JPH08100135A - 水系無機・有機複合型被覆剤用バインダー組成物 - Google Patents

水系無機・有機複合型被覆剤用バインダー組成物

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JPH08100135A
JPH08100135A JP23316594A JP23316594A JPH08100135A JP H08100135 A JPH08100135 A JP H08100135A JP 23316594 A JP23316594 A JP 23316594A JP 23316594 A JP23316594 A JP 23316594A JP H08100135 A JPH08100135 A JP H08100135A
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JP
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acid
water
vinyl
copolymer
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JP23316594A
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English (en)
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Koichi Kito
孝一 鬼頭
Kazumasa Saegusa
一正 三枝
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Dai Nippon Toryo KK
Original Assignee
Dai Nippon Toryo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 常温であるいは比較的低温での加熱によっ
て、透明性、密着性、硬度、耐温水性、耐汚染性、耐候
性等に優れた被膜を形成することが可能であり、無機質
系多孔質基材の被覆に用いるのに適している水系無機・
有機複合型被覆剤用バインダー組成物を提供すること。 【構成】 1分子中に側鎖として (i)少なくとも1個の
加水分解性シリル基、(ii)少なくとも1個のアミンイミ
ド基、及び (iii)少なくとも1個の炭素数6〜30のア
ルキル基及び/又は少なくとの1個の炭素数8〜20の
パーフルオロアルキル基を有するビニル系共重合体の水
分散体と、シリカゾルとを含む水系無機・有機複合型被
覆剤用バインダー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、常温であるいは比較的
低温での加熱によって、透明性、密着性、硬度、耐温水
性、耐汚染性、耐候性等に優れた被膜を形成することが
可能であり、無機質系多孔質基材の被覆に用いるのに適
している水系無機・有機複合型被覆剤用バインダー組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フレキシブルボード、珪酸カルシウム
板、石膏スラグパーライト板、木片セメント板、プレキ
ャストコンクリート板、ALC板等の窯業系サイディン
グ基材やモルタル、コンクリート基材等の無機質系多孔
質基材(以下、単に多孔質基材という)については、表
面に美観をもたせ、また耐水性等を改良するために通常
その表面に塗料が塗装されている。しかし、多孔質基材
の表面に塗料を直接塗装した場合には、基材表面が多孔
質であるために平滑な塗膜が得られず、また耐水性、密
着性も不良となり易い。
【0003】従って、従来、多孔質基材表面にシーラー
層を設けた後に塗料を塗装するのが一般的である。この
シーラーとしては、比較的低分子量のウレタン樹脂系、
エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、塩化ゴム系、シラン
系等の各種樹脂を有機溶剤に分散もしくは溶解させ、さ
らに必要に応じて着色顔料、体質顔料等を配合せしめた
有機溶剤系シーラー、各種水溶性樹脂を水に溶解させる
かもしくは各種水分散性樹脂を水に分散させ、さらに必
要に応じて着色顔料、体質顔料等を配合せしめた水系シ
ーラー等が代表的なシーラーとして知られている。
【0004】これらのシーラーを塗装した後、その上に
アクリル樹脂系エマルジョン塗料等の公知の各種上塗塗
料を塗装して仕上げられる。この上塗塗料としては、反
応性基を持たないアクリルエマルジョンとコロイダルシ
リカとの混合物を被膜形成剤として用いるエマルジョン
塗料、反応性基を持たないアクリルエマルジョンと水可
溶性珪酸アリカリとの混合物を被膜形成剤として用いる
エマルジョン塗料等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
コロイダルシリカを混合したアクリル系エマルジョン塗
料についてはある程度の硬度が期待されるものの、アク
リル共重合体とコロイダルシリカとが化学的に結合する
ことはないので、耐水性、耐アルカリ性が不充分であ
り、長期耐久性の要求される上塗塗膜用途には使用出来
ないという欠点を有している。また、水可溶性珪酸アル
