JPH0789074B2 - 液面検知装置 - Google Patents

液面検知装置

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JPH0789074B2
JPH0789074B2 JP19122787A JP19122787A JPH0789074B2 JP H0789074 B2 JPH0789074 B2 JP H0789074B2 JP 19122787 A JP19122787 A JP 19122787A JP 19122787 A JP19122787 A JP 19122787A JP H0789074 B2 JPH0789074 B2 JP H0789074B2
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heating
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、温度検知素子の抵抗変化を利用して液面を検
知する液面検知装置に係り、特に液面検知精度の向上対
策に関する。
(従来の技術) 従来より、液面位置を検知する液面検知装置として、例
えば特開昭60-194319号公報に開示される如く、温度検
知素子としてのサーミスタと、サーミスタの電気抵抗値
を測定する測定手段とを備え、サーミスタの電気抵抗値
が温度により変化することを利用して、温度検知素子の
抵抗値の大小に基づいて温度検知素子が液体中にあるの
か、それとも気体中にあるのかを検知しようとする液面
検知装置が知られている。
また、この種の液面検知装置の応用として、例えば特開
昭60-14125号公報に開示される如く、温度検知素子と、
一定の幅を有するパルス電圧の印加により温度検知素子
を加熱する加熱手段とを備え、該加熱手段による温度検
知素子に対する加熱開始時の温度検知素子温度と加熱終
了時の温度検知素子温度との温度偏差を測定して、該温
度偏差と予め定まる気液判定のための境界値とを比較す
ることにより、温度検知素子に対する液面の位置を検知
しようとするものがある。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、温度検知素子の抵抗値の温度依存性を液面検
知に利用する場合、温度検知素子が設置された環境自体
の温度によって温度検知素子温度が変化するので、上記
前者の公報によるものでは、使用し得る環境温度の範囲
に一定の制限があるという問題がある。
一方、上記後者の公報によるものでは、温度検知素子の
周囲の環境つまり液体中にあるか気体中にあるかによっ
て、温度検知素子の熱放散量が異なることを利用して、
一定のパルス電圧を印加したときに、時間に対する温度
検知素子温度の変化を測定しようとするものであり、こ
の場合には周囲温度の絶対値の差にそれほど依存するこ
とがないので、広い環境温度の範囲に亘って使用できる
ものである。
しかしながら、温度検知素子の熱容量や印加される加熱
用電圧等、装置を構成する要素には本来多少のバラツキ
があり、そのバラツキが大きくなったとき、例えば加熱
用の電圧が定格値よりも低いようなときには、加熱によ
る温度上昇が低くその分温度偏差値が小さくなって、気
体中での温度偏差値が上記気液判定のための境界値以下
になる場合がある。一方、加熱用電圧が高いときには、
加熱による温度上昇が高くその分温度偏差が大きくな
る。そして、そのようなバラツキにより全体として標準
特性からのずれが大きくなって、液体中での温度偏差値
が上記境界値以上になる場合がある。したがって、上記
従来のものでは、このような場合に気液判定が正確に行
えないという問題がある。
本発明は、斯かる場合に、温度検知素子の温度変化が装
置の構成要素の特性に応じた一定の傾向を示すことに着
目してなされたものであり、その目的は、装置を構成す
る要素の特性のバラツキに起因する検知精度の誤差を抑
