JPH08104946A - 靭性および延性に優れた高強度パーライト系レールおよびその製造法 - Google Patents

靭性および延性に優れた高強度パーライト系レールおよびその製造法

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JPH08104946A
JPH08104946A JP24316494A JP24316494A JPH08104946A JP H08104946 A JPH08104946 A JP H08104946A JP 24316494 A JP24316494 A JP 24316494A JP 24316494 A JP24316494 A JP 24316494A JP H08104946 A JPH08104946 A JP H08104946A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レール鋼のオキサイドメタラジーを活用した
延靭性改善。 【構成】 溶鋼をMg脱酸した C:0.55〜0.90%、Si:
0.10〜1.20%、Mn:0.50〜1.50%、 S:0.002 〜 0.035
%、Mg:0.0004〜0.01%、Al:0.0005〜0.05%を含む鋼
片を、熱間圧延終了後の冷却中にγ粒内に微細なMnS
を析出させ、γ細粒化とγ粒内からこのMnSを核とし
たパーライトを生成させることを特徴とする延性および
靭性に優れたレールおよびその製造法。上記成分系に必
要に応じてCr,Ni,Mo,Nbの1種以上を添加。上記成分
レールをγ域温度から700 〜 500℃間を1〜5℃/sec
で加速冷却する高強度高延・靭性レールおよびその製造
法。析出したMnSはレール鋼中に 0.1〜10μmの大き
さで、その個数が1mm2 あたり 600〜12000 個存在する
ことを特徴とする上記製造法により製造される延性およ
び靭性に優れた高強度レール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レール鋼のパーライト
組織を微細化して靭性および延性の向上を図った高強度
レールおよびその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、鉄道輸送は高荷重化、高速化が指
向され、レールに要求される特性がますます厳しくなっ
ている。高荷重鉄道では急曲線区間の摩耗対策、レール
頭部内部疲労損傷対策が要求され、高速鉄道では主とし
て直線区間の表面損傷が課題として挙げられている。こ
れらに加えて、寒冷地においては、冬季にレール破断が
集中的に発生する傾向が認められており、寒冷地鉄道で
のレール材の靭性改善は、安全な鉄道輸送に欠かせない
課題になっている。
【0003】また、鉄道輸送の高効率化のために、高速
化および貨物の重積載化が進められているが、これに伴
ってレール頭部の摩耗や疲労損傷が急速に増加しつつあ
る。このようなレール材の使用環境の過酷化、特に摩耗
の増加に対処するために、レール鋼の高強度化のための
技術開発が加速され、国内・外を問わず曲線区間のレー
ル材はほとんどすべて高強度レールが支配することとな
った。
【0004】しかし、一方ではレール鋼の耐摩耗性の向
上とともに、本来摩耗によって削り取られるべき疲労ダ
メージ層がレール頭表面、特に車輪フランジ付け根部が
押しつけられるゲージ・コーナー(GC)表面に残存
し、表面損傷を生成させる傾向が認められるようになっ
た。さらにレール鋼の耐摩耗性の向上は、車輪荷重のレ
ールGC内部での応力集中を一点に固定させることとな
り、レール頭部内部からの疲労損傷を急増させることと
なった。このようなレール頭部表面損傷性の改善および
内部疲労損傷に対する抵抗性を改善するためには、レー
ル材質として靭性および延性を向上させることが重要で
ある。
【0005】高強度レールの靭性および延性改善の方策
としては以下の方法が考えられる。 (1)普通圧延後一旦室温まで冷却したレール頭部を低
温度で再加熱した後、加速冷却する方法。 (2)制御圧延によりオーステナイト粒を微細化した後
レール頭部を加速冷却する方法。 (3)制御圧延した後、パーライト変態前で低温度に再
加熱し、その後加速冷却する方法。
【0006】レール鋼の靭性評価法としては、ロシアの
GOST規格によって定められた2mmUノッチシャルピ
ー試験における+20℃での衝撃吸収エネルギーがあ
り、同規格によれば高強度熱処理レールの+20℃での
