JPH0789456B2 - 密閉型リレー用滑性ポリウレタン銅線及びこれの製造に用いる焼付炉 - Google Patents
密閉型リレー用滑性ポリウレタン銅線及びこれの製造に用いる焼付炉Info
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- JPH0789456B2 JPH0789456B2 JP2257924A JP25792490A JPH0789456B2 JP H0789456 B2 JPH0789456 B2 JP H0789456B2 JP 2257924 A JP2257924 A JP 2257924A JP 25792490 A JP25792490 A JP 25792490A JP H0789456 B2 JPH0789456 B2 JP H0789456B2
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- JP
- Japan
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- copper wire
- baking
- polyurethane
- nitrogen gas
- baking furnace
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- Processes Specially Adapted For Manufacturing Cables (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は密閉型リレー用ポリウレタン銅線及びこれの製
造に用いる焼付炉に関するものである。
造に用いる焼付炉に関するものである。
ポリウレタン銅線は、ポリオール樹脂及びポリイソシア
ネート化合物をクレゾール、フェノール、キシレン等の
有機溶剤に溶解したポリウレタン塗料を導体上に塗布、
焼付けして製造されるが、コイル巻線時の加工劣化や繰
出し時の断線を防止するため、通常絶縁皮膜上に流動パ
ラフィン、冷凍機油等の液体潤滑剤を塗布して巻線性の
改善を図っている。最近、リレー接点部及びポリウレタ
ン銅線を巻線した駆動コイル全体をプラスチック内に納
めた、呼称密閉型リレーが産業機器に多用されるに至っ
ている。この密閉型リレーは外部環境からの影響は受け
にくいが、半面密閉ケース内に接点及び駆動コイルが存
在するため、接点活性化(接点部を汚し、劣化させる作
用)を起こすガス状有機物質と共存化し、接点の劣化を
受け易くなお。このガス状有機物質としては、ポリウレ
タン銅線の絶縁皮膜上に塗布されている液体潤滑剤及び
絶縁皮膜中に内在している有機溶剤(以下残留溶剤と略
記する)が知られており、リレー作動中にコイルの温度
が上昇し、これらの物質が蒸発してガス化され密閉ケー
ス内に充満すると、接点の開閉時に発生するアークの作
用で生成した炭素或はアークにより重合して生成した低
分子物質が接点に付着する結果、アーク継続時間が長く
なり、接点の消耗を早める原因となっていた。
ネート化合物をクレゾール、フェノール、キシレン等の
有機溶剤に溶解したポリウレタン塗料を導体上に塗布、
焼付けして製造されるが、コイル巻線時の加工劣化や繰
出し時の断線を防止するため、通常絶縁皮膜上に流動パ
ラフィン、冷凍機油等の液体潤滑剤を塗布して巻線性の
改善を図っている。最近、リレー接点部及びポリウレタ
ン銅線を巻線した駆動コイル全体をプラスチック内に納
めた、呼称密閉型リレーが産業機器に多用されるに至っ
ている。この密閉型リレーは外部環境からの影響は受け
にくいが、半面密閉ケース内に接点及び駆動コイルが存
在するため、接点活性化(接点部を汚し、劣化させる作
用)を起こすガス状有機物質と共存化し、接点の劣化を
受け易くなお。このガス状有機物質としては、ポリウレ
タン銅線の絶縁皮膜上に塗布されている液体潤滑剤及び
絶縁皮膜中に内在している有機溶剤(以下残留溶剤と略
記する)が知られており、リレー作動中にコイルの温度
が上昇し、これらの物質が蒸発してガス化され密閉ケー
