JPH0810321A - 細胞分取方法および細胞集団 - Google Patents

細胞分取方法および細胞集団

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JPH0810321A
JPH0810321A JP6167565A JP16756594A JPH0810321A JP H0810321 A JPH0810321 A JP H0810321A JP 6167565 A JP6167565 A JP 6167565A JP 16756594 A JP16756594 A JP 16756594A JP H0810321 A JPH0810321 A JP H0810321A
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JP
Japan
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cell
cells
monocytes
blood
monocyte
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Application number
JP6167565A
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English (en)
Inventor
Yoshihiko Nakamura
嘉彦 中村
Nobumasa Kobayashi
信昌 小林
Sadaki Inoguchi
貞樹 猪口
Shunichi Kato
俊一 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Medical Co Ltd
Original Assignee
Asahi Medical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 医療現場において、簡便かつ安全に使用でき
る、血液などの単球を含有する細胞集団からの単球除去
方法とその結果得られる目的細胞含有率の高い細胞集団
を提供する。 【構成】 少なくとも単球及び目的細胞を含有する血液
または骨髄由来の細胞集団を、前記目的細胞を分取する
に先立ち、滅菌されたナイロンウール塊に接触させて予
め単球を除去する細胞分取方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は血液など、単球を含有す
る細胞集団から種々の方法を用いて目的細胞を分離する
際に、分離操作の妨害となる単球を選択的に除去する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、モノクローナル抗体を用いた細胞
分離技術が発達し、生化学、免疫学、細胞生物学、血液
学等の分野で広範に用いられており(たとえば、Mor
ecki他、J.Biol.Response Mo
d.Vol.9,No.5,1990)、多くのものは
臨床応用が行われている。細胞分離技術を用いた治療と
しては、1)患者血液等の細胞集団から体外循環で病因
細胞を除去、2)患者血液等の細胞集団を体外に取り出
し、必要細胞だけを分離採取し、活性化等種々の操作を
行い、患者に再輸注する、などが行われており、1)は
主に自己免疫疾患等の治療に、2)は養子免疫療法によ
る癌治療等に用いられている。2)の一形態として自家
骨髄移植における造血幹細胞および/または造血前駆細
胞の選択的採取がある。これは、大量抗癌剤および/ま
たは放射線療法の副作用である骨髄荒廃により致死的造
血障害を、冷凍保存していた本人の骨髄などから採取し
た造血細胞(骨髄など)を再輸注することで回避しよう
というもので、乳癌などにおいて有効性が確認されてい
る(たとえば、向山雄人、日常診療と血液、3巻、8
号、1993)。ところが、癌患者の骨髄には癌細胞が
浸潤しており、これが再輸注されることによる再発も問
題となっている。この再発を減少させるため造血幹細胞
および/または造血前駆細胞の抗原「CD34」に対す
るモノクローナル抗体を用いた細胞分離器で、患者骨髄
などから造血回復に必要な造血幹細胞および/または造
血前駆細胞のみを選択採取して腫瘍細胞の含まれない骨
髄等を患者に戻すと、再発の低減が期待できることか
ら、近年、盛んに検討が行われている。また、他の2)
の形態として同種骨髄移植における造血幹細胞および/
または造血前駆細胞の選択的採取がある。これは、同種
移植の大きな問題点である移植片対宿主病(移植された
健康なドナーのリンパ球が患者を異物として認識し、攻
撃してしまうことにより消火器、皮膚、肝臓などが障害
される)を予防できることから、近年非常に注目されて
いる。これらの造血幹細胞および/または造血前駆細胞
の選択的採取に用いられる細胞分離器具としては、磁気
ビーズ、抗体結合フラスコ、アビジン−ビオチンカラム
