JPH0810044Y2

JPH0810044Y2 - シートベルト装置

Info

Publication number: JPH0810044Y2
Application number: JP12295889U
Authority: JP
Inventors: 健郎大塚
Original assignee: Nissan Motor Co Ltd
Current assignee: Nissan Motor Co Ltd
Priority date: 1989-10-20
Filing date: 1989-10-20
Publication date: 1996-03-27
Anticipated expiration: 2004-10-20
Also published as: JPH0361459U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案はシートスライドを備えたシートに装備したパ
ッシブシートベルト装置に関し、特にリトラクタのロッ
ク機構の作動制御に関するものである。

〔従来技術〕

かかるシートベルト装置としては、従来例例えば実開
昭63−48657号がある。

この装置はウエビングの一端をガイドレールに沿って
摺動可能とする一方、ウエビングの他端を引出可能に収
納し、且つ緊急時にウエビングをロックするロック機構
を有するリトラクタをシート側部に設けてなるシートベ
ルト装置において、前記ガイドレールを摺動するウエビ
ングの一端が乗員拘束位置にあるか否かを判別する位置
判別手段と、当該位置判別手段に基づきウエビングの一
端が乗員拘束位置以外にあることが判別されたときに前
記リトラクタが備えるロック機構の作動を禁止するロッ
ク禁止手段とを設けたものである。ロック禁止手段とし
ては通常ソレノイドが用いられている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、このような従来のシートベルト装置
は、例えばウエビングによる乗員拘束状態でドライブポ
ジション調整のため、急激にシートを前方にスライドし
た場合には、リトラクタ内のロック機構が作動して依然
としてウエビングの動きをロックしてしまい、その後の
シートスライドが不可能となる。また、乗員開放状態に
あってはソレノイドが常時作動しているため、その状態
で放置すればバッテリが上ってしまうという課題があっ
た。

本考案はこのような従来の課題に着目してなされたも
ので、ウエビングによる乗員拘束状態でのシートスライ
ドを可能とするとともに、乗員開放状態におけるバッテ
リ上りを防止するようにし、しかも誤動作することな
く、完全にシートスライド可能状態でリトラクタ内のロ
ック機構をフリー状態に作動させることができるように
したシートベルト装置を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

かかる目的を達成するため、本考案はウエビングの一
端をガイドレールに沿って摺動可能とする一方、ウエビ
ングの他端を引出可能に収納し、且つ緊急時にウエビン
グをロックするロック機構を有するリトラクタをシート
の側部に設けてなるシートベルト装置において、前記シ
ートを一対のシートスライドを介して前後動自在とし、
かつ各前記シートスライドに夫々係止部と該係止部に係
止される係止爪とよりなりかつ互に連動し一方には操作
レバーを有するロック機構を設け、これらのロック機構
の係止爪が一方より他方が先に外れるようにするととも
に、前記ロック機構がロック解除状態にあるか否かを判
別するロック解除判別用スイッチと、このロック解除判
別用スイッチにより前記シートスライドがロック解除状
態にあることが判別されたときに前記リトラクタが具備
するロック機構の作動を禁止するロック禁止手段とを設
け、かつ前記ロック解除判別用スイッチを前記ロック機
構の係止爪が係止部に対し一方が外れ他方が外れる前に
切り替わるようにしたものである。

〔作用〕

操作レバーを引くと、一方のロック機構の係止爪が回
動し、同時に該ロック機構に連動して他方のロック機構
の係止爪も回動する。その後一方の係止爪が係止部から
外れると、この状態で他方の係止爪は未だにロック状態
にあり、シートはスライドできない。しかしこの状態
で、ロック解除判別用スイッチはOFFからONに切り替
り、ロック禁止手段が働き、リトラクタ内のロック機構
がフリー状態となる。その後操作レバーを続けてさらに
引くと、他方の係止爪も係止部から外れ、シートがスラ
イド可能となる。

〔実施例〕

以下図面を参照して本考案の一実施例を説明する。

第１図は本考案シートベルト装置を示す全体構成図で
ある。このシートベルト装置はルーフサイドにウエビン
グ１を摺動させるためのガイドレール２が設けられ、ウ
エビング１の一端にランナ部材３を設けてガイドレール
２が摺動できるようにし、駆動モータ４およびこの駆動
モータ４によってガイドレール２内を前進、後退動する
チューブ５にランナ部材３を連結してウエビング１の一
端が駆動モータ４によってガイドレール２沿いに移動で
きるようになっている。そして、ランナ部材３が図示し
ている位置（乗員開放位置）から移動して、ラッチベー
ス６の位置（乗員拘束位置）までくると、ランナ部材３
の先端部に設けた係合部（図示せず）がラッチベース６
にてラッされ、その位置でランナ部材３の移動が停止す
る。他方、ウエビング１の他端は一対のシートスライド
7,8により前後動自在なシート９のインナ側に設けた後
記する緊急ロッキングリトラクタ10に収納されている。

