JPH0797344A - αーオレフィンの製造法 - Google Patents

αーオレフィンの製造法

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JPH0797344A
JPH0797344A JP16331494A JP16331494A JPH0797344A JP H0797344 A JPH0797344 A JP H0797344A JP 16331494 A JP16331494 A JP 16331494A JP 16331494 A JP16331494 A JP 16331494A JP H0797344 A JPH0797344 A JP H0797344A
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ethylene
olefin
triethylaluminum
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butene
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JP16331494A
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Kunio Takeuchi
邦夫 竹内
Takao Tamura
隆生 田村
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 トリエチルアルミニウムによるエチレンの成
長反応と、トリブチルアルミニウムによるエチレンの成
長反応をそれぞれ別個に行ない、得られる高級トリアル
キルアルミニウムをまずエチレンで置換反応を行ない、
トリエチルアルミニウムとα−オレフィンを生成せし
め、次いで生成したトリエチルアルミニウムの少なくと
も一部を、生成したα−オレフィン中のブテンでさらに
置換反応を行ない、トリブチルアルミニウムを生成せし
めることを特徴とするα−オレフィンの製造法。 【効果】 本発明によれば、線状α−オレフィンを極め
て高純度で含むα−オレフィンを効率よく得ることがで
きる。このα−オレフィンは、近年需要が増大している
ポリオレフィンの共重合モノマーや合成潤滑油原料とし
て好適に利用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、α−オレフィンの製造
法に関し、詳しくは線状α−オレフィンを高純度で含む
α−オレフィンを効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】線状
α−オレフィンは、分岐がない直鎖状の分子構造を持
ち、α位に二重結合がある炭素数4〜18程度のオレフ
ィンオリゴマーである。α−オレフィン、とりわけ線状
α−オレフィンを高純度で含むα−オレフィンは、ポリ
オレフィンの改質用モノマーとして利用されたり、合成
潤滑油,可塑剤,界面活性剤等の原料として有用であ
り、特に炭素数6〜10程度のものが広く用いられてい
る。例えば、炭素数6〜8個のα−オレフィンはポリオ
レフィンの共重合モノマーとして主に用いられ、線状α
−オレフィンの純度の高いものが要求されており、大き
な需要がある。また、炭素数10個程度のものは合成潤
滑油原料として、その需要が増大してきている。
【0003】従来、α−オレフィンはチーグラー系触媒
を用いてエチレンを重合することにより製造されてい
る。この場合、α−オレフィンの分布がシュルツフロー
リー分布をなす製造法とポアソン分布をなす製造法が知
られている。前者の方法としては、チタン系触媒やジル
コニウム系触媒などの触媒を用いてエチレンをオリゴマ
ー化しα−オレフィンを製造する方法が代表的である。
この方法は、分岐α−オレフィンが少なく高純度で線状
α−オレフィンを含むα−オレフィンを得ることができ
るという長所がある。しかし、得られるα−オレフィン
の分布がシュルツフローリー分布をなし、通常は分布が
広い。得られるα−オレフィンの分布を比較的狭くし、
