JPH0791204A - 蒸気タービンロータ冷却装置 - Google Patents

蒸気タービンロータ冷却装置

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JPH0791204A
JPH0791204A JP23958693A JP23958693A JPH0791204A JP H0791204 A JPH0791204 A JP H0791204A JP 23958693 A JP23958693 A JP 23958693A JP 23958693 A JP23958693 A JP 23958693A JP H0791204 A JPH0791204 A JP H0791204A
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steam
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複流形ノズルボックスを具える蒸気タービン
においては、ノズルボックス下面と、調速段動翼植込み
ディスクで囲繞されるタービンロータ表面が加熱され、
クリープ強度低下に伴う曲げ変形が生じることがあっ
た。本発明は、この部分のタービンロータ表面の加熱を
緩和し、変形を防止できる、蒸気タービンロータ冷却装
置を提供することを目的とする。 【構成】 動翼植込みディスクに、ノズルボックス中央
部に向けて、ロータ軸心からの距離が増大する蒸気バイ
パス孔を設けて、ロータ回転によるポンピング効果によ
り、動翼出口側の低温化した蒸気を、ノズルボックス下
面へロータ表面に沿って供給するとともに、ノズルボッ
クス下面空間と動翼出口側との間に、ノズルボックスバ
イパス孔を設けて、常時ノズルボックス下面に形成され
た空間内の蒸気が換気されるようにして、高温化する蒸
気を逃がすこととした。これにより、ロータ表面が低温
蒸気の流れで保護され高温化が防止でき、タービンロー
タ変形を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、調速段静翼を双方向に
設け、タービンロータの軸方向に離隔して配置された2
つの調速段動翼に、駆動蒸気を供給する複流形ノズルボ
ックスを具える蒸気タービンのタービンロータ加熱を緩
和する、蒸気タービンロータ冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複流形ノズルボックスを具える複
流形蒸気タービンは、図5に示すように、タービンロー
タ7の外周に周設された2つの調速段動翼植込みディス
ク18の周縁にそれぞれ嵌合固着された調速段動翼6
と、複流形ノズルボックス4に設置された2つの調速段
静翼5とがそれぞれ対向して配設されるように、2つの
調速段動翼植込みディスク18,18の間に複流形ノズ
ルボックス4を挿入設置し、ボイラから供給された高
温、高圧の蒸気1を複流形ノズルボックス4に導き、調
速段静翼5、調速段動翼6に通し、圧力、温度を低下さ
せることでタービン出力を発生させ、タービンロータ7
からその出力を得ている。
【0003】このような、複流形ノズルボックス4を備
えた構造では、複流形ノズルボックス4と調速段動翼植
込みディスク18側面とタービンロータ7外周で囲まれ
る空間8(以下、被包空間という)は、可動部である調
速段動翼植込みディスク18と、静止部である複流形ノ
ズルボックス4との、相対的な動きを許容するために設
けられている隙間30を除き、密閉されているので、タ
ービンロータ7の回転に伴う風損により、被包空間8の
蒸気温度が上昇する。一方、上記隙間30からは、ター
ビン出力を発生する前の高温の漏洩蒸気2が、被包空間
8に侵入してくるので被包空間8は更に高温化する。こ
の結果、被包空間8に露出するタービンロータ7の表面
温度が上昇し、タービンロータ7材料のクリープ強度が
低下し、タービンロータ7が経年的に曲り変形すること
がある。
【0004】このタービンロータ7の変形を防止するた
め、図に示すように被包空間8と調速段動翼6の出口に
連通する空間9(以下、排気空間という)とを結ぶノズ
ルボックスバイパス孔10を複流形ノズルボックス4内
に穿設したものがある。
【0005】このノズルボックスバイパス孔10を、設
置することにより、ノズルボックスバイパス孔10の一
端が開口する、密閉された被包空間8は、タービン出力
を発生する前の高温の漏洩蒸気2が隙間30から流入