ス内に充満すると、接点の開閉時に発生するアークの作
用で生成した炭素或はアークにより重合して生成した低
分子物質が接点に付着する結果、アーク継続時間が長く
なり、接点の消耗を早める原因となっていた。
小型密閉型リレーは導体径0.02〜0.05mm位の細径のポリ
ウレタン銅線を用い10,000〜13,000r・p・mの速さで
巻線するため、皮膜表面の滑り性が特に重要視され、有
機ガスが発生するからといって、直ちに液体潤滑剤の使
用を止めることは巻線作業性を低下させるので不可能で
あった。そこで、この対策としてポリウレタン塗料中に
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系の
合成樹脂、低分子量のふっ素樹脂又はワックス、ミツロ
ウ等の固形ワックス類を添加し、皮膜に自己潤滑性(滑
り性)を付与する技術も知られているが、とこれらの固
体潤滑剤は有機溶剤に対する溶解性、塗料の安定性、及
び塗布作業性に問題があり、また、皮膜中の残留溶剤に
ついても考慮されていなかった。
ウレタン銅線を用い10,000〜13,000r・p・mの速さで
巻線するため、皮膜表面の滑り性が特に重要視され、有
機ガスが発生するからといって、直ちに液体潤滑剤の使
用を止めることは巻線作業性を低下させるので不可能で
あった。そこで、この対策としてポリウレタン塗料中に
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系の
合成樹脂、低分子量のふっ素樹脂又はワックス、ミツロ
ウ等の固形ワックス類を添加し、皮膜に自己潤滑性(滑
り性)を付与する技術も知られているが、とこれらの固
体潤滑剤は有機溶剤に対する溶解性、塗料の安定性、及
び塗布作業性に問題があり、また、皮膜中の残留溶剤に
ついても考慮されていなかった。
そこで、本願発明者等は上記液体潤滑剤及び絶縁皮膜中
の残留溶剤による接点活性化を防止するため、ポリウレ
タン塗料面から検討し、既に滑性ポリウレタン絶縁電線
(特開昭63-178410)として特許を出願済である。この
発明により、接点活性化を促進する液体潤滑剤を使用せ
ずに皮膜に滑り性を付与することが可能となり、かつ絶
縁皮膜中の残留溶剤の量を低減することが可能となって
いる。しかしながら、この手段を講じても依然として密
閉型リレーの接点表面に付着する物質があることが分か
り種々研究、検討した結果、この物質は滑性ポリウレタ
ン銅線製造時、焼付硬化工程において自己潤滑性ポリウ
レタン塗料から生成し絶縁皮膜上に吸着された低分子物
及び熱分解物(以下スタックロスと略記する)が絶縁皮
膜の表面に吸着されたものであることが判明した。
の残留溶剤による接点活性化を防止するため、ポリウレ
タン塗料面から検討し、既に滑性ポリウレタン絶縁電線
(特開昭63-178410)として特許を出願済である。この
発明により、接点活性化を促進する液体潤滑剤を使用せ
ずに皮膜に滑り性を付与することが可能となり、かつ絶
縁皮膜中の残留溶剤の量を低減することが可能となって
いる。しかしながら、この手段を講じても依然として密
閉型リレーの接点表面に付着する物質があることが分か
り種々研究、検討した結果、この物質は滑性ポリウレタ
ン銅線製造時、焼付硬化工程において自己潤滑性ポリウ
レタン塗料から生成し絶縁皮膜上に吸着された低分子物
及び熱分解物(以下スタックロスと略記する)が絶縁皮
膜の表面に吸着されたものであることが判明した。
ポリウレタン銅線の製造について第3図を用いて説明す
る。ポリウレタン銅線の製造は、連続して走行する導体
1の外周上に塗料塗布装置2によりポリウレタン塗料を
塗布し焼付炉3に導入し焼付硬化するという塗布、焼付
硬化工程を複数回繰り返し所定厚さの絶縁皮膜を形成す
ることにより行なわれる。この際、ポリウレタン塗料が
塗布された導体1は高温(約250〜400℃)に加熱された
焼付炉3内に入ると炉内の加熱空気に接触して加熱さ
れ、塗料中の溶剤が蒸発することにより塗膜が硬化形成
し、均一な厚さのポリウレタン絶縁皮膜が導体1の外周
上に形成されるものである。
