JPH0798214A - 視覚に基く三次元位置および姿勢の認識方法ならびに視覚に基く三次元位置および姿勢の認識装置 - Google Patents

視覚に基く三次元位置および姿勢の認識方法ならびに視覚に基く三次元位置および姿勢の認識装置

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JPH0798214A
JPH0798214A JP24249693A JP24249693A JPH0798214A JP H0798214 A JPH0798214 A JP H0798214A JP 24249693 A JP24249693 A JP 24249693A JP 24249693 A JP24249693 A JP 24249693A JP H0798214 A JPH0798214 A JP H0798214A
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英樹 斉藤
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美樹男 笹木
Yukinori Kanayama
幸礼 金山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 平面マーカを撮像手段により斜方向から撮影
し、簡単な画像処理を実施するだけで、高速,高精度且
つロバストに位置姿勢認識を行う。 【構成】 平面状のマーカ6には正方形部7,8が一つ
の頂点で接するようにして横方向に並べて表示されてい
る。CCDカメラ5によりこれを撮影して三次元位置認
識装置9により位置姿勢を認識する。画像データに基づ
いて、画像処理を行って二値化されたデジタル画像デー
タとし、マーカ6の線分を6本の直線として検出する。
複比不変の法則に基づいて消失点の座標を求めると共
に、二次形式最小化問題として消失点の座標を求めて単
位方向ベクトルの最適ベクトルを求める。これにより、
位置姿勢を求めて座標変換行列を計算する。直線を精度
良く検出でき、簡単な画像処理計算で精度良く検出でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単眼視カメラにより撮
影した画像情報に基づいてその単眼視カメラの三次元位
置および姿勢を認識するようにした視覚に基く三次元位
置および姿勢の認識方法ならびに視覚に基く三次元位置
および姿勢の認識装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば、自律移動ロボット等のよ
うに、形状および絶対座標位置が既知である対象物体に
対して接近するように移動し、ロボットハンドの先端に
設けたマニピュレータにより対象物体を把持するといっ
た能動的操作を行うようにしたものがある。このような
自律移動ロボット等においては、CCDカメラなどの撮
像手段を搭載してその二次元的な画像情報に基いて対象
物体に対する自己の三次元的な相対位置を認識すること
が必要になる。この場合、位置認識を行うための装置に
おいては、高精度且つ迅速に計算を行って三次元的な位
置のデータを求めることが要求され、しかも安価に実現
できる構成が望まれている。
【0003】そこで、従来では、比較的簡単なものとし
て、例えば、特開平3−166072号公報あるいは特
開平3−166073号公報に示されるようなものが考
えられている。すなわち、これらにおいては、対象装置
に固定された形状および寸法が既知の特殊な幾何学形状
(マーカと呼ぶ)をカメラにより撮影し、そのマーカの
二次元的な画像情報に基いて、その重心位置を計算する
等の方法により対象装置に対するCCDカメラの相対的
な三次元の位置関係を求め、これに基づいてロボットハ
ンドを移動制御するようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来構成のものでは、CCDカメラによるマーカ
の撮影を、CCDカメラの光軸に対する垂直面内にマー
カ表示面が位置するようにCCDカメラを移動させて行
うようにしており、マーカの撮影画面がマーカ表示面の
二次元的な相対位置と1対1の対応関係となるようにす
る必要があるため、次のような実用上の不具合がある。
【0005】すなわち、例えば、対象物を把持するため
のロボットハンドにカメラを取り付けていると、対象物
の近傍に配置されたマーカを垂直方向から撮影するため
にロボットハンドを適切な位置まで移動させる必要があ
るが、このとき、ロボットハンド先端のマニピュレータ
が物品の把持状態にある場合などにおいては、その移動
範囲に制約を受けることになる。
【0006】また、CCDカメラによりマーカを視野内
に入るように移動させるために、マーカの設置領域が狭
いと、ロボットハンドがその作業環境と接触して互いに
損傷を与える不具合が生ずるため、マーカの設置領域を
ロボットハンドが十分に移動可能となるような作業環境
にする必要があり、作業環境に大きく制約を与えること
になるという不具合がある。
【0007】ところが、従来、このような不具合を解消
すべく、マーカから斜方向に離れた位置から撮影するこ
とにより、カメラの位置姿勢を高速且つ高精度でロバス
ト(ロバストとは、一般的に、処理や認識の結果がノイ
ズや環境条件の変動によってあまり影響を受けないこと
を定性的に示すことばとして用いられている。)に認識
できるものがなかった。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、撮像手段により平面マーカを撮影して
三次元位置を認識するときに、平面マーカに対して撮像
手段を垂直方向に対向させることなく、斜方向から撮影
した画像情報に基づいて、簡単な二値化画像処理を実施
するだけで、高速且つ高精度でしかもロバストな位置姿
勢認識を行うことができるようにした視覚に基く三次元
位置および姿勢の認識方法およびその装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の視覚に基く三次
元位置および姿勢の認識方法は、所定寸法を有し互いに
直交する2本の線分とそれら2本の線分にそれぞれ平行
な線分とを含んで囲まれた図形を背景部分に対して濃淡
情報あるいは色情報の変化により平面上に表示されたマ
ーカを備え、前記撮像手段からの画像データに基づいて
前記マーカの画像領域を選択すると共に、その選択され
た画像領域内の画像データの値の変化点を検出して輪郭
点位置を抽出する画像処理ステップと、この画像処理ス
テップにて抽出された前記輪郭点位置のデータに基づい
て、撮影画面上における前記マーカの直交する線分およ
びそれらに平行な線分をそれぞれ含む直線のパラメータ
を最小二乗推定法により計算する直線あてはめ処理ステ
ップと、前記マーカに表示された平行な線分に対応して
前記直線あてはめ処理ステップにて計算された直線の交
点である消失点のデータに基づいて前記マーカの単位方
向ベクトルを計算する単位方向ベクトル計算処理ステッ
プと、前記マーカの直交する線分の交点を原点としてそ
れら各線分の方向およびマーカ面に垂直でその原点を通
る法線方向を基準方向としたマーカ座標系を設定し、前
記単位方向ベクトルに基づいて前記マーカの位置姿勢を
示すパラメータを計算する位置姿勢計算処理ステップ
と、この位置姿勢計算処理ステップにおける前記撮像手
段の位置姿勢を示すパラメータ計算結果に基づいて、前
記撮像手段の基準座標系から見た前記マーカの位置姿勢
を表す座標変換行列を計算する座標変換行列計算処理ス
テップとを設けたところに特徴を有する。
【0010】また、前記マーカを、背景部分に対して濃
淡情報あるいは色情報の変化により表示された少なくと
も2個の長方形状あるいは正方形状をなす図形から構成
し、それらの図形を互いに一つの頂点で接すると共にそ
の頂点を含む隣接する辺同士が直角をなすように配置し
て構成すると良い。
【0011】そして、前記直線あてはめ処理ステップに
おいては、前記画像処理ステップにて抽出された前記輪
郭点位置のデータに基づいて、前記マーカのひとつの線
分に対応して直線を複数本検出し、それらの直線の平均