カリを混合したアクリル系エマルジョン塗料は多孔質基
材の含滲補強性に優れているものの耐水性、耐アルカリ
性が不充分であり、長期耐久性の要求される上塗塗膜用
途には使用できない等の問題点があった。
【0006】本発明の目的は、常温であるいは比較的低
温での加熱によって、透明性、密着性、硬度、耐温水
性、耐汚染性、耐候性等に優れた被膜を形成することが
可能であり、無機質系多孔質基材の被覆に用いるのに適
している水系無機・有機複合型被覆剤用バインダー組成
物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意研究の結果、特定の側鎖基を有
するビニル系共重合体の水分散体とシリカゾルとの混合
物を用いることにより上記目的が達成されることを見出
し、本発明を完成した。すなわち、本発明の水系無機・
有機複合型被覆剤用バインダー組成物は、1分子中に側
鎖として (i)少なくとも1個の加水分解性シリル基、(i
i)少なくとも1個のアミンイミド基、及び (iii)少なく
とも1個の炭素数6〜30のアルキル基及び/又は少な
くとの1個の炭素数8〜20のパーフルオロアルキル基
を有するビニル系共重合体の水分散体と、シリカゾルと
を含むことを特徴とする。
【0008】また、本発明の水系無機・有機複合型被覆
剤用バインダー組成物は、好ましくは、加水分解性シリ
ル基用の硬化触媒、例えば有機酸系、有機塩基系、有機
金属系より選ばれる1種又は2種以上からなる硬化触媒
を追加含有する。以下に、本発明について詳細に説明す
る。本発明の水系無機・有機複合型被覆剤用バインダー
組成物の構成成分である、1分子中に側鎖として (i)少
なくとも1個の加水分解性シリル基、(ii)少なくとも1
個のアミンイミド基、及び (iii)少なくとも1個の炭素
数6〜30のアルキル基及び/又は少なくとの1個の炭
素数8〜20のパーフルオロアルキル基を有するビニル
系共重合体は、水中の分散状態において、該アミンイミ
ド基と該アルキル基及び/又は該パーフルオロアルキル
基とによってミセル内にある該加水分解性シリル基は保
護され、従って加水分解を受けることがなく、その状態
が長期間維持保存される。しかし、被膜形成時には該加
水分解性シリル基が加水分解して該シリル基同志の自己
縮合が生じ、この際に加水分解性シリル基用の硬化触媒
が共存しているとその作用を受けて自己縮合が促進さ
れ、また該シリル基とシルカゾルとの部分共縮合が生じ
て硬化する。
【0009】本発明の水系無機・有機複合型被覆剤用バ
インダー組成物の構成成分であるビニル系共重合体を合
成するには、 (i)側鎖に加水分解性シリル基を有するビ
ニル系単量体及び/又は側鎖に加水分解性シリル基を有
し且つビニル基を有するオリゴマーと、(ii)側鎖にアミ
ンイミド基を有するビニル系単量体と、 (iii)側鎖に炭
素数6〜30のアルキル基を有するビニル系単量体及び
/又は側鎖に炭素数8〜20のパーフルオロアルキル基
を有するビニル系単量体とを共重合させる、等の方法が
有用に使用できる。
【0010】本発明でいう側鎖に加水分解性シリル基を
有するビニル系単量体、及び側鎖に加水分解性シリル基
を有し且つビニル基を有するオリゴマーにおける加水分
解性シリル基とは、一般式(I) −Si(R1)a(R2)3-a (I) (式中、R1は水素原子、アルキル基、アリール基又は
アラルキル基であり、R2はハロゲン原子、アルコキシ
基、置換アルコキシ基、アシロキシ基、フェノキシ基、
メルカプト基、アミノ基、イミノオキシ基又はアルケニ
ルオキシ基であり、aは0、1又は2の整数である。)
で示されるハロシリル基、アルコキシシリル基、アシロ
キシシリル基、フェノキシシリル基、イミノオキシシリ
ル基、又はアルケニルオキシシリル基等の加水分解され
易い反応性基であり、好ましくはアルコキシシリル基で
ある。
【0011】アルコキシシリル基を有するビニル系単量
体の具体例としては、ビニルメチルジメトキシシラン、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等の
ビニルシラン;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の
(メタ)アクリロキシアルキルシラン等がある。
【0012】アルコキシシリル基を有する重合性オリゴ
マーの具体例としては、一分子中に一個以上のビニル基
とアルコキシシリル基とを有するポリウレタン、ポリエ
ーテル、ポリアミド、エポキシ又はポリエステル樹脂等
のオリゴマーがある。更に具体的には特開昭60−26
022号公報に記載されているポリカプロラクトントリ
オール(MW:2000)のイソホロンジイソシアネー
トによる末端NCO化物(1モル)とメタクリル酸2−
ヒドロキシエチル(1モル)及びγ−アミノプロピルト
リメトキシシラン(2モル)との反応によって得られた
ビニル基及びアルコキシシリル基を有するウレタン系オ
リゴマー;ポリプロピレングリコール(MW:400
0)の片末端OHが(メタ)アクリル酸でエステル化さ
れたものに別の片末端OHがイソシアネートプロピルト
リエトキシシランとの反応で加水分解性シリル基が付与
されたポリエーテル系オリゴマー;同様にポリカプロラ
クトンジオール(MW:5000)の片末端OHが(メ
タ)アクリル酸でエステル化されたものに別の片末端O
