JPH0792016A - 振動検出装置および異常診断装置 - Google Patents

振動検出装置および異常診断装置

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JPH0792016A
JPH0792016A JP23657393A JP23657393A JPH0792016A JP H0792016 A JPH0792016 A JP H0792016A JP 23657393 A JP23657393 A JP 23657393A JP 23657393 A JP23657393 A JP 23657393A JP H0792016 A JPH0792016 A JP H0792016A
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健 吉岡
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Tasuku Shimizu
翼 清水
Teruhiro Takizawa
照広 滝沢
Tadashi Sonobe
正 園部
Fumio Suzuki
史男 鈴木
Toshio Saito
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 振動環境での磁石の信頼性維持のために、非
接触で磁石の振動状態をモニタする振動検出システムお
よび振動情報をもとに異常を検知し通報する異常診断シ
ステムを提供する。 【構成】 磁石13とこの磁石を収納する導電性容器2
と支持部材5等とからなる磁石装置と、前記磁石を収納
する導電性容器2の内側または外側に設けられ磁束を検
出する磁束検出用素子6と、磁束検出信号を入力する入
力装置7と、感度行列9と、感度行列9を参照しながら
磁束検出信号を振動情報に変換する変換器8と、振動情
報等を表示する表示器10と、内側/外側の磁束信号ま
たは振動情報を比較する比較器11と、比較結果が所定
値を越えたときにアラームを出す警報器12と、異常発
生位置等を推定する診断器14とからなる。 【効果】 磁束信号から、詳細な振動情報が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁石または永久磁石
とこれらの磁石を収納する磁石容器等の構造物とからな
る磁石装置の振動および異常を検出する装置に係り、特
に、磁石装置が外部から印加される交流磁場等の脈動磁
場中に置かれて、脈動磁場により構造物に生じた渦電流
と磁石自身の持つ磁場との間でローレンツ力が生じ、磁
石装置に誘起される振動および異常を検出する装置およ
び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】1個の磁石装置(超電導コイル)の振動
を検出する従来例と、多数の磁石(常電導コイル)が作
る脈動磁場中に前記磁石装置が置かれる従来例とを説明
する。
【0003】図11は、従来の超電導磁石の構造の一例
を示す斜視図である。図11において、収納容器2は、
その内部に超電導コイル1と液体ヘリウムとを収納し、
超電導コイル1とともに、4.2K程度の極低温に冷却
されている。輻射シールド3は、常温の真空断熱容器4
と極低温の収納容器2との間の輻射熱を抑制するために
設けられ、液体窒素で80K程度に冷却されている。真
空断熱容器4は、その内部を真空に保ち、外部からの熱
侵入を防ぐ容器である。支持部材5は、超電導コイル1
と収納容器2と輻射シールド3とを真空段熱容器4の中
に懸架支持する部材であり、伝導による熱侵入を抑制す
るために断熱性材料からなる。
【0004】超伝導コイル1の断熱性の支持部材5は、
一般に、FRP(Fiber ReinforcedPlastics)で製造され
ることが多い。したがって、超電導磁石装置全体が、動
的振動にさらされるような場合は、その繰返し応力が支
持部材5に集中し、支持部材5の疲労破壊に結び付くお
それがある。そのために、この疲労破壊を確実に検知
し、事故を未然に防止する手段が必要となる。
【0005】このような超電導磁石の振動および異常検
出手段としては、超電導コイルが発生する強磁場内を熱
シールド3や断熱容器4が相対振動するときに、これら
の構造物3,4に装着した磁束検出用素子の端子間に、
振動の度合いに応じて誘起される電圧を検出する方法が
ある。
【0006】この方法は、磁束検出用素子を断熱容器4
や熱シールド3上に配置し、超電導コイル1や収納容器
2と非接触でコイルの振動を計測できる。したがって、
例えば加速度センサのような機械的計測法に比べ、超電
導コイル1への不要な熱侵入を排除できる。また、磁束
検出用素子として、構造の単純なサーチコイル(計測用
常電導コイルループ)を用いており、極低温という厳し
い条件下では壊れやすい加速度センサと比較すると、極
低温での長期使用によっても、計測系が壊れないという
信頼性を備えている。また、サーチコイルは、特に強磁
場中で使用するのであれば、導線を数ターン巻いたよう
なものでも充分な出力信号を得られる。このようなサー
チコイルは、厚みもなく、構造物に直接貼り付けること
も可能であり、設置箇所を選ばない。
【0007】しかし、超電導磁石装置内で、構造物4や
3が振動すると、サーチコイル以外に、断熱容器4や熱
シールド3にも、速度起電力V×B(Vは振動速度,B
は超電導磁場)が働き、脈動渦電流が流れ、その渦電流
が再びサーチコイルの出力電圧に影響を及ぼす。そのた
め、振動変位量とサーチコイル出力電圧との関係は、極
めて複雑になる。
【0008】上記従来技術は、平常値を意味する基準値
とサーチコイルの出力電圧とを単純に比較し、異常を検
出している。コイルの場合、磁石全体としての異常の有
無は判別可能であるものの、異常の程度や異常の部位、
特に複数個ある支持部材5のどれがどの程度異常である
かの特定は難しくなってくる。
【0009】コイルの振動の問題は、超電導磁石に限ら
ず、常電導コイルや永久磁石で構成される磁石が振動に
さらされる場合にも共通の問題である。
【0010】次に、他の従来技術とその問題点について
述べる。一般に、超電導磁石や常電導磁石または永久磁
石からなる電機子が、直線状に並べられた多数の常電導
コイルの上または近傍を移動するリニアモータのような
装置においては、多数の常電導コイルの異常を予め個別
に保守点検するのでなく、電機子の移動に合わせてオン
ラインで異常を検出することが望ましい場合がある。特
に設置されているコイルが極めて多数の場合、多数コイ
ルの断線、設置位置の地震等による狂い、経年劣化によ
るコイルの変形等をオンラインで検知し、事故の発生を
未然に防止することが望まれる。
【0011】このような場合の従来技術として、特願昭
54−118020号や特願昭54−95196号等が
挙げられる。これらの従来技術は、いずれも定常磁場を
発生する電機子側の1箇所にサーチコイルを設け、リニ
ア状の多数コイルからの誘起磁場を、サーチコイルで検
出し、それを所定の基準値と比較して、多数のコイル群
の異常を検知する方式である。
【0012】しかし、先の従来技術について指摘した同
様、電機子側の収納容器表面には渦電流が誘起され、こ
の渦電流がサーチコイルの出力電圧に影響を及ぼす。ま
た、所定の基準値と出力値とを単純に比較し、異常を検
出する。したがって、異常コイルの特定はできるが、異
常事象(断線,変形,設置位置の変位など)の識別は困
難である。
【0013】さらに、このような多数の磁石の作る磁場
中に他の磁石が置かれた場合、磁石内部の振動検出の問
題と、磁石の外に置かれた多数コイルの異常検出の問題
とは相互に関連し合う。この課題も、解決されていな
い。すなわち、磁石内部の異常をサーチコイルによって