炭素数10以下のα−オレフィンの生成を増加させよう
とすると、ブテン等の炭素数4〜6のα−オレフィンの
生成量が極めて増大するので、ポリオレフィンの共重合
モノマーや合成潤滑油原料として有用な炭素数10以下
のα−オレフィンを効率よく製造するには問題があっ
た。
【0004】一方、トリエチルアルミニウムやトリブチ
ルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウムを用い
てエチレンをオリゴマー化しα−オレフィンを製造する
方法は、α−オレフィンの分布がポアソン分布をなし、
炭素数10以下のα−オレフィンを選択的に製造できる
という長所がある。しかも、生成するブテンを循環使用
する方法も提案されており(特開平3−48630号公
報)、ブテンの生成を抑制することができる。この方法
は、比較的低温度で高圧力下にトリアルキルアルミニウ
ムを用いてエチレンの成長反応を行い、高級トリアルキ
ルアルミニウムを生成し、次いで比較的高温度下で低圧
下にエチレンで高級トリアルキルアルミニウムの大部分
の置換反応を行い、α−オレフィンを生成すると共に、
トリエチルアルミニウムの再生を行い、さらに生成した
α−オレフィン中のブテンを用いて残余の高級トリアル
キルアルミニウムの置換反応を行いα−オレフィンとト
リブチルアルミニウムを生成し、得られたトリブチルア
ルミニウムを用いてエチレンの成長反応を行うものであ
る。したがって、ブテンはトリブチルアルミニウムの生
成に消費され、最終製品としては炭素数6以上のα−オ
レフィンが得られる。
【0005】しかしながら、ブテンを循環使用する方法
は、生成するα−オレフィンに分岐α−オレフィンが含
まれ、線状α−オレフィンの純度が低いという問題があ
る。本発明者らは、上記方法における線状α−オレフィ
ンの純度低下の原因は、ブテンを循環使用する際に行う
高級トリアルキルアルミニウムのブテンによる置換反応
工程並びに該置換反応生成物の蒸留による分離工程にあ
ることを究明し、これらの工程に代わる生成ブテン消費
工程について検討を重ね、本発明に到達したのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、トリ
エチルアルミニウムによるエチレンの成長反応と、トリ
ブチルアルミニウムによるエチレンの成長反応をそれぞ
れ別個に行ない、得られる高級トリアルキルアルミニウ
ムをまずエチレンで置換反応を行ない、トリエチルアル
ミニウムとα−オレフィンを生成せしめ、次いで生成し
たトリエチルアルミニウムの少なくとも一部を、生成し
たα−オレフィン中のブテンでさらに置換反応を行な
い、トリブチルアルミニウムを生成せしめることを特徴
とするα−オレフィンの製造法を提供するものである。
【0007】このような本発明のα−オレフィンの製造
法は、より具体的には次の如き8工程からなり、所望に
応じて追加される工程を含めると合計11工程からなる
ものである。 (1)トリエチルアルミニウムとエチレンを第1エチレ
ン成長反応器で反応させて高級トリアルキルアルミニウ
ムとα−オレフィンを生成せしめる第1エチレン成長反
応工程、(2)トリブチルアルミニウムとエチレンを第
2エチレン成長反応器で反応させて高級トリアルキルア
ルミニウムとα−オレフィンを生成せしめる第2エチレ
ン成長反応工程、(3)第1エチレン成長反応工程およ
び第2エチレン成長反応工程で得られる生成物をそれぞ
れ別個の蒸留もしくは同じ蒸留により高級トリアルキル
アルミニウムを含まない軽質留分と高級トリアルキルア
ルミニウムを含む重質留分に分離する第1分離工程、
(4)エチレンおよび第1分離工程で分離された重質留
分をエチレン置換反応器で反応させてトリエチルアルミ
ニウムとα−オレフィンを生成せしめるエチレン置換反
応工程、(5)エチレン置換反応工程で得られた生成物
を蒸留によりトリエチルアルミニウム含まない軽質留
分,トリエチルアルミニウムおよびトリエチルアルミニ
ウムを含まない重質留分に分離する第2分離工程、
(6)第1分離工程で得られた軽質留分および第2分離
工程で得られた軽質留分をそれぞれ別個の蒸留もしくは