第２図は前記シートスライド7,8部分の詳細断面図で
あって、各シートスライド7,8はシート９側に固設され
たアッパレール7a,8aとこれに組み合いフロア11側に固
定されたロアレール7b,8bとにより構成されている。こ
れら各シートスライド7,8にはロック機構12,13が設けら
れている。これら各ロック機構12,13はロアレール7b,8b
に形成した鋸歯状係止部12a,13aと、この係止部12a,13a
の鋸歯の一つに選択的に係止される係止爪12b,13bとよ
りなり、この係止爪12b,13bの基端はアッパレール7a,8a
に支持された作動軸12c,13Cに固定され、さらにこの各
係止爪12b,13bは図示しないスプリングにより前記係止
部12a,13aに係止する向きに付勢されている。前記作動
軸12cには操作レバー14が連設され、これを操作し作動
軸12cを回動することにより前記係止爪12bをスプリング
に抗して回動することにより前記係止部12aから外しロ
ック解除できるようになっている。

前記各作動軸12c,13cにはアーム15a,15bの基端が固定
され、このアーム15a,15bの各先端間は連結ワイヤー16
により連結され、もって操作レバー14の操作により一方
のロック機構12と共に他方のロック機構13のロックおよ
びロック解除ができるようになっている。すなわち、ロ
ック機構12,13は連動している。これらロック機構12,13
は連結ワイヤー16に遊びを持たすか、係止爪12b,13bの
一方を長くすることにより、必ず一方が先に係止部12a,
13aから外れるようになっている。図示例では操作レバ
ー14を有するロック機構12の係止爪12bが先に外れるよ
うになっている。

第３図に示すように、係止部12aから先に外れる係止
爪12bに対向する位置にロック機構12,13がロック解除状
態にあるか否かを判別するロック解除判別用スイッチ18
が配設されている。

このロック解除判別用スイッチ18は一方の係止爪例え
ば12bが係止部12aから外れた後、他方の係止爪13bが係
止部13aから外れる前又はその逆の場合にOFFからON又は
ONからOFFに切り替えられるようになっている。

このロック解除判別用スイッチ18の動作タイミングは
第４図の通りである。この図において、ONはロック、OF
Fはロック解除、HLはハーフロックである。

すなわち、より具体的に説明すると、ロック解除判別
用スイッチ18は一方のロック機構12（13）がロック解除
した後、他方のロック機構13（12）がロック解除する
前、および他方のロック機構13（12）がロック又はハー
フロックした後、一方のロック機構12（13）がロック又
はハーフロックする前にONするようになっている。

第５図は本考案装置を回路とともに示した構成図で、
この図において、20はロック解除判別用スイッチ18がON
の時に作動してウエビング１のロックを禁止する禁止手
段としてのソレノイドである。このソレノイド20は、具
体的にはリトラクタ10内に設けられている。ここでリト
ラクタ10の構造を簡単に説明すると、ラチェット車21の
内側にドラム22を設けてそこにウエビング１を巻取らせ
るようにする一方、スプリング23にて下方に付勢された
ローラ24の下側を通してウエビング１を引出すように
し、通常の引出し状態ではローラ24がアーム25を浮動さ
せず、従ってラチェット車21が自由に回転できるように
するとともに、ウエビング１が強く引かれてローラ24お
よびアーム25が持ち上げられると、アーム25がラチェッ
ト車21のつめ26に係合してラチェット車21の回転を止め
るようにしたものである。もって通常の場合、ウエビン
グ１はリトラクタ10から引出し可能であって乗員を不必
要に拘束することはないが、衝突時のように乗員の身体
が急速に車両前方側へ動き出すとき（ウエビングの引出
し速度が急速に高まったとき）にはウエビング１の動き
をロックし、乗員の身体をシートに拘束するようになっ
ている。

かかる構造のリトラクタ10において、前記ソレノイド
20はラチェット車21の側部に設けられ、ロック機構12,1
3がロック解除状態にあってロック解除判別用スイッチ1
8がONしている時に作動し、ソレノイドピン20aが突出し
てアーム25の先端部を下方へ押しつけ、当該アーム25が
ラチェット車21のつめ26に係合することを禁止する。従
って、ウエビング１が強く引出されてローラ24が浮上し
ようとする時にもソレノイド20の働きによってラチェッ
ト車21を自由な状態に保つことができるようになってい
る。

かかる構成につき、操作レバー14を矢印ａ方向に引く
と、ロック機構12の作動軸12cが回動し、これに固定し
た係止爪12bが回動する。同時に連結ワイヤー16を介し
て該ロック機構12と連動するロック機構13も連動し係止
爪13bも回動する。その後、係止爪12bが係止部12aから
外れると、この状態で他方の係止爪13bは未だロック状
態にあり、シート９はスライドすることはできない。し
かしこの状態でロック解除判別用スイッチ18はOFFからO
Nに切り替わり、ソレノイド20が作動し、ドラム22がフ
リー状態となる。その後、操作レバー14を続けてさらに
引くと、他方の係止爪13bも係止部13aから外れ、ロック
が解除されシート９がスライド可能となる。