検知しようとしても、サーチコイルが磁石内部にしか設
けられていない場合には、単なる比較器による異常の有
無の判断のみでは、異常原因が磁石内部にあるのか、外
部にあるのかを識別できなくなる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上に述べた技術上の課
題をまとめると、次のようになる。
【0015】振動にさらされる超電導磁石等の磁石装置
の内部構造の異常をサーチコイルを用いて検知する場
合、または、電機子が全面をスイープするリニアモータ
の多数コイルの異常をサーチコイルを用いて異常をオン
ラインで検知する場合、振動箇所または振動モードや振
動変位等の振動情報を検出し、振動情報に基づいて異常
個所を特定し、異常内容を識別できる技術が、従来は提
案されていなかった。
【0016】本発明の目的は、磁束検出素子により検出
された磁束の変化量を取込み、振動変位および振動モー
ド等の振動情報を出力する振動検出装置を提供すること
である。
【0017】本発明の他の目的は、振動検出装置の振動
情報に基づき、磁石装置自体のコイルまたは磁石装置外
部に設置されている他の磁石のコイル等の異常情報を出
力する異常診断装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、磁石を収納する容器を含む磁石装置の構
造物のうち導電性材料からなる構造物における磁束変化
量を検出する磁束検出手段と、検出された磁束変化量を
対応する磁石装置の振動変位および/または振動モード
に変換する手段とを備えた振動検出装置を提案するもの
である。
【0019】本発明は、また、上記目的を達成するため
に、磁石を収納する容器を含む磁石装置の構造物のうち
導電性材料からなる構造物における磁束変化量を検出す
る磁束検出手段と、検出された磁束変化量と振動変位お
よび/または振動モードの単位当たり変化量との対応関
係を含む感度行列格納手段と、感度行列を参照して検出
された磁束変化量を対応する磁石装置の振動変位および
/または振動モードに変換する変換手段とを備えた振動
検出装置を提案するものである。
【0020】前記磁石は、超電導磁石,常電導磁石,永
久磁石のいずれでもよい。
【0021】前記磁束検出手段は、構造物の内側に設置
され磁石装置の振動変位および/または振動モードに対
応した磁束変化量を検出する磁束検出手段と、構造物の
外側に設置され磁石装置に外部から印加される磁束の変
化量を検出する磁束検出手段とにより構成できる。
【0022】前記感度行列は、導電性材料からなる構造
物における任意3次元渦電流解析により決定された感度
行列である。
【0023】本発明は、上記目的を達成するために、磁
束信号をオンラインで取り込み磁石装置の振動変位およ
び/または振動モードに変換する振動検出装置と、振動
検出装置に接続され変換された振動変位および/または
振動モードをオンラインで常時モニタする手段とからな
る振動検出システムを提案するものである。
【0024】振動検出装置は、磁石装置の振動変位およ
び/または振動モードに変換する際に、感度行列を参照
してもよい。
【0025】本発明は、さらに、上記目的を達成するた
めに、磁石とこの磁石を収納する容器等の構造物とから
なり構造物のいずれかが導電性材料である磁石装置の振
動を検出する方法において、導電性構造物における磁束
変化量を検出し、磁束変化量に基づいて磁石装置の振動
変位および/または振動モードを求める振動検出方法を
提案するものである。
【0026】本発明は、また、上記目的を達成するため
に、磁石とこの磁石を収納する容器等の構造物とからな
り構造物のいずれかが導電性材料である磁石装置の振動
を検出する方法において、導電性構造物における磁束変
化量を検出し、検出された磁束変化量と振動変位および
/または振動モードの単位当たり変化量との対応関係を
含む感度行列を参照し磁束変化量に基づいて磁石装置の
振動変位および/または振動モードを求める振動検出方
法を提案するものである。
【0027】いずれの場合も、検出される磁束変化量
は、磁石装置の振動変位および/または振動モードに対
応した内側の磁束変化量と、磁石装置に外部から印加さ
れる磁束の変化量とを含むことがある。
【0028】また、感度行列は、導電性材料からなる構
造物における任意3次元渦電流解析により決定された感
度行列である。
【0029】本発明は、上記目的を達成するために、磁
石を収納する容器を含む磁石装置の構造物のうち導電性
材料からなる構造物における磁束変化量を検出する磁束
検出手段と、検出された磁束変化量を対応する磁石装置
の振動変位および/または振動モードに変換する手段
と、振動変位および/または振動モードの情報に基づい
て異常個所を推定する手段とを備えた異常診断装置を提
案するものである。
【0030】前記磁石は、超電導磁石,常電導磁石,永
久磁石のいずれでもよい。
【0031】前記磁束検出手段は、構造物の内側に設置
され磁石装置の振動変位および/または振動モードに対
応した磁束変化量を検出する磁束検出手段と、構造物の
外側に設置され磁石装置に外部から印加される磁束の変
化量を検出する磁束検出手段とにより構成できる。
【0032】異常個所を推定する手段は、対等な位置に
配置された複数の磁束検出手段からの磁束変化量を比較
する比較器を含み、異常診断装置は、比較器の出力に基
づき異常を知らせる警報手段を備えることができる。
【0033】異常個所を推定する手段は、各磁束検出手
段からの磁束変化量の前回値を記憶する手段と、磁束変
化量の記憶された前回値と今回値とを比較する比較器と
を含み、異常診断装置は、比較器の出力に基づき異常を
知らせる警報手段を備えるようにしてもよい。
【0034】本発明は、また、上記目的を達成するため
に、磁石を収納する容器を含む磁石装置の構造物のうち
導電性材料からなる構造物における磁束変化量を検出す
る磁束検出手段と、検出された磁束変化量と振動変位お
よび/または振動モードの単位当たり変化量との対応関
係を含む感度行列格納手段と、感度行列を参照して検出
された磁束変化量を対応する磁石装置の振動変位および
/または振動モードに変換する変換手段と、振動変位お
よび/または振動モードの情報に基づいて異常個所を推
定する手段とを備えた異常診断装置を提案するものであ
る。
【0035】前記磁石は、超電導磁石,常電導磁石,永
久磁石のいずれでもよい。
【0036】前記磁束検出手段は、構造物の内側に設置
され磁石装置の振動変位および/または振動モードに対
応した磁束変化量を検出する磁束検出手段と、構造物の
外側に設置され磁石装置に外部から印加される磁束の変
化量を検出する磁束検出手段とにより構成できる。
【0037】前記感度行列格納手段は、導電性材料から
なる構造物における任意3次元渦電流解析により決定さ
れた感度行列を格納するメモリである。
【0038】前記異常個所を推定する手段は、対等な位
置に配置された複数の磁束検出手段からの磁束変化量を
比較する比較器を含み、異常診断装置は、比較器の出力
に基づき異常を知らせる警報手段を備えることができ
る。
【0039】前記異常個所を推定する手段は、各磁束検
出手段からの磁束変化量の前回値を記憶する手段と、磁
束変化量の記憶された前回値と今回値とを比較する比較
器とを含み、異常診断装置は、比較器の出力に基づき異
常を知らせる警報手段を備えるようにしてもよい。
【0040】本発明は、上記目的を達成するために、磁
束信号をオンラインで取り込み磁石装置の振動変位およ
び/または振動モードに変換し振動変位および/または
振動モードの情報に基づいて異常個所を推定する異常診
断装置と、異常診断装置に接続され振動変位および/ま
たは振動モードおよび異常個所をオンラインで常時モニ
タする手段とからなる異常診断システムを提案するもの
である。
