JPH08100843A - 自動変速機の動力伝達装置 - Google Patents

自動変速機の動力伝達装置

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JPH08100843A
JPH08100843A JP6236801A JP23680194A JPH08100843A JP H08100843 A JPH08100843 A JP H08100843A JP 6236801 A JP6236801 A JP 6236801A JP 23680194 A JP23680194 A JP 23680194A JP H08100843 A JPH08100843 A JP H08100843A
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JP
Japan
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race
case
automatic transmission
piston
way clutch
Prior art date
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Pending
Application number
JP6236801A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuhiko Iwasaki
龍彦 岩▲崎▼
Kazuji Kurokawa
和司 黒川
Masakazu Honbo
正和 本坊
Takamichi Teraoka
隆道 寺岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 変速機構を大型化・複雑化することなく、ワ
ンウェイクラッチのレースでの衝突音の発生を有効に防
止することができる手段を提供する。 【構成】 自動変速機ATにおいては、ミッションケー
ス内周部から内方に延びるケース延設部46の円筒部4
6cの外周部と、ミッションケース内周部との間に形成
された略環状空間部にローリバースブレーキ44の第1
ピストン66とワンウェイクラッチ47とが配置されて
いる。そして、ワンウェイクラッチ47のインナレース
82が円筒部46cにスプライン嵌合されている。ここ
で、第1ピストン66をリターンさせるための第1リタ
ーンスプリング67によってインナレース82が後向き
に付勢され、この付勢力によって上記スプライン嵌合部
での衝突音の発生が防止される。よって、格別のレース
付勢部材を設ける必要がなくなり、部品点数が削減され
自動変速機ATが簡素化・コンパクト化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の動力伝達
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用の自動変速機にはトル
クコンバータと機械式の変速機構とが設けられ、トルク
コンバータはクランクシャフトのトルクすなわちエンジ
ンの出力トルクを変速してタービンシャフトに出力し、
変速機構はタービンシャフトのトルクをさらに変速して
駆動輪側に出力するようになっている。ここで、変速機
構は、通常、サンギヤ、リングギヤ、ピニオンギヤ、キ
ャリア等の複数の回転部材からなる遊星歯車機構からな
り、変速時にはその内部での動力伝達特性を切り替える
ことによって変速を行うようになっている。
【0003】そして、自動変速機には、変速機構の動力
伝達特性ないしは動力伝達経路を切り替えるために、所
定の回転部材へのトルクの伝達をオン(伝達)・オフ(遮
断)するクラッチ、所定の回転部材のブレーキングをオ
ン(固定)・オフ(解放)するブレーキ等の各種摩擦要素
と、所定の回転部材の回転をある回転方向には何ら規制
しないが(フリー状態)上記回転方向と逆方向には係止す
る(ロック状態)ワンウェイクラッチとが設けられる。
【0004】ここで、摩擦要素には油圧式のピストンが
設けられ、該ピストンが油圧で所定の方向に押圧された
ときには該摩擦要素がオンされ、上記油圧が解放された
ときにはリターンスプリングによってピストンが上記所
定の方向と逆方向(リターン方向)に移動させられて該摩
擦要素がオフされるようになっている。
【0005】他方、ワンウェイクラッチは、アウタレー
