JPH0793052B2 - 低コロナ騒音電線 - Google Patents

低コロナ騒音電線

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JPH0793052B2
JPH0793052B2 JP63313095A JP31309588A JPH0793052B2 JP H0793052 B2 JPH0793052 B2 JP H0793052B2 JP 63313095 A JP63313095 A JP 63313095A JP 31309588 A JP31309588 A JP 31309588A JP H0793052 B2 JPH0793052 B2 JP H0793052B2
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wire
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corona noise
aluminum
complex
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宏之 岡部
修 吉岡
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Hitachi Cable Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、超高圧送電線におけるコロナ騒音を大巾に低
減可能になる低コロナ騒音電線に関するものである。
[従来の技術] 超高圧架空送電線として使用されている鋼心アルミ撚線
は、素線の伸線工程や撚線工程において潤滑油が使用さ
れており、また架線工事においても工具の滑りを良くす
るために潤滑油が用いられており、架線後の電線表面に
はそれらの潤滑油が油膜となって残留している。
このため、降雨時には付着した雨滴が当該油膜の揆水に
より球状の水滴を形成し、落下せずに長時間電線表面に
付着しつづける。超高圧送電線においてこの水滴が形成
されるとその先端部における電位傾度が上昇し、コロナ
放電を惹き起す原因となる。このようなコロナ放電は、
近隣の電波施設への雑音混入の原因となるばかりでな
く、ハム音やランダム音を発生するためその騒音が問題
視されるようになった。
架空送電線に上述した大きな水滴が形成され易いのは、
表面に残留している油膜が新しいうちであり、架線後年
月が経過すると油膜は次第に劣化分解されて前記揆水性
を示さなくなる上、素線表面に砂塵が付着したりアルミ
の腐食生成物が形成されたりして、電線表面が次第に親
水性を示すようになって、いわゆるエージング効果がみ
られるようになる。このようなエージング状態になれ
ば、降雨があっても雨滴は電線表面に拡がるようにな
り、そのまま電線表面を流下して落ち、前記した大きな
水滴を形成することがなくなるために、前述のようなコ
ロナ放電が生じにくくなる。
このため、このエージング効果に着目し、新設の電線の
表面を予め処理し、新しい電線に上記エージングが生じ
たと同様な親水性を持たせ得るようにして、その表面で
水滴を形成しにくくした低コロナ騒音電線が提案される
ようになった。
具体的には、アルミ素線の表面をNaOHなどで人工的にエ
ージング処理したもの、電線の表面にエーテル型非イオ
ン性界面活性剤皮膜を設けたもの、表面に親水性樹脂処
理を行なったもの、さらには表面を水酸化処理し水和ア
ルミナ層を形成したものなど、種々な提案がある。
[発明が解決しようとす課題] 上記した既提案の低コロナ騒音電線には、それぞれつぎ
のような問題点があり、未だ十分なものとはいい難い。
NaOH処理したものでは、強アルカリのNaOHにより鋼心ア
ルミ撚線の鋼心部分の腐食を促進させるおそれがある。
界面活性剤処理や水酸化処理などでは親水性の持続効果
が不十分であり、短時間の効果しか期待できない。親水
性樹脂処理をする場合、かかる樹脂そのものの有する親
水性効果が十分とはいえないという問題がある。
本発明の目的は、上記したような従来技術の問題点を解
消し、鋼心に腐食などの悪影響を及ぼすことなく、十分
な親水性を長期間にわたり持続可能な新規な低コロナ騒
音電線を提供しようとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、アルミ又はアルミ合金よりなる撚線の最外層
素線の表面に有機酸を用いてアルミニウムの錯体よりな