【0041】異常診断装置は、磁石装置の振動変位およ
び/または振動モードに変換し振動変位および/または
振動モードの情報に基づいて異常個所を推定する際に、
感度行列を参照してもよい。
【0042】本発明は、上記目的を達成するために、磁
石とこの磁石を収納する容器等の構造物とからなり構造
物のいずれかが導電性材料である磁石装置の振動を検出
し異常個所を推定する異常診断する方法において、導電
性構造物における磁束変化量を検出し、磁束変化量に基
づいて磁石装置の振動変位および/または振動モードを
求める異常診断方法を提案するものである。
【0043】本発明は、また、上記目的を達成するため
に、磁石とこの磁石を収納する容器等の構造物とからな
り構造物のいずれかが導電性材料である磁石装置の振動
を検出し異常個所を推定する異常診断する方法におい
て、導電性構造物における磁束変化量を検出し、検出さ
れた磁束変化量と振動変位および/または振動モードの
単位当たり変化量との対応関係を含む感度行列を参照し
磁束変化量に基づいて磁石装置の振動変位および/また
は振動モードを求める異常診断方法を提案するものであ
る。
【0044】検出される磁束変化量は、磁石装置の振動
変位および/または振動モードに対応した内側の磁束変
化量と磁石装置に外部から印加される磁束の変化量とを
含むことができる。
【0045】前記感度行列は、導電性材料からなる構造
物における任意3次元渦電流解析により決定された感度
行列である。
【0046】異常個所を推定する際、対等な位置におけ
る複数の磁束変化量を比較し、比較結果が所定値を超え
たとき、警報を発するようにしてもよいし、各磁束変化
量の前回値と今回値とを比較し、比較結果が所定値を超
えたとき、警報を発するようにすることも可能である。
【0047】
【作用】本発明においては、磁石装置の振動を非接触的
にモニタするため、磁束検出用素子を設置し、磁束の変
化量を取り込む。取り込まれた磁束の変化量は、振動モ
ードや変位等の振動情報に換算される。これらの情報
は、所定の基準値と比較され、異常の有無の判断に用い
られる。磁束の変化量の情報を振動情報に変換する手段
としては、各振動モードに対する単位変位当たりの磁束
変化量を予め求めてテーブル化した感度行列を用いる。
この感度行列を用いると、磁束の変化量から変位を逆算
できる。
【0048】ここで、渦電流解析を用いて、感度行列を
求めてみる。渦電流解析には、薄板近似を用いた3次元
有限要素法による渦電流解析コードを採用する。この渦
電流解析においては、磁石内の各構造物が、剛体として
の範囲内で、ヨーイング(z軸中心の回転振動),ロー
リング(x軸中心の回転振動)等の各種変形を生ずる場
合の振動モードを入力し、入力された振動モードに対し
て、指定領域の磁束を渦電流解析コードで計算する。よ
り具体的には、数種類の振動モードを仮定し、単位変位
当たりの各計測点の磁束値φc={φ1,…,φn}を計
算する。これらの計算値φcと実測値φmとの差のノルム
を最小にする各モードの複素振幅Xm={Xm1,…,Xm
h}を推定する。ただし、n>hである。
【0049】本発明の振動検出方法において、多くの実
験パラメータφmを同時に説明し得る少数の振動モード
の組合せXmが存在することを示せれば、予測する電磁
現象が確かに生ずると主張して良いであろう。
【0050】ここでは、電磁現象が、すべてインダクテ
ィブに結合している周波数領域を対象に説明する。渦電
流解析の離散化式は、数式1のようになる。ここで、T
={Ti}は、導体表面を有限要素に分割したときの各
節点i上での渦電流Tiにより構成されるベクトルを表
わし、MとRとは、各節点間の相互インダクタンスマト
リクスと抵抗マトリクスとを表わし、Mscは、各節点と
超電導コイルとの相互インダクタンスを表わし、Isc
は、超電導コイル電流を表わし、Xmは、振動モードの
振幅を表わしている。
【0051】
【数1】
【0052】数式1においては、各周波数ωが充分に大
きい場合、抵抗成分RTは、インダクタンス成分jωM
Tと比べて充分に小さく、無視できる。この場合、渦電
流Tは振動モードXmと同相で線形の関係にある。同様
に磁束ループの計測磁束φmもXmと同相で線形となる。
すなわち、この周波数領域では、磁束は周波数に依存す
ることがない。したがって、各周波数および/または各
実験データ毎に、膨大な計算を繰り返す必要はない。単
位振幅を仮定した各振動モードに対し、各計測点のデー
タを評価し、感度行列の形にまとめておけば充分であ
る。
【0053】この感度行列をAとすると、各計測点の磁
束値φcは、数式2のように表示される。φcに相当する
計測値をφmとすると、問題は数式3に示す二乗ノルム
評価基準を最小にするモードベクトルXmを探索するこ
とに帰着する。モードベクトルXmの解は、数式4で与
えられる。
【0054】
【数2】
【0055】
【数3】
【0056】
【数4】
【0057】図7は、感度行列の一例を示す図表であ
る。図7において、並進,ヨーイング,ローリング,ピ
ッチングの4モードが、剛体としての振動モードであ
り、ねじりおよび1次曲げが弾性体としての振動モード
である。輻射シールドのみが振動する場合、外槽のみが
振動する場合等について、各振動モードのパラメータが
1μm変位した場合に生じる信号を算出し、感度係数を
行列化してある。
【0058】図8は、図7の感度行列を用いて最小二乗
解析で求めた解析値と実験値と比較して示す図である。
図9は、その時の推定振動モードを示す図である。これ
らの図8と図9とによれば、解析結果は、振幅および位
相の周波数特性の特徴をよく再現している。したがっ
て、振動モードの重ね合わせが成り立つことがわかる。
【0059】このように、本発明の解析的アプローチに
よれば、実際に起こった振動モードと変位とを特定し、
振動を検出できることがわかる。また、ここで検出され
た振動情報と振動変位とを所定の許容値のデータと比較
すれば、磁石の異常を診断できる。
【0060】さらに、多数並べられた磁石の設置位置の
ずれ等の異常の検出に関して考察する。各軸方向への単
位変位当たりの移動に対して、各計測点のデータを評価
し、感度行列の形にまとめておけば、検出磁束に基づい
て、磁石の設置位置のずれ等を評価できる。
【0061】断線の位置の検出についても同様である。
【0062】
【実施例】図1は、本発明による超電導コイルの振動検
出システムの一実施例の全体構成を示すブロック図であ
り、図2は、図1の実施例の振動検出対象である超電導
コイル1の周りの構造をより具体的に示す斜視図であ
る。図2において、真空断熱容器4の内側には、輻射熱
シールド3が配置され、液体窒素で冷却されている。こ
の輻射熱シールド3の内側には、超電導コイル1とこれ
を保持する収納容器2とが収納され、液体ヘリウムで冷
却されている。超電導コイル1と収納容器2と輻射熱シ
ールド3とは、支持部材5により真空断熱容器4に取り
付けられている。収納容器2は、ステンレス材料からな
り、輻射熱シールド3と真空断熱容器4とは、アルミか
らなる。すなわち、導電性材料で形成されている。
【0063】本実施例においては、輻射熱シールド3の
表面に、6個のサーチコイル6が設置され、真空断熱容
器4の内側(超電導コイル1側)に、10個のサーチコ
イル6が設置されている。各サーチコイル6は、導電線
を巻回して形成されている。
【0064】真空断熱容器4に外部から振動が加わり、
サーチコイル6を取り付けた面が変位すると、サーチコ
イル6は、超電導コイル1の作る磁場を横切ることにな
る。したがって、外部からの振動は、磁束変化によって
生じる誘起電圧信号として検出される。この信号は、入
力信号18として入力装置7に取り込まれ、周波数をパ
ラメータとする位相および振幅のデータとして、変換器
