JPH0796023B2 - 表面の性質が改良された高分子眼内レンズ - Google Patents

表面の性質が改良された高分子眼内レンズ

Info

Publication number
JPH0796023B2
JPH0796023B2 JP61504434A JP50443486A JPH0796023B2 JP H0796023 B2 JPH0796023 B2 JP H0796023B2 JP 61504434 A JP61504434 A JP 61504434A JP 50443486 A JP50443486 A JP 50443486A JP H0796023 B2 JPH0796023 B2 JP H0796023B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
intraocular lens
damage
pmma
plasma
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61504434A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63500642A (ja
Inventor
バディ ディ ラトナー
ナンシー ビー マテオ
Original Assignee
ワシントン リサ−チ フアンデイシヨン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ワシントン リサ−チ フアンデイシヨン filed Critical ワシントン リサ−チ フアンデイシヨン
Publication of JPS63500642A publication Critical patent/JPS63500642A/ja
Publication of JPH0796023B2 publication Critical patent/JPH0796023B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J7/00Chemical treatment or coating of shaped articles made of macromolecular substances
    • C08J7/12Chemical modification
    • C08J7/123Treatment by wave energy or particle radiation
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L27/00Materials for grafts or prostheses or for coating grafts or prostheses
    • A61L27/28Materials for coating prostheses
    • A61L27/34Macromolecular materials
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L2430/00Materials or treatment for tissue regeneration
    • A61L2430/16Materials or treatment for tissue regeneration for reconstruction of eye parts, e.g. intraocular lens, cornea

