JPH08103428A - 核磁気共鳴装置用高周波コイル - Google Patents

核磁気共鳴装置用高周波コイル

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JPH08103428A
JPH08103428A JP6266051A JP26605194A JPH08103428A JP H08103428 A JPH08103428 A JP H08103428A JP 6266051 A JP6266051 A JP 6266051A JP 26605194 A JP26605194 A JP 26605194A JP H08103428 A JPH08103428 A JP H08103428A
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JP
Japan
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coil
high frequency
magnetic resonance
nuclear magnetic
frequency coil
Prior art date
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Application number
JP6266051A
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English (en)
Inventor
Tetsuhiko Takahashi
哲彦 高橋
Hiroyuki Takeuchi
博幸 竹内
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
Original Assignee
Hitachi Medical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】核磁気共鳴信号の受信等に用いる全身用高周波
(RF)コイルの高感度化を図る。 【構成】マルチプルエレメントレゾネータ方式のRFコ
イルにおいて、環状導電素子の形状を扁平にし、その長
軸寸法をA,短軸寸法をBとし、コイル長さ寸法をCと
したとき、各寸法の比について、A/Bが1.3 以上2
以下、B/Cが0.9 以上となるように構成する。 【効果】RFコイルの検出感度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は被検体中の水素や燐等か
らの核磁気共鳴(以下、「NMR」という)信号を検出
し、核の密度分布や緩和時間分布等を映像化する核磁気
共鳴装置用高周波(RF)コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】核磁気共鳴診断装置(以下、「MRI装
置」という)は、NMR現象を使って人体中のプロトン
の密度やプロトンのスピンの緩和状態を測定し人体の断
層画像を得るものである。典型的なMRI装置の構成を
図6に示す。静磁場磁石30は、被検体36の周りに強
く均一な静磁場を発生させる。通常は0.2T から2T
程度の磁場強度のものが使われる。0.5T 以上では静
磁場磁石に円筒状の超電導コイルを用いる。この磁石が
作る磁束の向きはZ方向である。傾斜磁場コイル31
は、静磁場磁石30の内側に配置され傾斜磁場制御部3
2の出力に従い、空間的に傾斜した磁場をパルス的に発
生する。この内側に高周波コイル(以下、「RFコイ
ル」という)33が設置される。RFコイル33はRF
磁場制御部34の出力に従い、X,Y平行面内を振動す
る高周波(RF)磁場を被検体36に送信し、もしくは
被検体36が発生するNMR信号を受信し、RF受信部
35に伝送する。RF受信部35の出力は信号処理部3
8で画像信号に変換され、表示部40で表示される。こ
れらの各部は制御部39で総合的に制御される。被検体
36はスライド型ベッド37の上に寝かせる。
【0003】RFコイル33には共振型のものが使わ
れ、その共振周波数は対象とする原子核の核磁気共鳴周
波数に等しい。0.5T でプロトンを検出する場合は約
21.3MHzである。RFコイル33は受信用と送信用が
一体化している場合と受信用コイルと送信用コイルが分
離されている場合がある。本発明はこれらの3種類のR
Fコイルに適用できるが、特に全身撮像用の受信用RF
コイルに適している。全身用RFコイルの従来例として
はマルチプルエレメントレゾネータ(以下、「MER」
と略す)やスロッテドチューブレゾネータ(以下、「S
TR」と略す)などがある。これらのRFコイルは基本
形状が円柱状であり、全身用の他頭部用RFコイルとし
ても使われる。MERの開示例として、特開昭60−1325