衝撃吸収エネルギーは、0.25MJ/m2 以上が必要とさ
れている。また、レールの延性はレール頭部の疲労損傷
の生成に影響を与え、中国における高強度レールの延性
要求は、レール頭部GC内部10mm深さ位置から採取し
た平行部径6mm、平行部長さ30mmの引っ張り試験にお
いて、12%以上の伸び値が必要であるとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記方法の(1)で
は、大幅な靭性・延性改善のために特開昭55−125
231号公報に記載されているような通常の加熱温度よ
りも低い850℃以下の低温度に再加熱し、オーステナ
イト粒を微細にすることによって靭性および延性を改善
しようとするもので、低温度で加熱してかつレール頭部
内部まで加熱を深めようとすると、投入熱量を下げて長
時間加熱する必要がある。このため熱処理生産性を著し
く阻害し、製造コストを高める難点がある。
【0008】また、(2)の方法は特開昭52−138
427号公報および特開昭52−138428号公報に
記載されているように、圧延時のオーステナイト粒の細
粒化によって靭性・延性の向上を図ろうとすると、高温
での大圧下が要求され、レール圧延機の能力あるいはレ
ールの形状制御の観点からも問題を含んでいる。
【0009】さらに(3)の方法は、特公平4−437
1号公報に記載されているように、800℃以下で5%
以上の圧延を実施した後、再度750〜900℃に加熱
することによりオーステナイト粒を微細にしようとする
方法であり、圧延後に低温再加熱のための加熱炉を必要
とするため作業性、生産性、製造コストの観点から問題
が多い。
【0010】これに対して本発明者らは、Zr,Mn,
Siを脱酸元素として溶鋼に添加し、0.1〜10μm
のMnSの個数が1mm2 あたり、30〜10000個存
在する、パーライト微細組織を得ることによる延性およ
び靭性に優れた高強度レールの製造法を、特願平5−7
0193号で提案し、目的とする延性および靭性に優れ
た高強度レールの製造が可能となった。しかし、前記特
願平5−70193号の製造法では、MnSの微細化お
よび分散が必ずしも安定して得られない懸念があった。
そこで、本発明者らはさらに研究を重ねた結果、Mgに
よる溶鋼の脱酸、あるいはMgの含有により、パ−ライ
ト組織中のMnSの微細分散化が効率よく達成できるこ
とを知見し、靭性および延性に優れた高強度パ−ライト
系レールおよびその製造法の提供を可能にした。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の知見に基
づいて構成したもので、その要旨は、(1)重量%でC
:0.55〜0.90%、 Si:0.10〜
1.20%、Mn:0.50〜1.50%、 S
:0.002〜0.035%、Mg:0.0004〜
0.01%、 Al:0.0005〜0.05%を含有
し、必要に応じて、さらにCr:0.10〜1.0%、
Ni:0.10〜4.0%、Mo:0.10〜
0.50%、 Nb:0.01〜0.05%の1種
または2種以上を含有して残部が鉄および不可避的不純
物からなり、オーステナイト粒内のMnSを核として生
成したパーライト組織が存在し、かつ該パーライト組織
中に0.1〜10μmの大きさのMnS個数が1mm2
たり、600〜12000個存在することを特徴とす
る、靭性および延性に優れた高強度パーライト系レー
ル、(2)脱酸元素として少なくともMgを添加し、脱
酸処理を施して溶製した、重量%でC :0.55〜
0.90%、 Si:0.10〜1.20%、M
n:0.50〜1.50%、 S :0.002〜
0.035%、Mg:0.0004〜0.01%、 A
l:0.0005〜0.05%を含有し、必要に応じ
て、さらにCr:0.10〜1.0%、 Ni:
0.10〜4.0%、Mo:0.10〜0.50%、
Nb:0.01〜0.05%の1種または2種以上
を含有して残部が鉄および不可避的不純物からなる溶鋼
を、造塊・分塊法あるいは連続鋳造法を経て鋼片とし、
この鋼片を熱間圧延終了後そのまま、あるいは熱処理す
る目的でオーステナイト域温度に加熱したのち、レール
の頭部あるいはさらに底部を、該オーステナイト域温度
から冷却する際に700〜500℃間を1〜5℃/sec
で加速冷却し、オーステナイト粒内に微細なMnSを析
出させて該MnSによるオーステナイト粒の細粒化およ
び該MnSを核をしたパーライト組織を生成させ、かつ
該パーライト組織中に0.1〜10μmの大きさのMn
