヨークのL形先端面から
出る磁界(磁力線)の倒れ角度を大きくすることがで
き、したがって、被検出体の磁性情報の有無によって磁
力線の倒れ角度が大きく変化することとなり、この磁力
線の倒れ角度の大きな変化が磁気抵抗素子で検出される
こととなるので、磁気情報の検出分解能をさらに一層高
めることが可能となる。
【0047】さらに、磁気抵抗素子の裏面側に磁気シー
ルド板を配置した構成のものにあっては、洗濯機や自動
販売機のモータ等の外部磁界の影響を受け易い場所に磁
気センサ装置を設置しても、この磁気シールド板によっ
て外部磁界を遮断することができるので、前記本発明の
本来持つ高分解能の検出性能が外部磁界によって害され
るということがなく、外部磁界が存在する環境下におい
ても、高分解能の下で被検出体の磁性情報を検出できる
という優れた効果を奏することができると共に、このよ
うな外部磁界の環境下で使用する市場にも受け入れら
れ、汎用性も高まる。
【0048】さらに、本発明では、閉磁気回路を作るた
めの馬蹄形マグネットを用いることはないので、装置の
小型化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気センサ装置の一実施例を示す
要部構成図である。
【図2】同実施例における磁気抵抗素子と永久磁石とヨ
ークとの配置態様を示す説明図である。
【図3】本実施例の装置に使用されるヨークの他の構成
例を示す説明図である。
【図4】本実施例の磁気センサ装置を用いた磁性情報の
検出波形図である。
【図5】同じく本実施例の磁気センサ装置を用いた磁気
カードの11個の磁性ビットの読み込み結果の波形図であ
る。
【図6】本実施例における磁性情報検出の動作例の説明
図である。
【図7】永久磁石の磁極面から出る磁界の磁束密度の説
明図である。
【図8】本発明の他の実施例の構成説明図である。
【図9】図13に示す磁気センサ装置を用いてカードの磁
性情報を検出したときの波形図である。
【図10】磁性ビットの読み取り実験に使用した磁気カー
ドの説明図である。
【図11】従来の一般的な磁気センサ装置の説明図であ
る。
【図12】磁気センサ装置の分圧回路の説明図である。
【図13】出願人が先に提案している磁気センサ装置の構
成説明図である。
【符号の説明】
1 永久磁石 2,2a,2b 磁気抵抗素子 10 ヨーク 13 情報ビット 14 磁気シールド板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/39

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気情報が設置された被検出体の走査通
    路を挟んでその一方側には1個以上の磁気抵抗素子が、
    他方側にはヨークが配置され、ヨークの裏面側には磁気
    バイアスマグネットが固定配設され、ヨークの表面側か
    らは前記走査通路の反対側の磁気抵抗素子側に向けて磁
    場集束端が突設されていることを特徴とする磁気センサ
    装置。
  2. 【請求項2】 磁気抵抗素子は2個を1組とした分圧回
    路を形成し、ヨークはL形形状と成し、ヨークのL形先
    端を磁場集束端として分圧回路を形成する磁気抵抗素子
    間の中央部に対向させたことを特徴とする請求項1記載
    の磁気センサ装置。
  3. 【請求項3】 磁気バイアスマグネットはその一端側を
    磁気抵抗素子間の中央部にほぼ一致させて配置したこと
    を特徴とする請求項2記載の磁気センサ装置。
  4. 【請求項4】 少なくとも磁気抵抗素子の裏面側には磁
    気シールド板が配置されていることを特徴とする請求項
    1又は請求項2又は請求項3記載の磁気センサ装置。
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