JPH0797304A - 有害生物忌避精油及び改質有害生物忌避精油 - Google Patents

有害生物忌避精油及び改質有害生物忌避精油

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JPH0797304A
JPH0797304A JP5263154A JP26315493A JPH0797304A JP H0797304 A JPH0797304 A JP H0797304A JP 5263154 A JP5263154 A JP 5263154A JP 26315493 A JP26315493 A JP 26315493A JP H0797304 A JPH0797304 A JP H0797304A
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essential oil
acetic acid
oil
pest repellent
repelling
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JP5263154A
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Junko Okuyama
順子 奥山
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、特定のユーカリ油及びシトロネラ
油を酢酸もしくは酢酸水溶液と攪拌処理することにより
得られる有害生物忌避精油を提供することを目的として
いる。 【構成】特定のユーカリ油及びシトロネラ油を酢酸もし
くは酢酸水溶液と攪拌混合処理することにより得られる
蚊等の有害生物に対し、優れた忌避効果を有する有害生
物忌避精油を提供するものである。 また、酢酸もしく
は酢酸水溶液と攪拌混合処理をして得られた有害生物忌
避精油を100度以下の温度、0.05mmHg以下の減圧度で
減圧蒸留し、揮発性の高い成分を除去することにより得
られる有害生物忌避効果を有し、かつ香り立ちの弱い改
質有害生物忌避精油を提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定のユーカリ及びシ
トロネラから通常の方法により得られた精油(香気成分
部)を酢酸もしくは酢酸水溶液と攪拌混合処理すること
により得られる蚊等の有害生物に対し、優れた忌避効果
を有する有害生物忌避精油に関するものである。また、
酢酸もしくは酢酸水溶液と攪拌混合処理して得られた有
害生物忌避精油を減圧蒸留し、揮発性の高い成分を除去
することにより得られる有害生物忌避効果を有し、かつ
香り立ちの弱い改質有害生物忌避精油に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】特定
の植物から得た精油が生物に対して忌避効果を有するこ
とが、従来より知られている。 蚊等の有害生物に対す
る忌避効果を有する精油としてシトロネラ油やユーカリ
油が知られている(フラグランスジャーナル 2月号、
93〜94頁、1989年、植物=芳香療法 ジャン・
バルネ著、349頁 フラグランスジャーナル社、19
88年発行)。 しかしながら、これらの精油の有害生
物忌避効果は十分でない上、特異な香調を有しているた
めに有害生物忌避の目的では、現在ほとんど用いられて
いない。
【0003】一方、天然精油を酢酸水溶液処理すること
や減圧蒸留することは、その香気性を高める目的や安全
性を改善する目的で広く用いられている(パーヒューマ
ー&フレイバリスト 4月/5月号、102頁、198
4年及び香粧会誌 第9巻第2号92頁、1985
年)。しかしながら、忌避効果を有するユーカリ油及び
シトロネラ油を酢酸もしくは酢酸水溶液処理することに
より、その有害生物忌避効果が高められることについて
は何ら記載されていない。 また有害生物忌避剤として
は、N,N−ジエチルトルアミド(Deet)が実用化
されているが、皮膚への浸透性や発ガン性が報告され問
題となりつつある(第6回農薬化学国際会議1986
年)。 このため、優れた忌避効果を有する精油もしく
は忌避剤の開発が望まれていた。本発明は、蚊等の有害
生物に対し優れた忌避効果を有する有害生物忌避精油を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ユーカリ油
及びシトロネラ油の忌避効果を高める方法について鋭意
検討した結果、通常の方法により得られたユーカリ油及
びシトロネラ油を酢酸もしくは酢酸水溶液と攪拌混合処
理することにより、蚊等の有害生物に対する忌避効果が
著しく高まることを見いだし、本発明を完成した。更
に、得られた有害生物忌避精油を減圧蒸留し、揮発性の
高い成分を除去することにより得られた有害生物忌避精
油(以下 改質有害生物忌避精油という。)が、先に記
載の有害生物忌避精油同様の優れた忌避効果を有し、か
つ高い汎用性を有していることを見いだし、本発明を完
成した。
【0005】即ち、本発明は、ユーカリ及びシトロネラ
から通常の方法により得られた精油(香気成分部)を酢
酸もしくは酢酸水溶液と攪拌混合処理することにより得