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、生体適合性ポリマー材料からなり、眼内移植
(intraocular implant)に適合するように表面の性質
が改良された高分子眼内レンズに関する。
発明の背景 最も一般的に使用されている眼内レンズ材料であるポリ
メタクリル酸メチル(PMMA)及び角膜の内皮細胞層が外
科的移植中に接着接触すると内皮細胞は喪失して再生し
なくなってしまう。細胞の喪失は、眼内レンズが手術中
に内皮細胞層と接触する回数と直接関連する。接触する
毎に約20%喪失する。細胞接着と表面エネルギー、表面
の化学及び表面の剛性のようなポリマー表面の性質との
関係は多くの研究者により研究されてきた。しかしなが
ら、角膜の内皮細胞層の接着についてはこれまで調べら
れた眼内レンズ材料の性質と直接関連づけられてはいな
い。
PMMA表面支持体(substrate)の表面を変性すれば、細
胞へのレンズの接着性が変わることが示された。研究者
達はγ線照射グラフト化によりヒドロキシエチルメタク
リレート(HEMA)及びビニルピロリドン(VP)をPMMA支
持体上で重合させた。変性レンズ材料及びウサギの角膜
間の“接触試験”を実験室で実施することにより、PMMA
のみでは10〜30%損傷するが、PMMA/HEMAグラフトでは
約10%、PMMA/VPグラフトでは10%未満の細胞しか損傷
しないことが見い出された。しかしながら、これらの
“接触試験”は比較的独断的で再現性がないことが見い
出された。
別の研究者は、内皮細胞層に一貫した力を加えるために
眼内レンズ材料とウサギの角膜に10秒間18gの重量でプ
レスした。PMMAは“かなりの損傷”を生じ、シリコーン
樹脂レンズはPMMAよりは“少ない損傷”を生じ、シリコ
ーンエラストマーが“ずっと少ない損傷”を生ずると報
告された。試料間の定量的な細胞損傷の比較は不可能で
あった。
更に別の研究においては、ウサギの角膜の内皮細胞層及
び眼内レンズ試験間の接着力を直接測定する測定器を構
築し使用した。PMMAについて計算された平均応力は0.66
g/cm2であり、研究された全ての材料の中で最高であっ
た。PMMAにVPをプラズマ付着した塗膜及びPMMAにHealon
TM〔ファーマシア・インコーポレーテッド(Pharmacia
Inc.)製〕を従来技術で塗布した塗膜は各々応力を0.19
g/cm2に低下させた。2つのヒドロゲルポリ(HEMA)及
びDuragelTM(Soflex)は最低の応力を示し、それぞれ
0.09及び0.14g/cm2であった。
このようにして、先行技術の研究者達はHEMA及びVPのよ
うな多くの材料を被覆することによりPMMAの表面の性質
を変性した。彼らは、そのような塗布により細胞の損傷
が従来のPMMA眼内レンズ材料について測定された値より
低下することを見い出した。先行技術の最良の状態の被
膜は、軟かい表面の親水性ヒドロゲルから得られると思
われる。
HEMA及びVPのようなヒドロゲルは、PMMA支持体及びその
他の被膜と比べて細胞損傷が少ない。しかしながら、ヒ
ドロゲルには多くの欠点がある。たとえば、被膜は軟か
く容易に損傷してしまう。包装及び手術時の適度の水和
は困難である。更に、ヒドロゲルは石灰化及び細菌汚染
の傾向がある。
発明の開示 生体適合性が改良された表面変性ポリマーを提供するこ
とが本発明の目的である。特に、外科的移植中の角膜の
内皮細胞の接着損傷を減少させるように表面が変性され
たポリメタクリル酸メチル眼内レンズを提供することが
本発明の目的である。
角膜の細胞との接着性が低い剛性の低エネルギー表面を
含む改良された変性眼内レンズ材料を提供することが本
発明の目的である。
本発明の改良された眼内レンズ材料は、支持体に共有結
合したフルオロカーボンポリマー被膜を含む眼内レンズ
材料ポリマー支持体である。フッ素化被膜は、フィルム
被膜の密度が大きく不透質の架橋種であるためレンズが
生体により分解されるのを保護するであろう。また、フ
ッ素化塗膜はレンズから体へ可融性成分が浸出するのを
保護するであろう。
好ましい眼内レンズ材料は、フルオロカーボンポリマー
被膜を含むポリメタクリル酸メチル支持体である。表面
の被膜は、支持体ポリマーを気体状モノマー及び電場に
暴露することにより付着される。電場でモノマーガスが
イオン化され、フルオロカーボンプラズマを生成する。
プラズマはポリマー支持体と反応し、フルオロカーボン
基が付着すると同時に重合して、支持体表面に付着す
る。
