JPH0793902A - 光学式情報記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゾーンの境界をまたがって記録／再生する場
合においても、各ゾーンに最適なクロックで情報を記録
／再生する。 【構成】 レーザ光を照射し記録及び再生を行う光学ヘ
ッド３と、光学ヘッド３にレーザ駆動電流を供給するレ
ーザ駆動回路４と、光学ヘッド３の検出信号を増幅する
プリアンプ５と、プリアンプ５の出力を２値化する波形
処理回路６と、基準クロックに基づき隣接した２つのゾ
ーンの周波数のクロックを生成し切り換えて出力するク
ロック生成回路８と、クロック生成回路８からの各ゾー
ン毎の周波数のクロックに基づいて記録データを変調し
変調出力をレーザ駆動回路４に送るデータ変調回路９
と、波形処理回路６の出力をクロック生成回路８からの
クロックに同期させてデータを復調するデータ同期回路
１１とを備えて構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光ディスク等のディス
ク状の光学式情報記録媒体に情報を記録／再生する光学
式情報記録再生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、光ディスク記録再生装置で
は、光ディスク上のトラックを複数のセクタに分割し、
セクタ毎に情報の記録・再生を行っている。この場合、
光ディスクの各セクタには、セクタの基準位置を示すセ
クタマークやセクタのアドレスを示すアドレス情報等が
ヘッダ情報として記録されており、このヘッダ情報を再
生することにより光ビームが走査しているセクタのアド
レスが認識されると共に、所望のアドレスのセクタをア
クセスできるようになっている。

【０００３】ところで、近年、前記光ディスクの記憶容
量を増加させると共に所望のセクタへのアクセスを高速
に行えるように、光ディスクを一定角速度で回転させる
と共に光ディスク上の記憶容量を複数の同心円のドーナ
ツ状のゾーンに分割し、外周に近いゾーンになるほど記
録・再生クロックの周波数を高くするＺＣＡＶ（ZoneCo
nstant Angular Velocuty）方式が提案・実用化されて
いる。

【０００４】このＺＣＡＶ方式を採用している光ディス
ク記録再生装置においては、上記のゾーン毎のトラック
上の各セクタのヘッダ情報、データ情報を記録・再生す
る場合、そのゾーンの周波数に対応したクロックを１つ
のクロック生成回路で生成することにより、ゾーンに対
応したクロックを制御するようにしている。

【０００５】このクロック生成回路として、ＰＬＬ（Ph
ase Lock Loop）制御による周波数シンセサイザが一般
的に用いられており、周波数シンセサイザは、図５
（Ａ）に示すように、基準クロック発生器１００から発
生した基準クロックを図示しないＣＰＵ等から任意にコ
ントロールできるプログラマブル分周器１０２により分
周し、プログラマブル分周器１０２で分周されたクロッ
クと制御ループ１０３で分周された生成クロックとを位
相比較器１０４で位相比較し前記の制御ループ１０３に
出力する。制御ループ１０３では、位相比較器１０４の
出力を位相／電圧変換回路１０５にて電圧に変換し、Ｖ
ＣＯ（Voltage Control Oscilator）１０６で位相／電
圧変換回路１０５からの電圧に対応した周波数の信号を
生成する。そしてＶＣＯ１０６からの信号を図示しない
ＣＰＵ等から任意にコントロールできるプログラマブル
分周器１０７にて分周し、このプログラマブル分周器１
０７の出力を制御ループ１０３で分周された生成クロッ
クとして前記位相比較器１０４にフィードバックする。
この結果、周波数シンセサイザは、プログラマブル分周
器１０２、１０７を制御することでＶＣＯ１０６から任
意の周波数のクロックを生成するようになっている。こ
れらの各信号のタイミングの一例を図５（Ｂ）に示す。

