JPH0810549A - 旋回流形粉体捕集装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シェーキングに要する時間が極めて短く、小
形で、軽量微細な粉体までを捕集することの出来る捕集
装置を提供する。 【構成】 旋回胴２と捕集胴３とからなる旋回流発生機
構を濾過胴１の下に接続し、旋回胴２には空気吹き込み
ダクト21を切線方向に向けて取り付けて、浄化しようと
する空気を旋回胴２に吹き入れて胴内に旋回流を生じさ
せ、この旋回する空気を濾過胴１に送り込んで、空気に
含まれる粉体を濾別すると共に、濾過胴１には外側から
内側に向けて空気を吹き込むことによりシェーキングを
し、外周面11から吹き落とした粉体は、濾過胴１の旋回
流を利用して捕集胴３に導いて捕集するように構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、空気中に浮遊する軽量
微細な粉体を空気から濾別して捕集し、空気を清浄にす
る装置に関し、特に濾壁を円筒状に形成すると共に、空
気をその中で旋回させることにより、シェーキングに要
する時間を著しく短縮して、粉体の濾別効果を高めるよ
うにしたことを特徴とするものである。

【０００２】

【従来の技術】食品や医薬品、或いは工業材料等の粉体
を製造したり、加工したりする装置や、その装置を備え
た作業室等では、工程の途中で生じる粉体や、製品とし
て生成される粉体の一部が舞い上がって浮遊状態になる
ことが多い。殊に、作業室内に舞い上がった粉体は、室
内の空気を汚染して作業環境を悪くするし、加工装置の
上に沈降して装置の運転を不能にすることさえある。そ
のため、このような装置や作業室にはバッグフィルタ方
式やサイクロン方式の集塵機が備えられていて、この粉
体が有用なものである場合は、これを捕集して製品又は
半製品として利用し、これが無用な粉塵や埃等である場
合は、捕集して廃棄処分すると共に、空気を清浄にして
放出するようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来の集塵機
の内、バッグフィルタ方式の集塵機は、適当な布目の濾
布を用いて形成された円筒状又はドラム状のフィルター
バッグに空気を吹き入れるもので、空気は濾布を通過し
て機外に放出され、一方、その空気に含まれていた粉体
は、濾布により濾別されてフィルターバッグに残留す
る。この粉体は、フィルターバッグの内面に付着して、
所謂目詰まりを起こす。そのため、この方式の集塵機に
は、シェーキング機構が備えられていて、一定時間が経
過する度に、又は濾過能率が一定以下に低下する度にフ
ィルターバッグへの空気の吹き入れを止めて、フィルタ
ーバッグの濾布に振動を与えて付着した粉体をふるい落
としたり、濾布に空気を吹き付けて粉体を吹き落とした
りするようになっている。物品の製造装置や加工装置か
ら生じて作業室内に浮遊して、室内の空気を汚すような
粉体は、生成する量も多いうえに、軽量微細で、フィル
ターバッグの目詰まりを起こし易いので、この空気を処
理対象とするときは集塵機は、頻繁にシェーキングをす
る必要がある。ところが、このような集塵機では、空気
の処理量が多くてフィルターバッグが大きいため、これ
に吹き入れられる空気によりその中では乱流が生じてい
る。又、シェーキングをすると、フィルターバッグ内に
は空気の新たな乱れが生じる。しかも粉体は軽量微細で
僅かな乱流でも舞い上がり、浮遊し易いために、シェー
キングをしたときは、フィルターバッグ内の空気の乱れ
が完全に収まり、粉体が充分に沈降してフィルターバッ
グから取り出されるまで、新たな空気の吹き込みを止め
ておかなければならないので、シェーキングに長時間を
要すると云う不具合がある。又、そのためにシェーキン
グをする間隔を長くせざるを得ないので、フィルターバ
ッグを大形のものにしなければならないと云う不具合も
ある。一方、サイクロン方式の集塵機は、空気の処理能
力が大きいり点があるが、軽量微細な粉体は捕集するこ
とが出来ないと云う不具合がある。本発明は、シェーキ
ングに要する時間が極めて短く、小形で、軽量微細な粉
体までを捕集することの出来る捕集装置を提供すること
を目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、旋回胴と捕集
胴とからなり、旋回胴には空気吹き込みダクトを取り付
けた旋回流発生機構を濾過胴の下に接続し、浄化しよう
とする空気を旋回胴に吹き入れることにより空気を濾過
胴に送り込んで、空気に含まれる粉体を濾別すると共
に、濾過胴の内周面に付着する粉体は、濾過胴の外側か
ら内側に向けて空気を吹き込むことによりシェーキング
をして吹き落として、捕集胴に導いて捕集するものであ
り、殊に、空気吹き込みダクトは旋回胴に切線方向に向
けて取り付けて、浄化しようとする空気を旋回胴に吹き
入れることにより胴内に旋回流を生じさせ、この旋回流
により濾過胴内の空気も旋回させて、シェーキングによ
り内周面から吹き落とした粉体は、濾過胴の旋回流を利
用して捕集胴に導いて捕集するように構成した手段によ
り、上記した課題を解決している。