変性した高分子眼内レンズ材料の好ましい製法は、ポリ
メタクリル酸メチル支持体材料を気体状ペルフルオロプ
ロパンモノマーを含む室内に置くことを含む。次いで高
周波発生器を室内の振動電場に導入し、モノマーを重合
してそれを支持体の表面に付着させる。高周波電力、系
の圧力及び反応の長さのような系のパラメータが所望に
応じた付着の種類及び深さを制御する。
図面の簡単な説明 第1図は処理された眼内レンズ材料と角膜の組織との接
触の測定器の略図である。
第2図は試験した眼内レンズ材料との接触の初期の力の
関数としての角膜の細胞損傷%を表わす。
発明を実施するための最良の形態 本発明の表面変性眼内レンズ材料は、支持体ポリマーで
あるポリメタクリル酸メチルの円板にフルオロカーボン
材料を被覆することにより製造された。好ましい方法に
おいては、支持体をパーフルオロプロパンの気体プラズ
マに暴露することにより付着させる。
プラズマ反応器は、処理される支持体材料を保持するガ
ラス製の室を含む従来の形のものであった。室は、室内
に振動電場を設立する高周波発生器に連結したキャパシ
タンスプレートで囲まれていた。
実施においては、支持体材料の試料円板を室内に置い
た。次いで試料をアルゴンプラズマに暴露することによ
りエッチングした。次いで試料を支持体表面に付着され
るモノマーのプラズマに暴露した。本発明のパーフルオ
ロプロパンモノマーの他に、エチレンオキシド(EO)、
N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)及びヒドロキシエ
チルメタクリレート(HEMA)を用いた実験を行った。系
のパラメータとして高周波電力、室の圧力及び反応時間
を変形させて、反応の種類及び付着の深さを制御した。
選択されたパラメータは、試験した各モノマーの特性に
依存した。
得られた生成物は、表面の化学及び表面エネルギーによ
り特徴づけた。本発明の材料の試料の角膜組織との接触
から生ずる細胞の損傷を測定し、未処理支持体及びその
他の処理面と比較した。細胞の損傷の関数として表わし
た本発明の材料を特徴づける表面の測定値を、その他の
表面に関する同一の物性の測定値と比較した。
ポリマー表面の一番外側の100Åの元素組成及び結合状
態の測定には、X線電子分光法(ESCA)を用いた。存在
する種々の元素の測定には、1〜1000eVにおける走査を
用いた。元素C、O、F及びNのスペクトルを得るため
には、特定eV範囲における走査を行った。
本発明の材料及び比較材料の表面エネルギーを特徴づけ
る手段として、ワシントン市のアメリカン・ケミカル・
ソサイアティ(American Chemical Society)出版フォ
ークス(Fowkes)編のAdvances in Chemistry Series第
43巻の“リレイション・オブ・ザ・イークイリブリアム
・コンタクト・アングル・トウ・リクイド・アンド・ソ
リッド・コンスティテューション(Relation of the Eq
uilibrium Contact Angle to Liquid and Solid Consti
tution)”に記載されているジスマン(Zisman)の方法
を用いて“臨界表面エネルギー”を測定した。分析に
は、大気圧条件下における各種表面上の種々の精製液体
の接触角の測定を必要とした。次いで測定された角度の
余弦を試験液体の表面張力の関数としてプロットする
と、臨界表面エネルギーが計算できるジスマンプロット
が得られた。
本発明の変性表面と角膜の内皮細胞層との実際の相互作
用は、試料間の結果を一貫して定量的に比較しうる装置
を用いることにより測定した。
第1図によれば、この試験に使用される装置が略図とし
て示されている。試験される材料の円板10を微小な力の
検出器17のレバーアーム12に設けられているホルダー11
内に固定する。新たに切除したウサギの角膜13を試験さ
せる円板10の反対側の台15上のホルダー14内にのせる。
レバーアーム12を進めるためにマイクロメーター16を動
かすと、円板試料10が測定可能な力でボタン形の角膜13
と接触する。微小な力の検出器17の電気回路が接触力を
測定し、図表記録計18上に測定値が報告される。
実施においては、試験円板10をマイクロメーター16によ
り40〜60秒間角膜組織と接触させた。接触時の初期最大
力が記録された。次いでボタン形の角膜を除去し、染色
して低倍率の顕微鏡で調べた。損傷細胞の%を数え記録
した。
方法及び結果の詳細は以下の例中で報告する。
例 1 直径10mmの円板状のPMMAレンズ材料である、ワシントン
