JPH079345U - 気泡噴出浴槽用低騒音気泡発生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 気液混合効率を向上させ、浴槽内での気泡噴
流の安定した直進性を付与すると共に、気泡生成時に発
生する騒音や浴槽内への気泡噴流の噴出により生じる騒
音を低減化する気泡発生装置を提案する。 【構成】 管路の遮断壁に複数個、好ましくは３個の小
孔を開孔してノズルを形成し、該ノズルの直前方の管路
壁に１以上の空気吸込孔を開設してなることを特徴とす
る気泡噴出浴槽用低騒音気泡発生装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ポンプや蛇口等からの加圧液体を管路のノズル部分に導いて外部空 気を吸引することにより、気液混合流体を生成し、これを浴槽内に気泡噴流とし て噴出させる場合に、気液混合効率の向上を図ると共に、該気泡噴流により生じ る騒音を低減化する気泡噴出浴槽（ジェットバス）の気泡発生装置に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、気泡水流発生装置は、図４に示すように、管路１の液体流入口２と気 液混合流体噴出口３の中間に絞り部（ノズル）４を形成し、該絞り部４に空気吸 込管５を接続して管路１と連通させ、加圧液体を流入口２から供給すると、絞り 部４に向かうにつれて流速が次第に早まって行き、圧力が運動エネルギーに変換 されるため、上記絞り部４では圧力が相当低下して負圧状態となる。この現象を 利用して、絞り部４に接続した空気吸込管５から空気が絞り部４内に吸引されて 液中に混入し、気泡を含んだ気液混合流体が気液混合室６で形成されて、噴出口 ３から噴出される。

【０００３】 このような方式では、管路には絞り部（ノズル）が１個であるため、気液混合 により生成される気泡が大きくなりがちで、湯を満たした浴槽に気泡噴流を噴出 したときの噴出音や衝突音が騒音として発生する。しかも、管路のノズル孔が１ 個の場合には、浴槽内での気泡噴流の安定した直進性が得難い欠点もある。そし て、気泡噴出浴槽では気泡の大きさや量によっても騒音の度合が異なってくる。

【０００４】 このような気泡噴出浴槽からの騒音の問題は、一戸建て住宅ではさほど問題と ならないが、一般に入浴は静寂な夜間にすることが多いので、特に集合住宅の場 合には近隣騒音問題となり、根本的な防音対策が望まれているのが現状である。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記のような問題を解決するもので、気液混合効率を向上させ、気泡 生成時に発生する騒音や浴槽内への気泡噴流の噴出により生じる騒音を低減化す る気泡発生装置を提案するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

即ち、本考案は加圧水が通る管路の遮断壁に複数個（例えば３個）の孔を開孔 してノズルを形成し、この集合ノズルの直前方の管路壁に１以上の空気吸込孔を 開設してなるもので、該集合ノズルの個々の孔から吐出される水流がそれぞれ先 方に気液混合ゾーンを形成して孔の数に見合った複数本の気泡噴流を発生させ、 これにより騒音の低減化を図るものである。 以下、本考案装置の実施例を図１〜３により説明する。

【０００７】

【実施例】

１は加圧水が流入する管路で、該管路１の端部より若干内側に遮断壁７を設け 、該遮断壁７面には３個の小さな孔８を中心から等距離にかつ互いに等間隔に開 孔する。この３個の孔８による集合ノズルが構成された遮断壁７によって、管路 １に前記した従来のものと同様に絞り部４が形成されることになる。

【０００８】 ９は上記遮断壁７の直前方部分の管路１の管壁面に開設した空気吸込孔で、該 孔９は遮断壁７の前記集合ノズルを加圧水が通過したときに、前記した負圧状態 となる位置と合致する。該空気吸込孔９は管１壁に１個でもよいが、図２に示す ように遮断壁７に小孔８を３個開孔したときには３個所等間隔に、それも隣接す る小孔８の中間部分の管壁に設ける。これにより、各小孔８から噴出する気泡噴 流の均一化が図れる。なお、空気吸込孔９を設けた管１外側部分は套管１０によ り囲繞され、この套管１０は空気吸込管５に連通している。