Hがイソシアネートプロピルトリエトキシシランとの反
応で加水分解性シリル基が付与されたポリエステル系オ
リゴマー;ポリアミド及びアミノ基含有樹脂とメタクリ
ル酸グリシジル及びエポキシ系シランカップリング剤と
の反応によって得られたポリアミド系オリゴマー;ビス
フェノールAとエピクロルヒドリンとの付加縮合物とア
クリルアミド及びアミン系シランカップリング剤との反
応によって得られたエポキシ系オリゴマー等がある。
【0013】これらのアルコキシシリル基を有するビニ
ル系単量体又は重合性オリゴマーとして例示したものの
なかで、特に好ましいものは(メタ)アクリロキシアル
キルシラン、並びにビニル基及びアルコキシシリル基を
有するウレタン系オリゴマーである。又、本発明でいう
アミンイミド基を有するビニル系単量体の具体例として
は、下記一般式(II)又は一般式(III) で示される化合物
が挙げられる: CH2=C(R)−CO−N-−N+(R1)(R2)(R3) (II) (式中、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基(メ
チル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル基等)、ハ
ロゲン原子(クロル、プロム等)又はシアノ基であり、
1及びR2は水素原子、アルキル基又はアリール基であ
り、R3はアルキル基又はヒドロキシアルキル基であ
る。) CH2=C(R)−[CO−N(X)−(CH2)n]nCO−* *−N-−N+(R1)(R2)(R3) (III) (式中、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基(メ
チル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル基等)、ハ
ロゲン原子(クロル、プロム等)又はシアノ基であり、
1及びR2は水素原子、アルキル基又はアリール基であ
り、R3はアルキル基又はヒドロキシアルキル基であ
り、Xはアルキル基、アリール基又はアラルキル基であ
り、nは1〜2の整数である。)。
【0014】上記の一般式(II)で示される化合物の具体
例としては、1,1,1−トリメチルアミンメタクリルイ
ミド、1,1−ジメチル−1−エチルアミンメタクリル
イミド、1,1−ジメチル−1−(2−ヒドロキシプロ
ピル)アミンメタクリルイミド、1,1−ジメチル−1
−(2−フェニル−2−ヒドロキシエチル)アミンメタ
クリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2−ヒドロキ
シ−3−フェノキシプロピル)アミンメタクリルイミ
ド、1,1,1−トリメチルアミンアクリルイミド等が挙
げられる。
【0015】上記の一般式(III) で示される化合物の具
体例としては構造式 CH2=C(CH3)−CO−N(CH3)−CH2−CO−* *−N-−N+(CH3)3 、 CH2=C(CH3)−CO−N(CH3)−(CH2)2−CO−* *−N-−N+(CH3)3 で示される化合物等が挙げられる。
【0016】又、本発明でいう炭素数6〜30のアルキ
ル基を有するビニル系単量体としては、例えば、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸
n−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ラウリ
ル、(メタ)アクリル酸n−セチル、(メタ)アクリル
酸n−ステアリル、(メタ)アクリル酸n−オレイル、
(メタ)アクリル酸ベヘニル等]があり、又炭素数が8
〜20のパーフルオロアルキル基を有するビニル系単量
体としては、例えば、 CF3(CF2)5(CH2)2OCOC(CH3)=CH2 、 CF3(CF2)9(CH2)2OCOCH=CH2 、 HCF2(CF2)9(CH2)2OCOC(CH3)=CH2 、 C817CH2CH(OH)CH2OCOC(CH3)=C
2 、 (CF3)2 CF(CF2)6(CH2)2OCOC(CH3)=C
2 、 H2CF(CF2)9(CH2)2OCOCH=CH2 、 C715CON(C25)(CH2)2OCOC(CH3)=CH
2 、 C817SO2N(CH3)(CH2)2OCOC(CH3)=CH
2 、 C817SO2N(CH2CH2OCOCH=CH)2、 C817(CH2)2OCOC(CH3)=CH2 、 C817(CH2)11OCOC(CH3)=CH2 等のパーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル
酸エステル; C817(CH2)11OCOCH=CHCOOCH3 、 C817(CH2)11OCOCH=CHCOOCH2715 等のパーフルオロアルキル基をもつマレイン酸モノ又は
ジエステル; C715CH2OCH=CH2 、 C715CH2OCH2CH=CH2 等のパーフルオロアルキル基をもつビニルエーテル又は
アリルエーテル; C817SO2NHCH2SO2CH=CH2 等のパーフルオロアルキル基を有するビニルスルホン酸
等がある。
【0017】又、本発明においてはビニル系共重合体の
コモノマーとして上記の各ビニル系単量体以外のビニル