等があるが(HematopoieticStem C
ell,Alphamed Press,1994)、
いずれもCD34抗原陽性細胞(造血幹細胞および/ま
たは造血前駆細胞、以下CD34+細胞と呼ぶ)の回収
率および純度が満足いくものでなかった。この原因と
して、細胞集団中の単球の存在が指摘されており、さら
にはその解決方法も明示されている(Hematopo
ietic Stem Cell,AlphamedP
ress,1994、186〜187ページ)。しかし
ながら、本法は単球の抗原「CD14」に対するモノク
ローナル抗体と磁気ビーズ、さらにはウシ血清等の試薬
を用いなければならず、コスト高で、煩雑なものであっ
た。また、滅菌を行うことは不可能であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上述べてきたよう
に、モノクローナル抗体を用いた単球除去法はコスト
高、煩雑であり、少量試料の処理ですむ基礎的研究にお
いてはやむなく用いられることもあるだろうが、大量の
細胞数を処理する医療現場における臨床用途としては甚
だ不適であった。また、滅菌が不可能という臨床用途と
して安全面で致命的な欠陥をもっていた。そこで、本発
明の目的は医療現場において簡便かつ安全に使用できる
単球除去法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、ナイロンウールを容器に充填し、滅菌後、
単球を含む細胞液と接触させたところ、後の分取工程の
目的細胞である造血幹細胞および/または造血前駆細胞
に対してよりも単球に対してナイロンウールが強い相互
作用をもち、結果として単球が選択的に除去された細胞
集団が得られることを見いだした。そして得られた細胞
集団をさらなる分取工程に供し、目的細胞である造血幹
細胞および/または造血前駆細胞の分取を行ったとこ
ろ、ナイロンウールを使用しなかったものと比べたとこ
ろ、分取成績が格段に向上していることを見いだした。
更に、あらかじめガンマグロブリン溶液を該器具内に導
入してから細胞集団を導入することにより、単球のさら
なる除去率向上、目的細胞の回収率向上の結果、分取成
績のさらなる向上が達成されることも見いだし、本発明
の完成に至った。
【0005】本発明による細胞分取方法は、少なくとも
単球及び目的細胞を含有する血液または骨髄由来の細胞
集団から、前記細胞集団を滅菌されたナイロンウール塊
に接触させて予め単球を除去させてから、さらなる細胞
分離に共することを特徴とする。また、本発明による細
胞集団は、少なくとも単球及び目的細胞を含有する血液
または骨髄由来の細胞集団から、前記細胞集団を滅菌さ
れたナイロンウール塊に接触させて単球が除去されてい
ることを特徴とする。
【0006】本発明に用いるナイロンウールは特に限定
されないが、生化学用としてTリンパ球/Bリンパ球分
離用として市販されているものが好適に用いられる。容
器としては特に限定されないが、市販の医療用ディスポ
ーザブルシリンジや市販の血液バッグが好適に用いられ
る。滅菌法としては高圧蒸気滅菌、ガンマ線滅菌法等が
あるが特に限定されるものではない。また、本発明にお
ける、少なくとも単球及び目的細胞を含有する血液由来
の細胞集団としては、末梢血(全血)、末梢血(全血)
を遠心分離器で分離した末梢血単核球画分、また近年注
目を集めている臍帯血などがあげられる。また骨髄由来
としては未処理骨髄あるいは骨髄を遠心分離器で分離し
た骨髄単核球画分などがあげられる。
【0007】本器具を用いた単球除去後に行う、さらな
る目的細胞分取方法としては、造血幹細胞および/また
は造血前駆細胞の抗原に対するモノクローナル抗体を用
いる方法が好適に用いられ、中でも磁気ビーズを用いる
方法、抗体結合フラスコを用いる方法、アビジン−ビオ
チンカラムによる方法が特に好ましい。
【0008】本発明における実質的に単球を含まない細
胞集団とは単球が処理前と比較して80%以上除去され
ている状態のことであり、さらに望ましくは90%以上
除去されている状態を言う。分取した造血幹細胞および
/または造血前駆細胞はこのまま、あるいは培養により
細胞数を増幅させてから自家造血幹細胞移植または同種
造血幹細胞移植に、更に、遺伝子導入して遺伝子治療に
用いられる。
【0009】本発明に用いるガンマグロブリンは、本発
明で分離した細胞集団を治療用途に用いる場合には、ウ
イルスの混入の無い、医薬品グレードのものを使用しな
ければならない。ガンマグロブリン処理により単球のナ
イロンウールへの吸着率が上昇し、目的細胞の回収率が
上昇する理由は明かではないが、目的細胞表面上に存在
するナイロンウールへの吸着部位をブロックするためと
考えられる。以下に実施例により本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0010】
【実施例1】 ナイロンウールカラムの作製 和光純薬製ナイロンウール1gを高圧蒸気滅菌を行った
