JPH0788370B2 - アルケニルコハク酸無水物の製造法 - Google Patents

アルケニルコハク酸無水物の製造法

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JPH0788370B2
JPH0788370B2 JP31372187A JP31372187A JPH0788370B2 JP H0788370 B2 JPH0788370 B2 JP H0788370B2 JP 31372187 A JP31372187 A JP 31372187A JP 31372187 A JP31372187 A JP 31372187A JP H0788370 B2 JPH0788370 B2 JP H0788370B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はアルケニルコハク酸無水物の製造法に関する。
詳しくは本発明は、オレフィンと無水マレイン酸とを熱
付加反応させてアルケニルコハク酸無水物を製造する方
法の改良に関する。
〔従来の技術〕
アルケニルコハク酸無水物は、潤滑油添加剤、エポキシ
樹脂硬化剤、樹脂改質剤、可塑剤、分散剤、防錆剤等に
広い用途をもっており、最近注目されている化合物であ
る。
一般にアルケニルコハク酸無水物はオレフィンと無水マ
レイ酸とを通常180〜250℃の加熱下で熱付加反応させる
ことにより製造されるが、この際、タール状物質や高分
子量重合体等の副生物が生成し、著しい着色が生じ、製
品の品質を劣化せしめ、製品の用途に制限を加えること
になっている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記した副生物の生成を抑制する種々の方法が提案され
ている。例えば、ヒドロキシ芳香族化合物あるいはアミ
ノ芳香族化合物を添加する方法(米国特許第3,412,111
号)、立体障害性フェノール化合物を添加する方法(米
国特許第3,476,774号)、亜リン酸エステルを添加する
方法(特公昭50−33720号)、リン含有有機金属イオン
封鎖剤もしくは正リン酸を添加する方法(特開昭49−26
221号)、有機塩素化合物を添加する方法(特公昭52−2
3668号)、ハロゲンまたはハロゲン化合物を添加する方
法(特公昭52−39674号)、有機亜リン酸エステルを添
加する方法(特開昭56−12382号)等が報告されてい
る。
これらの方法では上記副生物の生成を抑制する効果は認
められるが、その効果は必ずしも充分とは言えない。特
に反応温度が200℃以上の場合には、有機塩素化合物や
ハロゲン化合物を添加する方法においては副生物の生成
を抑制する効果が小さくなり、しかもハロゲン化合物の
使用は装置の腐蝕の原因となると共に毒性が強く、作業
管理上からも好ましいものとは言えない。また、リン
酸、リン酸エステルまたは亜リン酸エステルはオレフィ
ンと無水マレイン酸との反応を行なうような高温条件下
では強酸と同程度の腐食性を示すので、特殊な材質の装
置の使用を必要とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は従来技術のかかる問題点を改良すべく、従
来のアルケニルコハク酸無水物を製造している製造装置
に対して腐蝕性がなく、かつ上記したタール状物質等の
副生物の生成を抑制し得る有効な方法を見出すべく鋭意
検討を重ねた結果、オレフィンと無水マレイン酸とを特
定の重合物の存在下で熱付加反応させることにより、上
記副生物の生成を抑制することができ、製品の色相、品
質の問題が改善されることを見出して本発明に到達し
た。
即ち本発明の要旨は、オレフィンと無水マレイン酸とを
熱付加反応させてアルケニルコハク酸無水物を製造する
方法において、反応系に一般式(I): (但し、Rは水素原子又は炭素原子数4〜58のアルキル
基を表わし、nは2〜30の整数を表わす。)で表わされ
る重合物を反応混合物中の濃度で5〜30重量%存在させ
て反応を行なうことを特徴とするアルケニルコハク酸無
水物の製造法、に存する。
次に、本発明につき詳細に説明する。
本発明方法における原料のオレフィンはエチレン性不飽
和二重結合を有する化合物であってその炭素原子数は通
常2〜500、好ましくは4〜300、さらに好ましくは8〜