スとインナレースとの間に両レースを一方向のみに相対
回転させることができるローラが配設された構造とさ
れ、一方のレースが所定の回転部材に取り付けられ、他
方のレースが保持部材に取り付けられる。なお、保持部
材は不動の部材(例えば、ミッションケース)である場合
もあれば他の回転部材(例えば、タービンシャフトと一
体回転する部材)である場合もある。
【0006】このようなワンウェイクラッチにおいて、
レースと該レースを保持する保持部材とは、普通、スプ
ライン嵌合により固定され、この場合両者の組み付けあ
るいは取り外しを容易にするために、レース側スプライ
ンと保持部材側スプラインとの間にはいくらかのクリア
ランスが設けられる。しかしながら、このようなクリア
ランスが存在すると、ワンウェイクラッチがフリー状態
からロック状態に移行する際、あるいはロック状態から
フリー状態に移行する際に両スプラインがぶつかり合っ
て衝突音が発生するといった問題が生じる。
【0007】そこで、スプライン嵌合で保持部材に固定
されたレースを、該レースの回転方向(例えば、ロック
方向)あるいは軸線方向に付勢するレース付勢部材を設
け、該レース付勢部材の付勢力でもってレースと保持部
材との間の相対回転を抑制し、衝突音の発生を防止する
ようにした自動変速機が提案されている(例えば、特公
平1−58785号公報、実開平1−102551号公
報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たとおり、自動変速機の変速機構には、多数の回転部
材、摩擦要素、ワンウェイクラッチ等が高密度で組み込
まれているので、上記衝突音を防止するためのレース付
勢部材を設けるスペースを確保するのがなかなかむずか
しいといった問題がある。そして、かかるスペースがう
まく確保できない場合は、レース付勢部材を組み込むた
めのスペースをつくるために変速機構(自動変速機)を大
型化せざるを得ないといった問題がある。
【0009】また、このようなレース付勢部材を設ける
と部品点数が増え、自動変速機が複雑化してそのコスト
が高くなるといった問題がある。
【0010】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたものであって、変速機構を大型化ないしは
複雑化することなく、ワンウェイクラッチのレースと該
レースを保持する保持部材との間での衝突音の発生を有
効に防止することができる安価な自動変速機の動力伝達
装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、第1の発明は、インナレースとアウタレースとを備
えていてそのうちの一方のレースがミッションケースに
固定されるワンウェイクラッチと、摩擦要素を継断させ
るピストンとが並設されている自動変速機の動力伝達装
置において、ピストンとミッションケースに固定された
方のレースとの間に、ピストンをリターン方向に付勢す
るリターンスプリングが設けられ、該リターンスプリン
グが、ミッションケースに固定された方のレースに付勢
力を与えるように形成・配置されていることを特徴とす
る自動変速機の動力伝達装置を提供する。
【0012】第2の発明は、第1の発明にかかる自動変
速機の動力伝達装置において、リターンスプリングがダ
イヤフラムスプリングであることを特徴とする自動変速
機の動力伝達装置を提供する。
【0013】第3の発明は、第1又は第2の発明にかか
る自動変速機の動力伝達装置において、ミッションケー
スにその内周部から内方に延びるケース延設部が形成さ
れ、ワンウェイクラッチのインナレースがケース延設部
に固定され、ケース延設部とミッションケース内周部と
の間に上記ピストンが配置されていることを特徴とする
自動変速機の動力伝達装置を提供する。
【0014】第4の発明は、第3の発明にかかる自動変
速機の動力伝達装置において、ケース延設部の内端部
が、ミッションケースとほぼ同軸の略円筒形に形成さ
れ、該円筒形部分の外周部とミッションケース内周部と
の間に上記ピストンが配置されていることを特徴とする
自動変速機の動力伝達装置を提供する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
まず、本発明にかかる自動変速機の概略構造とその動作
・機能とについて説明する。図2及び図3に示すよう
に、FFタイプ(フロントエンジン・フロントドライブ)
の自動車に横置き搭載されるパワートレインの構成要素