系単量体を必要に応じて用いてもよく、これら単量体と
しては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキル(アルキ
ル基の炭素数は1〜5)エステル[(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル等];
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル;芳香族ビニ
ル単量体(スチレン、α−メチルスチレン、α−クロロ
スチレン等);ハロゲン化ビニル単量体(塩化ビニル
等);アルキル又はシクロアルキルビニルエーテル(メ
チルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル
等);ビニルエステル(酢酸ビニル等);ニトリル基含
有単量体(アクリロニトリル等);アミド基含有単量体
[(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、N−メチ
ロールアクリルアミド、フマル酸ジアミド等];エポキ
シ基含有ビニル単量体[(メタ)アクリル酸グリシジル
等]、イオン基又はイオン形成性基を含有するビニル系
単量体[カチオン性を付与するもの{(メタ)アクリル
酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸
N,N−ジエチルアミノエチル、N,N−ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイル
オキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メ
タ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム
メトサルフェート等}、アニオン性を付与するもの{ビ
ニルカルボン酸[(メタ)アクリル酸、エタアクリル
酸、クロトン酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン
酸、ケイ皮酸等]、ビニルスルホン酸[ビニルスルホン
酸、アリルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、ス
チレンスルホン酸等]}が挙げられる。
【0018】本発明の構成成分であるビニル系共重合体
を構成する各コモノマーの含有量については、加水分解
性シリル基を有するビニル系単量体及び/又は加水分解
性シリル基を有し且つビニル基を有するオリゴマー(成
分i)は通常0.5〜50重量%、好ましくは3〜30
重量%であり、アミンイミド基を有するビニル系単量体
(成分ii)は0.5〜50重量、好ましくは1〜30重
量%、特に好ましくは1.5〜10重量%であり、又は
炭素数6〜30のアルキル基を有するビニル系単量体及
び/又は炭素数8〜20のパーフルオロアルキル基を有
するビニル系単量体(成分iii )は1〜70重量%、好
ましくは5〜40重量%である。成分(i) が0.5重量
%未満であると、シリカゾルとの共縮合や塗膜の硬化性
が不充分となり、耐水性等の塗膜性能が不良となる傾向
があり、50重量%を越えると、該共重合体の水分散体
の保存安定性が不良となる傾向がある。又、成分(ii)が
0.5重量%未満であるか、又は成分(iii) が1重量%
未満であると、該共重合体の水分散体の保存安定性が不
良となり、ゲル化する傾向がある。成分(ii)が50重量
%を越えても、又は成分(iii) が70重量%を越えて
も、それ以上の保存安定性向上の効果もなく、またアミ
ンイミド基を有するビニル系単量体の様な高価な単量体
を使用するため、価格面で実用性が乏しくなる。
【0019】上記成分(i) 〜成分(iii) の単量体以外
の、これら単量体と共重合可能な単量体(成分iv)を用
いる場合には、その含有量が20重量%未満であると、
ガラス転移点(Tg)の高いものが得にくいので実用性
に乏しく、成分(iv)の添加の意味がなくなり、又70重
量%を越えると、本発明の目的であるシリル基の反応に
よる効果が少なくなり、耐水性等の性能が低下する。
【0020】本発明の水系無機・有機複合型被覆剤用バ
インダー組成物の構成成分であるビニル系共重合体を合
成する際の重合工程は溶液重合でも乳化重合でもよい。
溶液重合の場合は、電子線又は紫外線を照射する方法、
加熱による方法及び開始剤を使用する方法がある。好ま
しい重合方法は有機溶剤中で開始剤を使用する方法であ
る。使用される有機溶剤としてはアルコール(エタノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール等)、芳香族炭
化水素(トルエン、キシレン等)、脂肪族炭化水素(ヘ
キサン、シクロヘキサン等)、脂肪族エステル(酢酸エ
チル、酢酸n−ブチル等)、脂肪族ケトン(アセトン、
メチルエチルケトン等)、脂肪族エーテル(ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等)等及びこれらの二種以上の
混合物が挙げられる。溶剤をトッピングする場合は低沸
点の溶剤ほど好ましく、また溶液重合の際溶液中で乳化
する場合は水溶性溶剤が好ましい。有機溶剤対単量体の
合計重量の割合は任意に選択できるが、重量比で0.