100である。該オレフィンは、単品であっても、異なる
炭素原子数を有するものの混合物であってもよい。例え
ば、炭素原子数12及び14のα−オレフィンの混合物(例
えば三菱化成工業(株)製“ダイヤレン 124"(登録商
標))、炭素原子数16及び18のα−オレフィンの混合物
(同じく“ダイヤレン 168")、炭素原子数20〜28のα
−オレフィンの混合物(同じく“ダイヤレン 208")、
炭素原子数30〜60のα−オレフィンの混合物(同じく
“ダイヤレン30")等が好適に用いられる。
本発明方法においては上記オレフィンと無水マレイン酸
とを熱付加反応させる際、反応系に下記一般式(I): (式中、Rは水素原子又は炭素原子数4〜58のアルキル
基を表わし、nは2〜30の整数を表わす。)で表わされ
る重合物を特定量存在させる。
上記一般式(I)で表わされる重合物として好適なもの
は、一般式(I)中のRが炭素原子数28〜50の範囲のア
ルキル基で、かつnが3〜20、より好適には5〜15の範
囲のものである。
上記一般式(I)で示される重合物としては一般に炭素
原子数6〜60のα−オレフィンと無水マレイン酸とラジ
カル重合開始剤、例えば、ジ−t−ブチルペルオキシ
ド、t−ブチルヒドロペルオキシド等のラジカル発生剤
の存在下で共重合させて得られたものが用いられる。
上記一般式(I)で示される重合物の使用量は反応混合
物中の濃度で5〜30重量%、好ましくは10〜20重量%の
範囲である。使用量が5重量%未満では、使用量を減少
させるに従い、上記タール状物質等の副生物の生成抑制
効果が徐々に減退する。また、30重量%を超える使用量
では使用量を増加させても上記副生物の生成抑制効果は
特に変らず、逆にコストの上昇を招き、かつ製品の品質
を低下させるなどの問題が生じてくるので好ましくな
い。
本発明方法において、上記一般式(I)で示される重合
物は、オレフィンまたは無水マレイン酸の一方と予め混
合して用いるか、あるいはオレフィン及び無水マレイン
酸の混合物に冷時または加熱時に混合して用いるなどの
態様で使用される。
本発明方法においては、オレフィンと無水マレイン酸と
を、上記一般式(I)で示される重合物を反応混合物中
の濃度で5〜30重量%の量で存在させ、通常170〜260
℃、好ましくは180〜250℃、特に好ましくは190〜230℃
の熱付加反応温度で、通常30分〜24時間、好ましくは2
〜12時間の反応時間で、反応させる。上記反応における
オレフィン対無水マレイン酸の仕込モル比は、通常1:0.
5〜1:2、好ましくは1:1〜1:2の範囲である。また、反応
は通常無溶媒で行なわれる。
上記方法により無水マレイ酸の反応率を80〜100%まで
高めることができ、得られた反応液中の未反応の無水マ
レイン酸及びオレフィンは必要に応じて減圧下に加熱し
て除去することができる。
かくして得られるアルケニルコハク酸無水物はタール状
副生物の生成が殆どなく、色相も良好なものであり、そ
の融点が通常−50〜95℃、100℃における粘度は通常10
〜1000cpである。特に原料オレフィンとして炭素数28以
上のα−オレフィンを使用した場合には、融点55℃〜95
℃、100℃における粘度は30〜150cpであり、樹脂改質
剤、分散剤、防錆剤等に有利に使用される。
〔実施例〕
次に本発明の実施の態様を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下
の実施例によって限定されるものではない。
なお、以下の実施例における各物性の測定方法は次の通
りである。
粘度:B型粘度計を用いて、100℃で測定した。
針入度:ASTM−D−1321−61Tに従い、25℃にて測定し
た。
融点:自動融点測定装置(メトラーFP)を用いて測定し
た。
実施例1 炭素数30〜60のα−オレフィン混合物(三菱化成工業
(株)製、“ダイヤレン30"(登録商標))650g(0.97
モル)及びα−オレフィン・無水マレイン酸共重合物
(一般式(I)においてRが炭素原子数p28〜58のアル
キル基で、nが5〜10の整数で示されるα−オレフィン
・無水マレイン酸共重合物)111.7g(α−オレフィン及
び無水マレイン酸の仕込総重量に対して15%)をフラス
コに仕込み、100℃に加熱して窒素ガスで十分置換し
た。その後、無水マレイン酸98g(1モル)を仕込み、