の1つである自動変速機ATは、基本的にはクランクシ
ャフト1(エンジン出力軸)のトルクをトルクコンバータ
2で変速してタービンシャフト3に出力し、さらにター
ビンシャフト3のトルクを機械式の変速機構4で変速し
てカウンタギヤ5に出力するようになっている。
【0016】そして、自動変速機ATのカウンタギヤ5
のトルクはこの後、中間シャフト6に取り付けられた第
1中間ギヤ7及び第2中間ギヤ8と、ファイナルギヤ9
と、フロントデフ10と、両フロントアクスルシャフト
11,12とを介して両駆動輪(図示せず)に伝達される
ようになっている。なお、以下では便宜上、タービンシ
ャフト3の軸線方向(図1〜図3では左右方向)にみてク
ランクシャフト側(図1〜図3では右側)を「前」といい、
これと逆方向を「後」ということにする。
【0017】トルクコンバータ2は自動変速機ATの前
端部付近に配置され、実質的に、ポンプケース15を介
してクランクシャフト1に連結され該クランクシャフト
1と一体回転するポンプ16(ポンプインペラ)と、ポン
プ16に対向して配置されポンプ16から吐出される作
動油によって回転駆動される一方タービンシャフト3に
連結され該タービンシャフト3と一体回転するタービン
17(タービンランナ)と、ポンプ16とタービン17と
の間に配置されタービン17からポンプ16に還流する
作動油をポンプ16の回転を助勢する方向に整流するス
テータ18とで構成されている。そして、トルクコンバ
ータ2は基本的には、クランクシャフト1のトルクを、
ポンプ16とタービン17との間の回転数差に応じて定
まる変速比で変速してタービンシャフト3に出力するよ
うになっている。ここで、ステータ18は、ステータ用
ワンウェイクラッチ19と支持部材20とを介して、ミ
ッションケース21(変速機ケース)によって支持されて
いる。また、トルクコンバータ2のやや後方には、自動
変速機ATの油圧機構(図示せず)に作動油を供給するオ
イルポンプ22が配設され、このオイルポンプ22は連
結部材23を介してポンプ16によって回転駆動される
ようになっている。
【0018】さらに、トルクコンバータ2には、前後方
向にみてポンプケース15の縦壁部とタービン17との
間に配置され該トルクコンバータ2のトルク増大作用を
望めない所定の運転領域では、燃費性能を高めるために
クランクシャフト1とタービンシャフト3とを直結させ
るロックアップクラッチ24が設けられている。
【0019】変速機構4は、トルクコンバータ2の後方
において前側に配置された第1遊星歯車機構25と後側
に配置された第2遊星歯車機構26とを備えたプラネタ
リギヤシステムであって、その内部での動力伝達特性な
いしは動力伝達経路を切り替えることによって、レンジ
(P、R、N、D、L等)及び変速段(1〜4速)を切り替
えることができるようになっている。
【0020】具体的には、第1遊星歯車機構25には、
タービンシャフト3に遊嵌された第1サンギヤ27と、
前端部がカウンタギヤ5に連結され該カウンタギヤ5と
一体回転する第1キャリア28と、第1キャリア28に
よって回転自在に支持される一方第1サンギヤ27と噛
み合う第1ピニオンギヤ29と、第1ピニオンギヤ29
と噛み合う第1リングギヤ30とが設けられている。
【0021】他方、第2遊星歯車機構26には、タービ
ンシャフト3に遊嵌された(より詳しくは、タービンシ
ャフト3に遊嵌された後記の第2キャリア33にさらに
遊嵌された)第2サンギヤ32と、前部が前記の第1リ
ングギヤ30に連結され該第1リングギヤ30と一体回
転する第2キャリア33と、第2キャリア33によって
回転自在に支持される一方第2サンギヤ32と噛み合う
第2ピニオンギヤ34と、前記の第1キャリア28に連
結され該第1キャリア28と一体回転する第2リングギ
ヤ35とが設けられている。
【0022】そして、変速機構4には、両遊星歯車機構
25,26の内部での動力伝達特性ないしは動力伝達経
路を切り替えるための油圧式の各種摩擦要素と、所定の
回転部材の回転を一方向のみに制限するワンウェイクラ
ッチとが設けられている。具体的には、変速機構4の前
端部付近に、第1サンギヤ27に連結され該第1サンギ
ヤ27と一体回転する第1連結シャフト38と、タービ
ンシャフト3とを継断(オン・オフ)するフォワードクラ
ッチ39が設けられている。また、変速機構4の後端部
付近に、第1キャリア33とタービンシャフト3とを継
