JPH0791646B2 - 多層薄膜作製装置 - Google Patents

多層薄膜作製装置

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JPH0791646B2
JPH0791646B2 JP61203616A JP20361686A JPH0791646B2 JP H0791646 B2 JPH0791646 B2 JP H0791646B2 JP 61203616 A JP61203616 A JP 61203616A JP 20361686 A JP20361686 A JP 20361686A JP H0791646 B2 JPH0791646 B2 JP H0791646B2
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thin film
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deposited particles
particles
shutter
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JP61203616A
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久貴 竹中
芳一 石井
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、基板上に金属酸化物や半導体などの材料の多
層薄膜を形成するのに用いる多層薄膜作製装置に関する
ものである。
[従来の技術] 基板上に2種類以上の物質を積層させた多層薄膜を作製
する装置としては、たとえば第6図に示すように、堆積
粒子の供給源を複数個持つ蒸着装置やスパッタ蒸着装置
等が一般に用いられている。
第4図において、1は真空槽、2はこの真空槽1内に配
置した回転型基板ホルダーであり、このホルダー2の上
に基板3および4を載置する。5および6は、真空槽1
内に配置され、それぞれ、基板3および4上へ堆積する
粒子を供給する堆積粒子の供給源としてのターゲットで
ある。7および8は、それぞれ、ターゲット5および6
からの堆積粒子の蒸発路に配置され、堆積粒子の供給を
制御するよう開閉するシャッターである。9は排気ポン
プである。10および11は、それぞれ、ターゲット5およ
び6に対するターゲット電源12および13からの電源供給
を制御するマッチングボックスである。
多層薄膜としては、通常、均一な膜厚を持つものが求め
られているが、このような均一膜厚の多層薄膜を作製す
るためには、上記装置のホルダー2を回転させ、基板3
および4に公転運動を与え、第1の堆積粒子の供給源5
の直上に基板3および4が来たときに供給源5の第1物
質からなる第1層を基板3および4上に形成し、次い
で、この第1供給源5とは別の第2供給源6の直上に基
板3および4が来た時に第2供給源6の第2物質からな
る第2層を第1層の上に形成する。このような処理を順
次に繰返していき、第1および第2物質の多層薄膜を形
成していく方法が、最も一般に用いられている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、このような装置では、ターゲット5,6か
らそのターゲット直上の基板方向へ向かう堆積粒子量が
最も多いものの、堆積粒子は、ターゲット5,6上のあら
ゆる方向へ、例えばランベルトのコサインの法則に従う
ような粒子密度分布で飛散していく。このため、複数個
の堆積粒子の供給源5および6からの粒子同士が一部混
合し、一方の供給源の物質からなる層の中に別の供給源
からの物質が混入してしまうおそれがある。
第4図に示したスパッタ蒸着装置を用いて、タングステ
ンとカーボンを交互に積層させた多層薄膜を作製し、オ
ージェ電子分光装置によりタングステン層中へのカーボ
ンの混入量およびカーボン層中へのタングステンの混入
量を調べた結果を第5図に示す。この第5図に示したよ
うに、タングステン層中へのカーボンの混入量は18%程
度もあり、カーボン層中へのタングステンの混入量も4
%程度ある。カーボンは回りこみ易い性質を持つので、
タングステンよりも他の物質からなる層中への混入量は
一般に多い。このような混入がある場合、作製した多層
薄膜の光学定数等の物理定数は混入の無い場合の多層薄
膜の物理定数とは異なってしまう。このため、従来技術
では、設計値通りの光学特性等の物理特性を有する多層
薄膜を作製することが困難であった。
一方、複数の堆積粒子供給源をそれぞれシールドして区
画化し、各区画の上部に形成された窓からのみ堆積粒子
の飛散を許す構成も知られている。しかし、区画の上方
と基板との間にシャッターの開閉部分の空間を設ける必
要があるので、この空間において従来よりは僅かである
が、各堆積粒子が相互に混合する恐れがある。
したがって、本発明の目的は、上述した従来の欠点を解
決し、ある物質で構成される層中への他の層を構成する
物質の混入を減少させ、設計値通りの物理特性を示す多
層薄膜を作製することのできる装置を提供することにあ
る。
[問題点を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明にもとづく多層薄膜
作製装置は、基板を積置可能な基板ホルダーを一定回転
速度で回転させ、この基板上に、異なる物質で構成され
た複数の堆積粒子の供給源からの堆積粒子をそれぞれ一
定の周期で順次に交互に積層させて多層薄膜を作製する
多層薄膜作製装置において、上記複数の堆積粒子の供給
源の各々から上記基板の近傍までの空間を壁で区画し
て、各供給源毎に独立した室を設け、かつ上記堆積粒子
の供給源からの堆積粒子の蒸発路を開閉するためのシャ
ッターを上記壁の中間部分に配設したことを特徴とす
る。
[作 用] シャッターを防着壁の中間に配置し、防着壁の上部を基
板の近傍まで延在させることにより、従来、シャッター
が配置されていた基板直上の、堆積粒子の密度が高く、
異なる供給源からの堆積粒子同士が混合し易い空間が分