S個数が1mm2 あたり、600〜12000個存在する
ことを特徴とする、靭性および延性に優れた高強度パー
ライト系レールの製造法である。
【0012】表1はMg脱酸あり(A鋼:本発明鋼)、
なし(B鋼:比較鋼)にともなうパーライト変態挙動を
調査した供試鋼の化学分析値である。
【表1】
【0013】図1は、A,B鋼を溶解、20mm厚に熱
延、12mm角の熱サイクル試料を採取したのち、125
0℃×1min 保定後3℃/sec で冷却、さらにB鋼につ
いてはA鋼と同じオーステナイト粒径に揃えるため11
00℃×1min 保定し3℃/sec で冷却したときのパー
ライト組織である。1250℃処理においてB鋼−図1
(c)はA鋼−図1(a)に比べパーライト変態量が少
なく、オーステナイト粒径を揃えた処理においてもB鋼
−図1(b)はA鋼−図1(a)に比べパーライト変態
量が少ない。なお、このときのオーステナイト粒径番号
はA鋼1250℃処理−図1(a)が3.8、B鋼12
50℃処理−図1(c)が0、B鋼1100℃処理−図
1(b)が3.9であった。このようにMg脱酸によっ
てパーライト変態量が増加すること、特に粒内変態した
パーライトの増加が寄与していることが判明した。図1
(a,b,c)において黒く見える部分はパーライト組
織で、白く見える部分は未変態部分(マルテンサイト)
である。
【0014】図2および図3はA鋼のパーライト変態の
過程を知るために1250℃よりの冷却中、すなわち一
部パーライト変態が進行している温度にて急冷したとき
の組織の代表例である。パーライト変態は粒界より先行
するものの、粒内からも生成(図2(a))しているこ
とが明白である。この粒内より生成したパーライトを詳
細に検討した結果、粒内に微細分散しているMnSを核
にしてパーライト変態している(図2(b),図3
(a))事実を発見した。一方、B鋼においてもMnS
を核にした粒内パーライトが見られたがその数はA鋼に
比べ極めて少なかった。
【0015】図2において、(a)の黒く見える部分は
パーライト組織で、白く見える部分は未変態部分(マル
テンサイト)である。(b)の中央の黒い点はMnS核
で、そのまわりに広がるのがパーライト組織である。図
3(a)ではMnS核の部分のEPMA(X線マイクロ
アナライザー)による成分分析結果で、S,Mnの他に
Mg,Alが検出されている。なお、図3(b)は上記
と同様の方法で生成したB鋼のMnS核の部分のX線回
析による成分分析結果で、S,Mnのみが検出されてい
る。
【0016】さらに、パーライト変態核となるMnSを
抽出レプリカにより採取し、電子顕微鏡にて詳細に検討
を加えた。そこでA,B両鋼の1250℃処理材のMn
Sの粒径分布を抽出レプリカによる電子顕微鏡にて測定
し、両者を比較したのが図4である。この結果、明らか
にMg脱酸したA鋼は、Mg脱酸処理を行わなかったB
鋼に比べ、MnSが多量に微細分散していることが判明
した。
【0017】以上の事実を整理するとMg脱酸によって
Mg−Al系酸化物が多量に微細分散し、その酸化物を
核にしてMnSが生成し、MnSのピンニング効果によ
りオーステナイト粒の粗大化を阻止する。さらにパーラ
イト変態前後の冷却過程においてパーライトはまず粒界
より生成し、つぎに粒内に微細分散したMnSを変態核
として生成する。
【0018】本発明では、微細なMnSの分散にともな
うオーステナイト粒の細粒化により粒界から生成するパ
ーライトが増加していること、およびオーステナイト粒
内のMnSより直接パーライトを生成させることを特徴
としている。このように粒界から変態するパーライトに
加えて、粒内から変態したパーライトによってさらに著
しく組織が微細化し、これにともなって大幅な靭性およ
び延性の改善を図ることができる。
【0019】
【作用】以下に本発明について詳細に説明する。先ず、
パーライトの生成におけるMnSの役割について詳細に
検討した結果、MnSはオーステナイト粒径の粗大化を
阻止し、オーステナイト粒を細粒化し粒界変態パーライ
トを増加させること、さらにはMnSを核として直接パ
ーライト変態が生成する事実を発見した。パーライトは
冷却過程においてまずオーステナイト粒界より生成し、
温度の低下とともにMnSを核にして生成する。したが
って、細粒化したオーステナイト粒界から生成した多数
のパーライトに加え、MnSより生成したパーライトが
重畳することにより細粒のパーライトが生成する。この
ようなパーライト組織は微細であり、特に延性、靭性に