断(オン・オフ)する3−4クラッチ40と、第2サンギ
ヤ32に連結され該サンギヤ32と一体回転する第2連
結シャフト41と、タービンシャフト3とを継断(オン
・オフ)するリバースクラッチ42とが設けられてい
る。
【0023】そして、変速機構4の後端部付近には、さ
らに第2連結シャフト41を固定・解放(オン・オフ)す
るバンドブレーキ式の2−4ブレーキ43が、リバース
クラッチ42の外周部をとりまくようにして設けられて
いる。さらに、第1遊星歯車機構25よりやや前寄りの
位置には、第2キャリア33を固定・解放(オン・オフ)
するローリバースブレーキ44が設けられている。
【0024】また、第1遊星歯車機構25よりやや前寄
りの位置には、第2キャリア33と、ミッションケース
21の内周面から内方に延びるようにしてミッションケ
ース21と一体形成されたケース延設部46との間に介
設され、第2キャリア33の回転方向を一方向のみに制
限するワンウェイクラッチ47が設けられている。な
お、カウンタギヤ5と第1キャリア28と第2リングギ
ヤ35とで構成され一体回転する組立体(以下、これを
回転体Aという)は、ローラベアリング48を介して、
ケース延設部46によって回転自在に支持されている。
【0025】ここで、上記各摩擦要素39,40,42,
43,44は、詳しくは図示していないがコントロール
ユニットによって制御される油圧機構から給排される作
動油ないしは油圧によってオン・オフされるようになっ
ている。そして、各摩擦要素39,40,42,43,44
のオン・オフパターンに応じて両遊星歯車機構25,2
6の内部での動力伝達特性ないしは動力伝達経路が設定
され、所望のレンジないしは変速段が設定されるように
なっている。なお、レンジは運転者のシフトレバー操作
によって設定されるが、変速段はコントロールユニット
によって車速、スロットル開度等に応じて自動的に設定
される。
【0026】上記各摩擦要素39,40,42,43,44
及びワンウェイクラッチ47の作動状態とレンジないし
は変速段との関係は表1に示すとおりである。
【0027】
【表1】
【0028】各レンジないしは変速段における変速機構
4の変速特性はおよそ次のとおりである。Pレンジ又は
Nレンジでは、すべての摩擦要素39,40,42,43,
44がオフされ、タービンシャフト3のトルクが変速機
構4に入力されず、したがって駆動輪は駆動されない。
【0029】Rレンジでは、リバースクラッチ42とロ
ーリバースブレーキ44とがオンされ、他の摩擦要素は
オフされる。このとき、タービンシャフト3のトルクが
リバースクラッチ42と第2連結シャフト41とを介し
て第2サンギヤ32に伝達される。他方、ローリバース
ブレーキ44がオンされているので、第1リングギヤ3
0と第2キャリア33とで構成され一体回転する組立体
(以下、これを回転体Bという)が固定される。このた
め、第2サンギヤ32と第2ピニオンギヤ34と第2リ
ングギヤ35とが、この順に噛み合う固定的なギヤ列と
なり、回転体Aが、第2サンギヤ32の歯数aと第2リ
ングギヤ35の歯数b(b>a)とによって定まる1より大
きい変速比[b/a]でもってタービンシャフト3と逆方向
に回転駆動される。そして、この回転体Aのトルクが駆
動輪側に出力され、駆動輪が高いトルクで後退方向に駆
動される。なお、ここで変速比はトルク比を意味する。
また、ギヤの歯数はほぼギヤ径に比例する。
【0030】Dレンジ1速では、フォワードクラッチ3
9がオンされ、他の摩擦要素はオフされる。このとき、
タービンシャフト3のトルクがフォワードクラッチ39
と第1連結シャフト38とを介して第1サンギヤ27に
伝達される。この場合、回転体Bがタービンシャフト回
転方向と逆方向すなわちワンウェイクラッチ47をロッ
クさせる方向に回転駆動されるが、該回転体Bの回転は
ワンウェイクラッチ47によって係止される。このた
め、回転体Aが、第1サンギヤ27の歯数cと第1リン
グギヤ30の歯数d(d>c)とによって定まる1より大き
い変速比[(c+d)/c]でもってタービンシャフト3と同
一方向に回転駆動される。そして、この回転体Aのトル
クが駆動輪側に出力され、駆動輪が高いトルクで前進方
向に駆動される。なお、この場合、コースト時(非駆動
走行時)にはワンウェイクラッチ47がフリー状態とな
るので、パワートレインが駆動輪によって逆駆動される
ことはなく、したがってエンジンブレーキは得られな
