JPH08103295A - 1,5−アンヒドログルシトールの測定方法 - Google Patents
1,5−アンヒドログルシトールの測定方法Info
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- JPH08103295A JPH08103295A JP24151794A JP24151794A JPH08103295A JP H08103295 A JPH08103295 A JP H08103295A JP 24151794 A JP24151794 A JP 24151794A JP 24151794 A JP24151794 A JP 24151794A JP H08103295 A JPH08103295 A JP H08103295A
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Abstract
測定方法は、グルコースおよび1,5−AGが共存する
試料に、グルコースを基質としかつ1,5−AGを基質
としない酵素(E1 )と、グルコースおよび1,5−A
Gの両方を基質とする酵素(E2 )とを同時に反応さ
せ、グルコースと酵素(E1 )との反応の結果生じる生
成物(P1 )とグルコースおよび1,5−AGと酵素
(E2 )との反応の結果生じる生成物の合計(P2 )を
独立に検出することを特徴とする。 【効果】 糖尿病のマーカーであるグルコースと1,5
−AGを同時に測定することができ、両方の指標によ
り、糖尿病の診断を容易にかつ確実に行うことができ
る。
Description
である1,5−アンヒドログルシトール(以下、1,5
−AGと略記する)の測定方法に関する。
して古くから知られている。特に血糖値の測定は糖尿病
診断あるいは治療効果の判定にもっとも頻繁に行われる
測定項目であり、酵素法、電極法など種々の測定方法が
実用化されている。
血清、尿中などに存在し、ある種の疾患、特に糖尿病に
おいて著しい濃度低下を来たすことが報告されている化
合物であり(赤沼安夫、戸辺一之:日本内科学会誌、8
0巻、1198〜1204頁、1991年)、近年、糖
尿病の診断マーカーとして使用されている物質である。
トグラフィー法によって行われていた(検査と技術、2
1巻、No. 6、407〜412頁、1982年)。しか
しながら、この方法は、被検液の処理として1,5−A
Gのラベル化が必要である上に、測定に長時間を要し、
多数の検体を同時に測定することが困難であり、しかも
分析機器の維持、管理に高度の技術を必要とするなどの
欠点があり、実際の臨床に応用するには不便であった。
酸化酵素を利用して1,5−AGを定量する方法が開発
された(特公平5−41238号公報)。しかしなが
ら、この方法では、ピラノースオキシダーゼがグルコー
スに対しても反応するため、血漿を検体とする場合に
は、血漿中に共存する多量のグルコースを除去するため
の前処理が必要であり、操作が煩雑であった。
ルコースおよび1,5−AGが共存する試料を液体クロ
マトグラフィーで処理してこれらを分離し、ピラノース
オキシダーゼを固定化したバイオセンサーを用いて、両
者を同時検出する方法が開示されている。しかしなが
ら、この方法では、グルコースおよび1,5−AGを分
離するための特別な分離カラムや、ピラノースオキシダ
ーゼの固定化といった、煩雑でコストのかかる工程が必
要であった。
る実情に鑑み、従来よりも簡単かつ低コストで1,5−
AGを測定することができる、酵素法による1,5−A
Gの測定方法を提供することにある。
G測定がグルコース共存下で難しい理由は、1,5−A
Gのみに特異的に反応する酵素が見い出されていないか
らである。しかし、グルコースのみに反応する酵素、お
よびグルコースと1,5−AGの両者に反応する酵素は
いずれも知られており、これらを組み合わせることによ
り、グルコース除去という前処理なしで非常に簡便に