化処理を行うことにより1本の直線を求めてその直線パ
ラメータ決定することが好ましい。
【0012】さらに、前記単位方向ベクトル計算処理ス
テップにおいては、複比不変の法則を利用して前記消失
点の候補値を3つ以上計算し、それらの候補値の2次元
座標データに基づいて前記単位方向ベクトルを計算する
ことが好ましい。
【0013】また、前記単位方向ベクトル計算処理ステ
ップにおいては、前記マーカの3本以上の平行な線分に
それぞれ対応して得られた直線について、それらの交点
に対する単位方向ベクトルをモーメント行列に対する二
次形式最小化問題として解くことにより前記単位方向ベ
クトルを計算すると良い。
【0014】そして、本発明の視覚に基く三次元位置お
よび姿勢の認識装置は、所定寸法を有する少なくとも2
本の平行な線分からなる2組の平行線群が互いに直交す
るように配置された状態を背景部分に対して濃淡情報あ
るいは色情報の変化により平面上に表示されたマーカ
と、撮影画像の画像データを出力する撮像手段と、前記
マーカの形状寸法を示すマーカデータが記憶された記憶
手段と、前記撮像手段からの画像データに基づいて前記
マーカの画像領域を選択すると共に、その選択された画
像領域内の画像データの値の変化点を検出して輪郭点位
置を抽出する画像処理手段と、この画像処理手段により
抽出された前記輪郭点位置のデータに基づいて前記マー
カの直交する平行線群のそれぞれの線分を含む直線のパ
ラメータを最小二乗推定法により求めるようにした直線
あてはめ処理手段と、前記2組の平行線群の各線分を含
む直線の前記撮影画面上における交点である消失点のデ
ータに基づいて前記マーカの単位方向ベクトルを計算す
る単位方向ベクトル計算処理手段と、前記直線あてはめ
処理手段により求められた2本の直交する直線とその交
点を通る法線とを座標系の軸としたマーカ座標系を設定
し、このマーカ座標系と前記単位方向ベクトルに基づい
て前記マーカの位置姿勢を計算する位置姿勢計算処理手
段と、この位置姿勢計算処理手段による前記撮像手段の
位置姿勢を示すパラメータ計算結果に基づいて、前記撮
像手段の基準座標系から見た前記マーカの位置姿勢を表
す座標変換行列を計算する座標変換行列計算手段とを設
けて構成したところに特徴を有する。
【0015】また、前記マーカを、背景部分に対して濃
淡情報あるいは色情報の変化により表示された少なくと
も2個の長方形状あるいは正方形状をなす図形から構成
し、それらの図形を互いに一つの頂点で接すると共にそ
の頂点を含む隣接する辺同士が直角をなすように配置す
ることが好ましい。
【0016】そして、前記直線あてはめ処理手段を、前
記画像処理手段により抽出された前記輪郭点位置のデー
タに基づいて、前記マーカのひとつの線分に対応して直
線を複数本検出し、それらの直線の平均化処理を行うこ
とにより1本の直線を求めてその直線パラメータ決定す
るように構成すると良い。
【0017】さらに、前記単位方向ベクトル計算処理手
段を、複比不変の法則を利用して前記消失点の候補値を
3つ以上計算し、それらの候補値の2次元座標データに
基づいて前記単位方向ベクトルを計算するように構成す
ることができる。
【0018】また、前記単位方向ベクトル計算処理手段
を、前記マーカの3本以上の平行な線分にそれぞれ対応
して得られた直線について、それらの交点に対する単位
方向ベクトルをモーメント行列に対する二次形式最小化
問題として解くことにより前記単位方向ベクトルを計算
するように構成することもできる。
【0019】
【作用】請求項1記載の視覚に基く三次元位置および姿
勢の認識方法によれば、マーカに対して三次元空間の斜
方向に位置する撮像手段によりそのマーカを撮影したと
きに、以下のように各処理ステップを実行することによ
り、マーカに対する撮像手段の三次元位置および姿勢を
認識することができるようになる。
【0020】すなわち、まず、撮像手段により撮影され
たマーカの画像データは、画像処理ステップにおいて、
マーカの画像領域が選択されると共に、その選択された
画像領域内の画像データの値の変化点を検出して輪郭点
位置が抽出されるようになる。このとき、マーカの各線
分は濃淡情報あるいは色情報の変化で表示されてるの
で、線分の検出を線幅を持たない図形の輪郭線から求め
ることができるようになり、画像処理が簡単になると共
に、検出誤差を極力低減して輪郭点位置を精度良く抽出
することができる。
【0021】次に、直線あてはめ処理ステップにおい
て、上述の画像処理ステップにて抽出された輪郭点位置
のデータに基づいてマーカの直交する線分およびそれら
に平行な線分をそれぞれ含む直線のパラメータが最小二
乗推定法により求められるようになる。
【0022】そして、単位方向ベクトル計算処理ステッ
プにおいては、マーカを撮像手段により斜方向から撮影
していることにより、マーカに表示された平行な線分に
対応して直線あてはめ処理ステップにて計算された直線
が無限遠で交差するため、その交点である消失点の2次
元座標が計算され、これから単位方向ベクトルが計算さ
れるようになる。
【0023】続いて、位置姿勢計算処理ステップにおい
て、マーカの直交する線分の交点を原点としてそれら各
線分の方向およびマーカ面に垂直でその原点を通る法線
方向を基準方向としたマーカ座標系が設定され、単位方
向ベクトル計算処理ステップにて求められた単位方向ベ
クトルに基づいてマーカの位置姿勢を示すパラメータが
計算されるようになる。
【0024】そして、座標変換行列計算処理ステップに
おいて、撮像手段の位置姿勢を示すパラメータ計算結果
に基づき、撮像手段の基準座標系から見たマーカの位置
姿勢を表す座標変換行列が計算されるようになる。
【0025】この場合、撮像手段によりマーカを斜方向
から撮影することにより三次元位置および姿勢が認識で
きると共に、マーカの図形に対する簡単な計算処理を実
行するだけで良いので、高速且つ高精度で認識できると
共に、ロバストな処理結果を得ることができるようにな
る。
【0026】請求項2記載の視覚に基く三次元位置およ
び姿勢の認識方法によれば、マーカを、2個以上の長方
形状あるいは正方形状をなす簡単な図形で表示している
ので、マーカの位置姿勢認識の計算処理を簡単化するこ
とができるようになると共に、例えば、図形を横方向に
並べるように配置することにより、撮像手段の撮影画面
に対してマーカの傾き角度が大きくなる場合でも、線分
の奥行き方向の距離変化を少なくして焦点ずれによる誤
差を低減して精度良く検出することができるようにな
る。
【0027】請求項3記載の視覚に基く三次元位置およ
び姿勢の認識方法によれば、直線あてはめ処理ステップ
において、画像処理ステップで抽出された前記輪郭点位
置のデータに基づいて、マーカのひとつの線分に対応し
て直線を複数本検出し、それらの直線の平均化処理を行
うことにより1本の直線を求めてその直線パラメータを
決定するので、例えば、撮像手段により撮影されたマー
カが、焦点ずれにより輪郭線が直交する線分として検出
できない場合でも、それらの輪郭点位置から得られる複
数本の直線から平均化することにより、より正確な直線
として検出することができるようになる。
【0028】請求項4記載の視覚に基く三次元位置およ
び姿勢の認識方法によれば、単位方向ベクトル計算処理
ステップにおいて、複比不変の法則を利用して消失点の
候補値を3つ以上計算し、それらの候補値の2次元座標
データに基づいて単位方向ベクトルを計算するので、例
えば、平行な線分に対応して検出された直線に誤差が生
じていてそれらの交点から得られる消失点が複数存在す
る場合でも、より正確な単位方向ベクトルを検出するこ
とができるようになる。
【0029】請求項5記載の視覚に基く三次元位置およ
び姿勢の認識方法によれば、単位方向ベクトル計算処理
ステップにおいて、マーカの3本以上の平行な線分にそ
れぞれ対応して得られた直線について、それらの交点に
対する単位方向ベクトルをモーメント行列に対する二次
形式最小化問題として解くことにより計算するので、上
述と同様にして検出された直線に誤差が生じている場合
でも、より正確な単位方向ベクトルを検出することがで
きるようになる。