2:2〜2:1、好ましくは0.5:1〜1.5:1であ
る。
【0021】開始剤を使用する方法において、開始剤と
してアゾ化合物[アゾビスイソブチロニトリル、2,2'
−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾ
ビスシアノ吉草酸、2,2−アゾビス(2−アミジノブ
ロパン)アセテート等]、無機過酸化合物[過酸化水
素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナト
リウム等]、有機過酸化物[過酸化ベンゾイル、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド
酸パーオキサイド、ジ(2−エトキシエチル)パーオキ
シジカーボネート]及びレドックス触媒[アルカリ金属
の亜硫酸塩もしくは重亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、
L−アスコルビン酸、エリソルビン酸等の還元剤とアル
カリ金属の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化物等
の酸化剤の組合わせよりなるもの]及びこれらの2種以
上が挙げられる。開始剤の添加量は、重合性単量体の固
形分合計重量に対し、通常0.001〜20%、好まし
くは0.1〜10%である。
【0022】また、場合によっては連鎖移動剤(n−ラ
ウリルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−
ドデシルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキ
シシラン等)を加えて分子量を調節することができる。
重合反応の反応温度は溶液重合、乳化重合とも通常50
〜150℃、好ましくは70〜130℃である。反応時
間は通常1〜10時間、好ましくは2〜7時間である。
重合の終点は赤外吸収スペクトルの二重結合の吸収(1
648cm-1)が消滅することによって、又はガスクロ
マトグラフィーを使い未反応の単量体が減少することに
よって確認できる。
【0023】溶液重合工程を経て共重合体を得た場合
は、次いで乳化することにより本発明で用いる共重合体
の水分散体が得られる。この乳化の方法としては、溶液
重合した後、溶液をトッピングし、残った樹脂を乳化す
る方法と溶液のままで水を加えて乳化し、その後、溶剤
をトッピングする方法がある。乳化後、溶剤が残ってい
てもいなくても良い。出来れば溶液状態で乳化するのが
好ましい。この場合、乳化剤やpH調整剤を添加して乳
化してもよい。
【0024】乳化剤としては、例えば、アルキル硫酸エ
ステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルリ
ン酸エステル塩あるいは脂肪酸塩等のアニオン界面活性
剤、アルキルアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩等
のカチオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルア
リールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
あるいはプルロニック型等の非イオン界面活性剤、カル
ボン酸塩型(アミノ酸型、ペタイン型等)あるいはスル
ホン酸塩型の両性界面活性剤を用いることができる。
【0025】またアニオン形成性基が存在する場合、酸
を添加すると親水性が向上し共重合体の乳化を助けるこ
とはよく知られている。酸としては有機又は無機の酸、
例えば、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸、蟻酸、酢酸、プロ
ピオン酸、乳酸、(メタ)アクリル酸、蓚酸、クエン
酸、マレイン酸、イタコン酸、アジピン酸等が挙げられ
る。またカチオン形成性基が存在する場合はアミン(ア
ンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、ジエタノー
ルアミン、ジメチルアミノエタノール、トリエチルアミ
ン等)やアリカリ(KOH、NaOH等)を添加すると
親水性が向上し乳化を助ける。アミンイミド基は両性で
あり、酸、塩基どちらの添加によっても親水性が向上す
る。酸、塩基の添加量はアミンイミド基とイオン形成性
基の合計モルに対して通常0.3〜1.5倍モルである。
【0026】また硬化後の塗膜の架橋密度や基体への密
着性を向上させるためにシラン類を乳化剤に配合してお
いて硬化時にミセル内に入れることが出来る。この様な
シラン類としては具体的には例えばメチルトリメトキシ
シラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラn−ブトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプ
ロピルトリメトキシシラン、シリケート等が挙げられ
る。
【0027】樹脂溶液のまま乳化する場合は樹脂溶液に
これらの添加剤を加えた後、水を徐々に加えて乳化す
る。乳化温度は低い方が良いが通常70℃以下、好まし
くは50℃以下である。その後このまま水で希釈したま
までもよいし、溶剤をトッピングしても良い。トッピン
グは80℃以下、減圧下で行うのが好ましい。この様に
して本発明の構成成分であるビニル系共重合体の水分散