制する手段を講ずることにより、液面検知精度の向上を
図ることにある。
(問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するため本発明の解決手段は、加熱量を
変化させたときの温度変化特性が温度検知素子の熱容量
により支配される期間を経過した後の時刻を初期時刻と
して温度偏差を検知することにある。
具体的には、第1図に示すように、電気抵抗値が温度に
対して変化する特性を有する、例えば自己の発熱により
加熱される自己発熱型等の温度検知素子(4)と、上記
温度検知素子(4)を断続的に加熱する加熱手段(20)
とを設ける。
そして、上記加熱手段(20)による温度検知素子(4)
に対する加熱量変化時T0からその温度変化特性が温度検
知素子(4)のもつ熱容量により支配される一定時間を
経過した後の初期時刻T1における温度検知素子(4)の
温度と、上記初期時刻T1から所定時間経過後の時刻T2
おける温度検知素子(4)の温度との温度偏差を演算す
る演算手段(14)と、温度検知素子(4)が液中にある
時と空気中にある時とで生ずる上記温度偏差の違いに基
づき、気液判定の境界値を予め記憶する記憶手段(16)
と、該記憶手段(16)に記憶された境界値と上記演算手
段(14)で演算された温度偏差とを比較して、液面位置
が温度検知素子(4)の上下いずれにあるかを判定する
判定手段(17)とを設ける構成としたものである。
ここに、上記加熱量変化時T0とは、加熱開始時又は加熱
終了時をいう。
(作用) 以上の構成により、本発明では、加熱手段(20)によ
り、温度検知素子(4)が断続的に加熱されて、加熱開
始時T0から一定時間が経過するまでは、その加熱量に対
して自己の熱容量に応じた急激な温度上昇を生じ、一定
時間を経過した後の時刻T1以降は周囲の液体又は気体か
らの冷却による影響を受けて、その温度上昇速度を徐々
に鈍らせてほぼ飽和状態に達する。その後、電圧の印加
が終了すると(時刻T2)、加熱量がなくなることによ
り、それまでの加熱量に応じた上昇温度値からいったん
自己の熱容量に応じた急激な温度下降を生じ、その後周
囲からの冷却による影響を受け徐々に冷却されて、最初
の温度とほぼ同じ値に戻るという基本的な温度変化のサ
イクルを示す。
そして、例えば加熱手段(20)による加熱開始時T0から
一定時間を経過した後の時刻T1を初期時刻、加熱終了時
T2を初期時刻T1から所定時間経過後の時刻として、演算
手段(14)により、温度検知素子(4)の両時刻T1,T2
間の温度偏差が演算される。さらに、判定手段(17)に
より、該温度偏差と上記記憶手段(16)に予め記憶され
た気液判定のための境界値との比較が行われ、液面位置
が温度検知素子(4)よりも上下いずれにあるかが判定
される。
そのとき、加熱量変化時からその温度変化特性が温度検
知素子(4)のもつ熱容量により支配される一定時間を
経過した後の時刻T1を温度偏差測定の初期時刻に設定し
ているので、上記演算手段(14)により演算される温度
偏差の値が装置の構成要素の特性のバラツキにより生ず
る初期的なずれの分だけ補正され、よって、液面検知精
度が向上することになる。
(実施例) 以下、本発明の実施例について、第2図以下の図面に基
づき説明する。
第2図は本発明の実施例に係る液面検知装置の全体構成
を示し、(1)は液面センサーであって、該液面センサ
ー(1)はステンレス製の円筒状ケーシング(1a)と、
鍔状に拡がったフランジ部(1b)とを有している。
(2)は上記液面センサー(1)の周囲を囲って保持す
るための風防キャップであって、該風防キャップ(2)
は、上記液面センサー(1)の鍔部(1b)の外径にほぼ
等しい内径を有する円筒状の筒本体(2a)と、該筒本体
(2a)の略上半分に突設された平板状の取付部(2b)と
で形成され、液面センサー(1)への液体又は空気の流
れを遮断して、それらの変動による測定温度のバラツキ
が抑制されるようになされている。