【0030】請求項6記載の視覚に基く三次元位置およ
び姿勢の認識装置によれば、マーカに対して三次元空間
の斜方向に位置する撮像手段によりそのマーカを撮影し
たときに、以下のようしてマーカに対する撮像手段の三
次元位置および姿勢を認識することができるようにな
る。
【0031】すなわち、撮像手段によりマーカを三次元
空間の斜方向から撮影したときに得られるマーカの画像
データに対して、画像処理手段により、マーカの画像領
域が選択されると共に、その選択された画像領域内の画
像データの値の変化点を検出して輪郭点位置を抽出す
る。このとき、マーカの各線分は濃淡情報あるいは色情
報の変化で表示されてるので、線分の検出を線幅を持た
ない図形の輪郭線から求めることができるようになり、
画像処理が簡単になると共に、検出誤差を極力低減して
輪郭点位置を精度良く抽出することができる。
【0032】次に、直線あてはめ処理手段により、抽出
された輪郭点位置のデータに基づいてマーカの直交する
線分およびそれらに平行な線分をそれぞれ含む直線のパ
ラメータを最小二乗推定法により求める。次に、マーカ
を撮像手段により斜方向から撮影していることにより、
マーカに表示された平行な線分に対応して直線あてはめ
処理手段により計算された直線が無限遠位置では交差す
ることを利用して、単位方向ベクトル計算処理手段によ
り、その交点である消失点の2次元座標を計算し、これ
から単位方向ベクトルを計算するようになる。
【0033】続いて、位置姿勢計算処理手段により、マ
ーカの直交する線分の交点を原点としてそれら各線分の
方向およびマーカ面に垂直でその原点を通る法線方向を
基準方向としたマーカ座標系を設定し、単位方向ベクト
ル計算手段により求められた単位方向ベクトルに基づい
てマーカの位置姿勢を示すパラメータを計算する。そし
て、撮像手段の位置姿勢を示すパラメータ計算結果に基
づき、座標変換行列計算処理手段により、撮像手段の基
準座標系から見たマーカの位置姿勢を表す座標変換行列
を計算する。
【0034】この場合、撮像手段によりマーカを斜方向
から撮影することにより三次元位置および姿勢が認識で
きると共に、マーカの図形に対する簡単な計算処理を実
行するだけで良いので、高速且つ高精度で認識できると
共に、ロバストな処理結果を得ることができるようにな
る。
【0035】請求項7記載の視覚に基く三次元位置およ
び姿勢の認識装置によれば、マーカを、2個以上の長方
形状あるいは正方形状をなす簡単な図形で表示している
ので、マーカの位置姿勢認識の計算処理を簡単化するこ
とができるようになると共に、例えば、図形を横方向に
並べるように配置することにより、撮像手段の撮影画面
に対してマーカの傾き角度が大きくなる場合でも、線分
の奥行き方向の距離変化を少なくして焦点ずれによる誤
差を低減して精度良く検出することができるようにな
る。
【0036】請求項8記載の視覚に基く三次元位置およ
び姿勢の認識装置によれば、直線あてはめ処理手段によ
り、画像処理ステップで抽出された前記輪郭点位置のデ
ータに基づいて、マーカのひとつの線分に対応して直線
を複数本検出し、それらの直線の平均化処理を行うこと
により1本の直線を求めてその直線パラメータ決定する
ので、例えば、撮像手段により撮影されたマーカが、焦
点ずれにより輪郭線が直交する線分として検出できない
場合でも、それらの輪郭点位置から得られる複数本の直
線から平均化することにより、より正確な直線として検
出することができるようになる。
【0037】請求項9記載の視覚に基く三次元位置およ
び姿勢の認識装置によれば、単位方向ベクトル計算処理
手段により、複比不変の法則を利用して消失点の候補値
を3つ以上計算し、それらの候補値の2次元座標データ
に基づいて単位方向ベクトルを計算するので、例えば、
平行な線分に対応して検出された直線に誤差が生じてい
てそれらの交点から得られる消失点が複数存在する場合
でも、より正確な単位方向ベクトルを検出することがで
きるようになる。
【0038】請求項10記載の視覚に基く三次元位置お
よび姿勢の認識装置によれば、単位方向ベクトル計算処
理手段により、マーカの3本以上の平行な線分にそれぞ
れ対応して得られた直線について、それらの交点に対す
る単位方向ベクトルをモーメント行列に対する二次形式
最小化問題として解くことにより計算するので、上述と
同様にして検出された直線に誤差が生じている場合で
も、より正確な単位方向ベクトルを検出することができ
るようになる。
【0039】
【実施例】以下、本発明を工場内などの軌道上を走行す
る自律移動ロボットに搭載する三次元位置認識装置に適
用した場合の第1の実施例について図1ないし図14を
参照しながら説明する。全体構成の概略を示す図2にお
いて、自律走行ロボット(図示せず)は、工場内などの
軌道上を走行して所定の作業位置で停止して、本体上部
に取り付けられたロボットハンド1により対象物を把持
したり載置したりするなどの作業を行うものであり、所
定の位置に、センサからの検出信号や外部情報などに基
づいて停止されるようになっている。
【0040】ロボットハンド1は、自律走行ロボットの
本体上部に回動可能に保持されたアーム部2とこのアー
ム部2の先端に回動可能に設けられたヘッド部3から構
成され、このヘッド部3に対象物を把持するためのマニ
ピュレータ4が設けられている。そして、ロボットハン
ド1は、図示しない制御装置からの制御信号に応じてア
ーム部2,ヘッド部3およびマニピュレータ4が駆動制
御されるようになっている。
【0041】この場合、アーム部2は、基端部2aにお
いて垂直方向の軸を回転軸として水平面内で回動可能と
され、中間部に設けられた関節2bにおいて水平方向の
軸を回転軸として垂直面内で回動可能とされている。ま
た、アーム部2の先端部に取り付けられたヘッド部3
は、水平方向の軸を回転軸として垂直面内で回動可能と
され、ヘッド部3の上下方向の軸を回転軸として回動可
能とされると共に、ヘッド部3の突出方向の軸を回転軸
として捩じる方向に回動可能とされている。
【0042】また、このヘッド部3の上部には、マニピ
ュレータ4の動作に支障を来さない位置に撮像手段とし
ての小形のCCDカメラ5が取り付けられており、その
ヘッド部3と共に移動制御されるようになっている。そ
して、このCCDカメラ5により撮影された画像データ
に基づいて、後述するようにして、CCDカメラ5の位
置と姿勢が計算により求められると、その結果に応じて
制御装置によりロボットハンド1の動作が駆動制御され
るようになっている。
【0043】マニピュレータ4により作業する位置に
は、対象物との位置関係があらかじめ決められた関係で
配置されたマーカ6が配設されている。このマーカ6
は、図3に示すように、例えば、白地の背景部分に黒色
で表示された2個の正方形部7および8を横に並べた状
態で配置された構成となっている。
【0044】この場合、正方形部7および8は、ひとつ
の頂点で接する状態に配置され、正方形部7の4つの辺
a1,a2,a3,a4および正方形部8の4つの辺b
1,b2,b3,b4のうち、辺a1および辺b2と、
辺a2および辺b1とがそれぞれ一直線上に位置するよ
うに配置されている。そして、正方形部7および8が接
する点をマーカ座標系の原点Oとしている。なお、マー
カ6の大きさは、CCDカメラ5で撮影したときにその
撮影視野内に全体が十分な大きさで且つ歪みのない状態
で入るように設定されている。
【0045】さて、三次元位置姿勢認識装置9は、具体
的には、例えば全体の計算制御を実行させるコンピュー
タ等から構成されるもので、その内部の機能的なブロッ
ク構成は図1に示すように構成されている。すなわち、
図1において、三次元位置姿勢認識装置9の全体は、概
略構成として、画像処理手段としての画像処理部10,
直線あてはめ手段としての直線あてはめ部11,単位方
向ベクトル計算手段としての消失点計算部12,位置姿
勢計算手段としての位置姿勢計算部13,座標変換行列
計算手段としての座標変換行列計算部14および記憶手
段としてのメモリ15から構成されており、それぞれ
は、後述するフローチャートの流れに従って計算処理が
実行されるようになっている。
【0046】そして、画像処理部10は、前処理計算部