同じ蒸留によりエチレンおよび炭素数4以上のα−オレ
フィンに分離する第3分離工程、(7)第3分離工程で
得られたブテンと第2分離工程で得られたトリエチルア
ルミニウムの全量又は一部をブテン置換反応器で反応さ
せてトリブチルアルミニウムおよびエチレンを生成せし
めるブテン置換反応工程、(8)ブテン置換反応工程で
得られた生成物を蒸留によりトリブチルアルミニウム
と、未反応トリエチルアルミニウム,未反応ブテン及び
エチレンとに分離する第4分離工程とからなる。
【0008】以下、本発明を説明する。第1図は、本発
明の方法の一態様を示すフロー図である。この第1図
は、ブテン置換反応工程にトリエチルアルミニウムを全
量供給し、未反応トリエチルアルミニウムを第1エチレ
ン成長反応工程に循環し、トリブチルアルミニウムは第
2エチレン成長反応工程に循環するフローを示してい
る。なお、第1図中の点線の意味は、第3分離工程で得
られるトリエチルアルミニウムの一部を、第1エチレン
成長反応工程にリサイクルしても良いことを示すもので
ある。また、この第1図では、第2分離工程で得られた
軽質留分と、第1分離工程で得られた軽質留分とを混合
し、第3分離工程にて同じ蒸留によりエチレンと炭素数
4以上のα−オレフィンに分離した例を示している。
【0009】〔エチレンの成長反応〕本発明では、まず
トリエチルアルミニウムによるエチレンの成長反応と、
トリブチルアルミニウムによるエチレンの成長反応をそ
れぞれ別個に行なう。
【0010】ここでトリエチルアルミニウムによるエチ
レンの成長反応は、トリエチルアルミニウムとエチレン
を第1エチレン成長反応器で反応させて高級トリアルキ
ルアルミニウムとα−オレフィンを生成せしめる第1エ
チレン成長反応工程(工程1)により行なわれる。すな
わち、第1エチレン成長反応器に、トリエチルアルミニ
ウム(以下、TEAと略すことがある。)とエチレンを
導入し、高級トリアルキルアルミニウムとα−オレフィ
ンを生成せしめる。この場合、TEAとエチレンの割合
(モル比)は通常、1/2〜1/100(TEA/エチ
レン)とし、温度80〜150℃、好ましくは90〜1
20℃、圧力100〜350Kg/cm2G、好ましくは15
0〜250Kg/cm2Gの条件でエチレンの成長反応を行
う。滞留時間はアルミニウム原子に結合したアルキル鎖
を炭素数6〜12程度に成長させるのに充分な時間とす
る必要があり、温度や圧力に応じて適宜選択することが
できるが、通常は15分〜6時間である。また、反応器
は、管型反応器や槽型反応器を使用することができ、特
に管型反応器が好適である。
【0011】一方、トリブチルアルミニウムによるエチ
レンの成長反応は、トリブチルアルミニウムとエチレン
を第2エチレン成長反応器で反応させて高級トリアルキ
ルアルミニウムとα−オレフィンを生成せしめる第2エ
チレン成長反応工程(工程2)により行なわれる。第2
エチレン成長反応工程は、上記した如く、第2エチレン
成長反応器にトリブチルアルミニウム(以下、TBAと
略すことがある。)とエチレンを導入し、高級トリアル
キルアルミニウムとα−オレフィンとを生成せしめる反
応工程である。成長反応の条件は、上記第1エチレン成
長反応工程の条件とほぼ同じ範囲でよい。
【0012】〔エチレンでの置換反応〕本発明では、ト
リエチルアルミニウムによるエチレンの成長反応と、ト
リブチルアルミニウムによるエチレンの成長反応をそれ
ぞれ別個に行ない、得られる高級トリアルキルアルミニ
ウムを、まずエチレンで置換反応を行なう。より具体的
に述べると、上記のようにトリエチルアルミニウムとエ
チレンを第1エチレン成長反応器で反応させて高級トリ
アルキルアルミニウムとα−オレフィンを生成せしめる
第1エチレン成長反応工程を行ない、これとは別個にト
リブチルアルミニウムとエチレンを第2エチレン成長反
応器で反応させて高級トリアルキルアルミニウムとα−
オレフィンを生成せしめる第2エチレン成長反応工程を
行ない、前記第1エチレン成長反応工程および前記第2
エチレン成長反応工程で得られる生成物をそれぞれ別個
の蒸留もしくは同じ蒸留により高級トリアルキルアルミ