また、上記液面センサー(1)のケーシング(1a)先端
の内部は、第3図に拡大詳示するように、電気抵抗値が
温度により変化する特性を有する温度検知素子としての
半導体製の自己発熱形サーミスタ(4)と、該サーミス
タ(4)を内部に固めてなるガラスビーズ(5)と、該
ガラスビース(5)全体をケーシング(1a)底部に固定
するエポキシ樹脂またはウレタン樹脂製の接着部(7)
とで構成されていて、上記サーミスタ(4)の2つの端
子にはそれぞれリード線(8),(8)が接続されてい
て、該2本のリード線(8),(8)は上方に延びケー
シング(1a)の上部から上記風防キャップ上面を通って
装置本体側に接続され、装置本体からサーミスタ(4)
への電圧印加およびサーミスタ(4)の温度を検知する
電流信号の伝達可能になされている。
なお、第2図において、(2c)は風防キャップ(2)の
取付部(2b)に設けられた取付け穴、(2d)は筒本体
(2a)の上部に設けられたドレン口、(2e)は空気抜き
口、(9)は上記液面センサー(1)の鍔部(1b)をそ
の上下で風防キャップ(2)に固定するための樹脂接着
部である。
次に、第4図は装置本体の概略構成を示し、 (10)は装置全体に一定電圧の電源を供給する定電圧電
源装置、(12)は内蔵するタイマーの出力に応じて同期
時間信号を出力するタイマー回路、(11)は該タイマー
回路(12)の同期時間信号に応じて、定電圧電源装置
(10)からの定電圧を所定の幅をもったパルス信号とし
て出力するスイッチング回路であって、上記定電圧電源
(10)、タイマー回路(12)、スイッチング回路(11)
およびサーミスタ(4)自身により、サーミスタ(温度
検知素子)(4)を断続的に加熱する加熱手段(20)が
構成されている。
次に、(13)はサーミスタ(4)からのアナログ電流信
号を受けて、ディジタル信号に変換するA/D変換器、(1
4)は該A/D変換器(13)の信号を受け、上記タイマー回
路(12)からの同時時間信号に応じて、所定時刻ごとの
サーミスタ温度の演算処理を行う演算手段としてのCP
U、(15)は該CPU(14)の演算に応じた中間データ等を
記憶するRAMである。
また、(16)は液面位置の判断に必要な基本データ等を
記憶する記憶手段としてのROMであって、該ROM(16)に
は、第5図に示すようなサーミスタ(4)に一定の電圧
を印加したときの標準的な温度変化特性に基づいて、加
熱開始時刻T0から一定時間後の時刻T1における温度C
Iと、時刻T1から所定時間経過したときの時刻T2におけ
る空気中での温度CAおよび液中での温度CLとの温度偏差
ΔCAおよびΔCL、並びにそれらの値から求められる液体
中か否かを判断する境界値としての閾値ΔCDが予め基本
的なデータとして各温度条件ごとに記憶されている。
さらに、(17)は上記ROM(16)に記憶された閾値ΔCD
と上記CPU(14)で演算された温度偏差ΔCとを比較し
て、液面位置がサーミスタ(4)よりも上下いずれにあ
るかを判定する判定手段としての比較器である。
すなわち、上記スイッチング回路(11)から第6図
(イ)に示すような矩形のパルス信号がサーミスタ
(4)に出力されると(時刻T0)、第6図(ロ)に示す
ように、サーミスタ(4)は自己発熱作用により加熱開
始(時刻T0)直後は加熱量に対して自己の熱容量に応じ
た急激な温度上昇を生じ、その温度変化特性が自己のも
つ熱容量により支配される一定時間を経過した後の時刻
T1以降は周囲の液体又は気体からの冷却による影響を受
けて、その温度上昇速度を徐々に鈍らせてほぼ飽和状態
に達する。その後、電圧の印加が終了すると(時刻
T2)、それまでの加熱量に応じた上昇温度値からいった
ん自己の熱容量に応じた急激な温度下降を生じ、その後
周囲からの冷却による影響を受けて徐々に冷却されて、
次の電圧の印加が開始されるとき(時刻T4)には、ほぼ
最初の温度と同じ値に戻るという基本的な温度変化のサ
