JPH0795871A - 灰 皿 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 喫煙時に発生する煙草臭及び喫煙後の煙草の
吸殻から発生する煙草臭をマスキングする効果を奏し、
且つその効果に持続性を有する灰皿の提供を目的とす
る。 【構成】 オポポナックス樹脂、ミル樹脂及びオリバナ
ム樹脂の群から選択される１種以上の樹脂から得られる
精油と、イランイラン、ラベンダー及びラバンジンの群
から選択される１種以上の樹脂から得られる精油と、シ
トラスベース、フローラルベース、ムスクベース及びウ
ッディベースの香料成分の１種以上とを含有する香料組
成物を吸着させた含浸体（９）を、灰皿（１）の内部に
着脱可能に取り付けられ外周に複数の小孔（１０）を有
する収納部（６）内に充填してなる灰皿

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、煙草臭に対して持続性
のある優れたマスキング効果を奏する灰皿に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、喫煙時の煙草の灰受けとして、また喫煙後の煙草の
吸殻を廃棄するものとして、灰皿が使用されている。

【０００３】煙草は、臭いが独特であり、喫煙時の臭い
のみならず、喫煙後に灰皿に廃棄され放置された煙草の
吸殻から発生する臭いは、部屋の臭いを変えてしまうほ
ど強烈なものである。そこで、この煙草臭の発散の問題
を解決するために、コーヒー粉等のように消臭効果を奏
するものを灰皿の底部等に置いて臭い消しを試みる例も
見受けられる。しかしながら、単に消臭効果のある物質
を灰皿の内部に置いておくだけでは、煙草臭を抑制する
効果が弱く、またその効果も極めて短期間で低下してし
まうものであるため、実用的な手段とはなりえなかっ
た。

【０００４】本発明は、上記の問題に鑑みなされたもの
であって、喫煙時に発生する煙草臭及び喫煙後に灰皿に
置かれた煙草の吸殻から発生する煙草臭をマスキングす
る効果を奏し、且つその抑制効果に持続性を有する灰皿
の提供を目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の灰皿は次のような構成をとる。すなわ
ち、オポポナックス樹脂、ミル樹脂及びオリバナム樹脂
の群から選択される１種以上の樹脂から得られる精油
と、イランイラン、ラベンダー及びラバンジンの群から
選択される１種以上の樹脂から得られる精油と、シトラ
スベース、フローラルベース、ムスクベース及びウッデ
ィベースの香料成分の１種以上とを含有する香料組成物
を吸着させた含浸体を、灰皿の内部に着脱可能に取り付
けられ外周に複数の小孔を有する収納部内に充填してな
ることを特徴とするものである。

【０００６】上記の構成において、オポポナックス樹脂
から得られる精油は、公知の物質であって、フクロソウ
目カンラン科の植物であるゲラニアレス ブルセラセア
コミフォラ エリセラ（Ｇｒａｎｉａｌｅｓ Ｂｕｒ
ｓｅｒａｃｅａｅ Ｃｏｍｍｉｐｈｏｒａ ｅｒｙｔｈ
ｅａ）の樹脂を有機溶媒で抽出して得られるオポポナッ
クス・レジノイド、オポポナックス・アブソリュート、
粉砕した樹脂から水蒸気蒸留によって得られるオポポナ
ックス・オイル等を指すが、その中でも、アルコールで
抽出してフレオンガスで処理を行ったオポポナックス・
アブソリュートが特に好ましい。

【０００７】また、ミル樹脂から得られる精油は、公知
の物質であって、フクロソウカンラン科ミラルノキ属ゲ
ラニアレス ブルセラセア コミフォラ（Ｇｒａｎｉａ
ｌｅｓ Ｂｕｒｓｅｒａｃｅａｅ Ｃｏｍｍｉｐｈｏｒ
ａ）の樹皮から滲出した樹脂を有機溶媒で抽出して得ら
れるミル・レジノイド、ミル・アブソリュート、粉砕し
た樹脂から水蒸気蒸留によって得られるミル・オイル等
である。