16,サンプル点抽出部17から構成されている。前処
理計算部16は、前処理計算としてCCDカメラ5が撮
影したマーカ6の画像データを二値化したデジタル画像
データとし、マーカ6の存在する画像領域を切り出して
出力する。サンプル点抽出部17は、切り出された画像
領域のマーカ画像が存在する位置の座標データから、正
方形部7および8の輪郭点を抽出してサンプル点座標デ
ータとして出力する。
【0047】直線あてはめ部12は、最小二乗推定部1
8および直線パラメータ出力部19から構成されてお
り、最小二乗推定部18により、後述するようにしてサ
ンプル点座標データから撮影画面上における直線を検出
すると、直線パラメータ出力部19により、検出した直
線のパラメータが出力されるようになっている。
【0048】消失点計算部12は、モーメント行列計算
部20,最小固有値計算部21,単位固有ベクトル計算
部22,最適ベクトル計算部23および消失点座標推定
部24から構成される。これらは、検出された直線のパ
ラメータから、後述するように、マーカ6の平行な線分
に対応する直線のパラメータに基づいて、それらの直線
が無限遠点で撮影画面上において交差する点である消失
点を計算するもので、ここでは二次形式最小化問題とし
てこれを解くようにしている。
【0049】位置姿勢計算部13は、焦点距離計算部2
5,姿勢計算部26およびマーカ原点位置計算部27か
ら構成される。これらは、求められた撮影画面上におけ
る消失点の二次元座標データとマーカ6の原点Oを基準
としたマーカ座標系とに基づいて、最適ベクトル,焦点
距離,姿勢ベクトルおよびマーカ原点位置を計算するよ
うになっている。
【0050】なお、メモリ15は、マーカ6の形状寸法
等を示すマーカデータが記憶されると共に、CCDカメ
ラ5の撮影画角やアスペクト比(画面の縦横の比率)な
どの、あらかじめわかっている情報が記憶されている。
【0051】座標変換行列部14は、上述のようにして
求められたマーカ6の位置姿勢を表すデータから、CC
Dカメラ5の座標系を基準としたマーカ6の位置姿勢を
表す座標変換行列を計算して求めるようになっており、
その計算結果を、データ出力部28を介して自律移動ロ
ボットの動作を制御する制御装置等に与えるようになっ
ている。
【0052】次に、本実施例の作用について、図4ない
し図13をも参照し、以下、各処理ステップに対応して
順次説明する。まず、自律走行ロボットは、作業位置近
傍に近付くと、別途に設けられたセンサ等により所定の
停止領域内に停止され、その位置でCCDカメラ5によ
りマーカ6の撮影を行なうように、あらかじめティーチ
ングされている。この場合、CCDカメラ5は、図5に
示すように、マーカ6を正方形部7,8が横に並んだ状
態で斜め上方向から撮影するようになっており、これに
より、CCDカメラ5の撮影視野内にマーカ6の全体像
が歪みなく取り込まれるようになっている。
【0053】そして、三次元位置認識装置8は、図4に
示す認識プログラムの流れを示すフローチャートにした
がって三次元位置姿勢の認識を行うための処理ステップ
を実行するようになる。
【0054】(a)画像処理ステップ(S1〜S4) さて、まず、プログラムがスタートされると、各種の初
期値設定を実行した(ステップS1)後、前処理計算部
16により、CCDカメラ5で撮影されたマーカ6の画
像データを入力するようになる(ステップS2)。次
に、前処理計算部16は、ステップS3にて、前処理計
算を実行するようになる。この前処理計算においては、
CCDカメラ5から入力した画像データを所定のしきい
値で二値化することにより、明暗を示すアナログデータ
を「1」,「0」などの二値化されたデジタル画像デー
タに変換すると共に、マーカ6が撮影された画像領域を
切り出して出力するようになる。
【0055】これにより、マーカ6に黒色で描かれた正
方形部7および8に該当する位置のデジタル画像データ
と白地の背景部分に該当する位置のデジタル画像データ
とが、それぞれ「1」および「0」のいずれかのデジタ
ル画像データとして識別されるようになる。
【0056】この後、サンプル抽出部17は、ステップ
S4で、デジタル画像データに基づいて、マーカ6の正
方形部7および8の部分の辺a1〜a4,b1〜b4に
相当する輪郭線をサンプリングする。マーカ6の正方形
部7および8の各辺を通る直線は、図6に平面図で示す
ように、6本の直線Lm1〜Lm6がある。
【0057】サンプル抽出においては、これらの直線L
m1〜Lm6に対応する撮影画面上における直線L1〜
L6を検出するために、図7に示すように、撮影画面上
で横方向つまりx軸方向に走査してデジタル画像データ
値が変化する位置の画素の座標データを記憶していく。
これにより、撮影画面上における正方形部7,8の各辺
a1〜a4,b1〜b4上のサンプリング点を、撮影画
面上の二次元座標で示された例えばs個のサンプル抽出
点SPn[xn,yn]として得ることができる(ただ
しn=1,2,…,s)。
【0058】(b)直線あてはめ処理ステップ(S5〜
S9) 次に、ステップS5に進むと、直線あてはめ処理部11
の最小二乗推定部18および直線パラメータ出力部19
において、得られたs個のサンプル抽出点SPnの座標
データに基づいて、マーカ6の直線Lm1〜Lm6に対
応する撮影画面上における直線L1〜L6(図8参照)
を最小二乗推定法により計算し、得られた直線のパラメ
ータを出力するようになる。
【0059】この場合、最小二乗推定法を適用して計算
を実施するにあたって、本実施例においては、直線L1
〜L6の一般式を式(1)のようなヘッセの標準形で表
現し、この方程式にサンプル抽出点SPn[xn,y
n]の座標データを適用し、後述する(付録)に示した
ような導出過程により計算を実行して直線パラメータ
[θi,hi]を計算している。
【0060】なお、(付録)に記載した導出過程及び以
下の探索過程における導出では、小野寺,金谷氏による
『計算射影幾何学によるカメラキャリブレーション』
(情報処理学会研究報告68−CV−1,1990−0
9)を参考にした。
【0061】
【数1】
【0062】なお、上述のようにして直線の検出を行う
場合に、例えば、CCDカメラ5による撮影画面がフォ
ーカスずれを起こしていることにより、マーカ6の画像
にボケが生ずる場合があると、図9に示すように、輪郭
線があいまいになっていわゆるグレーゾーンGLが生ず
ることがある。そして、本実施例においては、このよう
なフォーカスずれに対応して、ステップS6において、
直線Liが検出されるべき部分のグレーゾーンGLに対
応して複数本の直線Li1,Li2,…を検出してそれ
らの直線パラメータの平均化処理を行うことにより一つ
の直線Liのパラメータを決定するようにしている。
【0063】そして、以上のようにして、例えば直線L
1についての計算が終了すると、ステップS7にてその
直線のパラメータ[θ1,h1]を求め、ステップS
8,S9を経て再びステップS5〜S7を実行して次の
直線L2について同様にして直線のパラメータ[θ2,
h2]を求め、以下、同様にして直線L3〜L6につい
ても直線のパラメータを計算して求めるようになる。
【0064】(c)マーカ単位方向ベクトル計算処理ス
テップ(S10〜S17) 次に、CCDカメラ5により撮影しているマーカ6の姿
勢を示す単位方向ベクトルを上述のようにして得られた
6本の直線L1〜L6のパラメータ[θi,hi](i
=1〜6)のデータに基づいて計算する。
【0065】この場合、マーカ6の面内の平行な直線L
m1〜Lm3の組および直線Lm4〜Lm6の組に対し
て、撮影画面上の対応する平行な直線L1〜L3の組お
よびL4〜L6の組においては、CCDカメラ5により
マーカ6を斜方向から撮影していることから、それぞれ
の平行な直線の組における無限遠に対応する点が撮像画
面上のある1点でそれぞれ交差するようになる。
【0066】このとき、それらの交点をそれぞれ消失点
V1,V2とすると、マーカ6の座標系を設定すること
により、そのマーカ座標原点Oと撮影画面上のその消失
点V1,V2との二次元座標データに基づいて幾何学的