州シアトルのコーペルビジョン(Cooper Vision)製のP
ERSPEXTMを選択した。カリフォルニア州ニューアーク
(Newark)のマテソン・ケミカル・カンパニー(Mathes
on Chemical Company)製のパーフルオロプロパン及び
エチレンオキシドモノマー、マサチューセッツ州デンバ
ーズ(Danvers)のアルファ・プロダクツ(Alfa Produc
ts)製のN−ビニル−2−ピロリドン及びハイドロン・
インダストリーズ(Hydron Industries)製のヒドロキ
シエチルメタクリレートを用意した。
試料の円板をキャパシタンスプレートの約6cm下流に置
き、連続系を排気して0.035トールとした。アルゴンを
0.25トールにおいて導入した。50ワットの高周波発生器
電力を5分間継続し、PMMA支持体のエッチングを行っ
た。反応器を排気した後、フルオロカーボンモノマーガ
スを所望の圧力で導入した。パーフルオロプロパンモノ
マーの場合圧力は0.25トールで、発生器の電力は10分間
30ワットであった。その後室内を排気して0.035トール
とし、次いでアルゴン及び空気の導入により徐々に大気
圧とした。
眼内レンズ材料の試料の表面の化学的性質を決定するの
に、2つのESCA分光計、すなわちユタ州の大学における
ヒューレット・パッカード(Hewlett Packard)型式595
0−B及びワシントン州の大学におけるサーフェス・サ
イエンス・モデル(Surface Science Model)SSX−100
を使用した。HP−5950−Bのスペクトルはデュポン(Du
Pont)の310曲線レゾルバーを用いて分析し、SSX−100
のスペクトルはHP−9836−Cコンピュータでピーク適合
ルーチンを用いて分析した。C(1s)炭素水素ピークは
285eVに帰属し、エネルギーシフトの補正用に対照ピー
クとして使用した。測定した試料のESCAの結果は以下の
表の2番目に記載されている。
各種表面上の種々の精製液体の接触角は、レイム−ハー
ト(Rame−Hart)ゴニオメーター、型式110−00−00NRL
を用い大気圧条件下で測定した。数種の表面に関して実
験的に決定した臨界表面エネルギーγの値を第II表に
示す。参考表面としてTeflonTM及びMylarTMについて調
べた。
第II表 固体表面の臨界表面張力(γ) 表面 γ(erg/cm2) TeflonTM 20.0±1.3 MylarTM 46.7±0.3 PMMA 37.8±3.2 パーフルオロプロパンフィルム 8.1±3.1 エチレンオキシドフィルム 45.4±2.7 HEPAフィルム 49.4±4.1 NVPフィルム 48.0±4.3 例 2 例1で製造及び特定決定した試料を第1図の装置により
角膜組織と接触させた。
2〜3mmの強膜の縁がついている各角膜を2〜3kgのニュ
ージーランド白色ウサギから切除し、ただちにHEPES緩
衝液、L−グルタミン、及びペニシリン−ストレプトマ
イシン(グランド・アイランド・バイオロジカル(Gran
d Island Biological)から成るRPMI1640媒体中に入れ
た。角膜溶液を少くとも30分間フォーマ・サイエンティ
フィック・ハイドロジャック(Forma Scientific Hydor
ojac)CO2定温器中に置いた。試験のためにこの溶液か
ら角膜を除去し、0.9%NaCl溶液中で洗浄し、凹面状のT
eflonTMブロック上にのせ、切断して直径9mmのボタン形
とした。次いで角膜を第1図の装置の凸面状ステンレス
鋼のホルダー内に内皮側を上にしてのせた。直径7mmの
円形状の内皮細胞層をホルダー端部の高さより2mm突出
している中央部に暴露した。0.9%NaCl溶液を断続的に
角膜上に滴下し、細胞を連続的にしめった状態に保持し
た。
直径10mmの試料円板を、端部が固定された装置のステン
レス鋼ホルダー中にはめこみ、直径9mmの平らな表面を
暴露させておく。次いでこのホルダーを、インペリアル
・コントロールズ(Imperial Controls)製の微小な力
検出器12、ディフレクション・センサー・カートリッジ
(Deflection Sensor Cartridge)、型式DSC3に取り付
けた。各試験において予期される力に依存して、1〜20
gの重さを用いて系を検量した。試験範囲は4000〜20,00
0ダインであった。
角膜のホルダーをレンズ試料の真下に置き、二つの表面
をマイクロメーターにより接触させた。40〜60秒後、角
膜及び試料を分離した。角膜はただちに0.9%NaCl溶液