し、タービンロータ7回転による風損により更に高温化
するが、一方、ノズルボックスバイパス孔10の他端が
開口する排気空間9は、タービン出力を発生した後の調
速段動翼7出口圧力と同一状態にあり、被包空間8に対
して低圧側になり、ノズルボックスバイパス孔10を介
して、被包空間8から排気空間9へ高温蒸気が排気され
る結果、被包空間8の蒸気温度は侵入する漏洩蒸気の保
有する熱エネルギー、タービンロータ回転による風損で
増加する熱エネルギー、及びノズルボックスバイパス孔
10からの排気に付随して排気空間9へ放出される熱エ
ネルギーがバランスした温度になり、被包空間8に露出
するタービンロータ7の表面温度の上昇は緩和され、変
形防止を緩和することはできる。
【0006】しかしながら、上述した、複流形ノズルボ
ックス4にノズルボックスバイパス孔10を設ける従来
例では、被包空間8に積極的に冷却蒸気が導入されてい
ないので、蒸気タービンの高効率化等のために、蒸気1
の温度が高温化すると、被包空間8の温度が上昇し、タ
ービンロータ表面温度が上昇して、クリープ強度が低下
し、タービンロータの経年的な変形が生じる恐れは、依
然として残る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、複流形ノズ
ルボックスを具える蒸気タービンのタービンロータにと
って、最も熱負荷が厳しくなる、複流形ノズルボック
ス、調速段動翼植込みディスクで密閉され、タービンロ
ータ表面に形成される被包空間に、積極的に冷却蒸気を
供給し、タービンロータ表面温度の上昇を緩和し、蒸気
条件が厳しくなっても、タービンロータの変形を防止す
るようにした蒸気タービンロータ冷却装置を提供するこ
とを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の蒸気タービンロ
ータ冷却装置は、次の手段とした。 (1)調速段動翼植込みディスクに、タービンロータ軸
方向の蒸気バイパス孔を穿設するとともに、調速段動翼
入口側の蒸気バイパス孔の開口を調速段動翼出口側の蒸
気バイパス孔の開口より径方向に遠い外側に配置し、蒸
気バイパス孔のタービンロータ軸心からの位置が調速段
動翼出口側から入口側に向けて遠くなるように傾斜させ
て設けた。 (2)タービンロータの軸方向に離隔して外周に突設さ
れた2つの調速段動翼植込みディスクの対向する側部、
2つの調速段動翼植込みディスクの間に挿入される複流
形ノズルボックスの内周面、およびタービンロータの外
周で形成される被包空間と、調速段動翼出口側に形成さ
れた排気空間とを連通するノズルボックスバイパス孔を
複流形ノズルボックスに穿設して設けた。
【0009】他の本発明の蒸気タービンロータ冷却装置
は、上記(1),(2)の手段に加え、次の手段とし
た。 (3)タービンロータの外径は、調速段動翼植込みディ
スクが突設されている位置から、2つの調速段動翼植込
みディスクの間の略中心に向けて増大する軸方向傾斜が
付けられたものとした。
【0010】さらに、他の本発明の蒸気タービンロータ
冷却装置は、上記(1),(2)の手段に加え、又は上
記(1),(2),(3)の手段に加え、次の手段とし
た。 (5)2つの調速段動翼植込みディスクの間の略中心
に、その中心線を持つ仕切用ディスクを、タービンロー
タの外周に突設して設けた。 (6)仕切用ディスクに対向して配設された複流形ノズ
ルボックスの内周面に凹部を形成するとともに、この凹
部とノズルボックスバイパス孔とを連通した。
【0011】
【作用】本発明の蒸気タービンロータ冷却装置は、 (1)調速段動翼植込みディスクに、調速段動翼の出口
側から入口側に向けてタービンロータ軸心から遠ざかる
方向に傾斜した蒸気バイパス孔を設けたので、タービン
ロータ回転による遠心力によりポンピング作用が生じ、
調速段動翼を駆動することにより、蒸気温度が低下した
冷却蒸気が蒸気バイパス孔を通って被包空間に供給され
る。 (2)被包空間から排気空間へ連通するノズルボックス
バイパス孔を設けることにより、被包空間内に蒸気が滞
留することなく常時排出され換気される。
【0012】従って、タービンロータ回転の風損に伴う
温度上昇および複流形ノズルボックスと調速段動翼植込
みディスクとの間に設けられた隙間からの、調速段動翼
に入る前の高温蒸気の流入があっても、冷却蒸気との混
合による温度低下、およびノズルボックスバイパス孔を
介しての、被包空間から排気空間への蒸気排出により、
