JPH07933Y2 - ゲル内沈降反応試験を行なえる採材用具 - Google Patents

ゲル内沈降反応試験を行なえる採材用具

Info

Publication number
JPH07933Y2
JPH07933Y2 JP1988143508U JP14350888U JPH07933Y2 JP H07933 Y2 JPH07933 Y2 JP H07933Y2 JP 1988143508 U JP1988143508 U JP 1988143508U JP 14350888 U JP14350888 U JP 14350888U JP H07933 Y2 JPH07933 Y2 JP H07933Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gel
hollow cylinder
agar
piston
test
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1988143508U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0265163U (ja
Inventor
哲 林
Original Assignee
伊藤忠飼料株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 伊藤忠飼料株式会社 filed Critical 伊藤忠飼料株式会社
Priority to JP1988143508U priority Critical patent/JPH07933Y2/ja
Publication of JPH0265163U publication Critical patent/JPH0265163U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH07933Y2 publication Critical patent/JPH07933Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、医療及び獣医療分野において、免疫学的検査
の一手法であるゲル内沈降反応を簡便、迅速に行うため
の用具に関するものである。
〔従来の技術〕
医療及び獣医療分野において、感染症の免疫学的検査法
の一つであるゲル内沈降反応は古くから実施されている
方法である。
ゲル内沈降反応は、寒天やアガロースなどのゲルを支持
体として抗原、抗体を拡散さると、その濃度比が最適に
なった位置で目に見える沈降線が形成されていることを
利用して抗原あるいは抗体を分析する方法である。
このゲル内沈降反応は、免疫学、血清学のみならずタン
パク質、多糖類などの抗原性を持ちうる物質の解析には
欠くことのできない手法となっており、目的に応じて種
々の方法が工夫され広く応用されている。これまでに工
夫されている方法を大別すると、抗原と抗体の両方がゲ
ル内を拡散して行く二重拡散法と、抗原又は抗体の一方
が抗体又は抗原を含んだゲル内を拡散して行く単純拡散
法に分けられる。
代表的な方法としてウーダン(Oudin)法、オークレイ
(Oakley)法、オクタロニー(Ouchterlony)法などが
ある。
ウーダン法は寒天等で固まらせた抗血清層に抗原溶液を
重層し、抗原を抗血清層内を拡散させて沈降線を形成さ
せる方法である。
オークレイ法はウーダン法の改良法であり寒天等で固ま
らせた抗血清層の上に寒天等のみのゲル層を重層して抗
原と抗体の両者をゲル層内に拡散させて沈降線を形成さ
せる方法である。また、オクタニー法は寒天層等に適当
な距離をおいて2つの穴を開け、一方に抗原液をそして
他方には抗血清液を入れると抗原及び抗体がゲル内を拡
散して沈降線が形成される方法である。
従来、ウーダン法、オークレイ法等の場合には、寒天等
を試験管に入れてその上に被検液を重層し拡散させてお
り、オクタロニー法の場合には、ガラス板、シャーレ等
に寒天等を注いで固まらせ、この寒天にパンチで穴を開
けて使用していた。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしこのような手順では、臨床現場で採取された検査
材料を、しかるべき検査施設へ送付しなければならず、
検査施設では前記したしかるべき試験方法によって検査
の実施が行なわれなければならず、また判定結果を臨床
現場へ送付しなければならないなど多くの工数と時間を
要していた。
本考案は上記の輸送や連絡が省け、複雑な試験方法を改
善する簡便かつ迅速に採材と同時にゲル内沈降反応試験
が実施できる採材用具を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本考案は、上記目的を達成するためになされたものであ
り、採材用具内に抗原あるいは抗体を拡散させるゲルを
予め充填しておいて採材と同時にゲル内沈降試験を行な