い。しかしながら、Lレンジ1速では、さらにローリバ
ースブレーキ44がオンされるので、コースト時にエン
ジンブレーキが得られることになる。
【0031】Dレンジ2速又はLレンジ2速では、フォ
ワードクラッチ39と2−4ブレーキ43とがオンさ
れ、他の摩擦要素はオフされる。このとき、2−4ブレ
ーキ43によって、第2サンギヤ32と第2連結シャフ
ト41とで構成され一体回転する組立体(以下、これを
回転体Cという)が固定されるので、回転体Bがタービ
ンシャフト3と同一方向に回転する。したがって、この
場合はDレンジ1速の場合に比べて、回転体Bが回転す
る分だけ回転体Aの回転速度が増加し、その分だけ変速
比が小さくなる。よって、駆動輪がDレンジ1速の場合
よりもやや低いトルク(3速の場合よりは高い)で前進方
向に駆動される。
【0032】Dレンジ3速又はLレンジ3速では、フォ
ワードクラッチ39と3−4クラッチ40とがオンさ
れ、他の摩擦要素はオフされる。このとき、両遊星歯車
機構25,26がロック状態となり、したがってタービ
ンシャフト3とカウンタギヤ5とが直結状態となり変速
比は1となる。この場合、駆動輪が、変速比1に対応す
る、2速よりもさらに低いトルクで前進方向に駆動され
る。
【0033】Dレンジ4速又はLレンジ4速では、3−
4クラッチ40と2−4ブレーキ43とがオンされ、他
の摩擦要素はオフされる。このとき、タービンシャフト
3のトルクが3−4クラッチ40を介して回転体B(第
2キャリア33)に伝達される。他方、2−4ブレーキ
43によって回転体C(第2サンギヤ32)が固定される
ので、回転体Aは、第2サンギヤ32の歯数aと第2リ
ングギヤ35の歯数b(b>a)とによって定まる1より小
さい変速比[b/(a+b)]でもってタービンシャフト3と
同一方向に回転駆動され、駆動輪が1より小さい変速比
(オーバードライブ状態)に対応する低いトルクで前進方
向に駆動される。
【0034】以下、自動変速機ATの具体的な構造ない
しは各部材の配設構造について説明する。図3から明ら
かなとおり、自動変速機ATにおいては、タービンシャ
フト3が、該自動変速機ATの軸心部付近で、自動変速
機ATのほぼ全長にわたって前後方向(タービンシャフ
ト軸線方向)に伸長するように配置されている。そし
て、タービンシャフト3はその前部が、ミッションケー
ス21に固定された支持部材20によって回転自在に支
持され、さらにその後部が、ミッションケース21と一
体形成されたボス部55によって、3−4クラッチ40
のハブ部56を介して回転自在に支持されている。
【0035】支持部材20には、タービンシャフト3に
外嵌される筒状部20aと、ミッションケース21に締
結される隔壁部20bとが一体形成されている。ここ
で、筒状部20aの前端部外周には、ステータ用ワンウ
ェイクラッチ19のインナレースがスプライン嵌合によ
り取り付けられている。なお、ステータ用ワンウェイク
ラッチ19のアウタレースはステータ18に固定されて
いる。また、隔壁部20bはオイルポンプ22のポンプ
ケーシング51とともに、締結ボルト52を用いてミッ
ションケース21の前端部に締結・固定されている。
【0036】さらに、ミッションケース21の前端部に
は、コンバータケース50が、隔壁部20bの周縁部と
ポンプケーシング51の周縁部とに当接するようにして
取り付けられている。ここで、隔壁部20bはポンプケ
ーシング51よりもやや大径とされ、その周縁部がコン
バータケース50に形成された凹部50aと嵌合するよ
うになっている。このように、隔壁部20bが凹部50a
と嵌合する形状とされているので、支持部材20ないし
はケーシング51をミッションケース21へ取り付ける
際の作業が能率化される。すなわち、かかる作業に際し
ては、まずミッションケース21をその前端部が下向き
となるように配置し、次にミッションケース21の前端
部に隔壁部20bを下側から当接させ、さらにコンバー
タケース50をミッションケース21の前端部に下側か
ら当接させ、この後隔壁部20bにポンプケーシング2
1を下側から当接させた上で、ボルト52をミッション
ケース21に螺入することになるが、ボルト螺入時には
隔壁部20bが凹部50aと嵌合しこのため支持部材20
がコンバータケース50によって支持されるので、支持
部材20を手で支える必要がなくなるからである。
【0037】ケース延設部46は、前後方向にみてミッ
ションケース21の中央位置よりもやや前側において、