【０００８】同様に、オリバナム樹脂から得られる精油
も、公知の物質であって、フクロソウ目カンラン科ゲラ
ニアレス ブルセラセア（Ｇｒａｎｉａｌｅｓ Ｂｕｒ
ｓｅｒａｃｅａｅ）の植物ボスウエリア属（Ｂｏｓｗｅ
ｌｌｉａ）の樹皮から滲出した樹脂を有機溶媒で抽出し
て得られるオリバナム・レジノイド、オリバナム・アブ
ソリュート、粉砕した樹脂から水蒸気蒸留によって得ら
れるオリバナム・オイル等である。

【０００９】また、イランイランから得られる精油は、
公知の物質であって、モルッカ諸島を原産地とするバン
レイシ科（Ａｎｏｎａｃｅａｅ）に属する植物カナンガ
オドラータ（Ｃａｎａｎｇａ ｏｄｏｒａｔａ）の花を
水蒸気蒸留して得られるイランイランオイルファース
ト、イランイランオイルセカンド、イランイランオイル
サード、カナンガオイル、または石油エーテル、ベンゼ
ン等の有機溶媒で抽出したイランイランアブソリュート
等である。

【００１０】また、ラベンダーから得られる精油は、公
知の物質であって、地中海沿岸地帯を原産地とするシソ
科の小灌木、ラバンデュラ・オフィシナリス（Ｌａｖａ
ｎｄｕｌａ ｏｆｆｉｃｉｎａｌｉｓ）の草花を水蒸気
蒸留して得られるラベンダーオイル、またはヘキサンな
どの有機溶媒で抽出したラベンダーアブソリュート等で
ある。

【００１１】更に、ラバンジンから得られる精油も、公
知の物質であって、ラバンデュラ・ハイブリダ（Ｌａｖ
ａｎｄｕｌａ ｈｙｂｒｉｄａ）の草花を水蒸気蒸留し
て得られるラバンジルオイル、またはヘキサンなどの有
機溶媒で抽出したラバンジンアブソリュート等である。

【００１２】そして、上記オポポナックス樹脂、ミル樹
脂及びオリバナム樹脂の群から選択される１種以上の樹
脂から得られる精油の含有量は、香料組成物を基準とし
て０．１〜３０重量％（以下ｗｔ％と略記する）、好ま
しくは０．５〜５ｗｔ％である。すなわち、これが０．
１ｗｔ％未満では、煙草臭のマスキング効果が不十分な
ものになり、逆に３０ｗｔ％を越えると、香料成分の芳
香性が低下し、オポポナックス樹脂、ミル樹脂あるいは
オリバナム樹脂の精油特有の香りが強調されすぎて好ま
しくないからである。

【００１３】また、イランイラン、ラベンダー及びラバ
ンジンの群から選択される１種以上の樹脂から得られる
精油の含有量は、香料組成物を基準として０．１〜５０
ｗｔ％、好ましくは０．５〜５ｗｔ％である。すなわ
ち、これが０．１ｗｔ％未満では、煙草臭のマスキング
効果が不十分なものになり、逆に５ｗｔ％を越えると、
香料成分の芳香性が低下し、イランイラン、ラベンダー
あるいはラバンジンの精油特有の香りが強調されすぎて
好ましくないからである。

【００１４】また、本発明に使用する香料成分は、シト
ラスベース、フローラルベース、ムスクベース及びウッ
ディベースといった明るく軽い芳香を有する香料成分で
ある。例えば、シトラスベースはリモネン、シトラー
ル、リナロール、リナリルアセテート等からなり、フロ
ーラルベースはベンジルアセテート、フェニルエチルア
ルコール、メチルディハイドロジャスモネート、アルフ
ァヘキシルシンナミックアルデヒド、ゲラニオール、シ
トロネロール、ハイドロキシシトロネラール、リラール
等からなり、ムスクベースはギャラクソリッド、ムスク
ケトン、シクロペンタデカノール等からなり、またウッ
ディベースはサンタルウッドオイル、セダーウッドオイ
ル、クマリン、ヘリオトロピン、合成アンバー様香料、
アセチルセドレン等からなるものである。