る。ポリウレタン銅線の製造は、連続して走行する導体
1の外周上に塗料塗布装置2によりポリウレタン塗料を
塗布し焼付炉3に導入し焼付硬化するという塗布、焼付
硬化工程を複数回繰り返し所定厚さの絶縁皮膜を形成す
ることにより行なわれる。この際、ポリウレタン塗料が
塗布された導体1は高温(約250〜400℃)に加熱された
焼付炉3内に入ると炉内の加熱空気に接触して加熱さ
れ、塗料中の溶剤が蒸発することにより塗膜が硬化形成
し、均一な厚さのポリウレタン絶縁皮膜が導体1の外周
上に形成されるものである。
前記焼付炉3内の温度分布は、通常入口側部分でやや温
度の低い溶剤蒸発帯と中央から出口側部分にかけて高温
度の塗膜(塗料)硬化帯に区分されている。そして、特
に硬化帯においては、塗膜(塗料)の硬化と同時に、こ
の塗膜(塗料)の一部が加熱分解(スタックロス化)
し、分解物が炉内に浮遊し、最終の焼付硬化工程におい
て炉の出口側附近でポリウレタン銅線の絶縁皮膜の表面
に吸着するものである。このスタックロスをポリウレタ
ン絶縁皮膜の表面から除去する手段はポリウレタン銅線
の製造中にはとられていなかったため、リレー組立ての
段階でコイルを長時間加熱処理(一例として130℃×2
時間)してスタックロスを除去しなければならないとい
う問題があり、また、この工程は煩雑なので加熱処理工
程の不要な密閉型リレー用滑性ポリウレタン銅線(以
下、密閉型リレー用ポリウレタン銅線と略記する)が強
く要求されていた。
度の低い溶剤蒸発帯と中央から出口側部分にかけて高温
度の塗膜(塗料)硬化帯に区分されている。そして、特
に硬化帯においては、塗膜(塗料)の硬化と同時に、こ
の塗膜(塗料)の一部が加熱分解(スタックロス化)
し、分解物が炉内に浮遊し、最終の焼付硬化工程におい
て炉の出口側附近でポリウレタン銅線の絶縁皮膜の表面
に吸着するものである。このスタックロスをポリウレタ
ン絶縁皮膜の表面から除去する手段はポリウレタン銅線
の製造中にはとられていなかったため、リレー組立ての
段階でコイルを長時間加熱処理(一例として130℃×2
時間)してスタックロスを除去しなければならないとい
う問題があり、また、この工程は煩雑なので加熱処理工
程の不要な密閉型リレー用滑性ポリウレタン銅線(以
下、密閉型リレー用ポリウレタン銅線と略記する)が強
く要求されていた。
本発明は、かかる上記従来技術の有する問題点を解決す
るために為されたものであり、コイル段階での長時間加
熱処理を不要とした密閉型リレー用ポリウレタン銅線及
びこれの製造に用いる焼付炉を提供することを目的とす
る。
るために為されたものであり、コイル段階での長時間加
熱処理を不要とした密閉型リレー用ポリウレタン銅線及
びこれの製造に用いる焼付炉を提供することを目的とす
る。
上記目的を達成するために本発明は、走行する導体上に
塗料塗布装置により自己潤滑性ポリウレタン塗料を塗布
し、焼付炉に導入し焼付硬化する塗布、焼付硬化工程を
複数回繰り返し、所定厚さの絶縁皮膜を形成した後、連
続して、前記焼付炉に設置され、該焼付炉内の加熱空気
により炉内の温度と熱的に平衡になるまで加熱された高
温窒素ガス雰囲気の管路内を通過させることにより、前
記焼付硬化工程で自己潤滑性ポリウレタン塗料から生成
し絶縁皮膜上に吸着された低分子物及び熱分解物が高温
窒素ガスにて洗浄され除去されている密閉形リレー用ポ
リウレタン銅線にある。更に本発明は、焼付炉入口側に
窒素ガス導入管を設け、当該導入管と連結し、走行する
線が貫通し、開孔口を両端末に有する管路を焼付炉内の
各番線毎に設け、窒素ガスを流入する,密閉型リレー用
ポリウレタン銅線の製造に用いる焼付炉にある。
塗料塗布装置により自己潤滑性ポリウレタン塗料を塗布
し、焼付炉に導入し焼付硬化する塗布、焼付硬化工程を
複数回繰り返し、所定厚さの絶縁皮膜を形成した後、連
続して、前記焼付炉に設置され、該焼付炉内の加熱空気
により炉内の温度と熱的に平衡になるまで加熱された高
温窒素ガス雰囲気の管路内を通過させることにより、前
記焼付硬化工程で自己潤滑性ポリウレタン塗料から生成
し絶縁皮膜上に吸着された低分子物及び熱分解物が高温