【０００６】ＺＣＡＶ方式においては、異なるゾーンの
セクタにアクセスする場合にもヘッダ情報をリードする
必要があるが、上述したようにゾーン毎に記録周波数が
異なるので、対応するゾーンの周波数のクロックに切り
換えなければならない。しかし、１つのクロック生成回
路で周波数を制御する従来の制御方式では、所望の周波
数のクロックを得るのに時間がかかり、そのためアクセ
ス時間が増大するといった問題があった。そこで、例え
ば特開平４ー４８４７２号公報に示されるように、ヘッ
ダ情報がゾーンによらず一定周波数で記録されている光
ディスクを用い、データ記録・再生用のゾーン毎のクロ
ック生成回路とは別に上記一定周波数のクロックを生成
する回路を設けることによりヘッダ情報をリードする光
ディスク記録再生装置が提案されている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ＺＣＡＶ方式を採用している光ディスク記録再生装置に
おけるデータの記録・再生に関しては、１つのクロック
生成回路すなわちＰＬＬ制御による周波数シンセサイザ
によって、データ記録・再生用のクロックをゾーン毎に
生成する必要がある。周波数シンセサイザは、上述した
ように、基準クロックと生成クロックとの位相比較結果
を電圧に変換し、ＶＣＯで再び周波数に変換して所望の
発振周波数のクロックを得ているが、ＰＬＬ制御による
タイムラグが発生し発振周波数が安定するのには時間が
かかる。

【０００８】そのため、ＺＣＡＶ方式でのゾーン毎の境
界部分のセクタでは、ゾーンにまたがって連続してデー
タを記録または再生する場合、クロックの切り換えに時
間がかかり、１つ手前のゾーンのクロックから次のゾー
ンのクロックに切り換わるまでの不安定な周波数のクロ
ックで情報を記録または再生することになり、次のゾー
ンの少なくとも最初のセクタでは、正確に情報を記録ま
たは再生することができないといった問題がある。

【０００９】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、簡単な構成によりゾーンの境界をまたがって記
録／再生する場合においても、各ゾーンに最適なクロッ
クで情報を記録／再生することのできる光学式情報記録
再生装置を提供することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の光学式情報記録
再生装置は、記録領域を同心円により複数のドーナツ状
のゾーンに分割したディスク状の光学式記録媒体を一定
角速度で回転させ、外周に近い前記ゾーンになるほど高
い周波数のクロックにより、データを記録／再生する光
学情報記録再生装置において、記録／再生する第１ゾー
ンに基づく周波数のクロックを生成する第１クロック生
成手段と、前記第１クロック生成手段が生成するクロッ
クに対応する前記第１ゾーンに隣接する第２ゾーンに基
づく周波数のクロックを生成する第２クロック生成手段
と、前記第１ゾーンから前記第２ゾーンにまたがって、
記録／再生を行うときに、前記第１クロック生成手段の
出力と前記第２クロック生成手段の出力とを切り換えて
出力する切り換え手段とを備えて構成される。

【００１１】

【作 用】前記切り換え手段により、前記第１ゾーンか
ら前記第２ゾーンにまたがって、記録／再生を行うとき
に、前記第１クロック生成手段の出力と前記第２クロッ
ク生成手段の出力とを切り換えて出力することで、ゾー
ンの境界をまたがって記録／再生する場合においても、
各ゾーンに最適なクロックで情報を記録／再生すること
を可能とする。

【００１２】

【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例に
ついて述べる。

【００１３】図１ないし図４は本発明の一実施例に係わ
り、図１は本発明の光ディスク記録再生装置の一実施例
の構成を示すブロック図、図２は図１のクロック生成回
路の構成を示すブロック図、図３は図２のクロック生成
回路のクロックの切り換えのタイミングを説明するタイ
ミング図、図４は図１の光ディスク記録再生装置に使用
される光ディスクのゾーン構成を説明する説明図であ
る。

【００１４】まず、本実施例の光ディスク記録再生装置
で使用されるディスク状の記録媒体としての光ディスク
について説明する。

【００１５】図４に示すように、光ディスク１上の記録
領域は、複数のドーナツ状のゾーンに分割されており、
具体的には例えば内周のゾーン１ａから外周のゾーン１
ｅの５つのゾーンに分割されている。そして各ゾーンは
複数のトラックに分割され、各ゾーンにおける１トラッ
クあたりのセクタ数は、内周のゾーン１ａから外周のゾ
ーン１ｅに行くほど多くなるように設定されている。従
って、内周のゾーン１ａから外周のゾーン１ｅに行くほ
どセクタの時間長さが短くなっている。つまり、内周の
ゾーン１ａから外周のゾーン１ｅに行くにしたがって、
記録・再生用のクロックの周波数を高くすることによ
り、外周側のセクタの時間長さを短くして記録容量を増
大させている。