【００１５】これらの香料成分は、煙草臭のマスキング
効果を強化するとともに、含浸体に吸着させる香料組成
物に保留性やこくを与えるものである。また、これらの
香料成分にトップノート、ボディノート、ラストノート
等をうまく組み合わせることによって、経時的にも魅力
ある香りを発生するものとすることができる。

【００１６】更に、本発明における香料組成物には、上
記の香料成分の組成比の調整のために、ジエチルフタレ
ート等の希釈剤を配合することができる。

【００１７】以上のように、本発明に用いる香料組成物
は、前述の方法で得られたオポポナックス樹脂、ミル樹
脂及びオリバナム樹脂の群から選択される１種以上の樹
脂から得られる精油と、イランイラン、ラベンダー及び
ラバンジンの群から選択される１種以上の樹脂から得ら
れる精油を、必要に応じて希釈剤等で希釈し、上記のシ
トラスベース、フローラルベース、ムスクベース及びウ
ッディベースの香料成分の１種以上を加えることによっ
て調製することができるものである。

【００１８】そして、この香料組成物は、オポポナック
ス樹脂、ミル樹脂及びオリバナム樹脂の群から選択され
る１種以上の樹脂から得られる精油と、イランイラン、
ラベンダー及びラバンジンの群から選択される１種以上
の樹脂から得られる精油とが、少量で長時間にわたって
煙草臭のマスキング効果を十分に発揮しながら、且つ弱
い香り（自然で軽く明るい香り）のシトラスベース、フ
ローラルベース、ムスクベース、ウッディベースの香料
成分を加えて処方を組むことのできるものである。

【００１９】

【実施例】以下、本発明の灰皿の実施例を図面に基づき
説明する。

【００２０】図１は、本発明の灰皿の一実施例を示す外
観斜視図、図２は図１のＡ−Ａ’断面図である。この灰
皿（１）は、金属製であって、上枠部（２）と下枠部
（３）とを着脱可能に嵌合して構成されている。

【００２１】上記上枠部（２）は、中央に吸殻を入れる
ための開口部（４）を有するとともに、上面に煙草を置
くための煙草載置部（５）を２つ備えている。そして、
この上枠（２）の天面（２ａ）の裏側の１箇所には、後
述する含浸体（９）を収納する金属製の収納部（６）が
取り付けられている。

【００２２】上記上枠（２）には、図２に示す通り、そ
の天面（２ａ）の裏側から一対の係止部（７）、（７）
が灰皿（１）の内部に向けて垂設されている。一方、上
記収納部（６）には、その上面から一対の板バネ係止部
（８）、（８）が立設されており、この板バネ係止部
（８）、（８）の弾性力によって、上記上枠（２）に設
けられた一対の係止部（７）、（７）に収納部（６）を
着脱自在に嵌着することができるようになっている。。

【００２３】そして、この収納部（６）の内部には、オ
ポポナックス樹脂、ミル樹脂及びオリバナム樹脂の群か
ら選択される１種以上の樹脂から得られる精油と、イラ
ンイラン、ラベンダー及びラバンジンの群から選択され
る１種以上の樹脂から得られる精油と、シトラスベー
ス、フローラルベース、ムスクベース及びウッディベー
スの香料成分の１種以上とを含有する香料組成物を適宜
量吸着させた含浸体（９）が充填されている。また、こ
の収納部（６）の外周には、充填された含浸体（９）に
吸着している上記の香料組成物を灰皿（１）内部の空間
に気散させるための小孔（１０）が複数個穿設されてい
る。