性質を利用すると、CCDカメラ5の位置姿勢を一意的
に決めることができる。
【0067】ところが、上述の各直線の組においてその
消失点V1あるいはV2を計算すると、一般に、図10
に示すように、複数個の消失点候補V1a,V1b,…
およびV2a,V2b,…が得られるので、これらの消
失点候補のデータから最適な消失点V1あるいはV2を
求めるべく、以下の2つの方法により別々に計算し、そ
れらの結果から最適な消失点V1,V2に対応するデー
タを計算するようにしている。
【0068】すなわち、第1には(ア)複比不変の法則
を利用して計算する方法であり、第2には(イ)二次形
式最小化問題として計算する方法である。なお、これら
の計算方法を用いるにあたっては、あらかじめ実験等に
より得られたデータに基づいて、両者の計算方法の結果
をどのように合成して用いるかを指標αで指定されてお
り、ステップS10およびS13においてはその指標α
の値に応じて選択が分かれるようになっている。
【0069】この場合、指標α値の設定は、あらかじめ
実験等により得られたデータに基づいて0≦α≦1の範
囲で決定されるようになっている。そして、指標αの値
は、後述する消失点V1,V2にそれぞれ対応する最適
ベクトルmo1,mo2を求める際の指標となるもの
で、次式で定義されるように、(ア)複比不変の法則に
基づいて求めた単位方向ベクトルm1′,m2′と、
(イ)二次形式最小化問題として求めた単位方向ベクト
ルm1,m2とを合成して最適ベクトルmo1,mo2
を求めるための算出式(2)の合成比率を設定している
ものである。
【0070】そして、指標αの値が、α=1である場合
には単位方向ベクトルm1,m2のみを用い、α=0で
ある場合には単位方向ベクトルm1′,m2′のみを用
いて最適ベクトルmo1,mo2を求めることに相当し
ている。また、指標αの値が、0<α<1である場合に
は、両者を用いて式(2)から最適ベクトルmo1,m
o2を求めるようになっている。
【0071】
【数2】
【0072】(ア)複比不変の法則を用いた計算過程 ここでは、指標αの値が「1」でない場合に対応してお
り、ステップS10にて「YES」と判断してステップ
S11,S12の計算ステップに進んだときに実行され
る。
【0073】複比不変の法則というのは、「直線から直
線への射影変換は、その直線上の相異なる3点がどのよ
うに写像されるかを指定すると、それで一意に決定され
る」という幾何学的な法則であり、これを利用すると、
例えば、図11に示すように、直線L上(マーカ6上の
直線Lm1〜Lm6に対応する)の点A,B,C,Dが
直線L′上(撮影画面上の直線L1〜L6に対応する)
の点A′,B′,C′,D′の各点に写像されるとする
と、これらの各点間で区切られる線分の長さの関係は、
式(3)のようになる。
【0074】
【数3】
【0075】そこで、直線L上の線分ABおよび線分B
Cの長さ寸法を「1」とし、点Dnが点Aから距離nの
位置にあるとすると、式(3)の左辺は式(4)のよう
になり、このとき、直線L′上の線分A′Dn′の長さ
寸法をdnとおくと、式(3)の右辺は式(5)のよう
になる。式(3)の関係から式(4)と式(5)の各右
辺の値は等しいから、式(6)が得られる。
【0076】
【数4】
【0077】すると、式(6)を直線L′上の長さ寸法
dnについて解くと、式(7)が得られる。ここで、直
線Lの点Dnが無限遠にあるときを考えると、これに対
応する直線L′上の点Dn′は式(7)中のnが無限大
になるときの長さ寸法dnの値であるから、式(8)が
得られる。つまり、この長さ寸法の値dnが消失点に相
当する位置の距離になるのである。
【0078】
【数5】
【0079】そこで、本実施例における消失点V1,V
2を求めるために、図12に示すように、撮影画面上の
直線L1〜L6の各交点を特徴点P1〜P9として抽出
し、これらの各特徴点と求めるべき消失点V1,V2の
消失点座標(xv1,yvi),(xv2、yv2)と
の関係を式(8)に示した点A〜Cに対応させると表1
のように表すことができるので、上述の式(8)の関係
を用いて各座標値を求めれば良い。
【0080】
【表1】
【0081】すなわち、式(8)の関係から、各直線L
1〜L6における各特徴点間の距離dv(t)(t=1
〜6)は、式(9)のように表せるから、消失点V1,
V2の各座標値xv1,yv1,xv2,yv2の値は
式(10)〜(13)のように表すことができる。
【0082】
【数6】
【0083】そして、消失点V1,V2の撮影画面上で
の二次元座標は、上述のようにV1(xv1,yv
1),V2(xv2、yv2)としているので、CCD
カメラ5からこの消失点V1,V2に向かうベクトル
は、三次元空間における実際のマーカ6の各直線Lm1
〜Lm3の方向およびLm4〜Lm6の方向を示す単位
ベクトルとなる。
【0084】したがって、図13に示すように、マーカ
6の原点Oから消失点V1に向かう単位方向ベクトルを
m1′(x軸方向)、消失点V2に向かう単位方向ベク
トルをm2′(y軸方向)とすると、それぞれの単位方
向ベクトルm1′およびm2′は、CCDカメラ5から
撮影画面の中心点までの距離をf(焦点距離)とすると
式(14),(15)のように表すことができる。つま
り、ステップS12では、この式(14),(15)に
基づいて単位方向ベクトルm1′,m2′を計算するよ
うになっているのである。
【0085】
【数7】
【0086】(イ)二次形式最小化問題としての計算過
程 さて、指標αの値が「0」でない場合には、ステップS
13になると、ここで「YES」と判断してステップS
14〜S16においてこの計算過程が実行されるように
なる。
【0087】まず、ステップS14においては、モーメ
ント行列計算部20により、マーカ6の各直線Lm1〜
Lm6に対して、単位方向ベクトルm1,m2を求める
べく、ステップS7にて計算した直線L1〜L6の直線
パラメータ[θi,hi](i=1〜6)に基づいて、
式(16),(17)で定義されるモーメント行列M
1,M2を計算する。
【0088】この場合、三次元空間中の直線Lmiに対
して、CCDカメラ5の視点Pと直線Lmiを含む平面
の単位法線ベクトルを直線LmiのNベクトルniと定
義すると、直線Lmiが撮影画面上において直線Liと
して式(1)のように表現されているから、そのNベク
トルniは式(18)のようになる。ただし、式(1
8)におけるf′はCCDカメラ5の仮の焦点距離を示
すデータである。
【0089】この仮の焦点距離f′の値は、メモリ15
内に記憶されているデータで、本実施例においては、計
算精度の向上を図るために、CCDカメラ5の仕様書の
公称値あるいは既に算出した計算結果を用いるようにし
ている。
【0090】
【数8】
【0091】そして、以下のステップS15,16にお
いては、3本の直線の組(Lm1〜Lm3,Lm4〜L
m6)のそれぞれの組における直線の交点となる消失点
V1,V2のNベクトルm1,m2を、それぞれモーメ
ント行列M1,M2に対する二次形式最小化問題すなわ
ち、 mi={[m,Mim]]を最小にするm} として解き、m1,m2をM1,M2の最小固有値に対
する単位固有ベクトルとして計算するものである。よく
知られているように、二次形式[m,Mm](i=1,
2)を最小にする単位ベクトルm1,m2は、それぞれ
式(16),(17)のモーメント行列の最小固有値に
対する固有ベクトルである。
【0092】すなわち、ステップS15においては、最
小固有値計算部21により、上述の最小固有値を計算
し、続くステップS16においては、単位固有ベクトル
計算部22により上述の単位固有ベクトルm1,m2を
計算する。
【0093】この場合、Nベクトルがmである点P(点
PのNベクトルとは、視点から空間座標系の点Pに向う
単位ベクトルとして定義される)がすべての直線Li上
にあれば、すべてのiに対して、内積(m,ni)=0
となるから、次式(19)を最小にする単位ベクトルを
考えると上述のように二次形式最小化問題に帰着するの
である。そして、以上の結果から、単位固有ベクトルm
1,m2が式(20),(21)のように求まる。な
