JPH08100Y2

JPH08100Y2 - タッピング装置

Info

Publication number: JPH08100Y2
Application number: JP1989126611U
Authority: JP
Inventors: 正浩肥後
Original assignee: Amada Co Ltd
Current assignee: Amada Co Ltd
Priority date: 1989-10-31
Filing date: 1989-10-31
Publication date: 1996-01-10
Anticipated expiration: 2004-10-31
Also published as: JPH0365617U

Description

【考案の詳細な説明】［考案の目的］（産業上の利用分野）本考案は、タップが使用されて、材料面にタッピング
を実施するタッピング装置、特に潤滑と冷却が可能なタ
ッピング装置に関する。

（従来の技術）従来、タッピング装置は、材料の任意の位置に穿孔さ
れた下穴に、タップ加工を実施する際に、タップを保持
し案内するスピンドルが駆動部から分離されて、自在継
手により動力伝達され、タップの位置決めに自由度を有
するように構成されていた。

（考案が解決しようとする課題）ところで、このようなタッピング装置には、次のよう
な問題点が指摘されていた。

加工油と潤滑油とを個々に供給するために、配管が加
工油用と潤滑油用との２系統が必要である。

タッピングの加工基準として使用されるマスターネジ
は極めて高精度に加工されているために、加工時の発熱
による精度の劣化と寿命との問題から、潤滑のみでな
く、冷却をも目的として、給油量を増加する必要があ
る。

タップ加工を高速度化すると、さらにその冷却のため
に、給油量の増加が必要である。

給油量を増加させると、経済的理由から回収の必要が
生じ、配管数の増加を生じる。

複数個のスピンドルを使用すれば、配管数の増加が作
業の妨害となる。

等で、解決すべき重要な問題であった。

本考案の目的は、上記問題点を改善するために、マス
ターネジを経てタップへ加工油が給油され、その構成が
簡単で、しかも冷却と潤滑が容易なタッピング装置を提
供することにある。

［考案の構成］（課題を解決するための手段）前述のごとき従来の問題に鑑みて、本考案は、ホルダ
ーに取付けたマスター雌ねじに、上記ホルダーに回転自
在かつ上下動可能に支持されたスピンドルに取付けたマ
スター雄ねじを螺合して設け、上記マスター雄ねじとマ
スター雌ねじとの螺合部に、上下方向の給油溝を形成し
て設け、上記螺合部の上方位置に、当該螺合部へ給油を
行うための給油導入管を設けると共に、上記螺合部の下
方位置に、前記マスター雄ねじが上下動可能な空間部を
設け、前記スピンドルの下端部に取付けたタップへ給油
するためのノズルを、前記空間部に接続してなるもので
ある。

（実施例）以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

第４図に示すようにプレス機械１は、主として機械プ
レス３、タッピング装置５、ベッド７および機械プレス
３とタッピング装置５との駆動部11が収容されたフレー
ム９から構成される一体型プレス機械である。機械プレ
ス３は、主として駆動部11により上下にスライドされる
スライド部13、このスライド部13に取付けられた上部金
型15、ベッド７上のボルスタプレート17に載置された下
部金型19およびパスライン23に沿って材料を送る送材装
置21からなっている。

また、タッピング装置５は、主としてタッピングヘッ
ド25、駆動部11の回転をタッピングヘッド（タップ保持
案内装置）25に伝達するユニバーサルジョイント27およ
び材料ガイド29からなっている。

第５図に示すように駆動部11は、電動機31によりプー
リ33、ベルト35を介してフライホイール37を駆動し、ク
ラッチブレーキ39を介してピニオンギヤ41の回転をメイ
ンギヤ43に伝達し、クランクシャフトである主軸45に連
結されたコネクティングロッド47を経てスライド部13を
上下動させる。

また、第６図に示すように駆動部11は、動力を主軸45
に伝達するメインギヤ43の側面に、カム、本実施例では
最も合理的で、製作容易な溝カム49が設けられ、この溝
カム49には同期運転装置TDの構成要素であるカムフロア
51が遊嵌され、このカムフロア51がラック付きスライダ
53の一端に回転自在に軸支され、メインギヤ43の回転に
応じてラック付きスライダ53に、矢印方向ｐ−ｐへの往
復運動を与え、スライドガイド55にはリニアベアリング
57が設けられ、ラック付きスライダ53の往復運動の案内
をし、さらにラック付きスライダ53のラック53Rがピニ
オンギヤ59を介して各種の増速ギヤ61,63,65,67を経
て、それぞれのタッピングヘッド25（第４図参照）に正
逆回転を伝達する。

従って、機械プレス３の駆動部11内のメインギヤ43の
主軸45に垂直な面に、タッピング装置５を駆動制御し得
る溝カム49を設けることによって、完全な同期運転およ
び機械プレス３とタッピング装置５との一体化が実現さ
れている。