1,5−AGを測定することができる。
をPとすると下記式の反応に従って進む。
種類の基質S1 およびS2 を基質にする酵素E2 を同じ
系で反応させたとき、それぞれの基質が各酵素に対して
過剰に存在すれば次式の各反応は、独立に進むと考えら
れる。
2 、V3 、各反応のミカエリス定数をKm1、Km2、Km
3、最大速度をそれぞれVmax1、Vmax2、Vmax3とする
と、各々の酵素反応速度式は、Michaelis-Menten式から
次式<1>’、<2>’、<3>’にと書き表される
([X]はXのモル濃度を表す)。
V1 /(Vmax1−V1)と求められ、また<2>、<3
>の生成物P2 、P3 を共通の検出系で測定すれば、V
2 +V3 が測定でき、
>、<3>の3つの素反応について、あらかじめKm1、
Km2、Km3、Vmax1、Vmax2、Vmax3を決定しておき、
同時反応系において、V1 とV2 +V3 を独立に測定す
ることができれば、S1 、S2 共存系において各々の濃
度がわかることになる。
であり、従来達成できなかった、グルコースと1,5−
AGが共存する試料中の各々の濃度を測定することがで
きる画期的な方法を提供するものである。
定方法は、グルコースおよび1,5−AGが共存する試
料に、グルコースを基質としかつ1,5−AGを基質と
しない酵素(E1 )と、グルコースおよび1,5−AG
の両方を基質とする酵素(E2 )とを同時に反応させ、
グルコースと酵素(E1 )との反応の結果生じる生成物
(P1 )とグルコースおよび1,5−AGと酵素(E2
)との反応の結果生じる生成物の合計(P2 )を独立
に検出することを特徴とするものである。
グルコースデヒドロゲナーゼ、酵素(E2 )としてピラ
ノースオキシダーゼをそれぞれ用い、グルコースと酵素
(E1 )との反応の結果生じる生成物(P1 )の指標と
してNADHを検出し、グルコースおよび1,5−AG
と酵素(E2 )との反応の結果生じる生成物の合計(P
2 )の指標として過酸化水素を検出するが好ましい。
酵素(E1 )とグルコースの酵素反応速度式(1)、酵
素(E2 )とグルコースおよび酵素(E2 )と1,5−
AGの各々の酵素反応速度式(2)(3)のミカエリス
定数Km11 、Km21 、Km22、および最大速度Vmax11
、Vmax21 、Vmax22 をあらかじめ求めておき、生成
物(P1 )の生成速度V11および生成物の合計(P2 )
の生成速度V21+V22を測定することによって、(4)
式および(5)式から、グルコースおよび1,5−AG
の濃度を算出する方法である。また、一般的に、酵素反
応では、反応液のpH、イオン強度、温度などの種々の
条件によつ反応速度が変化するので、1,5−AGの濃
度算出式(5)にしかるべき補正係数を乗ずることによ
って、1,5−AGの濃度を算出してもよい。
−AGを基質としない酵素には、例えば、グルコースデ
ヒドロゲナーゼ(EC1,1,1,47)ヘキソキナー
ゼ(EC2,7,1,1)、グルコキナーゼ(EC2,
7,1,2)などが用いられ、グルコースおよび1,5
−AGの両方を基質とする酵素としては、ピラノースオ
キシダーゼ(EC1,1,3,10)、ソルボースオキ
シダーゼ(EC1,1,3,11)などが用いられる。
また、これらの酵素の比活性は高いほど定量にとって良
好であることは言うまでもないが、必ずしも最高純度の
ものを要求するものではない。上記酵素の組み合わせと
しては、後述の実施例から明らかなようにグルコースデ
ヒドロゲナーゼとピラノースオキシダーゼが良好である
が、これに限定されるものではない。
しかつ1,5−AGを基質としない酵素とグルコースと
の反応の結果生じる生成物の検出系としては、グルコー
スデヒドロゲナーゼの場合には、例えば、生成するNA
DHの340〜350nmの吸光度を測定する方法があ
る。また、ヘキソキナーゼあるいはグルコキナーゼを用
いる場合には、生成するグルコース−6−リン酸をさら