窒素ガスにて洗浄され除去されている密閉形リレー用ポ
リウレタン銅線にある。更に本発明は、焼付炉入口側に
窒素ガス導入管を設け、当該導入管と連結し、走行する
線が貫通し、開孔口を両端末に有する管路を焼付炉内の
各番線毎に設け、窒素ガスを流入する,密閉型リレー用
ポリウレタン銅線の製造に用いる焼付炉にある。
本発明の密閉型リレー用ポリウレタン銅線の製造時、焼
付硬化工程で自己潤滑性ポリウレタン塗料から生成し絶
縁皮膜の表面に吸着されたスタックロスは、本発明の焼
付炉3内に設けられ、窒素ガス13を流入した管路11a〜1
1d内を通過させることにより、焼付炉3の炉温まで加熱
された高温窒素ガスによりガス化し絶縁皮膜の表面から
遊離され、再度皮膜に付着しないうちに高温窒素ガスと
共に系外に追い出される。従って皮膜表面のスタックロ
スが洗浄された表面クリーンな密閉型リレー用ポリウレ
タン銅線が得られるものであり、更に絶縁皮膜内部の残
留溶剤も高温窒素ガスにより蒸発して系外に追い出され
る。
付硬化工程で自己潤滑性ポリウレタン塗料から生成し絶
縁皮膜の表面に吸着されたスタックロスは、本発明の焼
付炉3内に設けられ、窒素ガス13を流入した管路11a〜1
1d内を通過させることにより、焼付炉3の炉温まで加熱
された高温窒素ガスによりガス化し絶縁皮膜の表面から
遊離され、再度皮膜に付着しないうちに高温窒素ガスと
共に系外に追い出される。従って皮膜表面のスタックロ
スが洗浄された表面クリーンな密閉型リレー用ポリウレ
タン銅線が得られるものであり、更に絶縁皮膜内部の残
留溶剤も高温窒素ガスにより蒸発して系外に追い出され
る。
本発明の密閉型リレー用ポリウレタン銅線及びこれの製
造に用いる焼付炉の一実施例について第1図及び第2図
を用いて説明する。
造に用いる焼付炉の一実施例について第1図及び第2図
を用いて説明する。
第1図は本発明の密閉型リレー用ポリウレタン銅線の製
造に用いられる窒素ガス雰囲気の管路11a〜11dを内在
し、窒素ガス導入管12を設けた本発明の焼付炉3の斜視
図であり、絶縁皮膜上に吸着されたスタックロスの洗
浄、除去について説明する。先ず、窒素ガス導入管12か
ら導入された窒素ガス13は各番線毎に設けられている管
路11a〜11d内に流入し、前記焼付炉3内の加熱空気によ
り炉内の温度と熱的に平衡になるまで加熱され、最終の
焼付硬化工程で絶縁皮膜上に吸着されたスタックロスを
洗浄した後前記管路11a〜11dの両端末の開孔口11ao〜11
doより系外に放出される。
造に用いられる窒素ガス雰囲気の管路11a〜11dを内在
し、窒素ガス導入管12を設けた本発明の焼付炉3の斜視
図であり、絶縁皮膜上に吸着されたスタックロスの洗
浄、除去について説明する。先ず、窒素ガス導入管12か
ら導入された窒素ガス13は各番線毎に設けられている管
路11a〜11d内に流入し、前記焼付炉3内の加熱空気によ
り炉内の温度と熱的に平衡になるまで加熱され、最終の
焼付硬化工程で絶縁皮膜上に吸着されたスタックロスを
洗浄した後前記管路11a〜11dの両端末の開孔口11ao〜11
doより系外に放出される。
第2図は本発明の密閉型リレー用ポリウレタン銅線の製
造に用いられる,本発明の焼付炉を有する製造装置を示
す平面図であり、更に詳しく説明する。導体1a、1bとし
て0.048mmφの銅線を用い、線速90m/minでフェルト引用
の塗料塗布装置2により当社製の自己潤滑性ポリウレタ
ン塗料(濃度25%)を塗布した後本発明の焼付炉3(炉
長2m横型炉、炉温300℃)に導入して焼付硬化するとい
う塗布、焼付硬化工程を7回繰り返し、3種相当の絶縁
皮膜を設けた後、連続して、焼付炉3内に設けた高温窒
素ガス雰囲気の管路11a、11b(10mmφ×2.1m長)内を通
過させ、絶縁皮膜上に吸着されたスタックロスを洗浄し
除去して表面クリーンな密閉型リレー用ポリウレタン銅
線10a、10bを製造した。
造に用いられる,本発明の焼付炉を有する製造装置を示
す平面図であり、更に詳しく説明する。導体1a、1bとし
て0.048mmφの銅線を用い、線速90m/minでフェルト引用