被包空間内の温度上昇は緩和され、被包空間に露出する
タービンロータ外周面の温度上昇を低減でき、その変形
を防止できる。
【0013】また、他の本発明の蒸気タービンロータ冷
却装置は上記(1),(2)の作用に加え、 (3)タービンロータの軸径が、2つの調速段動翼植込
みディスクの間の略中心位置に向かって大きくなるよう
に、軸方向に傾斜がつけられて形成されているので、タ
ービンロータの回転に伴って、タービンロータ表面上の
蒸気には、作用する遠心力の子午線方向分力が生じ、軸
径の増大する方向に、蒸気バイパス孔から流入した冷却
蒸気は、略中心位置に向けて加速され、タービンロータ
表面に沿って流れる。
【0014】従って、タービンロータ表面は冷却蒸気に
より覆われ、隙間等からの高温蒸気との接触が遮断され
て、タービンロータ外周面の温度上昇がさらに緩和され
て、より厳しい蒸気条件の下でも、タービンロータの変
形を防止できる。
【0015】また、他の本発明の蒸気タービンロータ冷
却装置は、上記(1),(2)又は(1),(2),
(3)の作用に加え (4)2つの調速段動翼植込みディスクの間の略中心、
タービンロータ外周面に仕切用ディスクを設けたので、
仕切用ディスクの回転による遠心力作用により、左右の
調速段動翼植込みディスクに設けた蒸気バイパス孔を通
って被包空間に流入した冷却蒸気と隙間からの高温蒸気
との混合蒸気は昇圧しつつ、タービンロータ回転と同じ
方向の旋回速度が与えられ、タービンロータから遠ざか
る方向、すなわち複流形ノズルボックスの内周面に向け
て流れ込む。 (5)また、仕切用ディスクと対向して複流形ノズルボ
ックスの内周面に凹部を設けているので、仕切用ディス
クの回転に伴い複流形ノズルボックス内周面に流入した
混合蒸気は、この凹部で効果的に昇圧されて、凹部に連
接されているノズルボックスバイパス孔を介して、排気
空間に排気される。
【0016】従って、被包空間内の換気、循環がより促
進され、被包空間内の温度上昇をさらに緩和でき、蒸気
タービンの効率化等に伴う、より厳しい蒸気条件下で
も、タービンロータの曲り等の変形を効果的に防止する
ことができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の蒸気タービンロータ冷却装置
の実施例を図面により説明する。図1、図2は本発明の
第1実施例を示すための複流形ノズルボックスを有する
蒸気タービン高圧部の断面図、および調速段動翼植込み
ディスクのタービンロータへの取付部近傍の拡大図であ
る。
【0018】タービンケーシングに設けられた軸受に支
持されたタービンロータ7の外周には、軸方向に離隔し
て、対称に調速段動翼植込みディスク18が突設されて
いる。調速段動翼植込みディスク18の周縁にそれぞれ
嵌合、固着された調速段動翼6の入口に対向して、その
内部に設けた調速段静翼5の出口が配置されるように、
2つの調速段動翼植込みディスク18,18の間に複流
形ノズルボックス4が挿入、設置されている。この調速
段動翼植込みディスク18,18には、蒸気バイパス孔
11が、調速段動翼の出口側の開口13に対して調速段
動翼の入口側の開口12が半径方向に高くなるようにし
て穿設された、蒸気バイパス孔11が軸方向に傾斜して
設けられている。これらの蒸気バイパス孔11は、2つ
の調速段動翼植込みディスク18,18にそれぞれ同数
で、円周方向に複数個設置されている。
【0019】また、この2つの調速段動翼植込みディス
ク18,18に挟まれたタービンロータ7の外周は蒸気
バイパス孔11の調速段動翼11入口側の開口12部か
ら2つの調速段動翼植込みディスク18,18間の中央
部14に向ってその外径15を徐々に高くなるように傾
斜がつけられている。
【0020】更に、複流形ノズルボックス4の下面、す
なわち、内周面20と、調速段動翼植込みディスク1
8,18の対向する側面と、タービンロータ7の外周面
14,15とで囲まれる被包空間8が設けられており、
この被包空間8と調速段動翼6出口に連絡する排気空間
9とを結ぶノズルボックスバイパス孔10が設けられて
いる。このノズルボックスバイパス孔10は調速段動翼
植込みディスク18,18の中央部14の近接した位置
に、それぞれ開口し斜め上方に傾斜させて排気空間9に
開口する2つの孔が複流形ノズルボックス14内に穿設
されて設けられている。なお、蒸気タービンにおいて
は、多数の動翼、静翼が設けられるが、これ等の説明を
省略した。