8に送られる。変換器8は、感度行列9を用いて、各サ
ーチコイル6毎の誘起電圧の位相および振幅のデータ
を、輻射熱シールド3/真空断熱容器4と超電導コイル
1との相対振動モードの位相および振幅のデータに変換
する。
【0065】感度行列9とは、磁束変化量から振動を逆
算するためのテーブルである。感度行列9は、予め起こ
り得る振動モードを想定し、各振動モードが生じた場合
に、各サーチコイル6で検出される磁束を単位変位当た
りの量としてまとめておく。
【0066】合計16ヵ所に設置したサーチコイル6に
対して、振動モードは、輻射シールド3および真空断熱
容器4の並進,ヨーイング,ローリング,ピッチング,
ねじり,1次曲げの合計6モードを考慮する。このテー
ブルは,実験的に評価できる。このテーブルを用いる
と、従来非接触では得られなかった振動の情報を、磁束
変化の情報から入手できる。
【0067】これらの振動情報は、表示器10に送られ
て表示されると同時に、比較器11にも送られる。比較
器11は、振動情報を所定の基準値と比較し、振動情報
が所定の基準値を超えた場合に、表示器10および警報
器12に対して、正常値でないことを通知する。警報器
12は、振動情報を所定の基準値と比較し、振動情報が
単なる異常状態と明らかに許容値を超えた危険状態とに
区別し、明らかに許容値を超えた危険状態の場合は、表
示器10に通知する。異常状態と危険状態との区別は、
振動振幅に対する所定の基準値をそれぞれ設定して判断
する。
【0068】本実施例の振動検出システムは、例えば中
央制御室とオンラインで結ばれており、超電導磁石の振
動状態が常にモニタされる。したがって、例えば支持部
材5に経年劣化が生じ、疲労破壊により亀裂が拡大し、
振動の振幅の増加した場合には、この振動を異常状態と
して確実に検知するので、支持部材5が完全破壊に至る
前に、支持部材5を取換える等の対策を実行できる。そ
れと並行して、危険状態が検知された場合は、超電導コ
イルを消磁する等の非常手段を講ずることも可能であ
る。
【0069】図10は、図1の振動検出システムを用い
てなされる振動検出方法の手順を示すフローチャートで
ある。ステップ100において、入力装置7が、振動検
出対象の磁石装置から磁束信号を入力信号18として入
力する。ステップ102において、変換器8が、ステッ
プ104において予め入力されている感度行列9を参照
して、磁束信号を振動情報に変換する。ステップ106
において、表示器10に振動情報を表示する。ステップ
108において、比較器11が振動情報を所定の基準値
と比較する。その振動情報が基準値以下の時は、振動が
生じていないので、処理を終了する。一方、前記振動情
報が基準値を越えたときは、ステップ110において、
その情報を表示器10に表示する。その場合、ステップ
112において、警報器12が、前記振動情報を所定の
許容値と比較する。その振動情報が許容値以下の場合
は、振動はあっても、磁石装置に悪影響が無いレベルで
あるから、処理を終了する。一方、前記振動情報が許容
値を越えたときは、ステップ114において、オペレー
タに対し、警報を発する。この警報は、表示器10に表
示される。
【0070】本方法においては、感度行列を参照して、
磁束信号を振動情報に変換するので、詳細な振動情報が
得られる。
【0071】図3は、本発明による常電導コイルの振動
検出システムおよび異常診断システムの一実施例の全体
構成を示すブロック図である。本実施例の磁石は、常電
導コイル13とこれを保持する収納容器2と支持部材5
とからなる。収納容器2は、アルミ等の導電材料からな
る。収納容器2の内側(常電導コイル側)の表面には、
テフロン線を巻回して形成したサーチコイル6を8ヵ所
に設置する。
【0072】磁束変化によって生じる誘起電圧信号が、
入力装置7に取り込まれ、周波数をパラメータとする位
相および振幅のデータとして、変換器8に送られる。変
換器8は、感度行列9を用いて、各サーチコイル6毎の
誘起電圧の位相および振幅のデータを、収納容器2と常
電導コイル13との相対振動モードの位相および振幅の
データに変換する。
【0073】本実施例における感度行列9は、磁束変化
量から振動を逆算するためのテーブルである。感度行列
9は、予め起こり得る振動モードを想定し、各振動モー
ドが生じた場合、各サーチコイル6で検出される磁束を
単位変位当たりの量として、3次元渦電流解析コードを
用いて算出しておく。
【0074】8ヵ所に設置したサーチコイル6に対し
て、振動モードは、収納容器2の並進,ヨーイング,ロ
ーリング,ピッチング、の合計4モードを考慮する。す
なわち、常電導磁石を剛体として取り扱う。
【0075】このような解析的手法を用いると、従来の
非接触検出方式では得られなかった振動の情報を、磁束
変化の情報から比較的容易に入手できる。これらの振動
情報は、表示器10に送られて表示されると同時に、比
較器11にも送られる。本実施例の比較器11は、同時
に複数の磁石からの信号をモニタしており、条件が同じ
サーチコイル6からの信号と比較し、異常の有無を判定
する。異常の場合は、表示器10および警報器12に対
して、正常値でないことを通知する。警報器12は、振
動情報を所定の基準値と比較し、振動情報が単なる異常
状態と明らかに許容値を超えた危険状態とに区別し、明
らかに許容値を超えた危険状態の場合は、表示器10に
通知する。異常状態と危険状態との区別は、振動振幅に
対する所定の基準値をそれぞれ設定して判断する。
【0076】振動情報は、比較器11に送られると同時
に、診断器14にも送られる。診断器14は、異常箇所
を推定する。すなわち、診断器14は、各振動モードの
振幅および位相として入力された振動情報を、必要に応
じて任意の点での振幅および位相の情報に換算する。特
に、支持部材5の取り付け位置での振幅を算出し、どの
部位での振動が大きく、その結果として異常が生じてい
るかという情報を表示器10に送る。または、ある異常
を伴って生じる振動モードを構造解析を用いて予め求め
てパターン化し、記憶しておく。比較器11から入力さ
れた振動パターンと記憶しておいた振動パターンとを比
較し、生じている異常を推定し、推定した異常内容を表
示器10に送る。
【0077】本実施例の振動検出システムは、例えば中
央制御室とオンラインで結ばれており、常電導磁石の振
動状態が常にモニタされる。したがって、異常の生じた
箇所が明らかになり、対策を講ずることが容易となる。
【0078】図4は、本発明による常電導コイルの振動
検出システムおよび異常診断システムの他の実施例の全
体構成を示すブロック図である。図3の実施例の比較器
11は、同時に複数の磁石からの信号をモニタしてお
り、条件が同じサーチコイル6からの信号と比較し、異
常の有無を判定していた。これに対して、本実施例の比
較器11は、同一サーチコイル6から前回に取り込まれ
メモリ19に記憶されていた信号と今回の信号とを比較
し、異常の有無を判定する。その他の部分の動作は、図
3の実施例と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0079】本実施例においては、比較器11が、同一
サーチコイル6から前回に取り込まれメモリ19に記憶
されていた信号と今回の信号とを比較するので、他のサ
ーチコイルとの比較の場合のように、正常時の信号レベ
ルの微妙な違い等を考慮する必要が無い。
【0080】本実施例の振動検出システムは、例えば中
央制御室とオンラインで結ばれており、常電導磁石の振
動状態が常にモニタされる。したがって、異常の生じた
箇所が明らかになり、対策を講ずることが容易となる。
【0081】図5は、本発明による永久磁石の振動検出
システムおよび異常診断システムの実施例の全体構成を
示すブロック図である。本実施例においては、永久磁石