【０００９】 しかして、加圧水が管路１内を遮断壁７に向って流入すると、該遮断壁７の各 小孔８により絞られ、加圧水が小孔８を通過するときには流速が増し、通過直後 はエネルギー保存の法則により前記のように負圧状態となって空気吸込孔９から 外部の空気を吸込む。

【００１０】 このとき、上記のように遮断壁７には３個の小孔８が開孔されているので、各 孔８からそれぞれジェット水流が噴出し、各水流はそれぞれその断面円周上で空 気吸込孔９からの空気を取り込み、その後みずから混合ゾーンを形成して、気液 を効率よく混合する。

【００１１】 遮断壁７を集合ノズルとして形成するため、小孔８の数を複数個、特に３個設 けたのは、次の理由による。３個の小孔８からの３本のジェット水流は上記のよ うにそれぞれその円周上で空気を取り込むものであるが、３個の小孔８の合計断 面積は通常の１個孔のノズルの断面積に等しいとすれば、小孔８が３個の方がそ の円周長の合計が１個孔より大きく、それだけ気液接触面が大きくなって、外部 空気をより多く吸引するからである。従って、２個孔の場合には、気液接触面が 小さくなり、また４個以上の小孔８とすると、それだけ孔８を小さくする必要が あるので、加圧水の負荷の問題や加工の点で問題となる。

【００１２】 ところで、各小孔８からの計３本のジェット水流は互いに引き寄せ合う性質を 有しており、気液接触してそれぞれ気液混合ゾーンを形成した後、１本化される （図３参照）。

【００１３】 気液混合時にはその混合音が発生するが、３本の気泡水流で囲まれた内側の混 合音はこれら水流に封じ込められて外側には放出されず、それだけ騒音の発生が 低減され、またその後に上記の如く１本化された気泡噴流には直進性が付与され 、浴槽内での気泡噴流に乱れや曲りが生じないので、気泡噴出口側方の槽壁に当 って槽壁を振動させて騒音を発生させるようなこともない。また、３本のジェッ ト水流が当初独立した気液混合ゾーンを形成しその後１本化される過程で、生成 する気泡が次第に細かくなって行くので、気泡どうしが衝突して破裂する音も小 さく、浴槽内の水面で気泡がはじける音もそれだけ小さくなり、騒音の低減化に 寄与する。

【００１４】

【考案の効果】

本考案の気泡発生装置は上述のようにしてなり、管路に設けた遮断壁を複数個 （好ましくは３個）のノズル小孔を開孔した集合ノズルとしたことにより、複数 本のジェット水流が生成されて、前記した通り気液の混合効率が格段に向上する と共に、気液混合の際の騒音が低減化されるばかりでなく、気泡噴流がやがて１ 本化され、生成する気泡も細分化されるので、気泡どうしの衝突・破裂音も小さ くなり、全体として騒音が従来のものより低下するので、気泡噴出浴槽に最適な しかも構造簡単にして製作容易な気泡発生装置を提供することができるのである 。

【００１５】 従って、本考案装置によれば、騒音発生のために従来普及することが困難であ った集合住宅でのジェットバスの採用が容易となり、また該浴槽でのテレビ，ラ ジオ，電話等の使用も可能となるのである。なお、本装置は気泡噴出浴槽だけで なく、気中へ向けてシャワーのように散水することもできることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる気泡噴出浴槽用低騒音気泡発生
装置の要部の一例を示す断面側面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図である。

【図３】本考案にかかる気泡噴出浴槽用低騒音気泡発生
装置の作用説明図である。

【図４】従来の気泡発生装置の原理を示す説明図であ
る。

【符号の説明】

１−管路 ２−液体流入口 ３−気液混合流体噴出口 ４−絞り部 ５−空気吸込管 ６−気液混合室 ７−遮断壁 ８−小孔 ９−空気吸込孔 １０−套管

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 管路の遮断壁に複数個の小孔を開孔して
   ノズルを形成し、該ノズルの直前方の管路壁に１以上の
   空気吸込孔を開設してなることを特徴とする気泡噴出浴
   槽用低騒音気泡発生装置。
2. 【請求項２】 前記ノズル用小孔が３個である請求項１
   記載の気泡噴出浴槽用低騒音気泡発生装置。