優れている。
【0020】この微細パーライト組織を得るためにはM
nSを鋼中に微細分散させることが有効であり、そのた
めにはMnSの核となる酸化物を微細分散させることが
必要で、特に脱酸元素が重要な要素となる。そこで脱酸
元素としてMgを限定した理由について述べる。本発明
における脱酸元素としてMgをC,Si,Mnあるいは
Al脱酸時に溶鋼中へ添加すると他元素に比べ鋼中の固
溶酸素との親和力が強いのでMg主体の酸化物を生成
し、一部は浮上するものの、溶鋼中に残存したMg酸化
物は凝集せず微細分散し冷却過程においてMnSの析出
核として作用する。その結果、MnSの個数と分布が制
御でき、オーステナイト粒の粗大化防止およびパーライ
トの変態核として有効に作用する。
【0021】次に、上記脱酸を行ったレール鋼の化学成
分を限定した理由について述べる。 C:Cは高強度化およびパーライト組織生成のための必
須元素である。0.55%未満では必要とする高強度の
パーライト組織が得がたく、また0.90%を超えると
オーステナイト粒界を脆化させる有害な初析セメンタイ
トを生成させるばかりか、レール頭部熱処理層や溶接部
の微小偏析部にマルテンサイトが生成し、靭性・延性を
著しく損なうため0.55〜0.90%に限定した。
【0022】Si:Siはパーライト組織中のフェライ
ト相への固溶体硬化による高強度化に寄与するばかり
か、わずかながらレール鋼の靭性・延性改善にも貢献す
る。0.10%未満ではその効果が少なく、1.20%
を超えると脆化をもたらし溶接接合性も減ずるので、
0.10〜1.20%に限定した。 Mn:MnはC同様にパーライト変態温度を低下させ、
焼入性を高めことによって高強度化に寄与する元素であ
る。しかし、0.5%未満ではその効果が小さくまた
1.50%を超えると偏析部にマルテンサイト組織を生
成させ易くするため、0.50〜1.50%に限定し
た。
【0023】S:Sはl一般に有害元素として知られて
いるが、本発明においてはオーステナイト粒内の酸化物
を核としてMnSが生成し、オーステナイトの粗大化を
阻止する役割およびMnSを変態核とするパーライト組
織を生成するため欠かせない元素である。しかし、0.
002%未満ではその効果は少なく、また0.035%
を超えるとMnSが多量に生成し過ぎ、靭性・延性を著
しく低下させるため0.002〜0.035%に限定し
た。
【0024】Mg:Mgは本発明の重要な構成要素であ
り、製鋼での脱酸剤が残存含有するものである。Mg系
酸化物はMnSの析出核として機能し、その分散がMn
Sの分布を支配し、生成したMnSがオーステナイトの
細粒化およびそれを核としたパーライト変態の生成に寄
与する。その結果、粒界変態パーライトと粒内変態パー
ライトの重畳による微細なパーライト粒からなるレール
鋼を得ることができるようになり大幅な靭性の向上を果
たすことができた。Mg含有量は0.0004%未満で
は、MnSの生成核としての効果が不十分であり、また
0.01%を超えて含有するとMg系酸化物が粗大化
し、靭性の低下をもたらすことからMg量を0.000
4〜0.01%の範囲に限定した。
【0025】Al:Alは製鋼での脱酸剤が残存含有す
るものである。AlはMgとの複合添加によりさらにM
g−Al酸化物の微細化に寄与するが、0.0005%
未満では微細化効果が不十分であり、一方、0.05%
を超えるとMg−Al酸化物が粗大化し、靭性の低下を
もたらすことから、Al含有量を0.0005〜0.0
5%の範囲に限定した。
【0026】さらに本発明においては、上記成分の他に
必要に応じて1種または2種以上のCr,Ni,Mo,
Nbの添加によって、フェライト地の靭性改善、レール
圧延のための加熱時のオーステナイト粒の、あるいは制
御圧延時のオーステナイト粒の細粒化によって、高靭性
を得ることができ、さらには冷却過程における加速冷却
によってより高強度と同時に高靭性を得ることができ
る。これらの化学成分を限定した理由を以下に説明す
る。
【0027】Cr:Crはパーライト変態温度を低下さ
せることによって高強度化に寄与すると同時に、パーラ
イト組織中のセメンタイト相を強化する作用を有するこ
とから溶接継ぎ手部軟化防止の観点より0.1%以上の
含有で有効である。一方、1.0%を超えて含有する
と、強制冷却時に元素偏析部のみでなく過冷却傾向の強
いレール肩部にべーナイトやマルテンサイトが生成し靭
性の低下をもたらす。したがって強度確保に一定の寄与
が期待されかつ靭性・延性を損なわない範囲内で、0.