15とこれを保持するアルミ製収納容器2と支持部材5
とからなる磁石装置が、複数の常電導磁石16と対面し
て置かれている。収納容器2の内側(永久磁石側)に
は、テフロン線を巻回して形成したサーチコイル6aを
8ヵ所、外側(常電導磁石側)の表面に、同じくテフロ
ン線を巻回して形成したサーチコイル6bを4ヵ所設置
する。常電導磁石16の前で永久磁石装置15をスイー
プさせた時に、常電導磁石16の磁束変化によりサーチ
コイル6bに生じる誘起電圧は、入力装置7bに取り込
まれ、比較器11bに送られる。
【0082】常電導磁石16の磁束変化と永久磁石15
のつくる静磁場との作用で、収納容器2には、渦電流が
生じる。この渦電流と静磁場との作用は、収納容器2に
対する加振力として働き、振動によって生じる誘起電圧
が、サーチコイル6aにより検出される。この誘起電圧
信号は、入力装置7aに取り込まれ、周波数をパラメー
タとする位相および振幅のデータとして、変換器8に送
られる。変換器8は、感度行列9を用いて、各サーチコ
イル6a毎の誘起電圧の位相および振幅のデータを、収
納容器2と永久磁石15との相対振動モードの位相およ
び振幅のデータに変換する。感度行列9では、8ヵ所に
設置したサーチコイル6aについて、収納容器2の並
進,ヨーイング,ローリング,ピッチングの合計4モー
ドを考慮する。
【0083】このような解析的手法を用いると、従来の
非接触検出方式では得られなかった振動の情報を、磁束
変化の情報から比較的容易に入手できる。これらの振動
情報は、表示器10に送られて表示されると同時に、比
較器11aにも送られる。本実施例の比較器11aは、
同時に複数の磁石からの信号をモニタしており、条件が
同じサーチコイル6からの信号と比較し、異常の有無を
判定する。異常の場合は、表示器10および警報器12
に対して、正常値でないことを通知する。警報器12
は、振動情報を所定の基準値と比較し、振動情報が単な
る異常状態と明らかに許容値を超えた危険状態とに区別
し、明らかに許容値を超えた危険状態の場合は、表示器
10に通知する。異常状態と危険状態との区別は、振動
振幅に対する所定の基準値をそれぞれ設定して判断す
る。
【0084】同時に、比較器11bは、サーチコイル6
からの信号を、同時に多数の磁石をモニタしており、条
件が同じサーチコイル6からの信号と比較し、異常の有
無を判定し、その結果を表示器10に送る。
【0085】したがって、永久磁石の振動異常の状態を
検知できるとともに、異常原因が外部にあるか、内部に
あるかかを区別できる。すなわち、比較器11aおよび
11bのいずれからも異常信号が検知され、かつ比較器
11aの振動振幅が単なる異常状態のレベルにある場
合、検出された磁石装置の異常は、外部の磁石等により
永久磁石に印加される磁場の乱れに基づく一過性のもの
である可能性が大きい。この場合は、次周期の信号を待
って、異常の判定を繰り返すと、異常の誤判定が無くな
り、高信頼の異常検出装置が得られる。
【0086】一方、比較器11aでのみ異常が検出され
た場合は、警報器12と表示器10を通じてその異常を
オペレータに知らせると同時に、振動情報を診断器14
に送る。診断器14は、支持部材5の取り付け位置での
振幅を算出し、どの部位で振動が大きく、その結果とし
て異常が生じているかを推定し、表示器10に送る。
【0087】本実施例の振動検出システムは、例えば中
央制御室とオンラインで結ばれており、永久磁石の振動
状態が常にモニタされる。したがって、異常の生じた箇
所が明らかになり、対策を講ずることが容易となる。
【0088】なお、比較器11aおよび/または11b
において、同時に多数の磁石をモニタし、条件が同じサ
ーチコイルからの信号と比較する方式に代えて、図4の
実施例のように、同一サーチコイルから前回に取り込ま
れメモリに記憶されていた信号と今回の信号とを比較す
る方式を採用してもよいことは、明らかであろう。
【0089】図6は、本発明による超電導磁石の振動検
出システムおよび異常診断システムの実施例の全体構成
を示すブロック図である。本実施例では、アルミ製の真
空断熱容器4と同じくアルミ製の輻射熱シールド3とそ
の内側に置かれた超電導コイル1とこれを保持するステ
ンレス製の収納容器2と支持部材5とからなる磁石装置
が、複数の常電導磁石16と対面して置かれている。
【0090】導電線を巻回して形成したサーチコイル6
aを、輻射熱シールド3の表面(真空断熱容器4側)の
6ヶ所に配置し、真空断熱容器4の内側(超電導コイル
1側)の12ヵ所に配置する。同様に、サーチコイル6
bを、真空断熱容器4の外側(常電導磁石16側)の表
面の6ヵ所に配置する。常電導磁石16の前で超電導磁
石装置をスイープさせた時、常電導磁石16の磁束変化
によりサーチコイル6bに生じる誘起電圧信号が、入力
装置7bに取り込まれ、周波数をパラメータとする位相
および振幅のデータとして、変換器8bに送られる。
【0091】一方、常電導磁石16の磁束変化と超電導
コイル1により作られる静磁場との作用で、輻射熱シー
ルド3および真空断熱容器4には、渦電流が生じる。こ
の渦電流と静磁場との作用は、輻射熱シールド3および
真空断熱容器4に対する加振力として働き、サーチコイ
ル6aには、振動によって生じる誘起電圧が検出され
る。誘起電圧信号は、入力装置7aに取り込まれ、周波
数をパラメータとするに位相および振幅のデータとし
て、変換器8aに送られる。変換器8aおよび8bで
は、感度行列9aおよび9bを用いて、各サーチコイル
6aおよび6b毎の誘起電圧の位相および振幅のデータ
を、振動情報に変換する。
【0092】感度行列9aは、磁束変化量から超電導磁
石装置の振動を逆算するためのテーブルである。このテ
ーブルは、起こりうる輻射シールド3と真空断熱容器4
の振動モードを予め想定し、各振動モードが生じた場合
に、各サーチコイル6aで検出される磁束を単位変位当
たりの磁束量としてまとめておく。合計18ヵ所に設置
したサーチコイル6aに対して、輻射シールド3および
真空断熱容器4の並進,ヨーイング,ローリング,ピッ
チング,1次曲げの合計10の振動モードを考慮する。
【0093】一方、感度行列9bは、磁束変化量から常
電導磁石16の位置変位または断線を逆算するためのテ
ーブルであり、検査対象の常電導コイル16がサーチコ
イル6bに対してある特定の相対位置にあるとき、検査
対象の常電導コイル16が各軸方向に単位変位移動した
とき、および断線が生じたときに、各サーチコイル6b
で検出される磁束を単位変位当たりの磁束変化量として
まとめておく。
【0094】このような方法を用いると、従来の非接触
方式では得られなかった振動および変位または断線の情
報を磁束変化の情報から入手できる。これらの振動およ
び変位等の情報は、表示器10に送られて表示され、比
較器11aおよび11bにも送られ、正常値でない場合
は、振動に対する所定の基準値に基づいて、単なる異常
状態と明らかに許容値を超えた危険状態とに区別して、
警報器12と表示器10によりオペレータに通報する。
比較器11aと11bとの双方から異常信号が検知さ
れ、しかも比較器11aの振動振幅が単なる異常状態の
レベルにある場合、検出された磁石装置の異常は、外部
の磁石等により磁石装置に印加される磁場の乱れに基づ
く一過性のものである可能性が大きい。そこで次周期の
信号を待って異常の判定をする方式も考えられる。
【0095】この方式によれば、異常の誤判定が無くな
り、高信頼の異常検出装置が得られる。同時に、超電導
磁石の振動異常の状態を検知し、異常原因が外部にある
か内部の構造物の異常に基づくものかを区別できる。
【0096】比較器11aでのみ異常が検出された場合
は、その異常は警報器12と表示器10とを用いてオペ