せることによりこの目的を達成した。
寒天又はアガロースが単層又は複数層状に収容された透
明中空筒体と、この透明中空筒体の一端に設けられた試
料液を採材する注射針と、透明中空筒体の内部に設けら
れたピストンと、このピストンに連結され透明中空筒体
の他端から外部に出ている把持部と、透明中空筒体の筒
長方向に一定間隔で設けられた目盛りとを有するゲル内
沈降反応試験を行なえる採材用具に関するものである。
中空筒体は抗原あるいは抗体を拡散させるゲルを収容す
るとともにゲル内沈降反応に必要なその他の試薬も収容
しさらに採材した試料液を収容できる必要がある。この
採材は上記ゲルの移動を伴なって行なわれ、従って少な
くともゲルの移動部分は同径になっていなければならな
い。通常は筒体のほぼ全体が同径である。筒体は角筒
形、例えば4角筒形、8角筒形などであってもよいが、
円筒形が好ましい。筒径は内径で2〜30mmφ程度でよ
く、3〜10mmφ程度が好ましい。この筒体は外部から沈
降線が観察できるよう透明でなればならない。着色され
ていてもよいが無色が好ましい。材質はがらすでもよい
が製造が容易で破損しにくくかつ安価な点でプラスチッ
クがよく、例えばポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ
塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボ
ネート等が好ましい。なお、中空筒体の縦方向に目盛を
付けることにより白濁層(沈降線)の位置が測定でき
る。白濁層の位置は血清中の抗体力価と比例することか
らこの採材用具では、定性のみならず定量測定が可能と
なる。
中空筒体の一端には採材口を設ける。この採材には一般
に注射針を使用し、その場合には採材口に注射針を嵌装
できるように突出している必要がある。中空筒体が小径
の場合には、この採材口は筒単が切断等によって開放さ
れた状態のままであってもよい。一方、採材口はそれ自
信であるいは注射針等を装着した状態で採材した試料液
を表面張力等によって筒体内から外部への漏出を阻止で
きる程度の径にする。
中空筒体内への採材は中空筒体の他端の開口を利用した
負圧によって行なわれる。この負圧は例えば、真空ポン
プ、アスピレーター、ハンドポンプ等の減圧装置を利用
するとか、口で吸引するなどしてもよいが、中空筒体内
にピストンを設けて吸引する方法が簡便かつ確実であ
る。その場合にはこの開口は通常開放口とし、操作の容
易のためにフランジ部を形成しておくことが好ましい。
ピストンの形状は要は試料液を吸引できる程度の気密状
態で筒体内壁面に内接して円滑に摺動できればよい。ピ
ストンの周壁にはシリコンゴムリング等を嵌めて気密性
を高めるとともに摺動を容易にすることが好ましい。ピ
ストンの外側端部あるいはその近傍には把手部を設ける
ことが好ましい。ピストンと把手部の間をアーム等で連
接することもできる。ピストンの材質もプラスチック、
ガラス等でよい。一方、ピストンは透明である必要はな
い。
本考案の採材用具はゲル内沈降反応の種類を問わず利用
でき、例えばウーダン法、オークレイ法、オクタロニー
法等を適用可能である。ウーダン法の場合には抗血清
(抗体)を含むゲルを中空筒体内に単層状に収容してお
けばよく、オークレイ法の場合には中空筒体内の他端の
開口側には抗血清(抗体)を含むゲルをそして採材口側
には抗血清を含まないゲルを収容して2重層に形成して
おけばよい。オクタロニー法の場合にはゲルのみを単層
状に収容しておくとともに採材直前あるいは直後に他端
の開口側から抗血清(抗体)を注入すればよい。ピスト
ンを用いる場合には採材後にピストンを引抜き、抗血清
を入れてからまたピストンを採材時の位置にまで戻して
やればよい。
ゲルはゲル内沈降反応試験用として公知の寒天又はアガ
ロースを用いて形成すればよい。ゲルの製造方法、中空
筒体内での厚さ等は一般のゲル内沈降反応試験と同様で
よい。ゲルを中空筒体に注入したら筒長方向に垂直に保
って、ゲル面が筒長方向と略直角な平角を形成するよう
にして冷却固化させる。
前記いずれの方法においても抗体を測定する場合には抗
血清の変わりに抗原を用いることはいうまでもない。こ
の抗血清又は抗原は1種類に限らず、必要により、複数
種類含ませることができる。
採材される材料は抗原あるいは抗体を含む液体であれば
よく、例えば血液、尿、リンパ液などの生物体液であ
る。
本考案の採材用具の使用方法としてはウーダン法、オー
クレイ法等の場合には採材後沈降線が形成されるまで放
置しておけばよい。オクタロニー法等の場合には採材後
抗血清をゲルの反応側に注入して放置する。放置形態は
問わないが、一般には採血側を上方にするのがよい。こ
の採材用具は使用時までは無菌状態を保てるよう包装し
て冷蔵庫等に保存しておくことが好ましい。
〔作用〕
中空筒体内に所定のゲルを層状に収容しておくことによ
り採材とゲル内沈降反応を同時に行なわせている。採材