ニウムを含まない軽質留分と高級トリアルキルアルミニ
ウムを含む重質留分に分離する第1分離工程を行なって
高級トリアルキルアルミニウムを得、このようにして得
られる高級トリアルキルアルミニウムを、エチレンで置
換反応を行なう。
【0013】この第1分離工程(工程3)では、第1エ
チレン成長反応工程と第2エチレン成長反応工程とで生
成する高級トリアルキルアルミニウムを含む生成物を混
合し、蒸留を行ない、若しくは混合することなく別個に
蒸留を行ない、未反応のエチレン,炭素数10または1
2までのα−オレフィンを含む軽質留分と、高級トリア
ルキルアルミニウムと炭素数12または14以上のα−
オレフィンを含む重質留分とに分離する。軽質留分中の
α−オレフィンを炭素数10までのものとするか、炭素
数12までのものとするかは、蒸留条件、特に蒸留塔圧
力を操作することによって適宜選択することができる。
ここで、蒸留塔圧力は10〜400Torr, 塔底温度は1
20〜200℃が適当である。上記第1分離工程を行な
って高級トリアルキルアルミニウムを得、このようにし
て得られる高級トリアルキルアルミニウムを、エチレン
で置換反応を行なう。
【0014】エチレンでの置換反応は、エチレンおよび
第1分離工程で分離された重質留分をエチレン置換反応
器で反応させてトリエチルアルミニウムとα−オレフィ
ンを生成せしめるエチレン置換反応工程により行なわれ
る。すなわち、エチレン置換反応工程(工程4)では、
エチレン置換反応器に第1分離工程で得られた重質留分
とエチレンを導入し、トリエチルアルミニウムとα−オ
レフィンを生成せしめる。エチレン置換反応条件として
は、高級トリアルキルアルミニウムとエチレンの割合
(モル比)は、通常、1/2〜1/100(高級トリア
ルキルアルミニウム/エチレン)とし、温度180〜3
50℃、好ましくは270〜320℃、圧力1〜100
Kg/cm2G、好ましくは2〜30Kg/cm2Gであり、滞留時
間については、置換反応が極めて短時間で進行するた
め、通常、0.1〜5秒間でよい。また、反応器として
は、通常、管型反応器が用いられ、反応器内は充分に混
合された状態とすることが必要である。
【0015】〔ブテンでの置換反応〕本発明では、上記
のようにしてエチレンで置換反応を行ない、トリエチル
アルミニウムとα−オレフィンを生成せしめ、次いで生
成したトリエチルアルミニウムの少なくとも一部を、生
成したα−オレフィン中のブテンでさらに置換反応を行
ない、トリブチルアルミニウムを生成せしめる。このブ
テンでの置換反応を行なうに際しては、エチレンでの置
換反応の後であって、ブテンでの置換反応を行なう前
に、次の2つの分離工程(第2分離工程と第3分離工
程)が行なわれる。
【0016】すなわち、第2分離工程(工程5)におい
て、エチレン置換反応工程で得られた生成物は蒸留によ
り、TEAを含まない軽質留分,TEAおよびTEAを
含まない重質留分に分離される。軽質留分は通常、未反
応エチレンから炭素数10又は12のα−オレフィンま
での留分であり、重質留分は通常、炭素数12又は14
以上、炭素数16程度までのα−オレフィンである。軽
質留分中のα−オレフィンを炭素数10までのものとす
るか、炭素数12までのものとするかは、蒸留条件、特
に蒸留圧力条件を変更することによって適宜選択するこ
とができる。分離されたTEAは、その全量又は一部を
後述するブテン置換反応工程に導入し、その一部を第1
エチレン成長反応工程に循環し、再使用してもよい。な
お、蒸留条件は第1分離工程の場合とほぼ同じである。
【0017】次に、第3分離工程(工程6)は、第1分
離工程で得られた軽質留分と第2分離工程で得られた軽
質留分を混合し蒸留を行ない、若しくは混合することな
く別個に蒸留を行ない、各α−オレフィン留分に分離す
る工程であり、具体的には未反応エチレン,ブテン−1
留分,ヘキセン−1留分,オクテン−1留分,デセン−
1留分等の各α−オレフィン留分に適宜分離する。通
常、第2分離工程からの軽質留分の方が第1分離工程か
らの軽質留分よりも多いので、これら軽質留分を混合し