お、式(20)、(21)中のfはCCDカメラ5の真
の焦点距離である。
【0094】
【数9】
【0095】以上のようにして(ア)の複比不変の法則
に基づく単位方向ベクトルm1′,m2′と(イ)の二
次形式最小化問題として求めた単位固有ベクトルm1,
m2に基づいて、ステップS17において、最適ベクト
ル計算部23により、前述の式(2)にしたがって、指
標αの値に応じて最適ベクトルmo1,mo2を計算
し、これを単位方向ベクトルm1,m2として決定する
ようになる。
【0096】(d)位置姿勢計算処理ステップ(S18
〜S20) 次に、ステップS18に進むと、焦点距離計算部25に
より、CCDカメラ5の真の焦点距離fを上述の結果に
基づいて計算するようになる。すなわち、単位方向ベク
トルm1,m2は、互いに直交しているから、その内積
をとると0になるから式(22)が成り立ち、これから
fについて解くと真の焦点距離fの値が式(23)のよ
うに得られる。
【0097】
【数10】
【0098】続いて、ステップS19に進むと、姿勢計
算部26により、図13に示したマーカ6の姿勢ベクト
ル[ms1,ms2,ms3]が計算される。この場
合、姿勢ベクトルms3は、姿勢ベクトルms1とms
2との外積として与えられるから、式(24)のように
なる。そして、姿勢ベクトルms1,ms2は、前述の
最適ベクトルmo1,mo2および真の焦点距離fの値
から式(25)のように計算することができる。
【0099】
【数11】
【0100】次に、ステップS20になると、マーカ原
点位置計算部27により、マーカ6の原点位置Oが計算
される。すなわち、まず、ステップS7にて求められた
6本の直線L1〜L6のパラメータと真の焦点距離fの
値に基づいて、各直線L1〜L6のNベクトルn1〜n
6を次式(26)にしたがって計算し、これらから、各
特徴点Pk(k=1〜9)のNベクトルmPkを式(2
7)にしたがって計算する。なお、点PのNベクトルm
Pは、CDDカメラ5の視点Vから点Pに向かう単位方
向ベクトルとして定義されるものである。
【0101】そして、これらから、各点PkについてC
CDカメラ5の視点とマーカ6の原点Oとの間の距離を
もとめてそれらの平均値を計算することによりマーカ原
点位置までの距離Rを式(28)にしたがって計算す
る。
【0102】
【数12】
【0103】(e)座標変換行列計算処理ステップ(S
21) このようにして、マーカ6の原点位置姿勢が求まると、
ステップS21に進み、座標変換行列計算部14にて、
上述の結果に基づいてCCDカメラ5の空間座標系に相
対的な位置と向きを示す座標変換行列を、周知の計算方
法により回転変換行列および平行移動変換行列とに分け
た位置パラメータとして計算するようになる。
【0104】このような本実施例によれば、マーカ6と
して、2個の簡単な正方形部7,8を白黒の二値化され
た情報で表示した構成としてこれをCCDカメラ5によ
り斜方向から撮影して三次元の位置姿勢を認識できるよ
うにしたので、マーカ6の線分を正方形部7,8のエッ
ジデータとして抽出することができるようになり、線幅
をもたない線分として精度良く検出することができ、し
かも、CCDカメラ5をマーカ6の正面まで移動させな
くとも検出することができるので、CCDカメラ5の撮
影位置の自由度を大きくしてロボットハンド1の移動範
囲の制約を低減すると共に、画像処理を簡単化しなが
ら、高速,高精度且つロバストにCCDカメラ5の位置
姿勢の認識を行うことができる。
【0105】また、本実施例によれば、直線あてはめ処
理部11において直線の検出を行う場合に、ステップS
6において、複数の直線を検出してそれらの平均をとる
ことにより1本の直線を決定するようにしたので、CC
Dカメラ5によるマーカ6の撮影画面が焦点ずれでグレ
ーゾーンGLが生じている場合においても、つねに、正
確な直線の検出処理を行うことができる。
【0106】そして、本実施例においては、単位方向ベ
クトルの計算において、指標αの設定により、複比不変
の法則を利用した方法によって消失点V1,V2を求め
ると共に、二次形式最小化問題として消失点V1,V2
のNベクトルを求めることにより単位方向ベクトルの最
適ベクトルを計算するようにしているので、必要に応じ
て適切な単位方向ベクトルを計算することができる。
【0107】図15ないし図19は、本発明の第2ない
し第6の実施例を示すもので、いずれも、第1の実施例
におけるマーカ6の代わるマーカ29〜33を示してた
ものである。
【0108】すなわち、図15に示す第2の実施例にお
いては、マーカ29を、第1の実施例で用いたマーカ6
の背景部分に対する正方形部7,8の白黒を反転させた
状態の正方形部34,35を表示して形成したもので、
これによっても第1の実施例と同様の作用効果を得るこ
とができるものである。
【0109】また、図16に示す第3の実施例において
は、マーカ30を、正方形部7、8に代えて2個の長方
形36,37を直角をなすようにハ字状に配置した状態
に形成したもので、図の方向からCCDカメラ5により
撮影するようにティーチングして位置姿勢の認識を行う
ようにするものである。
【0110】そして、この場合には、第1の実施例と同
様の効果が得られると共に、CCDカメラ5によりマー
カ29を撮影するときの傾斜角度が大きい場合でも、遠
方側に位置する長方形部36,37の辺a3,b3を撮
影画面上で比較的長い寸法のデータとして入力すること
ができるので、直線の検出精度を向上させることができ
るものである。
【0111】図17に示す第4の実施例においては、マ
ーカ31を、大きい正方形部38の内部に小さい正方形
部39を異なる濃淡情報で示すと共に、それらの正方形
部38および39の対角線が重なる位置に配置したもの
であり、このようなマーカ31を用いても第1の実施例
と同様の作用効果を得ることができる。
【0112】図18に示す第5の実施例においては、マ
ーカ32を、マーカ6で使用した正方形部7,8に相当
する正方形部40,41を上下2段に配置して表示した
ものであり、図19に示す第6の実施例においては、マ
ーカ33を、3個の正方形部42〜44と直角三角形部
45とを互いに等間隔だけ離間した状態で配置して表示
したもので、これらのマーカ32,33によっても第1
の実施例と同様の作用効果を得ることができるものであ
る。
【0113】なお、上記各実施例においては、マーカ
6,29〜33を白黒の濃淡情報により表示する構成の
場合について説明したが、これに限らず、色情報により
表示する構成とすることもできるものであり、この場合
には、カラー撮影可能なCCDカメラを用いると共に、
前処理計算部にてカラー信号を二値化するように構成す
れば良い。
【0114】また、上記各実施例においては、本発明を
自律移動ロボットの三次元位置認識装置に適用した場合
について説明したが、ロボット自身は固定された状態と
され、作業対象がロボットの近傍に移動してくる構成の
三次元位置認識装置等に適用することもできるものであ
る。
【0115】(付録)最小二乗推定法による直線の検出 前述した直線あてはめ処理ステップにおける、最小二乗
推定法による直線の検出のための導出過程について説明
する。前述のように、直線の式をヘッセの標準形で示す
と、式(a)のように表され、N個の抽出サンプル点P
i(xi,yi)との距離は式(b)のようになる。し
たがって、式(c)のように定義した関数の値を最小に
するときのθおよびhの値を求めることにより式(a)
の直線の方程式が得られる。
【0116】
【数13】
【0117】ここで、以下の導出過程で用いる種々の記
号を次式(d)ないし(f)のように定義する。
【0118】
【数14】
【0119】さて、式(c)をhで微分して「0」とお
くと、hは式(g)のように得られる。式(g)の結果
を式(c)に代入し、θで微分して「0」とおくと、θ
は式(h)のように得られる。
【0120】
【数15】
【0121】この場合、hおよびθの選択条件は、それ
ぞれ式(i)および式(j)とすれば良い。
【0122】
【数16】