1〜1.0%に限定した。
【0028】Ni:Niはlフェライト中に固溶しフェ
ライトの靭性を向上させるのに有効な元素であり、0.
1%未満の場合はその効果が極めて少なく、また4%を
超えて含有してもその効果は飽和する。したがって靭性
向上の観点より0.1〜4%の範囲に限定した。
【0029】Mo:Moはパーライトの変態速度を抑制
し、パーライト組織を微細化することから、靭性向上に
有効な元素である。さらに、Moは加速冷却時にレール
内部において、表面層のパーライト変態にともなう発熱
に連動した高温での変態誘起を防止し、レール内部の高
強度化に寄与し、硬化強度を高める。しかし、Moの
0.1%未満の含有では上記の効果は少なく、また0.
50%を超える含有ではパーライト変態速度を低下さ
せ、パーライト組織中にべーナイトやマルテンサイトを
生成させ靭性低下を招く。従って、Mo含有量は0.1
0〜0.50%の範囲に限定した。
【0030】Nb:Nbは熱間圧延時に低温加熱するこ
とによってNbの炭窒化物がオーステナイト粒成長を抑
制し細粒化に寄与する。また、高温加熱・低温仕上げ圧
延によって熱間圧延後のオーステナイト粒を細粒化し、
加速冷却後に得られるパーライト粒を細粒にする。この
ときNb添加量は0.01%以上を必要とし、0.05
%超であると粗大なNb炭化物、Nb窒化物、Nb炭窒
化物の生成によって靭性が低下する。したがってNb含
有量としては0.01〜0.05%の範囲に限定した。
不可避的不純物元素であるPは、レール鋼の靭性を向上
させるためにはできるだけ低減させることが望ましい。
【0031】前記のような成分組成で構成されるレール
鋼は、転炉、電気炉などの通常使用される溶解炉で前述
した脱酸を含む溶製を行い、この溶鋼を造塊・分解法あ
るいは連続鋳造法、さらに熱間圧延を経て製造する。熱
間圧延を終えたレールは、冷却中においてオーステナイ
ト粒内のMnSからもパーライトが生成し、オーステナ
イト粒界から生成するパーライトと共に微細なパーライ
ト粒を構成する。その結果、圧延ままで靭性の優れた高
強度レールを製造することができる。
【0032】さらに高靭性とともに高強度が要求される
場合には、圧延終了後あるいは、一度室温に冷却され熱
処理する目的で再加熱されたオーステナイト域温度から
700〜500℃間を1〜5℃/sec で加速冷却するこ
とによって一層の高靭性が得られる。これは、加速冷却
することにより低温でパーライト変態を生じるため、パ
ーライト変態核の生成速度が向上し、パーライト粒が微
細になる。この加速冷却時の冷却速度は1℃/sec 未満
の場合パーライトが粗大化し、5℃/sec 超の場合はマ
ルテンサイトが生成し、いずれも靭性の低下をもたら
す。従って冷却速度は1〜5℃/sec に限定した。
【0033】以上述べたように、加速冷却はオーステナ
イト粒界およびMnSからのパーライト変態において変
態核の増加をもたらし、パーライトの細粒化に寄与する
結果一層のレール鋼の靭性向上を達成することができ
る。この際冷却媒体は、空気あるいはミストなどの気液
混合物を用い、レール頭部もしくは底部の強度が、11
00MPa以上とすることが望ましい。
【0034】次に、レール鋼中の0.1〜10μmのM
nS個数を1mm2 あたり600〜12000個に限定し
た理由を述べる。十分な脱酸によって酸素が低減し微細
な酸化物が生成する。この酸化物を核として生成したM
nSはオーステナイト中に微細分散し、オーステナイト
の粗粒化を防止するとともにパーライトの発生核として
作用する。この時、0.1μm未満の大きさのMnSで
はパーライトの変態核とはなりがたく、また10μm超
のMnSを生成させるとMnSの絶対数が減少するた
め、MnSの大きさを0.1〜10μmに限定した。ま
た、MnSの個数を1mm2 あたり600〜12000個