イクルを繰り返す。そして、該サーミスタ(4)の温度
変化信号は上記A/D変換器(13)によりディジタル信号
に変換され、CPU(14)により、タイマー回路(12)か
らの同期時間信号に基づいて、上記加熱手段(20)によ
るパルス電圧の印加開始時刻T0から一定時間が経過した
後の初期時刻T1におけるサーミスタ温度C1が取込まれて
いったんRAM(15)に記憶された後、上記初期時刻T1
ら所定時間経過後の時刻であるパルス電圧の印加終了時
刻T2におけるサーミスタ温度C2が取込まれ、両時刻T1
T2におけるサーミスタ温度C1,C2間の温度偏差ΔC(=
C2−C1)が演算される。さらに、上記比較器(17)によ
り、該温度偏差ΔCと上記ROM(16)に予め記憶された
気液いずれにあるかの判断基準となる閾値ΔCDとの比較
が行われ、ΔC>ΔCDであれば気体中つまり液面がサー
ミスタ(4)よりも下方にあると判断される一方、ΔC
>ΔCDであれば、液体中つまり液面がサーミスタ(4)
よりも上方にあると判断される。すなわち、液面の位置
が検知されることになる。そして、上記比較器(17)の
出力に応じて、液を補充又は排出するポンプ(図示せ
ず)等が作動又は停止して、液面が下方にあるときには
増加する方向に、液面が上方にあるときには減少する方
向に液供給量が制御され、液面が適正な位置に保持され
るようになされている。
したがって、上記実施例では、サーミスタ(4)を加熱
して、その所定時間差における温度変化から液面位置を
検知するようにしたので、液体温度の違いによるサーミ
スタ(4)の抵抗値の変化の影響をほぼ無視することが
でき、液体の広い温度領域に亘って機能を発揮すること
ができる。
加えて、温度偏差ΔCを測定する所定時間が始まる初期
時刻としてパルス電圧の印加時ではなく、電圧を印加し
た時(加熱開始時)からサーミスタ(4)の温度変化特
性が自己のもつ熱容量により支配される一定時間が経過
した後の時刻T1に設定しているので、時刻T1には、サー
ミスタ(4)の周囲からの熱伝導による冷却効果が現れ
ず、サーミスタ(4)の温度は自己の熱容量で定まり、
液体中と気体中とによる冷却能の違いによる影響がほと
んど現れていない状態にある。そして、その初期時刻T1
とそれから所定時間経過後の時刻T2とにおけるサーミス
タ温度の偏差値ΔCと上記気液判定のための閾値ΔCD
を比較して、液面位置を判定するようにしているので、
構成要素のバラツキによる温度変化特性の初期的なずれ
の分だけ補正されることになる。
以上を定量的に説明するに、一般に、気体中での標準的
なサーミスタ温度をCA、液体中での標準的なサーミスタ
温度をCLとすると、実際に多くの測定を行ったときの温
度変化特性を表わす特性曲線は、第7図に示すように、
印加される電圧のバラツキ、サーミスタ(4)の熱容量
のバラツキ等の装置を構成する要素の特性によって、
(1−α)CAから(1+α)CA(ここで、αは正の値を
有するものとする)までの間、および(1−α)CLから
(1+α)CLまでの間にバラツキを生ずる。したがっ
て、例えば構成要素の特性に標準特性に対して+αのず
れがあるとき、従来の時刻T0を初期時刻とするもので
は、空気中の温度偏差ΔCAは下記式、 ΔCA=(1+α)CA =CA+αCA (1) で表わされ、水中の温度偏差ΔCL下記式、 ΔCL=(1+α)CL =CL+αCL (2) で表わされる。
一方、本発明の時刻T1を初期時刻とするものでは、空気
中の温度偏差ΔCAは、下記式、 ΔCA=(1+α)CA−(1+α)C1 =CA−C1+α(CA−C1) (3) で表わされ、水中の温度偏差ΔCLは下記式、 ΔCL=(1+α)CL−(1+α)C1 =CL−C1+α(CL−C1) (4) で表わされる。
上記(1)式と(2)式、(3)式と(4)式をそれぞ
れ比較すると、気液両環境中で、従来のものでも本発明
のものでも、標準値に対する誤差の割合はいずれも+α