に際してはこのゲルは採材量に応じて他端の開口側へ移
動する。
〔実施例〕
実施例1 ウーダン法を適用した本考案の一実施例である採材用具
の断面図を第1図に示す。この採材用具は円筒状の中空
筒体1とピストン5とからなっている。中空筒体1の一
端は閉止されてその中央部から採材口3が突出してい
る。採材口3の先端には、注射針7が取着されている。
中空筒体1の他端は開放されて他端全体が開口4となっ
ている。この他端の外周にはフランジ11が形成されてい
る。この中空筒体1は硬質のポリプロピレンで形成され
ている。中空筒体にはピストン5が挿入されている。こ
のピスン5はシリコンゴム製であり、白色プラスチック
製のアーム6が取着されている。アーム6の外端には円
板状の把手部12が形成され、採材用具全体が注射器状を
している。中空筒体1の内部には抗原を含む寒天ゲル2
が単層状に収容されている。
この採材容器の針7を鶏の翼下静脈に刺して把手部12を
引き採血を行なっている状態を第2図に示す。同図に示
すように寒天ゲル2が後退し、鶏の血液が中空筒体1に
流入している。
採血後は針7の側を下方にして数時間放置することによ
り血清と血餅の分離を行なう。それから針7の側を上方
にして数日間放置すると第3図に示すように寒天ゲル2
に白濁層の沈降線10が形成される。
参考例 ウーダン法を適用した参考例である採材用具の断面図を
第4図に示す。この採材用具は透明プラスチック製の円
管よりなる中空筒体1よりなり、両端の開口部の一方が
採材口3になり、他方が負圧を付加する開口4になって
いる。採材口3いは注射針状の針7が取着されている。
中空筒体1の内部には抗原を含む寒天ゲル2が単層状に
収容されている。この採材用具は他端の開口4に減圧手
段を取着して使用する。
実施例2 オークレイ法を適用した本考案の一実施例である採材用
具の断面図を第5図に示す。この採材用具は、中空筒体
1の内部のゲルをピストン5の側に配された抗原を含む
寒天ゲル2の層と採材口3の側に配された抗原を含まな
い寒天ゲル13の層の2重層としたほかは、実施例1と同
じである。
この採材用具を鶏のロイコチトゾーン症の診断に適用し
た。採材用具には1mlの使い捨て注射器を用いた。ロイ
コチトゾーン抗原をあらかじめ加温溶解してある下記組
成の寒天ゲルと等量混合し、これを1ml注射器に0.05ml
吸引し、注射器内筒を更に引いて空隙部分を作り、内筒
を下にし、寒天ゲル上面が平らになるようにして放冷固
化させた。加温溶解した下記組成の寒天ゲルを上記注射
器に0.1ml吸引し、注射器内筒を更に引いて空隙部分を
作り、内筒を下にし寒天ゲル上面が平らになるように放
冷固化し、ロイコチトゾール抗原を含む寒天ゲル上に寒
天ゲルを重層させて第5図に示す本考案の採材用具を調
製した。
Na2HPo4・12H2O 5.2g NaH3Po4・N2O 0.8g NaCl 87.5g 精製寒天末 10 g NaN3 0.5g 精製水にとかし1,000mlにする。
ロイコチトゾール症に感染の疑いのある鶏群の10羽の鶏
を選び、おのおの上記注射器の採材用具の針7を常法に
従って翼下静脈に血液0.1〜0.2mlを採血した。採血後直
ちに若干の空気を吸引した。血液と寒天ゲルの間に空隙
を作ったまま、採血針を下向にした状態で採材用具を数
時間放置し血液を血清と血餅に分離した。血清が分離で
きたなら、採血針側を上にして血清を寒天ゲルの上に乗
せ3日間放置した。寒天ゲルに生じた沈降線である白濁
層から判定を行なった。
試験結果を第1表に示す。
一方、試験例と同一の10羽の鶏から既存の注射器を用い
てそれぞれ採血し、試験管に移し換えて遠心分離を行な
い、血清と血餅に分離した。得られた血清を用いて、前
記したオクタロニー法を用いて寒天ゲル内沈降反応試験
を実施した。
試験結果を併せて第1表に示す。
〔考案の効果〕 第1表に示すように、本考案の採材用具による試験結果
と従来法による試験結果は全く良く一致する。以上の様
に本考案は精度が良く、PBSの注入や除去などの操作を
要せず、採材しただけで、簡単に採材用具の中でゲル内
沈降反応試験を行うことができる。従って、検査材料の
送付や検査報告などを要せず、また、ゲル内沈降反応試
験の試験方法においても血液の遠心分離、血清の採取・
注入およびPBSの注入・除去などの細心を要し、人工を
要する操作が不用であるため、検査手順が簡便化される
から、時間、人工、費用などを減ずる利便性を有してい
る。また更に、臨床現場で試験を行なえるため、検査の
ための施設や設備を要しない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例である採材用具の断面図であ
り、断面図及び第3図はその使用状態を示す要部断面図
である。第4図は参考例を示す断面図である。第5図は
別の実施例を示す断面図である。 1……中空筒体、2……ゲル(寒天又はアガロース) 3……採材口、4……開口