レータに通報される。同時に、振動情報は、診断器14
aに送られ、異常箇所の推定に用いられる。診断器14
aは、支持部材5の取り付け位置での振幅を算出し、ど
の部位で振動が大きく、その結果として異常が生じてい
るかという情報を表示器10に送る。比較器11bでの
み異常が検出された場合、警報器12と表示器10とを
用いてオペレータに通報される。振動情報は、診断器1
4bに送られ、超電導磁石装置の位置検出装置17の情
報と突合せ、異常のある常電導コイルの据付け位置を検
出する。
【0097】したがって、複数個ある磁石の異常検出が
容易になり、時間を短縮ができる。また、以上のシステ
ムをオンラインで結び、超電導磁石装置の振動状態およ
び常電導磁石の位置ずれや断線を常にモニタするシステ
ムとする。その場合は、超電導磁石と常電導磁石のいず
れについても、異常の生じた箇所が明らかにになり、対
策を講ずることが容易となる。
【0098】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果が得られ
る。
【0099】(1)磁束検出用素子の出力信号から、振
動変位や振動モード等の振動情報が得られる。この振動
情報をもとに異常診断を実行し、異常状態および異常箇
所を推定できる。
【0100】(2)磁束検出用素子の出力信号から、多
数並べられた磁石についても、設置位置のずれや断線等
の異常を検出できる。
【0101】(3)磁束検出用素子とその出力信号を振
動情報に変換する変換器と得られた振動情報を表示する
装置とをオンラインで接続することにより、磁石の振動
状態を非接触で常にモニタできるので、磁石の異常を早
期に発見し対処することが可能である。
【0102】(4)磁束検出用素子を磁石の内側と外側
に設け、双方の磁束変化情報または振動情報をモニタ
し、比較するから、異常の原因が、磁石そのものにある
か、外部の磁石等にあるかを識別できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超電導コイルの振動検出システム
の一実施例の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1の実施例の振動検出対象である超電導コイ
ルの周りの構造をより具体的に示す斜視図である。
【図3】本発明による常電導コイルの振動検出システム
および異常診断システムの一実施例の全体構成を示すブ
ロック図である。
【図4】本発明による常電導コイルの振動検出システム
および異常診断システムの他の実施例の全体構成を示す
ブロック図である。
【図5】本発明による永久磁石の振動検出システムおよ
び異常診断システムの実施例の全体構成を示すブロック
図である。
【図6】本発明による超電導磁石の振動検出システムお
よび異常診断システムの実施例の全体構成を示すブロッ
ク図である。
【図7】本発明の感度行列の一例を示す図表である。
【図8】図7の感度行列を用いて最小二乗解析で求めた
解析値と実験値と比較して示す図である。
【図9】図8の解析値に対応する推定振動モードを示す
図である。
【図10】本発明による振動検出方法の手順を示すフロ
ーチャートである。
【図11】従来の超電導磁石の構造の一例を示す斜視図
である。
【符号の説明】
1 超電導コイル 2 超電導コイル収納容器 3 輻射熱シールド 4 真空断熱容器 5 支持部材 6 サーチコイル 7 入力装置 8 変換器 9 感度行列 10 表示器 11 比較器 12 警報機 13 常電導コイル 14 診断器 15 永久磁石 16 常電導コイル群 17 位置検出装置 18 入力信号 19 メモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 翼 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 滝沢 照広 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所試作開発センタ内 (72)発明者 園部 正 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所試作開発センタ内 (72)発明者 鈴木 史男 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所試作開発センタ内 (72)発明者 斉藤 敏雄 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁石を収納する容器を含む磁石装置の構
    造物のうち導電性材料からなる構造物における磁束変化
    量を検出する磁束検出手段と、 検出された前記磁束変化量を対応する前記磁石装置の振
    動変位および/または振動モードに変換する手段とを備
    えたことを特徴とする振動検出装置。
  2. 【請求項2】 超電導磁石を収納する液体ヘリウム容
    器,輻射熱シールド,および真空断熱容器を含む超電導
    磁石装置の構造物のうち導電性材料からなる構造物にお
    ける磁束変化量を検出する磁束検出手段と、 検出された前記磁束変化量を対応する前記磁石装置の振
    動変位および/または振動モードに変換する手段とを備
    えたことを特徴とする振動検出装置。
  3. 【請求項3】 常電導磁石を収納する容器を含む常電導
    磁石装置の構造物のうち導電性材料からなる構造物にお
    ける磁束変化量を検出する磁束検出手段と、 検出された前記磁束変化量を対応する前記磁石装置の振
    動変位および/または振動モードに変換する手段とを備
    えたことを特徴とする振動検出装置。
  4. 【請求項4】 永久磁石を収納する容器を含む磁石装置
    の構造物のうち導電性材料からなる構造物における磁束
    変化量を検出する磁束検出手段と、 検出された前記磁束変化量を対応する前記磁石装置の振
    動変位および/または振動モードに変換する手段とを備
    えたことを特徴とする振動検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか一項に記載
    の振動検出装置において、 前記磁束検出手段が、前記構造物の内側に設置され前記
    磁石装置の振動変位および/または振動モードに対応し
    た磁束変化量を検出する磁束検出手段と、前記構造物の
    外側に設置され前記磁石装置に外部から印加される磁束
    の変化量を検出する磁束検出手段とからなることを特徴
    とする振動検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれか一項に記載
    され前記磁束信号をオンラインで取り込み前記磁石装置
    の振動変位および/または振動モードに変換する振動検
    出装置と、 前記振動検出装置に接続され変換された前記振動変位お
    よび/または振動モードをオンラインで常時モニタする
    手段とからなる振動検出システム。
  7. 【請求項7】 磁石を収納する容器を含む磁石装置の構
    造物のうち導電性材料からなる構造物における磁束変化
    量を検出する磁束検出手段と、 検出された磁束変化量と振動変位および/または振動モ
    ードの単位当たり変化量との対応関係を含む感度行列格
    納手段と、 前記感度行列を参照して検出された前記磁束変化量を対
    応する前記磁石装置の振動変位および/または振動モー
    ドに変換する変換手段とを備えたことを特徴とする振動
    検出装置。
  8. 【請求項8】 超電導磁石を収納する液体ヘリウム容
    器,輻射熱シールド,および真空断熱容器を含む超電導
    磁石装置の構造物のうち導電性材料からなる構造物にお