に限定した理由は、600個未満のMnSではオーステ
ナイト粒の細粒化および粒内変態核としての効果が少な
く靭性・延性の改善効果は得られない。また12000
個超のMnSが生成するとレール鋼自体が汚染されてか
えって靭性・延性が低下することから、1mm2 あたりの
MnS個数を600〜12000個に限定した。
【0035】
【実施例】次に、本発明により製造した高靭性を有する
高強度レールの、製造実施例について述べる。表2は、
溶鋼にMgを添加して脱酸処理を行った場合とMgを添
加しなかった場合のレール鋼の化学成分を示す。表3は
レール鋼の冷却後の組織中に存在する0.1〜10μm
のMnS個数の測定結果および冷却後の組織中にMnS
を核とするパーライト粒内変態の存在有無の観察結果を
示す。Mg添加による脱酸を行った本発明鋼では、所定
の量の微細なMnSの生成が確認され、細粒化したオー
ステナイト粒界を起点としたパーライト組織とともに、
オーステナイト粒内からのMnSを生成起点としたパー
ライト組織の生成が確認された。
【0036】表4は圧延まま、および強度を一定とする
ために化学成分毎にオーステナイト域温度から700〜
500℃間を冷却速度1〜5℃/sの範囲で変化させた
加速冷却後のレール鋼の引張試験強度、伸びおよび2mm
Uノッチシャルピー試験における+20℃での衝撃吸収
エネルギー測定結果を示す。引っ張り試験はレール頭部
GC内部10mm深さ位置から採取した平行部径6mm、平
行部長さ30mmの試験片で行った。この結果本発明鋼
は、従来比較鋼に比べて十分にパーライト微細組織の効
果としての延性の改善が認められた。衝撃試験片はレー
ル頭部1mm下より採取した。この試験条件は熱処理レー
ルにおける靭性を規定したロシアのGOST規格に基づ
くもので、同規格によれば高強度熱処理レールの+20
℃での衝撃吸収エネルギーは0.25MJ/m2 以上が必要
とされており、本発明のMg添加による脱酸を行うこと
によってオーステナイト粒内からもパーライト変態を生
成させた微細パーライト組織鋼は、いずれもGOST規
格に定められたシャルピー吸収エネルギーを十分に満た
している。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【発明の効果】Mg添加による脱酸によりMnSのサイ
ズ、個数を制御することによってオーステナイト粒を細
粒にし粒界より生成するパーライトを細粒化すること、
およびMnSをパーライト変態核として活用することに
よって、よりパーライト粒が細粒化する。さらに加速冷
却によってもパーライト粒は微細化し、0.25MJ/m2
以上の衝撃吸収エネルギーを得ることができる。本発明
により靭性、延性に優れた高強度レールを製造できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明鋼の、熱処理後のパーライト組
織を示す金属組織写真。(b),(c)は比較鋼の、熱
処理後のパーライト組織を示す金属組織写真。
【図2】(a)は本発明鋼の、パーライト組織を示す金
属組織写真。(b)は本発明鋼の、MnSの核からパー
ライト組織が成長していることを示す金属組織写真。
【図3】(a)は本発明鋼の、MnSの核のEPMAに
よる成分分析結果。(b)は比較鋼の、MnSの核のE
PMAによる成分分析結果。
【図4】本発明鋼と比較鋼のMnSの粒度分布を示す
図。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で C :0.55〜0.90%、 Si:0.10〜1.20%、 Mn:0.50〜1.50%、 S :0.002〜0.035%、 Mg:0.0004〜0.01%、 Al:0.0005〜0.05%を含有して残部が鉄お
    よび不可避的不純物からなり、オーステナイト粒内のM