ミッションケース21の内周面から内方に延びるように
して、ミッションケース21と一体形成されている。図
1に示すように、ケース延設部46には、ミッションケ
ース21の内周面から内方に延びその広がり面が概ねタ
ービンシャフト軸線L(ミッションケース軸線)とは直交
するように形成された縁部46aと、該縁部46aの内端
につながり前方にやや突出するような形状に形成された
突出部46bと、該突出部46bの内端から後方に延びそ
の軸線がタービンシャフト軸線Lとほぼ一致するような
略円筒状に形成された円筒部46cとが設けられてい
る。
【0038】そして、円筒部46cの外周面とミッショ
ンケース21の内周面との間に形成された略環状空間部
の周縁部付近にローリバースブレーキ44が配置され、
このローリバースブレーキ44の内側に、回転体Bの前
端部付近に設けられた取付部63が配置され、さらにこ
の取付部63と円筒部46cとの間にワンウェイクラッ
チ47が配置されている。かかる配置によれば、ローリ
バースブレーキ44及びワンウェイクラッチ47の配置
が非常に容易となり、ひいて自動変速機ATがコンパク
ト化されることになる。さらに、ローリバースブレーキ
44とワンウェイクラッチ47とが前後方向に関してオ
ーバーラップして配置されているので、自動変速機AT
の全長が短縮される。また、ケース延設部46のや前方
にはカウンタギヤ5が配置され、さらにこのカウンタギ
ヤ5のやや前方にフォワードクラッチ39が配置されて
いる。
【0039】ローリバースブレーキ44には、ミッショ
ンケース21の内周部に形成されたミッションケースス
プライン61とスプライン嵌合する複数のアウタプレー
ト62と、回転体Bの前端部付近に設けられた略円筒形
の取付部63の外周部に形成された取付部スプライン6
4とスプライン嵌合する複数のインナプレート65とが
設けられ、各アウタプレート62と各インナプレート6
5とは前後方向に交互に並べて配置されている。
【0040】そして、両プレート62,65からなる組
立体(以下、これをブレーキプレート群62,65とい
う)及びワンウェイクラッチ47よりも前側において、
ミッションケース21の内周面と円筒部46cの外周面
との間に形成された略環状空間部には第1ピストン66
が嵌入され、この第1ピストン66は第1リターンスプ
リング67によって常時前向き(リターン方向)に付勢さ
れるようになっている。この第1リターンスプリング6
7は、第1ピストン66(縦壁部)の後面と、後で説明す
るワンウェイクラッチ47のインナレース82の前端面
とに当接して、第1ピストン66を常時前向きに付勢す
る一方、インナレース82を常時後向きに付勢するよう
になっている。
【0041】本実施例では、第1リターンスプリング6
7としてはダイヤフラムスプリングが用いられている。
けだし、ダイヤフラムスプリングはコンパクトであるの
で、その配置が容易となり、ひいては自動変速機ATが
コンパクト化されるからである。しかしながら、第1リ
ターンスプリング67として、他のタイプのばね、例え
ばウェーブスプリング、皿ばね、コイルスプリング等を
用いてもよいのはもちろんである。なお、第1ピストン
66と第1リターンスプリング67とは、夫々、特許請
求の範囲に記載された「ピストン」と「リターンスプリン
グ」とに相当する。
【0042】ここで、第1ピストン66の前側に画成さ
れた第1油室68(上記略環状空間部の一部)に第1油路
69を介して作動油(油圧)が供給されたときには、該油
圧によって第1ピストン66が後方に押し出されてその
後端部がブレーキプレート群62,65を後方に押圧
し、その結果隣接するアウタプレート62とインナプレ
ート65とが摩擦係合し、ローリバースブレーキ44が
オン(固定)される。他方、第1油室68内の作動油(油
圧)が第1油路69を介してリリースされたときには、
第1リターンスプリング67によって第1ピストン66
が前向きに移動させられ、隣接するアウタプレート62
とインナプレート65との間の摩擦係合が解除されてロ
ーリバースブレーキ44がオフ(解放)される。
【0043】フォワードクラッチ39には、内周部(内
端部)がタービンシャフト3に固定されたクラッチドラ
ム71と、該クラッチドラム71の筒状部の内周部に形
成されたドラムスプライン72とスプライン嵌合する複
数のアウタプレート73と、第1連結シャフト38の前
端部付近に取り付けられた略円筒形の取付部材74の外