    ける磁束変化量を検出する磁束検出手段と、 検出された磁束変化量と振動変位および/または振動モ
    ードの単位当たり変化量との対応関係を含む感度行列格
    納手段と、 前記感度行列を参照して検出された前記磁束変化量を対
    応する前記磁石装置の振動変位および/または振動モー
    ドに変換する変換手段とを備えたことを特徴とする振動
    検出装置。
  9. 【請求項9】 常電導磁石を収納する容器を含む常電導
    磁石装置の構造物のうち導電性材料からなる構造物にお
    ける磁束変化量を検出する磁束検出手段と、 検出された磁束変化量と振動変位および/または振動モ
    ードの単位当たり変化量との対応関係を含む感度行列格
    納手段と、 前記感度行列を参照して検出された前記磁束変化量を対
    応する前記磁石装置の振動変位および/または振動モー
    ドに変換する変換手段とを備えたことを特徴とする振動
    検出装置。
  10. 【請求項10】 永久磁石を収納する容器を含む磁石装
    置の構造物のうち導電性材料からなる構造物における磁
    束変化量を検出する磁束検出手段と、 検出された磁束変化量と振動変位および/または振動モ
    ードの単位当たり変化量との対応関係を含む感度行列格
    納手段と、 前記感度行列を参照して検出された前記磁束変化量を対
    応する前記磁石装置の振動変位および/または振動モー
    ドに変換する変換手段とを備えたことを特徴とする振動
    検出装置。
  11. 【請求項11】 請求項7ないし10のいずれか一項に
    記載の振動検出装置において、 前記磁束検出手段が、前記構造物の内側に設置され前記
    磁石装置の振動変位および/または振動モードに対応し
    た磁束変化量を検出する磁束検出手段と、前記構造物の
    外側に設置され前記磁石装置に外部から印加される磁束
    の変化量を検出する磁束検出手段とからなることを特徴
    とする振動検出装置。
  12. 【請求項12】 請求項7ないし11のいずれか一項に
    記載の振動検出装置において、 前記感度行列格納手段が、導電性材料からなる前記構造
    物における任意3次元渦電流解析により決定された感度
    行列を格納するメモリであることを特徴とする振動検出
    装置。
  13. 【請求項13】 請求項7ないし12のいずれか一項に
    記載され前記磁束信号をオンラインで取り込み前記感度
    行列を参照して前記磁石装置の振動変位および/または
    振動モードに変換する振動検出装置と、 前記振動検出装置に接続され変換された前記振動変位お
    よび/または振動モードをオンラインで常時モニタする
    手段とからなる振動検出システム。
  14. 【請求項14】 磁石と前記磁石を収納する容器等の構
    造物とからなり前記構造物のいずれかが導電性材料であ
    る磁石装置の振動を検出する方法において、 前記導電性構造物における磁束変化量を検出し、 前記磁束変化量に基づいて前記磁石装置の振動変位およ
    び/または振動モードを求めることを特徴とする振動検
    出方法。
  15. 【請求項15】 磁石と前記磁石を収納する容器等の構
    造物とからなり前記構造物のいずれかが導電性材料であ
    る磁石装置の振動を検出する方法において、 前記導電性構造物における磁束変化量を検出し、 検出された磁束変化量と振動変位および/または振動モ
    ードの単位当たり変化量との対応関係を含む感度行列を
    参照し前記磁束変化量に基づいて前記磁石装置の振動変
    位および/または振動モードを求めることを特徴とする
    振動検出方法。
  16. 【請求項16】 請求項14または15に記載の振動検
    出方法において、 検出される前記磁束変化量が、前記磁石装置の振動変位
    および/または振動モードに対応した内側の磁束変化量
    と、前記磁石装置に外部から印加される磁束の変化量と
    を含むことを特徴とする振動検出方法。
  17. 【請求項17】 請求項15または16に記載の振動検
    出方法において、 前記感度行列が、導電性材料からなる前記構造物におけ
    る任意3次元渦電流解析により決定された感度行列であ
    ることを特徴とする振動検出方法。
  18. 【請求項18】 磁石を収納する容器を含む磁石装置の
    構造物のうち導電性材料からなる構造物における磁束変
    化量を検出する磁束検出手段と、 検出された前記磁束変化量を対応する前記磁石装置の振
    動変位および/または振動モードに変換する手段と、 前記振動変位および/または振動モードの情報に基づい
    て異常個所を推定する手段とを備えたことを特徴とする
    異常診断装置。
  19. 【請求項19】 超電導磁石を収納する液体ヘリウム容
    器,輻射熱シールド,および真空断熱容器を含む超電導
    磁石装置の構造物のうち導電性材料からなる構造物にお
    ける磁束変化量を検出する磁束検出手段と、 検出された前記磁束変化量を対応する前記磁石装置の振
    動変位および/または振動モードに変換する手段と前記
    振動変位および/または振動モードの情報に基づいて異
    常個所を推定する手段とを備えたことを特徴とする異常
    診断装置。
  20. 【請求項20】 常電導磁石を収納する容器を含む常電
    導磁石装置の構造物のうち導電性材料からなる構造物に
    おける磁束変化量を検出する磁束検出手段と、 検出された前記磁束変化量を対応する前記磁石装置の振
    動変位および/または振動モードに変換する手段と、 前記振動変位および/または振動モードの情報に基づい
    て異常個所を推定する手段とを備えたことを特徴とする
    異常診断装置。
  21. 【請求項21】 永久磁石を収納する容器を含む磁石装
    置の構造物のうち導電性材料からなる構造物における磁
    束変化量を検出する磁束検出手段と、 検出された前記磁束変化量を対応する前記磁石装置の振
    動変位および/または振動モードに変換する手段と、 前記振動変位および/または振動モードの情報に基づい
    て異常個所を推定する手段とを備えたことを特徴とする
    異常診断装置。
  22. 【請求項22】 請求項18ないし21のいずれか一項
    に記載の異常診断装置において、 前記磁束検出手段が、前記構造物の内側に設置され前記
    磁石装置の振動変位および/または振動モードに対応し
    た磁束変化量を検出する磁束検出手段と、前記構造物の
    外側に設置され前記磁石装置に外部から印加される磁束
    の変化量を検出する磁束検出手段とからなることを特徴
    とする異常診断装置。
  23. 【請求項23】 請求項18ないし22のいずれか一項
    に記載の異常診断装置において、 前記異常個所を推定する手段が、対等な位置に配置され
    た複数の前記磁束検出手段からの磁束変化量を比較する
    比較器を含み、 前記異常診断装置が、前記比較器の出力に基づき異常を
    知らせる警報手段を備えたことを特徴とする異常診断装
    置。
  24. 【請求項24】 請求項18ないし22のいずれか一項
    に記載の異常診断装置において、 前記異常個所を推定する手段が、前記各磁束検出手段か
    らの磁束変化量の前回値を記憶する手段と、磁束変化量
    の記憶された前回値と今回値とを比較する比較器とを含
    み、 前記異常診断装置が、前記比較器の出力に基づき異常を
    知らせる警報手段を備えたことを特徴とする異常診断装
    置。
  25. 【請求項25】 請求項18ないし24のいずれか一項