に入れた。接触時の初期及び最大の力を記録した。試験
の対照標準は、20分間ホルダー中に放置し、しめりけを
0.9%NaCl溶液で保持したボタン形の角膜であった。こ
れらの角膜には、実際の試料円板との接触以外の取扱い
は全て実施した。
内皮細胞層を調べるために、Invest.Ophtalmol第15巻第
12号第1000頁(1976年)“ア・ニュー・テクニーク・フ
ォア・ザ・バイタル・ステイニング・オブ・ザ・コーニ
アル・エンドウシーリアム(A New Technique for the
Vital Staining of The Corneal Endothelium)”に記
載されている、ミズリー州セントルイスのシグマ・ケミ
カル(Signa Chemical)製のTrypan Blue及びAlizarin
Red S染料の組合せを含むスペンス(Spence)及びペイ
マン(Peyman)の染色法を用いた。次いで角膜を低倍率
(×100)の顕微鏡で調べた。900の格子に分割した中心
の9cm2の領域を各角膜について観察した。損傷していな
い細胞及び損傷している細胞を数えた。
PMMA支持体及び処理した円板を、接触力の範囲にわたっ
て細胞の損傷を測定した。次いで結果をプロットする
と、細胞の損傷が接触力の関数として示された。第III
表は、各試料のデータに最も適合する曲線を示す。デー
タは第2図にも示す。
例1の第1表によれば、従来のポリマー及びプラズマ付
着ポリマーの双方のESCA結果がモノマーの化学量論で比
較されている。未処理PMMAの円板はC/O比が化学量論か
ら期待される割合に近いことを示す。試料中に存在する
結合の種類もまた厳密に比較される。HEMA及びNVPのプ
ラズマ付着被膜の各々は、化学量論及びガラス上で延伸
された従来のポリ(HEMA)及びポリ(NVP)モデルフィ
ルムに対して組成及び結合が非常に類似していることを
示す。従来のHEMA及びNVPポリマーの表面のESCAスペク
トルのピークは、プラズマ付着フィルムのスペクトル中
のそれより一層はっきりしている。プラズマ付着フィル
ムの一層はっきりしないスペクトルは、構造が一層幅広
く分布していること、化学種の数が増加していること、
及び架橋の増大を示し、これらのすべてがプラズマ付着
の特徴である。しかしながら、これらのプラズマ付着層
が従来のポリマーと類似しているということは、原子重
合よりむしろ分子重合(すなわち二重結合によるラジカ
ル重合)で進行していることを示す。この類似性はまた
従来のポリ(HEMA)及びポリ(NVP)のヒドロゲル特性
に重要な構造の規則性を示唆する。従って、HEMA及びNV
Pプラズマにより付着させた被膜はヒドロゲルの挙動を
示す。
エチレンオキシド及びパーフルオロプロパンプラズマに
より付着させた被膜は、モノマー構造とは非常に変わっ
ている。これらのプラズマは、モノマーの分子構造がポ
リマーにおいて保持されない種類の付着である“原子重
合”を含む複雑な反応を経る。その結果、エチレンオキ
シドプラズマ被膜の構造における規則性は生じそうもな
い。というのは、ESCAにより示される結合の環境が従来
のポリ(エチレンオキシド)のそれとはあまり類似して
いないからである。
例1の第II表によれば、プラズマ変性表面がPMMA支持体
と比較して湿潤性において明確に変化していることを示
す。フッ素化プラズマは円板を非湿潤性とする。その他
の3種のプラズマ付着表面は、臨界表面張力が増加する
ので湿潤性の増大を示す。これらの結果は、文献に報告
されている傾向、すなわち湿潤性がフッ素化の増大に伴
ない減少し、炭素に結合した窒素又は酸素の増大に伴な
い増大するという効果と一致する。
第2図においては、%細胞損傷が第1図及び例2に記載
されている装置により測定した、角膜組織と接触した各
種表面の初期の力の関数としてプロットされている。3.
5±2.7%における水平の一本線は、対照標準の角膜の平
均損傷を表わす。その他の試料に関して示される線は力
−損傷データの最良曲線であり、最小自乗法による線又
は損傷が力とは無関係と思われる場合は細胞損傷の平均
値を表わす。第III表はこれらのデータの適合線のパラ
メータ及び誤差を示す。
適合線の選択は、力に依存する項の添加(最小自乗法の
線)が平均損傷線より良いか否かを決定する“X2の分散
比検定”の結果に基づく。PMMA、エチレンオキシド、NV
P及びHEMA表面は、力の増大に伴ない損傷が増大する傾
向を示し、最小自乗法の適合線をプロットした。パーフ
ルオロプロパンの力−損傷曲線の勾配は0ではなかった