47号,特開昭61−95234 号がある。腹部用や小児用とし
ては、RFコイルを被検体に近づけフィリングファクタ
ー(コイルの有感領域の中で被検体が占める割合)をあ
げることによりRFコイルの感度を向上する手法が知ら
れており、これを実現する目的で楕円柱状のRFコイル
がある。
【0004】典型的な楕円柱状MERの従来構造を図7
に示す。図7において、楕円の長軸寸法をA,短寸法を
B,コイルの長さ寸法をCで示してある。楕円柱状ME
Rの従来例としては下記のものがある。楕円柱状MER
の第1の例として、第11回ソサイアティ・オブ・マグ
ネチック・レゾナンス・イン・メディソン予稿集,27
2頁,ビムソン他,「アン・エリプティカル・クロス・
セクション・バードケージ・ボディ・コイル」(Procee
dings of the 11th Society of magnetic resonance in
medicine, Bimson etal. An elliptical cross secti
on birdcage body coil) がある。この例では、楕円の
長軸寸法(A)は48cm,短軸寸法(B)は36cm,長
さ寸法(C)は48cmであり、それらの比はA/B=
1.33 ,A/C=1,B/C=0.75 である。給受
電ポート(D)は1か所である。
【0005】楕円柱状MERの第2の例として、第11
回ソサイアティ・オブ・マグネチック・レゾナンス・イ
ン・メディソン予稿集,4025頁,クークゼウスキー
他,「デザイン・オブ・エリプティカリー・シェイプド
・クオドラチャ・ペディアトリック・ボディ・コイル
ズ」(Proceedings of the 11th Society of magneticr
esonance in medicine, R.Kurczewski et al. Design o
f elliptically shapedquadrature pediatric body coi
ls)がある。この例では、2種類のRFコイルを開示し
ており、第1のRFコイルは、楕円の長軸寸法(A)は
40cm,短軸寸法(B)は30cm,長さ寸法(C)は4
0cm,A/B=1.33 ,A/C=1,B/C=0.7
5 である。給受電ポート(D)は2か所である。前出
の開示例と本開示例ではともにA/Cが1となってお
り、従来のコイル長が長軸とほぼ同じ値になるように設
計されていることが明らかである。本開示例における第
2のRFコイルでは、楕円の長軸寸法(A)は35cm,
短軸寸法(B)は25cm,長さ寸法(C)は40cmで、
A/B=1.4,A/C=0.875,B/C=0.62
5と、A/Cが1よりも若干小さいがこれも前述の設計
指針の1変形と見做せる程度である。その結果上記例で
は、B/Cが0.625≦B/C≦0.75になってし
る。
【0006】楕円柱状MERの第3の例として、第12
回ソサイアティ・オブ・マグネチック・レゾナンス・イ
ン・メディソン予稿集,1342頁,キャセイ他、「セ
オリティカル・カルキュレーション・オブ・ザ・オプテ
ィマム・カレント・デストリビューション・フォー・ア
ン・エリプティカル・バードケージ・RF・コイル」
(Proceedings of the 12th Society of magnetic reso
nance in medicine,Casey et al. Theoretical calcula
tion of the optimum current distributionfor an ell
iptical birdcage RF coil)がある。この例では、3値
類のRFコイルを開示しているが、理論計算における仮
定として長さ寸法が無限長、即ちC=無限大としてお
り、A/C=0,B/C=0である。即ち、本例ではコ
イル長の効果は考慮されていない。
【0007】RFコイルの長さ寸法が横方向と縦方向で
異なる例としては、第11回ソサイアティ・オブ・マグ
ネチック・レゾナンス・イン・メディソン予稿集,40
05頁,タカハシ他,「ローテショナリー・アシンメト
リック・クオドラチャー・プローブ・フォー・ボディー
・イメジング」(Proceedings of the 11th Societyof
magnetic resonance in medicine, Takahashi et al. R
otationally asymmetric quadrature probe for body i
maging)があるが、コイルの形状は楕円柱状ではなく円
柱状である。故に、A/B=1である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】楕円柱状RFコイルの
特徴は、コイルの径が小さくなりコイルが生体に近づく
ことにより高感度化される点にある。従来、この点にお