の塗料塗布装置2により当社製の自己潤滑性ポリウレタ
ン塗料(濃度25%)を塗布した後本発明の焼付炉3(炉
長2m横型炉、炉温300℃)に導入して焼付硬化するとい
う塗布、焼付硬化工程を7回繰り返し、3種相当の絶縁
皮膜を設けた後、連続して、焼付炉3内に設けた高温窒
素ガス雰囲気の管路11a、11b(10mmφ×2.1m長)内を通
過させ、絶縁皮膜上に吸着されたスタックロスを洗浄し
除去して表面クリーンな密閉型リレー用ポリウレタン銅
線10a、10bを製造した。
比較例として、前記実施例と同様にして導体上に3種相
当の絶縁皮膜を設けた後、高温窒素ガス雰囲気の管路内
は通過させずに密閉型リレー用ポリウレタン銅線を製造
した。
当の絶縁皮膜を設けた後、高温窒素ガス雰囲気の管路内
は通過させずに密閉型リレー用ポリウレタン銅線を製造
した。
なお、本発明実施例密閉型リレー用ポリウレタン銅線と
窒素ガス洗浄なしの比較例の密閉型リレー用ポリウレタ
ン銅線の特性について試験した結果を表1に示した。ま
た、実施例及び比較例の密閉型リレー用ポリウレタン銅
線をコイル巻線し、密閉型リレー用コイルを製造した。
このリレー用コイルの特性試験として、規定回数接点を
オン−オフした後の接点接触抵抗を測定し、その結果を
第4図及び第5図に示した。これらの試験結果から明ら
かなように、本発明の密閉型リレー用ポリウレタン銅線
は、発生ガス量が極めて少なく、そして、この線を用い
た密閉型リレー用コイルは100万回オン−オフを繰り返
しても接点接触抵抗が増大しなかった。
窒素ガス洗浄なしの比較例の密閉型リレー用ポリウレタ
ン銅線の特性について試験した結果を表1に示した。ま
た、実施例及び比較例の密閉型リレー用ポリウレタン銅
線をコイル巻線し、密閉型リレー用コイルを製造した。
このリレー用コイルの特性試験として、規定回数接点を
オン−オフした後の接点接触抵抗を測定し、その結果を
第4図及び第5図に示した。これらの試験結果から明ら
かなように、本発明の密閉型リレー用ポリウレタン銅線
は、発生ガス量が極めて少なく、そして、この線を用い
た密閉型リレー用コイルは100万回オン−オフを繰り返
しても接点接触抵抗が増大しなかった。
〔発明の効果〕 本発明の密閉型リレー用ポリウレタン銅線は、焼付硬化
工程で絶縁皮膜の表面に吸着されたスタックロスが、本
発明の焼付炉の高温窒素ガス雰囲気の管路内を通過させ
ることにより洗浄,除去されているので表面クリーンな
密閉型リレー用ポリウエタン銅線である。従って、この
ポリウレタン銅線を用いた密閉型リレーは、コイル段階
での長時間加熱処理が不要となるうえに、密閉ケース内
に接点活性化を起こしやすい有機物質が殆ど存在しなく
なるので、接点の寿命が大幅に向上された高品質なもの
となり、産業に寄与するところ極めて大である。
工程で絶縁皮膜の表面に吸着されたスタックロスが、本
発明の焼付炉の高温窒素ガス雰囲気の管路内を通過させ
ることにより洗浄,除去されているので表面クリーンな
密閉型リレー用ポリウエタン銅線である。従って、この
ポリウレタン銅線を用いた密閉型リレーは、コイル段階
での長時間加熱処理が不要となるうえに、密閉ケース内
に接点活性化を起こしやすい有機物質が殆ど存在しなく
なるので、接点の寿命が大幅に向上された高品質なもの
となり、産業に寄与するところ極めて大である。
第1図は本発明の密閉型リレー用ポリウレタン銅線の製
造に用いられる窒素ガス雰囲気の管路を内在した本発明
の焼付炉の斜視図、第2図は本発明の密閉型リレー用ポ
リウレタン銅線の製造に用いられる,本発明の焼付炉を
有する製造装置を示す平面図、第3図はポリウレタン銅
線の製造に用いられる一般的な製造装置を示す概略図、
第4図は実施例の密閉型リレー用コイルの特性を試験し
たグラフ図、第5図は比較例の密閉型リレー用コイルの
特性を試験したグラフ図である。 1,1a,1b……導体、2……塗料塗布装置、3……焼付
炉、4……キャプスタン、5、6、7……滑車、8……
巻取機、9……巻取りボビン、10,10a,10b……密閉型リ
レー用ポリウレタン銅線、11a〜11d……窒素ガス雰囲気
管路、11ao〜11do……開孔口、12……窒素ガス導入管、