蒸留を行なう方が好ましい。分離されたブテン−1留分
は、通常、次に述べるブテン置換反応に利用される。必
要であれば、製品として回収することも可能である。ま
た、分離されたエチレンは、エチレン成長反応もしくは
エチレン置換反応の原料として再使用することができ
る。一方、分離された炭素数6〜10または6〜12の
各α−オレフィン留分は最終製品となり、ポリオレフィ
ンのコモノマーなどの各種原料として用いられる。
【0018】以上のような第2分離工程と第3分離工程
とを行なった後、ブテン置換反応器に、第2分離工程で
得られたトリエチルアルミニウムの少なくとも一部と第
3分離工程で得られたブテン−1留分を導入し、反応さ
せてトリブチルアルミニウムとエチレンを生成せしめ
る、ブテン置換反応工程を行なう。このブテン置換反応
工程(工程7)での反応条件は、前記エチレン置換反応
の条件とほぼ同じ範囲である。このブテン置換反応で
は、TEAとブテン−1留分中の主にブテン−1との反
応が、実質的に他のα−オレフィンの不存在下に行わ
れ、トリブチルアルミニウムとエチレン,未反応ブテン
−1留分からなる反応生成物が得られるので、分岐α−
オレフィン等が殆ど生成しない。そのため、線状α−オ
レフィンの純度が低下しないという長所がある。
【0019】次に、第4分離工程(工程8)において、
上記した如きブテン置換反応工程で得られた反応生成物
を蒸留し、トリブチルアルミニウムとエチレンを分離す
る。通常は、さらに未反応ブテン−1留分をも分離す
る。この分離工程では、比較的沸点の低いエチレン,ブ
テン−1留分と比較的沸点の高いトリブチルアルミニウ
ムとの分離を行うので、比較的低温で、しかも容易に実
施できる。蒸留による分離操作中に線状α−オレフィン
の純度低下の原因となる物質は殆ど生成しない。この分
離工程において、760Torrの圧力下では、塔底温度を
20〜100℃の温度に調整して蒸留を行うことができ
る。しかも、高純度のトリブチルアルミニウムを得るこ
とができる。得られたトリブチルアルミニウムは、通
常、第2エチレン成長反応工程に循環し、再利用され
る。一方、未反応トリエチルアルミニウムは、通常、第
1エチレン成長反応工程に循環し、再利用される。この
ように、エチレン置換反応及び/又はブテン置換反応に
より得られたトリエチルアルミニウムとトリブチルアル
ミニウムは、通常、それぞれエチレンの成長反応にリサ
イクルされる。
【0020】本発明では、所望より、さらに以下の工程
を実施することができる。 (ヘキセン置換反応工程)すなわち、ヘキセン置換反応
工程(工程9)において、第3分離工程で得られるヘキ
セン−1留分を循環させることにより、最終製品として
ヘキセン−1留分を生産しないか、少量のヘキセン−1
留分を生産するように調整することができる。この場
合、第3分離工程で得られるヘキセン−1留分および第
2分離工程で得られるTEAの一部をヘキセン置換反応
器に導入し、反応させることにより、トリヘキシルアル
ミニウムとエチレンを生成する。この反応生成物中には
通常、未反応のヘキセン−1留分も含まれる。なお、ヘ
キセン置換反応条件は、前記エチレン置換反応条件の場
合とほぼ同じ範囲である。
【0021】(第5分離工程)次に、上記ヘキセン置換
反応工程で得られた生成物を、この第5分離工程(工程
10)において、蒸留によりトリヘキシルアルミニウム
とエチレンに分離する、第5分離工程を行なうことがで
きる。未反応ヘキセン−1留分がある場合は、この留分
の分離も行なう。トリヘキシルアルミニウムの沸点は、
エチレンやヘキセンの沸点と比較して高いので、容易に
分離でき、高純度のトリヘキシルアルミニウムが得られ
る。この分離操作は、具体的には760Torrの圧力条件
下で塔底温度を60〜120℃の温度に調整して実施さ
れる。得られたトリヘキシルアルミニウムは、第3のエ
チレン成長反応工程に循環して再使用することができ
る。
【0022】(第3エチレン成長反応工程)さらに、第
3エチレン成長反応器に前記第5分離工程で得られたト
リヘキシルアルミニウムとエチレンを導入し、高級トリ
アルキルアルミニウムとα−オレフィンを生成せしめ