にグルコース−6−−リン酸デヒドロゲナーゼおよびN
ADPと反応させることによって生成するNADPHの
340〜350nmの吸光度を測定する方法がある。一
方グルコースおよび1,5−AGの両方を基質とする酵
素とグルコースおよび1,5−AGとの反応の結果生じ
る生成物の検出系としては、ピラノースオキシダーゼ
(EC1,1−3−10)、ソルボースオキシダーゼ
(EC1,1−3−11)を用いる場合には、例えば生
成する過酸化水素をペルオキシダーゼおよび種々の過酸
化水素検出試薬と反応させ、比色定量する方法がある。
また、生成する過酸化水素の代わりに消費する酵素量を
任意の方法で測定しても良い。また、上記グルコースを
基質としかつ1,5−AGを基質としない酵素と、グル
コースおよび1,5−AGの両方を基質とする酵素とに
よる生成物の検出を吸光度を用いて測定する場合には、
各々の生成物の測定波長において互いに干渉しない組み
合わせ、例えば、グルコースデヒドロゲナーゼを用いる
NADHを検出し、ピラノースオキシダーゼを用いメチ
レンブルーを検出するという組み合わせが極大吸収波長
が大きく異なるため望ましい。
衝液、Tris、MopsなどのGoodの緩衝液などが挙げられ、
これらの緩衝液のpHは、酵素反応の最適pH領域、好
ましくは、5〜8に調整される。反応温度は、十分な酵
素活性が得られかつ酵素の失活の恐れが少ない20〜5
0℃が好ましく、30〜40℃がより好ましい。
料は、グルコースと1,5−AGが共存しているもので
あるならば、なんら制限されず、一般的に体液と呼ばれ
る血漿、血清、尿、髄液などが挙げられる。また、体液
中に共存する蛋白質を除去した試料なども用いられる。
明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。
い酵素としてグルコースデヒドロゲナーゼを用いた時の
グルコースとの酵素反応のKm 、Vmax の測定> メル
コテストGlucose キット(関東化学(株)、LotN
o.D3030)を用い、グルコースデヒドロゲナーゼ
とグルコースとの酵素反応のKm 、Vmaxを以下のよう
に測定した。D(+)−グルコース(試薬特級、和光純
薬(株)、LotNo.APG4682)をダルベッコ
のPBS(pH=7.4)に、濃度が0.00、0.2
5、0.50、1.00、2.00、5.00および1
0.00mg/mlになるように溶解し、メルコテスト
Glucose キットの酵素/補酵素を付属の緩衝液で規定量
に溶解した。上記各濃度のグルコース溶液3mlに酵素
/補酵素液0.1mlを添加し、350nmでの吸光度
の変化を紫外可視分光光度計(日本分光Ubest−5
50)にて、37℃で攪拌下タイムスキャンした。上記
各グルコース濃度での反応速度をグルコース濃度に対し
て、Lineweaber-Burk プロットし(図1)、このグラフ
の直線の傾きと縦軸切片から、グルコースデヒドロゲナ
ーゼとグルコースとの酵素反応のKm11 を0.015
6、Vmax11 を0.0799mM/minと決定した。
を基質としない酵素としてピラノースオキシダーゼを用
いた時のグルコースおよび1,5−AGとの酵素反応の
Km、Vmax の測定>D(+)−グルコースをダルベッ
コのPBS(pH=7.4)に、濃度が0.00、0.
25、0.50、1.00、2.00、5.00、1
0.00および50.00mg/mlになるように溶解
し、1,5−AG(生化学用、和光純薬(株)、Lot
No.TWQ5019)をダブルベッコのPBS(pH
=7.4)に、濃度が0.00、0.25、0.50、
1.00、2.00、5.00および20.00mg/
mlになるように溶解した。ピラノースオキシダーゼ酵
素液として、ピラノースオキシダーゼ“TAKARA”
(3.77U/mg)(宝酒造(株)、LotNo.1
3TADY(I))ペルオキシダーゼわさび製(100
U/mg)(生化学用、和光純薬(株)、LotNo.