【0021】本実施例は、上記の様に構成されるので、
ボイラから供給された高温、高圧の蒸気1は、複流形ノ
ズルボックス4で2方向に分岐し、分岐した蒸気1Aは
調速段静翼5から噴出して調速段動翼6を作動させると
ともに、その極く一部は複流形ノズルボックス4と調速
段動翼植込みディスク18の間の隙間30を通って、被
包空間8に流入する。調速段動翼6を作動して、温度、
圧力が降下した蒸気1Bは、タービンケーシングに配設
された静翼を通って高圧部動翼へと流出していくが、蒸
気1Bの一部は、バイパス流3となって、蒸気バイパス
孔11を通って被包空間8に導入される。
【0022】調速段動翼植込みディスク18に設けた、
蒸気バイパス孔11を半径方向に傾斜させたことによ
り、ポンピング作用が生じ、動翼出口13から動翼入口
12へ向う昇圧したバイパス流れ3が生じ、ノズルボッ
クス4とロータ7で囲まれた被包空間8に流れ込む。更
に、蒸気バイパス孔11の調速段動翼6の入口側の開口
12から中央部14にかけて、タービンロータ7の外径
15が徐々に高くなるように傾斜して形成されているた
め、タービンロータ7回転に伴ってタービンロータ7表
面上の蒸気には、図2に示すように、作用する遠心力1
6の子午線方向分力17が生じるので、半径の増大する
方向、すなわち開口12からタービンロータの中央部1
4に向って、バイパス流れ3が加速させられ、積極的に
運搬される。
【0023】一方、被包空間8には隙間30から高温漏
洩蒸気2も侵入するが、タービンロータ7表面は、表面
に沿って流れる低温のバイパス蒸気3により覆われるた
め、タービンロータ7表面が、この高温漏洩蒸気2に直
接晒されることがなく、タービンロータ7表面の高温化
を防止する効果がある。また、被包空間8では、高温漏
洩蒸気2とバイパス蒸気3の流入により昇圧され、調速
段動翼6の出口側の圧力より高くなるので、これらは混
合蒸気19となってノズルボックスバイパス孔10を介
して、低圧側の調速段動翼6出口に連絡する排気空間9
へ排気される。このため、被包空間8で蒸気が高温によ
どむことなく、常に低温蒸気を循環させる効果がある。
【0024】このように、本実施例の蒸気タービンロー
タ冷却装置では、タービンロータ7表面が高温蒸気に直
接晒されることなく冷却されるので、タービンロータ7
のクリープ強度低下が防止され、経年的なロータ曲りが
防止されるためタービン信頼性向上に多大な効果があ
る。
【0025】次に、図3、図4は本発明の第2実施例を
示す図であって、図3(A)は複流形ノズルボックスを
備えた蒸気タービン高圧部の縦断面図、図3(B)は仕
切用ディスクの斜視図、図4は図3(A)の矢視A−A
で切断した横断面図である。これらの図において、図
1、図2と同じ符番を付したものは、第1実施例で説明
したものと同じであるので説明を省略する。
【0026】調速段動翼植込みディスク18の間のター
ビンロータ7外径は、第1実施例と異り軸方向の傾斜は
設けられてなく、略同径に形成されている。そして、タ
ービンロータ7の中央部外周には鍔状の仕切用ディスク
21が突設され、被包空間8を左右に分離している。こ
の仕切用ディスク21には、円周方向等間隔に複数個の
短翼あるいはリブ25を設けても良い。また複流形ノズ
ルボックス4には、被包空間8と排気空間9とを連絡す
る、ノズルボックスバイパス孔10が設置されている
が、このノズルボックスバイパス孔10の入口部23
は、調速段動翼植込みディスク18,18の間の中央部
14で、仕切用ディスク21に対向する位置に設置さ
れ、途中から分岐して左右の排気空間9,9に連通され
ている。またノズルボックスバイパス孔10の入口部2
3を含む複流形ノズルボックス4の下面、即ち、内周面
20には円周方向に凹部22が形成されている。また、
このノズルボックスバイパス孔10は、図4に示すよう
に複流形ノズルボックス4の水平継手面に4箇所設置す
るものとする。なお、ここには図示していないが最頂部
や最底部に設置しても良い。ノズルボックスバイパス孔
10の入口部23近傍の複流形ノズルボックス下面凹部
22は、タービンロータ7回転方向24に対して、入口
部23より上流側26はその半径方向位置が緩やかに高
くなるように形成されている。
【0027】本実施例においても、調速段動翼植込みデ
ィスク18の蒸気バイパス孔11を、半径方向に傾斜さ
せたことによりポンピング作用が生じ、調速段動翼出口
側開口13から調速段動翼入口側開口12へ向う昇圧し
たバイパス流れ3が生じ、被包空間8に流れ込む。一