13……窒素ガス。
造に用いられる窒素ガス雰囲気の管路を内在した本発明
の焼付炉の斜視図、第2図は本発明の密閉型リレー用ポ
リウレタン銅線の製造に用いられる,本発明の焼付炉を
有する製造装置を示す平面図、第3図はポリウレタン銅
線の製造に用いられる一般的な製造装置を示す概略図、
第4図は実施例の密閉型リレー用コイルの特性を試験し
たグラフ図、第5図は比較例の密閉型リレー用コイルの
特性を試験したグラフ図である。 1,1a,1b……導体、2……塗料塗布装置、3……焼付
炉、4……キャプスタン、5、6、7……滑車、8……
巻取機、9……巻取りボビン、10,10a,10b……密閉型リ
レー用ポリウレタン銅線、11a〜11d……窒素ガス雰囲気
管路、11ao〜11do……開孔口、12……窒素ガス導入管、
13……窒素ガス。
Claims (2)
- 【請求項1】走行する導体上に塗料塗布装置により自己
潤滑性ポリウレタン塗料を塗布し、焼付炉に導入し焼付
硬化する塗布、焼付硬化工程を複数回繰り返し、所定厚
さの絶縁皮膜を形成した後、連続して、前記焼付炉に設
置され、該焼付炉内の加熱空気により炉内の温度と熱的
に平衡になるまで加熱された高温窒素ガス雰囲気の管路
内を通過させることにより、前記焼付硬化工程で自己潤
滑性ポリウレタン塗料から生成し絶縁皮膜上に吸着され
た低分子物及び熱分解物が高温窒素ガスにて洗浄され除
去されていることを特徴とする密閉型リレー用滑性ポリ
ウレタン銅線。 - 【請求項2】焼付炉入口側に窒素ガス導入管を設け、当
該導入管と連結し,走行する線が貫通し,開孔口を両端
末に有する管路を焼付炉内の各番線毎に設け、窒素ガス
を流入することを特徴とする請求項1記載の密閉型リレ
ー用滑性ポリウレタン銅線の製造に用いる焼付炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2257924A JPH0789456B2 (ja) | 1990-09-26 | 1990-09-26 | 密閉型リレー用滑性ポリウレタン銅線及びこれの製造に用いる焼付炉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2257924A JPH0789456B2 (ja) | 1990-09-26 | 1990-09-26 | 密閉型リレー用滑性ポリウレタン銅線及びこれの製造に用いる焼付炉 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04137319A JPH04137319A (ja) | 1992-05-12 |
JPH0789456B2 true JPH0789456B2 (ja) | 1995-09-27 |
Family
ID=17313084
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2257924A Expired - Fee Related JPH0789456B2 (ja) | 1990-09-26 | 1990-09-26 | 密閉型リレー用滑性ポリウレタン銅線及びこれの製造に用いる焼付炉 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0789456B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03152812A (ja) * | 1989-11-09 | 1991-06-28 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 絶縁電線の製造方法 |
-
1990
- 1990-09-26 JP JP2257924A patent/JPH0789456B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04137319A (ja) | 1992-05-12 |
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