【0123】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の視覚に基
く三次元位置および姿勢の認識方法ならびに視覚に基く
三次元位置および姿勢の認識装置によれば、以下のよう
な優れた効果を奏する。
【0124】すなわち、請求項1記載の視覚に基く三次
元位置および姿勢の認識方法によれば、平面上に所定寸
法を有し互いに直交する2本の線分とそれら2本の線分
にそれぞれ平行な線分とを含んで囲まれた図形を背景部
分に対して濃淡情報あるいは色情報の変化により表示し
たマーカを、三次元空間の斜方向に位置する撮像手段に
より撮影し、画像処理ステップにおいて輪郭点位置を抽
出し、直線あてはめ処理ステップにおいてマーカの線分
に対応する直線のパラメータが最小二乗推定法により求
め、単位方向ベクトル計算処理ステップにおいて単位方
向ベクトルを計算し、位置姿勢計算処理ステップにおい
て、マーカの位置姿勢を示すパラメータを計算して撮像
手段の基準座標系から見たマーカの位置姿勢を表す座標
変換行列を計算するようにしたので、マーカに表示され
た直交する線分を精度良く検出することができると共
に、単純な図形に対する画像処理を行うことから計算処
理が簡単になり、高速,高精度且つロバストに三次元位
置および姿勢が認識できるという優れた効果を奏する。
【0125】請求項2記載の視覚に基く三次元位置およ
び姿勢の認識方法によれば、マーカを、2個以上の長方
形状あるいは正方形状をなす簡単な図形で表示している
ので、マーカの位置姿勢認識の計算処理を簡単化するこ
とができると共に、例えば、図形を横方向に並べるよう
に配置することにより、撮像手段の撮影画面に対してマ
ーカの傾き角度が大きくなる場合でも、線分の奥行き方
向の距離変化を少なくして焦点ずれによる誤差を低減し
て精度良く検出することができるようになるという優れ
た効果を奏する。
【0126】請求項3記載の視覚に基く三次元位置およ
び姿勢の認識方法によれば、直線あてはめ処理ステップ
において、画像処理ステップで抽出された前記輪郭点位
置のデータに基づいて、マーカのひとつの線分に対応し
て直線を複数本検出し、それらの直線の平均化処理を行
うことにより1本の直線を求めてその直線パラメータ決
定するので、例えば、撮像手段により撮影されたマーカ
が、焦点ずれにより輪郭線が直交する線分として検出で
きない場合でも、より正確な直線として検出することが
できるという優れた効果を奏する。
【0127】請求項4記載の視覚に基く三次元位置およ
び姿勢の認識方法によれば、単位方向ベクトル計算処理
ステップにおいて、複比不変の法則を利用して消失点の
候補値を3つ以上計算し、それらの候補値の2次元座標
データに基づいて単位方向ベクトルを計算するので、例
えば、平行な線分に対応して検出された直線に誤差が生
じていてそれらの交点から得られる消失点が複数存在す
る場合でも、より正確な単位方向ベクトルを検出するこ
とができるという優れた効果を奏する。
【0128】請求項5記載の視覚に基く三次元位置およ
び姿勢の認識方法によれば、単位方向ベクトル計算処理
ステップにおいて、マーカの3本以上の平行な線分にそ
れぞれ対応して得られた直線について、それらの交点に
対する単位方向ベクトルをモーメント行列に対する二次
形式最小化問題として解くことにより計算するので、上
述と同様にして検出された直線に誤差が生じている場合
でも、より正確な単位方向ベクトルを検出することがで
きるようになるという優れた効果を奏する。
【0129】また、請求項6記載の視覚に基く三次元位
置および姿勢の認識装置によれば、前記請求項1記載の
マーカを利用すると共に各処理ステップを実行する各手
段を設けて構成したので、マーカに表示された直交する
線分を精度良く検出することができると共に、単純な図
形に対する画像処理を行うことから計算処理が簡単にな
り、高速,高精度且つロバストに三次元位置および姿勢
が認識できるという優れた効果を奏する。
【0130】請求項7記載の視覚に基く三次元位置およ
び姿勢の認識装置によれば、マーカを、2個以上の長方
形状あるいは正方形状をなす簡単な図形で表示している
ので、マーカの位置姿勢認識の計算処理を簡単化するこ
とができると共に、例えば、図形を横方向に並べるよう
に配置することにより、撮像手段の撮影画面に対してマ
ーカの傾き角度が大きくなる場合でも、線分の奥行き方
向の距離変化を少なくして焦点ずれによる誤差を低減し
て精度良く検出することができるようになるという優れ
た効果を奏する。
【0131】請求項8記載の視覚に基く三次元位置およ
び姿勢の認識装置によれば、直線あてはめ処理手段によ
り、画像処理ステップで抽出された前記輪郭点位置のデ
ータに基づいて、マーカのひとつの線分に対応して直線
を複数本検出し、それらの直線の平均化処理を行うこと
により1本の直線を求めてその直線パラメータ決定する
ので、例えば、撮像手段により撮影されたマーカが、焦
点ずれにより輪郭線が直交する線分として検出できない
場合でも、それらの輪郭点位置から得られる複数本の直
線から平均化することにより、より正確な直線として検
出することができるという優れた効果を奏する。
【0132】請求項9記載の視覚に基く三次元位置およ
び姿勢の認識装置によれば、単位方向ベクトル計算処理
手段により、複比不変の法則を利用して消失点の候補値
を3つ以上計算し、それらの候補値の2次元座標データ
に基づいて単位方向ベクトルを計算するので、例えば、
平行な線分に対応して検出された直線に誤差が生じてい
てそれらの交点から得られる消失点が複数存在する場合
でも、より正確な単位方向ベクトルを検出することがで
きるという優れた効果を奏する。
【0133】請求項10記載の視覚に基く三次元位置お
よび姿勢の認識装置によれば、単位方向ベクトル計算処
理手段により、マーカの3本以上の平行な線分にそれぞ
れ対応して得られた直線について、それらの交点に対す
る単位方向ベクトルをモーメント行列に対する二次形式
最小化問題として解くことにより計算するので、上述と
同様にして検出された直線に誤差が生じている場合で
も、より正確な単位方向ベクトルを検出することができ
るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す全体のブロック構
成図
【図2】ロボットハンドとマーカとの関係を示す図
【図3】マーカの平面図
【図4】認識プログラムの概略的なフローチャート
【図5】CCDカメラによるマーカの撮影位置と姿勢
【図6】マーカの各線分と検出すべき直線とを示す説明
【図7】撮影画面上のサンプル抽出点の走査方向を示す
説明図
【図8】マーカの正方形部と検出すべき直線との関係を
示す説明図
【図9】フォーカスずれを生じているときの補償を行う
場合の説明図
【図10】3本以上の直線に対する消失点が複数発生す
る場合の説明図
【図11】複比不変の法則の説明図
【図12】撮影画面上の特徴点と直線との関係の説明図
【図13】マーカの姿勢ベクトルと座標系の説明図
【図14】最適な消失点方向ベクトルの説明図
【図15】本発明の第2の実施例を示す図3相当図
【図16】本発明の第3の実施例を示す図3相当図
【図17】本発明の第4の実施例を示す図3相当図
【図18】本発明の第5の実施例を示す図3相当図
【図19】本発明の第6の実施例を示す図3相当図
【符号の説明】
1はロボットハンド、2はアーム部、3はヘッド部、4
はマニピュレータ、5はCCDカメラ(撮像手段)、6
はマーカ、7,8は正方形部、9は三次元位置姿勢認識
装置、10は画像処理部(画像処理手段)、11は直線
あてはめ部(直線あてはめ手段)、12は消失点計算部
(単位方向ベクトル計算手段)、13は位置姿勢計算部
(位置姿勢計算手段)、14は座標変換行列計算部(座
標変換行列計算手段)、15はメモリ(記憶手段)、1
6は前処理計算部、17はサンプル点抽出部、18は最
小二乗推定部、19は直線パラメータ出力部、20はモ
ーメント行列計算部、21は最小固有値計算部、22は
単位固有ベクトル計算部、23は最適ベクトル計算部、
24は消失点座標推定部、25は焦点距離計算部、26
は位置姿勢計算部、27はマーカ原点計算部、28はデ
ータ出力部、29〜33はマーカである。