方、隙間30からの漏洩蒸気2も被包空間8に流れ込
み、最終的にはバイパス蒸気3と共に混合蒸気19とな
って調速段動翼植込みディスク18,18の中央部14
に運び込まれる。本実施例では、中央部14では仕切用
ディスク21の回転による遠心力作用が生じるので、左
右からの混合蒸気19は昇圧しつつ、タービンロータ回
転方向24と同じ方向の旋回速度が与えられて、半径方
向の外側、すなわち複流形ノズルボックス内周面20に
設けた円周方向凹部22へ流れ込む。凹部22へ強制的
に流れ込んだ混合蒸気19は、入口部23からノズルボ
ックスバイパス孔10を介して排気空間9へ排気され
る。
【0028】従って、本実施例においても、調速段動翼
出口側の低温蒸気1Bのバイパス流3を被包空間8に押
込む効果があり、この押込まれた低温のバイパス流3
は、仕切用ディスク21の回転により中央部14近傍の
圧力が低下しているので、タービンロータ7表面に沿っ
て中央部14まで運搬させられ、その過程でロータ表面
を冷却する効果がある。一方、隙間30から高温漏洩蒸
気2も被包空間8に侵入するが、タービンロータ7表面
は、低温のバイパス蒸気3により覆われるため、この高
温漏洩蒸気2に直接晒されることがないので、高温化が
防止される。
【0029】また、これらの漏洩蒸気2とバイパス蒸気
3は最終的には、混合蒸気19となって中央部14まで
運搬された後、仕切用ディスク21の回転による遠心力
作用により昇圧されつつ、複流形ノズルボックス4内周
面20に設けた凹部22に、タービンロータ回転方向2
4と同じ方向に旋回しながら流込むので、入口部23か
らスムーズにノズルボックスバイパス孔10を介して、
低圧側の動翼出口に連絡する排気空間9へ排気されるた
め、被包空間8が高温状態でよどむことなく、常に低温
蒸気を循環させる効果がある。
【0030】また、仕切用ディスク21によって、左右
の被包空間8は中央部14で流体的に分離独立し、一方
から他方へ混合蒸気19が流込むことが防止されるの
で、左右のタービンロータ7の表面温度が、より均一化
する効果がある。
【0031】このように、タービンロータ7表面が高温
蒸気に直接晒されることなく、それぞれ左右独立で常に
循環する低温蒸気により冷却されるので、タービンロー
タ7のクリープ強度低下が防止され、経年的なタービン
ロータ7の曲りが防止されるためタービンロータ信頼性
向上に多大な効果がある。
【0032】
【発明の効果】上述の本発明の蒸気タービンロータ冷却
装置によれば、特許請求の範囲に示す構成により、 (1)複流形ノズルボックスの蒸気よりも低温の、調速
段動翼出口側蒸気の一部である低温のバイパス流が、蒸
気バイパス孔を調速段動翼の入口側に向って、半径方向
に高くなるように傾斜させているため、ポンピング作用
が生じ、昇圧しながら被包空間に押込まれる。押込まれ
たバイパス蒸気は、タービンロータ表面に沿って中央部
まで運搬させられ、その過程でタービンロータ表面を冷
却する効果がある。従って、隙間から高温漏洩蒸気が被
包空間に侵入しても、タービンロータ表面はバイパス蒸
気により遮断され、タービンロータ表面がこの高温漏洩
蒸気に直接晒されることが少なく、表面の高温化を防止
できる。さらに、これらの漏洩蒸気とバイパス蒸気は、
最終的には混合蒸気となって、中央部まで運搬された
後、ノズルボックスバイパス孔を介して低圧側の排気空
間へ排気されるため、被包空間の高温蒸気の澱みを防止
でき、常に低温蒸気が循環し、高温化が防止される効果
がある。
【0033】また、他の本発明のタービンロータ冷却装
置は、上記(1)の効果に加え、 (2)タービンロータ外径を、蒸気バイパス孔の調速段
動翼の入口側開口から中央部に向って高くなるように傾
斜させているため、被包空間に流入したバイパス蒸気
は、タービンロータ回転に伴う、遠心力の子午線方向分
力により加速させられ、タービンロータ表面に沿って中
央部に向って積極的に運搬させられるので、隙間からの
高温漏洩蒸気の侵入があっても、タービンロータ表面は
低温のバイパス蒸気3により一層効果的に覆われ、ター
ビンロータ表面の高温化をより一層効果的に防止できる
効果がある。
【0034】さらに、他の本発明のタービン冷却装置
は、上記(1)の効果、又は上記(1),(2)の効果
に加え、 (3)被包空間内の混合蒸気は、仕切用ディスク回転に
よる遠心力作用により昇圧されつつ、複流形ノズルボッ
クス内周面に設けた凹部に、タービンロータ回転方向に