PTJ7723)、高感度過酸化水素測定試薬DA−6
7(10−(Carboxymethylaminocarbonyl)−3,7−
bis (dimethylamino )−phenothiazine sodium salt
、生化学用、和光純薬(株)、Lot No. RSN939
1)を、濃度が3.1U/mlおよび1550μMにな
るように、McIlvaine 緩衝液(pH6.0)に溶解し
た。上記各濃度のグルコースおよび1,5−AG、3m
lに上記のように調製した酵素液0.1mlを添加し、
666nmでの吸光度の変化を紫外可視分光光度計(日
本分光Ubest−550)にて、37℃で攪拌下タイ
ムスキャンした。上記各濃度のグルコース、および1,
5−AGとピラノースオキシダーゼとの反応速度を各々
の濃度に対して、Lineweaber-Burk プロットした(図
2、3)。このグラフの直線の傾きと縦軸切片から、ピ
ラノースオキシダーゼとグルコースとの酵素反応のKm2
1 を0.0019、Vmax21 を0.0169mM/mi
n、ピラノースオキシダーゼと1,5−AGとの酵素反
応のKm22 を0.0248、Vmax22 を0.0104m
M/minと決定した。
1,5−AGの濃度の測定>グルコースおよび1,5−
AGを、それぞれ、以下の表1のような最終濃度になる
ように、ダルベッコのPBS(pH=7.4)に溶解し
た。上記のように調製したグルコースデヒドロゲナーゼ
酵素液とピラノースオキシダーゼ酵素液を1:1に混合
した。次に、各グルコース・1,5−AG混合サンプル
3mlに、グルコースデヒドロゲナーゼ、ピラノースオ
キシダーゼ混合酵素液0.2mlを添加し、各々、35
0nm、666nmでの吸光度の変化を紫外可視分光光
度計(日本分光Ubest−550)にて、37℃で攪
拌下タイムスキャンし、各サンプルの反応速度を測定し
た。結果を表2に示す。この反応速度と上記のように予
め決定したKm 、Vmax から、下記式により、それぞれ
の濃度を計算し、補正係数=3.5を乗ずると、表3の
ような結果となり、算出された実測値は良く一致した。
るグルコースと1,5−AGを同時に測定することがで
き、両方の指標により、糖尿病の診断を容易にかつ確実
に行うことができる。
素反応ミカエリス定数Km および最大速度の決定方法を
示すグラフである。
反応のミカエリス定数および最大速度の決定方法を示す
グラフである。
素反応のミカエリス定数および最大速度の決定方法を示
すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 グルコースおよび1,5−AGが共存す
る試料に、グルコースを基質としかつ1,5−AGを基
質としない酵素(E1 )と、グルコースおよび1,5−
AGの両方を基質とする酵素(E2 )とを同時に反応さ
せ、グルコースと酵素(E1 )との反応の結果生じる生
成物(P1 )とグルコースおよび1,5−AGと酵素
(E2 )との反応の結果生じる生成物の合計(P2 )を
独立に検出することを特徴とする1,5−AGの測定方
法。 - 【請求項2】 酵素(E1 )としてグルコースデヒドロ
ゲナーゼ、酵素(E2 )としてピラノースオキシダーゼ
をそれぞれ用い、グルコースと酵素(E1 )との反応の
結果生じる生成物(P1 )の指標としてNADHを検出
し、グルコースおよび1,5−AGと酵素(E2 )との
反応の結果生じる生成物の合計(P2)の指標として過
酸化水素を検出することを特徴とする請求項1記載の方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24151794A JP3670687B2 (ja) | 1994-10-05 | 1994-10-05 | 1,5−アンヒドログルシトールの測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24151794A JP3670687B2 (ja) | 1994-10-05 | 1994-10-05 | 1,5−アンヒドログルシトールの測定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08103295A true JPH08103295A (ja) | 1996-04-23 |
JP3670687B2 JP3670687B2 (ja) | 2005-07-13 |
Family
ID=17075526
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24151794A Expired - Fee Related JP3670687B2 (ja) | 1994-10-05 | 1994-10-05 | 1,5−アンヒドログルシトールの測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3670687B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0846773A1 (en) * | 1996-12-04 | 1998-06-10 | Daiichi Pure Chemicals Co., Ltd. | Method of quantitative assay for 1,5-anhydroglucitol and reagent for quantitative assay |
-
1994
- 1994-10-05 JP JP24151794A patent/JP3670687B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0846773A1 (en) * | 1996-12-04 | 1998-06-10 | Daiichi Pure Chemicals Co., Ltd. | Method of quantitative assay for 1,5-anhydroglucitol and reagent for quantitative assay |
US5871949A (en) * | 1996-12-04 | 1999-02-16 | Daiichi Pure Chemicals Co., Ltd. | Method of quantitative assay for 1,5-anhydroglucitol and reagent for quantitative assay |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3670687B2 (ja) | 2005-07-13 |
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