【００２４】この実施例における含浸体（９）は、金属
製多孔体からなり、オポポナックスアブソリュートフレ
オンガス抽出物０．５ｗｔ％、ミルオイル０．５ｗｔ
％、オリバナムアブソリュート０．５ｗｔ％、イランイ
ラン２．５ｗｔ％、ラベンダー３．０ｗｔ％、ラバンジ
ン１．０ｗｔ％、シトラスベース２０ｗｔ％、フローラ
ルベース３２ｗｔ％、ムスクベース３０ｗｔ％、ウッデ
ィベース１０ｗｔ％からなる香料組成物を１ｗｔ％にな
るように添加したエタノール水溶液内に上記金属製多孔
体を浸漬した後、取り出して乾燥させることにより得ら
れたものである。

【００２５】上記の構成をとる灰皿（１）は、上枠部
（２）に装着された収納部（６）内に充填された含浸体
（９）に吸着している上記香料組成物の芳香を、収納部
（６）に穿設された小孔（１０）から効率的に気散さ
せ、灰皿（１）の中の吸殻や煙草の煙から発生する煙草
臭をマスキングする作用を奏するものである。

【００２６】また、この灰皿（１）は、上枠部（２）と
下枠部（３）とを着脱可能に嵌合して構成され、且つ収
納部（６）が板バネ係止部（８）によって上枠部（２）
の係止部（７）に対して着脱可能に装着されている。従
って、使用開始時または煙草臭のマスキング効果が弱く
なった際には、上記上枠部（２）と下枠部（３）とを分
解し、収納部（６）を上枠部（２）から取り外してその
内部から上記含浸体（９）を取り出すことにより、上記
香料組成物を容易に吸着させて使用に供することができ
る。更に、収納部（６）が上枠部（２）の天面（２ａ）
の裏側から灰皿（１）の内部に垂設された状態となって
いるため、煙草の灰を灰皿（１）の内部に落としても、
灰が収納部（６）に直接当たることがない。

【００２７】尚、上記含浸体（９）に吸着させる香料組
成物は、特に上記実施例のものに限定されず、上記精油
と上記香料成分の１種以上とを適宜組み合わせたものと
することができる。そして、含浸体（９）としても、上
記の実施例で挙げた金属製多孔体以外に、香料吸着性に
優れた素焼きの陶器や不織布、多孔性樹脂を不燃処理し
たもの等を、収納部（６）の形状に応じて適宜の大き
さ、形状に形成して使用することができる。

【００２８】

【発明の効果】以上の記載のように、本発明の灰皿は、
オポポナックス樹脂、ミル樹脂及びオリバナム樹脂の群
から選択される１種以上の樹脂から得られる精油と、イ
ランイラン、ラベンダー及びラバンジンの群から選択さ
れる１種以上の樹脂から得られる精油と、シトラスベー
ス、フローラルベース、ムスクベース及びウッディベー
スの香料成分の１種以上とを含有する香料組成物を吸着
させた含浸体を、灰皿内部に装着されて複数の小孔を有
する収納部内に充填してなるため、自然で軽く明るい香
りを気散させながら持続性ある優れた煙草臭マスキング
効果を奏する理想的な灰皿である。また、含浸体を充填
する収納部が、灰皿に着脱可能に取り付けられており、
使用開始時または煙草臭のマスキング効果が弱くなった
際には、収納部を灰皿から取り外し、含浸体に香料組成
物を吸着させて使用に供することができるため、効果を
低下させることなく繰り返して使用することのできる極
めて実用的なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の灰皿の一実施例を示す外観斜視図であ
る。

【図２】図１におけるＡ−Ａ’断面図である。

【符号の説明】

１ 灰皿 ６ 収納部 ９ 含浸体 １０ 小孔

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 オポポナックス樹脂、ミル樹脂及びオリ
   バナム樹脂の群から選択される１種以上の樹脂から得ら
   れる精油と、イランイラン、ラベンダー及びラバンジン
   の群から選択される１種以上の樹脂から得られる精油
   と、シトラスベース、フローラルベース、ムスクベース
   及びウッディベースの香料成分の１種以上とを含有する
   香料組成物を吸着させた含浸体（９）を、灰皿（１）の
   内部に着脱可能に取り付けられ外周に複数の小孔（１
   ０）を有する収納部（６）内に充填してなることを特徴
   とする灰皿。