いて検討がされてきたが、更なる高感度化が望まれてい
る。しかし、RFコイルの内部に人体が配置されるた
め、必然的にRFコイルの径は制限される。従って、高
感度化にはおのずと限界があった。一方、前述のように
楕円柱状RFコイルのコイル長と感度の関係は従来必ず
しも十分には検討されていなかった。従来例を見るかぎ
り長軸とほぼ同等のコイル長が選ばれていた。
【0009】本発明の目的は、扁平度の大きい中空柱状
RFコイルのコイル長と感度の関係を検討し、コイル長
を最適化することにより、従来品に比べ格段に感度の向
上したRFコイルを提供することにある。なお、RFコ
イルの送信効率は受信感度とほぼ比例関係にあるので、
以下の記述では話の展開に応じて送信効率または受信感
度の改善として本発明の説明を行う。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では扁平中空柱状の核磁気共鳴装置用高周波
コイルにおいて、柱状体の端部に取付けられた1組の扁
平環状導電素子と、該扁平環状導電素子間を接続する複
数のほぼ平行に配列された線状導電素子と、1個以上の
導電素子に直列に挿入された共振用容量素子と、高周波
コイルを高周波回路に結合するための複数の給受電ポー
トとからなり、少なくとも1組の前記給受電ポートから
出力される高周波信号の位相差がほぼ90度であり、扁
平環状導電素子の長軸寸法Aと短軸寸法Bとの比A/B
が1.3 以上2以下であり、かつ前記短軸寸法Bとコイ
ル長さ寸法Cとの比B/Cが0.9 以上となるようにし
たものである(請求項1)。
【0011】さらに、本発明では上記の核磁気共鳴装置
用高周波コイルにおいて、扁平環状導電素子の短軸寸法
Bとコイル長さ寸法Cとの比が0.9≦B/C≦2 とな
るようにしたものである(請求項2)。
【0012】さらに、本発明では上記の核磁気共鳴装置
用高周波コイルを複数個その中心軸がほぼ一致するよう
にして、その軸方向に近接して配置し、各コイル間の磁
気結合を低減する機構を付加したものである(請求項
3)。
【0013】さらに、本発明では上記の核磁気共鳴装置
用高周波コイルにおいて、前記高周波コイルの共振用容
量素子は前記扁平環状導電素子に挿入されているように
したものである(請求項4)。
【0014】さらに、本発明では上記の核磁気共鳴装置
用高周波コイルにおいて、前記高周波コイルを高周波回
路に結合するための給受電ポートが前記高周波コイルと
磁気結合したピックアップコイルと、ピックアップコイ
ルに付帯した高周波給受電ポートとから構成したもので
ある(請求項5)。
【0015】さらに、本発明では上記の核磁気共鳴装置
用高周波コイルにおいて、前記給受電ポートが長軸に平
行な面と短軸に平行な面にあり、前記高周波コイルの長
軸の中央部分のコイル長C1が短軸部分のコイル長Cよ
り短くなるようにしたものである(請求項6)。
【0016】さらに、本発明では上記の核磁気共鳴装置
用高周波コイルにおいて、前記高周波コイルがその短軸
部分で分割可能としたものである(請求項7)。
【0017】
【作用】RFコイルの長軸寸法と短軸寸法の比を従来よ
りも大きくすることにより、RFコイルの長軸方向に平
行な面の給受電ポートの検出感度を向上する。これによ
り、RFコイルの短軸方向に平行な面の給受電ポートの
出力と長軸方向に平行な面の給受電ポートの出力を合成
して得られる信号のS/Nが向上する。また、発明者ら
の詳細な検討の結果によれば、このように扁平率の大き
いRFコイルでは最大検出感度を与えるコイル長が、従
来開示されている例とは全く異なることが明らかになっ
た。
【0018】以下、本発明の作用を詳細に説明する。対
象装置は0.5T のMRI装置である。RFコイルの基
本形状は8エレメントのハイパス型MERである。ME
Rは、少なくとも端部の1組の扁平環状導電素子と、扁
平環状導電素子間を接続する複数のほぼ平行な線状導電
素子と、一部の導電素子に直列に挿入された共振用容量
素子と、RFコイルを高周波回路に結合するための直交
する給受電ポートを含む共振型RFコイルである。受信
は各給受電ポートを介してRFコイルの短軸方向に平行
な面と長軸方向に平行な面とから独立になされ、これら
の受信信号は位相調整をしたのち合成される。従ってコ
イルはQD(quadrature detection)コイルとして動作
する。QDコイルのS/Nは短軸方向に平行な面の給受
電ポートのS/NをS/N1 、長軸方向に平行な面の給
受電ポートのS/NをS/N2 として(S/N)2=(S
/N1)2+(S/N2)2で与えられる。
【0019】次に2種類の扁平RFコイル、(1)中型
の楕円柱状コイルと(2)小型の矩形柱状コイルを考え
る。楕円柱状コイルの長軸寸法(A)は493mm,短軸
寸法(B)は330mmである。楕平率(A/B)は1.