周部に形成された取付部材スプライン75とスプライン
嵌合する複数のインナプレート76とが設けられ、各ア
ウタプレート73と各インナプレート76とは前後方向
に交互に並べて配置されている。
【0044】そして、両プレート73,76からなる組
立体(以下、これをクラッチプレート群73,76とい
う)よりも前側において、クラッチドラム71内に形成
された略環状空間部には第2ピストン77が嵌入され、
この第2ピストン77はダイヤフラム式の第2リターン
スプリング78によって常時前向きに付勢されるように
なっている。
【0045】ここで、第2ピストン77の前側に画成さ
れた第2油室79(クラッチドラム内の略環状空間部の
一部)に第2油路80を介して作動油(油圧)が供給され
たときには、該油圧によって第2ピストン77が後方に
押し出されてその後端部がクラッチプレート群73,7
6を後方に押圧し、その結果隣接するアウタプレート7
3とインナプレート76とが摩擦係合し、フォワードク
ラッチ39がオン(締結)される。他方、第2油室79内
の作動油(油圧)が第2油路80を介してリリースされた
ときには、第2リターンスプリング78によって第2ピ
ストン77が前向きに移動させられ、アウタプレート7
3とインナプレート76との間の摩擦係合が解除されて
フォワードクラッチ39がオフ(解放)される。
【0046】ワンウェイクラッチ47には、円筒部46
cの外周部に形成された円筒部スプライン81とスプラ
イン嵌合することによりケース延設部46(ひいてはミ
ッションケース21)に取り付けられるインナレース8
2と、回転体Bの前端部付近に設けられた取付部63と
一体化されたアウタレース83と、インナレース82と
アウタレース83との間に配置され回転体B(アウタレ
ース83)にタービンシャフト回転方向の回転のみを許
容しこれとは逆方向の回転を係止するローラ84とが設
けられている。かくして、Dレンジ1速時には、前記し
たとおり、ワンウェイクラッチ47によって回転体Bの
タービンシャフト回転方向と逆方向の回転が係止される
(反力が受け止められる)ことになる。
【0047】ここで、インナレース82のスプラインと
円筒部スプライン81とはスプライン嵌合されている
が、両スプライン間には若干のクリアランスが存在す
る。したがって、このままでは前記の従来の技術の項
(段落番号[0006]参照)で説明したとおり、ワンウェ
イクラッチ47がフリー状態からロック状態に移行する
際、あるいはロック状態からフリー状態に移行する際に
は、両スプラインが互いにぶつかり合って衝突音ないし
はロック衝撃が発生することになる。このため、従来の
自動変速機では、インナレースを回転方向あるいは軸方
向に付勢する格別のレース付勢部材を設けてかかる衝突
音ないしはロック衝撃の発生を防止するようにしてい
る。
【0048】これに対して、本発明にかかるこの自動変
速機ATでは、従来の自動変速機の場合のような格別の
レース付勢部材を設けることなく上記衝突音ないしはロ
ック衝撃の発生が防止されるようになっている。すなわ
ち、前記したとおり、前後方向について第1ピストン6
6とインナレース82との間に配置され第1ピストン6
6を常時前向き(リターン方向)に付勢する第1リターン
スプリング67は、インナレース82に当接して該イン
ナレース82を常時後向きに付勢している。このため、
第1リターンスプリング67によって与えられる付勢力
によってインナレース82の周方向の移動(回転)が抑制
ないしは係止される。したがって、ワンウェイクラッチ
47がフリー状態からロック状態に移行する際、あるい
はロック状態からフリー状態に移行する際に、インナレ
ース82のスプラインと円筒部スプライン81とがぶつ
かり合わず、衝突音ないしはロック衝撃の発生が防止さ
れる。
【0049】かかる構造によれば、第1リターンスプリ
ング67がインナレース82に付勢力を与えて衝突音な
いしはロック衝撃を防止するので、インナレース82を
付勢するための格別なレース付勢部材を設ける必要がな
い。したがって、部品点数が削減されて自動変速機AT
が簡素化・コンパクト化され、その製作コストが低減さ
れる。
【0050】
【発明の作用・効果】第1の発明によれば、摩擦要素の
ピストンをリターン方向に付勢するためのリターンスプ
リングによって、ミッションケースに固定された方のレ
ースに付勢力が与えられ、該付勢力によって上記レース
の移動ないしは回転が抑制され、ワンウェイクラッチが