であって、相対誤差は相等しいことがわかる。しかしな
がら、本発明では、誤差の絶対値が初期時刻T1に現れる
初期的なずれαC1分だけ小さくなっている。したがっ
て、気液いずれにあるかを判断する閾値ΔCDに対する温
度偏差ΔCのずれの絶対値が小さくなる。
一方、上記(1)式から(2)式を差引いても、上記
(3)式から(4)式を差引いても、その差はいずれも
下記式、 ΔCA−ΔCL=(1+α)(CA−CL) となって、気体中における温度偏差ΔCAと液体中におけ
る温度偏差ΔCLとの差(以下、気液偏差巾Sという)
は、従来のものと本発明のものとで等しい。
すなわち、従来のものと本発明のものとを比較した場
合、閾値ΔCDに対して、本発明のものでは従来のものと
同じ気液偏差巾Sでもって、そのバラツキの絶対値が小
さくなることになり、装置の構成要素の特性のバラツキ
による標準特性からのずれが小さくなる。
以上は、−αのバラツキがある場合にも同様である。し
たがって、装置を大量生産した場合や多くの環境条件下
で測定を行った場合に、装置の構成要素の特性に±α
(α>0)のバラツキがあったとすると、そのバラツキ
による気体中での温度偏差ΔCAの最小値と液体中での温
度偏差ΔCLの最大値との差、つまり気液偏差巾Sの最小
値Sminは、従来のものでは下記式、 Smin=(1−α)CA−(1+α)CL =CA−CL−α(CA+CL) (5) で表わされ、本発明のものでは下記式、 ΔC=(1−α)(CA−C1)−(1+α)×(CL−C1) =CA−CL−α(CA+CL)+2αC1 (6) となる。上記2つの式(5),(6)を比較すると、
(6)は(5)式におけるバラツキαの影響でΔCが標
準特性のものよりも小さな値になるのを2αC1で補正し
たものとなっている。すなわち、本発明では、多くの測
定を行った場合、気液偏差巾Sの最小値Sminが従来のも
のに比べて大きくなり、液体中での温度偏差ΔCLが閾値
ΔCDよりも大きくなったり、気体中での温度偏差ΔCA
閾値ΔCDよりも小さくなったりする誤動作が有効に抑制
されることになる。つまり精度よく気液判定を行うこと
ができることになる。
第8図は本発明による実験データを示し、6回の実験を
行った結果について、加熱開始後1秒後(T1に対応す
る)から20秒後(T2に対応する)の間におけるサーミス
タ(4)が気体中での温度偏差ΔCA(図中白丸で示す
点)と、液体中での温度偏差ΔCL(図中黒丸で示す点)
とをそれぞれ示すものである。この図に示されるよう
に、上記特性のバラツキαに対応して、見掛上、サーミ
スタ(4)が液体中にあるか気体中にあるかを判定する
ための閾値ΔCDにバラツキが生ずるものとし、例えば±
25%の変化巾を図中2つの一点鎖線で示すと、ΔCAおよ
びΔCLのいずれもがその範囲外にある。つまり、±25%
のバラツキがあっても、正確に液面位置を検知できるこ
とになる。
それに対し、加熱開始時刻から0秒後(時刻T0)と20秒
後(時刻T2)との温度偏差を利用する従来のものでは、
第9図の実験結果に示されるように、気体中におけるΔ
CAおよび液体中におけるΔCLが閾値ΔCDの±25%のバラ
ツキ範囲内に入ってしまい、この程度のバラツキがあれ
ば、正確に液面の検知ができないことがわかる。
なお、上記実施例では、液面センサー(1)全体を風防
キャップ(2)で囲っているが、本発明の液面検知装置
の構成は上記実施例に限定されるものではない。但し、
空気中の風の強度変化、液体の流れの変化等のランダム
な温度変動の原因は無いほうが望ましい。斯かる点か
ら、上記実施例のような風防キャップ(2)は精度向上
を図る上で著効を発揮するものである。
また、上記実施例では、サーミスタ温度の変化を見る所
定時間として、加熱開始時から一定時間を経過した後の
初期時刻T1とそれから所定時間経過後の時刻T2とを設定
したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではな
く、例えば、加熱終了時(時刻T2)から一定時間が経過
した後の時刻T3におけるサーミスタ温度C3と、それから
所定時間経過後の時刻T4におけるサーミスタ温度C4との
温度偏差から液面位置を検知するようにしてもよい。そ
の場合にも、加熱終了時から時刻T3までの急冷時期に
は、サーミスタ(4)が気体中にあるか液体中にあるか
による温度偏差の違いはほとんどなく、主にそれまでの
加熱温度値に対するサーミスタ(4)自身の熱容量によ
る温度変化特性が現れてしまうので、上記実施例と同様
の効果を得ることができるのである。
さらに、本発明に使用される温度検知素子は、上記実施
例のような自己発熱型サーミスタ(4)に限定されるも
のではなく、自己発熱型のダイオード、白金等の金属抵
抗体のほか、加熱手段(20)を別途設けたいわゆる傍熱
型サーミスタを使用することができるのはいうまでもな
い。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明の液面検知装置によれば、
温度検知素子を断続的に加熱するとともに、その加熱量
変化時からその温度変化特性が温度検知素子のもつ熱容
量により支配される一定時間を経過した後の時刻とそれ
から所定時間経過後の時刻とにおける温度を検出して、
それらの温度偏差と標準特性で定まる気液判定のための
境界値とを比較することにより液面を検知するようにし
たので、装置の構成要素の特性のバラツキによる温度変
化特性の初期のずれの分だけ補正して、液面検知精度の
向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を示すブロック図である。第2図
ないし第8図は本発明の実施例を示し、第2図は液面セ
ンサーの構成を示す縦断面図、第3図はサーミスタの取
付状態を示す拡大縦断面図、第4図は液面検知装置の制
御装置の回路構成図、第5図は気体中および液体中にお
けるサーミスタの加熱による温度変化特性図、第6図
(イ)はサーミスタに印加されるパルス電圧の特性図、
第6図(ロ)はそれに対応するサーミスタの温度変化特
性図、第7図はバラツキによる温度偏差のずれの説明
図、第8図は実験データである。第9図は従来のものに
よる実験データである。 (4)……サーミスタ(温度検知素子)、(14)……CP
U(演算手段)、(16)……ROM(記憶手段)、(17)…
…比較器(判定手段)、(20)……加熱手段。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気抵抗値が温度に対して変化する特性を
    有する温度検知素子(4)と、上記温度検知素子(4)
    を断続的に加熱する加熱手段(20)とを備えるととも
    に、上記加熱手段(20)による温度検知素子(4)に対
    する加熱量変化時T0からその温度変化特性が温度検知素
    子(4)のもつ熱容量により支配される一定時間を経過
    した後の初期時刻T1における温度検知素子(4)の温度
    と、上記初期時刻T1から所定時間経過後の時刻T2におけ
    る温度検知素子(4)の温度との温度偏差を演算する演
    算手段(14)と、温度検知素子(4)が液中にある時と
    空気中にある時とで生ずる上記温度偏差の違いに基づ
    き、気液判定の境界値を予め記憶する記憶手段(16)
    と、該記憶手段(16)に記憶された境界値と上記演算手
    段(14)で演算された温度偏差とを比較して、液面位置
    が温度検知素子(4)の上下いずれにあるかを判定する
    判定手段(17)とを備えたことを特徴とする液面検知装
    置。
  2. 【請求項2】温度検知素子(4)は自己の発熱により加
    熱されるものである特許請求の範囲第1項記載の液面検
    知装置。
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