5 である。矩形柱状コイルの長軸寸法(A)は400m
m,短軸寸法(B)は230mmである。扁平率(A/B)
は1.74である。どちらのRFコイルも扁平率が大き
い(1.5≦A/B≦1.74)ため、人体への密着性が良
く、長軸方向に平行な面の給受電ペートの出力が向上す
る。以上のことから、扁平RFコイルの扁平率(A/
B)の適正範囲としては人体の寸法を考慮した場合、上
記の扁平率に対し上,下に裕度をとり、1.3≦A/B
≦2が適当と判断される。この結果QDコイルとして動
作させたときもS/Nが向上する。負荷は人体の腹部,
胸部を模擬した直方体容器(横340mm,縦170mm,
長さ425mm)に入れた食塩水である。食塩濃度は、負
荷の高周波特性が人体の高周波特性とほぼ一致するよう
に選んだ。RFコイルの周囲には円筒状のRFシールド
が配置されている。図1は上記楕円柱状と矩形柱状のQ
Dコイルの検出感度を、コイル長の関数として示したも
のである。図からの次のことがわかる。楕円柱状コイル
ではコイル長さ(C)が240mm以下では検出感度はほ
ぼ一定である。従ってコイル長を240mm以下に短くし
ても検出感度は上がらない。一般にコイル長さが短くな
るとそれにほぼ比例してRFコイルのZ軸方向の視野が
狭まるのでコイル長さ240mm以下では、検出感度,視野
の双方からメリットが無いことが判る。一方コイル長さ
240mm以上では検出感度は次第に減少するものの、矩
形柱状コイルよりも高感度になることがわかる。しかし
楕円柱状コイルの場合でもコイル長さが360mm以上にな
るとその検出感度はコイル長さが250mmのときより1
0%以上低下してしまう。従って、この範囲ではコイル
形状を楕円状に小型化したことによる高感度化のメリッ
トが少なくなってしまう。
【0020】以上のことから、楕円柱状コイルの適した
コイル長さ(C)は、230mmから360mm程度であ
る。コイルの短軸寸法(B)は330mmなので、最適条
件をBとの関係で示せば、0.9≦B/C≦1.45とな
る。発明者らの検討によれば、このようにコイル長さに
最適値が存在する理由は次のように考えられる。MRI
装置用のRFコイルではノイズが主に被検体から発生す
る熱雑音に起因するため、コイル長さが短い方がコイル
の有感範囲が狭くなり、人体からのノイズの混入が少な
くなり高感度である。しかし極端にコイル長さが短くな
ると、コイル端部で磁束が拡がる結果、コイル中心部で
も感度が低下してしまう。そこで最適値が存在する。被
検体のノイズは高磁場(即ち高信号周波数)の方が大き
いが、上記最適値は1.0T や1.5T でも同様に存在
する。
【0021】図1において、QD矩形柱状RFコイルは
コイル長さ(C)が150mm以上では感度が次第に減少
する。この結果QD矩形柱状RFコイルの検出感度は、
コイル長さが250mm以下では前記楕円柱状RFコイル
よりも高感度であるが、250mmをこえると楕円柱状RF
コイルの方が高感度である。従って、矩形柱状RFコイ
ルではコイル長さは250mm以下が望ましい。コイルを
150mm以下にしても検出感度は上がらず、コイルの中
心軸方向の視野だけが狭まるので実用上望ましくない。
従ってこの矩形柱状RFコイルの適当なコイル長さ(C)
は150mmから250mm程度である。コイルの短軸寸法
(B)は230mmなので、0.9≦B/C≦1.55 が
最適な条件になる。この条件を前記楕円柱状RFコイル
の最適条件と比べるとB/Cの範囲がほぼ等しいことが
判る。即ちこのようにコイルの短軸寸法で規格化してコ
イル長さを表わすとコイルの形状によらず一般化された
設計指針が得られる。以上のことをまとめると、B/C
の適正範囲は、0.9 から1.6 の範囲である。実用的
な見地から見た場合、コイル長さ寸法Cは更に小さくす
ることも可能であるからB/Cの値は1.6 より大きく
しても実用価値は得られる。上記B/Cの範囲は、前述
した公知例に比べると1.4 倍から1.9 倍も大きく、
本発明のRFコイルが従来の設計思想とは異なるRFコ
イルであることが明らかである。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図を用いて説明
する。本発明の第1の実施例を図2に示す。この実施例
は0.5T プロトン検出用MRI装置に好適なRFコイ
ルである。静磁場はZ軸方向に形成されている。RFコ