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正内容】
【0082】
【数6】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0118
【補正方法】変更
【補正内容】
【0118】
【数14】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0122
【補正方法】変更
【補正内容】
【0122】
【数16】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定寸法を有し互いに直交する2本の線
    分とそれら2本の線分にそれぞれ平行な線分とを含んで
    囲まれた図形を背景部分に対して濃淡情報あるいは色情
    報の変化により平面上に表示されたマーカを備え、この
    マーカを斜方向から撮像手段により撮影したときの画像
    データに基づいて、以下(a)〜(e)の処理ステップ
    を実行することを特徴とした視覚に基く三次元位置およ
    び姿勢の認識方法。 (a)前記撮像手段からの画像データに基づいて前記マ
    ーカの画像領域を選択すると共に、その選択された画像
    領域内の画像データの値の変化点を検出して輪郭点位置
    を抽出する画像処理ステップ、 (b)この画像処理ステップにて抽出された前記輪郭点
    位置のデータに基づいて、撮影画面上における前記マー
    カの直交する線分およびそれらに平行な線分をそれぞれ
    含む直線のパラメータを最小二乗推定法により計算する
    直線あてはめ処理ステップ、 (c)前記マーカに表示された平行な線分に対応して前
    記直線あてはめ処理ステップにて計算された直線の交点
    である消失点のデータに基づいて前記マーカの単位方向
    ベクトルを計算する単位方向ベクトル計算処理ステッ
    プ、 (d)前記マーカの直交する線分の交点を原点としてそ
    れら各線分の方向およびマーカ面に垂直でその原点を通
    る法線方向を基準方向としたマーカ座標系を設定し、前
    記単位方向ベクトルに基づいて前記マーカの位置姿勢を
    示すパラメータを計算する位置姿勢計算処理ステップ、 (e)この位置姿勢計算処理ステップにおける前記撮像
    手段の位置姿勢を示すパラメータ計算結果に基づいて、
    前記撮像手段の基準座標系から見た前記マーカの位置姿
    勢を表す座標変換行列を計算する座標変換行列計算処理
    ステップ。
  2. 【請求項2】 前記マーカは、背景部分に対して濃淡情
    報あるいは色情報の変化により表示された少なくとも2
    個の長方形状あるいは正方形状をなす図形から構成さ
    れ、それらの図形は互いに一つの頂点で接すると共にそ
    の頂点を含む隣接する辺同士が直角をなすように配置さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の視覚に基く三
    次元位置および姿勢の認識方法。
  3. 【請求項3】 前記直線あてはめ処理ステップにおいて
    は、前記画像処理ステップにて抽出された前記輪郭点位
    置のデータに基づいて、前記マーカのひとつの線分に対
    応して直線を複数本検出し、それらの直線の平均化処理
    を行うことにより1本の直線を求めてその直線パラメー
    タ決定することを特徴とする請求項1または請求項2記
    載の視覚に基く三次元位置および姿勢の認識方法。
  4. 【請求項4】 前記単位方向ベクトル計算処理ステップ
    においては、複比不変の法則を利用して前記消失点の候
    補値を3つ以上計算し、それらの候補値の2次元座標デ
    ータに基づいて前記単位方向ベクトルを計算することを
    特徴とする請求項2または3記載の視覚に基く三次元位
    置および姿勢の認識方法。
  5. 【請求項5】 前記単位方向ベクトル計算処理ステップ
    においては、前記マーカの3本以上の平行な線分にそれ
    ぞれ対応して得られた直線について、それらの交点に対
    する単位方向ベクトルをモーメント行列に対する二次形
    式最小化問題として解くことにより前記単位方向ベクト
    ルを計算することを特徴とする請求項2、3または4記
    載の視覚に基く三次元位置および姿勢の認識方法。
  6. 【請求項6】 所定寸法を有する少なくとも2本の平行
    な線分からなる2組の平行線群が互いに直交するように
    配置された状態を背景部分に対して濃淡情報あるいは色
    情報の変化により平面上に表示されたマーカと、 撮影画像の画像データを出力する撮像手段と、 前記マーカの形状寸法を示すマーカデータが記憶された
    記憶手段と、 前記撮像手段からの画像データに基づいて前記マーカの
    画像領域を選択すると共に、その選択された画像領域内
    の画像データの値の変化点を検出して輪郭点位置を抽出
    する画像処理手段と、 この画像処理手段により抽出された前記輪郭点位置のデ
    ータに基づいて前記マーカの直交する平行線群のそれぞ
    れの線分を含む直線のパラメータを最小二乗推定法によ
    り求めるようにした直線あてはめ処理手段と、 前記2組の平行線群の各線分を含む直線の前記撮影画面
    上における交点である消失点のデータに基づいて単位方
    向ベクトルを計算する単位方向ベクトル計算処理手段
    と、 前記直線あてはめ処理手段により求められた2本の直交
    する直線とその交点を通る法線とを座標系の軸としたマ
    ーカ座標系を設定し、このマーカ座標系と前記単位方向
    ベクトルに基づいて前記マーカの位置姿勢を計算する位
    置姿勢計算処理手段と、 この位置姿勢計算処理手段による前記撮像手段の位置姿
    勢を示すパラメータ計算結果に基づいて、前記撮像手段
    の基準座標系から見た前記マーカの位置姿勢を表す座標
    変換行列を計算する座標変換行列計算手段とを備えたこ
    とを特徴とする視覚に基く三次元位置および姿勢の認識
    装置。
  7. 【請求項7】 前記マーカは、背景部分に対して濃淡情
    報あるいは色情報の変化により表示された少なくとも2
    個の長方形状あるいは正方形状をなす図形から構成さ
    れ、それらの図形は互いに一つの頂点で接すると共にそ
    の頂点を含む隣接する辺同士が直角をなすように配置さ
    れていることを特徴とする請求項6記載の視覚に基く三
    次元位置および姿勢の認識装置。
  8. 【請求項8】 前記直線あてはめ処理手段は、前記画像
    処理手段により抽出された前記輪郭点位置のデータに基
    づいて、前記マーカのひとつの線分に対応して直線を複
    数本検出し、それらの直線の平均化処理を行うことによ
    り1本の直線を求めてその直線パラメータ決定するよう
    に構成されていることを特徴とする請求項6または請求
    項7記載の視覚に基く三次元位置および姿勢の認識装
    置。
  9. 【請求項9】 前記単位方向ベクトル計算処理手段は、
    複比不変の法則を利用して前記消失点の候補値を3つ以
    上計算し、それらの候補値の2次元座標データに基づい
    て前記単位方向ベクトルを計算するように構成されてい
    ることを特徴とする請求項7または8記載の視覚に基く
    三次元位置および姿勢の認識装置。
  10. 【請求項10】 前記単位方向ベクトル計算処理手段
    は、前記マーカの3本以上の平行な線分にそれぞれ対応
    して得られた直線について、それらの交点に対する単位
    方向ベクトルをモーメント行列に対する二次形式最小化
    問題として解くことにより前記単位方向ベクトルを計算
    するように構成されていることを特徴とする請求項7、
    8または9記載の視覚に基く三次元位置および姿勢の認
    識装置。
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