したがってウエビング１による乗員拘束状態でドライ
ブポジション調整のため、操作レバー14を引いて急激に
シート９を前方にスライドした場合でもウエビング１は
ロックされず、シートスライドが可能となる訳である。

また、乗員開放状態にあっても、ソレノイド20は操作
レバー14を引いてロック機構12,13はロック解除しない
限り、通電しないので、その状態で放置していても、バ
ッテリーが上がることがない訳である。

一方、操作レバー14を矢印ｂ方向に戻すと、先ずシー
トスライド８のロック機構13がロック状態かハーフロッ
ク状態（係止爪13bが係止部13aに入らず摺接状態となっ
ている）になる。この時点でロック解除判別用スイッチ
18は未だONである。さらに操作レバー14を戻すと、ロッ
ク解除判別用スイッチ18が切り替って不作動となり、ド
ラム22がロック可能状態となる。その後操作レバー14が
戻りきって、ロック機構12がロックあるいはハーフロッ
ク状態となってもロック解除判別用スイッチ18はOFFと
なり、ソレノイド20が不作動となるものである。

上記のように、ロック解除判別用スイッチ18は二つの
ロック機構12,13に関連させてON,OFFさせるため、誤動
作することがなく、完全にシートスライド可能状態でリ
トラクタ10内のロック機構をフリー状態に作動させるこ
とができるものである。

第６図は、コントローラ27を用いてソレノイド20への
通電を制御する場合を例示したものである。コントロー
ラ27は、ロック解除判別用スイッチ18のON,OFFを判別
し、ONのときにソレノイド20へ電源供給し、OFFのとき
に給電を遮断するよう作動する。かかる構成によって
も、前記実施例とほぼ同様の効果を得ることができる。

〔効果〕

以上説明してきたように、本考案によれば、ウエビン
グの一端をガイドレールに沿って摺動可能とする一方、
ウエビングの他端を引出可能に収納し、且つ緊急時にウ
エビングをロックするロック機構を有するリトラクタを
シートの側部に設けてなるシートベルト装置において、
前記シートを一対のシートスライドを介して前後動自在
とし、かつ各前記シートスライドに夫々係止部と該係止
部に係止される係止爪とよりなりかつ互いに連動し一方
には操作レバーを有するロック機構を設け、これらのロ
ック機構の係止爪が一方より他方が先に外れるようにす
るとともに、前記ロック機構がロック解除状態にあるか
否かを判別するロック解除判別用スイッチと、このロッ
ク解除判別用スイッチにより前記シートスライドがロッ
ク解除状態にあることが判別されたときに前記リトラク
タが具備するロック機構の作動を禁止するロック禁止手
段とを設け、かつ前記ロック解除判別用スイッチを前記
ロック機構の係止爪が係止部に対し一方が外れ他方が外
れる前に切り替わるようにしたため、乗員拘束位置での
シートスライドが可能となるとともに、乗員開放状態で
のバッテリ上りを防止し、しかも誤動作することなく、
完全にシートスライド可能状態でリトラクタ内のロック
機構をフリー状態に作動させることができるという効果
が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案シートベルト装置を示す全体構成図、第
２図はそのシートスライド部分の詳細断面図、第３図は
ロック解除判別用スイッチの配設状態を示す詳細説明
図、第４図はロック解除判別用スイッチの作動タイミン
グを示す詳細図、第５図は本考案に係るリトラクタを回
路とともに示す構成図、第６図は本考案の他の実施例を
示す第５図相当図である。１……ウエビング、２……ガイドレール、7,8……シー
トスライド、９……シート、10……リトラクタ、12,13
……ロック機構、12a,13a……係止部、12b,13b……係止
爪、14……操作レバー、18……ロック解除判別用スイッ
チ、20……ソレノイド（ロック禁止手段）。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ウエビングの一端をガイドレールに沿って
摺動可能とする一方、ウエビングの他端を引出可能に収
納し、且つ緊急時にウエビングをロックするロック機構
を有するリトラクタをシートの側部に設けてなるシート
ベルト装置において、前記シートを一対のシートスライ
ドを介して前後動自在とし、かつ各前記シートスライド
に夫々係止部と該係止部に係止される係止爪とよりなり
かつ互に連動し一方には操作レバーを有するロック機構
を設け、これらのロック機構の係止爪が一方より他方が
先に外れるようにするとともに、前記ロック機構がロッ
ク解除状態にあるか否かを判別するロック解除判別用ス
イッチと、このロック解除判別用スイッチにより前記シ
ートスライドがロック解除状態にあることが判別された
ときに前記リトラクタが具備するロック機構の作動を禁
止するロック禁止手段とを設け、かつ前記ロック解除判
別用スイッチを前記ロック機構の係止爪が係止部に対し
一方が外れ他方が外れる前に切り替わるようにしたこと
を特徴とするシートベルト装置。