ので、平均細胞損傷値をプロットした。
細胞の5種類の表面との接着の差異の有意性を計算する
のに、第III表に示したパラメータの値を用いた。PMMA
と比較して、4種類のデータの各々はPMMAの適合線及び
変性表面の適合線間の差異が重要であるという公算が97
%以上であることを示した。
本発明のフッ素化表面は、研究した全力範囲においても
最も内皮の損傷が少なかった。損傷は力とは無関係であ
ると思われる。
HEMA及びNVP表面も、未変性PMMAに比べれば細胞損傷が
低下した。しかしながら、HEMA及びNVPの表面は共に力
の増大に伴ない細胞損傷が増加した。エチレンオキシド
被膜はPMMAより角膜への接着損傷が大きかった。
前述のように、PMMA表面を変性することにより細胞の接
着損傷の程度は変化した。表面の化学及び表面エネルギ
ーの変化は、例1に示したようにESCA及び接触角の研究
により証明された。
要約すると、高周波プラズマ付着により変性されたポリ
メタクリル酸メチル材料の表面の性質は変化することが
データより示された。内皮細胞の表面への接着の程度は
かなり変化する。各変性表面に関して接着の初期の力の
関数としての%細胞損傷は、PMMAのそれとはかなり異な
った。結果から剛性の低エネルギーフッ素化表面が細胞
の接着が低い点で望ましいことが示唆される。
細胞の接着性が低いことが望ましい、フルオロカーボン
モノマーをプラズマ付着させうるガラス又は高分子支持
体であればいずれも本発明に従って表面を変性すること
により改良しうる。そのような支持体には、たとえばガ
ラス、ポリプロピレン及びシリコーンポリマーが含まれ
る。ガラスプラズマ技術を用いて支持体上に付着させう
るフルオロカーボンモノマー又はそれらの混合物は本発
明の範囲内である。好ましいモノマーには、たとえばパ
ーフルオロプロパン、パーフルオロプロペン、ヘキサフ
ルオロエタン、及びテトラフルオロエチレンが含まれ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−16769(JP,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】移植の際に角膜の内皮細胞の損傷を低下さ
    せる改良された眼内レンズであって、前記レンズが以下
    の部材、 (1) 目に移植するための光学的に形成されたレンズ
    本体、及び (2) 前記レンズ本体の表面に結合され、レンズ移植
    における、該レンズ本体への内皮細胞の接着及び内皮細
    胞の損傷を低下させる非湿潤性被膜、 を含む眼内レンズ。
  2. 【請求項2】前記非湿潤性被膜が、フルオロカーボンポ
    リマー被膜である請求の範囲第1項記載の眼内レンズ。
  3. 【請求項3】前記レンズ本体に接着したフルオロカーボ
    ンポリマーで被覆した触覚部材を更に有し、前記触覚部
    材が、目の内側表面に係合して、前記レンズを目に位置
    させる形態にある請求の範囲第2項記載の眼内レンズ。
  4. 【請求項4】前記レンズ本体が、ポリメタクリル酸メチ
    ル、シリコーン、ガラス及びポリプロピレンからなる群
    から選択される材料から形成される請求の範囲第1項記
    載の眼内レンズ。
  5. 【請求項5】前記フルオロカーボンポリマー被膜が、パ
    ーフルオロプロパンモノマーから形成される請求の範囲
    第2項記載の眼内レンズ。
  6. 【請求項6】前記フルオロカーボンポリマー被膜が、高
    周波放電によって前記レンズにプラズマ被覆される請求
    の範囲第2項記載の眼内レンズ。
  7. 【請求項7】前記フルオロカーボンポリマー被膜が、マ
    イクロ波放電によって前記レンズにプラズマ被覆される
    請求の範囲第2項記載の眼内レンズ。
JP61504434A 1985-08-23 1986-08-04 表面の性質が改良された高分子眼内レンズ Expired - Lifetime JPH0796023B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US76889585A 1985-08-23 1985-08-23
PCT/US1986/001609 WO1987001040A1 (en) 1985-08-23 1986-08-04 Polymeric intraocular lens material having improved surface properties
US768895 2001-01-24