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】寒天又はアガロースが単層又は複数層状に
    収容された透明中空筒体と、この透明中空筒体の一端に
    設けられた試料液を採材する注射針と、透明中空筒体の
    内部に設けられたピストンと、このピストンに連結され
    透明中空筒体の他端から外部に出ている把持部と、透明
    中空筒体の筒長方向に一定間隔で設けられた目盛りとを
    有するゲル内沈降反応試験を行なえる採材用具
JP1988143508U 1988-11-04 1988-11-04 ゲル内沈降反応試験を行なえる採材用具 Expired - Lifetime JPH07933Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1988143508U JPH07933Y2 (ja) 1988-11-04 1988-11-04 ゲル内沈降反応試験を行なえる採材用具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1988143508U JPH07933Y2 (ja) 1988-11-04 1988-11-04 ゲル内沈降反応試験を行なえる採材用具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0265163U JPH0265163U (ja) 1990-05-16
JPH07933Y2 true JPH07933Y2 (ja) 1995-01-11

Family

ID=31410397

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1988143508U Expired - Lifetime JPH07933Y2 (ja) 1988-11-04 1988-11-04 ゲル内沈降反応試験を行なえる採材用具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07933Y2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51110584U (ja) * 1975-03-03 1976-09-07

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0265163U (ja) 1990-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10119968B2 (en) Self-contained diagnostic test with advanceable test strip
EP1756565B1 (en) Specimen collecting, processing and analytical assembly
CA1169745A (en) Assay kit
JP2731613B2 (ja) 酵素免疫測定用カートリツジ、それを用いた測定方法及び測定装置
RU2052186C1 (ru) Устройство для отбора пробы крови для исследования центрифугированной пробы крови
JPH10508237A (ja) サンプル採取器
JPS5932732B2 (ja) 血球沈降速度測定装置
CA2025261A1 (en) Urine testing module and method of collecting urine antigen
US4483616A (en) Container for small quantities of liquids
EP2514528A1 (en) Device and method for assessing the status of cells in a biological fluid
JP3112481B2 (ja) 流体の試験と分析のための装置と方法
US20040228764A1 (en) Sampling system
JPH07933Y2 (ja) ゲル内沈降反応試験を行なえる採材用具
US20030007892A1 (en) UA cup
US3941660A (en) Method and apparatus for detecting micro-organisms
JP3233795U (ja) サンプル収集および検出装置
US20040184965A1 (en) Testing cup
Columbus et al. The integrated blood-collection system as a vehicle into complete clinical laboratory automation
CA2025055A1 (en) Capillary tube for taking blood samples
EP0084557A1 (en) Container for small quantities of liquids
US5076283A (en) Method and apparatus for mixing of fluids
CN211718298U (zh) 一次性快检生化分析检测杯
JPS5817243Y2 (ja) サンプリング用セル
JPH023169Y2 (ja)
EP0317815A2 (en) Apparatus for carrying out multiple tests of the erythrosedimentation speed on human or animal blood or on other liquids