体が得られる。
【0028】また乳化重合で本発明の構成成分である共
重合体の水分散体を得る場合には重合性の乳化剤を用
い、水性媒体中で各構成成分と共に共重合する方法がと
られる。開始剤としては溶液重合の場合と同じものが使
用出来る。乳化重合の際、他の乳化剤やpH調整剤を用
いてもよい。これらは前記の乳化の場合と同じものでよ
い。また乳化重合安定化の目的で保護コロイド剤、例え
ば、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシメチ
ルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等を使用する
ことができる。重合方法としては、公知の重合方法によ
り、バッチ式重合法、連続式重合法のいずれでも可能で
ある。公知の重合方法としては一括仕込法、単量体添加
法、単量体エマルジョン添加法等が挙げられる。重合温
度等は溶液重合の場合と同じで良い。ここで用いられる
重合性の乳化剤としては従来公知の各種重合性乳化剤が
使用できる。具体的には例えば重合性基として(メタ)
アリル基や(メタ)アクリル基を含み、且つ乳化機能基
として第4級アンモニウム塩、第3級アミン塩、アミン
イミド基等のカチオン性のもの、スルホン酸塩、カルボ
ン酸塩等のアニオン性のもの又はエチレンオキシド基の
様な非イオン性のものを含むものが挙げられる。重合性
乳化剤の量は重合性単量体の合計量の0.1〜20重量
%、好ましくは0.5〜10重量%である。かくして、
本発明の構成成分であるビニル系共重合体の水分散体が
得られる。
【0029】本発明の構成成分であるビニル系共重合体
はシリル基及びアミンイミド基を含有しているので、大
気中に暴露されると常温であるいは比較的低温での加熱
によって網状組織を形成して硬化する。一方、本発明で
いうシリカゾルとは直径1μm〜100μmの範囲にあ
る無水珪酸の微粒子を水に分散せしめた膠質状水溶液で
ある。尚、分散状態にある微粒子の表面に−SiOH
基、並びに−OH-イオンが存在するものが適宜使用可
能であるが、塗膜が緻密体であることや、塗膜の充分な
透明性を出現させることを考慮すると粒子径としては4
〜50μmの範囲にあるものがより好ましい。
【0030】本発明の構成成分である共重合体の水分散
体と該シリカゾルとの混合比については固形分比で1
0:90〜90:10の範囲が適宜使用可能であるが、
硬度、耐水性、耐候性等の面から30:70〜80:2
0の範囲がより好ましい。共重合体の水分散体とシリカ
ゲルとの混合状態においては、共重合体の加水分解性シ
リル基は共重合体の水分散体のミセル内にあり、水と遮
断されて安定であるが、塗膜になる過程でミセルが壊
れ、シリル基が水と接し、徐々にシリル基の加水分解、
シリル基同志の縮合が始まり、硬化触媒が存在する場合
には触媒の作用を受けてシリル基同志の縮合が促進さ
れ、又、シリル基とシリカゾル表面のシラノール基との
部分縮合が起こる。この間の縮合機構は次式で表わされ
る: ≡Si−OR+H2O → ≡Si−OH+ROH ≡Si−OH+HO−Si≡ → ≡Si−O−Si≡+H2O また本発明の被覆剤用バインダー組成物は、塗料として
通常配合される顔料、各種添加剤(紫外線吸収剤、酸化
防止剤、耐熱性向上剤、レベリング剤、たれ防止剤、艶
消し剤等)を併用してもよい。この場合には該バインダ
ー組成物との相溶安定性を良好にするために水分散の状
態であることが望ましい。
【0031】顔料としては体質顔料(炭酸カルシウム、
カオリン、タルク、ケイ酸アルミ、アエロジル等)、無
機顔料(酸化チタン、酸化鉄、黄鉛、酸化カドミウム、
カーボンブラック、アルミ燐片等)、有機顔料(アゾ
系、アゾレーキ系、フタロシアニン系、キナクリドン
系、イソインドリノン系の有機顔料等)が挙げられる。
顔料も水分散したものを用いることが望ましい。
【0032】本発明において加水分解性シリル基用の硬
化触媒を用いる場合には、この様な硬化触媒としては従
来から用いられている有機酸系、有機塩基系、有機金属
系より選ばれる1種又は2種以上を硬化触媒が使用可能
である。この様な硬化触媒としては例えば、有機チタネ
ート系化合物〔イソプロピルトリイソスチロイルチタネ
ート、イソプロピルトリ(ジオクチルピロホスフェー
ト)チタネート、テトライソプロピルジ(ラウリルホス
ファイト)チタネート等〕、有機アルミニウム系化合物
(アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート
等)、カルボン酸型錫化合物(ジオクチル酸錫、ジブチ
ル錫ジラウレート、ジブチル錫マレート等)、スルフィ
ド型、メルカプチド型等の含硫黄系有機錫化合物(ジブ
チル錫スルフィド等)、ジアルキル錫オキシド(ジブチ
ル錫オキシド、ジオクチル錫オキシド等)、その他カル
ボン酸金属塩(酢酸ナトリウム、カブロン酸亜鉛、オク
チル酸鉛、ナフテン酸コバルト等)、酸性リン酸エステ
ル(モノメチル酸性リン酸エステル、ジメチル酸性リン
酸エステル、ジエチル酸性リン酸エステル、モノブチル
酸性リン酸エステル等)、カルボン酸及びその酸無水物
(アジピン酸、マレイン酸、クエン酸、イタコン酸、コ
ハク酸、フタル酸、トリメリット酸、無水マレイン酸、
無水フタル酸等)、アミノシラン(γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン等)、アミン及びその塩(トリエチルアミン、ジ