    nSを核として生成したパーライト組織が存在し、かつ
    該パーライト組織中に0.1〜10μmの大きさのMn
    S個数が1mm2 あたり、600〜12000個存在する
    ことを特徴とする、靭性および延性に優れた高強度パー
    ライト系レール。
  2. 【請求項2】 重量%で C :0.55〜0.90%、 Si:0.10〜1.20%、 Mn:0.50〜1.50%、 S :0.002〜0.035%、 Mg:0.0004〜0.01%、 Al:0.0005〜0.05%を含有しさらに、 Cr:0.10〜1.0%、 Ni:0.10〜4.0%、 Mo:0.10〜0.50%、 Nb:0.01〜0.05%の1種または2種以上を含
    有して残部が鉄および不可避的不純物からなり、オース
    テナイト粒内のMnSを核として生成したパーライト組
    織が存在し、かつ該パーライト組織中に0.1〜10μ
    mの大きさのMnS個数が1mm2 あたり、600〜12
    000個存在することを特徴とする、靭性および延性に
    優れた高強度パーライト系レール。
  3. 【請求項3】 脱酸元素として少なくともMgを添加
    し、脱酸処理を施して溶製した、重量%で C :0.55〜0.90%、 Si:0.10〜1.20%、 Mn:0.50〜1.50%、 S :0.002〜0.035%、 Mg:0.0004〜0.01%、 Al:0.0005〜0.05%を含有して残部が鉄お
    よび不可避的不純物からなる溶鋼を、造塊・分塊法ある
    いは連続鋳造法を経て鋼片とし、この鋼片を熱間圧延終
    了後そのまま、あるいは熱処理する目的でオーステナイ
    ト域温度に加熱したのち、レールの頭部あるいはさらに
    底部を、該オーステナイト域温度から冷却する際に70
    0〜500℃間を1〜5℃/sec で加速冷却し、オース
    テナイト粒内に微細なMnSを析出させて該MnSによ
    るオーステナイト粒の細粒化および該MnSを核とした
    パーライト組織を生成させ、かつ該パーライト組織中に
    0.1〜10μmの大きさのMnS個数が1mm2 あた
    り、600〜12000個存在することを特徴とする、
    靭性および延性に優れた高強度パーライト系レールの製
    造法。
  4. 【請求項4】 脱酸元素として少なくともMgを添加
    し、脱酸処理を施して溶製した、重量%で C :0.55〜0.90%、 Si:0.10〜1.20%、 Mn:0.50〜1.50%、 S :0.002〜0.035%、 Mg:0.0004〜0.01%、 Al:0.0005〜0.05%を含有し、さらに Cr:0.10〜1.0%、 Ni:0.10〜4.0%、 Mo:0.10〜0.50%、 Nb:0.01〜0.05%の1種または2種以上を含
    有して残部が鉄および不可避的不純物からなる溶鋼を、
    造塊・分塊法あるいは連続鋳造法を経て鋼片とし、この
    鋼片を熱間圧延終了後そのまま、あるいは熱処理する目
    的でオーステナイト域温度に加熱したのち、レールの頭
    部あるいはさらに底部を、該オーステナイト域温度から
    冷却する際に700〜500℃間を1〜5℃/sec で加
    速冷却し、オーステナイト粒内に微細なMnSを析出さ
    せて該MnSによるオーステナイト粒の細粒化および該
    MnSを核をしたパーライト組織を生成させ、かつ該パ
    ーライト組織中に0.1〜10μmの大きさのMnS個
    数が1mm2 あたり、600〜12000個存在すること
    を特徴とする、靭性および延性に優れた高強度パーライ
    ト系レールの製造法。
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