離され、しかもシャッターの位置がターゲットに近づく
程、ターゲット面に平行な方向に飛散する堆積粒子の密
度は小さくなり、防着壁に開けたシャッター開閉口から
防着壁の外部へ飛び出す堆積粒子量が少ないことから、
シャッターが防着壁と基板との間にある場合よりも堆積
粒子の混合量を更に減少させることができる。
[実施例] 以下に、図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
第1図に本発明多層薄膜作製装置の一実施例を示す。
第4図と同様の個所には同一符号を付することにする。
ここで、1はステンレススチール製真空槽であり、ポン
プ9によって排気される。基板3および4は回転型基板
ホルダー2に装着される。本発明では、ターゲット5と
6との間を防着壁で区画し、ターゲット5および6毎に
独立の室15および16を形成する。防着壁19は堆積粒子の
供給源である、たとえばタングステンターゲット5とカ
ーボンターゲット6の周囲を覆い、各室20、21の上部に
のみ基板方向にのみ堆積粒子の飛散を許す窓17および18
が開けてある。これら防着壁19の構成材料としてはステ
ンレススチールを用いることができる。
この防着壁19の中央部分には、プレスパッタ時にスパッ
タされた粒子が基板3,4に到達することを防ぐシャッタ
ー7および8を配置してある。すなわち、防着壁19を基
板3、4の近傍に至るまで延在させ、以って、この防着
壁19がターゲット5、6から基板3、4の近傍までの空
間を独立に区画して、室20、21を限界するようにする。
防着壁19の中間の部分においてシャッター開閉用窓22、
23をあけ、これら窓22、23を介してシャッター7、8を
開閉する構造とする。ターゲット5,6にはマッチングボ
ックス10,11およびターゲット電源12,13を接続し、放電
を可能としている。
本発明の具体例では、基板3,4としては、たとえばSiウ
ェハを用いた。真空槽1内にArガスを導入し、10-3Torr
の真空度に保ち、タングステンターゲット5を100W、カ
ーボンターゲット6を400Wでスパッタし、タングステン
とカーボンからなる多層薄膜を作製した。
多層薄膜の周期の長さはほぼ10nmで、タングステンとカ
ーボンの層厚比は4:6、周期数は20とした。
作製した膜をオージェ電子分光装置により分析し、各層
中への他層の構成物質の混入量を調べた結果を第2図に
示す。第2図からわかるように、タングステン層内にカ
ーボンは2%程度しか混入せず、カーボン層内には0.2
%程度以下のタングステンしか混入していなかった。
このように作製したタングステンとカーボンからなる多
層薄膜の光学特性を調べるために、一例としてX線反射
率を測定したところ、第3図に示すように、タングステ
ンカーボンの光学定数を用いて計算した反射プロファイ
ルにほぼ一致するような実測値が得られた。このこと
は、各層中への他層の構成物質の混入量が少なく、理想
状態に近い光学特性を有する高品質の多層薄膜が作製で
きていることを示すものである。
[発明の効果] 本発明では、防着壁を基板の近傍まで延在させ、防着壁
の中間にシャッターを入れることにより、基板と防着板
との間のシャッター開閉動作に必要な空間も減少させ、
堆積粒子間の混合量を減少させることが可能になる。す
なわち、この場合には、従来、シャッターが配置されて
いた基板直上の堆積粒子の密度が高く、異なる供給源か
らの堆積粒子同士が混合し易い空間が分離され、しかも
シャッターの位置がターゲットに近づく程、ターゲット
面に平行な方向に飛散する堆積粒子の密度は小さくな
り、防着壁に開けたシャッター開閉口から防着壁の外部
へ飛び出す堆積粒子量が少ないことから、シャッターが
防着壁と基板との間にある場合よりも堆積粒子の混合量
を更に減少させることができる。
このように、本発明によれば、各層内に多層の構成粒子
の混合量の少ない高品質の多層薄膜を作製することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す断面図、 第2図は実施例で作製したタングステン/カーボン多層
薄膜のオージェ電子分光装置による深さ方向分析結果を
示す特性図、 第3図は実施例で作製したタングステン/カーボン多層
薄膜のX線反射プロファイルを示す特性図、 第4図は複数個の堆積粒子の供給源と回転型基板ホルダ
ーを備えた従来の多層薄膜作製装置の一例を示す断面
図、 第5図は第4図に示した従来の多層薄膜作製装置により
作製したタングステン/カーボン多層薄膜のオージェ電
子分光装置による深さ方向分析結果を示す特性図であ
る。 1……真空槽、 2……回転型基板ホルダー、 3……基板、 4……基板、 5……堆積粒子の供給源(ターゲット)、 6……堆積粒子の供給源(ターゲット)、 7……シャッター、 8……シャッター、 9……排気ポンプ、 10……マッチングボックス、 11……マッチングボックス、 12……ターゲット電源、 13……ターゲット電源、 20,21……室、 17,18,22,23……シャッター開閉用窓。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板を積置可能な基板ホルダーを一定回転
    速度で回転させ、前記基板上に、異なる物質で構成され
    た複数の堆積粒子の供給源からの堆積粒子をそれぞれ一
    定の周期で順次に交互に積層させて多層薄膜を作成する
    多層薄膜作成装置において、前記複数の堆積粒子の供給
    源の各々から前記基板の近傍までの空間を壁で区画し
    て、各供給源毎に独立した室を設け、かつ前記堆積粒子
    の供給源からの堆積粒子の蒸発路を開閉するためのシャ
    ッターを前記壁の中間部分に配設したことを特徴とする
    多層薄膜作製装置。
JP61203616A 1986-09-01 1986-09-01 多層薄膜作製装置 Expired - Lifetime JPH0791646B2 (ja)

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