ブチルアミン−2−ヘキソエート、環式アミジン及びそ
の塩等)、第4級アンモニウム塩(テトラブチルアンモ
ニウムハイドロキシド等)等の硬化触媒が挙げられる。
油性の触媒はミセルを壊す恐れがあるので、好ましくは
水溶性触媒や水分散した触媒がよい。これらの触媒は単
独でも2種類以上を混合して使用してもよい。触媒を使
用する場合の添加量は全固形分量に対し通常0.001
〜20重量%である。
【0033】塗布の後、常温で放置又は60〜200℃
に加熱することにより硬化させる。また130℃以上の
加熱によりアミンイミド基がアミンとイソシアネートに
分解し、発生したイソシアネートが活性水素と反応し更
に架橋密度を向上させ、耐水性等の塗膜物性が向上す
る。
【0034】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳細に説
明する。なお実施例中「部」及び「%」は重量基準で示
す。 製造例1(ウレタンオリゴマーの製造) 500mlのコルベンにポリカプロラクトントリオール
(MW2000)100g、ポリカプロラクトンジオー
ル(MW1000)100g、メタクリル酸2−ヒドロ
キシエチル6.5g及び酢酸n−プロピル121gを仕
込み、窒素置換し、80℃に昇温して均一に溶解させ
た。イソホロンジイソシアネート56gを滴下した後ジ
オクチル錫メルカプチド0.01gを添加して同温度で
6時間反応させた。その後50℃以下に降温した後γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン17.9gを加え、
残存しているNCOと反応させた。IRの2250cm
-1にNCOの吸収が無いことを確認してアルコキシシリ
ル基とビニル基を有するウレタンオリゴマー(固形分7
0%)を製造した。
【0035】実施例1 イソプロパノール100gを300mlの4つ口コルベ
ンに仕込み、攪拌しながら80℃に加熱した。次いで下
記処方の各成分を配合した混合溶液を3時間かけて滴下
した。 [処方1] CF3(CF2)5(CH2)2OCOC(CH3)=CH2 5g 1,1−ジメチル−1−(2−ヒドロキシプロピル) アミンメタクリルイミド 3g γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 12g メタクリル酸n−セチル 10g アクリル酸 3g メタクリル酸メチル 35g アクリル酸n−ブチル 17g アクリル酸2−ヒドロキシエチル 15g n−ラウリルメルカプタン 1g アゾビスイソバレロニトリル 1g 滴下終了後2時間同温度で反応させ、その後アゾビスイ
ソバレロニトリル0.3gを追加し、更に2時間反応さ
せた。この様にして共重合体のイソプロパノール50%
溶液を得た。更にこの溶液に30℃以下で、ジメチルア
ミノエタノール3.0gを加えて良く混合した後、水3
00gを徐々に加えて乳化し、減圧下、50℃以下でイ
ソプロパノールをトッピングし、最後に水で調整して、
固形分30%の共重合体の水分散体(I)を得た。
【0036】共重合体の水分散体(I)60重量部とス
ノーテックスC 40重量部との混合物を調製した。な
お、スノーテックスCは日産化学工業社製シリカゾルの
商品名で下記の特性を有するものである: 無水珪酸(SiO2)含有量 20〜21% 水素イオン濃度 8.5〜9.0 粒子径 10〜20μm 粘度(25℃) 10cP以下 比重(20℃) 1.12〜1.14 実施例2 処方を下記処方とした以外は実施例1と同様にして固形
分30%の共重合体の水分散体(II)を得た。 [処方2] 1,1−ジメチル−1−(2−ヒドロキシプロピル) アミンメタクリルイミド 5g γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 20g メタクリル酸n−セチル 15g アクリル酸 3g メタクリル酸メチル 20g アクリル酸n−ブチル 22g アクリル酸2−ヒドロキシエチル 15g n−ラウリルメルカプタン 1g アゾビスイソバレロニトリル 1g 共重合体の水分散体(II)55重量部とスノーテックス
C 45重量部との混合物を調製した。
【0037】実施例3 処方を下記処方とした以外は実施例1と同様にして固形
分30%の共重合体の水分散体(III) を得た。 [処方3] 1,1−ジメチル−1−(2−ヒドロキシプロピル) アミンメタクリルイミド 5g γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 15g メタクリル酸n−セチル 15g アクリル酸 3g メタクリル酸メチル 12g アクリル酸n−ブチル 10g アクリル酸2−ヒドロキシエチル 10g ウレタンオリゴマー(製造例1で得たもの) 30g n−ラウリルメルカプタン 1g アゾビスイソバレロニトリル 1g 共重合体の水分散体(III) 60重量部とスノーテックス
C 40重量部との混合物を調製した。
【0038】実施例4 実施例1で得た共重合体の水分散体(I)60重量部と
スノーテックスC 40重量部との混合物100部に硬
化触媒として、プレンアクトKR−ET 2重量部を混
合して混合物を調製した。プレンアクトKR−ETは味
の素社製チタネート系カップリング剤の商品名である。
【0039】実施例5 実施例1で得た共重合体の水分散体(I)60重量部と
スノーテックスC 40重量部との混合物100部に硬
化触媒として、トリメチルアミン1重量部を混合して混