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63500642A JPS63500642A (ja) 1988-03-10
JPH0796023B2 true JPH0796023B2 (ja) 1995-10-18

Family

ID=25083806

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61504434A Expired - Lifetime JPH0796023B2 (ja) 1985-08-23 1986-08-04 表面の性質が改良された高分子眼内レンズ

Country Status (6)

Country Link
US (1) US6143027A (ja)
EP (1) EP0238508B1 (ja)
JP (1) JPH0796023B2 (ja)
AU (1) AU593010B2 (ja)
CA (1) CA1299941C (ja)
WO (1) WO1987001040A1 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1987001040A1 (en) * 1985-08-23 1987-02-26 Washington Research Foundation Polymeric intraocular lens material having improved surface properties
SE8505518D0 (sv) * 1985-11-22 1985-11-22 Swedish Graft Tech Ab Implantationslins, forfarande for framsstellning derav och anordning for att utfora forfarandet
AU606068B2 (en) * 1987-04-24 1991-01-31 Washington Research Foundation Intraocular lens with hydrophobic coating
US5171267A (en) * 1989-08-31 1992-12-15 The Board Of Regents Of The University Of Washington Surface-modified self-passivating intraocular lenses
FR2669226B1 (fr) * 1990-11-21 1997-01-03 Irap Dispositif a usage ophtalmologique forme d'un substrat polymerique comportant des groupements fluores en surface, et procede d'obtention.
US5292514A (en) * 1992-06-24 1994-03-08 Minnesota Mining And Manufacturing Company Azlactone-functional substrates, corneal prostheses, and manufacture and use thereof
DE19508772C2 (de) 1995-03-01 1998-01-29 Schering Ag Verfahren und Verbindungen zur Detektion von Analyten mittels Remanenzmessung und deren Verwendung
US6482531B1 (en) 1996-04-16 2002-11-19 Board Of Regents, The University Of Texas System Non-fouling, wettable coated devices
US6329024B1 (en) 1996-04-16 2001-12-11 Board Of Regents, The University Of Texas System Method for depositing a coating comprising pulsed plasma polymerization of a macrocycle
AU744202B2 (en) * 1997-08-08 2002-02-21 Board Of Regents Non-fouling, wettable coated devices
FR2776192B1 (fr) * 1998-03-20 2001-05-18 Ass Pour Les Transferts De Tec Materiau a usage medical presentant un faible coefficient de glissement et procede d'obtention
US6703466B1 (en) 2001-06-18 2004-03-09 Alcon, Inc. Foldable intraocular lens optics having a glassy surface
JP2008508959A (ja) * 2004-08-13 2008-03-27 オタワ ヘルス リサーチ インスティテュート 眼用器具及び関連した方法及び組成物
DE102007061647A1 (de) * 2007-12-20 2009-07-02 Biotronik Vi Patent Ag Implantat mit einem Grundkörper aus einer biokorrodierbaren Legierung
US9220590B2 (en) 2010-06-10 2015-12-29 Z Lens, Llc Accommodative intraocular lens and method of improving accommodation
US9364318B2 (en) 2012-05-10 2016-06-14 Z Lens, Llc Accommodative-disaccommodative intraocular lens
WO2015133532A1 (ja) * 2014-03-04 2015-09-11 ダイキン工業株式会社 高分子基材、その用途及びその製造方法
JP7074960B2 (ja) 2016-08-24 2022-05-25 カール ツァイス メディテック アーゲー デュアルモード調節型-非調節型眼内レンズ

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6216769A (ja) * 1985-07-16 1987-01-24 カネボウ株式会社 アルブミンを吸着させた複合材料