る親水性皮膜を形成したものであり、さらにその錯体形
成処理において、最後にケイ酸塩水溶液処理を行ないケ
イ酸塩皮膜を併せ形成せしめたことを特徴とするもので
ある。
[作用] アルミニウムの錯体を形成する有機酸の錯化剤はNaOHの
ような激しい腐食性を有さず、内部の鋼心に悪影響を与
えるおそれがない上、形成された錯体は耐候性の上から
みても安定性が大きく、十分な親水性を長期間にわたり
持続させることができる。
さらに、そのような錯化処理を行なった上にケイ酸塩水
溶液で処理すれば、錯化処理皮膜の上にさらにケイ酸塩
皮膜が形成され、より一層水ぬれ性を改善することがで
きる。
[実施例] 以下に、本発明について実施例を参照し説明する。
本発明においては、最外層がアルミ又はアルミ合金より
なる鋼心アルミ撚線(オールアルミ合金撚線であっても
同じである)を脱脂洗浄後、室温以上の温度でアルミニ
ウムとの錯体を形成する錯化剤例えばアセチルアセト
ン、酒石酸、クエン酸、トリエタノールアミン、スルホ
サルチル酸などを用い、これを0.1〜30%程度の水溶液
とした錯化溶液に30秒から120分間程度浸漬し、必要に
応じ乾燥工程を設け、アルミ素線の表面にアルミニウム
の錯体皮膜を形成させる。
このようにして最外層素線の表面に有機酸を用いたアル
ミニウムの錯体による皮膜を形成させれば、当該皮膜が
大きな親水性を有するようになり、降雨時の大きな水滴
の形成は解消されてコロナ開始電圧が大きく上昇し、UH
V送電のような極超高圧送電においてもコロナ騒音の発
生を大巾に低減させることができる。
しかして、上記錯体の皮膜を形成することで親水性の大
巾な改善が可能であるが、発明者らはさらにいったん錯
体皮膜を形成したその上にさらにケイ酸塩処理を行な
い、表面の皮膜を錯体皮膜とケイ酸塩皮膜の2重皮膜と
することで親水性皮膜がより安定し、錯体皮膜のみの場
合に比較して水ぬれ性を一段と良好ならしめ得るばかり
でなく、その効果をより長期間にわたり持続せしめ得る
ことを見出した。
なお、錯体皮膜のみあるいはケイ酸塩との2重皮膜を形
成させる場合のいずれにおいても、サンドブラスト装置
などにより電線表面を予め100〜300μm程度の粗さに粗
面化した後上記した錯体皮膜形成処理あるいはさらにケ
イ酸塩皮膜形成処理を行なえば、電線表面の微細な凹凸
による物理的な保水効果と相乗され、電線表面の親水性
をより一層向上させることができ、コロナ騒音低減上に
おける大巾な改善を期待することができる。
比較例 本発明の範疇には含まれないが、表面に有機酸を用いて
アルミニウムの錯体よりなる親水性被膜を形成してなる
電線について説明する。810mm2鋼心アルミ撚線を用い、
第1表に示すそれぞれの親水性処理を行なったのち、親
水性、鋼心腐食性およびコロナ騒音レベルの測定を行な
った。
表中の比較例の処理とは、最外層表面をサンドブラスト
装置で30秒処理し、Ra=100μmとなるように粗面化
し、トリクレンに30秒間浸漬して十分脱脂したのち、40
℃の2%アセチルアセトン水溶液中に1分間浸漬し、水
溶性潤滑剤を塗布して低コロナ騒音電線としたものであ
る。
評価項目における親水性については、水ぬれ接触角計に
より接触角を測定し、鋼心の腐食性については各処理後
3ケ月間屋外曝露をした電線を解体し外観により判定し
た。また、コロナ騒音レベルについては、それぞれの試
料に対し20mm/hrの降雨量となるようにして3分間注水
し、注水停止後約2分間経過した時点で最大表面電位傾
度15kv/cmにおけるコロナ騒音レベルを測定した。
第1表にその結果を示す。
表よりわかるように、NaOH処理した従来例ではコロナ騒
音低減効果は大きいが、強アルカリ性であるために鋼心
を大きく腐食させる結果となる。また、水酸化処理した
ものにおいては、親水性の持続期間が短い上コロナ騒音
低減効果も不十分である。
これら従来例に比較すると、比較例の処理方法を施した
電線は、鋼心の腐食を生じさせることがなく、しかも十
分なコロナ騒音防止効果を発揮することがよくわかる。
のみならず、処理時間が上記したように短くてよい上、
装置も簡単なものでよいために、工数の低減効果と装置
の簡易化によるコトダウンを図り得るという付加的メリ
ットも期待することができる。
実施例1 上記と同じ810mm2鋼心アルミ撚線をトリクレンに30秒間
浸漬して十分脱脂を行なった後、40℃2%のアセチルア
セトン水溶液に1分間化浸漬して撚線最外層表面に水ぬ