る、第3エチレン成長反応工程(工程11)を行なうこ
ともできる。成長反応の条件は、前記第1エチレン成長
反応工程の条件とほぼ同じ範囲でよい。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例1 (1)管型反応器にTEAとエチレンをモル比で前者:
後者=1:50の割合で供給し、100℃、200Kg/
cm2G、平均滞留時間4時間の条件でエチレンの成長反応
を行なった。得られた高級トリアルキルアルミニウムの
炭素分布はポアソン分布に従い、平均炭素数は6〜8で
あった。
【0024】(2)上記(1)と同様の管型反応器を用
い、これにトリn−ブチルアルミニウムとエチレンを、
モル比で前者:後者=1:50の割合で供給し、100
℃、200Kg/cm2G、平均滞留時間3時間の条件でエチ
レンの成長反応を行なった。得られた高級トリアルキル
アルミニウムの炭素分布はポアソン分布に従い、平均炭
素数は6〜8であった。
【0025】(3)上記(1)及び(2)で得た生成物
を混合後、130℃、200mmHgの条件で蒸留を行な
い、エチレン留分〜デセン−1留分よりなるα−オレフ
ィンとドデセン以上の高沸点留分を含む高級トリアルキ
ルアルミニウムとを分離した。 (4)上記(3)の分離器のボトム液に対して、モル比
10の割合でエチレンを供給し、270℃、10Kg/cm
2G、平均滞留時間0.5秒の条件でエチレン置換反応を行
なった。このときの高級トリアルキルアルミニウムの転
化率は約95%であり、α−オレフィンとトリエチルア
ルミニウムが得られた。
【0026】(5)上記(4)の生成物について、13
0℃、200mmHgの条件で蒸留を行ない、エチレン留分
〜デセン−1留分よりなるα−オレフィンとトリエチル
アルミニウムとを分離した。次に、180℃、400mm
Hgの条件で蒸留を行ない、トリエチルアルミニウムとド
デセン以上の留分よりなるα−オレフィンを分離した。
得られたトリエチルアルミニウムの約60%は前記
(1)のエチレン成長反応器へ循環した。
【0027】(6)上記(5)で得たトリエチルアルミ
ニウムと、分離工程で得たブテン−1を、モル比(ブテ
ン−1/TEA)10でブテン置換反応器に導入し、3
00℃、10Kg/cm2G、平均滞留時間0.5秒の条件でブ
テン置換反応を行なった。このときの高級トリアルキル
アルミニウムの転化率は約95%であり、エチレンとト
リn−ブチルアルミニウムが得られた。 (7)上記(6)で得たエチレン,ブテン−1及びトリ
n−ブチルアルミニウムを50℃でフラッシュ分離で各
成分に分離した。得られたトリn−ブチルアルミニウム
は、前記(2)のエチレン成長反応器へ循環した。
【0028】その結果、下記の組成で、純度97%の線
状α−オレフィンを得ることができた。ここで、純度は
生成する炭素数8のオレフィン中のn−オクテン−1の
割合を意味する。
【0029】 炭素数6の留分 40〜60重量% 炭素数8の留分 20〜40重量% 炭素数10の留分 5〜20重量% 炭素数12以上の留分 0〜10重量%
【0030】比較例1 エチレン成長反応工程で得た高級トリアルキルアルミニ
ウムを、炭素数12以上の留分よりなる高沸点のα−オ
レフィンの存在下にブテン−1留分で置換反応を行なっ
たこと並びに該置換反応で得た生成物の分離操作を14
0℃,100mmHgの条件で行なったこと以外は、実施例
1と同様にしてα−オレフィンを製造した。その結果、
高級トリアルキルアルミニウムの転化率は約60%であ
り、線状α−オレフィンの純度は95%で、その組成は
下記の通りであった。
【0031】 炭素数6の留分 30〜50重量% 炭素数8の留分 20〜30重量% 炭素数10の留分 10〜20重量% 炭素数12以上の留分 0〜10重量%
【0032】実施例2 実施例1において、実施例1の(5)で得たトリエチル
アルミニウムと、分離工程で得たブテン−1を、ブテン
−1/トリエチルアルミニウムのモル比10、ブテン−
1の供給量30ml/hrでブテン置換反応器に導入
し、温度300℃、圧力2Kg/cm2G、平均滞留時間1.