イル33は通常コイル支持体(図5参照)に支持されて
いる。本実施例のRFコイル33は、ハイパス型8エレ
メントのMERで、形状は矩形柱状体である。RFコイ
ルの線状導電素子3302と環状導電素子3303は直
径が8mmの銅棒からなる。線状導電素子3302はコイ
ルの上面と下面にそれぞれ4本、計8本配置されてお
り、線状導電素子間は等間隔になっている。環状導電素
子3303には共振用容量素子(コンデンサ)3304が8
個ずつ直列に挿入されている。RFコイル33の環状導
電素子3303の形状は矩形になっているが、この長軸
方向を横方向,短軸方向を縦方向と呼んでおり、それぞ
れ被検体の体幅方向,体厚方向に対応している。コイル
本体の長軸方向に平行な面と短軸方向に平行な面に磁気
的に結合した8の字型ピックアップコイル(以下、「P
UC」と略す)3305,3306が配置され、コイル
本体はPUCの給受電ポート3307,3308を介し
て高周波回路と結合している。各給受電ポートから見た
RFコイル33の共振周波数がともに21MHzになる
ように共振用容量素子3304の値は調整してある。P
UCを用いた給受電ポートは、被検体の近くに配置され
たコイルの特性を安定化できる特徴がある。PUCは例
えば直径4mmの銅棒からなる。
【0023】本実施例のRFコイルの寸法は、長軸寸法
(A)が400mm,短軸寸法(B)が230mm,長さ寸
法(C)が150mmである。この時の扁平率(A/B)
は1.74 、B/Cは1.53 である。短軸方向に平行
な面の給受電ポート(横ポート)3307は長軸(X
軸)方向のRF磁場を検出し、長軸方向に平行な面の給
受電ポート(縦ポート)3308は短軸(Y軸)方向の
RF磁場を検知する。給受電ポート3307と3308
で検出した高周波信号の位相を90度ずらして合成する
ことにより、公知のQDコイルが実現できる。この時の
QDコイルの検出感度は1.18 であった。これに対し
他の寸法が同じでコイル長さのみ350mm(B/C=
0.66 )にしたものでは検出感度が0.92 であり、
これに比べ本実施例の出力は28%高感度である。また
本実施例のコイル長方向(Z軸方向)の視野(検出感度が
中心値の1/2以上の範囲)は190mmであった。本実
施例ではPUCは2ヵ所であるが、必要に応じて各PU
Cの対向する位置に第3,第4のPUCを設けても良
い。この構成は、3T以上の高磁場MRI装置のRFコ
イルの感度均一性や安定性の向上に有効である。
【0024】本発明の第2の実施例について説明する。
本実施例が第1の実施例と異なる点は、コイル形状が矩
形柱状でなく楕円柱状であることと、その寸法が大きく
なったことである。即ち、長軸402の寸法(A)は4
93mm,短軸403の寸法(B)は330mm,長さ寸法
(C)は250mmである。扁平率A/Bは1.49 ,B/
Cは1.32 ,A/Cは1.97 である。この時のQD
コイルの検出感度は1.05 であった。これに対しコイ
ル長さのみ400mm(B/C=0.825 ) にしたもの
の検出感度は0.90 であり、本実施例の出力はこれに
比べ17%高感度である。本実施例は基本的には送信
用,受信用どちらのRFコイルにも使用できる。また、
図示はしていないが公知のデカップリング回路を追加す
ることにより受信専用コイル、または送信専用コイルと
して動作させることができる。
【0025】図3に第3の実施例を示す。本実施例の特
徴は第1の実施例のRFコイル33が2個,コイル長さ
方向(Z方向)に近接して配置してある点である。但
し、図3では各単位コイルの線状導電素子やコンデンサ
の記載は省略してある。両コイルの中心軸401はほぼ
一致しており、コイル間の磁気結合を低減する機構が付
加されている。磁気結合を低減する機構は、コイル端部
のオーバーラップによる方法や補助コイルを用いる方法
などが考えられる。本実施例では、磁気結合を低減する
機構として、8の字状の補助コイル402と403を矩
形柱状体の長軸方向(横方向)及び短軸方向(縦方向)
に平行な面に設置している。給受電ポートは第1の実施
例と同様にPUCを用いた方式であるが、公知の容量結
合方式でも良い。信号の検出方法は公知のマルチプルコ
イルの信号検出方法を適用できる。即ち、まず各コイル
の2つの給受電ポート3307と3308の出力を互い