温度210℃において9時間反応させた。反応時、無水マ
レイン酸の反応率は約4時間後に90%に達し、最終的に
は99%以上であった。着色副生物は大幅に減少し、色相
も良好であり、何らの精製をすることなく製品に供しう
るものであった。その物性を下記に示す。
粘度:22.6cp(100℃) 針入度:3.2 融点:74℃ ケン化価:113 比較例1 炭素数30〜60のα−オレフィン混合物(“ダイヤレン3
0")650g(0.97モル)及び無水マレイン酸98g(1モ
ル)をフラスコに仕込み、窒素ガスで充分置換したの
ち、温度200℃で6時間反応させた。続いて温度220℃
で、さらに2時間反応させた。この時の無水マレイン酸
の反応率は85%であった。続いて減圧において無水マレ
イン酸を留去しようとしたところ、無水マレイン酸が留
出系の配管を詰まらせたため、留出系の配管を加熱保温
して無水マレイン酸を留去した。製品は着色が著しく、
不溶性の着色物が反応容器に付着し、製品の下部に沈殿
していた。
粘度:40cp(100℃) 針入度:5 融点:74℃ 比較例2 炭素数30〜60のα−オレフィ混合物(“ダイヤレン3
0")650g(0.97モル)、無水マレイン酸重合防止剤とし
てフェノチアジン0.745g(α−オレフィン及び無水マレ
イン酸の仕込総重量に対して0.1%)及び実施例1で使
用したのと同じα−オレフィン・無水マレイン酸共重合
物111.7g(α−オレフィン及び無水マレイン酸の仕込総
重量に対して15%)をフラスコに仕込み、100℃に加熱
して窒素ガスで十分置換した。その後、無水マレイン酸
98g(1モル)を仕込み、温度210℃において反応させ
た。この場合は、無水マレイン酸の仕込みと同時に着色
が起り、異物の量は減少したものの、製品は暗い茶色に
着色した。
実施例2 炭素数30〜60のα−オレフィン混合物(“ダイヤレン3
0")464g(0.693モル)及び実施例1で使用したのと同
じα−オレフィン・無水マレイン酸共重合物79.8(α−
オレフィ及び無水マレイン酸の仕込総重量に対して15
%)及び無水マレイン酸67.9g(0.693モル)をパイレッ
クスガラス製反応器に仕込み、100℃に加熱して窒素ガ
スで十分置換した。ついでこれを温度210℃に加熱し、
7.0時間反応させたところ、無水マレイン酸の反応率は9
1.1%であった。
その後、圧力7mmHg,温度160℃において反応液から未反
応物を除去した。得られた反応液は、タール状副生物の
生成がごく僅かであった。
融点:74.5℃ ケン化価:116 針入度:6.0 比較例3 炭素数30〜60のα−オレフィン混合物(“ダイヤレン3
0")544g(0.812モル)及び無水マレイン酸79.6g(0.81
2モル)をパイレックスガラス製反応器に仕込み、100℃
に加熱して窒素ガスで十分置換した。ついで、これを温
度210℃に加熱し、7.0時間反応させたところ、無水マレ
イン酸の反応率は96.0%であった。
その後、圧力7mmHg、温度160℃において、反応液から未
反応物を除去した。得られた反応液は、タール状副生物
が下部に沈降して層をなしていた。このタール状副生物
を除去した後の製品は下記のようなものであった。
融点:73.5℃ ケン化価:114 針入度:4.5 〔発明の効果〕 本発明方法により、オレフィンと無水マレイン酸とを熱
付加反応させてアルケニルコハク酸無水物を製造する際
の副生物の生成が抑制され、また製品の色相及び品質が
改善される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オレフィンと無水マレイン酸とを熱付加反
    応させてアルケニルコハク酸無水物を製造する方法にお
    いて、反応系に一般式(I): (但し、Rは水素原子又は炭素原子数4〜58のアルキル
    基を表わし、nは2〜30の整数を表わす。)で表わされ
    る重合物を反応混合物中の濃度で5〜30重量%存在させ
    て反応を行なうことを特徴とするアルケニルコハク酸無
    水物の製造法。
JP31372187A 1986-12-27 1987-12-11 アルケニルコハク酸無水物の製造法 Expired - Fee Related JPH0788370B2 (ja)

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