られる蚊等の有害生物に対して優れた忌避効果を有する
有害生物忌避精油に関するものである。 また、この有
害生物忌避精油を減圧蒸留し、その揮発性の高い成分を
除去することにより得られる改質有害生物忌避精油に関
するものである。
【0006】本発明で用いるユーカリ油は、フトモモ科
の学名Eucalyptus Citriodoraの葉及び小枝を常法であ
る水蒸気蒸留することにより得られた精油であり、シト
ロネラ油はイネ科の学名Cymbopogon winterianus Jowit
tの全草を乾燥した後、水蒸気蒸留することにより得ら
れた精油である。
【0007】処理に用いる酢酸もしくは酢酸水溶液は、
ユーカリ油及びシトロネラ油の0.1倍量以上であり、
好ましくは2倍から10倍量である。また酢酸水溶液で
用いる酢酸の量は酢酸水溶液の0.5から99重量%で
あり、好ましくは20から50重量%である。 処理
(攪拌混合)の時間は、用いる酢酸の濃度や処理を行う
温度により異なるが、通常1時間から48時間、好まし
くは10時間から24時間である。
【0008】また、前記方法により得られた有害生物忌
避精油を減圧蒸留し、その揮発性の高い成分を除去する
ことにより、香り立ちを弱めた改質有害生物忌避精油を
得ることが出来る。 本発明で行う減圧蒸留は、天然精
油を蒸留する通常の条件で可能であるが、好ましい減圧
度は0.01から0.05mmHgであり、蒸留温度は100度を超
えない程度が好ましい。 減圧蒸留により除去する揮発
性の高い成分の量はユーカリ油の場合、酢酸もしくは酢
酸水溶液と攪拌処理することにより得た有害生物忌避精
油に対し、約5から30重量%であり、好ましくは10
から25重量%である。またシトロネラ油の場合は約1
5から50重量%であり、好ましくは20から40重量
%である。
【0009】ユーカリ油及びシトロネラ油を酢酸もしく
は酢酸水溶液と攪拌混合することにより得られた本発明
の有害生物忌避精油は、処理前の精油に比較して優れた
忌避効果を示した。また、前記有害生物忌避精油を減圧
蒸留し、その揮発性の高い成分を除去することにより得
られた改質有害生物忌避精油は、酢酸もしくは酢酸水溶
液との攪拌処理前のユーカリ油、シトロネラ油や前記本
発明の有害生物忌避剤と比較して、香り立ち(特異臭)
が弱く汎用性の優れた香調を有していた。また、その有
害生物忌避効果は減圧蒸留処理前の有害生物忌避精油と
同等であった。
【0010】本発明のユーカリ油及びシトロネラ油を酢
酸もしくは酢酸水溶液と攪拌処理することにより得られ
た有害生物忌避精油、または前記本発明の有害生物忌避
精油を減圧蒸留し、その揮発性の高い成分を除去するこ
とにより得られた改質有害生物忌避精油は、蚊等の有害
生物から害を被る動物や人体を防御する目的だけでな
く、特定の場所に散布及び塗布することにより有害生物
の侵入を防ぐ目的としても使用することができる。
【0011】本発明により得られた有害生物忌避精油
は、ユーカリ油及びシトロネラ油に較べ、その有害生物
忌避効果が著しく高い。また、前記本発明の有害生物忌
避精油を減圧蒸留し、その揮発性の高い成分を除去する
ことにより得た改質有害生物忌避精油は、ユーカリ油及
びシトロネラ油に比べ、その忌避効果と汎用性が著しく
高い。 更に、これら有害生物忌避精油及び改質有害生
物忌避精油は工業的に容易に、かつ再現性良く得られる
ため、その作用効果の特性は著しい。
【0012】
【実施例】 実施例
に示す%は、重量%を意味する。また有害生物忌避効果
及び香り立ち(匂い)の試験方法は下記の通りである。 《ヒトスジシマ蚊成虫に対する吸血忌避試験》ヒトスジ
シマ蚊の成虫(メス)に対する吸血忌避効果を調べるた
めに以下の試験を27℃、湿度70%の恒温室において
行った。 マウスを固定できるように袋状にした10c
m×7cmの金網にマウスを入れ、各試験試料を各々3
g塗布した。 特定時間放置後、各々の固定したマウス
をヒトスジシマ蚊50匹が入った各々の昆虫飼育ケージ
に入れ、1時間の吸血可能な時間を与えた。但し、用い
たヒトスジシマ蚊は羽化1週間後の成虫を用いて行っ
た。 乾燥器でヒトスジシマ蚊を殺虫した後、吸血の有
無を数えた。 時間内の吸血の跡を求め、次の式から忌
避率を算出した。 X:試験試料を塗布しない場合の吸血数 Y:試験試料を塗布した場合の吸血数
【0013】《香り立ち(特異臭)の試験方法》本発明
の方法によって得られた本発明の忌避精油の香り立ちと
比較例の精油の香り立ちを比較するために下記の官能テ
ストを採用した。試験試料を匂い紙に同量ずつ塗布し、
それぞれの匂い紙に付着した試験試料の比較を、その香
り立ちの強さとその汎用性について判定した。結果は、
5名のパネラーが5回繰り返して答えたのべ人数で示し
た。
【0014】実施例1 市販ユーカリ油1000gを20%酢酸水溶液5000
ml中に加え、室温で24時間攪拌混合した。静置する
ことにより分離した水層を濾別した後、ジエチルエーテ
ル2000mlを加えた。ジエチルエーテル層を飽和食
塩水1000mlで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。 無水硫酸ナトリウムを濾別した後、ジエチ