旋回しながら流込むので、入口部からスムーズにノズル
ボックスバイパス孔を介して、低圧側の排気空間へ排気
され、被包空間8の高温状態での澱みが、より効果的防
止できる。さらにまた、仕切用ディスクによって被包空
間は、中央部から左右に流体的に分離独立させることが
でき、一方から他方へ混合蒸気が流込みが防止されるの
で、左右のタービンロータの表面温度がより均一化され
る。このように、タービンロータ表面が高温蒸気に直接
晒されることなく、それぞれ左右独立で常に循環する低
温蒸気により冷却されるので、タービンロータのクリー
プ強度低下が防止され、経年的な曲りが防止されるため
タービンロータ信頼性向上に多大な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸気タービンロータ冷却装置の第1実
施例を示す、蒸気タービン高圧部の縦断面図、
【図2】図1の調速段動翼植込みディスクのタービンロ
ータへの取付部近傍を示す拡大図、
【図3】本発明の第2実施例を示す図であって、図3
(A)は蒸気タービン高圧部の縦断面図、図3(B)は
仕切用ディスクの斜視図、
【図4】図3(A)の矢視A−A横断面図、
【図5】従来の複流形ノズルボックスを具える蒸気ター
ビン高圧部の縦断面図である。
【符号の説明】
1 ボイラからの供給蒸気 2 高温漏洩蒸気 3 バイパス流 4 複流形ノズルボックス 5 調速段静翼 6 調速段動翼 7 タービンロータ 8 被包空間 9 排気空間 10 ノズルボックスバイパス孔 11 蒸気バイパス孔 12 調速段動翼入口側開口 13 調速段動翼出口側開口 14 調速段動翼植込みディスクの中央部 15 タービンロータ外径 16 タービンロータ外径上の遠心力 17 遠心力16による子午線方向分力 18 調速段動翼植込みディスク 19 混合蒸気 20 複流側ノズルボックス内周面 21 仕切用ディスク 22 凹部 23 ノズルボックスバイパス孔入口部 24 タービンロータ回転方向 25 リブ 26 上流側 30 隙間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タービンロータの外周に、軸方向に離隔
    して配設された2つの調速段動翼植込みディスクの間に
    挿入され、前記調速段動翼植込ディスクの外周に固着さ
    れた調速段動翼を駆動する蒸気を供給する、複流形ノズ
    ルボックスを具えた蒸気タービンのタービンロータ冷却
    装置において、前記調速段動翼の入口側開口が出口側開
    口より大きい径方向に配置され、傾斜して配設され、前
    記調速段動翼植込みディスク内に軸方向に穿設された蒸
    気バイパス孔と、前記調速段動翼植込みディスクの側
    部、前記タービンロータの外周面および前記複流形ノズ
    ルボックスの内周面で区画された被包空間と前記調速段
    動翼の出口側に連通する排気空間とを連通し前記複流形
    ノズルボックスに穿設されたノズルボックスバイパス孔
    とを具えていることを特徴とする蒸気タービンロータ冷
    却装置。
  2. 【請求項2】 前記タービンロータは、離隔して配設さ
    れた2つの前記調速段動翼植込みディスクの略中心向け
    て外径が大きくなる軸方向傾斜が設けられていることを
    特徴とする請求項1の蒸気タービンロータ冷却装置。
  3. 【請求項3】 前記タービンロータは、離隔して配設さ
    れた2つの調速段動翼植込みディスクの略中心外周に突
    設された仕切用ディスクを具えるとともに、前記複流形
    ノズルボックスは、前記仕切用ディスクに対向する内周
    面に前記ノズルボックスバイパス孔に連通する凹部が形
    成されていること特徴とする請求項1又は請求項2の蒸
    気タービンロータ冷却装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009203984A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 General Electric Co <Ge> 複流タービンのタブ部分を冷却する装置および方法
JPWO2017033227A1 (ja) * 2015-08-21 2018-03-08 三菱重工コンプレッサ株式会社 蒸気タービン

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