4秒の条件でブテン置換反応を行なったこと以外は、実
施例1と同様にして行なった。このときの高級トリアル
キルアルミニウムの転化率は約28%であり、生成物
(未反応物は除く)としてエチレンとトリブチルアルミ
ニウムが得られ、炭素数4以上のオレフィンは生成しな
かった。
【0033】比較例2 実施例1において、トリオクチルアルミニウムと、分離
工程で得たブテン−1を、ブテン−1/トリオクチルア
ルミニウムのモル比10、ブテン−1の供給量30ml
/hrでブテン置換反応器に導入し、温度220℃、圧
力6Kg/cm2G、平均滞留時間0.3秒の条件でブテン置
換反応を行なったこと以外は、実施例1と同様にして行
なった。このときの高級トリアルキルアルミニウムの転
化率は約60%であり、生成物(未反応物は除く)とし
てオクテンとトリブチルアルミニウムが得られた。オク
テン中の1−オクテンの含有割合は95.5%であっ
た。
【0034】なお、比較例2のブテン置換反応条件が実
施例2のブテン置換反応条件とは異なっているのは、比
較例2のブテン置換反応条件を生成オクテンの純度から
みて好ましい反応条件としたためである。実施例2と同
じ反応条件とした場合には、生成オクテンの純度がさら
に低下してしまう。上記の如き実施例2と比較例2とを
対比すれば、実施例2の方が、ブテン置換反応において
分岐オレフィンが生成せず、これに起因して得られるα
−オレフィンの純度が高くなることが理解される。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、線状α−オレフィンを
極めて高純度で含むα−オレフィンを効率よく得ること
ができる。このα−オレフィンは、近年需要が増大して
いるポリオレフィンの共重合モノマーや合成潤滑油原料
として好適に利用される。
【0036】以上述べたように、本発明の方法には、α
−オレフィンの存在下にトリアルキルアルミニウムをブ
テンで置換する従来技術よりも、得られるα−オレフィ
ンの純度が高いという優れた効果がある。この効果は、
ブテン置換反応において、分岐オレフィンが生成しな
いということ、及びトリブチルアルミニウムとエチレ
ンとのエチレン成長反応において分岐オレフィンが生成
しにくいことに起因している。は、実施例2と比較例
2の対比により理解される。また、は従来技術と本発
明とを対比することによって容易に理解される。本発明
は、トリエチルアルミニウムをまずブテンで置換し、ト
リブチルアルミニウムを生成させている。この置換反応
では、反応生成混合物は一般に、エチレン,ブテン(未
反応物),トリブチルアルミニウム,トリエチルアルミ
ニウムである。勿論、未反応物をゼロとすることもでき
る。
【0037】従って、α−オレフィンの純度低下の原因
となる、分岐オレフィンなどは原理的には生成しない。
また、トリブチルアルミニウムを高純度で容易に分離す
ることができるので、トリブチルアルミニウムとエチレ
ンとの成長反応を、エチレン以外のオレフィンがあまり
存在しない状態で行なうことができる。なお、エチレン
以外のオレフィンが存在すると、このオレフィンも成長
反応の出発原料となるので、分岐したアルキル基を有す
る有機アルミニウムが生成し、最終的に得られるα−オ
レフィンの純度を低下させる原因となってしまう。従来
技術のように、エチレン成長反応工程で生成したトリア
ルキルアルミニウムをブテンで置換すると、置換反応生
成物は、オレフィン、トリブチルアルミニウム、さらに
未反応分があればトリアルキルアルミニウムとなる。
【0038】トリブチルアルミニウムは熱的にやや不安
定で、しかも炭素数16や18のオレフィンと沸点が近
接しているので、少なくとも炭素数16と18のオレフ
ィンを含んだ混合物としてしか分離することができな
い。従来技術の一例である特開平3−48630号公報
の第1図では、トリブチルアルミニウムを炭素数12以
上のオレフィンと共に混合物として分離している。この
トリブチルアルミニウムと炭素数12以上のオレフィン
との混合物は、エチレン成長反応工程にリサイクルされ
る。つまり、従来技術では、トリブチルアルミニウムと
エチレンとの成長反応工程は、エチレン以外のオレフィ
ンの存在下に反応を行なわざるを得なかったのである。
エチレン成長反応に、エチレン以外のオレフィンが存在
していると、分岐オレフィンが生成しやすくなること
は、前に述べた通りである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、本発明の方法の一態様を示すフロー