れ性良好な(接触角10゜〜30゜)錯体皮膜を形成し、さ
らにこの処理皮膜上に比重1.10に希釈したケイ酸ソーダ
水溶液(30℃)をスプレー塗布した後、約220℃で30秒
間加熱乾燥をして接触角20℃以下である膜厚2μmのケ
イ酸ソーダ皮膜を形成した。
実施例2 同じく810mm2鋼心アルミ撚線をトリクレンに30秒間浸漬
して十分脱脂を行なった後、その最外表面をサンドブラ
スト装置で30秒間処理してRa=100μmとなるように粗
面化した。この撚線を40℃の0.5%酒石酸水溶液に浸漬
して、最外層表面に水ぬれ性良好な(接触角10゜〜30
゜)錯体皮膜を形成し、さらにこの処理皮膜上に比重1.
10に希釈したケイ酸ソーダ水溶液(30℃)をスプレー塗
布した後、約220℃で30秒間加熱乾燥をして、接触角20
℃以下である膜厚2μmのケイ酸ソーダ皮膜を形成し
た。
図は、本発明に係る上記実施例1および2と表面に界面
活性剤皮膜を形成した従来の低コロナ騒音電線ならびに
通常電線を屋外曝露した際の水ぬれ性の径日変化をプロ
ットした線図である。
通常電線においては、新品から約半年間は揆水性を示
し、降雨後に線表面に水滴を形成して高いコロナ騒音レ
ベルを記録した。約6ケ月以降は、電線表面の腐食生成
物や付着物などによって水ぬれ性も良好となり、コロナ
騒音は低減した。
また、従来の低コロナ騒音電線は、初期水ぬれ性はかな
り良好であるが、その持続性に欠け、曝露後2〜3ケ月
でその効力が消失する。従って、電線表面のエージング
との相互作用により、図のように4ケ月付近で極大値を
とった後、接触角40゜付近で平衡に達する。これによ
り、曝露後2〜6ケ月の間は発生するコロナ音レベルは
余り低下せず、低コロナ騒音対策としては不十分であ
る。
これに対し、本発明に係る実施例では、いずれも2層の
親水性層を設けたことにより、良好な水ぬれ性が長期間
にわたり保持される。
最上層のケイ酸ソーダ皮膜は曝露後数カ月間で消失する
が、下地の錯体皮膜が良好なぬれ性を引継ぎ、総合的に
みて6〜18ケ月間その効果を維持するため、電線表面の
エージングによる親水性化を待つ間、十分なコロナ騒音
低減効果を維持し続けることができる。
[発明の効果] 以上の通り、本発明に係る低コロナ騒音電線によれば、
簡易な処理により電線のコロナ騒音低減を確実に達成で
き、しかもその効果を長期間にわたり持続させ得る上鋼
心に対する悪影響もみられないなど、その産業上に及ぼ
す意義は非常に大きなものがある。
【図面の簡単な説明】
図は長期曝露試験結果を示す線図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】最外層素線がアルミ又はアルミ合金よりな
    る撚線の当該素線表面に有機酸を用いてアルミニウムと
    の錯体よりなる被膜を形成し、その上にケイ酸塩被膜を
    形成した2層の親水性被膜を有せしめてなるものである
    低コロナ騒音電線。
  2. 【請求項2】最外層素線の表面を粗面化し、当該素線表
    面に有機酸を用いてアルミニウムとの錯体よりなる被膜
    を形成し、その上にケイ酸塩被膜を形成してなる請求項
    1の低コロナ騒音電線。
JP63313095A 1988-10-31 1988-12-12 低コロナ騒音電線 Expired - Lifetime JPH0793052B2 (ja)

Priority Applications (1)

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JP63313095A JPH0793052B2 (ja) 1988-10-31 1988-12-12 低コロナ騒音電線

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63-275821 1988-10-31
JP27582188 1988-10-31
JP63313095A JPH0793052B2 (ja) 1988-10-31 1988-12-12 低コロナ騒音電線

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JPH02192613A JPH02192613A (ja) 1990-07-30
JPH0793052B2 true JPH0793052B2 (ja) 1995-10-09

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