【００１６】各セクタは、ヘッダ領域とデータ領域とか
らなり、情報はデータ領域に記録される。ヘッダ領域に
はヘッダ情報が記録されており、このヘッダ情報はセク
タ開始位置を示すセクタマーク（ＳＭ）、同期引き込み
のためのパターン（ＶＦＯ）、アドレス情報の位置を示
すアドレスマーク（ＡＭ）、及びセクタのアドレスを示
すアドレス情報（ＩＤ）等から構成されている。

【００１７】上記構成の光ディスクを用いる本実施例の
光ディスク記録再生装置は、図１に示すように、光ディ
スク１を回転駆動するモータ２と、レーザ光を照射し記
録を行う共に反射光を検出して再生を行う光学ヘッド３
と、光学ヘッド３にレーザ駆動電流を供給するレーザ駆
動回路４と、光学ヘッド３の検出信号を増幅するプリア
ンプ５と、プリアンプ５の出力信号を２値化する波形処
理回路６と、基準クロックに基づき隣接した２つのゾー
ンの周波数のクロックを生成し切り換えて出力するクロ
ック生成回路８と、クロック生成回路８からの各ゾーン
毎の周波数のクロックに基づいて記録データを変調し変
調出力をレーザ駆動回路４に送るデータ変調回路９と、
波形処理回路６から出力される２値化信号をクロック生
成回路８からのクロックに同期させてデータを復調する
データ同期回路１１と、クロック生成回路８に各ゾーン
に対応したクロックの生成を指示する制御回路１２と、
制御回路１２をコントロールするコントローラ１３と、
プリアンプ５の出力より各種エラー信号（トラッキング
エラー信号、フォーカスエラー信号）を生成し光学ヘッ
ド３を制御しトラッキング及びフォーカシング制御を行
うサーボ回路１４とから主に構成されている。

【００１８】前記クロック生成回路８は、図２に示すよ
うに、制御回路１２により指示されたゾーンのクロック
を生成する第１プログラマブルクロック生成回路３１
と、この第１プログラマブルクロック生成回路３１が出
力するクロックに対応したゾーンに隣接するゾーンのク
ロックを制御回路１２の指示により生成する第２プログ
ラマブルクロック生成回路３２と、制御回路１２の制御
により第１プログラマブルクロック生成回路３１からの
クロックと第２プログラマブルクロック生成回路３２か
らのクロックを切り換えて出力するスイッチ回路３３と
から構成されている。尚、第１プログラマブルクロック
生成回路３１及び第２プログラマブルクロック生成回路
３２の構成は、従来例で説明した周波数シンセサイザ
（図５参照）と同じであるので説明は省略する。また制
御回路１２からの指示はＣＰＵ等の制御バスにより行わ
れる。

【００１９】図３に示すように、コントローラ１３は、
内周のゾーン１ａから外周のゾーン１ｅ（図４参照）の
いずれかのゾーンである第１ゾーンの各セクタのセクタ
マーク（ＳＭ）５１が検出されるとＳＭ検出信号を生成
する（図３（ａ））。続いてセクタのアドレス情報（Ｉ
Ｄ）５３を読みだし、そのセクタがゾーンの最終セクタ
である場合にはラストセクタ信号を生成する（図３
（ｂ））。そしてＳＭ検出信号とラストセクタ信号との
ＡＮＤをとることによりフラグ信号を生成し（図３
（ｃ））、このフラグ信号に基づいて内部カウンタ（図
示せず）を駆動させ、第１ゾーンに隣接するゾーンの先
頭セクタのＳＭ５５のスタート位置で切り換え信号を発
生させる（図３（ｄ））。この切り換え信号によりスイ
ッチ回路３３を切り換えるようになっている。

【００２０】このように構成された本実施例の光ディス
ク記録再生装置では、あるゾーンのデータを読みだして
いるときに、第１プログラマブルクロック生成回路３１
は制御回路１２の指示を受け、このゾーンに対応した周
波数のクロックを生成し、スイッチ回路３３は第１プロ
グラマブルクロック生成回路３１側に接続された状態に
なる。このとき、第２プログラマブルクロック生成回路
３２は制御回路１２から第１プログラマブルクロック生
成回路３１とは異なる指示を受け、現在いるゾーンと光
学ヘッド３の移動方向の隣接したゾーン、例えば光学ヘ
ッド３が外側に移動する場合は１つ外側のゾーン（移動
方向が内側の場合には１つ内側のゾーン）に対応した周
波数のクロックを生成している。