に位相が合うように調整してからアナログ的に合成し、
次にそれぞれの合成信号から各コイルで検出した画像を
計算する。次に各画像を別途計算した重み関数を用いて
結合する。
【0026】このようにして得た合成画像から換算した
RFコイルの等価的な検出感度は1.18 であった。即
ち本実施例のRFコイルでは複合前のRFコイル(第1
の実施例)に比べ信号のS/Nは低下していない。一
方、コイル中心軸(Z軸)方向の視野は、検出感度が中
心値の1/2になる範囲で示した場合、本実施例のRF
コイルでは34cmであった。従って、本実施例によれば
高感度を維持したままコイルの中心軸方向の視野を約2
倍に拡大できるという長所が得られる。なお、本実施例
で示した信号合成方法は一実施例であり、他に例えば信
号を全てデジタル的に処理する方法なども適用できる。
【0027】図4に本発明の第4の実施例を示す。本実
施例が第1の実施例と異なる点は、環状導電素子330
3が単純な矩形ではなくZ方向に折れ曲っており、その
結果実質的なコイル長さが長軸部分(横方向)と短軸部
分(縦方向)とで異なることである。図示の如く本実施
例では給受電ポートが短軸方向及び長軸方向に平行な面
に互いに直交して1組配置しており、それぞれ横方向
(X方向)の高周波磁場と縦方向(Y方向)の高周波磁
場を検出するが、発明者らの検討によれば、横給受電ポ
ートと縦給受電ポートの最適コイル長さは互いに異なる
ことがわかった。本実施例はその知見をもとに、図2の
第1の実施例を変形させたものであり、縦,横方向につ
いてそれぞれの最適値にコイル長さを一致させてある。
具体的には、長軸の中央部分のコイル長さをC1とし、
短軸部分のコイル長さをCとしたとき、C>C1とす
る。C−C1=0.2C 程度が適当な値であり、一例と
してC=20cm,C1=16cmとする。このときC=C
1=20cmの場合(図2の如き例)に比べ約5%検出感
度が向上する。円柱状RFコイルでは縦方向のコイル長
さを横方向のコイル長さより短くする方が高感度になる
ことが知られているが、本実施例のようにRFコイルの
扁平率が大きい場合には、横方向と縦方向との関係が逆
転していることがわかる。
【0028】次に、第1の実施例のRFコイルの実施例
を図5に示す。図5はZ軸に直交する断面である。RF
コイル33の導電素子3302と3303,PUC3305 ,
3306はコイル支持体3301に固定されている。コイル
支持体3301は例えばガラスエポキシ製である。RF
コイル33は上下に2分割できるようになっており、被
検体36への装着は容易である。RFコイルの分割部分
は公知の方法で接続可能である。具体的には、コイル支
持体3301と矩形環状導電素子3303は各々短軸
(縦方向)の2ヵ所で分割可能で、結合時には環状導電
素子3303は導電コネクタ501で接続され、コイル
支持体3301はガイド502とストッパー503で接
続される。導電素子の周囲は分割可能な保護カバー50
4で保護される。本実装例は上記の他の実施例のRFコ
イルにも適用できる。
【0029】上記の実施例では全身用RFコイルとして
ハイパス型MERを用いたが、共振用容量素子が線状導
電素子に直列に接続されたローパス型MERや、共振用
容量素子が楕円状導電素子と線状導電素子の両方にそれ
ぞれ直列に接続されたバンドパス型MERを用いること
も可能である。
【0030】さらに、上記に実施例では0.5T 用21
MHzのRFコイルを示したが、他の磁場強度,周波数
のRFコイルにも適用できる。例えば1.0T ,1.5
T のプロトン用RFコイルでは共鳴周波数が42MH
z,64MHzとより高くなる。これらの例では被検体
の影響がより大きくなるため、本発明の効果はより顕著
になる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、楕円柱状RFコイル,
矩形柱状RFコイルなどの扁平中空柱状RFコイルの形
状が楕円柱状の被検体に対し最適化されるので、コイル
の検出感度が向上し、良好なMR画像が得られる等の効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のコイル長さと検出感度の関
係。
【図2】本発明の第1の実施例をRFコイルの斜視図。
【図3】本発明の第3の実施例のRFコイルの斜視図。
【図4】本発明の第4の実施例をRFコイルの斜視図。