後、無菌下で滅菌済みディスポーザブルシリンジ(25
ml)に均一に詰め、ナイロンウールカラムとした。 実験用検体 自家末梢血幹細胞移植を目的とした担癌患者(悪性リン
パ種、卵巣癌)からCOBE社製成分採血器COBE−
Spectraを用い常法により採取した後、公知のF
icoll−Conray比重遠心法にて単核球分画に
分離後、1%ヒトアルブミン添加RPMI−1640培
地(以下HSA/RPMI)にて3回洗浄し、実験用検
体とした。なお、本検体の総細胞数、CD34+ 細胞含
有率、単球含有率は以下のとおりであった。 単球除去操作 あらかじめガンマグロブリンをシリンジに充填し、HS
A/RPMIで軽くリンスした後、で調製した実験用
検体をナイロンウールカラムに加え、37℃で30分間
インキュベーションを行った。その後HSA/RPMI
にて非付着細胞を流出させた。この操作によって総細胞
数、CD34+ 細胞含有率、単球含有率は以下のとおり
となった。 CD34+ 細胞分取 で得られた細胞を抗CD34モノクローナル抗体と反
応後、抗マウスIgGl感作磁気ビーズを利用したバク
スター社製Isolex50により、CD34陽性細胞
を分取した。分取結果は以下のとおりでCD34陽性細
胞が高純度かつ高収率で回収できた。
【0011】
【実施例2】 ナイロンウールバッグの作製 川澄化学製600ml血液バッグの底部から約2cmを
水平に切断し、和光純薬製ナイロンウール10gを均一
に詰め、切断部を熱融着により密閉後、高圧蒸気滅菌を
行った。 実験用検体 自家末梢血幹細胞移植を目的とした担癌患者からCOB
E社製成分採血器COBE−Spectraを用い常法
により採取した後、COBE社製血球洗浄器COBE−
2991を用いて比重遠心法にて単核球分画に分離後、
0.5%ヒトアルブミン添加RPMI−1640培地
(以下HSA/RPMI)にて3回洗浄し、実験用検体
とした。なお、本検体の総細胞数、CD34+ 細胞含有
率、単球含有率は以下のとおりであった。 単球除去操作 あらかじめガンマグロブリンをシリンジに充填し、HS
A/RPMIで軽くリンスした後、で調製した実験用
検体をナイロンウールバッグに注入、37℃で30分間
インキュベーションを行った。その後HSA/RPMI
にて非付着細胞を流出させた。この操作で総細胞数、C
D34+ 細胞含有率、単球含有率は以下のとおりとなっ
た。 得られた細胞をさらに新しいナイロンウールバッグで同
様な操作を繰り返したところ、総細胞数、CD34+
胞含有率、単球除去率は以下のとおりとなった。 総細胞数(×109 ) CD34+ 細胞含有率 単球含有率 3.0 20.2% 4.2% CD34+ 細胞分取 で得られた細胞を実施例1のと同様な方法でCD3
+ 細胞分取を行ったところ、得られた分取結果は以下
のとおりで、CD34+ 細胞が高純度かつ高収率で回収
できた。
【0012】
【比較例】単球除去器具で検体を処理する以外は実施例
1と同様な操作を行ったところ、分取成績は以下のとお
りで、CD34+ 細胞の純度、回収率とも低く、またバ
ラツキが大きかった。
【0013】
【発明の効果】以上示したように、本発明による細胞分
取方法は、必要な細胞を喪失することなく、簡便に単球
を除去でき、その結果、必要な細胞が濃縮された細胞集
団が得られるので、さらなる分取工程により、目的とす
る必要細胞が高純度かつ高収率で得られる。更に本発明
による細胞分取方法は滅菌された構成要素を用いるの
で、本発明により得られた細胞集団は、医療現場におい
て、造血幹細胞移植等に安全に用いることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも単球及び目的細胞を含有する
    血液または骨髄由来の細胞集団から、前記目的細胞を分
    取するに先立ち、前記細胞集団を滅菌されたナイロンウ
    ール塊に接触させて予め単球を除去することを特徴とす
    る細胞分取方法。
  2. 【請求項2】 前記ナイロンウールがガンマブリンで表
    面処理されている請求項1記載の細胞分取方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも単球及び目的細胞を含有する
    血液または骨髄由来の細胞集団から、滅菌されたナイロ
    ンウール塊を用いて単球が除去されていることを特徴と
    する実質的に単球を含まない細胞集団。
  4. 【請求項4】 目的細胞がCD34抗原陽性細胞であ
    り、ナイロンウール塊がシリンジまたは輸血用バッグに
    充填されていることを特徴とする請求項2の細胞分取方
    法。
JP6167565A 1994-06-28 1994-06-28 細胞分取方法および細胞集団 Pending JPH0810321A (ja)

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