【００２１】そして光学ヘッド３によりゾーンとゾーン
との境界を通過して情報の記録または再生を行う場合、
スイッチ回路３３は、隣接するゾーンの先頭セクタセク
タマークＳＭのスタート位置で切り換わり、第２プログ
ラマブルクロック生成回路３２側に接続された状態にな
る。そしてこの状態で新しいゾーンでの記録あるいは再
生が行われる。このとき、第１プログラマブルクロック
生成回路３１は、この新しいゾーンに隣接した、例えば
１つ外側のゾーン（移動方向が内側の場合には１つ内側
のゾーン）に対応した周波数のクロックを生成するよう
に制御回路１２により制御される。このようにして、第
１プログラマブルクロック生成回路３１あるいは第２プ
ログラマブルクロック生成回路３２により生成された新
しいゾーンに対応した周波数のクロックを、スイッチ回
路３３によりゾーンとゾーンの境界で切り換える。

【００２２】このように本実施例の光ディスク記録再生
装置によれば、第１プログラマブルクロック生成回路３
１あるいは第２プログラマブルクロック生成回路３２の
一方で現在のゾーンに対応した周波数のクロックを生成
すると共に、もう一方が次に移動するゾーンに対応した
周波数のクロックを生成して、スイッチ回路３３により
ゾーンとゾーンの境界で現在ゾーンのクロックから次の
ゾーンのクロックに切り換えるように作用するので、情
報の記録あるいは再生がゾーン間でまたがって行われる
場合においても、高速かつ確実に新しいゾーンに対応し
た周波数のクロックをデータ変調回路９あるいはデータ
同期回路１１に供給することができるので、ゾーンの先
頭セクタにおいても正確に情報を記録あるいは再生する
ことができる。

【００２３】尚、本実施例では、光ディスク記録再生装
置について説明したが、記録手段を持たない再生専用の
光ディスク再生装置においても全く同様に適用できる。

【００２４】また、光ディスクとしては、コンパクトデ
ィスク等の再生専用型ディスク、あるいは追記型光ディ
スク、書換可能な光磁気ディスクや相変化型光ディスク
のいずれであっても良い。

【００２５】さらに、ゾーンの分割数は本実施例で説明
した５分割に限るものではない。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように本発明の光学式情報
記録再生装置によれば、切り換え手段により、第１ゾー
ンから第２ゾーンにまたがって、記録／再生を行うとき
に、第１クロック生成手段の出力と第２クロック生成手
段の出力とを切り換えて出力するので、ゾーンの境界を
またがって記録／再生する場合においても、各ゾーンに
最適なクロックで情報を記録／再生することができると
いう効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の光ディスク記録再生装置の一実
施例の構成を示すブロック図。

【図２】図１のクロック生成回路の構成を示すブロック
図。

【図３】図２のクロック生成回路のクロックの切り換え
のタイミングを説明するタイミング図。

【図４】図１の光ディスク記録再生装置に使用される光
ディスクのゾーン構成を説明する説明図。

【図５】プログラマブルクロック生成回路としての周波
数シンセサイザの構成を示す構成図である。

【符号の説明】

１…光ディスク ２…モータ ３…光学ヘッド ４…レーザ駆動回路 ５…プリアンプ ６…波形処理回路 ８…クロック生成回路 ９…データ変調回路 １１…データ同期回路 １２…制御回路 １３…コントローラ １４…サーボ回路 ３１…第１プログラマブルクロック生成回路 ３２…第２プログラマブルクロック生成回路 ３３…スイッチ回路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録領域を同心円により複数のドーナツ
   状のゾーンに分割したディスク状の光学式記録媒体を一
   定角速度で回転させ、外周に近い前記ゾーンになるほど
   高い周波数のクロックにより、データを記録／再生する
   光学情報記録再生装置において、 記録／再生する第１ゾーンに基づく周波数のクロックを
   生成する第１クロック生成手段と、 前記第１クロック生成手段が生成するクロックに対応す
   る前記第１ゾーンに隣接する第２ゾーンに基づく周波数
   のクロックを生成する第２クロック生成手段と、 前記第１ゾーンから前記第２ゾーンにまたがって、記録
   ／再生を行うときに、前記第１クロック生成手段の出力
   と前記第２クロック生成手段の出力とを切り換えて出力
   する切り換え手段とを備えたことを特徴とする光学式情
   報記録再生装置。