【図5】本発明のRFコイルの実装例を示す斜視図。
【図6】本発明が適用されるMRI装置の構成を示すブ
ロック図。
【図7】従来の柱状RFコイルを示す斜視図。
【符号の説明】
33 RFコイル 3301 コイル支持体 3302 線状導電素子 3303 環状導電素子 3304 共振用容量素子 3305,3306 ピックアップコイル(PUC) 3307,3308 給受電ポート 402,403 補助コイル 501 導電コネクタ 502 ガイド 503 ストッパー 504 保護カバー A 長軸寸法 B 短軸寸法 C,C1 コイル長ささ寸法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 24/04 520 A 9307−2G G01R 33/22

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】扁平中空柱状の核磁気共鳴装置用高周波コ
    イルにおいて、柱状体の端部に取付けられた1組の扁平
    環状導電素子と、該扁平環状導電素子間を接続する複数
    のほぼ平行に配列された線状導電素子と、1個以上の導
    電素子に直列に挿入された共振用容量素子と、高周波コ
    イルを高周波回路に結合するための複数の給受電ポート
    とからなり、少なくとも1組の前記給受電ポートから出
    力される高周波信号の位相差がほぼ90度であり、扁平
    環状導電素子の長軸寸法Aと短軸寸法Bとの比A/Bが
    1.3 以上2以下で、かつ前記短軸寸法Bとコイル長さ
    寸法Cとの比B/Cが0.9 以上であることを特徴とす
    る核磁気共鳴装置用高周波コイル。
  2. 【請求項2】請求項1記載の核磁気共鳴装置用高周波コ
    イルにおいて、扁平環状導電素子の短軸寸法Bとコイル
    長さ寸法Cとの比が0.9≦B/C≦2 であることを特
    徴とする核磁気共鳴装置用高周波コイル。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の核磁気共鳴装置用
    高周波コイルを複数個その中心軸がほぼ一致するように
    して、その軸方向に近接して配置し、各コイル間の磁気
    結合を低減する機構を付加したことを特徴とする核磁気
    共鳴装置用高周波コイル。
  4. 【請求項4】請求項1,2または3記載の核磁気共鳴装
    置用高周波コイルにおいて、前記高周波コイルの共振用
    容量素子は前記扁平環状導電素子に挿入されていること
    を特徴とする核磁気共鳴装置用高周波コイル。
  5. 【請求項5】請求項1,2または3記載の核磁気共鳴装
    置用高周波コイルにおいて、前記高周波コイルを高周波
    回路に結合するための給受電ポートが前記高周波コイル
    と磁気結合したピックアップコイルと、ピックアップコ
    イルに付帯した高周波給受電ポートとからなることを特
    徴とする核磁気共鳴装置用高周波コイル。
  6. 【請求項6】請求項1または2記載の核磁気共鳴装置用
    高周波コイルにおいて、前記給受電ポートが長軸に平行
    な面と短軸に平行な面にあり、前記高周波コイルの長軸
    の中央部分のコイル長C1が短軸部分のコイル長Cより
    短いことを特徴とする核磁気共鳴装置用高周波コイル。
  7. 【請求項7】請求項1,2または3記載の核磁気共鳴装
    置用高周波コイルにおいて、前記高周波コイルがその短
    軸部分で分割可能であることを特徴とする核磁気共鳴装
    置用高周波コイル。
JP6266051A 1994-10-06 1994-10-06 核磁気共鳴装置用高周波コイル Pending JPH08103428A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008532609A (ja) * 2005-03-10 2008-08-21 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 超短mriボディコイル

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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