フリー状態からロック状態に移行する際、あるいはロッ
ク状態からフリー状態に移行する際の衝突音ないしはロ
ック衝撃が防止される。このため、上記レースを付勢す
るための格別なレース付勢部材を設ける必要がなくな
り、部品点数が削減されて自動変速機が簡素化・コンパ
クト化され、その製作コストが低減される。
【0051】第2の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、リターンス
プリングとしてコンパクトな形状のダイヤフラムスプリ
ングが用いられるので、自動変速機が一層コンパクト化
される。
【0052】第3の発明によれば、基本的には第1又は
第2の発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、ワ
ンウェイクラッチのインナレースが、ミッションケース
内周部から内方に延びるケース延設部に固定され、該ケ
ース延設部とミッションケース内周部との間にピストン
が配置されるので、ピストン及びリターンスプリングの
配置が容易となり、自動変速機がさらにコンパクト化さ
れる。
【0053】第4の発明によれば、基本的には第3の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、ピストンが
円筒形部分の外周部とミッションケース内周部との間に
形成される環状空間部に配置されるので、ピストン及び
リターンスプリングの配置が一層容易となり、自動変速
機のコンパクト化が一層徹底される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる動力伝達装置を備えた自動変
速機の要部側面断面説明図である。
【図2】 本発明にかかる動力伝達装置を備えた自動変
速機の概略構成を示すスケルトン図である。
【図3】 本発明にかかる動力伝達装置を備えた自動変
速機の側面断面説明図である。
【符号の説明】
AT…自動変速機 21…ミッションケース 44…ローリバースブレーキ 46…ケース延設部 46c…円筒部 47…ワンウェイクラッチ 66…第1ピストン 67…第1リターンスプリング 82…インナレース 83…アウタレース 84…ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺岡 隆道 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インナレースとアウタレースとを備えて
    いてそのうちの一方のレースがミッションケースに固定
    されるワンウェイクラッチと、摩擦要素を継断させるピ
    ストンとが並設されている自動変速機の動力伝達装置に
    おいて、 ピストンとミッションケースに固定された方のレースと
    の間に、ピストンをリターン方向に付勢するリターンス
    プリングが設けられ、 該リターンスプリングが、ミッションケースに固定され
    た方のレースに付勢力を与えるように形成・配置されて
    いることを特徴とする自動変速機の動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された自動変速機の動力
    伝達装置において、 リターンスプリングがダイヤフラムスプリングであるこ
    とを特徴とする自動変速機の動力伝達装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載された自動
    変速機の動力伝達装置において、 ミッションケースにその内周部から内方に延びるケース
    延設部が形成され、ワンウェイクラッチのインナレース
    がケース延設部に固定され、ケース延設部とミッション
    ケース内周部との間に上記ピストンが配置されているこ
    とを特徴とする自動変速機の動力伝達装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載された自動変速機の動力
    伝達装置において、 ケース延設部の内端部が、ミッションケースとほぼ同軸
    の略円筒形に形成され、該円筒形部分の外周部とミッシ
    ョンケース内周部との間に上記ピストンが配置されてい
    ることを特徴とする自動変速機の動力伝達装置。
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