次に、第１図は本考案の一実施例の要部正面断面図、
第２図は第１図のマスター雌ねじの平面図、第３図は第
１図に示すタッピングヘッドの装着状態を示す要部断面
図を示す。第１図に示すようにタッピングヘッド69（第
４図の符号25に相当する）は、主としてスピンドル71
と、タップ73と、マスター雄ねじ75、マスター雌ねじ7
7、ホルダー79およびキャップ81とから構成されてい
る。スピンドル71は、先端部にタップ73を保持するため
に、チャック83を具備し、胴部にはマスター雄ネジ75が
回り止めピン85にて回り止めされ、ナット87にて脱着可
能に固定される。マスター雄ねじ75は、マスター雌ねじ
77に螺合され、スピンドル71が回転されると、そのピッ
チに従って上下動作を行い、スピンドル71の動作範囲を
決め、タップ73の送り量の基準となる。

マスター雌ネジ77は、回り止めピン89にてホルダー79
に回り止めされ、キャップ81にて固定される。なお、91
はホルダー79内に設けられたベアリングで、93はキャッ
プ81に設けられたオイルシールで、95はキャップ81に設
けられた給油導入管で、97はタップ73の先端部に給油す
るノズルである。

第１図より明らかなように、前記マスター雄ねじ75と
マスター雌ねじ77との螺合部の下方位置には、マスター
雄ねじ75が上下動可能な空間部が形成してあり、この空
間部に前記ノズル97が接続してある。

第２図に示すようにマスター雌ネジ77には、複数個、
本実施例では６個の給油溝99が設けられている。加工油
が給油導入管95を経て導入され、ノズル97の先端からタ
ップ73に向けて噴出されて加工時の潤滑を行うと共に、
給油溝99を経由することによりスピンドル71の冷却が行
われる。従って、スピンドル71の冷却とタップ73への潤
滑とが確実に行うことが可能となり、給油導入管95と給
油溝99およびノズル97とがホルダー79に一体化され潤滑
・冷却効果が大きく、給油・回収装置が一系統で充分
で、簡易化される。

第３図に示すようにタッピングヘッド69は、ガイドブ
ロック101に収容され、ブラケット103により保持された
ガイドバー105にて矢印方向ｐ−ｐに移動自在に案内さ
れ、材料Ｗのタップ位置に固定される。

なお、本考案は、上記の実施例に限定されるものでは
なく、適宜の設計的変更を行うことにより、他の態様に
おいても実施し得るものである。

［考案の効果］以上のごとき実施例の説明より理解されるように、要
するに本考案は、ホルダー（79）に取付けたマスター雌
ねじ（77）に、上記ホルダー（79）に回転自在かつ上下
動可能に支持されたスピンドル（71）に取付けたマスタ
ー雄ねじ（75）を螺合して設け、上記マスター雄ねじ
（75）とマスター雌ねじ（77）との螺合部に、上下方向
の給油溝（99）を形成して設け、上記螺合部の上方位置
に、当該螺合部へ給油を行うための給油導入管（95）を
設けると共に、上記螺合部の下方位置に、前記マスター
雄ねじ（75）が上下動可能な空間部を設け、前記スピン
ドル（71）の下端部に取付けたタップ（73）へ給油する
ためのノズル（97）を、前記空間部に接続してなるもの
である。

上記構成により、本考案においては、給油導入管95か
ら給油を行うと、マスター雄ねじ75とマスター雌ねじ77
との螺合部へ供給されるので、上記螺合部の潤滑及び冷
却を行うことができるものである。

そして、上記螺合部に設けた給油溝99を通過した油は
螺合部の下方位置に設けた空間部に溜る傾向にあり、タ
ッピング加工時にマスター雌ねじ77対してマスター雄ね
じ75が下降することにより、前記空間部の圧力が上昇す
るので、空間部内の油はノズル97を介してタップ73へ供
給されるものである。そして、加工終了後に前記マスタ
ー雄ねじ75が上昇するときには、前記空間部が負圧にな
り、前記ノズル97から滴下する傾向にある油を吸引する
ので、不要な油を滴下して周囲を汚染するようなことが
ないものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の要部正面断面図、第２図は
第１図のマスター雌ネジの平面図、第３図は第１図に示
すタッピングヘッドの装着状態を示す要部断面図、第４
図は本考案が実施されるプレス機械の概略構成図、第５
図は第４図に示す駆動部の機械プレス駆動機構の概略説
明図、第６図は同じく第４図に示す駆動部のタッピング
駆動機構の平面断面図である。１……プレス機械、３……機械プレス５……タッピング装置、11……駆動部 43……メインギヤ、45……主軸 69……タッピングヘッド 71……スピンドル、73……タップ 75……マスター雄ネジ、77……マスター雌ネジ 79……ホルダー 95……給油導入管 99……給油溝

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ホルダー（79）に取付けたマスター雌ねじ
（77）に、上記ホルダー（79）に回転自在かつ上下動可
能に支持されたスピンドル（71）に取付けたマスター雄
ねじ（75）を螺合して設け、上記マスター雄ねじ（75）
とマスター雌ねじ（77）との螺合部に、上下方向の給油
溝（99）を形成して設け、上記螺合部の上方位置に、当
該螺合部へ給油を行うための給油導入管（95）を設ける
と共に、上記螺合部の下方位置に、前記マスター雄ねじ
（75）が上下動可能な空間部を設け、前記スピンドル
（71）の下端部に取付けたタップ（73）へ給油するため
のノズル（97）を、前記空間部に接続してなることを特
徴とするタッピング装置。