【０００５】

【作用】本発明は、濾過胴内に旋回流を生じさせ、その
濾面の外側から内側に向けて空気を吹き込んでシェーキ
ングをすることにより、濾過胴内ではこの空気により殆
んど乱流を生じることなく、緩やかに旋回しながら下降
する。濾濾面から吹き落とされた粉体は、この旋回流に
より速やかに捕集胴に入り込み、捕集される。

【０００６】

【実施例】以下、本発明に係る旋回流形粉体捕集装置を
図示の実施例に基づいて具体的に説明する。この実施例
では粉体の捕集装置は、濾過胴１と旋回流発生機構、及
びシェーキング機構とから成る。濾過胴１は、円筒状を
なしており、その外周面11が濾布を用いて形成されてい
て、この面11で空気を濾過するようになっている。又、
この濾過胴１の上面12は有蓋で、その上にシェーキング
機構が取り付けられており、下面は無底でここに旋回流
発生機構が接続されている。旋回流発生機構は、濾過胴
１の下縁とほゞ同一経のドラム状に形成された旋回胴２
と濾斗状に形成された捕集胴３とによって構成されてお
り、旋回胴２には空気吹き込みダクト21が切線方向に向
けて取り付けられていて、濾過処理をしようとする空気
がこれを通って旋回胴２に吹き込まれるようになってい
る。又、捕集胴３の下端には粉体取出し口33が形成され
ていて、捕集胴３に落ち込んだ粉体をここから取り出す
ようになっている。尚、図示の実施例では、粉体取出し
口33にはモータ32により自動的に開閉する方式のバルブ
31が取り付けられており、これがシェーキング機構に接
続されていて、空気を濾過しているとき、即ち旋回胴２
に空気を吹き込んでいるときはこれを閉じ、シェーキン
グ機構が作動している間は、バルブ31が開くようになっ
ている。シェーキング機構は、回転軸４と一本、若しく
はそれ以上の空気噴出管５、モータ６、及び送風機７と
により構成されている。回転軸４は、濾過胴１の上面12
の中央に設けられており、モータ６に連絡されていて、
適宜な速度で回転するようになっている。一方、空気噴
出管５は回転軸４に接続されており、濾過胴１の外周面
11に近接して設けられていて、回転軸４が回転するにし
たがって、濾過胴１の外周面11に沿って旋回する。又、
回転軸４は管体を用いて形成されていて、これに送風機
７が接続されており、一方、空気噴出管５には濾過胴１
の外周面11に向けて数個の噴気孔51が穿けられていて、
送風機７から回転軸４に空気を送り込みながら、この軸
４を回転させると、その空気が噴気孔51から噴出され
て、濾過胴１の外周面11の外側から内側に向かって吹き
込まれるようになっている。