    に記載され前記磁束信号をオンラインで取り込み前記磁
    石装置の振動変位および/または振動モードに変換し振
    動変位および/または振動モードの情報に基づいて異常
    個所を推定する異常診断装置と、 前記異常診断装置に接続され振動変位および/または振
    動モードおよび異常個所をオンラインで常時モニタする
    手段とからなる異常診断システム。
  26. 【請求項26】 磁石を収納する容器を含む磁石装置の
    構造物のうち導電性材料からなる構造物における磁束変
    化量を検出する磁束検出手段と、 検出された磁束変化量と振動変位および/または振動モ
    ードの単位当たり変化量との対応関係を含む感度行列格
    納手段と、 前記感度行列を参照して検出された前記磁束変化量を対
    応する前記磁石装置の振動変位および/または振動モー
    ドに変換する変換手段と、 前記振動変位および/または振動モードの情報に基づい
    て異常個所を推定する手段とを備えたことを特徴とする
    異常診断装置。
  27. 【請求項27】 超電導磁石を収納する液体ヘリウム容
    器,輻射熱シールド,および真空断熱容器を含む超電導
    磁石装置の構造物のうち導電性材料からなる構造物にお
    ける磁束変化量を検出する磁束検出手段と、 検出された磁束変化量と振動変位および/または振動モ
    ードの単位当たり変化量との対応関係を含む感度行列格
    納手段と、 前記感度行列を参照して検出された前記磁束変化量を対
    応する前記磁石装置の振動変位および/または振動モー
    ドに変換する変換手段と、 前記振動変位および/または振動モードの情報に基づい
    て異常個所を推定する手段とを備えたことを特徴とする
    異常診断装置。
  28. 【請求項28】 常電導磁石を収納する容器を含む常電
    導磁石装置の構造物のうち導電性材料からなる構造物に
    おける磁束変化量を検出する磁束検出手段と、 検出された磁束変化量と振動変位および/または振動モ
    ードの単位当たり変化量との対応関係を含む感度行列格
    納手段と、 前記感度行列を参照して検出された前記磁束変化量を対
    応する前記磁石装置の振動変位および/または振動モー
    ドに変換する変換手段と、 前記振動変位および/または振動モードの情報に基づい
    て異常個所を推定する手段とを備えたことを特徴とする
    異常診断装置。
  29. 【請求項29】 永久磁石を収納する容器を含む磁石装
    置の構造物のうち導電性材料からなる構造物における磁
    束変化量を検出する磁束検出手段と、 検出された磁束変化量と振動変位および/または振動モ
    ードの単位当たり変化量との対応関係を含む感度行列格
    納手段と、 前記感度行列を参照して検出された前記磁束変化量を対
    応する前記磁石装置の振動変位および/または振動モー
    ドに変換する変換手段と、 前記振動変位および/または振動モードの情報に基づい
    て異常個所を推定する手段とを備えたことを特徴とする
    異常診断装置。
  30. 【請求項30】 請求項26ないし29のいずれか一項
    に記載の異常診断装置において、 前記磁束検出手段が、前記構造物の内側に設置され前記
    磁石装置の振動変位および/または振動モードに対応し
    た磁束変化量を検出する磁束検出手段と、前記構造物の
    外側に設置され前記磁石装置に外部から印加される磁束
    の変化量を検出する磁束検出手段とからなることを特徴
    とする異常診断装置。
  31. 【請求項31】 請求項26ないし30のいずれか一項
    に記載の異常診断装置において、 前記感度行列格納手段が、導電性材料からなる前記構造
    物における任意3次元渦電流解析により決定された感度
    行列を格納するメモリであることを特徴とする異常診断
    装置。
  32. 【請求項32】 請求項26ないし31のいずれか一項
    に記載の異常診断装置において、 前記異常個所を推定する手段が、対等な位置に配置され
    た複数の前記磁束検出手段からの磁束変化量を比較する
    比較器を含み、 前記異常診断装置が、前記比較器の出力に基づき異常を
    知らせる警報手段を備えたことを特徴とする異常診断装
    置。
  33. 【請求項33】 請求項26ないし31のいずれか一項
    に記載の異常診断装置において、 前記異常個所を推定する手段が、前記各磁束検出手段か
    らの磁束変化量の前回値を記憶する手段と、磁束変化量
    の記憶された前回値と今回値とを比較する比較器とを含
    み、 前記異常診断装置が、前記比較器の出力に基づき異常を
    知らせる警報手段を備えたことを特徴とする異常診断装
    置。
  34. 【請求項34】 請求項26ないし31のいずれか一項
    に記載され前記磁束信号をオンラインで取り込み前記感
    度行列を参照して前記磁石装置の振動変位および/また
    は振動モードに変換し振動変位および/または振動モー
    ドの情報に基づいて異常個所を推定する異常診断装置
    と、 前記異常診断装置に接続され振動変位および/または振
    動モードおよび異常個所をオンラインで常時モニタする
    手段とからなる異常診断システム。
  35. 【請求項35】 磁石と前記磁石を収納する容器等の構
    造物とからなり前記構造物のいずれかが導電性材料であ
    る磁石装置の振動を検出し異常個所を推定する異常診断
    する方法において、 前記導電性構造物における磁束変化量を検出し、 前記磁束変化量に基づいて前記磁石装置の振動変位およ
    び/または振動モードを求めることを特徴とする異常診
    断方法。
  36. 【請求項36】 磁石と前記磁石を収納する容器等の構
    造物とからなり前記構造物のいずれかが導電性材料であ
    る磁石装置の振動を検出し異常個所を推定する異常診断
    する方法において、 前記導電性構造物における磁束変化量を検出し、 検出された磁束変化量と振動変位および/または振動モ
    ードの単位当たり変化量との対応関係を含む感度行列を
    参照し前記磁束変化量に基づいて前記磁石装置の振動変
    位および/または振動モードを求めることを特徴とする
    異常診断方法。
  37. 【請求項37】 請求項35または36に記載の異常診
    断方法において、 検出される前記磁束変化量が、前記磁石装置の振動変位
    および/または振動モードに対応した内側の磁束変化量
    と、前記磁石装置に外部から印加される磁束の変化量と
    を含むことを特徴とする異常診断方法。
  38. 【請求項38】 請求項36または37に記載の異常診
    断方法において、 前記感度行列が、導電性材料からなる前記構造物におけ
    る任意3次元渦電流解析により決定された感度行列であ
    ることを特徴とする異常診断方法。
  39. 【請求項39】 請求項35ないし38のいずれか一項
    に記載の異常診断方法において、 前記異常個所を推定する際、対等な位置における複数の
    磁束変化量を比較し、前記比較結果が所定値を超えたと
    き、警報を発することを特徴とする異常診断方法。
  40. 【請求項40】 請求項35ないし38のいずれか一項
    に記載の異常診断方法において、 前記異常個所を推定する際、各磁束変化量の前回値と今
    回値とを比較し、前記比較結果が所定値を超えたとき、
    警報を発することを特徴とする異常診断方法。
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