ルエーテルを減圧除去することにより、本発明の有害生
物忌避精油(1)として884gを得た。
【0015】実施例2 シトロネラ油100gに酢酸200mlを加え、室温に
て約10時間攪拌した。反応混合液にジエチルエーテル
200mlを加えた。ジエチルエーテル層を飽和食塩水
500mlで3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。 無水硫酸ナトリウムを濾別した後、ジエチル
エーテルを減圧除去することにより、本発明の有害生物
忌避精油(2)89.1gを得た。
【0016】実施例3 ユーカリ油100gに50%酢酸水溶液500mlを加
え、40℃にて8時間攪拌混合した。室温まで冷却した
後、反応混合液にジエチルエーテル100mlを加え
た。水層を濾別した後、ジエチルエーテル層を飽和食塩
水200mlで2回洗浄した。ジエチルエーテル層を無
水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、ジエチルエーテ
ルを減圧除去することにより、本発明の有害生物忌避精
油(3)84.7gを得た。
【0017】実施例4 実施例1で得られた有害生物忌避精油100gを減圧蒸
留し(減圧度0.01mmHg、温度80℃)、蒸留残
部として本発明の改質有害生物忌避精油(1)70.5
gを得た。
【0018】実施例5 実施例2で得られた有害生物忌避精油10gを減圧蒸留
し(減圧度0.02mmHg、温度75℃)、その蒸留
残部として本発明の改質有害生物忌避精油(2)4.7
gを得た。
【0019】実施例6〜7及び比較例1〜2 下記の処方に従って、実施例及び比較例のローションを
調整した。 これらの実施例及び比較例について、前記ヒトスジシマ
蚊に対する吸血忌避試験を試料塗布1時間,3時間、6
時間後に行い忌避率を算出した。
【0020】その結果は第1表に示した様に本発明の有
害生物忌避精油(1)及び(2)はヒトスジシマ蚊に対
して未処理の精油に比較して優れた忌避効果を有してい
ることがわかった。
【0021】実施例8及び9 下記の処方に従って、実施例8及び9のローションを調
整し比較例1及び2と比較した。 これらの実施例8及び9について、前記ヒトスジシマ蚊
に対する吸血忌避試験を試料塗布3時間後に行った。そ
の結果は第2表に示した様に本発明の改質有害生物忌避
精油は実施例6及び7同様に未処理の精油に比較して優
れた忌避効果を有していることがわかった。
【0022】次に、これらの実施例について前記香り立
ち(特異臭)試験を行った。 即ち、実施例8を実施例
6及び比較例1と比較した。また実施例9を実施例7及
び比較例2と比較した。その結果、パネラー全員(のべ
25人)が、実施例8の方が実施例6及び比較例1に較
べ、香り立ちが弱く、汎用性が高いと答えた。また、実
施例9についても、実施例7及び比較例2に較べ、香り
立ちが弱く、汎用性が高いと答えた。従って、本発明の
改質有害生物忌避精油は、減圧蒸留前の有害生物忌避精
油や未処理の精油に比較して、その香り立ち(特異臭)
が抑えられ、広い汎用性を有していることがわかった。
【0023】
【発明の効果】ユーカリ油及びシトロネラ油を酢酸もし
くは酢酸水溶液にて処理することにより得られる本発明
の有害生物忌避精油は、蚊等の有害生物に対して未処理
の精油に比較して優れた忌避効果を有するため、その作
用効果の特異性は著しい。また、本発明の有害生物忌避
精油を減圧蒸留し、その揮発性の高い成分を除去するこ
とにより得られる改質有害生物忌避精油は、未処理の精
油に比較して強い忌避効果を有し、かつ香り立ちが弱い
ため様々な商品に応用することが可能となり、その作用
効果の特異性は著しい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】特定のユーカリ油及びシトロネラ油を酢酸
    もしくは酢酸水溶液と攪拌処理することにより得られる
    有害生物忌避精油。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の有害生物忌避精油を減圧
    蒸留し、揮発性の高い成分を除去することにより得られ
    る有害生物忌避効果を有し、かつ香り立ちの弱い改質有
    害生物忌避精油。
JP5263154A 1993-09-28 1993-09-28 有害生物忌避精油及び改質有害生物忌避精油 Pending JPH0797304A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002053415A (ja) * 2000-08-10 2002-02-19 Takasago Internatl Corp 防虫剤及び防虫スプレー

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002053415A (ja) * 2000-08-10 2002-02-19 Takasago Internatl Corp 防虫剤及び防虫スプレー

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