【０００７】軽量微細な粉体を含む空気を旋回胴２に吹
き込むと、空気は旋回胴２内で旋回流となって濾過胴１
に入り、胴１内を旋回しながら上昇する。そしてこの空
気は、濾過胴１の外周面11を通過して機外に放出され
る。一方、粉体はここで濾別されて胴１内に残留する。
濾別された粉体が一定量に達するか、或いは一定時間が
経過したところで、旋回胴２への空気の吹き込みを止
め、シェーキング機構を作動させて、空気噴出管５を濾
過胴１の外周面11に沿って旋回させながら、濾過胴１の
外周面11の外側から内側に向かって空気を吹き込ませ
て、外周面11の内面に付着した粉体を内面から吹き離
す。このとき、濾過胴１内の空気は慣性により緩やかに
旋回を続けているので、空気噴気孔51から吹き入れられ
る新たな空気は、この空気に混じって旋回する。又、こ
のとき、捕集胴３の下端のバルブ31を開けることによ
り、濾過胴１内では、空気が旋回しながら下降するの
で、粉体は静止した空気の中にある場合よりも速やかに
下降する。そして、粉体は捕集胴３に入り、粉体取出し
口33から落下して捕集される。尚、上記において、旋回
胴２に空気を吹き込むと、濾過胴１内に旋回流が生じる
だけでなく、捕集胴３の中にも旋回流が生じる。そのた
め、捕集胴３の中央部分は圧力が低下する。その圧力
は、濾過胴１の外周面11に付着する粉体の量が増加し
て、空気が外周面11を通過する際の抵抗が大きくなるに
従って高くなる。そして、粉体の量が一定以上になり、
換言すれば、濾過胴１の外周面11の目詰まりの度合いが
一定以上になって、空気が外周面11を通過する際の抵抗
力が一定以上になると、この圧力が大気圧よりも高くな
り、捕集胴３内の空気が粉体吹出し口33から出始める。
従って、粉体吹出し口33から空気が出始める点を、シェ
ーキングを開始する目安とすることも出来るのである。
又、この粉体捕集装置の作業基準を、粉体吹出し口33か
ら空気が出始めるか、またはそれ以前にシェーキングを
行なうように設定すれば、粉体吹出し口33には必ずしも
バルブ31を取り付ける必要はないのである。

【０００８】

【発明の効果】以上詳述したように本発明は、旋回胴と
捕集胴とからなる旋回流発生機構を濾過胴の下に接続
し、旋回胴には空気吹き込みダクトを切線方向に向けて
取り付けて、浄化しようとする空気を旋回胴に吹き入れ
ることにより、この空気が濾過胴で旋回しながら濾過さ
れる。そのため、旋回胴への空気の吹き込みを止めてシ
ェーキングを行っても、濾過胴内では空気が旋回を続け
るので、乱流が生じない。又、シェーキングは、濾過胴
の外側から内側に向けて空気を吹き込む方式としたの
で、吹き込まれた新たな空気は、濾過胴内の旋回流に合
流して旋回する。しかも濾過胴の下に捕集胴を備えたこ
とにより、濾過胴内では空気が旋回しながら下降する。
その結果、濾過胴内の粉体は速やかに捕集されるので、
シェーキングに要する時間が著しく短縮される。従っ
て、シェーキングを頻繁に行うことが可能となり、小形
で、粉体の濾別効果の高い装置が得られるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る旋回流形粉体捕集装置の一例を示
す一部切欠縦断面図である。

【符号の説明】

１ 濾過胴 ２ 旋回胴 ３ 捕集胴 ４ 回転軸 ５ 空気噴出管 ６ モータ ７ 送風機 11 外周面 12 上面 21 空気吹き込みダクト 31 バルブ 32 モータ 33 粉体取出し口 51 噴気孔

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 旋回胴と捕集胴とからなり、旋回胴には
   空気吹き込みダクトを切線方向に向けて取り付け、捕集
   胴の下端に粉体取出し口を形成した旋回流発生機構を円
   筒状の濾過胴の下に接続し、更に、濾過胴の外側には、
   外周面に近接した位置を、外周面に沿って旋回する空気
   噴出管を設けたものであり、且つ、空気噴出管には濾過
   胴の外周面に向けて数個の噴気孔を穿けたことを特徴と
   する旋回流形粉体捕集装置。