合物を調製した。 比較例1 グラスコーSW−135 90重量部に水10重量部を
攪拌混合して混合物を調製した。なお、グラスコーSW
−135は三洋化成工業社製のアルコキシシラン含有ア
クリル共重合体エマルションの商品名である。
【0040】比較例2 モビニールDM706 53重量部に水7重量部を攪拌
混合し、その後スノーテックスC 40重量部を混合し
て混合物を調製した。なお、モビニールDM706はヘ
キスト合成社製商品名で下記の特性を有するものであ
る: 主成分 スチレンアクリル共重合物 固形分濃度 34% 粘度(25℃) 100cP以下 水素イオン濃度 7.5〜8.5 試験例1〜5及び比較試験例1〜2 見掛け比重1.05の(抄造法による)石膏スラグパー
ライト材にVセラン#100シーラー(大日本塗料株式
会社製、ポリイソシアネートプレポリマー溶液シーラ
ー)をエアレススプレーにて70g/m2(wet量)
塗布し、100℃れ5分間乾燥後、中塗塗料としてVセ
ラン#300(大日本塗料株式会社製、アクリルエマル
ション塗料)をエアレススプレーにて100g/m
2(wet量)塗布し、120℃で5分間乾燥させた。
次いで実施例1〜5及び比較例1〜2の上塗塗料をエア
レススプレーにて130g/m2(wet量)塗布し、
120℃で20分間乾燥させた。得られた塗材を7日間
室温で放置した後、下記の方法により透明性、密着性、
硬度、耐温水性、耐汚染性、促進耐候性の試験を行っ
た。その結果を表1に示す。 透明性:下地の濃ブラウン色が鮮明に見えるかを肉眼で
観察した: ○:透明で良好である △:やや白濁し、半透明 ×:白濁、不透明 密着性:初期塗材の4mmゴバン目セロファンテープ剥
離試験: ○:23/25超 △:15/25〜23/25 ×:15/25未満 硬度:三菱ユニ鉛筆を使用し、鉛筆の硬さ表示で塗膜硬
さを表わす 耐温水性:80℃温水中に26時間浸漬後の塗膜の状態
(ブリスター、白化等)を肉眼で観察した: ○:ブリスター、白化なし △:ブリスター、白化が僅かに有り ×:ブリスター、白化が著しい 耐汚染性:赤、黒マジックインキの24時間後の除染性
を肉眼で観察した: ○:完全除去 △:軽微な汚染 ×:汚染が著しい 促進耐候性:ザQパネル社製のQUV式ウェザーメータ
ー(紫外線蛍光ランプ「No.QFS−40.UV−
B」、波長域320〜280nm)を用いて温度40〜
70℃で照射(15分)と結露(15分)というサイク
ルを2000時間繰返した後の塗膜劣化の程度を観察し
た: ○:塗膜外観にほとんど変化なし △:塗膜外観変化あり ×:塗膜外観変化著しい
【0041】
【表1】 表1より明らかの通り、本発明の水系無機・有機複合型
バインダー組成物である実施例1〜5の組成物を使用し
た場合には優れた透明性、密着性、硬度、耐温水性、耐
汚染性、促進耐候性を有している。
【0042】一方、シリカゾルを配合しなかった比較例
1の組成物を使用した場合には透明性については白濁、
不透明であり、また硬度も僅かに低い傾向があった。ま
た、加水分解性シリル基、アミンイミド基、炭素数6〜
30のアルキル基及び/又は炭素数8〜20のパーフル
オロアルキル基を有していないスチレンアクリル共重合
体の水分散体を使用した比較例1の組成物使用した場合
には、耐温水性、促進耐候性が不良であった。
【0043】
【発明の効果】本発明の水系無機・有機複合型被覆剤用
バインダー組成物は、常温であるいは比較的低温での加
熱によって、透明性、密着性、硬度、耐温水性、耐汚染
性、耐候性等に優れた被膜を形成することが可能であ
り、無機質系多孔質基材の被覆に用いるのに適してい
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子中に側鎖として (i)少なくとも1
    個の加水分解性シリル基、(ii)少なくとも1個のアミン
    イミド基、及び (iii)少なくとも1個の炭素数6〜30
    のアルキル基及び/又は少なくとの1個の炭素数8〜2
    0のパーフルオロアルキル基を有するビニル系共重合体
    の水分散体と、シリカゾルとを含むことを特徴とする水
    系無機・有機複合型被覆剤用バインダー組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のビニル系共重合体の水分
    散体と、硬化触媒と、シリカゾルとを含むことを特徴と
    する水系無機・有機複合型被覆剤用バインダー組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009057539A (ja) * 2007-03-30 2009-03-19 Bekku Kk 被覆材
JP2013144808A (ja) * 2013-03-27 2013-07-25 Dainippon Toryo Co Ltd 塗料組成物
CN114106265A (zh) * 2021-12-17 2022-03-01 上海中南建筑材料有限公司 一种共聚物、其制备方法以及气凝胶组合物和界面涂料

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CN114106265B (zh) * 2021-12-17 2023-07-14 上海中南建筑材料有限公司 一种共聚物、其制备方法以及气凝胶组合物和界面涂料

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