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA473393A (en) * 1951-05-08 W. Watson Glenn Electronic steam generators
NL7606630A (nl) * 1975-10-20 1977-04-22 Nasa Werkwijze om anti-reflectielagen op lenzen aan te brengen.
US4170043A (en) * 1977-11-30 1979-10-09 American Hospital Supply Corporation Coated intraocular lens and surgical tool
US4170661A (en) * 1977-11-30 1979-10-09 American Hospital Supply Corporation Method of treating intraocular lens and the like
US4188426A (en) * 1977-12-12 1980-02-12 Lord Corporation Cold plasma modification of organic and inorganic surfaces
US4240163A (en) * 1979-01-31 1980-12-23 Galin Miles A Medicament coated intraocular lens
US4312575A (en) * 1979-09-18 1982-01-26 Peyman Gholam A Soft corneal contact lens with tightly cross-linked polymer coating and method of making same
US4373218A (en) * 1980-11-17 1983-02-15 Schachar Ronald A Variable power intraocular lens and method of implanting into the posterior chamber
US4656083A (en) * 1983-08-01 1987-04-07 Washington Research Foundation Plasma gas discharge treatment for improving the biocompatibility of biomaterials
US4664666A (en) * 1983-08-30 1987-05-12 Ezekiel Nominees Pty. Ltd. Intraocular lens implants
US4681585A (en) * 1984-04-11 1987-07-21 Intermedics Intraocular, Inc. Intraocular implant
EP0166998B1 (en) * 1984-06-04 1991-05-08 TERUMO KABUSHIKI KAISHA trading as TERUMO CORPORATION Medical instrument and method for making
US4576607A (en) * 1984-07-13 1986-03-18 Kelman Charles D Intraocular lenses
US4655770A (en) * 1985-06-06 1987-04-07 Ioptex, Inc. Surface passivated intraocular lens
WO1987001040A1 (en) * 1985-08-23 1987-02-26 Washington Research Foundation Polymeric intraocular lens material having improved surface properties
US4666445A (en) * 1985-10-01 1987-05-19 Tillay Michael J Intraocular lens with shape memory alloy haptic/optic and method of use
AU6481586A (en) * 1985-11-06 1987-05-14 Unisearch Limited Prosthetis coated with ionic species
SE8505518D0 (sv) * 1985-11-22 1985-11-22 Swedish Graft Tech Ab Implantationslins, forfarande for framsstellning derav och anordning for att utfora forfarandet

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6216769A (ja) * 1985-07-16 1987-01-24 カネボウ株式会社 アルブミンを吸着させた複合材料

Also Published As

Publication number Publication date
CA1299941C (en) 1992-05-05
EP0238508B1 (en) 1991-05-22
AU593010B2 (en) 1990-02-01
JPS63500642A (ja) 1988-03-10
AU6225086A (en) 1987-03-10
US6143027A (en) 2000-11-07
WO1987001040A1 (en) 1987-02-26
EP0238508A1 (en) 1987-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5091204A (en) Polymeric intraocular lens material having improved surface properties
JPH0796023B2 (ja) 表面の性質が改良された高分子眼内レンズ
AU740278B2 (en) Plasma surface treatment of silicone hydrogel contact lenses
JP4606594B2 (ja) 中間炭素コーティングに付着した親水性ポリマー鎖を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの表面処理
JP3926847B2 (ja) プラズマに誘導されたポリマー被覆
US6169127B1 (en) Plasma-induced polymer coatings
KR100594414B1 (ko) 가요성 탄소 코팅을 사용한 실리콘 하이드로겔 콘택트렌즈의 플라즈마 표면 처리법
AU4844500A (en) Surface-treatment of silicone medical devices comprising an intermediate carbon coating and graft polymerization
EP1230041A2 (en) Coating process
US20090111942A1 (en) Method for Making Surface Modified Biomedical Devices
Mateo et al. Relating the surface properties of intraocular lens materials to endothelial cell adhesion damage.
AU740054B2 (en) Plasma surface treatment of silicone hydrogel contact lenses
Ging-Ho et al. ppHEMA-modified silicone rubber film towards improving rabbit corneal epithelial cell attachment and growth
AU606068B2 (en) Intraocular lens with hydrophobic coating
Lin Hydrophilic surface modification of polymers for improved biomaterials
JPH03217815A (ja) コンタクトレンズ及びその製造方法