図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリエチルアルミニウムによるエチレン
    の成長反応と、トリブチルアルミニウムによるエチレン
    の成長反応をそれぞれ別個に行ない、得られる高級トリ
    アルキルアルミニウムをまずエチレンで置換反応を行な
    い、トリエチルアルミニウムとα−オレフィンを生成せ
    しめ、次いで生成したトリエチルアルミニウムの少なく
    とも一部を、生成したα−オレフィン中のブテンでさら
    に置換反応を行ない、トリブチルアルミニウムを生成せ
    しめることを特徴とするα−オレフィンの製造法。
  2. 【請求項2】 エチレン置換反応及び/又はブテン置換
    反応により得られたトリエチルアルミニウムとトリブチ
    ルアルミニウムを、それぞれエチレンの成長反応にリサ
    イクルする請求項1記載のα−オレフィンの製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のα−オレフィンの製造法
    において、(1)トリエチルアルミニウムとエチレンを
    第1エチレン成長反応器で反応させて高級トリアルキル
    アルミニウムとα−オレフィンを生成せしめる第1エチ
    レン成長反応工程、(2)トリブチルアルミニウムとエ
    チレンを第2エチレン成長反応器で反応させて高級トリ
    アルキルアルミニウムとα−オレフィンを生成せしめる
    第2エチレン成長反応工程、(3)第1エチレン成長反
    応工程および第2エチレン成長反応工程で得られる生成
    物をそれぞれ別個の蒸留もしくは同じ蒸留により高級ト
    リアルキルアルミニウムを含まない軽質留分と高級トリ
    アルキルアルミニウムを含む重質留分に分離する第1分
    離工程、(4)エチレンおよび第1分離工程で分離され
    た重質留分をエチレン置換反応器で反応させてトリエチ
    ルアルミニウムとα−オレフィンを生成せしめるエチレ
    ン置換反応工程、(5)エチレン置換反応工程で得られ
    た生成物を蒸留によりトリエチルアルミニウム含まない
    軽質留分,トリエチルアルミニウムおよびトリエチルア
    ルミニウムを含まない重質留分に分離する第2分離工
    程、(6)第1分離工程で得られた軽質留分および第2
    分離工程で得られた軽質留分をそれぞれ別個の蒸留もし
    くは同じ蒸留によりエチレンおよび炭素数4以上のα−
    オレフィンに分離する第3分離工程、(7)第3分離工
    程で得られたブテンと第2分離工程で得られたトリエチ
    ルアルミニウムの全量又は一部をブテン置換反応器で反
    応させてトリブチルアルミニウムおよびエチレンを生成
    せしめるブテン置換反応工程、(8)ブテン置換反応工
    程で得られた生成物を蒸留によりトリブチルアルミニウ
    ムと、未反応トリエチルアルミニウム,未反応ブテン及
    びエチレンとに分離する第4分離工程よりなることを特
    徴とする請求項1記載のα−オレフィンの製造法。
  4. 【請求項4】 第2分離工程で得られたトリエチルアル
    ミニウムの全量又は一部を第1エチレン成長反応工程に
    循環し、第4分離工程で得られたトリブチルアルミニウ
    ムを第2エチレン成長反応工程に循環する請求項3記載
    のα−オレフィンの製造法。
  5. 【請求項5】 第4分離工程で得られたトリブチルアル
    ミニウムを第2エチレン成長反応工程に循環すると共
    に、第4分離工程で得られた未反応トリエチルアルミニ
    ウムを第1エチレン成長反応工程に循環することを特徴
    とする請求項3記載のα−オレフィンの製造法。
  6. 【請求項6】 第3分離工程で得られたヘキセンと第2
    分離工程で得られたトリエチルアルミニウムの一部をヘ
    キセン置換反応器で反応させてトリヘキシルアルミニウ
    ムおよびエチレン生成せしめるヘキセン置換反応工程
    と、該ヘキセン置換反応工程で得られた生成物を蒸留に
    よりトリヘキシルアルミニウムとエチレンに分離する第
    5分離工程と、該トリヘキシルアルミニウムとエチレン
    を第2エチレン置換反応器で反応させて高級トリアルキ
    ルアルミニウムとα−オレフィンを生成せしめる第3エ
    チレン成長反応工程とを含む請求項3記載のα−オレフ
    ィンの製造法。
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